以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。なお、以下の図において同符号のものは同様の意味を表す。
1.表示ドライバ
図1(A)は、表示ドライバ20(広義には集積回路装置)が実装された表示パネル10を示す。本実施形態では、表示ドライバ20や、表示ドライバ20が実装された表示パネル10を小型電子機器(図示せず)に搭載することができる。小型電子機器には例えば携帯電話、PDA、表示パネルを有するデジタル音楽プレーヤー等がある。表示パネル10は例えばガラス基板上に複数の表示画素が形成される。その表示画素に対応して、Y方向に伸びる複数のデータ線(図示せず)及びX方向に伸びる走査線(図示せず)が表示パネル10に形成される。本実施形態の表示パネル10に形成される表示画素は液晶素子であるが、これに限定されず、EL(Electro-Luminescence)素子等の発光素子であってもよい。また、表示画素はトランジスタ等を伴うアクティブ型であっても、トランジスタ等を伴わないパッシブ型であっても良い。例えば、表示領域12にアクティブ型が適用された場合、液晶画素はアモルファスTFTであっても良いし、低温ポリシリコンTFTであっても良い。
表示パネル10は、例えばX方向にPX個のピクセル、Y方向にPY個のピクセルの表示領域12を持つ。例えば、表示パネル10がQVGA表示に対応する場合は、PX=240、PY=320となり、表示領域12は240×320ピクセルで示される。なお、表示パネル10のX方向のピクセル数PXとは、白黒表示の場合にはデータ線本数に一致する。ここではカラー表示の場合、R用サブピクセル、G用サブピクセル、B用サブピクセルの計3サブピクセルを合わせて1ピクセルが構成される。よって、カラー表示の場合、データ線の本数は(3×PX)本となっている。従って、カラー表示の場合、「データ線に対応する画素数」は「X方向のサブピクセルの数」を意味する。各サブピクセルは階調に応じてそのビット数が決定され、例えば3つのサブピクセルの階調値をそれぞれGビットとしたとき、1ピクセルの階調値=3Gとなる。各サブピクセルが64階調(6ビット)を表現する場合には、1ピクセルのデータ量は6×3=18ビットとなる。
なお、ピクセル数PX及びPYは、例えばPX>PYでも良いし、PX<PYでも良いし、PX=PYでも良い。
表示ドライバ20のサイズは、X方向の長さCX、Y方向の長さCYに設定される。そして、長さCXである表示ドライバ20の長辺ILは、表示領域12の表示ドライバ20側の一辺PL1と平行である。即ち、表示ドライバ20は、その長辺ILが表示領域12の一辺PL1と平行になるように表示パネル10に実装される。
図1(B)は表示ドライバ20のサイズを示す図である。長さCYである表示ドライバ20の短辺ISと表示ドライバ20の長辺ILの比は、例えば1:10に設定される。つまり、表示ドライバ20は、その長辺ILに対して、その短辺ISが非常に短く設定される。このように細長い形状に形成することで、表示ドライバ20のY方向のチップサイズを極限まで小さくすることができる。
なお、前述の比1:10は一例であり、これに限定されない。例えば1:11でも良いし、1:9でもよい。
なお、図1(A)では表示領域12のX方向の長さLX及びY方向の長さLYが示されているが、表示領域12の縦横のサイズ比は図1(A)に限定されない。表示領域12は、例えば長さLYが長さLXよりも短く設定されてもよい。
また、図1(A)によると、表示領域12のX方向の長さLXは表示ドライバ20のX方向の長さCXと等しい。特に図1(A)に限定はされないが、このように長さLX及び長さCXが等しく設定されるのが好ましい。その理由として、図2(A)を示す。
図2(A)に示す表示ドライバ22はX方向の長さがCX2に設定されている。この長さCX2は、表示領域12の一辺PL1の長さLXよりも短いため、図2(A)に示すように、表示ドライバ22と表示領域12とを接続する複数の配線をY方向に平行に設けることができない。このため、表示領域12と表示ドライバ22との距離DY2を余分に設ける必要がある。これは表示パネル10のガラス基板のサイズを無駄に要するため、コスト削減を妨げる。そして、より小型の電子機器に表示パネル10を搭載する場合、表示領域12以外の部分が大きくなり、電子機器の小型化の妨げにもなる。
これに対して、図2(B)に示すように本実施形態の表示ドライバ20は、その長辺ILの長さCXが表示領域12の一辺PL1の長さLXに一致するように形成されているため、表示ドライバ20と表示領域12との間の複数の配線をY方向に平行に設けることができる。これにより、表示ドライバ20と表示領域12との距離DYを図2(A)の場合に比べて短くすることができる。さらに、表示ドライバ20のY方向の長さISが短いので、表示パネル10のガラス基板のY方向のサイズが小さくなり、電子機器の小型化に寄与できる。
なお、本実施形態では、表示ドライバ20の長辺ILの長さCXが、表示領域12の一辺PL1の長さLXに一致するように形成されるが、これに限定されない。
上述のように、表示ドライバ20の長辺ILを表示領域12の一辺PL1の長さLXに合わせ、短辺ISを短くすることで、チップサイズの縮小を達成しながら、距離DYの短縮も可能となる。このため、表示ドライバ20の製造コスト及び表示パネル10の製造コストの削減が可能となる。
図3(A)及び図3(B)は、本実施形態の表示ドライバ20のレイアウトの構成例を示す図である。図3(A)に示すように、表示ドライバ20には、X方向に沿ってデータ線ドライバ100(広義にはデータ線ドライバブロック)、RAM200(広義には集積回路装置又はRAMブロック)、走査線ドライバ230、G/A回路240(ゲートアレイ回路、広義には自動配線回路)、階調電圧発生回路250、電源回路260が配置されている。これらの回路は、表示ドライバ20のブロック幅ICYに収まるように配置されている。そして、これらの回路を挟むように出力PAD270及び入出力PAD280が表示ドライバ20に設けられている。出力PAD270及び入出力PAD280は、X方向に沿って形成され、出力PAD270は表示領域12側に設けられている。なお、入出力PAD280には、例えばホスト(例えばMPU、BBE(Base-Band-Engine)、MGE、CPU等)による制御情報を供給するための信号線や電源供給線等が接続される。
なお、表示パネル10の複数のデータ線は複数のブロック(例えば4つ)に分割され、一つのデータ線ドライバ100は、1ブロック分のデータ線を駆動する。
このようにブロック幅ICYを設け、それに収まるように各回路を配置することによって、ユーザーのニーズに柔軟に対応できる。具体的には、駆動対象となる表示パネル10のX方向のピクセル数PXが変わると、画素を駆動するデータ線の数も変わるため、それに合わせてデータ線ドライバ100及びRAM200を設計する必要がある。また、低温ポリシリコン(LTPS)TFTパネル用表示ドライバでは、走査線ドライバ230をガラス基板に形成できるため、走査線ドライバ230を表示ドライバ20に内蔵させない場合もある。
本実施形態では、データ線ドライバ100やRAM200だけを変更したり、走査線ドライバ230をはずしたりするだけで、表示ドライバ20を設計することが可能となる。このため、元となるレイアウトを生かすことができ、最初から設計し直す手間が省くことができるので、設計コストの削減が可能となる。
また、図3(A)では、2つのRAM200が隣接するように配置されている。これにより、RAM200に用いられる一部の回路を共用することが可能となり、RAM200の面積を縮小することができる。詳しい作用効果については後述する。また、本実施形態では図3(A)の表示ドライバ20に限定されない。例えば、図3(B)に示す表示ドライバ24のようにデータ線ドライバ100とRAM200が隣接し、2つのRAM200が隣接しないように配置されても良い。
また、図3(A)及び図3(B)では、一例としてデータ線ドライバ100及びRAM200が各4つ設けられている。これは、表示ドライバ20に対して、データ線ドライバ100及びRAM200を4つ(4BANK)設けることで、1水平走査期間(例えば1H期間とも呼ぶ)に駆動されるデータ線の数を4分割することができる。例えば、ピクセル数PXが240である場合、R用サブピクセル、G用サブピクセル、B用サブピクセルを考慮すると1H期間に例えば720本のデータ線を駆動する必要がある。本実施形態では、この数の4分の1である180本のデータ線を各データ線ドライバ100が駆動すればよい。BANK数を増やすことで、各データ線ドライバ100が駆動するデータ線の本数を減らすこともできる。なお、BANK数とは、表示ドライバ20内に設けられたRAM200の数と定義する。また、各RAM200を合わせた合計の記憶領域を表示メモリの記憶領域と定義し、表示メモリは少なくとも表示パネル10の1画面分の画像を表示するためのデータを格納することができる。
図4は、表示ドライバ20が実装された表示パネル10の一部を拡大する図である。表示領域12は複数の配線DQLによって表示ドライバ20の出力PAD270と接続されている。この配線はガラス基板に設けられた配線であっても良いし、フレキシブル基板等にて形成され、出力PAD270と表示領域12とを接続する配線であっても良い。
RAM200はそのY方向の長さがRYに設定されている。本実施形態では、この長さRYは、図3(A)のブロック幅ICYと同じに設定されているが、これに限定されない。例えば、長さRYはブロック幅ICY以下に設定されても良い。
長さRYに設定されるRAM200には、複数のワード線WLと、複数のワード線WLを制御するワード線制御回路220が設けられている。また、RAM200には、複数のビット線BL、複数のメモリセルMC及びそれらを制御する制御回路(図示せず)が設けられている。RAM200のビット線BLはX方向(ビット線方向ともいう)に平行になるように設けられている。即ち、ビット線BLは表示領域12の一辺PL1に平行になるように設けられている。また、RAM200のワード線WLはY方向(ワード線方向ともいう)に平行になるように設けられている。即ち、ワード線WLは複数の配線DQLと平行になるように設けられている。
RAM200のメモリセルMCはワード線WLの制御により読み出しが行われ、その読み出されたデータがデータ線ドライバ100に供給される。即ち、ワード線WLが選択されると、Y方向に沿って配列された複数のメモリセルMCに格納されているデータがデータ線ドライバ100に供給されることになる。
