JP4164373B2 - 磁歪式荷重センサおよび荷重検出装置 - Google Patents

磁歪式荷重センサおよび荷重検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検出する磁歪式荷重センサおよび荷重検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁歪式荷重センサは、磁化された強磁性体から成る磁歪素子に荷重が加わるときの歪に応じた磁歪素子自身の透磁率変化により、その周囲に巻回されたコイルを含む交流抵抗(インピーダンス)に変化が生じることによって荷重を検知するものである。この磁歪式荷重センサを用いた荷重検出装置は、コイルのインピーダンス変化を信号として増幅処理することによって荷重の検出を行う。このような荷重検出装置に用いられる磁歪式荷重センサには、低コストであるとともに機械的な信頼性が高いという利点があり、これまでにもさまざまな形状を有する磁歪式荷重センサが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
図10は、従来の磁歪式荷重センサの一構成例を示す断面図である。同図に示す磁歪式荷重センサ5は、逆磁歪効果を有する強磁性体から成り、外部から加わる荷重を直接受けるロッド形状の磁歪素子である荷重受け部51と、この荷重受け部51の周囲に配置されたボビン57に収納されたコイル53と、これら荷重受け部51、コイル53、およびボビン57を収容する強磁性体製のケース55とから構成されている。図10に示す場合、ケース55は上側ケース55aと受け側ケース55bの上下2分割構造を有する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−241955号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の磁歪式荷重センサには、ワイヤやケーブル等の棒状部材に加わる荷重を検知する際、その中心軸とは異なる場所に配置して荷重を検知せざるを得ないため、荷重受け部全体で均等な荷重を受けることが困難な場合があり、測定精度が低下する恐れがあった。
【0006】
また、荷重受け部が軸方向とは異なる場所に偏在することにより、磁歪式荷重センサを含めた荷重検出機構全体の形状を小型軽量化することが難しかった。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸方向に加わる荷重を同軸上で検出することによって測定精度の向上を実現するとともに、荷重検出機構全体の小型軽量化を図ることのできる磁歪式荷重センサおよび荷重検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサであって、外部からの荷重を受けるために、ロッド形状をなす磁性体の長手方向の中心軸を含む領域が貫通されて成る荷重受け部を備えたことを要旨とする。
【0009】
本発明によれば、外部からの荷重を受けるために、ロッド形状をなす磁性体の長手方向の中心軸を含む領域が貫通されて成る荷重受け部を備えた磁歪式荷重センサを提供することにより、軸方向に加わる荷重を同軸上で検出し、測定精度の向上を実現するとともに、荷重検出機構全体の小型軽量化を図ることが可能となる。
【0010】
本発明は、前記荷重受け部の貫通された領域に面する側面に樹脂または非磁性の金属から成る被覆部を設けたことを要旨とする。
【0011】
本発明によれば、中空ロッド形状の内側面に被覆部を設けることにより、荷重受け部を保護するとともに中空部を貫通する部材との摺動性を付与することができる。
【0012】
本発明は、コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサであって、外部からの荷重を受けるために、同一のロッド形状をなす複数の磁性体の長手方向の中心軸が同一円周上を互いに平行に通過するように配置されて成る荷重受け部と、この荷重受け部を構成する前記複数の磁性体の各々に接するとともに、前記複数の磁性体の長手方向の中心軸が互いに平行に通過する円の直径よりも外径の小さい円環断面を有する円筒部とを備えたことを要旨とする。
【0013】
本発明によれば、外部からの荷重を受けるために、同一のロッド形状をなす複数の磁性体の長手方向の中心軸が同一円周上を互いに平行に通過するように配置されて成る荷重受け部と、この荷重受け部を構成する前記複数の磁性体の各々に接するとともに、前記複数の磁性体の長手方向の中心軸が互いに平行に通過する円の直径よりも外径の小さい円環断面を有する円筒部とを備えた磁歪式荷重センサを提供することにより、軸方向に加わる荷重を同軸上で検出し、測定精度の向上とともに、荷重検出機構の小型軽量化を図ることが可能となる。
【0014】
本発明は、上記磁歪式荷重センサを用いて荷重を検出する荷重検出装置を提供するものである。
【0015】
