JP4162687B2 - 量子情報通信システム、量子情報中継装置、量子情報通信方法およびプログラム - Google Patents

量子情報通信システム、量子情報中継装置、量子情報通信方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、多者間で量子情報中継を利用して長距離の量子情報通信を行う量子情報通信システム、量子情報中継装置、量子情報通信方法およびプログラムに関する。
強力な暗号プリミティブとして提案されている量子鍵配送において、安全性を保証するためには、送信する信号の強度を十分に小さくしておく必要がある。信号強度が微弱であることには高い安全性を確保することができる一方、短い通信距離で量子状態が減衰するという問題がある。また、量子状態としての信号は、正確な観測基底を知らない場合には、複製できないという特徴も有しているため、一度、信号を読み取って新たに信号を生成することによって、信号の減衰を回復することができず、量子状態としての信号を増幅することは非常に困難となっている。このため、量子情報中継の技術が提案されている。
量子情報中継は、量子状態としての信号を遠隔地まで高い忠実度で送信する技術であり、エンタングルメントスワッピング(ES:entanglement Swapping)によって互いにもつれ合った光子対であるEPR対の長さを伸張し、エンタングルメント純粋化プロトコル(EPP:Entanglement Purification Protocol)によって忠実度を回復するという2つの操作を繰り返すことによって、EPR対の長さを徐々に伸張していきつつ、忠実度を確保する技術である。ここで、忠実度とは、減衰後の量子状態が減衰前の量子状態にどの程度近いかを示す指標である。
より具体的には、量子情報中継プロトコルは以下の手順で進行する。まず、各中継地点において、EPR対を発生させて、EPR対の一方の光子を隣接する中継地点に送信する。これにより、隣り合った中継地点の間でEPR対が共有される。この後、ESによりEPR対をつなぎ合わせる。隣接する地点間でのEPR対の共有やES操作の際に忠実度が低下するが、このように低下した忠実度をEPPにより向上させる。そして、送信者と受信者との間でEPR対が共有されるまでES及びEPPを繰り返し実行する。このようにしてEPR対は送信者と受信者との間で共有され、量子状態としての信号を遠隔地まで高い忠実度で送信することができる(例えば、非特許文献1参照)。
H.J. Briegel et.al. Quantum repeaters:The role of imperfect local operations in quantum communication.Phys.Rev.Lett.,Vol.81,No.26,pp.5932, 1998.
しかしながら、このような量子情報中継の技術では、次のような問題点がある。量子情報中継においては古典通信が使用されるが、EPR対は、古典通信を行っている間は中継地点にある量子メモリ内に保存されることになる。量子メモリ内に保存されたEPR対の量子状態の忠実度は時間とともに減衰するため、保存時間の増加は共有されるEPR対の忠実度の低下につながってくる。このため、共有されるEPR対の忠実度を高めるためには、古典通信の時間をできるだけ短くする必要がある。
また、量子情報中継で使用する量子情報中継器には、小規模な量子計算機や量子メモリが搭載される。これらの量子計算機や量子メモリは古典通信路に用いられる光ファイバーや古典信号の増幅器に比べて高価であるため、量子情報中継器を古典通信路が存在する全ての経路に設置すると、ネットワーク構築のためのコストが増大してしまう。このため、実際にネットワークを構築する際には中継器を備えた量子情報通信路の密度は古典通信路に比べて疎になると考えられる。従って、量子情報通信路は、必然的に古典通信路の最短距離に比べて遠回りとなってしまう。この場合、上述したように、信号の安全性を確保することが困難となるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、量子情報中継を使用した量子情報通信において、受信者に対して量子状態の忠実度を維持しつつ、安全性を確保することができる量子情報通信システム、量子情報中継装置、量子情報通信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信の際に、もつれ合った光子対であるEPR対を他のノードと共有し、前記EPR対の各光子間の距離を伸張する量子中継を行う複数の量子情報中継装置とを備えた量子情報通信システムであって、前記量子情報中継装置のそれぞれは、前記EPR対を生成するEPR対生成手段と、生成された前記EPR対の一方の光子を隣接するノードの前記量子情報中継装置に送信する光子送信手段と、隣接するノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対を共有するエンタングルメント交換処理を実行するエンタングルメント交換実行手段と、前記エンタングルメント交換処理によって共有した前記EPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対の忠実度を回復するための処理であるエンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行するエンタングルメント純粋化プロトコル実行手段と、を備え、前記エンタングルメント純粋化プロトコル手段は、前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理のうち最後の前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行する場合に、最後に実行された前記エンタングルメント交換処理および当該エンタングルメント交換処理以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典通信路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする。