図5は、図3(A)のA−A断面を示す断面図である。A−A断面はRAM200のメモリセルMCが配列されている領域の断面である。RAM200の形成される領域には、例えば5層の金属配線層が設けられている。図5では、例えば第1金属配線層ALA、その上層の第2金属配線層ALB、さらに上層の第3金属配線層ALC、第4金属配線層ALD、第5金属配線層ALEが示されている。第5金属配線層ALEには、例えば階調電圧発生回路250から階調電圧が供給される階調電圧用配線292が形成されている。また、第5金属配線層ALEには、電源回路260から供給される電圧や、外部から入出力PAD280を経由して供給される電圧等を供給するための電源用配線294が形成されている。本実施形態のRAM200は例えば第5金属配線層ALEを使用せずに形成できる。このため、前述のように第5金属配線層ALEに様々な配線を形成することができる。
また、第4金属配線層ALDにはシールド層290が形成されている。これにより、RAM200のメモリセルMCの上層の第5金属配線層ALEに様々な配線が形成されても、RAM200のメモリセルMCに与える影響を緩和することができる。なお、ワード線制御回路220等のRAM200の制御回路が形成されている領域の第4金属配線層ALDには、これらの回路の制御用の信号配線が形成されても良い。
第3金属配線層ALCに形成されている配線296は、例えばビット線BLや電圧VSS用配線に用いられる。また、第2金属配線層ALBに形成されている配線298は、例えばワード線WLや電圧VDD用配線として用いることができる。また、第1金属配線層ALAに形成されている配線299は、RAM200の半導体層に形成されている各ノードとの接続に用いることができる。
なお、上述の構成を変更して、第3金属配線層ALCにワード線用の配線を形成し、第2金属配線層ALBにビット線用の配線を形成するようにしても良い。
以上のようにRAM200の第5金属配線層ALEに様々な配線を形成することができるので、図3(A)や図3(B)に示すように多種の回路ブロックをX方向に沿って配列することができる。
2.データ線ドライバ
2.1.データ線ドライバの構成
図6(A)は、データ線ドライバ100を示す図である。データ線ドライバ100は出力回路104、DAC120及びラッチ回路130を含む。DAC120はラッチ回路130にラッチされているデータに基づいて階調電圧を出力回路104に供給する。ラッチ回路130には、例えばRAM200から供給されたデータが格納される。例えば階調度がGビットに設定されている場合には、各ラッチ回路130にはGビットのデータが格納される。階調電圧は、階調度に応じて複数種類生成され、階調電圧発生回路250からデータ線ドライバ100に供給される。例えば、データ線ドライバ100に供給された複数の階調電圧は各DAC120に供給される。各DAC120はラッチ回路130にラッチされているGビットのデータに基づいて、階調電圧発生回路250から供給された複数種類の階調電圧から対応する階調電圧を選択し、出力回路104に出力する。
出力回路104は、例えばオペアンプ(広義には演算増幅器)で構成されるが、これに限定されない。図6(B)に示すように出力回路104の代わりに出力回路102をデータ線ドライバ100に設けても良い。この場合、階調電圧発生回路250には複数のオペアンプが設けられている。
図7はデータ線ドライバ100に設けられている複数のデータ線駆動セル110を示す図である。各データ線ドライバ100は複数のデータ線を駆動し、データ線駆動セル110は複数のデータ線のうちの1本を駆動する。例えば、データ線駆動セル110は、一ピクセルを構成するR用サブピクセル、G用サブピクセル及びB用サブピクセルのいずれか一つを駆動する。即ち、X方向のピクセル数PXが150の場合には、表示ドライバ20には、合計150×3=720個のデータ線駆動セル110が設けられていることになる。そして、この場合には各データ線ドライバ100には、例えば4BANK構成である場合、180個のデータ線駆動セル110が設けられている。
データ線駆動セル110は、例えば出力回路140、DAC120及びラッチ回路130を含むが、これに限定されない。例えば、出力回路140は外部に設けられても良い。なお、出力回路140は、図6Aの出力回路104でも良いし、図6Bの出力回路102でもよい。
例えば、R用サブピクセル、G用サブピクセル及びB用サブピクセルのそれぞれの階調度を示す階調データがGビットに設定されている場合、RAM200からは、データ線駆動セル110にGビットのデータが供給される。ラッチ回路130は、Gビットのデータをラッチする。DAC120はラッチ回路130の出力に基づいて階調電圧を出力回路140を介して出力する。これにより、表示パネル10に設けられているデータ線を駆動することができる。
2.2.一水平走査期間での複数回読み出し
図8に本実施形態に係る比較例の表示ドライバ24を示す。この表示ドライバ24は、表示ドライバ24の一辺DLLが表示パネル10の表示領域12側の一辺PL1と対向するように実装される。表示ドライバ24には、Y方向の長さよりもX方向の長さの方が長く設定されているRAM205及びデータ線ドライバ105が設けられている。RAM205及びデータ線ドライバ105のX方向の長さは、表示パネル10のピクセル数PXが増加するに従って、長くなる。RAM205には複数のワード線WL及びビット線BLが設けられている。RAM205のワード線WLはX方向に沿って延在形成され、ビット線BLはY方向に沿って延在形成されている。即ち、ワード線WLはビット線BLよりも非常に長く形成される。また、ビット線BLはY方向に沿って延在形成されているため、表示パネル10のデータ線と平行であり、表示パネル10の一辺PL1と直交する。
この表示ドライバ24は1H期間に1回だけワード線WLを選択する。そして、ワード線WLの選択によってRAM205から出力されるデータをデータ線ドライバ105がラッチし、複数のデータ線を駆動する。表示ドライバ24では、図8に示すようにワード線WLがビット線BLに比べて非常に長いため、データ線ドライバ100及びRAM205の形状がX方向に長くなり、表示ドライバ24に他の回路を配置するスペースを確保するのが難しい。そのため、表示ドライバ24のチップ面積の縮小を妨げる。また、その確保等に関する設計時間も無駄に要してしまうため、設計コスト削減を妨げる。
図8のRAM205は例えば図9(A)に示すようにレイアウトされる。図9(A)によると、RAM205は2分割され、そのうちの一つのX方向の長さは例えば「12」であるのに対し、Y方向の長さは「2」である。従って、RAM205の面積を「48」と示すことができる。これらの長さの値は、RAM205の大きさを示す上での比率の一例を示すものであり、実際の大きさを限定するものではない。なお、図9(A)〜図9(D)の符号241〜244はワード線制御回路を示し、符号206〜209はセンスアンプを示す。
これに対して、本実施形態では、RAM205を複数に分割し90度回転した状態でレイアウトすることができる。例えば、図9(B)に示すようにRAM205を4分割して90度回転した状態にレイアウトすることができる。4分割されたうちの一つであるRAM205−1は、センスアンプ207とワード線制御回路242を含む。また、RAM205−1のY方向の長さが「6」であり、X方向の長さが「2」である。よって、RAM205−1の面積は「12」となり、4ブロックの合計面積が「48」となる。しかしながら、表示ドライバ20のY方向の長さCYを短くしたいため、図9(B)の状態では都合が悪い。
そこで、本実施形態では、図9(C)及び図9(D)に示すように1H期間に複数回読み出しを行うことでRAM200のY方向の長さRYを短くすることができる。例えば、図9(C)では、1H期間に2回読み出しを行う場合を示す。この場合、1H期間にワード線WLを2回選択するため、例えばY方向に配列されたメモリセルMCの数を半分にすることができる。これにより、図9(C)に示すようにRAM200のY方向の長さを「3」とすることができる。その代わり、RAM200のX方向の長さは「4」となる。即ち、RAM200の合計の面積が「48」となり、図9(A)のRAM205とメモリセルMCが配列されている領域の面積が等しくなる。そして、これらのRAM200を図3(A)や図3(B)に示すように自由に配置することができるため、非常に柔軟にレイアウトが可能となり、効率的なレイアウトができる。
なお、図9(D)は、3回読み出しを行った場合の一例を示す。この場合、図9(B)のRAM205−1のY方向の長さ「6」を3分の1にすることができる。即ち、表示ドライバ20のY方向の長さCYをより短くしたい場合には、1H期間の読み出し回数を調整することで実現可能となる。
上述のように本実施形態では、ブロック化されたRAM200を表示ドライバ20に設けることができる。本実施形態では、例えば4BANKのRAM200を表示ドライバ20に設けることができる。この場合、各RAM200に対応するデータ線ドライバ100−1〜100−4は図10に示すように対応するデータ線DLを駆動する。
具体的には、データ線ドライバ100−1はデータ線群DLS1を駆動し、データ線ドライバ100−2はデータ線群DLS2を駆動し、データ線ドライバ100−3はデータ線群DLS3を駆動し、データ線ドライバ100−4はデータ線群DLS4を駆動する。なお、各データ線群DLS1〜DLS4は、表示パネル10の表示領域12に設けられた複数のデータ線DLを例えば4ブロックに分割したうちの1ブロックである。このように4BANKのRAM200に対応して、4つのデータ線ドライバ100−1〜100−4を設け、それぞれに対応するデータ線を駆動させることで、表示パネル10の複数のデータ線を駆動することができる。
2.3.データ線ドライバの分割構造
図4に示すRAM200のY方向の長さRYは、Y方向に配列されるメモリセルMCの数だけでなく、データドライバ線100のY方向の長さにも依存する場合がある。
本実施形態では、図4のRAM200の長さRYを短くするために、一水平走査期間での複数回読み出し、例えば2回読み出しを前提として、データ線ドライバ100が、図11(A)に示すように第1のデータ線ドライバ100A(広義には第1の分割データ線ドライバ)及び第2のデータ線ドライバ100B(広義には第2の分割データ線ドライバ)の分割構造で形成されている。図11(A)に示すMは、1回のワード線選択によってRAM200から読み出されるデータのビット数である。
