JP4161607B2 - Retractable electron beam vacuum evaporation system - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム等単体では達成できない特性を付与する目的で絶縁性金属酸化物等の蒸発物質をフィルム面に成膜する巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチックフィルム等単体では達成できない特性を付与する為、金属、有機・無機化合物等を各種の成膜技術によりフィルム面に成膜した各産業用途向けの新素材が開発されている。各種の物質を成膜する際、いろいろな方法があるが、本発明に関するような、金属や金属酸化物等を薄膜成膜する方法には、真空蒸発源の区分により、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等がある。特に、プラスチックフィルム等の蒸着用の基材がウェブシートである場合は、真空蒸着法による薄膜成膜法が広く利用されている。
【0003】
真空蒸着法においては、被蒸着体の形態から、3つの方式があり、▲1▼バッチ方式:成形品の蒸着方式、▲2▼巻き取り式半連続方式:ロール状のウェブシートが対象で真空系の中で巻き出し・蒸着・巻き取り後、大気系に再度戻し、蒸着製品を取り出す方式、▲3▼巻き取り式完全連続方式:ロール状のウェブシートが対象でアンワインダー(巻き出し装置)とリワインダー(巻き取り装置)を大気系に配置し、蒸着ドラムや蒸発源を真空系に配置してロール状のウェブシートに蒸発物質を蒸着する方式であって、一般的にair to air方式と呼ばれる完全連続方式で生産性が高い特徴がある方式である。
【0004】
ロール状のウェブシートに蒸発物質を蒸着する場合は、特に巻き取り式半連続方式が普及している。その巻き取り式真空蒸着装置の構成要素と作業工程の概略、更に真空蒸着装置の内部構造について記述する。先ず、構成要素は、ロール状ウェブシート、蒸発源、蒸発物質、蒸着ドラム、真空系統、アンワインダー(巻き出し装置)、リワインダー(巻き取り装置)、ガイドロール等である。
【0005】
次に作業工程の概略について記述する。先ず前準備として真空蒸着装置の扉を開け、ロール状のプラスチックフィルム等のウェブシートをアンワインダー(巻き出し装置)にセットし、アンワインダーと蒸着ドラム間に配置されているガイドロールを介して、前記ウェブシートを蒸着ドラムまで走行させ、更にリワインダー(巻き取り装置)との間に配置されているガイドロールを介して、リワインダー(巻き取り装置)に巻き取り、前記ウェブシートへの蒸発物質の蒸着準備が終了する。
【0006】
次に、真空蒸着装置の扉を閉じて、真空ポンプにより、真空蒸着装置内の真空吸引定圧室と隔壁により分割された真空蒸着室を所定の真空環境にする。アンワインダーから前記ウェブシートを繰り出し、ガイドロールを介して走行させた前記ウェブシートに、蒸着ドラムの下部に配置されている蒸発源から蒸発物質を各種の方法で加熱蒸発させて前記ウェブシートに蒸着させる。蒸着ドラムは冷却されているので前記ウェブシートに蒸発物質を再結晶化させて固着させる。更に、リワインダー側のガイドロールを介して蒸着された前記ウェブシートはリワインダーに巻き取られる。
【0007】
真空蒸着装置の内部構造は、真空吸引定圧室と真空蒸着室に隔壁で分割されている。真空吸引定圧室はアンワインダー、ガイドロール、張力制御装置、速度制御装置、位置制御装置、蒸着ドラムの一部、リワインダー等が配置されている。真空蒸着室は蒸着ドラムの一部と蒸発源とその加熱装置等が配置されている。真空蒸着装置本体の周辺に付属して配置されている真空ポンプにより、真空吸引定圧室は真空度が1×100MPa程度、隔壁を介して設けた真空蒸着室は1×10-2MPa(SI単位)程度にセットされる。2つに室が隔壁で分割されているので、真空吸引定圧室で前記ウェブシートから発生したガスなどの不純物(ダスト)は、真空蒸着室での蒸着時に悪い影響を与えることは少ない。また、逆に真空蒸着室に配置されている蒸発源からの放射熱は、真空吸引定圧室への影響は少ないので前記ウェブシートへの熱の影響は少ない。
【0008】
昨今、前記ウェブシートへの蒸発物質の蒸着目的が、単なる金属光沢を付与する装飾目的やガスバリア性を有するアルミ箔の代替目的から、臭気を吸着するなど特殊な化学的性能、或いは光の反射防止など特殊な物理的性能付与を目的とした前記ウェブシートへの薄膜成膜が増加している。そのため基材となる前記ウェブシート自身や蒸発物質も用途、要求品質、成膜条件に適合することが、品質の良い薄膜を得るための重要なファクターである。
【0009】
例えば、真空蒸着法に適した前記ウェブシートについて述べると、次のようなことが必要とされている。▲1▼蒸発物質との密着性を高めたり、蒸着面の平滑性を向上させる為、真空の環境下で水分、残留溶剤、可塑剤、未反応モノマー等のガスを極力放出しないこと、▲2▼蒸発物質との密着性を高める為、前記ウェブシート表面は蒸発物質との相溶性を有すること、▲3▼蒸発源からの輻射熱と蒸発物質の凝縮熱により、前記ウェブシートが熱収縮変形を起こさないようにする為、耐熱性を有すること。▲4▼ロール状で連続的に蒸着加工するので、その間におけるしわ、たるみ、硬度ムラ発生防止の為、前記ウェブシートは厚みが均一であること、前記ウェブシートのしわや巻きズレを防止する為にも前記ウェブシートは適度な滑り性を有すること等が前記ウェブシートに求められている。
【0010】
現在、これらの要求に比較的対応できるウェブシートとしては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート)やポリプロピレンフィルム等ポリオレフィン系の樹脂からなるプラスチックフィルムが使用されている。
【0011】
次に、蒸発源となる蒸発物質も従来は、主にアルミ(Al)等の単体金属が使用されていたが、前記ウェブシートにバリア性や、環境にやさしいエコロジー性、食品包装されたままの状態で電子レンジを使用して調理できる利便性等を兼ね備えた性能を有することを目的として、酸化珪素(SiO2)やアルミナ(Al23)等の絶縁性金属酸化物を使用する必要性が出てきた。
【0012】
真空蒸着法も、加熱方法により、▲1▼間接抵抗法、▲2▼直接抵抗加熱法(ワイヤフィード法)、▲3▼高周波誘導加熱法、▲4▼電子ビーム法(electoron beam、略してEB法)の4つの方法があるが、蒸発物質が酸化珪素やアルミナ等の絶縁性金属酸化物を使用する場合は、電子ビーム法が最適である。
【0013】