また、本発明は、送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信の際に、もつれ合った光子対であるEPR対を他のノードと共有し、前記EPR対の各光子間の距離を伸張する量子中継を行う量子情報中継装置であって、前記EPR対を生成するEPR対生成手段と、生成された前記EPR対の一方の光子を隣接するノードの前記量子情報中継装置に送信する光子送信手段と、隣接するノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対を共有するエンタングルメント交換処理を実行するエンタングルメント交換実行手段と、前記エンタングルメント交換処理によって共有した前記EPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対の忠実度を回復するための処理であるエンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行するエンタングルメント純粋化プロトコル実行手段と、を備え、前記エンタングルメント純粋化プロトコル実行手段は、前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理のうち最後の前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行する場合に、最後に実行された前記エンタングルメント交換処理および当該エンタングルメント交換処理以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典通信路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする。
本発明によれば、量子情報中継を使用した量子情報通信において、受信者に対して量子状態の忠実度を維持しつつ、安全性を確保することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる量子情報通信システム、量子情報中継装置、量子情報通信方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる量子情報通信システムは、従来、送信者と受信者とを結ぶ全区間にわたって量子情報中継装置を結ぶ経路と古典通信路が一致していたのに対して、量子情報中継装置を結ぶ経路よりも短い経路で古典通信が可能になる場合には当該古典通信の経路を選択することにより通信を実現するものである。
図1は、実施の形態1にかかる量子情報通信システムのネットワーク構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる量子情報通信システムは、複数の量子情報中継装置100が光ファーバー140で接続された構成となっている。かかる光ファイバー140によって構成されるネットワークは、古典通信路と量子情報通信路の双方で構成されている。
量子情報中継装置100は、送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信を中継するものである。ここで、本実施の形態では、量子情報中継装置100自体が送信ノードおよび受信ノードとなる構成となっている。
量子情報中継装置100は、図1に示すように、制御用古典計算機110と中継器120とを備えている。制御用古典計算機110は、CPUやメモリ等を備えた通常のコンピュータの構成となっている。
図2は、実施の形態1にかかる中継器120の機能的構成を示すブロック図である。中継器120は、図2に示すように、EPR対生成ユニット121と、光子入力ユニット122と、光子−固体EIT間変換ユニットと、内部にメモリ125を備えた光子−固体EIT量子計算機124と、光子送信ユニット126とを主に備えている。
EPR対生成ユニット121は、EPR対を生成するものであり、光子対を発生するデバイスを用いることができる。ここで、EPR対とは、もつれあった光子対である。2つの光子のもつれ合いの度合いが最も大きいのは2光子がベル状態の場合である。ベル状態とは、次の(1)〜(4)式で表される4つの状態である。なお、ベル状態を基底として2光子に対して行う観測をベル合同測定という。
Figure 0004162687
ここで、|0>は光子の偏光が0度の状態であり、|1>は光子の偏光が90度の状態である。また、(1/√2)(|0>+|1>)は光子の偏光が45度の状態であり、(1/√2)(|0>−|1>)は光子の偏光が135度の状態である。
光子対を発生するデバイスの詳細については、技術文献「R.M. Stevenson, R.J. Young, P. Atkinson, K. Cooper, D.A. Ritchie, and A.J. Shields. A semiconductor wource of triggered entangled photon pairs. Nature, Vol. 439, pp. 179−182, 2006.」に記載されている。
光子送信ユニット126は、生成されたEPR対の一方の光子を隣接するノードの量子情報中継装置100に送信するものである。
光子入力ユニット122は、EPR対の一方の光子を隣接するノードの量子情報中継装置100から受信するものである。
光子−固体EIT間変換ユニット123は、受信した光子の量子状態および生成したEPR対の光子の量子状態を、原子核スピンの量子状態、具体的には、酸化物結晶(Y2SiO5)中に分散させた希土類イオン(Pr3+)の核スピンの量子状態に置き換えて、光子−固体EIT量子計算機124に出力するものである。