なお、各データ線ドライバ100A、100Bには、図13、図14、図16、図22及び図28にて後述する通り、複数のデータ線駆動セル110が設けられている。具体的には、データ線ドライバ100A、100Bには(M/G)個のデータ線駆動セル110が設けられている。また、カラー表示に対応する場合には、〔M/(3G)〕個のR用データ線駆動セル110、〔M/(3G)〕個のG用データ線駆動セル110、〔M/(3G)〕個のB用データ線駆動セル110が、各データ線ドライバ100A、100Bに設けられている。
例えば、ピクセル数PXが150であり、ピクセルの階調度が18ビットであり、RAM200のBANK数が4BANKである場合、1H期間に1回だけ読み出す場合では、各RAM200から150×18÷4=1080ビットのデータがRAM200から出力されなければならない。
しかしながら、表示ドライバ100のチップ面積縮小のためには、RAM200の長さRYを短くしたい。そこで、図11(A)に示すように、例えば1H期間に2回読み出しとして、データ線ドライバ100A及び100BをX方向に分割する。そうすることで、Mを1080÷2=540に設定することができ、RAM200の長さRYをおよそ半分にすることができる。
なお、データ線ドライバ100Aは表示パネル10のデータ線のうちの一部のデータ線(データ線群)を駆動する。また、データ線ドライバ100Bは、表示パネル10のデータ線のうち、データ線ドライバ100Aが駆動するデータ線以外のデータ線の一部を駆動する。このように、各データ線ドライバ100A,100Bは表示パネル10のデータ線をシェアして駆動する。
具体的には、図11(B)に示すように1H期間に例えばワード線WL1及びWL2を選択する。即ち、1H期間に2回ワード線を選択する。そして、A1のタイミングでラッチ信号SLAを立ち下げる。このラッチ信号SLAは例えばデータ線ドライバ100Aに供給される。そして、データ線ドライバ100Aはラッチ信号SLAの例えば立ち下がりエッジに応じてRAM200から供給されるMビットのデータをラッチする。
また、A2のタイミングでラッチ信号SLBを立ち下げる。このラッチ信号SLBは例えばデータ線ドライバ100Bに供給される。そして、データ線ドライバ100Bはラッチ信号SLBの例えば立ち下がりエッジに応じてRAM200から供給されるMビットのデータをラッチする。
さらに具体的には、図12に示すようにワード線WL1の選択によってM個のメモリセル群MCS1に格納されているデータがセンスアンプ回路210を介してデータ線ドライバ100A及び100Bに供給される。しかしながら、ワード線WL1の選択に対応してラッチ信号SLAが立ち下がるため、M個のメモリセル群MCS1に格納されているデータはデータ線ドライバ100Aにラッチされる。
そして、ワード線WL2の選択によってM個のメモリセル群MCS2に格納されているデータがセンスアンプ回路210を介してデータ線ドライバ100A及び100Bに供給されるが、ワード線WL2の選択に対応してラッチ信号SLBが立ち下がる。このため、M個のメモリセル群MCS2に格納されているデータはデータ線ドライバ100Bにラッチされる。
このようにすると、Mを例えば540ビットに設定した場合、1H期間で2回読み出しを行うため、各データ線ドライバ100A、100Bには、M=540ビットのデータがラッチされることになる。即ち、合計1080ビットのデータがデータ線ドライバ100にラッチされることになり、前述の例で必要である1H期間に1080ビットを達成できる。そして、1H期間に必要なデータ量をラッチすることができ、且つ、RAM200の長さRYをおよそ半分に短くすることができる。これにより、表示ドライバ20のブロック幅ICYを短くすることができるので、表示ドライバ20の製造コスト削減が可能となる。
なお、図11(A)及び図11(B)では、一例として1H期間に2回の読み出しを行う例が図示されているが、これに限定されない。例えば、1H期間に4回読み出しを行うこともできるし、それ以上に設定することもできる。例えば4回読み出しの場合には、データ線ドライバ100を4段に分割することができ、さらにRAM200の長さRYを短くすることができる。この場合、前述を例に取れば、M=270に設定することができ、4段に分割されたデータ線ドライバのそれぞれに270ビットのデータがラッチされる。つまり、RAM200の長さRYをおよそ4分の1にしながら、1H期間に必要な1080ビットの供給を達成することができる。
また、図11(B)のA3及びA4に示すように、データ線イネーブル信号等(図示せず)による制御に基づいてデータ線ドライバ100A及び100Bの出力を立ち上げても良いし、A1及びA2に示すタイミングで、各データ線ドライバ100A、100Bがラッチした後にそのままデータ線に出力するようにしても良い。また、各データ線ドライバ100A、100Bにもう一段ラッチ回路を設けて、A1及びA2でラッチしたデータに基づく電圧を次の1H期間に出力するようにしても良い。こうすれば、1H期間に読み出しを行う回数を、画質劣化の心配なしに増やすことができる。
なお、ピクセル数PYが320(表示パネル10の走査線が320本)であり、1秒間に60フレームの表示画行われる場合、1H期間は図11(B)に示すように約52μsecである。求め方としては、1sec÷60フレーム÷320≒52μsecである。これに対して、ワード線の選択は図11(B)に示すようにおよそ40nsecで行われる。つまり、1H期間に対して十分に短い期間に複数回のワード線選択(RAM200からのデータ読み出し)が行われるため、表示パネル10に対する画質の劣化に問題は生じない。
また、Mの値は、次式で得ることができる。なお、BNKは、BANK数を示し、Nは1H期間に行われる読み出し回数を示し、(ピクセル数PX×3)とは、表示パネル10の複数のデータ線に対応する画素数(本実施形態ではサブピクセル数)を意味し、データ線本数DLNに一致する。
なお、本実施形態ではセンスアンプ回路210はラッチ機能を有するが、これに限定されない。例えばセンスアンプ回路210はラッチ機能を有さないものであっても良い。
2.4.データ線ドライバの細分割
図13は、1ピクセルを構成する各サブピクセルのうち、一例としてR用サブピクセルについてRAM200とデータ線ドライバ100の関係を説明するための図である。
例えば各サブピクセルの階調のGビットが64階調である6ビットに設定された場合、R用サブピクセルのデータ線駆動セル110A−R及び110B−Rには、6ビットのデータがRAM200から供給される。6ビットのデータを供給するために、RAM200のセンスアンプ回路210に含まれる複数のセンスアンプセル211のうち例えば6つのセンスアンプセル211が各データ線駆動セル110に対応する。
例えば、データ線駆動セル110A−RのY方向の長さSCYは、6つのセンスアンプセル211のY方向の長さSAYに納める必要がある。同様に各データ線駆動セル110のY方向の長さは6つのセンスアンプセル211の長さSAYに納める必要がある。長さSCYを6つのセンスアンプセル211の長さSAYに納めることができない場合には、データ線ドライバ100のY方向の長さが、RAM200の長さRYよりも大きくなってしまい、レイアウト的に効率の悪い状態になってしまう。
RAM200はプロセス的に微細化が進み、センスアンプセル211のサイズも小さい。一方、図7に示すように、データ線駆動セル110には複数の回路が設けられている。特に、DAC120やラッチ回路130は回路サイズが大きくなり、小さく設計することが難しい。さらに、DAC120やラッチ回路130は入力されるビット数が増えると大きくなる。つまり、長さSCYを6つのセンスアンプセル211のトータル長さSAYに納めることが困難である場合がある。
これに対して、本実施形態では、1H内読み出し回数Nで分割されたデータ線ドライバ100A,100BをさらにS(Sは2以上の整数)分割し、X方向にスタックすることができる。図14は、1H期間にN=2回読み出しを行うように設定されたRAM200において、データ線ドライバ100A及び100BがそれぞれS=2分割されてスタックされた構成例を示す。なお、図14では、2回読み出しに設定されたRAM200についての構成例であり、これに限定されない。例えばN=4回読み出しに設定されている場合には、データ線ドライバはX方向においてN×S=4×2=8段に分割される。
図13の各データ線ドライバ100A、100Bは、図14に示すように、それぞれが、データ線ドライバ100A1(広義には第1の細分割データ線ドライバ)及び100A2、データ線ドライバ100B1(広義には第2の細分割データ線ドライバ)及び100B2(広義には第3又は第Sの細分割データ線ドライバ)に分割されている。そして、データ線駆動セル110A1−R等はそのY方向の長さがSCY2に設定されている。長さSCY2は、図14によるとセンスアンプセル211がG×2個配列された場合のY方向の長さSAY2に収まるように設定されている。つまり、各データ線駆動セル110を形成する際に、図13に比べてY方向に許容される長さが拡大され、レイアウト的に効率の良い設計が可能である。
次に図14における構成の動作を説明する。例えばワード線WL1が選択されると、各センスアンプブロック210−1、210−2、210−3、210−4等を介して計Mビットのデータがデータ線ドライバ100A1、100A2、100B1、100B2の少なくともいずれかに供給される。このとき、例えば、センスアンプブロック210−1から出力されるGビットのデータは、例えばデータ線駆動セル110A1−R及び110B1−R(広義には共にR用データ線駆動セル)に供給される。そして、センスアンプブロック210−2から出力されるGビットのデータは、例えばデータ線駆動セル110A2−R及び110B2−R(広義には共にR用データ線駆動セル)に供給される。なお、この場合、各細分割データ線ドライバ100A1、100A2、100B1、100B2等は、〔M/(G×S)〕個のデータ線駆動セル110が設けられる。
このとき、図11(B)に示すタイミングチャートと同様に、ワード線WL1が選択されたときに対応してラッチ信号SLA(広義には第1のラッチ信号)が立ち下がる。そして、このラッチ信号SLAはデータ線駆動セル110A1−Rを含むデータ線ドライバ100A1及びデータ線駆動セル110A2−Rを含むデータ線ドライバ100A2に供給される。従って、ワード線WL1の選択によってセンスアンプブロック210−1から出力されるGビットのデータ(メモリセル群MCS11に格納されているデータ)はデータ線駆動セル110A1−Rにラッチされる。同様に、ワード線WL1の選択によってセンスアンプブロック210−2から出力されるGビットのデータ(メモリセル群MCS12に格納されているデータ)はデータ線駆動セル110A2−Rにラッチされる。