巻き取り式電子ビーム真空蒸着法は、蒸発物質に直接、電子ビームを照射して加熱蒸発させる方法で、特に蒸発物質が酸化珪素やアルミナ等の絶縁性金属酸化物の真空蒸着法として注目されている。電子ビームは、蒸発物質表面を加熱する熱源で、蒸発物質表面上をスキャンして、電子ビームがあたった部分でエネルギーを変換し、蒸発物質を蒸発させる。電子ビームの最大の特徴は、高融点の金属はもとより、酸化珪素やアルミナのような絶縁性金属酸化物を蒸着できることにある。
【0014】
蒸発物質が金属単体のような導電体の場合は、蒸着膜の密着性の向上を目的に行う、前記ウェブシートのグロー放電プラズマ処理が帯電の除去にも効果があった。ところが、絶縁性を有する酸化珪素やアルミナのような蒸発物質の場合には、蒸発物質への電子ビーム照射に伴なって、蒸発物質から放出される2次電子が多量に発生し、前記ウェブシートに入射する為、グロー放電プラズマ処理による帯電除去効果は完全でなく蒸着ドラムから前記ウェブシートを剥離する時、帯電による剥離放電が発生し、蒸着膜が損傷・破壊されるという問題が指摘されている。
【0015】
これらの対策として、例えば特開平05−86470号に示されているように、絶縁体フィルム表面の極性を測定し、帯電極性と逆極性の電位を印加して、初期帯電を除去し、更に高周波グロー放電プラズマにより、更なる帯電除去と負電位化処理を巻き出しロールとコーティングドラムとの間で施し、絶縁体フィルム表面を一様な負電位にすることにより絶縁性物質からなる蒸発材料の蒸着時に入射してくる2次電子を、電気的に反発して入射を減少させる方法により、2次電子による絶縁体フィルムの帯電に起因するコーティングドラムとの剥離放電を抑止する方法がある。
【0016】
また、特開平07−150355号に示されているように、高分子フィルム等の基材に蒸着した後、蒸着ドラムから剥離する部分に当該蒸着ドラムに接するように接地された導電性を有する補助ロールにより除電する方法等、前記ウェブシートの帯電に起因する問題を解決するためにいろいろな解決方法が提案され前記ウェブシートが蒸着ドラムから剥離する際の剥離放電は抑止された。
【0017】
しかしながら、これらの方法でも、蒸発物質から放出された2次電子を前記ウェブシートから完全に除去できず、前記ウェブシートに帯電したままの2次電子の負の電荷が、リワインダーに巻き取られる直前に巻き取り張力により、前記ウェブシートの表裏がスリップ摩擦を起こし、そのエネルギーで異常放電し、前記ウェブシートの表裏を溶融させ、前記ウェブシート同士が溶着(ブロッキング)して蒸着膜の損傷・破壊を招く問題が新たに指摘されている。
【0018】
更に、真空蒸着装置の真空吸引定圧室内部の圧力が変動すると、前記ウェブシートの帯電をグロー放電プラズマ型の除電装置で除去する時、グロー放電プラズマが安定して励起する圧力範囲外となり、除電効果が不安定であることも指摘されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、巻き取り式電子ビーム真空蒸着法による酸化珪素やアルミナ等の絶縁性金属酸化物の蒸発物質を前記ウェブシートに蒸着すると、前記ウェブシートが、絶縁性蒸発物質から放出される2次電子の入射により、前記ウェブシートに負の電荷が帯電する。これらは、特開平05−86470号、特開平07−150355号等により解決方法が提案され、前記ウェブシートが蒸着ドラムから剥離する際の2次電子の帯電に起因する剥離放電による蒸着膜の損傷・破壊を招く問題は解決された。
【0020】
しかしながら、これらの方法でも、蒸発物質から放出された2次電子を前記ウェブシートから完全に除去できず、前記ウェブシートに帯電したままの2次電子の負の電荷が、リワインダーに巻き取られる直前に巻き取り張力により、前記ウェブシートの表裏がスリップ摩擦を起こし、そのエネルギーで異常放電し、前記ウェブシートの表裏を溶融させ、前記ウェブシート同士が溶着(ブロッキング)して蒸着膜の損傷・破壊を招く問題が新たに指摘されている。
【0021】
更に、真空蒸着装置の真空吸引定圧室内部の圧力が変動すると、前記ウェブシートの帯電をグロー放電プラズマ型の除電装置で除去する時、グロー放電プラズマが安定して励起する圧力範囲外となり、除電効果が不安定であることも指摘されている。
【0022】
本発明は、上記のような課題を解決する為に成されたもので、本発明の請求項1に係る発明は、アンワインダーから連続的に送り出されるプラスチックフィルムからなるウェブシートを、真空吸引定圧室内に設置された所定走行ラインにて走行させてリワインダーで巻き取ると共に、前記走行ラインの途中に配置されている真空蒸着室にて蒸着ドラム上で、電子ビームを照射して蒸散する絶縁性の物質からなる蒸発物質の蒸気を前記ウェブシートに連続的に蒸着するように構成された巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置において、蒸発物質が放出する2次電子の入射に起因する前記ウェブシートの負電荷の帯電を除去する直流電源を使用した陰極グロー放電プラズマ型除電装置を前記リワインダーの直前に配置し、蒸着された前記ウェブシートを、前記除電装置の平行な陰極と接地対極との間に走行させて、該ウェブシートの負電荷の帯電を除去することを特徴とする巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置である。
【0023】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置14において、前記定圧室15内部の圧力を不活性ガス13の供給によって常に一定に保持することにより、前記ウェブシート2の除電効果を安定化させることを特徴とする巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置の実施の形態を以下に詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明による巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置の全体概略図である。図1において、前記真空蒸着装置14の扉を開け、ロール状のプラスチックフィルムによるウェブシート2をアンワインダー(巻き出し装置)1にセットし、アンワインダー1と蒸着ドラム4間に配置されているアンワインダー側のガイドロール3を介して、蒸着ドラム4まで走行させ、更にリワインダー(巻き取り装置)6との間に配置されているリワインダー側のガイドロール5を介して、リワインダー(巻き取り装置)に巻き取り、前記ウェブシートの蒸着準備を完了する。
【0027】
