JP4161675B2 - 音声応答方法および音声応答装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からのアクセスに対して自動的に音声を出力して応答する音声応答方法および音声応答装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電話装置を利用してアクセスした利用者に対して、予め記憶された案内メッセージを音声出力し、利用者に操作方法を案内する音声メール装置は知られている。この音声メール装置においては、音声メール装置に対するアクセス手順の習熟度を利用者ごとにテーブルに登録して管理し、このテーブルに登録された前記習熟度の情報に従って、利用者に与える案内メッセージを選択して音声出力することができるようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭64−22155号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の音声メール装置においては、同装置の管理者が、利用者の習熟度に応じて複数の案内メッセージを予め記憶しておかなければならないため煩雑である。
【0005】
【発明の概略】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、外部からのアクセスに応答して、予め記憶している音声データに基づく案内内容を自動的に音声出力する音声応答方法および音声応答装置を改良することにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、音声データに基づく案内内容を分割するとともに、同分割した案内内容をそれぞれ表す複数の音声データユニットを記憶しておき、外部からアクセスされると、前記記憶した音声データユニットを順に音声出力し、前記外部からのアクセスが遮断されると、同遮断時に音声出力していた音声データユニットを特定するとともに、前記記憶したすべての音声データユニットについて遮断された頻度を確認し、前記遮断された頻度の確認された音声データユニットのうち、所定の頻度を超えた音声データユニットを抽出し、同抽出された音声データユニットの音声出力制御を変更するとともに、同変更された音声データユニットを組み込んだ音声データを作成し、前記作成された音声データを記憶するようにしたことにある。この場合、前記遮断された頻度の確認された音声データユニットのうち、所定の頻度を超えた音声データユニットの音声出力順序を変更して音声データを作成するようにするとよい。
【0007】
また、本発明の他の特徴は、音声データに基づく案内内容を分割するとともに、同分割した案内内容をそれぞれ表す複数の音声データユニットを記憶する音声データユニット記憶手段と、前記記憶した音声データユニットを順に音声出力する音声出力手段と、前記外部からのアクセスが遮断された時、前記音声出力手段により音声出力されている音声データユニットを特定する音声データユニット特定手段と、前記音声データユニット記憶手段に記憶したすべての音声データユニットの遮断された頻度を確認する遮断頻度確認手段と、前記遮断頻度確認手段により確認された音声データユニットのうち、所定の頻度を超えた音声データユニットを抽出し、同抽出した音声データユニットの音声出力制御を変更するとともに、同変更された音声データユニットを組み込んで音声データを作成する音声データ修正手段とを備えたことにある。
【0008】
これらの特徴によれば、音声データを構成する音声データユニットを順に音声出力している途中で、アクセスが遮断されると、遮断された時に音声出力していた音声データユニットが自動的に特定される。また、音声データを構成するすべての音声データユニットの遮断頻度を確認し、アクセスの遮断が集中する音声データユニットが抽出される。これにより、アクセスが途中で遮断される原因(例えば、音声データに基づく案内が冗長など)を把握することができる。
【0009】
また、抽出された音声データユニットの音声出力制御、例えば、音声出力のスピードや音声出力のトーン、あるいは音声データユニットが表す案内内容などが自動的に変更される。これにより、アクセスが遮断される原因を解消して、アクセスが途中で遮断されない音声データユニットとすることができる。さらに、変更された音声データユニットを組み込んだ音声データが自動的に作成される。このように、音声出力中にアクセスが遮断されないように音声データユニットが自動的に適宜変更されるので、外部からアクセスする利用者に対して、例えば、音声データに基づく重要な案内内容などを確実に伝えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の音声応答方法が適用されたシステ全体の構成を示した概略ブロック図である。このシステムにおいては、利用者が所有する電話Dおよび携帯電話KDと案内メッセージを提供して応答するコールセンターCSとが公衆回線を介して接続されている。なお、携帯電話KDは、中継器Cを介して、公衆回線と接続される。