センスアンプブロック210−3、210−4についても上記と同様であり、データ線駆動セル110A1−G(広義にはG用データ線駆動セル)にはメモリセル群MCS13に格納されているデータがラッチされ、データ線駆動セル110A2−G(広義にはG用データ線駆動セル)にはメモリセル群MCS14に格納されているデータがラッチされる。
また、ワード線WL2が選択される場合は、ワード線WL2の選択に対応してラッチ信号SLBが(広義には第Nのラッチ信号)立ち下がる。そして、このラッチ信号SLBはデータ線駆動セル110B1−Rを含むデータ線ドライバ100B1及びデータ線駆動セル110B2−Rを含むデータ線ドライバ100B2に供給される。従って、ワード線WL2の選択によってセンスアンプブロック210−1から出力されるGビットのデータ(メモリセル群MCS21に格納されているデータ)はデータ線駆動セル110B1−Rにラッチされる。同様に、ワード線WL2の選択によってセンスアンプブロック210−2から出力されるGビットのデータ(メモリセル群MCS22に格納されているデータ)はデータ線駆動セル110B2−Rにラッチされる。
ワード線WL2の選択においても、センスアンプブロック210−3、210−4については上記と同様であり、データ線駆動セル110B1−Gにはメモリセル群MCS23に格納されているデータがラッチされ、データ線駆動セル110B2−Gにはメモリセル群MCS24に格納されているデータがラッチされる。データ線駆動セル110A1−BはB用サブピクセルのデータがラッチされるB用データ線駆動セルである。
なお、各データ線ドライバ100A1、100A2等はY方向(広義には第2の方向)に沿ってR用データ線駆動セル、G用データ線駆動セル、B用データ線駆動セルが配列されている。
このようにデータ線ドライバ100A、100Bが分割された場合において、RAM200に格納されるデータを図15(B)に示す。図15(B)に示すようにRAM200には、Y方向に沿ってR用サブピクセルデータ、R用サブピクセルデータ、G用サブピクセルデータ、G用サブピクセルデータ、B用サブピクセルデータ、B用サブピクセルデータ・・・という順番でデータが格納される。一方、図13のような構成の場合には、図15(A)に示すようにRAM200には、Y方向に沿ってR用サブピクセルデータ、G用サブピクセルデータ、B用サブピクセルデータ、R用サブピクセルデータ・・・という順番でデータが格納される。
なお、図13では長さSAYは6つのセンスアンプセル211に示されているが、これに限定されない。例えば、階調度が8ビットの場合には長さSAYは8つのセンスアンプセル211の長さに相当する。
また、図14では一例として各データ線ドライバ100A、100BをそれぞれS=2分割する構成が示されているが、これに限定されない。例えばS=3分割でも良いし、S=4分割でも良い。そして、例えばデータ線ドライバ100AをS=3分割した場合、3分割されたものに同じラッチ信号SLAを供給するようにすればよい。また、1H期間内読み出し回数Nと等しい分割数Sの変形例として、S=3分割した場合には、それぞれをR用サブピクセルデータ、G用サブピクセルデータ、B用サブピクセルデータのドライバとすることができる。その構成を図16に示す。図16では、3つに分割されたデータ線ドライバ101A1(広義には第1の細分割データ線ドライバ)、101A2(広義には第2の細分割データ線ドライバ)、101A3が示されている。データ線ドライバ101A1は、データ線駆動セル111A1(広義には第3又は第Sの細分割データ線ドライバ)を含み、データ線ドライバ101A2は、データ線駆動セル111A2を含み、データ線ドライバ101A3は、データ線駆動セル111A3を含む。
そして、ワード線WL1の選択に対応してラッチ信号SLAが立ち下がる。前述と同様にラッチ信号SLAは、各データ線ドライバ101A1、101A2、101A3に供給される。
このようにすると、ワード線WL1の選択によって、メモリセル群MCS11に格納されているデータが例えばR用サブピクセルデータとしてデータ線駆動セル111A1(広義にはR用データ線駆動セル)に格納される。同様にメモリセル群MCS12に格納されているデータが例えばG用サブピクセルデータとしてデータ線駆動セル111A2(広義にはG用データ線駆動セル)に格納され、メモリセル群MCS13に格納されているデータが例えばB用サブピクセルデータとしてデータ線駆動セル111A3(広義にはB用データ線駆動セル)に格納される。
従って、図15(A)のようにRAM200に書き込まれるデータをY方向でR用サブピクセルデータ、G用サブピクセルデータ、B用サブピクセルデータという順番に配列することができる。この場合も、各データ線ドライバ101A1、101A2、101A3をさらにS分割することができる。
3.RAM
3.1.メモリセルの構成
各メモリセルMCは例えばSRAM(Static-Random-Access-Memory)で構成することができる。図17(A)にメモリセルMCの回路の一例を示す。また、図17(B)及び図17(C)にメモリセルMCのレイアウトの一例を示す。
図17(B)は横型セルのレイアウト例であり、図17(C)は縦型セルのレイアウト例である。ここで横型セルは図17(B)に示すように、各メモリセルMC内においてワード線WLの長さMCYがビット線BL、/BLの長さMCXよりも長いセルである。一方、縦型セルは図17(C)に示すように、各メモリセルMC内においてビット線BL、/BLの長さMCXの方がワード線WLの長さMCYよりも長いセルである。なお図17(C)では、ポリシリコン層にて形成されるサブワード線SWLと金属層で形成されたメインワード線MWLとが示されているが、メインワード線MWLを裏打ちとして使用している。
図18は、横型セルMCとセンスアンプセル211との関係を示している。図17(B)に示す横型セルMCは、図18に示すようにビット線対BL、/BLがX方向に沿って配列される。よって、横型セルMCの長手辺の長さMCYがY方向長さとなる。一方、センスアンプセル211も、回路レイアウト上、図18に示すようにY方向にて所定の長さSAY3を要する。よって、横型セルの場合には、図18の通り、一つのセンスアンプセル211に1ビット分のメモリセルMC(X方向ではPY個)を配置し易い。従って、前記式にて説明したように、1H期間内に各RAM200から読み出される総ビット数をMとした場合、図19に示すように、RAM200のY方向にはM個のメモリセルMCを配列すればよい。図13〜図16にて、RAM200がY方向にてM個のメモリセルMCとM個のセンスアンプセル211とを有する例は、横型セルを用いた場合に適用できる。なお、図19に示すような横型セルの場合であって、1H期間に異なるワード線WLを2回選択して読み出しが行われる場合には、RAM200のX方向に配列されるメモリセルMCの数は、ピクセル数PY×読み出し回数(2回)である。ただし、横型のメモリセルMCのX方向の長さMCXは比較的短いので、X方向に配列されるメモリセルMCの個数が増えても、RAM200のX方向のサイズが大きくならない。
なお、横型セルを用いることの利点として、RAM200のY方向の長さMCYの自由度が増えることである。横型セルの場合、Y方向長さは調整可能であるので、Y方向とX方向の各長さの比率として、2:1または1.5:1などのセルレイアウトを用意しておくことができる。この場合、Y方向に配列する横型セルの個数を例えば100個とした場合に、上記比率によってRAM200のY方向長さMCYを種々設計できる利点がある。これに対して、図17(C)に示す縦型セルを用いると、センスアンプセル211のY方向の個数によって、RAM200のY方向長さMCYが支配的となり、自由度は少ない。
3.2.複数の縦型セルに対するセンスアンプの共用
図21(A)に示すようにセンスアンプセル211のY方向の長さSAY3は、縦型のメモリセルMCの長さMCYよりも十分に大きい。このため、ワード線WLを選択する際に、一つのセンスアンプセル211に対して1ビット分のメモリセルMCを対応させるレイアウトでは、効率が悪い。
そこで、図21(B)に示すように、ワード線WLの選択において、一つのセンスアンプセル211に対して複数ビット分(例えば2ビット)のメモリセルMCを対応させる。これにより、センスアンプセル211の長さSAY3とメモリセルMCの長さMCYの差を問題とせずに、効率的にメモリセルMCをRAM200に配列することができる。
図21(B)によると、選択型センスアンプSSAは、センスアンプセル211と、スイッチ回路220と、スイッチ回路230を含む。選択型センスアンプSSAには、ビット線対BL、/BLが例えば2組接続されている。
スイッチ回路220は、選択信号COLA(広義にはセンスアンプ用選択信号)に基づいて、一方の組のビット線対BL、/BLをセンスアンプセル211に接続する。同様にスイッチ回路230は、選択信号COLBに基づいて、他方の組のビット線対BL、/BLをセンスアンプセル211に接続する。なお、選択信号COLA、COLBは、例えばその信号レベルが排他的に制御される。具体的には、選択信号COLAがスイッチ回路220をアクティブに設定する信号に設定された場合には、選択信号COLBはスイッチ回路230をノンアクティブに設定する信号に設定される。即ち、選択型センスアンプSSAは例えば2組のビット線対BL、/BLによって供給される2ビット(広義にはNビット)のデータのうちのいずれか1ビットのデータを選択して対応するデータを出力する。
図22に選択型センスアンプSSAが設けられたRAM200を示す。図22では、一例として、1H期間に2回(広義にはN回)読み出しを行う場合であり、例えば階調度のGビットが6ビットである場合の構成が示されている。このような場合、RAM200には、図23に示すようにM個の選択型センスアンプSSAが設けられる。従って、1回のワード線WLの選択によってデータ線ドライバ100に供給されるデータは計Mビットである。これに対して、図23のRAM200にはメモリセルMCがY方向においてM×2個配列されている。そして、X方向では、図19の場合とは異なり、ピクセル数PYと同じ個数のメモリセルMCが配列されている。図23のRAM200では、選択型センスアンプSSAに2組のビット線対BL、/BLが接続されているため、RAM200のX方向に配列されるメモリセルMCの数はピクセル数PYと同じ個数でよい。
これにより、メモリセルMCの長さMCXが長さMCYより長い縦型セルの場合では、X方向に配列されるメモリセルMCの個数を減ずることで、RAM200のX方向のサイズを大きくならないようにすることができる。