次に、真空蒸着装置14の扉を閉じて、真空吸引定圧室15の真空ポンプ接続口17と真空蒸着室16の真空ポンプ接続口18とで接続されている真空ポンプより、真空蒸着装置14の真空吸引定圧室15と真空蒸着室16を所定の真空環境にする。アンワインダー1から前記ウェブシート2を繰り出し、ガイドロール3を介して、蒸着ドラム4の下部に配置されている蒸発源8から、蒸発物質7を電子ビーム20で加熱し、蒸発させて前記ウェブシート2に蒸着する。蒸着ドラム4は冷却されているので前記ウェブシート2に蒸発物質7を再結晶化させ固着させる。更に、リワインダー側のガイドロール5を介して蒸着された前記ウェブシート2はリワインダー6に巻き取られる。
【0028】
巻き取り式真空蒸着装置14の内部構造は、隔壁9により真空吸引定圧室15と真空蒸着室16に分割されている。真空吸引定圧室15はアンワインダー1、ガイドロール3、蒸着ドラム4の一部、除電装置10、リワインダー6の他、制御系として張力制御装置、速度制御装置、位置制御装置等が配置されている。真空蒸着室16は蒸着ドラムの一部と蒸発源8や電子ビーム照射装置等が配置されている。真空蒸着装置14の周辺に付属して配置されている真空ポンプにより、真空吸引定圧室15は真空度が1×100MPa程度、真空蒸着室16は1×10-2MPa程度にセットされる。2つに室が隔壁9によって分割されているので、真空環境下で前記ウェブシート2から発生したガスなどの不純物、真空蒸着室16での蒸着時に悪い影響を与えることは少ない。また、逆に真空蒸着室16に配置されている蒸発源8からの放射熱は、真空吸引定圧室15への影響は少ないので前記ウェブシート2への熱の影響は少ない。
【0029】
巻き取り式電子ビーム真空蒸着法は、蒸発物質7に直接、電子ビーム20を照射して加熱蒸発させる方法で特に、蒸発物質7が酸化珪素やアルミナ等の絶縁性金属酸化物の真空蒸着には最適である。電子ビーム20は、蒸発物質7表面を加熱する熱源で、蒸発物質7表面上をスキャンして、電子ビーム20があたった部分でエネルギーを変換し、蒸発物質7を蒸発させる。電子ビーム20の最大の特徴は、高融点の金属はもとより、酸化珪素やアルミナのような絶縁性金属酸化物からなる蒸発物7を蒸着できることにある。
【0030】
従来、蒸発物質7が金属単体のような導電体の場合は、蒸着膜の密着性の向上を目的に行う、前記ウェブシート2のグロー放電プラズマ処理が帯電の除去にも効果があった。ところが、前記の絶縁性を有する酸化珪素やアルミナのような蒸発物質7の場合には、蒸発物質7への電子ビーム20照射に伴なって、蒸発物質7から放出される2次電子の量が多く発生し、前記ウェブシート2に入射する為、グロー放電プラズマの前処理だけでは完全に帯電を除去できず、その解決方法がいろいろと提案され前記ウェブシート2が蒸着ドラムから剥離する際の2次電子の帯電に起因する剥離放電による蒸着膜の損傷・破壊を招く問題は解決された。
【0031】
しかしながら、前記ウェブシート2に帯電した2次電子の負の電荷の除去が完全でなく、リワインダー6に巻き取られる直前に巻き取り張力により、前記ウェブシート2の表裏がスリップ摩擦を起こし、そのエネルギーで異常放電し、前記ウェブシート2の表裏を溶融させ、前記ウェブシート2同士が溶着(ブロッキング)して蒸着膜の損傷・破壊を招くという問題が新たに発生した。
【0032】
そこで、いろいろな解決方法を検討した結果、前記ウェブシート2に残存する2次電子の負の電荷を除去する除電装置10を、前記ウェブシート2を巻き取るリワインダー6の直前に配置することが最適であることが判明した。
【0033】
更に、巻き取り式真空蒸着装置14の真空吸引定圧室15内部の圧力が変動すると、グロー放電プラズマが安定して励起する圧力範囲外となり、除電効果が不安定であることも指摘されている。
【0034】
そこで巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置14の周辺に、真空計11、アルゴンガス流量制御装置12からなるアルゴンガス供給装置を配置して、アルゴンガスの供給を適宜自動的に行い、真空蒸着装置14の真空吸引定圧室15内部の圧力を常に一定に保持すると、除電装置10による前記ウェブシート2の帯電を除電する効果が安定することも判明した。
【0035】
図2は、図1における前記ウェブシート2が走行する電極が平行プレート型の陰極グロー放電プラズマ型除電装置10の概略構成断面図である。
【0036】
図2において、10aは直流電源、10bは陰極、10cは接地対極をそれぞれ示している。ここで、陰極10b、接地対極10cは、図示のように平行プレート型となっている。
【0037】
【実施例】
上記発明の実施例を下記に図1と図2を用いて説明する。
【0038】
〈実施例1〉
図1に示すような、真空蒸着装置14の扉を開け、アンワインダー(巻き出し装置)1にロール状の前記ウェブシート2をセットし、アンワインダー1と蒸着ドラム4間に配置されているアンワインダー側のガイドロール3を介して、蒸着ドラム4まで走行させ、更にリワインダー(巻き取り装置)6との間に配置されているリワインダー側のガイドロール5を介して、リワインダー(巻き取り装置)6に巻き取り、前記ウェブシート2の蒸着準備を完了する。
【0039】
次に、蒸発物質7としては、酸化珪素(SiO2)[アルミナ(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カルシュウム(CaO)、酸化バリュウム(BaO)等の酸化物も使用可能]を蒸発源8にセットした。
【0040】
次に、真空蒸着装置14の扉を閉じて、真空吸引定圧室15の真空ポンプ接続口17と真空蒸着室16の真空ポンプ接続口18とで接続されている真空ポンプより、真空蒸着装置14の真空吸引定圧室15を真空度が1×100MPa程度、真空蒸着室16は1×10-2MPa程度になるまで排気した。
【0041】
次に、真空計11、アルゴンガス流量制御装置12からなるアルゴンガス供給装置から、真空蒸着装置14の真空吸引定圧室15内部にアルゴンガスの供給を適宜自動的に行った。真空蒸着装置14の真空吸引定圧室15内部の圧力を常に一定に保持したので、除電装置10の除電効果も安定した。
【0042】
次に、除電装置10の直流電源10Aを入れ作動させ、グロー放電プラズマを除電装置10に発生させた。
【0043】
次に、アンワインダー1から前記ウェブシート2を繰り出し、ガイドロール3を介して、走行させ、蒸着ドラム4上で電子ビーム20を照射して酸化珪素(SiO2)を前記ウェブシート2上に連続的に蒸着した。更に、リワインダー側のガイドロール5を介して蒸着された前記ウェブシート2は、安定したグロー放電プラズマを発生している除電装置10を通過することにより、蒸着の際に前記ウェブシート2に入射した2次電子の負の電荷はグロー放電プラズマにより発生する陽イオンにより中和された。その結果、リワインダー6に巻き取る直前に発生する帯電に起因する異常放電も起こらず、蒸着膜の損傷・破壊のない前記ウェブシート2をリワインダー6に巻き取った。