光子−固体EIT量子計算機124は、原子核スピンの量子状態で置換された光子の量子状態に対して、固体EIT(Electromagneticlly indused transparency:電磁波誘起透明化)現象を使用して、量子計算を行う計算機である。ここで、固体EIT現象とは、3つのエネルギー準位に2つの光を作用させることで誘起される現象である。作用させる光の片方、あるいは両方に対し、もともと不透明であるはずの物質が、透明になり、その際、3つのエネルギー準位のうち2つが量子力学的な重ね合わせの状態になる現象である。光子−固体EIT量子計算機の詳細については、技術文献「K. Ichimura. A simple frequency-domain quantum computer with ions in a crystal coupled to acavity mode. Optics communications,196,pp.119-125, 2001.」および「H. Goto and K. Ichimura. Multiqubit controlled unitary gate by adiabatic passage with an optical cavity. Phys. Rev. A, Vol. 70, p. 012305, 2004.」に記載されている。
本実施の形態では、光子−固体EIT量子計算機124は、エンタングルメント交換処理やエンタングルメント純粋化プロトコル処理を行っている。図3は、光子−固体EIT量子計算機124の機能的構成を示すブロック図である。
光子−固体EIT量子計算機124は、図3に示すように、制御部301と、エンタングルメント交換実行部302(以下、「ES実行部302」という)と、エンタングルメント純粋化プロトコル実行部303(以下、「EPP実行部303」という)とを主に備えている。
ES実行部302は、隣接するノードの量子情報中継装置との間で、EPR対を共有するエンタングルメント交換処理(以下、「ES処理」という)を実行するものである。ES処理は、複数のEPR対について、対のパートナーの光子(粒子)を交換する処理である。
EPP実行部303は、エンタングルメント交換処理によって共有したEPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、EPR対の忠実度を回復するためのエンタングルメント純粋化プロトコル処理(以下、「EPP処理」)を実行するものである。EPP処理は、忠実度の低い複数のEPR対から忠実度の高いEPR対を生成するプロトコルである。ES処理とEPP処理は、量子情報中継の処理で実行される。
ここで、エンタングルメント純粋化プロトコルには種種のバリエーションがあり、詳細については、技術文献「C.H. Bennett et.al. Purification of noisy entanglement and faithful teleportation via noisy entanglement.Phys.Rev.Lett.,Vol.76,No.5,pp.722, 1996.」、「R. Matsumoto. Conversion of a general quantum stabilizer code to an entanglement distillation protocol. uant-ph/0209091, 2002.」、「P.W. Shor and J. Preskill. Simple proof of security of the bb84 quantum key distribution protocol. e-print,quant-ph/0003004, 2000.」に記載されている。
制御部301は、送信者から受信者までの経路が決定された後に、送信者から受信者までの経路中の自己のノードの位置により、自己の量子情報中継装置100の役割を決定するものである。具体的な役割については後述する。
ここで、一般化量子中継プロトコルについて説明する。一般化量子中継プロトコルは、量子状態配送ステップとEPR対の長さの伸長ステップからなっている。量子状態配送ステップは、もつれ合った光子対を短距離で共有するステップである。EPR対の長さの伸長ステップは、長さの短い粒子対の長さを伸長するステップであって、量子状態の通信路による伝送は行わずに、古典情報の通信路による伝送のみを行うものである。
本実施の形態では、さらに、一般化量子中継を構成する量子状態配送ステップ及びEPR対の長さの伸長ステップの中で、EPR対の長さの伸長ステップを複数の段階に分けたときに、最終段階において使用される古典通信路がそれ以前の段階において使用される古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なるように経路選択を行っている。かかる経路選択については、後述するEPP処理およびES処理において詳細に説明する。
また、ES処理およびEPP処理を利用した量子情報中継の処理について説明する。Lを1回のES処理で同時に連結する光子対の個数とする。このとき、N=Lnとする。送信者Aと受信者Bとを結ぶ光ファイバーには、N−1個の量子情報中継装置C1、C2、・・・CN-1が接続されているものとする。かかる量子情報中継装置100には、光子を保存しておくための量子メモリ125と、1キュービット演算量子回路と2キュービット演算量子回路が設置されているものとする。
まず、隣接するノードの量子情報中継装置100間でEPR対を共有する。具体的には、各量子情報中継装置100でEPR対を生成し、EPR対の一方の光子を隣接するノードの2つの量子情報中継装置100の中で受信者Bの方向にある量子情報中継装置100に対して送信する。
そして、第1段階のES処理として、L個のEPR対を以下のように連結する。
量子情報中継装置CL、C2L、・・・CN-Lを除く全ての量子情報中継装置100でES処理を行い、EPR対を連結する。その結果、長さLのペアがN/L個生成され、A&CL、CL&C2L・・・間で共有される。