3.3.縦型メモリセルからの読み出し動作
次に図22に示す縦型メモリセルが配列されたRAM200の動作を説明する。このRAM200に対する読み出しの制御方法は例えば2つあり、まずその一つを図24(A)、図24(B)のタイミングチャートを用いて説明する。
図24(A)のB1に示すタイミングで選択信号COLAがアクティブに設定され、B2に示すタイミングでワード線WL1が選択される。このとき、選択信号COLAがアクティブであるため、選択型センスアンプSSAはA側のメモリセルMC、つまりメモリセルMC−1Aのデータを検出して出力する。そして、B3のタイミングでラッチ信号SLAが立ち下がると、データ線駆動セル110A−Rは、メモリセルMC−1Aに格納されているデータをラッチする。
また、B4のタイミングで選択信号COLBがアクティブに設定され、B5に示すタイミングでワード線WL1が選択される。このとき、選択信号COLBがアクティブであるため、選択型センスアンプSSAはB側のメモリセルMC、つまりメモリセルMC−1Bのデータを検出して出力する。そして、B6のタイミングでラッチ信号SLBが立ち下がると、データ線駆動セル110B−Rは、メモリセルMC−1Bに格納されているデータをラッチする。なお、図24(A)では、2回読み出しのうち、2回ともワード線WL1が選択される。
これにより、1H期間の2回読み出しによるデータ線ドライバ100のデータラッチが完了する。
また、図24(B)には、ワード線WL2が選択される場合のタイミングチャートが示されている。動作は上記と同様であり、その結果、ワード線WL2がB7やB8に示すように選択される場合には、メモリセルMC−2Aのデータがデータ線駆動セル110A−Rにラッチされ、メモリセルMC−2Bのデータがデータ線駆動セル110B−Rにラッチされる。
これにより、図24(A)の1H期間とは異なる1H期間での2回読み出しによるデータ線ドライバ100のデータラッチが完了する。
このような読み出し方法に対して、RAM200の各メモリセルMCには、図25に示すようにデータが格納される。例えば、データRA−1〜RA−6はデータ線駆動セル110A−Rに供給するためのR画素の6ビットのデータであり、データRB−1〜RB−6はデータ線駆動セル110B−Rに供給するためのR画素の6ビットのデータである。
図25に示すように、例えばワード線WL1に対応するメモリセルMCには、Y方向に沿って、データRA−1(データ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、RB−1(データ線ドライバ100Bがラッチするためのデータ)、RA−2(データ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、RB−2(データ線ドライバ100Bがラッチするためのデータ)、RA−3(データ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、RB−3(データ線ドライバ100Bがラッチするためのデータ)・・という順番で格納される。即ち、RAM200には、Y方向に沿って(データ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)と(データ線ドライバ100Bがラッチするためのデータ)が交互に格納される。
なお、図24(A)、図24(B)に示す読み出し方法は、1H期間に2回読み出しを行うが、1H期間に同一のワード線WLが選択される。
上記には、1回のワード線の選択において選択されるメモリセルMCのうち、各選択型センスアンプSSAは2個のメモリセルMCからデータを受ける内容が開示されているが、これに限定されない。例えば、1回のワード線の選択において選択されるメモリセルMCのうち、各選択型センスアンプSSAがN個のメモリセルMCからNビットのデータを受けるような構成でも良い。その場合には、選択型センスアンプSSAは、同一のワード線の1回目の選択の際には、第1〜第NのメモリセルMCのN個のメモリセルMCのうち、第1のメモリセルMCから受ける1ビットのデータを選択する。また、選択型センスアンプSSAはK(1≦K≦N)回目のワード線の選択の際には、第KのメモリセルMCから受ける1ビットのデータを選択する。
図24(A)及び図24(B)の変形例として、1H期間にN回選択される同一のワード線WLをJ(Jは2以上の整数)本選択し、1H期間にRAM200よりデータが読み出される回数を(N×J)回とすることができる。つまり、N=2,J=2とすると、図24(A)及び図24(B)に示す4回のワード線選択が同一水平走査期間1H内に実施される。すなわち、1H期間内にワード線WL1を2回、ワード線WL2を2回選択することで、N=4回読出しする方法である。
この場合には、RAMブロック200の各々は、1回のワード線の選択において、M(Mは2以上の整数)ビットのデータを出力し、Mの値は、表示パネル10の複数のデータ線DLの本数をDLN、各データ線に対応する各画素の階調ビット数をG、RAMブロック200のブロック数をBNKと定義した場合に以下の式で与えられる。
次にもう一つの制御方法を図26(A)及び図26(B)を用いて説明する。
図26(A)のC1に示すタイミングで選択信号COLAがアクティブに設定され、C2に示すタイミングでワード線WL1が選択される。これにより図22のメモリセルMC−1A及びMC−1Bが選択される。このとき、選択信号COLAがアクティブであるため、選択型センスアンプSSAはA側のメモリセルMC(広義には第1のメモリセル)、つまりメモリセルMC−1Aのデータを検出して出力する。そして、C3のタイミングでラッチ信号SLAが立ち下がると、データ線駆動セル110A−Rは、メモリセルMC−1Aに格納されているデータをラッチする。
また、C4に示すタイミングでワード線WL2が選択され、メモリセルMC−2A及びMC−2Bが選択される。このとき、選択信号COLAはアクティブであるため、選択型センスアンプSSAはA側のメモリセルMC、つまりメモリセルMC−2Aのデータを検出して出力する。そして、C5のタイミングでラッチ信号SLBが立ち下がると、データ線駆動セル110B−Rは、メモリセルMC−2Aに格納されているデータをラッチする。
これにより、1H期間の2回読み出しによるデータ線ドライバ100のデータラッチが完了する。
また、図26(A)で示される1H期間とは異なる1H期間での読み出しを図26(B)を用いて説明する。図26(B)のC6に示すタイミングで選択信号COLBがアクティブに設定され、C7に示すタイミングでワード線WL1が選択される。これにより図22のメモリセルMC−1A及びMC−1Bが選択される。このとき、選択信号COLBがアクティブであるため、選択型センスアンプSSAはB側のメモリセルMC(広義には第1〜第Nのメモリセルのうちの第1のメモリセルと異なるメモリセル)、つまりメモリセルMC−1Bのデータを検出して出力する。そして、C8のタイミングでラッチ信号SLAが立ち下がると、データ線駆動セル110A−Rは、メモリセルMC−1Bに格納されているデータをラッチする。
また、C9に示すタイミングでワード線WL2が選択され、メモリセルMC−2A及びMC−2Bが選択される。このとき、選択信号COLBはアクティブであるため、選択型センスアンプSSAはB側のメモリセルMC、つまりメモリセルMC−2Bのデータを検出して出力する。そして、C10のタイミングでラッチ信号SLBが立ち下がると、データ線駆動セル110B−Rは、メモリセルMC−2Bに格納されているデータをラッチする。
これにより、図26(A)の1H期間とは異なる1H期間での2回読み出しによるデータ線ドライバ100のデータラッチが完了する。
このような読み出し方法に対して、RAM200の各メモリセルMCには、図27に示すようにデータが格納される。例えば、データRA−1A〜RA−6A及びデータRA−1B〜RA−6Bはデータ線駆動セル110A−Rに供給するためのR用サブピクセルのための6ビットのデータである。データRA−1A〜RA−6Aは図26(A)に示す1H期間におけるR用サブピクセルデータであり、データRA−1B〜RA−6Bは図26(B)に示す1H期間におけるR用サブピクセルデータである。
また、データRB−1A〜RB−6A及びデータRB−1B〜RB−6Bはデータ線駆動セル110B−Rに供給するためのR用サブピクセルのための6ビットのデータである。データRB−1A〜RB−6Aは図26(A)に示す1H期間におけるR用サブピクセルデータであり、データRB−1B〜RB−6Bは図26(B)に示す1H期間におけるRサブピクセルデータである。
図27に示すように、RAM200には、X方向に沿ってデータRA−1A(データ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、RB−1A(データ線ドライバ100Bがラッチするためのデータ)という順番に各メモリセルMCに格納される。
また、RAM200には、Y方向に沿って、データRA−1A(図26(A)の1H期間にデータ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、データRA−1B(図26(A)の1H期間にデータ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、データRA−2A(図26(A)の1H期間にデータ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)、データRA−2B(図26(A)の1H期間にデータ線ドライバ100Aがラッチするためのデータ)・・という順番で格納される。即ち、RAM200には、Y方向に沿って、ある1H期間にデータ線ドライバ100Aにラッチされるデータと、その1H期間とは異なる他の1H期間にデータ線ドライバ100Aにラッチされるデータとが、交互に格納される。
なお図26(A)、図26(B)に示す読み出し方法は、1H期間に2回読み出しを行うが、1H期間に異なるワード線WLが選択される。そして、1垂直期間(つまり、1フレーム期間)に同一のワード線が2回選択される。これは、選択型センスアンプSSAが2組のビット線対BL、/BLを接続するからである。従って、選択型センスアンプSSAに3組又はそれ以上のビット線BL、/BLが接続される場合には、1垂直期間に同一のワード線が3回又はそれ以上の回数だけ選択されることになる。
なお、本実施形態では、上述されたワード線WLの制御は、例えば図4のワード線制御回路220によって制御される。
3.4.データ読み出し制御回路の配置