【0044】
〈比較例1〉
比較例として、除電装置10を作動させないで、その他は実施例1と同様の方法で蒸着を行っ た結果、2次電子の負電荷は中和されず、リワインダー6に巻き取られる直前に巻き取り張力に より、前記ウェブシート2の表裏がスリップ摩擦を起こし、そのエネルギーで異常放電が発生し 、前記ウェブシート2の表裏を溶融させ、前記ウェブシート2同士が溶着(ブロッキング)して 蒸着膜の損傷・破壊を招いてしまった。
【0045】
【発明の効果】
本発明により、プラスチックフィルム等単体では達成できない特性を付与する目的で、巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置で絶縁性のある金属酸化物等の蒸発物質を成膜する際、蒸発物質から放出される2次電子がプラスチックフィルム等のウェブシートに負電荷の帯電をもたらし、リワインダー(巻き取り装置)に巻き取られる直前に異常放電を起こし、前記ウェブシートの表裏を溶融させ、前記ウェブシート同士が溶着(ブロッキング)して蒸着膜の損傷・破壊を招く問題を解決し、均一で高品質な蒸着膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置の全体構成図。
【図2】本発明における陰極グロー放電プラズマ型除電装置の概略構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・アンワインダー(巻き出し装置)
2・・・プラスチックフィルム等のウェブシート
3・・・アンワインダー側ガイドロール
4・・・蒸着ドラム
5・・・リワインダー側ガイドロール
6・・・リワインダー(巻き取り装置)
7・・・蒸発物質
8・・・蒸発源
9・・・真空吸引定圧室と真空蒸着室の隔壁
10・・・陰極グロー放電プラズマ型除電装置
10a・・・直流電源
10b・・・陰極 10c・・・接地対極
11・・・真空計
12・・・アルゴンガス流量制御装置
13・・・アルゴンガス供給口
14・・・真空蒸着装置
15・・・真空吸引定圧室
16・・・真空蒸着室
17・・・真空吸引定圧室用真空ポンプ接続口
18・・・真空蒸着室用真空ポンプ接続口
19・・・電子ビーム放射装置接続口
20・・・電子ビーム
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a take-up electron beam vacuum deposition apparatus for depositing an evaporation material such as an insulating metal oxide on a film surface for the purpose of imparting characteristics that cannot be achieved by a single unit such as a plastic film.
[0002]
[Prior art]
In recent years, new materials for various industrial uses in which metal, organic / inorganic compounds, etc. are formed on a film surface by various film forming techniques have been developed in order to impart characteristics that cannot be achieved by a single unit such as a plastic film. There are various methods for depositing various materials, but the method for depositing a thin film of metal, metal oxide or the like as in the present invention depends on the vacuum evaporation source or ion plate depending on the classification of the vacuum evaporation source. Such as a sputtering method and a sputtering method. In particular, when the substrate for vapor deposition such as a plastic film is a web sheet, a thin film deposition method by vacuum vapor deposition is widely used.
[0003]
There are three types of vacuum deposition methods, depending on the form of the deposition target: (1) batch method: vapor deposition method for molded products, (2) take-up semi-continuous method: vacuum for roll-shaped web sheets After unwinding, vapor deposition, and winding in the system, return to the atmospheric system again and take out the evaporated product. (3) Unwinder (unwinding device) for roll-up web sheet And a rewinder (winding device) placed in the air system, and the evaporation drum and evaporation source are placed in a vacuum system to evaporate the evaporated material on the roll-shaped web sheet. This is a completely continuous method called a method with high productivity.