【0011】
コールセンターCSは、公衆回線と交換機Kを介して接続された音声応答装置10を備えている。音声応答装置10は、CPU、ROM、RAM、タイマ、ハードディスクなどからなるコンピュータを主要構成部品とし、各種プログラムを記憶するとともに同各種プログラムの実行によって各種機能を実現する。なお、本実施形態の説明においては、前記各種機能を、図2に示すように、制御部11、変復調部12、音声データ記憶部13、音声出力部14、遮断頻度記憶部15、遮断頻度確認部16および音声データ修正部17として説明する。
【0012】
制御部11は、図3に示す音声応答プログラムを記憶しており、同プログラムを実行して、音声応答装置10の動作を統括的に制御する。変復調部12は、交換機Kに通信可能に接続されており、利用者からのアクセスを受信するとともに、利用者に対して後述する案内メッセージを提供する。音声データ記憶部13は、利用者に提供する案内メッセージを表す音声データを記憶している。この音声データは、複数の音声データユニットから構成されており、これら音声データユニットが周知の方法にて接続されて構成されている。また、音声データ記憶部13は、後述する音声データ修正部17が音声データユニットにより表される案内内容を変更する際に使用する文章辞書も予め記憶している。音声出力部14は、音声データ記憶部13に記憶された音声データを読み出し、同音声データを音声出力する。
【0013】
遮断頻度記憶部15は、音声応答装置10が案内メッセージを提供している時に、利用者によりアクセスが遮断された音声データユニットの遮断回数を全音声データユニットについて記憶している。遮断頻度確認部16は、遮断頻度記憶部15に記憶されている音声データユニットの遮断回数に基づいてヒストグラムを作成し、音声データユニットの遮断頻度を確認する。音声データ修正部17は、遮断頻度確認部16にて確認された音声データユニットの遮断頻度に基づいて、同音声データユニットの音声出力制御を適宜変更するとともに、同変更した音声データユニットを組み込んだ音声データを作成する。
【0014】
次に、上記のように構成したコールセンターCSの音声応答装置10が利用者に対して案内メッセージを提供する作動について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0015】
利用者が所有する電話Dまたは携帯電話KDからコールセンターCSにアクセスされたとき、コールセンターCSの情報提供窓口(例えば、オペレータによって情報提供する電話回線)が利用者多数のため塞がれていると、音声応答装置10の制御部11は、図3に示した音声案内プログラムをステップS10にて開始する。同開始後、制御部11は、ステップS11にて、タイマをリセットするとともに同タイマをスタートさせて、ステップS12に進む。ステップS12においては、制御部11は、音声出力部14に対して、案内メッセージを音声出力するように指示する。音声出力部14は、同指示に従って、音声データ記憶部13に記憶されている案内メッセージを表す音声データを読み出す。そして、音声出力部14は、読み出した音声データを構成する音声データユニットを順次音声出力する。この音声出力は、変復調部12、交換機Kおよび公衆回線を介して、利用者の電話Dまたは携帯電話KDに音声として提供される。
【0016】
次に、制御部11は、ステップS13にて、利用者からのアクセスが遮断されたか否かを判定する。すなわち、利用者からのアクセスが遮断されていなければ、制御部11は「No」と判定して、ステップS12の音声出力処理を繰り返す。一方、利用者からのアクセスが遮断されれば、制御部11は、ステップS13にて、「Yes」と判定し、ステップS14にて、タイマをストップさせる。なお、タイマがスタートされてストップされるまでの時間は、利用者がコールセンターCSにアクセスしていた時間として、遮断頻度記憶部15に記憶される。
【0017】
次に、制御部11は、ステップS15にて、利用者によりアクセスが遮断された時に音声出力していた音声データユニットを特定する。具体的に説明すると、制御部11は、遮断頻度記憶部15から、同記憶部15に記憶されている全音声データユニットの遮断回数と、前記ステップS14にて記憶されたアクセス時間とを取得し、図示しないRAMに一時的に記憶する。そして、RAMに一時的に記憶した各情報を、遮断頻度確認部16に供給するとともに、遮断頻度を確認させる。