図20は、図17(B)の横型セルを用いて構成された2つのRAM200内に設けられた2つのメモリセルアレイ200A,200Bとその周辺回路を示している。
図20は、図3(A)に示すように、2つのRAM200が隣接している例のブロック図である。2つのメモリセルアレイ200A,200Bの各一つに専用の回路として、ローデコーダ(広義にはワード線制御回路)150と、出力回路154と、CPUライト/リード回路158が設けられている。また、2つのメモリセルアレイ200A,200Bに共用の回路として、CPU/LCD制御回路152と、カラムデコーダ156が設けられている。
そして、ローデコーダ150は、CPU/LCD制御回路152からの信号に基づいて、RAM200A及び200Bのワード線WLを制御する。2つのメモリセルアレイ200A,200Bの各々からのLCD側へのデータ読み出し制御は、ローデコーダ150及びCPU/LCD制御回路152により行なわれるので、ローデコーダ150及びCPU/LCD制御回路152が広義のデータ読み出し制御回路となる。CPU/LCD制御回路152は例えば外部のホストの制御に基づいて、2つのローデコーダ150、2つの出力回路154、2つのCPUライト/リード回路158、一つのカラムデコーダ156を制御する。
2つのCPUライト/リード回路158はCPU/LCD制御回路152からの信号に基づいて、ホスト側からのデータをメモリセルアレイ200A,220Bに書き込んだり、メモリセルアレイ200A,200Bに格納されているデータを読み出して例えばホスト側に出力する制御を行ったりする。カラムデコーダ156は、CPU/LCD制御回路152からの信号に基づいて、メモリセルアレイ200A,200Bのビット線BL、/BLの選択制御を行う。
なお、出力回路154は、上述したように1ビットのデータがそれぞれ入力される複数のセンスアンプ211を含み、1H期間内に異なる例えば2本のワード線WLの選択によって各メモリセルアレイ200A,200Bから出力されるMビットのデータをデータ線ドライバ100に出力する。また、図3(A)のように4つのRAM200を有する場合、2つのCPU/LCD制御回路152は、図10に示す同一のワード線制御信号RACに基づいて4つのカラムデコーダ156を制御する結果、4つのメモリセルアレイでは同一カラムアドレスのワード線WLが同時に選択される。
このように、1H期間に各メモリセルアレイ200A,200Bから例えば2回読み出しを行なうことで、1回当たりの読み出しビットMが減少するので、カラムデコーダ156及びCPUライト/リード回路158のサイズは半減する。さらに、図3(A)に示すように、2つのRAM200が隣接している場合には、図20に示すように2つのメモリセルアレイ200A,200BにCPU/LCD制御回路152及びカラムデコーダ156を共用できるので、これによってもRAM200のサイズを小さくできる。
また、図17(B)に示す横型セルの場合、図19に示すように各ワード線WL1,WL2に接続されるメモリセルMCの数はM個と少なくなるので、ワード線の配線容量は比較的小さい。よって、ワード線をメインワード線及びサブワード線にて階層化する必要もない。
4.変形例
図28に本実施形態に係る変形例を示す。例えば図11(A)では、データ線ドライバ100A及び100BがX方向に分割されている。そして、各データ線ドライバ100A、100Bにはそれぞれ、カラー表示の場合、R用サブピクセルのデータ線駆動セル、G用サブピクセルのデータ線駆動セル、B用サブピクセルのデータ線駆動セルが設けられている。
これに対して、図28の変形例では、データ線ドライバ100−R(広義には第1の分割データ線ドライバ)、100−G(広義には第2の分割データ線ドライバ)、100−B(広義には第3の分割データ線ドライバ)の3つがX方向に分割されている。そして、データ線ドライバ100−Rには、複数のR用サブピクセルのデータ線駆動セル110−R1、110−R2・・(広義にはR用データ線駆動セル)が設けられ、データ線ドライバ100−Gには、複数のG用サブピクセルのデータ線駆動セル110−G1、110−G2・・(広義にはG用データ線駆動セル)が設けられている。同様にしてデータ線ドライバ100−Bには、複数のB用サブピクセルのデータ線駆動セル110−B1、110−B2・・(広義にはB用データ線駆動セル)が設けられている。
そして、図28の変形例では、1H期間に3回(広義にはN回、Nは3の倍数)読み出しが行われる。例えば、ワード線WL1が選択されると、それに応じて、データ線ドライバ100−RがRAM200から出力されるデータをラッチする。これにより、例えばメモリセル群MCS31に格納されているデータがデータ線駆動セル110−R1にラッチされる。
また、ワード線WL2が選択されると、それに応じて、データ線ドライバ100−GがRAM200から出力されるデータをラッチする。これにより、例えばメモリセル群MCS32に格納されているデータがデータ線駆動セル110−G1にラッチされる。
また、ワード線WL3が選択されると、それに応じて、データ線ドライバ100−BがRAM200から出力されるデータをラッチする。これにより、例えばメモリセル群MCS33に格納されているデータがデータ線駆動セル110−B1にラッチされる。
メモリセル群MCS34、MCS35、MCS36についても上記と同様であり、それぞれが、図28に示すようにデータ線駆動セル110−R2、110−G2、110−B2のいずれかに格納されている。
図29は、この3回読み出しによる動作のタイミングチャートを示す図である。図29のD1のタイミングでワード線WL1が選択され、D2のタイミングでデータ線ドライバ100−RがRAM200からのデータをラッチする。これにより、上記のようにワード線WL1の選択により出力されるデータがデータ線ドライバ100−Rにラッチされる。
また、D3のタイミングでワード線WL2が選択され、D4のタイミングでデータ線ドライバ100−GがRAM200からのデータをラッチする。これにより、上記のようにワード線WL2の選択により出力されるデータがデータ線ドライバ100−Gにラッチされる。
また、D5のタイミングでワード線WL3が選択され、D6のタイミングでデータ線ドライバ100−BがRAM200からのデータをラッチする。これにより、上記のようにワード線WL3の選択により出力されるデータがデータ線ドライバ100−Bにラッチされる。
上記のように動作する場合、RAM200のメモリセルMCには、図30に示すようにデータが格納される。例えば、図30のデータR1−1は、R用サブピクセルが6ビットの階調度である場合のその1ビットのデータを示し、例えば1つのメモリセルMCに格納される。
例えば図28のメモリセル群MCS31には、データR1−1〜R1−6が格納され、メモリセル群MCS32には、データG1−1〜G1−6が格納され、メモリセル群MCS33には、データB1−1〜B1−6が格納される。同様にして、メモリセル群MCS33〜MCS36には、図30に示すようにデータR2−1〜R2−6、G2−1〜G2−6、B2−1〜B2−6が格納される。
例えば、メモリセル群MCS31〜MCS33に格納されるデータを1ピクセルのデータとみなすことができ、メモリセル群MCS34〜MSC36に格納されるデータに対応するデータ線とは異なるデータ線を駆動するためのデータである。従って、RAM200には、Y方向に沿って1ピクセル毎のデータを順に書き込むことができる。
また、表示パネル10に設けられている複数のデータ線のうち、例えばR用サブピクセルに対応するデータ線を駆動し、次にG用サブピクセルに対応するデータ線を駆動し、そしてB用サブピクセルに対応するデータ線を駆動する。これにより、1H期間に3回読み出しを行った場合に各回の読み出しにおいて遅延が生じても、例えばR用サブピクセルに対応するデータ線が全て駆動されているので、遅延によって表示されない領域の面積が小さくなる。従って、ちらつき等の表示劣化を緩和することができる。
なお、変形例では、3分割による形態が一例として示されているが、これに限定されない。Nが3の倍数である場合には、N個の分割データ線ドライバのうち、(1/3)個の分割データ線ドライバが第1群の分割データ線ドライバに相当し、さらに(1/3)個の分割データ線ドライバが第2群の分割データ線ドライバに相当し、残りの(1/3)個の分割データ線ドライバが第3群の分割データ線ドライバに相当する。
5.本実施形態の効果
図1(A)の表示ドライバ20にRAM200をレイアウトする際に、RAM200のY方向の長さがRYに設定されたとする。この場合、RAM200は1回のワード線選択によってMビットのデータを出力する。Mビットのデータをラッチするためにデータ線ドライバ100を設計した場合、例えば図45(A)に示すようにそのY方向の長さがDDY1になったとする。この場合、RAM200の長さRYよりもデータ線ドライバ100の長さDDY1が長く、図3(A)に示す長さICYにデータ線ドライバ100を納めることができない。
このMビットのビット数が表示パネルの高解像度化等に伴って増大した場合にはさらにデータ線ドライバ100の長さDDY1は長くなる。
これに対して本実施形態では、図45(B)に示すように、データ線ドライバ100を分割し、N個の分割データ線ドライバ100−1〜100−Nでデータ線ドライバ100を構成することができる。これにより、Mビットのビット数が増加しても、データ線ドライバ100を図3(A)の表示ドライバ20の幅ICYに納めることが可能である。即ち、データ線ドライバ100のレイアウトを柔軟に行うことができ、表示ドライバ20等に効率よくレイアウトすることができる。
また、上述のように本実施形態では、1H期間に複数回の読み出しをRAM200に対して行う。そのため、上述されたように、1ワード線あたりのメモリセルMCの数を少なくすることや、データ線ドライバ100の分割化が可能となる。例えば1H期間の読み出し回数を調整することで1ワード線に対応するメモリセルMCの配列数を調整できるので、RAM200のX方向の長さRX及びY方向の長さRYを適宜に調整することができる。また、1H期間の読み出し回数を調整することでデータ線ドライバ100の分割数も変更できる。
また、対象となる表示パネル10の表示領域12に設けられたデータ線の数に応じて、データ線ドライバ100及びRAM200のブロック数を変更したり、各データ線ドライバ100及びRAM200のレイアウトサイズを変更したりすることも容易になる。このため、表示ドライバ20に搭載される他の回路を考慮した設計が可能となり、表示ドライバ20の設計コストの削減が可能となる。例えば、対象となる表示パネル10に変更があり、データ線の数だけ変更された場合、データ線ドライバ100及びRAM200が主に変更の対象となる場合がある。この場合、本実施形態では、データ線ドライバ100及びRAM200のレイアウトサイズを柔軟に設計できるため、他の回路においては従来のライブラリを流用できる場合がある。従って、本実施形態では、限られたスペースを有効に利用することができ、表示ドライバ20の設計コストを削減できる。