[0004]
When evaporating an evaporation substance on a roll-shaped web sheet, a take-up semi-continuous method is particularly popular. The components of the take-up vacuum deposition apparatus and the outline of the work process will be described, and the internal structure of the vacuum deposition apparatus will be described. First, the constituent elements are a roll-shaped web sheet, an evaporation source, an evaporation substance, a vapor deposition drum, a vacuum system, an unwinder (unwinding device), a rewinder (winding device), a guide roll, and the like.
[0005]
Next, an outline of the work process will be described. First, as a preparation, open the door of the vacuum deposition device, set a web sheet such as a roll-shaped plastic film on the unwinder (unwinding device), through a guide roll disposed between the unwinder and the deposition drum, The web sheet travels to the vapor deposition drum, and is further wound around a rewinder (winding device) via a guide roll arranged between the rewinder (winding device) and vapor deposition of the evaporated substance on the web sheet is performed. Preparation is complete.
[0006]
Next, the door of the vacuum vapor deposition apparatus is closed, and the vacuum vapor deposition chamber divided by the vacuum suction constant pressure chamber and the partition in the vacuum vapor deposition apparatus is made into a predetermined vacuum environment by a vacuum pump. The web sheet is unwound from an unwinder, and evaporated on the web sheet by various methods to heat and evaporate evaporation materials from an evaporation source disposed at the lower part of the deposition drum on the web sheet that has been run through a guide roll. Let Since the deposition drum is cooled, the evaporated substance is recrystallized and fixed to the web sheet. Further, the web sheet deposited through the guide roll on the rewinder side is wound around the rewinder.
[0007]
The internal structure of the vacuum deposition apparatus is divided into a vacuum suction constant pressure chamber and a vacuum deposition chamber by partition walls. In the vacuum suction constant pressure chamber, an unwinder, a guide roll, a tension control device, a speed control device, a position control device, a part of a vapor deposition drum, a rewinder, and the like are arranged. In the vacuum deposition chamber, a part of a deposition drum, an evaporation source, a heating device for the evaporation source, and the like are arranged. The vacuum suction constant pressure chamber has a degree of vacuum of about 1 × 10 0 MPa and a vacuum deposition chamber provided via a partition wall is 1 × 10 −2 MPa (by a vacuum pump attached to the periphery of the vacuum deposition apparatus main body. SI unit). Since the two chambers are divided by the partition walls, impurities (dust) such as gas generated from the web sheet in the vacuum suction constant pressure chamber are unlikely to adversely affect the deposition in the vacuum deposition chamber. On the contrary, the radiant heat from the evaporation source arranged in the vacuum deposition chamber has little influence on the vacuum suction constant pressure chamber, and therefore the influence of the heat on the web sheet is small.
[0008]
Recently, the purpose of vapor deposition of the evaporating material on the web sheet is just a decorative purpose to give a metallic luster or an alternative to aluminum foil with gas barrier properties, special chemical performance such as adsorbing odors, or anti-reflection of light Thin film deposition on the web sheet for the purpose of imparting special physical performance is increasing. Therefore, it is an important factor for obtaining a thin film with good quality that the web sheet itself and the evaporation material as a base material are adapted to the application, required quality, and film forming conditions.
[0009]
For example, when the web sheet suitable for the vacuum deposition method is described, the following is required. (1) Do not release gases such as moisture, residual solvent, plasticizer, and unreacted monomer as much as possible in a vacuum environment in order to improve the adhesion to the evaporated material and improve the smoothness of the vapor deposition surface. ▼ In order to improve the adhesion to the evaporating substance, the surface of the web sheet must be compatible with the evaporating substance. (3) The radiant heat from the evaporation source and the heat of condensation of the evaporating substance cause the web sheet to undergo thermal contraction deformation. It must have heat resistance to prevent it from occurring. (4) Since the vapor deposition process is continuously performed in a roll shape, the web sheet has a uniform thickness in order to prevent wrinkles, sagging and hardness unevenness in the meantime, and to prevent wrinkles and winding deviation of the web sheet. In addition, the web sheet is required to have an appropriate sliding property.
[0010]
At present, plastic films made of polyolefin resins such as polyester films (polyethylene terephthalate) and polypropylene films are used as web sheets that can relatively meet these requirements.
[0011]
Next, the evaporation material that serves as the evaporation source has traditionally been mainly made of simple metals such as aluminum (Al), but the web sheet has barrier properties, environmentally friendly ecology, and food packaging. The need to use insulating metal oxides such as silicon oxide (SiO 2 ) and alumina (Al 2 O 3 ) for the purpose of having the performance of being able to cook using a microwave oven in the state Came out.
[0012]
The vacuum deposition method is also determined by the heating method: (1) indirect resistance method, (2) direct resistance heating method (wire feed method), (3) high frequency induction heating method, (4) electron beam method (EB for short) 4), the electron beam method is most suitable when the evaporated substance uses an insulating metal oxide such as silicon oxide or alumina.
[0013]
The take-up electron beam vacuum deposition method is a method in which an evaporated material is directly irradiated with an electron beam to heat and evaporate. In particular, the evaporated material is attracting attention as a vacuum deposition method of an insulating metal oxide such as silicon oxide or alumina. Yes. The electron beam is a heat source that heats the surface of the evaporating material, scans the surface of the evaporating material, converts energy at the portion hit by the electron beam, and evaporates the evaporating material. The greatest feature of the electron beam is that not only high melting point metals but also insulating metal oxides such as silicon oxide and alumina can be deposited.