このES処理の操作によりEPR対の忠実度が低下するが、この値がEPP処理によって回復可能な忠実度の下限よりも大きければEPP処理を実行することにより忠実度を回復させることができる。このため、第1段階のEPP処理を行って、忠実度を回復する。
次に、第2段階のES処理として、生成された長さL倍のEPR対をさらにL個連結する。
kL(k=1,2,・・・)を満たす量子情報中継装置100であって、量子情報中継装置CL2、C2L2、・・・CN-L2を除く全ての量子情報中継装置100でES処理によって、EPR対を連結する。その結果、長さL2のEPR対がN/L2個生成され、A&CL2、CL&C2L2・・・間で共有される。次いで、第2段階のEPP処理を実行してEPR対の忠実度を回復する。
このようにして、ES処理とEPP処理を交互にn段階繰り返すことによって、送信ノードAと受信ノードB間で忠実度の高いEPR対が共有される。このため、距離が増加しても共有されるEPR対の忠実度を一定に保つことができる。図4は、N=4の場合におけるES処理およびEPP処理によるEPR対の状態を示している。ここで、図4および以降に示す図5〜9の各図において、実線で結線されている2つの光子は、互いにもつれあっていることを示している。
ここで、ES処理について詳述する。図5は、ES処理を説明するための模式図である。図5に示すように、例えば、光子1と光子2からなるEPR対及び光子3と光子4からなるEPR対にES処理を施すことによって、光子1と光子4からなるEPR対及び光子2と光子3からなるEPR対に変換される。ここで、送信者Aと受信者Bとの間に2つの量子情報中継装置C1,C2が存在する場合を考えると、A−C1間で共有されているEPR対とC1−B間で共有されているEPR対とを結び付けるES処理は以下のように実行される。
まず、AとC1で共有されているもつれ合った光子対のうちC1にある光子、及びC1とBで共有されているEPR対のうちC1にある光子に対してベル合同測定を行う。次に、ベル合同測定の結果を、光子送信ユニット126を介して古典通信を用いてA及びBに送信する。そして、A及びBで測定結果に対応する演算を施す。
次に、EPP処理の詳細について説明する。例えば、送信者Aと受信者Bとの間で共有されているEPR対に対してEPP処理を行う場合を考える。図6は、EPP処理を説明するための模式図である。ここで、図6に示すように、送信者Aと受信者Bとの間で2対のEPR対が共有されているとする。
A、Bともに、自己の2光子にランダムバイラテラル変換を施す。そして、A、B間で共有されている2対のEPR対に関して、Aにある2つの粒子に制御NOT(CNOT)を施すとともに、Bにおいても2つの粒子にも制御NOT(CNOT)を施す。そして、A及びBでの制御NOT(CNOT)の標的となったキュービットを観測し、Aでの観測結果を古典通信経路によってBに送信する。そして、BはAの観測結果と自己の観測結果とを比較しこれに対応した操作を施す。これによってEPP処理が実行され、EPR対の忠実度が回復することになる。
本実施の形態では、上述したES処理およびEPP処理を実行している。図7〜9は、実施の形態1にかかる量子情報中継装置100において、EPR対生成からEPP処理までの光子の状態を示す説明図である。図7は、EPR対生成からEPR対の一方の光子を隣接する量子情報中継装置100に送信する前までの光子の状態を示し、図8は、光子が送信されることによって、EPR対が2つの量子情報中継装置100で共有された状態を示している。また、図9は、共有されたEPR対に対してES処理を実行した状態を示している。図7〜9に示すように、共有されたEPR対の2つ光子は、光子−固体EIT量子計算機124のメモリ125に保持され、光子−固体EIT量子計算機124によって(ES実行部302、EPP実行部303)、ES処理、EPP処理が実行される。
実施の形態1では、さらに、EPP実行部303は、最後に実行されたES処理で使用した古典通信、最後に実行されたES処理以前のEPP処理で使用した古典通信路のうちいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択して最後のEPP処理を実行している。また、ES実行部302は、前段階で実行したES処理で使用し、かつ前段階で実行したEPP処理で使用した古典通信路のうちいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択して最後のES処理を実行している。
また、ES実行部302では、以前に実行されたES処理で使用された古典経路、および以前に実行されたEPP処理で使用された古典通信路のうちのいずれかと異なる古典通信路を選択してES交換処理を実行する。
制御部301は、このようなES処理、EPP処理における古典通信路の選択のため、経路中の自ノードの位置からどの古典通信路を選択してES処理、ESS処理を実行すべきかの役割を決定している。
具体的には、隣接する送信ノード側の量子情報中継装置100と共有するEPR対に対して第1段階のES処理を実行し、ES処理を実行したノードの送信ノード側の隣接ノードと受信ノード側の量子情報中継装置100で第1段階のEPP処理を行う。その後、EPP処理を実行した受信ノード側の量子情報中継装置100において第2段階のES処理を行い、さらに、第1段階のEPP処理を行ったノードで第2段階のEPP処理を行う際、第1段階のES処理およびEPP処理と第2段階のES処理で使用した古典通信路とは異なる古典通信路の量子情報中継装置100との間でEPP処理を行う。
次に、このように構成された実施の形態1にかかる量子情報通信システム、複数の量子情報中継装置100による量子情報通信処理について説明する。図10は、量子情報中継装置A、B、C,D,E,F,X,Yが接続され、量子通信路と古典通信路とが一部で一致しないネットワーク構成の一例を示す模式図である。図10において、実線が量子情報通信路を示し、点線が古典通信路を示している。図10に示すように、量子情報中継装置A−X,X−F,F−D,F−Y,Y−E.F−C間では、量子通信路と古典通信路とが一致しているが、A−E、A−B,B−C,E−D、C−D間では古典通信路のみ存在している。