また、図8の比較例の表示ドライバ24では、ワード線WLが非常に長いため、RAM205からのデータ読み出しの遅延によるバラツキが生じないようにするために、ある程度の電力を必要とする。また、ワード線WLが非常に長いため、ワード線WL1本あたりに接続されるメモリセルの数も増大し、ワード線WLに寄生される容量が増大する。この寄生容量の増大に対しては、ワード線WLを分割して制御することで対処可能であるが、そのための回路が別途必要となる。
これに対して、本実施形態では、例えば図11(A)に示すようにワード線WL1、WL2等がY方向に沿って延在形成されており、その各々の長さが比較例のワード線WLに比べて十分に短い。そのため、1回のワード線WL1の選択に要する電力は小さくなる。これにより、1H期間に複数回読み出しを行った場合にも消費電力の増大を防ぐことができる。
また、図3(A)に示すように例えば、RAM200が4BANK設けられている場合、RAM200では、図11(B)に示すようにワード線を選択する信号や、ラッチ信号SLA、SLBの制御が行われる。これらの信号は、例えば4BANKのそれぞれのRAM200に共通に用いられるようにすることができる。
具体的には、例えば図10に示すようにデータ線ドライバ100−1〜100−4には、同じデータ線制御信号SLC(データ線ドライバ用制御信号)が供給され、RAM200−1〜200−4には、同じワード線制御信号RAC(RAM用制御信号)が供給される。データ線制御信号SLCは例えば図11(B)に示されるラッチ信号SLA、SLBを含み、RAM用制御信号RACは例えば図11(B)に示されるワード線を選択する信号を含む。
これにより、それぞれのBANKでRAM200のワード線が同じように選択され、データ線ドライバ100に供給されるラッチ信号SLA、SLB等が同じように立ち下がる。即ち、1H期間において、あるRAM200のワード線が選択されると同時に、他のRAM200のワード線も同時に選択される。このようにして、複数のデータ線ドライバ100は、複数のデータ線を正常に駆動することができる。
6.ソースドライバ及びRAMブロックの具体例
以下、図31に示すように、176×220画素を有するQCIF表示に対応のカラー液晶表示パネル10に使用する表示ドライバ10を、4分割かつ90度回転させ、一水平走査期間に2回読み出しするためのデータドライバ100及びRAMブロック200について、具体的に説明する。
6.1.RAM内蔵データドライバブロック
図32は、ソースドライバ100及びRAMブロック200のブロックを示し、このブロックはワード線が延びる方向Yで分割されており、11ブロックに分割されたRAM内蔵データドライバブロック300を有する。一つのRAMブロック200は図31に示すようにY方向で22画素分のデータを格納しているため、11分割された各RAM内蔵データドライバブロック300はY方向で2画素分のデータを格納している。
一つのRAM内蔵データブロック300は、図33に示すように、X方向でRAM領域310とデータドライバ領域350とに大別される。RAM領域310には、メモリセルアレイ312とメモリ出力回路320が設けられる。データドライバ領域350には、ラッチ回路352、FRC(フレーム・レート・コントローラ)354、レベルシフタ356、セレクタ358、DAC(デジタル・アナログ・コンバータ)360、出力制御回路362、オペアンプ364及び出力回路366を含んでいる。2画素データ出力用のRAM内蔵データドライバブロック300は、1画素データ毎にサブブロック300A,300Bに分けられる。これら2つのサブブロック300A,300Bは、境界線を挟んで回路配置がミラー配置となっている。とくに、図33に示すように、DAC360の領域では、一画素分のデータをデジタル−アナログ変換する一画素変換領域のPウェル及びNウェル構造が、2つのサブブロック300A,330Bの境界を挟んでミラー配置されている。この理由は、Y方向の一直線上に、DACに必要なスイッチを構成するN型及びP型トランジスタを配列できるからである。こうして、2つのサブブロック300A,330BでN型ウェルを共用できるので、ウェル分離領域が少なくなり、Y方向の寸法を圧縮できる。つまり、図10に示す寸法RYを小さく出来る。
図34は、図33に示すRAM内蔵データドライバブロック300のRAM領域310を示している。RAM領域310には、Y方向で2画素分、つまり、2(画素)×3(RGB)×6(階調ビット数)=36ビット分の36個のメモリセルMCが配列される。本実施形態に用いるメモリセルMCは、図34に示すように、X方向(ビット線方向)に平行な長辺と、Y方向(ワード線方向)に平行な短辺とを有する長方形である。これにより、Y方向に36個のメモリセルMCを配列した時のY方向の高さを小さくでき、もって、図10に示すRAMブロック200の高さを小さくできる。
図33で説明したように、RAM内蔵データドライバブロック300の2つのサブブロック300A,300Bがミラー配置であることから、各サブブロック300A,300Bのデータドライバ領域350への入力は、図34の右端に示すように、サブブロック300A,300Bの境界を挟んで対称となる関係を満足する必要がある。
ここで、1画素を構成する各サブピクセルR,G,Bはそれぞれ6ビットであるとすると、1画素は計18ビットとなり、この1画素18ビットのデータを、R0,B0,G0,…R5,B5,G5と表記する。図34の右端に示すように、サブブロック300Aでのデータドライバ領域350への出力配列は、上からR0,G0,B0,R1,…R5,G5,B5の順序となる。一方、サブブロック300Bでのデータドライバ領域350への出力配列は、上述した理由から、下からR0,G0,B0,R1,…R5,G5,B5の順序となる。つまり、2画素分のデータは、サブブロック300A,300Bの境界を挟んで対称となる。
一方、RAM内蔵データドライバブロック300のRAM領域310のメモリセルアレイ312では、図34に示すRGB格納配列順序(つまりデータ読出し配列順序)となっており、データドライバ領域350へのデータ出力配列順序とは一致していない。このため、図34に示すように、メモリ出力回路320の領域に並び替え配線領域410を確保している。この並べ替え配線領域410は、複数のビット線からのデータ読み出し配列順序で入力されたビットデータを、配線により並べ替えて、メモリ出力回路320でのビット出力配列順序で出力するものである。
並び替え配線領域410については後述するとして、まず、メモリセルアレイ312について説明する。図34に示すように、メモリセルアレイ312の右側には、RAMブロック200にデータを読み書き制御するホスト機器(図示せず)との間でデータが入出力されるデータ読出し/書き込み回路400を有する。このデータ読出し/書き込み回路400には、1回のアクセスで18ビットのデータが入力または出力される。つまり、一つのRAM内蔵データドライバブロック300に2画素分の36ビットデータを読み書きするには、2回のアクセスが必要となる。
ここで、データ読出し/書き込み回路400は、図34に示すように、Y方向で18個の書き込み駆動セル402と、Y方向で18個のセンスアンプセル404とを有する。そして、各書き込み駆動セル402は、Y方向(ワード線方向)にて隣接する所定個数(本実施形態では2個)のメモリセルを一メモリセル群とし、その一メモリセル群を構成する2つのメモリセルMCのY方向の高さと等しい高さを有する。つまり、隣接する2つのメモリセルMCで一つの書き込み駆動セル402が共用される。同じく、各センスアンプセル404も、隣接する2つのメモリセルMCのY方向の高さと等しい高さを有する。つまり、隣接する2つのメモリセルMCで一つのセンスアンプセル404が共用される。
例えば、ホスト機器が1画素分のデータをメモリセルアレイ312に書き込む時について説明する。図34にて例えばワード線WL1が選択されると共に、Y方向に配列された36個のメモリセルMCのうちの例えば偶数番目の18個のメモリセルMCに、18個の書き込み駆動セル402を介して、1画素分のデータR0,B0,G0,…R5,B5,G5が書き込まれる。次に、同じワード線WL1が選択され、Y方向に配列された36個のメモリセルMCのうちの例えば奇数番目の18個のメモリセルMCに、18個の書き込み駆動セル402を介して、次の1画素分のデータR0,B0,G0,…R5,B5,G5が書き込まれる。
このような駆動により、図34に示すY方向で36個のメモリセルMCに2画素分のデータが書き込まれる。ホスト機器へデータを読み出す場合には、書き込み駆動セル402に代えてセンスアンプセル404が用いられて、書き込みと同じ手順で2回に分けて読み出される。
以上のことから、図34のY方向にて隣接する2つのメモリセルMCには、ホスト機器側とのアクセスの制約により、同色でかつ全6ビット中の階調ビット番号が同じ2つのデータ(例えばR0,R0)が入力されることになる。この制約のため、図34のY方向に配列された2画素分36個のメモリセルMCに格納されるデータ配列順序は、図34の左端に示すデータ出力配列順序と一致しない。図34に示すY方向の36個のメモリセルMCへのデータ格納配列は、並べ替え配線領域410での配線交差回数を少なし、並べ替え配線長を短くするために決定されている。
以上により、メモリセルアレイ312での複数のビット線BLの配列に従ったデータ読出し配列順序と、メモリ出力回路320からのデータ出力配列順序とが異なっている。このため、図34に示す並び替え配線領域410が設けられている。
6.2.メモリ出力回路
並び替え配線領域410を有するメモリ出力回路320の一例を、図35を参照して説明する。図35において、メモリ出力回路320は、X方向にて大別して、センスアンプ回路322、バッファ回路324及びそれらを制御するコントロール回路326を有する。
センスアンプ回路322は、ビット線方向(X方向)にL(Lは2以上の整数)個、例えばL=2個の第1のセンスアンプセル322A、第2のセンスアンプセル322Bを有し、一水平走査期間内に同時に読み出される2つのビットデータを、第1,第2のセンスアンプセル322A,322Bの異なる一つにそれぞれ入力させる。このため、第1,第2のセンスアンプセル322A,322Bの各々の高さは、X方向にて隣接するL個(L=2個)のメモリセルMCの高さの範囲内におさめればよく、センスアンプ回路322の回路レイアウトの自由度が確保される。