[0014]
When the evaporating substance is a conductor such as a simple metal, the glow discharge plasma treatment of the web sheet, which is performed for the purpose of improving the adhesion of the deposited film, was effective in removing the charge. However, in the case of an evaporating substance such as insulating silicon oxide or alumina, a large amount of secondary electrons emitted from the evaporating substance are generated along with the electron beam irradiation to the evaporating substance, and the web sheet Therefore, it is pointed out that when the web sheet is peeled from the vapor deposition drum, the discharge discharge due to charging occurs and the vapor deposition film is damaged or destroyed. Yes.
[0015]
As measures against these, for example, as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 05-86470, the polarity of the surface of the insulator film is measured, a potential having a polarity opposite to the charging polarity is applied to remove the initial charging, and further the high frequency Evaporation of vaporized material made of an insulating material by performing further electrification removal and negative potential treatment between the unwinding roll and the coating drum by glow discharge plasma, and making the insulator film surface a uniform negative potential. There is a method of suppressing peeling discharge from the coating drum caused by charging of the insulating film by secondary electrons by a method of electrically repelling incident secondary electrons and reducing incidence.
[0016]
Further, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 07-150355, after being deposited on a base material such as a polymer film, a conductive auxiliary that is grounded so as to be in contact with the deposition drum at a portion where it is peeled off from the deposition drum Various solutions have been proposed in order to solve the problems caused by charging of the web sheet, such as a method of removing electricity by a roll, and the peeling discharge when the web sheet is peeled from the vapor deposition drum has been suppressed.
[0017]
However, even with these methods, the secondary electrons emitted from the evaporated substance cannot be completely removed from the web sheet, and the negative charge of the secondary electrons that remain charged on the web sheet is immediately before being wound up by the rewinder. Winding tension causes slip friction between the front and back of the web sheet, abnormal discharge occurs with the energy, the front and back of the web sheet are melted, and the web sheets are welded (blocked) to damage or break the deposited film. A new problem has been pointed out.
[0018]
Further, if the pressure inside the vacuum suction constant pressure chamber of the vacuum evaporation apparatus fluctuates, when the charge of the web sheet is removed by a glow discharge plasma type static eliminator, the pressure is outside the pressure range where the glow discharge plasma is stably excited. It has also been pointed out that the effect is unstable.
[0019]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, when an evaporation material of an insulating metal oxide such as silicon oxide or alumina is deposited on the web sheet by a winding type electron beam vacuum evaporation method, the web sheet is released from the insulating evaporation material 2. Due to the incidence of secondary electrons, a negative charge is charged on the web sheet. These are proposed by Japanese Patent Laid-Open Nos. 05-86470, 07-150355, etc., and damage to the deposited film due to peeling discharge caused by charging of secondary electrons when the web sheet is peeled off from the deposition drum.・ The problem that caused destruction was solved.
[0020]
However, even with these methods, the secondary electrons emitted from the evaporated substance cannot be completely removed from the web sheet, and the negative charge of the secondary electrons that remain charged on the web sheet is immediately before being wound up by the rewinder. Winding tension causes slip friction between the front and back of the web sheet, abnormal discharge occurs with the energy, the front and back of the web sheet are melted, and the web sheets are welded (blocked) to damage or break the deposited film. A new problem has been pointed out.
[0021]
Further, if the pressure inside the vacuum suction constant pressure chamber of the vacuum evaporation apparatus fluctuates, when the charge of the web sheet is removed by a glow discharge plasma type static eliminator, the pressure is outside the pressure range where the glow discharge plasma is stably excited. It has also been pointed out that the effect is unstable.
[0022]
The present invention has been made to solve the above problems, the invention is a web sheet comprising a plastic film which is continuously fed from unwinder, vacuum suction pressure according to claim 1 of the present invention An insulating material that runs on a predetermined running line installed in a room and winds it up with a rewinder, and transpirations by irradiating an electron beam on a vapor deposition drum in a vacuum deposition chamber arranged in the middle of the running line. In a take-up electron beam vacuum deposition apparatus configured to continuously deposit vapor of an evaporating substance on the web sheet, the negative of the web sheet due to incidence of secondary electrons emitted by the evaporating substance It said web Sea cathode glow discharge plasma type static eliminator using a DC power source for removing charge of charge placed immediately before the rewinder was deposited And said parallel cathode neutralization apparatus and caused to travel between the ground counter electrode, a take-up electron beam vacuum vapor deposition apparatus, and removing the charge of negative charge of the web sheet.
[0023]
In the invention according to claim 2 of the present invention, in the take-up electron beam vacuum deposition apparatus 14 according to claim 1, by constantly maintaining the pressure inside the constant pressure chamber 15 by supplying the inert gas 13, It is a winding type electron beam vacuum deposition apparatus characterized by stabilizing the static elimination effect of the web sheet 2.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the take-up electron beam vacuum deposition apparatus of the present invention will be described in detail below.
[0026]
FIG. 1 is an overall schematic view of a winding type electron beam vacuum deposition apparatus according to the present invention. In FIG. 1, the door of the vacuum vapor deposition device 14 is opened, a web sheet 2 made of a roll-shaped plastic film is set on an unwinder (unwinding device) 1, and an unwinder 1 disposed between the unwinder 1 and the vapor deposition drum 4. It travels to the vapor deposition drum 4 through the guide roll 3 on the winder side, and further to the rewinder (winding device) through the guide roll 5 on the rewinder side arranged between the rewinder (winding device) 6. Winding up and completing the preparation for vapor deposition of the web sheet.
[0027]
Next, the door of the vacuum deposition apparatus 14 is closed, and the vacuum pump 14 is connected to the vacuum pump connection port 17 of the vacuum suction constant pressure chamber 15 by the vacuum pump connection port 18 of the vacuum deposition chamber 16. The vacuum suction constant pressure chamber 15 and the vacuum deposition chamber 16 are set to a predetermined vacuum environment. The web sheet 2 is unwound from the unwinder 1, and the evaporated material 7 is heated by the electron beam 20 from the evaporation source 8 disposed below the vapor deposition drum 4 via the guide roll 3, and evaporated to evaporate the web sheet. Vapor deposition. Since the vapor deposition drum 4 is cooled, the vaporized substance 7 is recrystallized and fixed to the web sheet 2. Further, the web sheet 2 deposited through the guide roll 5 on the rewinder side is wound around the rewinder 6.