【0018】
遮断頻度確認部16は、供給された各情報に基づいて、図4に示すように、遮断回数(頻度)を表すヒストグラムを作成する。このヒストグラムの横軸は音声出力時間を表し、縦軸は遮断された回数を表している。音声出力時間は、図4に示すように、案内メッセージを表す音声データが、例えば、音声データユニットA「ただいま」、音声データユニットB「混雑しております。」、音声データユニットC「そのまま」、音声データユニットD「しばらく」および音声データユニットE「お待ちください。」をそれぞれ表す音声データユニットから構成されている場合、これら音声データユニットA〜音声データユニットEを接続して出力するのに必要な時間を表す。そして、遮断頻度確認部16は、これら音声データユニットごとに音声出力時間を分割して、ヒストグラムを作成する。また、遮断回数は、音声データユニットA〜音声データユニットEごとに、アクセスが遮断された遮断回数を表しており、遮断頻度確認部16は、それぞれの遮断回数を棒グラフにて表して作成する。
【0019】
そして、遮断頻度確認部16は、作成したヒストグラム上に、図4に一点鎖線によって示すように、前記供給されたアクセス時間を重ねる。これにより、今回アクセスが遮断された音声データユニットは、音声データユニットBすなわち「混雑しております。」と案内メッセージを出力している時であり、遮断頻度確認部16は、遮断された音声データユニットを、音声データユニットBであると特定する。
【0020】
このように、ステップS15の処理により、遮断された音声データユニットが特定されると、ステップS16にて、制御部11は、音声データ修正部17に対して、特定された音声データユニットの音声出力制御を変更し、同変更した音声データユニットを組み込んだ音声データを作成するように指示する。音声データ修正部17は、同指示に従って、音声データユニットの音声出力制御を変更する。
【0021】
具体的に図4および図5に基づいて説明すると、前記ステップS15の処理によって、遮断された音声データユニットは、音声データユニットBと特定されている。この状態にて、音声データ修正部17は、音声データユニットの案内内容が、ありきたりの表現であるために、アクセスが遮断されたと推定する。この推定に基づいて、音声データ修正部17は、音声データ記憶部13に記憶されている文章辞書を用いて音声データユニットBの内容を変更し、音声出力制御を変更する。すなわち、音声データ修正部17は、図5に示すように、音声データユニットB「混雑しております。」を、意味が同一であって言い回しが異なる音声データユニットB’「電話が大変混み合っております。」のように変更する。
【0022】
この場合、例えば、音声データユニットの変更した案内内容が長ければ、音声データユニットに含まれている再生スピードを制御する制御データを変更し、音声出力スピードを変更して音声出力制御を変更することもできる。また、図4に示す音声データユニットごとの音声出力波形を変更して、例えば、トーンを上げたり下げたりして、音声データユニットの音声出力制御を変更することもできる。さらに、音声データユニットの音声出力時すなわち案内メッセージが音声出力される時の音声を、例えば男性の声による音声出力を女性の声による音声出力へ変更、またはその逆に、女性の声による音声出力を男性の声による音声出力へ変更することも可能である。
【0023】
そして、音声データ修正部17は、音声出力制御を変更した音声データユニットを組み込んだ音声データを作成する。具体的には、上記のように音声データユニットBが音声データユニットB’に変更されていれば、「ただいま電話が大変混み合っております。そのまましばらくお待ちください。」のように、案内メッセージを表す音声データを修正して作成する。また、音声データの修正においては、図6に示すように、音声データユニットの順番を変更することもできる。
【0024】
すなわち、図6に示すように、音声データユニットCと音声データユニットDとを入れ替えて、音声データを修正することもできる。このように作成された音声データは、制御部11に供給され、制御部11は、供給された音声データを音声データ記憶部13に記憶し、ステップS17にて、音声応答プログラムの実行を終了する。このように、修正された音声データが音声データ記憶部13に記憶されることにより、これ以降に利用者がアクセスして音声応答プログラムが実行される度に、ステップS13にて、修正された音声データに基づく案内メッセージが提供されるようになる。