本発明は、コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサを用いて荷重を検出する荷重検出装置であって、外部からの荷重を受けるために、ロッド形状をなす磁性体の長手方向の中心軸を含む領域が貫通されて成る荷重受け部をそれぞれ備え、前記長手方向の中心軸が一致する一対の磁歪式荷重センサと、この一対の磁歪式荷重センサの各々に接続され、各磁歪式荷重センサから出力される信号をそれぞれ検出する第1および第2の信号検出手段と、この第1および第2の信号検出手段においてそれぞれ検出された信号の差を増幅する増幅手段とを有することを要旨とする。
【0016】
本発明は、前記荷重受け部の貫通された領域に面する側面に樹脂または非磁性の金属から成る被覆部を設けたことを要旨とする。
【0017】
本発明は、コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサを用いて荷重を検出する荷重検出装置であって、外部からの荷重を受けるために、同一のロッド形状をなす複数の磁性体の長手方向の中心軸が同一円周上を互いに平行に通過するように配置されて成る荷重受け部と、この荷重受け部を構成する前記複数の磁性体の各々に接するとともに、前記複数の磁性体の長手方向の中心軸が互いに平行に通過する円の直径よりも外径の小さい円環断面を有する円筒部とをそれぞれ備え、前記長手方向の中心軸が一致する一対の磁歪式荷重センサと、この一対の磁歪式荷重センサの各々に接続され、各磁歪式荷重センサから出力される信号をそれぞれ検出する第1および第2の信号検出手段と、この第1および第2の信号検出手段においてそれぞれ検出された信号の差を増幅する増幅手段とを有することを要旨とする。
【0018】
本発明によれば、上述した一対の磁歪式荷重センサと、この一対の磁歪式荷重センサの各々に接続され、各磁歪式荷重センサから出力される信号をそれぞれ検出する第1および第2の信号検出手段と、この第1および第2の信号検出手段においてそれぞれ検出された信号の差を増幅する増幅手段とを有する荷重検出装置を提供することにより、磁歪式荷重センサの軸方向に加わる荷重を同軸上で検出することによって測定精度の向上を実現するとともに、荷重検出機構全体の小型軽量化を図ることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁歪式荷重センサの構成を表す断面図である。同図に示す磁歪式荷重センサ1は、外部からの荷重を受ける強磁性体製の荷重受け部11と、荷重受け部11の周囲に巻回されるコイル13と、荷重受け部11およびコイル13を収容する強磁性体製のケース15とから少なくとも構成されている。このうちコイル13は、荷重受け部11の周囲に配置されたベークライト、ナイロン等の樹脂から成るボビン17に収納される。
【0021】
荷重受け部11は、歪によって透磁率変化を生じる逆磁歪効果を有する鉄、クロム、ニッケル、フェライト等の強磁性体から成るロッド形状の磁歪素子であり、その長手方向(ロッドの高さ方向)の中心軸を含む軸対称な領域は、貫通されて円柱形状の中空部をなしている。このように、荷重受け部11の任意の横断面が同一の円環形状を有することにより、ワイヤやケーブル等の棒状部材を荷重受け部11の中空部に面した側面(内壁面)と密着して挿入することによって、その棒状部材の軸方向に加わる荷重を同軸上で検知し、荷重を受ける面上で均等な力を受けることが可能となり、測定精度を向上させることができる。また、センサ部を同軸上に配置できるので、通常のロードセルを中心からオフセットして設けた場合よりも全体をコンパクトに構成できる。
【0022】
図2は、磁歪式荷重センサ1の好ましい形状を示す図1の矢視A方向の上面図である。同図に示す磁歪式荷重センサ1においては、前述したように荷重受け部11が円筒形状をなすとともに、その上下底面に平行な断面(横断面)が円環形状をなしている。また、ケース15の横断面も円環形状をなしており、この円環の中心と荷重受け部11の横断面をなす円環の中心は一致している。
【0023】
荷重受け部11の周囲に巻回されるコイル13は、その巻数が、コイル13に所定の電流を流したときに磁束が飽和するために必要な磁界の強度を生じるように設定されている。このように巻回されたコイル13を流れる電流によって生じた磁束は、強磁性体製の荷重受け部11とケース15によって安定化される。すなわち、荷重受け部11とケース15は、全体で磁束の磁路を構成する。
【0024】
なお、図2に示した形状を有する磁歪式荷重センサ1の場合、荷重受け部11の中空部の内径としては、数mm〜30mm程度が想定され、荷重受け部11の外径は中空部の内径よりも最大で20mm程度大きい値、すなわち最大50mm程度の値が想定される。
【0025】
図3は、以上の構成を有する磁歪式荷重センサ1を用いて荷重を検出する荷重検出装置の概略構成を示す説明図である。同図に示す荷重検出装置60は、一対の磁歪式荷重センサ1Aおよび1Bからそれぞれ出力される信号の差を増幅して出力する差動増幅回路として構成される。
【0026】