[0028]
The internal structure of the take-up vacuum deposition apparatus 14 is divided into a vacuum suction constant pressure chamber 15 and a vacuum deposition chamber 16 by a partition wall 9. In addition to the unwinder 1, the guide roll 3, a part of the vapor deposition drum 4, the static eliminator 10, the rewinder 6, the vacuum suction constant pressure chamber 15 includes a tension controller, a speed controller, a position controller, and the like as a control system. . In the vacuum vapor deposition chamber 16, a part of the vapor deposition drum, the evaporation source 8, an electron beam irradiation device, and the like are arranged. The vacuum suction constant pressure chamber 15 is set to a vacuum degree of about 1 × 10 0 MPa and the vacuum deposition chamber 16 is set to about 1 × 10 −2 MPa by a vacuum pump arranged around the vacuum deposition apparatus 14. . Since the two chambers are divided by the partition wall 9, impurities such as gas generated from the web sheet 2 in a vacuum environment, and adverse effects during vapor deposition in the vacuum vapor deposition chamber 16 are rare. On the contrary, the radiant heat from the evaporation source 8 disposed in the vacuum deposition chamber 16 has little influence on the vacuum suction constant pressure chamber 15, and therefore has little influence on the web sheet 2.
[0029]
The take-up electron beam vacuum deposition method is a method in which the evaporating substance 7 is directly irradiated with the electron beam 20 to heat and evaporate. In particular, the evaporating substance 7 is used for vacuum deposition of an insulating metal oxide such as silicon oxide or alumina. Is optimal. The electron beam 20 is a heat source for heating the surface of the evaporating substance 7, scans the surface of the evaporating substance 7, converts energy in the portion hit by the electron beam 20, and evaporates the evaporating substance 7. The greatest feature of the electron beam 20 is that not only a high melting point metal but also an evaporant 7 made of an insulating metal oxide such as silicon oxide or alumina can be deposited.
[0030]
Conventionally, when the evaporated substance 7 is a conductor such as a simple metal, the glow discharge plasma treatment of the web sheet 2 performed for the purpose of improving the adhesion of the deposited film was also effective in removing the charge. However, in the case of the evaporating substance 7 such as silicon oxide or alumina having the insulating property, the amount of secondary electrons emitted from the evaporating substance 7 is increased when the evaporating substance 7 is irradiated with the electron beam 20. Since it occurs frequently and is incident on the web sheet 2, the charge cannot be completely removed only by the pretreatment of the glow discharge plasma. Various solutions have been proposed, and 2 when the web sheet 2 is peeled off from the vapor deposition drum. The problem of damage and destruction of the deposited film due to peeling discharge caused by secondary electron charging was solved.
[0031]
However, the removal of the negative charge of the secondary electrons charged on the web sheet 2 is not complete, and the web sheet 2 causes slip friction between the front and back of the web sheet 2 due to the winding tension just before being wound on the rewinder 6. Then, abnormal discharge occurred, the front and back surfaces of the web sheet 2 were melted, and the web sheets 2 were welded (blocked) to cause damage and destruction of the deposited film.
[0032]
Therefore, as a result of examining various solutions, it is optimal that the static eliminator 10 for removing the negative charge of secondary electrons remaining on the web sheet 2 is disposed immediately before the rewinder 6 that winds up the web sheet 2. It turned out to be.
[0033]
Furthermore, it has been pointed out that when the pressure inside the vacuum suction constant pressure chamber 15 of the wind-up type vacuum deposition apparatus 14 fluctuates, the glow discharge plasma is outside the pressure range where it is stably excited, and the static elimination effect is unstable.
[0034]
Therefore, an argon gas supply device including a vacuum gauge 11 and an argon gas flow rate control device 12 is arranged around the take-up type electron beam vacuum vapor deposition device 14, and the argon gas is automatically supplied as appropriate. It has also been found that if the pressure inside the vacuum suction constant pressure chamber 15 is kept constant at all times, the effect of neutralizing the charge of the web sheet 2 by the static eliminator 10 is stabilized.
[0035]
FIG. 2 is a schematic sectional view of a cathode glow discharge plasma type static eliminator 10 in which the electrode on which the web sheet 2 in FIG. 1 travels is a parallel plate type.
[0036]
In FIG. 2, 10a indicates a DC power source, 10b indicates a cathode, and 10c indicates a grounding counter electrode. Here, the cathode 10b and the grounding counter electrode 10c are parallel plate types as shown in the figure.
[0037]
【Example】
An embodiment of the above invention will be described below with reference to FIGS.
[0038]
<Example 1>
As shown in FIG. 1, the door of the vacuum vapor deposition device 14 is opened, the roll-shaped web sheet 2 is set in an unwinder (unwinding device) 1, and an unwinder disposed between the unwinder 1 and the vapor deposition drum 4. The rewinder (winding device) 6 is caused to travel to the vapor deposition drum 4 through the winder side guide roll 3 and further through the rewinder side guide roll 5 disposed between the rewinder (winding device) 6. The web sheet 2 is prepared for vapor deposition.
[0039]
Next, as the evaporating substance 7, silicon oxide (SiO 2 ) [alumina (Al 2 O 3 ), zinc oxide (ZnO), oxide of calcium oxide (CaO), barium oxide (BaO), etc. can also be used]. The evaporation source 8 was set.