【0025】
上記説明からも理解できるように、本実施形態によれば、音声出力部14により、音声データが音声データユニット順に音声出力されている時、アクセスが遮断されると、遮断頻度確認部16により、アクセスが遮断された時に音声出力していた音声データユニットが自動的に特定される。また、遮断頻度確認部16は、音声データを構成するすべての音声データユニットの遮断頻度を確認し、アクセスの遮断が集中する音声データユニットを特定する。そして、音声データ修正部17は、特定された音声データユニットの音声出力制御、例えば、音声出力のスピードや音声出力のトーン、あるいは音声データユニットが表す音声の内容などが自動的に変更する。これにより、アクセスが遮断される原因を解消して、アクセスが途中で遮断されない音声データユニットとすることができる。さらに、音声データ修正部17は、変更された音声データユニットを組み込んだ音声データを自動的に作成する。このように、音声出力中にアクセスが遮断されないように音声データユニットが自動的に適宜変更されるので、外部からアクセスする利用者に対して、例えば、音声データに基づく重要な案内内容などを確実に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る音声応答システムを概略的に示した概略ブロック図である。
【図2】 図1に示した音声応答装置の構成を概略的に示した概略ブロック図である。
【図3】 図1の音声応答装置の制御部にて実行される音声応答プログラムのフローチャートである。
【図4】 図1の音声応答装置の遮断頻度確認部にて確認される遮断頻度を説明するためのグラフである。
【図5】 図1の音声応答装置の音声データ修正部にて変更される音声データユニットを説明するための図である。
【図6】 図1の音声応答装置の音声データ修正部にて音声データユニットの順番が変更されて作成される音声データを説明するための図である。
【符号の説明】
10…音声応答装置、11…制御部、12…変復調部、13…音声データ記憶部、14…音声出力部、15…遮断頻度記憶部、16…遮断頻度確認部、17…音声データ修正部、D…電話、KD…携帯電話、CS…コールセンター。

Claims (3)

  1. 外部からのアクセスに応答して、予め記憶している音声データに基づく案内内容を自動的に音声出力する音声応答方法において、
    音声データに基づく案内内容を分割するとともに、同分割した案内内容をそれぞれ表す複数の音声データユニットを記憶しておき、
    外部からアクセスされると、前記記憶した音声データユニットを順に音声出力し、
    前記外部からのアクセスが遮断されると、同遮断時に音声出力していた音声データユニットを特定するとともに、前記記憶したすべての音声データユニットについて遮断された頻度を確認し、
    前記遮断された頻度の確認された音声データユニットのうち、所定の頻度を超えた音声データユニットを抽出し、
    同抽出された音声データユニットの音声出力制御を変更するとともに、同変更された音声データユニットを組み込んだ音声データを作成し、
    前記作成された音声データを記憶するようにしたことを特徴とする音声応答方法。
  2. 前記請求項1に記載した音声案内方法において、
    前記遮断された頻度の確認された音声データユニットのうち、所定の頻度を超えた音声データユニットの音声出力順序を変更して音声データを作成するようにしたことを特徴とする音声応答方法。
  3. 外部からのアクセスに応答して、予め記憶している音声データに基づく案内内容を自動的に音声出力する音声応答装置において、
    音声データに基づく案内内容を分割するとともに、同分割した案内内容をそれぞれ表す複数の音声データユニットを記憶する音声データユニット記憶手段と、
    前記記憶した音声データユニットを順に音声出力する音声出力手段と、
    前記外部からのアクセスが遮断された時、前記音声出力手段により音声出力されている音声データユニットを特定する音声データユニット特定手段と、
    前記音声データユニット記憶手段に記憶したすべての音声データユニットの遮断された頻度を確認する遮断頻度確認手段と、
    前記遮断頻度確認手段により確認された音声データユニットのうち、所定の頻度を超えた音声データユニットを抽出し、同抽出した音声データユニットの音声出力制御を変更するとともに、同変更された音声データユニットを組み込んで音声データを作成する音声データ修正手段とを備えたことを特徴とする音声応答装置。
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