ここで、本実施の形態の量子情報通信処理を、量子情報を送信ノードの量子情報中継装置Aから受信ノードの量子情報中継装置Eに送信する場合について説明する。
図11は、実施の形態1の各量子情報中継装置100における量子情報通信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、量子情報中継装置A,X,F,YにおいてEPR対を生成する(ステップS1〜S5)。次に、量子情報中継装置A,X,F,Yで生成したEPR対の一方の光子を、隣接する量子情報中継装置に送信する(ステップS6〜S9)。これにより、A−X間、X−F間、F−Y間、Y−E間でEPR対がそれぞれ共有されることになる。
そして、量子情報中継装置X,Yにおいて、第1段階のES処理を実行する(ステップS10,S11)。これによって、A−F間およびF−E間でEPR対が共有される。
次に、量子情報中継装置A,Fにおいて、第1段階のEPP処理をA−F間で実行し、量子情報中継装置F,Eにおいて、第1段階のEPP処理をF−E間で実行する(ステップS12〜S14)。これによりA−F間およびF−E間で、EPR対の忠実度が回復される。
次に、量子情報中継装置Fにおいて、第2段階のES処理を実行する(ステップS15)。これによって、量子情報中継装置A−E間でEPR対が共有される。
ここで、使用される古典通信路の経路については次のようになる。図10および図11に示すように、第1段階のES処理では、経路A−X−F及び経路F−Y−Eを古典通信路として使用している。第1段階のEPP処理でも経路A−X−Fと経路F−Y−Eを使用している。また、第2段階のES処理では、経路A−X−F及び経路F−Y−Eを使用している。
次に、量子情報中継装置A,Eにおいて、第2段階のEPP処理をA−E間で実行する(ステップS16,S17)。これによって、A−E間でEPR対の忠実度が回復される。すなわち、第2段階のEPP処理では、第1段階のES処理及びEPP処理で使用される古典通信路および第2段階のES処理で使用する古典通信路とは、異なる古典通信路A−Eを使用している。これにより、AからEまで通信する際には、量子情報中継装置Fを経由せずに、短距離のA−E間の古典通信路で直接通信することができ、かつEPR対の忠実度の減衰も防止されることになる。
なお、量子通信路と古典通信路とが一致するネットワークと、一致しないネットワークが結合したネットワークにおいても、量子通信路と古典通信路とが一致しないネットワークにおいては上述した量子情報通信処理を適用することができる。図12は、量子通信路と古典通信路とが一致するネットワークと、一致しないネットワークが結合したネットワークの一例を示す説明図である。図12の例では、量子情報中継装置E−K間では、量子通信路と古典通信路とが一致するネットワークとなっているが、量子情報中継装置A−E間では、量子通信路と古典通信路とが一致しないネットワークとして構成されている。
このような図12のネットワークにおいて、量子情報中継装置AとKとの間で量子情報通信を行う場合には、AからEまでの経路は、図10に示した例と同様の処理で、量子情報中継装置Fを介さずに短距離の古典通信路A−Eを経路として行われ、かつEPR対の忠実度の減衰も防止されることになる。
このように実施の形態1にかかる量子情報通信システムでは、ES処理で使用し、かつ前段階で実行したEPP処理で使用した古典通信路と異なる古典通信路を選択して、選択された古典通信路の量子情報中継装置100とEPP処理を実行しているので、量子情報中継を使用した量子情報通信において、受信者に対して古典通信路がより短距離で、かつ量子状態の忠実度を維持しつつ、安全性を確保することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる量子情報通信システムは、経路決定を行うネットワーク管理装置を備え、ネットワーク管理装置で決定された経路で短距離に量子情報通信を行うものである。
図13は、実施の形態2にかかる量子情報通信システムのネットワーク構成を示すブロック図である。図13に示すように、実施の形態2にかかる量子情報通信システムは、複数の量子情報中継装置100とネットワーク管理装置が光ファーバー140で接続された構成となっている。
実施の形態2にかかる量子情報中継装置100の機能的構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態2にかかる量子情報中継装置100では、送信ノードとなる場合に、受信ノードまでの経路決定の要求、すなわち送信ノードのIPアドレス、受信ノードのIPアドレスを含む要求メッセージをネットワーク管理装置130に送信し、ネットワーク管理装置130によって決定された経路(量子情報通信の経路と古典通信の経路)を受信する通信部を制御用古典計算機110に備えている。
図14は、ネットワーク管理装置130の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるネットワーク管理装置130は、図14に示すように、通信部131と、経路決定部132と、ハードディスクドライブ装置やメモリ等の記憶媒体に格納された経路テーブル133とを主に備えている。
通信部131は、量子情報中継装置100から上記経路決定の要求メッセージを受信し、決定された経路(量子情報通信の経路と古典通信の経路)を含むメッセージを決定された経路中に存在する全てのノードの量子情報中継装置100に送信するものである。なお、決定された経路を含むメッセージを受信した各ノードの量子情報中継装置100では、経路中における自装置の位置により、自装置の果たす役割を決定する。すなわち、制御部301は、実施の形態1と同様に、ES処理、EPP処理における古典通信路の選択のため、経路中の自ノードの位置からどの古典通信路を選択してES処理、ESS処理を実行すべきかの役割を決定している。