荷重検出装置60は、信号を発振して回路に電圧を印加する発振回路61、外部からの荷重を検知する2つの磁歪式荷重センサ1Aおよび1B、各磁歪式荷重センサからの出力信号を基準電圧との差から計測する検出抵抗等から成る電流検出部63Aおよび63B、出力信号を整流して平滑を行うためにダイオード等から成る整流回路65Aおよび65B、各磁歪式荷重センサからの出力信号の差を取り出し、その差を増幅する増幅手段としてオペアンプ等から成る増幅部67を少なくとも有する。このうち、電流検出部63A(63B、以下括弧内が対応)および整流回路65A(65B)は、磁歪式荷重センサ1A(1B)から出力される信号を検出する第1の信号検出手段(第2の信号検出手段)に他ならない。
【0027】
図3の直線X−Xは、二つの磁歪式荷重センサ1Aおよび1Bが、その直線X−Xを同軸として近接して設けられていることを意味する。このように配置することにより、二つの磁歪式荷重センサの温度等の特性をほぼ均一に保つことができ、測定精度を向上させることができる。
【0028】
さらに、電流検出部63A、63B同士、および整流回路65A、65B同士についても、それらが配設される基板上で空間的に対称な配置をとるように互いの近傍に配設すれば、温度特性が一段と改善され、さらに測定精度を向上させることができる。
【0029】
以上の構成を有する荷重検出装置60の作用を説明する。以後の説明においては、磁歪式荷重センサ1Aと1Bに共通の事項を説明する際には、符号AおよびBを省略して記載し、各々を区別する必要がある場合には、AおよびBを付加した符号を用いることにする。
【0030】
磁歪式荷重センサ1において、荷重受け部11はコイル13を流れる電流によって磁化されており、荷重受け部11の上端部に外部から鉛直下向き(図1の矢印方向)の荷重が加わると、逆磁歪効果によって荷重受け部11の透磁率が変化してコイル13のインダクタンスを含む回路の交流抵抗(インピーダンス)が変化する。このインピーダンス変化に伴うコイル13両端の電圧変化を磁歪式荷重センサ1に接続された電気回路、すなわち荷重検出装置60の他の部位(二つの信号検出手段および増幅手段)を介して測定することにより、荷重を電磁気的に検出することができる。
【0031】
図4は、図3に示した荷重検出装置60と等価な回路構成を示すとともに、荷重検出装置60の一適用例を示すブロック図である。同図に示す荷重検出装置60からの出力信号は制御部70に送信される。制御部70はCPU(Central Processing Unit)等を有する電子的な装置を用いて構成されており、検出された荷重に基づいて所定の演算を行い、この演算結果に応じた駆動力等を発生するアクチュエータ80に対して制御信号を送信するための制御プログラムが、RAM(Random Access Memory)等から成るメモリに電子的に格納されている。
【0032】
アクチュエータ80は、モータや油圧等を利用して駆動力を発生させるものであり、制御部70から受信した制御信号に応じて、制御対象を駆動するのに必要な駆動力をその制御対象に加える。
【0033】
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、荷重を直接受ける荷重受け部の中心軸付近を貫通して中空形状とし、この貫通して成る中空部分に、荷重が加わるワイヤ等の棒状部材を密着して挿入することにより、その棒状部材の軸方向に加わる荷重を同一軸上で均等に受け、測定精度の向上を図ることができる。
【0034】
したがって、本実施形態に係る磁歪式荷重センサは、荷重受け部の中空部に挿入されるワイヤやケーブル等の棒状部材の移動に起因する荷重を検出する際に、特に大きな効果を奏する。
【0035】
さらに、本実施形態によれば、磁歪式荷重センサへの特別な荷重分配機構が不要なため、従来の磁歪式荷重センサを構成する部品点数よりも少ない部品点数で磁歪式荷重センサを構成することができ、その結果コストの低減ならびに荷重検出機構全体の小型・軽量化を実現することが可能となる。
【0036】
ところで、本実施形態に係る磁歪式荷重センサの構成はこれに限られるわけではない。以下、磁歪式荷重センサ1と同様の効果を奏する磁歪式荷重センサの他の構成例を説明する。なお、後述する各磁歪式荷重センサを構成する荷重受け部およびケースは、磁歪式荷重センサ1と同じく強磁性体から成る。
【0037】
図5は、本実施形態に係る磁歪式荷重センサの第2の構成例を与える断面図である。同図に示す磁歪式荷重センサ2は、荷重受け部21がセンサの底面部まで達するようにケース25に嵌合されて成る。それ以外の構成については、上述した磁歪式荷重センサ1(図1を参照)と同様である。また、この場合にも、横断面が円筒形状であればより好ましい(図2を参照)。この磁歪式荷重センサ2は、荷重受け部21の全体でケース25を介さずに荷重を受けることができるため、感度や応答性の点では磁歪式荷重センサ1よりも有利になる場合がある。
【0038】