[0040]
Next, the door of the vacuum deposition apparatus 14 is closed, and the vacuum pump 14 is connected to the vacuum pump connection port 17 of the vacuum suction constant pressure chamber 15 by the vacuum pump connection port 18 of the vacuum deposition chamber 16. The vacuum suction constant pressure chamber 15 was evacuated until the degree of vacuum was about 1 × 10 0 MPa and the vacuum deposition chamber 16 was about 1 × 10 −2 MPa.
[0041]
Next, argon gas was automatically and appropriately supplied into the vacuum suction constant pressure chamber 15 of the vacuum vapor deposition device 14 from the argon gas supply device including the vacuum gauge 11 and the argon gas flow rate control device 12. Since the pressure inside the vacuum suction constant pressure chamber 15 of the vacuum vapor deposition device 14 was always kept constant, the static elimination effect of the static elimination device 10 was also stabilized.
[0042]
Next, the DC power source 10A of the static eliminator 10 was turned on and operated to generate glow discharge plasma in the static eliminator 10.
[0043]
Next, the web sheet 2 is unwound from the unwinder 1, travels through the guide roll 3, and irradiates the electron beam 20 on the vapor deposition drum 4 to continuously apply silicon oxide (SiO 2 ) onto the web sheet 2. Vapor deposited. Further, the web sheet 2 deposited through the guide roll 5 on the rewinder side is incident on the web sheet 2 during the deposition by passing through the static eliminator 10 generating a stable glow discharge plasma. The negative charge of secondary electrons was neutralized by cations generated by glow discharge plasma. As a result, the web sheet 2 was wound around the rewinder 6 without causing abnormal discharge due to the charge generated immediately before being wound around the rewinder 6 and without causing damage or destruction of the deposited film.
[0044]
<Comparative example 1>
As a comparative example, vapor deposition was performed in the same manner as in Example 1 without operating the static eliminator 10. As a result, the negative charge of the secondary electrons was not neutralized and was wound immediately before being taken up by the rewinder 6. Due to the tension, the front and back sides of the web sheet 2 cause slip friction, and abnormal energy is generated by the energy, the front and back sides of the web sheet 2 are melted, and the web sheets 2 are welded (blocked) to form a deposited film. It has been damaged or destroyed.
[0045]
【The invention's effect】
According to the present invention, when an evaporating substance such as an insulating metal oxide film is formed in a roll-up electron beam vacuum deposition apparatus for the purpose of imparting characteristics that cannot be achieved by a single unit such as a plastic film, it is released from the evaporating substance. Secondary electrons bring negative charge to the web sheet such as plastic film, cause abnormal discharge just before being wound up by a rewinder (winding device), melt the front and back of the web sheet, and the web sheets are welded together (Blocking) It is possible to solve the problem of causing damage or destruction of the deposited film and provide a uniform and high quality deposited film.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall configuration diagram of a take-up electron beam vacuum deposition apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing a schematic configuration example of a cathode glow discharge plasma type static eliminator according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1. Unwinder (unwinding device)
2 ... Web sheet of plastic film 3 ... Unwinder side guide roll 4 ... Deposition drum 5 ... Rewinder side guide roll 6 ... Rewinder (winding device)
7 ... Evaporation substance 8 ... Evaporation source 9 ... Partition of vacuum suction constant pressure chamber and vacuum deposition chamber 10 ... Cathode glow discharge plasma type static eliminator 10a ... DC power supply 10b ... Cathode 10c ··· Grounding counter electrode 11 ··· Vacuum gauge 12 ··· Argon gas flow control device 13 ··· Argon gas supply port 14 ··· Vacuum deposition device 15 ··· Vacuum suction constant pressure chamber 16 ··· Vacuum deposition chamber 17 ... Vacuum pump connection port 18 for vacuum suction constant pressure chamber ... Vacuum pump connection port 19 for vacuum deposition chamber ... Electron beam radiation device connection port 20 ... Electron beam

Claims (2)

アンワインダーから連続的に送り出されるプラスチックフィルムからなるウェブシートを、真空吸引定圧室内に設置された所定走行ラインにて走行させてリワインダーで巻き取ると共に、前記走行ラインの途中に配置されている真空蒸着室にて蒸着ドラム上で、電子ビームを照射して蒸散する絶縁性の物質からなる蒸発物質の蒸気を前記ウェブシートに連続的に蒸着するように構成された巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置において、蒸発物質が放出する2次電子の入射に起因する前記ウェブシートの負電荷の帯電を除去する直流電源を使用した陰極グロー放電プラズマ型除電装置を前記リワインダーの直前に配置し、蒸着された前記ウェブシートを、前記除電装置の平行な陰極と接地対極との間に走行させて、該ウェブシートの負電荷の帯電を除去することを特徴とする巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置。The web sheet comprising a plastic film fed from the unwinder continuously, vacuum deposition by traveling in the installed predetermined traveling line to the vacuum suction pressure chamber with wound at the rewinder, is arranged in the middle of the running line In a roll-up electron beam vacuum deposition apparatus configured to continuously deposit vapor of an evaporating substance made of an insulating material that evaporates by irradiating an electron beam on a vapor deposition drum in a chamber. A cathode glow discharge plasma type static eliminator using a DC power source that removes the negative charge of the web sheet caused by the incidence of secondary electrons emitted from the evaporating substance is disposed immediately before the rewinder, and is deposited. A web sheet is run between a parallel cathode and a grounded counter electrode of the static eliminator, and the negative charge band of the web sheet is obtained. Retractable electron beam vacuum vapor deposition apparatus, and removing the. 請求項1記載の巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置において、前記真空吸引定圧室内部の圧力を不活性ガスの供給によって常に一定に保持することにより、前記ウェブシートの除電効果を安定化させることを特徴とする巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置。  The roll-up electron beam vacuum deposition apparatus according to claim 1, wherein the neutralization effect of the web sheet is stabilized by constantly maintaining the pressure in the vacuum suction constant pressure chamber by supplying an inert gas. A take-up electron beam vacuum deposition apparatus.
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