経路決定部132は、経路テーブル133を参照して、経路決定要求に含まれる送信ノードおよび受信ノードの各IPアドレスから量子情報通信の経路と古典通信の経路とを決定するものである。ここで、図15は、送信ノードおよび受信ノードのIPアドレスのデータ形式の一例を示すデータ構造図である。図15に示すように、IPアドレスは複数のセグメントから構成されている。
このセグメントは、ネットワーク内の集合の階層を示すものである。例えば、IPアドレスのn個のセグメントのうち、最初のm1個を第1階層の指定に用い、次のm2個を第2階層の決定に用いる。同様にして第i階層の決定にはm1+…+m(i−1)+1個目のセグメントからm1+…+mi個目のセグメントまでを用いるように構成することができる。
図16は、IPアドレスが4個のセグメントから構成される場合の例を示す模式図である。図16の例では、上位のセグメントから順に、大陸、国、組織、個人の各階層で使用されるように構成され、図16の下部のような使用例が考えられる。
図14に戻り、経路テーブル133は、ネットワーク内の各ノード間の最短経路を保持するテーブルである。経路テーブル133は、古典通信路の経路テーブルと量子情報通信路の経路テーブルが別個に設けられている。図17は、経路テーブル133の例を示す説明図である。図17では、第1階層(大陸)と第2階層(国)の古典通信路における各経路の例を示している。
経路決定部132による経路決定は、かかる経路テーブル133を参照し、階層毎に行われる。例えば、図17の経路テーブル133の例の場合には、まず、経路決定要求に含まれる送信者のノードのIPアドレスおよび受信者のノードのIPアドレスを取得して、大陸アドレス001と002を比較し、第1階層でのルートを決定する。そして、送信者のIPアドレスの国アドレスを用いて、送信者側の第2階層での経路を決定する。また、受信者のIPアドレスの国アドレスを用いて受信者側の第2階層での経路を決定する。
次に、送信者のIPアドレスの組織アドレスを用いて、送信者側での第3階層での経路を決定する。また、受信者のIPアドレスの組織アドレスを用いて受信者側の第3階層での経路を決定する。
そして、送信者のIPアドレスの個人アドレスを用いて、送信者側での第4階層での経路を決定する。また、受信者のIPアドレスの個人アドレスを用いて受信者側の第4階層での経路を決定する。このように、階層ごとに経路を決定し、最終的に各階層の経路を結合して送信者のノードから受信者のノードまでの経路を決定する。各階層における経路の決定に当たってはアドレスまたはアドレス対と経路とが対応した経路テーブルによって行われる。このような経路決定は、量子情報通信と古典情報通信のそれぞれに対して別個に設けられた経路テーブルを参照して行われる。
選択された経路の途中にある量子情報中継装置100では、ネットワーク管理装置130から受信した経路に従って各ノードの役割を決定し、実施の形態1と同様のES処理、EPP処理を、それぞれES実行部302、EPP実行部で実行するようになっている。具体的には、図11において、送信ノードである量子情報中継装置Aは、上記経路決定をネットワーク管理装置130に送信し、その応答(決定された経路)を受信して、ステップS1〜S5でEPR対を生成する。そして、受信した経路に従って隣接ノードに光子を送信し(ステップS6)、各ES処理、EPP処理が実行されることになる。量子情報中継装置100のES処理、EPP処理等のこの他の機能については、実施の形態1と同様に行われる。
図18は、実施の形態2にかかる量子情報通信システムにおいて、送信ノードAから受信ノードBへネットワーク管理装置130の経路決定に従って量子情報通信処理を行った場合の経路の一例を示す模式図である。図18において、太実線が量子情報通信路でAからBへの送信に使用された経路を示し、太点線が古典通信路でAからBへの送信に使用された経路を示している。
このように実施の形態2にかかる量子情報通信システムでは、ネットワーク管理装置130の決定した経路に従って、ES処理で使用し、かつ前段階で実行したEPP処理で使用した古典通信路と異なる古典通信路を選択して、選択された古典通信路の量子情報中継装置100とEPP処理を実行しているので、受信者に対して古典通信路がより短距離で、かつ量子状態の忠実度を維持しつつ、安全性を確保することができる。
本実施の形態では、送信ノードから受信ノードまでの経路の決定をネットワーク管理装置130で行っているが、これに限定されるものではない。例えば、図19に示すように、送信ノードとなる量子情報中継装置100の古典計算機1810内に、上記と同様の経路決定部132と経路テーブル133を備え、送信ノード自身が、経路決定部132によって経路テーブルを参照して受信ノードまでの経路決定を行うように構成することもできる。
なお、本実施形態の量子情報中継装置100で実行される量子情報中継プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態の量子情報中継装置100で実行される量子情報中継プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の量子情報中継装置100で実行される量子情報中継プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の量子情報中継装置100で実行される量子情報中継プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態の量子情報中継装置100で実行される量子情報中継プログラムは、上述した各部(ES実行部、EPP実行部、制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから量子情報中継プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、ES実行部、EPP実行部、制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