図6は、本実施形態に係る磁歪式荷重センサの第3の構成例を示す断面図である。同図に示す磁歪式荷重センサ3は、センサの底面部まで達するようにケース35に嵌合されて成る荷重受け部31の中空部に面した側面(内壁面)に被覆部39を設けたことを特徴とする。被覆部39は、ポリアセタル、テフロン(登録商標)チューブ、フッ素樹脂等の硬質の樹脂、またはオーステナイト系188ステンレス鋼であるSUS304、SUS316等の非磁性の金属から成る。これにより、荷重受け部31の中空部内に棒状部材等を密着して挿入したときに、この挿入した部材との間の摺動性を付与すると同時に、挿入した部材が移動して荷重が加わるときの曲げ応力等から荷重受け部31を保護することができる。なお、被覆部39以外の各部位の構成については磁歪式荷重センサ1と同じなので、各部位の符号は磁歪式荷重センサ1の対応する部位の符号と下1桁を揃えてある。図7に、図6における矢視B方向の上面図を示す。
【0039】
以上説明した磁歪式荷重センサ2および3以外にも、例えば磁歪式荷重センサ1の荷重受け部11のケース15の底面部との境界付近にフランジ形状をなす補強部を設けることも可能である(図示せず)。この場合には、荷重受け部11に加わる荷重によってケース15の底面部が剪断降伏しないように、底面部の厚さと荷重受け部11の外径の比率を適宜調整してさらに小型化を図ることができる。この際の補強部の形状としては、一つまたは複数の段付き形状、テーパ形状、R形状等様々な形状を適用することも可能である。
【0040】
また、上述したいずれかの磁歪式荷重センサにおいて、少なくとも荷重受け部のコイル接触部分にゴムや樹脂等の絶縁物質から成る絶縁皮膜をコーティングまたは塗装または溶射等によって設けることにより、ボビンを用いずに荷重受け部の周囲にコイルを直接巻回することも可能である。この場合の絶縁皮膜としては、シリコンなどの絶縁スプレーを利用することも可能である。
【0041】
以上説明した各磁歪式荷重センサによれば、磁歪式荷重センサ1と同様の効果を得ることができる。また、それらの磁歪式荷重センサのうちいずれかを用いて構成される荷重検出装置についても、荷重検出装置60と同様の効果を奏するものであることはいうまでもない。
【0042】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る磁歪式荷重センサの構成を示す断面図である。同図に示す磁歪式荷重センサ4は、荷重受け部を強磁性体製の複数の中実ロッド41から構成する。これらの中実ロッド41は、長手方向(中実ロッドの高さ方向)の中心軸が同一円周上を通過するとともに、各中心軸が互いに平行な方向を指向するように配置されている。このため、本実施形態においては、荷重受け部と中空部との間に、上記第1の実施形態の被覆部39と同様の素材から成り、各中実ロッドに内接する円筒形状の円筒部49を設けることが必須である。この円筒部49の断面をなす円環の外径は、各中実ロッド41の長手方向の中心軸が通過する円の直径よりも小さい。なお、中実ロッド41の径や本数が、中空部に挿入されるワイヤやケーブル等の棒状部材の径に応じて適宜変更されることはいうまでもない。
【0043】
前述した複数の中実ロッド41から成る荷重受け部および円筒部49を除く磁歪式荷重センサ4の各構成要素は、第1の実施形態で説明した磁歪式荷重センサ1、2、および3と同じなので、図8においては、各構成要素に付した下1桁の符号を、磁歪式荷重センサ1、2、および3で対応する構成要素の符号の下1桁と揃えて記載してある。
【0044】
また、図8の矢視C方向の上面図である図9に示すように、ケース45の形状についても、第1の実施形態と同様、ケース45の上下底面に平行な断面(横断面)が円環形状をなしていればより好ましい。
【0045】
本実施形態に係る磁歪式荷重センサ4を用いて構成される荷重検出装置については、上記第1の実施形態における荷重検出装置60(図3を参照)とその構成自体に差異はなく、その作用も同一なので、ここでは説明を省略する。荷重検出装置の適用例についても同様である(図4を参照)。
【0046】
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
ところで、本発明は、上記第1および第2の実施形態においてのみ特有の効果を奏するものと理解されるべきではない。
【0048】
例えば、荷重受け部およびケースを、ポーラス構造(多孔性および浸透性を有する構造)をなす強磁性体から構成することも可能である。ポーラス構造をなす強磁性体は、バルクの単体と比較して平均有効径が小さく、周波数特性が良い。したがって、このような強磁性体によって形成される金属フォームのネットワークを荷重受け部として用いることにより、荷重受け部の外径を細くすることなく所望の感度を得ることができ、磁歪式荷重センサの小型・軽量化による荷重受け部の強度の脆弱化を防止することが可能となる。加えてこの場合には、荷重受け部やケースを型成形によって生産できるので、切削等の工程が不要となり、量産によるコスト減を実現することができる。
【0049】
また、荷重受け部とケースの一部または全部を一体化するような構成にすることも可能である。これにより、部品点数を減らして一段とコストを抑えることができる。
【0050】