実施の形態1にかかる量子情報通信システムのネットワーク構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる中継器の機能的構成を示すブロック図である。 光子−固体EIT量子計算機の機能的構成を示すブロック図である。 ES処理およびEPP処理によるEPR対の状態の例を示す模式図である。 ES処理を説明するための模式図である。 EPP処理を説明するための模式図である。 EPR対生成からEPP処理までの光子の状態を示す説明図である。 EPR対生成からEPP処理までの光子の状態を示す説明図である。 EPR対生成からEPP処理までの光子の状態を示す説明図である。 量子通信路と古典通信路とが一部で一致しないネットワーク構成の一例を示す模式図である。 量子情報通信処理の手順を示すフローチャートである。 量子通信路と古典通信路とが一致するネットワークと、一致しないネットワークが結合したネットワークの一例を示す説明図である。 実施の形態2にかかる量子情報通信システムのネットワーク構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかるネットワーク管理装置の機能的構成を示すブロック図である。 IPアドレスのデータ形式の一例を示すデータ構造図である。 IPアドレスが4個のセグメントから構成される場合の例を示す模式図である。 経路テーブルの例を示す説明図である。 実施の形態2における経路決定に従って量子情報通信処理を行った場合の経路の一例を示す模式図である。 量子情報中継装置で経路決定を行う変形例の量子情報中継装置の機能的構成のブロック図である。
符号の説明
100 量子情報中継装置
110 制御用古典計算機
121 EPR対生成ユニット
122 光子入力ユニット
123 光子−固体EIT間変換ユニット
124 光子−固体EIT量子計算機
125 メモリ
126 光子送信ユニット
130 ネットワーク管理装置
132 経路決定部
133 経路テーブル
140 光ファイバー
301 制御部
302 ES実行部
303 EPP実行部

Claims (7)

  1. 送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信の際に、もつれ合った光子対であるEPR対を他のノードと共有し、前記EPR対の各光子間の距離を伸張する量子中継を行う複数の量子情報中継装置とを備えた量子情報通信システムであって、
    前記量子情報中継装置のそれぞれは、
    前記EPR対を生成するEPR対生成手段と、
    生成された前記EPR対の一方の光子を隣接するノードの前記量子情報中継装置に送信する光子送信手段と、
    隣接するノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対を共有するエンタングルメント交換処理を実行するエンタングルメント交換実行手段と、
    前記エンタングルメント交換処理によって共有した前記EPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対の忠実度を回復するための処理であるエンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行するエンタングルメント純粋化プロトコル実行手段と、を備え、
    前記エンタングルメント純粋化プロトコル実行手段は、前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理のうち最後の前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行する場合に、最後に実行された前記エンタングルメント交換処理および当該エンタングルメント交換処理以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典通信路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする量子情報通信システム。
  2. 前記送信ノードから前記受信ノードまでの経路情報を記憶する記憶手段と、
    前記送信ノードとなる前記量子情報中継装置からの要求により、前記経路情報に基づいて、前記送信ノードから前記受信ノードまでの経路を決定する経路決定手段と、
    決定された経路を前記送信ノードとなる前記量子情報中継装置に送信する経路送信手段と、を備えた経路決定装置を更に備え、
    前記量子情報中継装置は、送信ノードとなる場合に、前記受信ノードまでの経路を前記経路決定装置に要求し、前記経路決定装置によって決定された経路を受信する通信手段を更に備え、
    前記エンタングルメント交換実行手段は、受信した前記経路に基づいて他のノードの前記中継装置と前記エンタングルメント交換処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の量子情報通信システム。
  3. 送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信の際に、もつれ合った光子対であるEPR対を他のノードと共有し、前記EPR対の各光子間の距離を伸張する量子中継を行う量子情報中継装置であって、
    前記EPR対を生成するEPR対生成手段と、
    生成された前記EPR対の一方の光子を隣接するノードの前記量子情報中継装置に送信する光子送信手段と、
    隣接するノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対を共有するエンタングルメント交換処理を実行するエンタングルメント交換実行手段と、
    前記エンタングルメント交換処理によって共有した前記EPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対の忠実度を回復するための処理であるエンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行するエンタングルメント純粋化プロトコル実行手段と、を備え、
    前記エンタングルメント純粋化プロトコル実行手段は、前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理のうち最後の前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行する場合に、最後に実行された前記エンタングルメント交換処理および当該エンタングルメント交換処理以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典通信路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする量子情報中継装置。
  4. 前記エンタングルメント交換実行手段は、前記エンタングルメント交換処理のうち最後の前記エンタングルメント交換処理を実行する場合に、以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典経路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする請求項3に記載の量子情報中継装置。
  5. 前記送信ノードから前記受信ノードまでの経路情報を記憶する記憶手段と、
    前記経路情報に基づいて、前記送信ノードから前記受信ノードまでの経路を決定する経路決定手段と、を更に備え、
    前記エンタングルメント交換実行手段は、受信した前記経路に基づいて他のノードの前記中継装置と前記エンタングルメント交換処理を実行することを特徴とする請求項3または4に記載の量子情報中継装置。
  6. 送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信の際に、もつれ合った光子対であるEPR対を他のノードと共有し、前記EPR対の各光子間の距離を伸張する量子中継を行う複数の量子情報中継装置の間で行われる量子情報通信方法であって、
    もつれあった光子対であるEPR対を生成するEPR対生成ステップと、
    生成された前記EPR対の一方の光子を隣接するノードの前記量子情報中継装置に送信する光子送信ステップと、
    エンタングルメント交換実行手段によって、隣接するノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対を共有するエンタングルメント交換処理を実行するエンタングルメント交換実行ステップと、
    エンタングルメント純粋化プロトコル実行手段によって、前記エンタングルメント交換処理によって共有した前記EPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対の忠実度を回復するための処理であるエンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行するエンタングルメント純粋化プロトコル実行ステップと、を含み、
    前記エンタングルメント純粋化プロトコル実行ステップは、前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理のうち最後の前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行する場合に、最後に実行された前記エンタングルメント交換処理および当該エンタングルメント交換処理以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典通信路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする量子情報通信方法。
  7. 送信ノードから受信ノードまでの古典通信路または量子情報通信路に設けられ、前記送信ノードから前記受信ノードへの光子の量子情報通信の際に、もつれ合った光子対であるEPR対を他のノードと共有し、前記EPR対の各光子間の距離を伸張する量子中継を行う量子情報中継プログラムであって、
    もつれあった光子対であるEPR対を生成するEPR対生成ステップと、
    生成された前記EPR対の一方の光子を隣接するノードの前記量子情報中継装置に送信する光子送信ステップと、
    隣接するノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対を共有するエンタングルメント交換処理を実行するエンタングルメント交換実行ステップと、
    前記エンタングルメント交換処理によって共有した前記EPR対の共有先のノードの前記量子情報中継装置との間で、前記EPR対の忠実度を回復するための処理であるエンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行するエンタングルメント純粋化プロトコル実行ステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記エンタングルメント純粋化プロトコル実行ステップは、前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理のうち最後の前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理を実行する場合に、最後に実行された前記エンタングルメント交換処理および当該エンタングルメント交換処理以前に実行された前記エンタングルメント交換処理で使用された古典通信路、および以前に実行された前記エンタングルメント純粋化プロトコル処理で使用された古典通信路のうちのいずれか1つ以上と異なる古典通信路を選択することを特徴とする量子情報中継プログラム。
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