このように、本発明は、上記第1および第2の実施形態と同様の効果を奏するさまざまな実施の形態等を含みうるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、軸方向に加わる荷重を同軸上で検出することによって測定精度の向上を実現するとともに、荷重検出機構全体の小型軽量化を図ることのできる磁歪式荷重センサおよび荷重検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁歪式荷重センサの構成を示す断面図である。
【図2】図1の矢視A方向の上面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る荷重検出装置の概略構成を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る荷重検出装置の適用例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る磁歪式荷重センサの第2の構成例を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る磁歪式荷重センサの第3の構成例を示す断面図である。
【図7】図6の矢視B方向の上面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁歪式荷重センサの構成を示す断面図である。
【図9】図8の矢視C方向の上面図である。
【図10】従来の磁歪式荷重センサの一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 磁歪式荷重センサ
11、21、31、51 荷重受け部
13、23、33、43、53 コイル
15、25、35、45、55 ケース
17、27、37、47、57 ボビン
39 被覆部
41 中実ロッド
49 円筒部
60 荷重検出装置
61 発振回路
63A、63B 電流検出部
65A、65B 整流回路
67 増幅部
70 制御部
80 アクチュエータ

Claims (4)

  1. コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサであって、
    外部からの荷重を受けるために、ロッド形状をなす磁性体の長手方向の中心軸を含む領域が貫通されて成る荷重受け部を備え
    前記荷重受け部の貫通された領域に面する側面に樹脂または非磁性の金属から成る被覆部を設けたことを特徴とする磁歪式荷重センサ。
  2. コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサであって、
    外部からの荷重を受けるために、同一のロッド形状をなす複数の磁性体の長手方向の中心軸が同一円周上を互いに平行に通過するように配置されて成る荷重受け部と、
    この荷重受け部を構成する前記複数の磁性体の各々に接するとともに、前記複数の磁性体の長手方向の中心軸が互いに平行に通過する円の直径よりも外径の小さい円環断面を有する円筒部と
    を備えたことを特徴とする磁歪式荷重センサ。
  3. コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサを用いて荷重を検出する荷重検出装置であって、
    外部からの荷重を受けるために、ロッド形状をなす磁性体の長手方向の中心軸を含む領域が貫通されて成る荷重受け部をそれぞれ備え、前記長手方向の中心軸が一致する一対の磁歪式荷重センサと、
    この一対の磁歪式荷重センサの各々に接続され、各磁歪式荷重センサから出力される信号をそれぞれ検出する第1および第2の信号検出手段と、
    この第1および第2の信号検出手段においてそれぞれ検出された信号の差を増幅する増幅手段と
    を有し、
    前記荷重受け部の貫通された領域に面する側面に樹脂または非磁性の金属から成る被覆部を設けたことを特徴とする荷重検出装置。
  4. コイルを流れる電流によって磁化された磁性体に加わる荷重に起因する当該磁性体の歪に伴う透磁率の変化に基づいて荷重を検知する磁歪式荷重センサを用いて荷重を検出する荷重検出装置であって、
    外部からの荷重を受けるために、同一のロッド形状をなす複数の磁性体の長手方向の中心軸が同一円周上を互いに平行に通過するように配置されて成る荷重受け部と、この荷重受け部を構成する前記複数の磁性体の各々に接するとともに、前記複数の磁性体の長手方向の中心軸が互いに平行に通過する円の直径よりも外径の小さい円環断面を有する円筒部とをそれぞれ備え、前記長手方向の中心軸が一致する一対の磁歪式荷重センサと、
    この一対の磁歪式荷重センサの各々に接続され、各磁歪式荷重センサから出力される信号をそれぞれ検出する第1および第2の信号検出手段と、
    この第1および第2の信号検出手段においてそれぞれ検出された信号の差を増幅する増幅手段と
    を有することを特徴とする荷重検出装置。
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