つまり、一つのメモリセルMCのY方向高さをMCYとし、例えばL=2個の第1のセンスアンプセル322A、第2のセンスアンプセル322Bの各々のY方向高さをSACYとすると、(L−1)×MCY<SACY≦L×MCYとすると、集積回路装置のY方向高さを所定値以内に確保しながら、センスアンプセルのレイアウトの自由度を確保できる。なお、Lは2に限らず、2以上の整数とすることができる。
バッファ回路324は、第1のセンスアンプセル322Aの出力を増幅する第1のバッファセル324Aと、第2のセンスアンプセル322Bの出力を増幅する第2のバッファセル324Bとを有する。図35の例では、ワード線選択によりメモリセルMC1から読み出されたデータは、第1のセンスアンプセル322Aで検出され、第1のバッファセル324Aにより増幅されて出力される。同一のワード線選択でメモリセルMC2から読み出されたデータは、第2のセンスアンプセル322Bで検出され、第2のバッファセル324Bにより増幅されて出力される。図36は、第1のセンスアンプセル322A及び第1のバッファセル324Aの回路構成の一例を示しており、これらはコントロール回路326からの信号TLT,XPCGLにより制御されている。
6.3.並べ替え配線領域
本実施形態では、図34に示す並べ替え配線領域410を、図37に示すように、第2のバッファセル324Bの領域に配置している。図37は、図33に示すサブブロック300Aを主として示しており、第1のバッファセル324Aの出力データR1〜B1、R3〜B3、R5〜B5と、第2のバッファセル324Bの出力データR1〜B1、R3〜B3、R5〜B5が示されている。
第1のバッファセル324Aの出力データR1〜B1、R3〜B3、R5〜B5の出力端子は、金属第二層ALBでX方向に引き出され、ビアを介して金属第三層ALCによりY方向に引き出されて、サブブロック300B側に配線される。
第2のバッファセル324Bの出力データR1〜B1、R3〜B3、R5〜B5の出力端子は、金属第二層ALBでX方向にわずかに引き出され、ビアを介して金属第三層ALCによりY方向に引き出されて、さらにビアを介して金属第二層ALBによりX方向に引き出されて、メモリ出力回路320の出力端子まで接続される。
このように、並べ替え配線領域410は、ビット線方向に延びる複数の配線が形成された配線層ALBと、ワード線方向に延びる複数の配線が形成された配線層ALCと、両配線層ALB,ALC間選択的に接続する複数のビアとを有することで、目的とする並べ替え配線を実現している。また、第2のバッファセル324Bの領域を利用して並べ替えを行うことで、第1,第2のバッファセル324A,324Bからの出力を最短にて並べ替えることができ、配線負荷を低減することができる。
図38は、図35とは異なるメモリ出力回路を示しており、図38ではY方向にて第1のセンスアンプセル322A,第1のバッファセル324A,第2のセンスアンプセル324B,第2のバッファセル324B及びコントロール回路326の順で配列している。この場合でも、メモリ出力回路の領域、特に第2のバッファセル324Bの領域に並べ替え配線領域410を配置することができる。
図39の例では、センスアンプ322及びバッファ324は、一水平走査期間の読出し回数Nに応じて分割されていない。この場合、センスアンプ322の前段に第1のスイッチ327、バッファ324の後段に第2のスイッチ328を設けている。第1のスイッチ327は、図40に示すように、カラムアドレス信号COLA,COLBにより択一的に選択される2つのスイッチ327A,327Bを有する。こうして、2つのメモリセルMCに一つのセンスアンプ322及び一つのバッファ324を共用することができる。第2のスイッチ328は、第1のスイッチ327同様にしてスイッチングされることで、時分割で送られてくる2つのメモリセルMCからのデータを2本の出力線に振り分けて出力することができる。図39の例においても、メモリ出力回路の領域に並べ替え配線領域410を配置することができる。
なお、並べ替え配線領域410を設ける原因は、上述の実施形態では、ホスト機器とメモリセルアレイとの間のデータアクセスに起因したメモリセルのレイアウトと、データドライバ中の回路構造のミラー配置との2つの要因であったが、いずれか一方の場合であってもよく、これらに加えて、あるいはこれらとは異なる要因で並べ替えを実施しても良いことは言うまでもない。
6.4.データドライバ、ドライバセルの配置
図41にデータドライバと、データドライバが含むドライバセルの配置例を示す。図41に示すように、データドライバブロックは、X方向に沿って並んで配置される複数のデータドライバDRa、DRb(第1〜第Nの分割データドライバ)を含む。また各データドライバDRa、DRbは、複数の22個(広義にはQ個)のドライバセルDRC1〜DRC22を含む。
データドライバDRaは、メモリブロックのワード線WL1aが選択され、1回目の画像データがメモリブロックから読み出されると、図41に示すラッチ信号LATaに基づいて、読み出された画像データをラッチする。そしてラッチされた画像データのD/A変換を行い、1回目の読み出し画像データに対応するデータ信号DATAaをデータ信号出力線に出力する。
一方、データドライバDRbは、メモリブロックのワード線WL1bが選択され、2回目の画像データがメモリブロックから読み出されると、図41に示すラッチ信号LATbに基づいて、読み出された画像データをラッチする。そしてラッチされた画像データのD/A変換を行い、2回目の読み出し画像データに対応するデータ信号DATAbをデータ信号出力線に出力する。
このようにして、各データドライバDRa、DRbが22個の画素に対応する22本分のデータ信号を出力することで、一水平走査期間に合計で44個の画素に対応する44本分のデータ信号が出力されるようになる。
図41のように、複数のデータドライバDRa、DRbをX方向に沿って配置(スタック)するようにすれば、データドライバの規模の大きさが原因になって集積回路装置のY方向での幅Wが大きくなってしまう事態を防止できる。またデータドライバは、表示パネルのタイプに応じて種々の構成が採用される。この場合にも、複数のデータドライバをX方向に沿って配置する手法によれば、種々の構成のデータドライバを効率良くレイアウトすることが可能になる。なお図41ではX方向でのデータドライバの配置数が2個である場合を示しているが、配置数は3個以上でもよい。
また図41では、各データドライバDRa、DRbは、Y方向に沿って並んで配置される22個(Q個)のドライバセルDRC1〜DRC22を含む。ここでドライバセルDRC1〜DRC22の各々は、1画素分の画像データを受ける。そして1画素分の画像データのD/A変換を行い、1画素分の画像データに対応するデータ信号を出力する。
そして図41において、表示パネルのデータ線本数をDLNとし、データドライバブロックのブロック数(ブロック分割数)をBNKとし、一水平走査期間での画像データの読み出し回数をNとする。
この場合に、Y方向に沿って並ぶドライバセルDRC1〜DRC22の個数Qは、表示パネルの水平走査方向の画素数をPX、バンク数をBNK、一水平走査期間の読出し回数をNとすると、Q=PX/(BNK×N)と表すことができる。図41の場合には、PX=176、BNK=4、N=2であるため、Q=176/(4×2)=22個になる。
換言すれば、RGBカラー表示の場合に、Y方向に沿って並ぶドライバセルDRC1〜DRC22の個数Qは、一水平走査期間に表示メモリより読み出されるデータのビット数をMとし、データ線に供給されるデータの階調値をGビットとすると、Q=M/3Gと表すことができる。図41の場合には、M=396、G=6であるため、Q=396/(3×6)=22個になる。
また表示パネルのデータ線本数をDLNとし、データ線1本あたりの画像データのビット数をGとし、メモリブロックのブロック数をBNKとし、1水平走査期間においてメモリブロックから読み出される画像データの読み出し回数をNとする。この場合に、センスアンプブロックSABに含まれるセンスアンプセル(1ビット分の画像データを出力するセンスアンプ)の個数は、一水平走査期間にメモリセルから読み出されるデータのビット数Mと等しく、M=(DLN×G)/(BNK×N)と表すことができる。図41の場合には、DLN=528、G=6、BNK=4、N=2であるため、M=(528×6)/(4×2)=396個になる。なお個数Mは、有効メモリセル数に対応する有効センスアンプ数であり、ダミーメモリセル用のセンスアンプ等の有効ではないセンスアンプの個数は含まない。また、図35、図38のようにビット線方向にL=2個のセンスアンプセルを配列した場合には、ワード線方向に配列されるセンスアンプセルの個数Pは、P=M/L=(DLN×G)/(BNK×N×L)=198個となる。
6.5.データドライバブロックのレイアウト
図42にデータドライバブロックの更に詳細なレイアウト例を示す。図42では、N=2個のデータドライバブロックDRa,DRbは、1サブピクセル分の画像データに対応するデータ信号を出力する複数のサブピクセルドライバセルSDC1〜SDC132を含む。そして、2つのデータドライバブロックの各々では、X方向(サブピクセルドライバセルの長辺に沿った方向)に沿ってR、G、Bに細分割されて、R,G,Bで各々M/3G=22個のサブピクセルドライバセルがY方向に配置されている。即ちサブピクセルドライバセルSDC1〜SDC132がマトリクス配置される。そしてデータドライバブロックの出力線と表示パネルのデータ線とを電気的に接続するためのパッド(パッドブロック)が、データドライバブロックのY方向側に配置される。
図42において、分割データ線ドライバDRaのサブピクセルドライバセルSD1,SD4,SDC7,…SDC64は、第1の細分割データ線ドライバに属するR用データ駆動セルである。サブピクセルドライバセルSD2,SD5,SDC8,…SDC65は、第2の細分割データ線ドライバに属するG用データ駆動セルである。サブピクセルドライバセルSD3,SD6,SDC9,…SDC66は、第Sまたは第3の細分割データ線ドライバに属するB用データ駆動セルである。
図42の実施形態は一水平走査期間での読出し回数N=2であり、図28の実施形態のようにNは3の倍数ではない。しかし、図42に示すように、一水平走査期間内の読出し回数Nを3の倍数としなくても、各分割データ線ドライバDRa,DRbの各々にてR,G,Bの色毎に分けて細分割データドライバを配置すれば、R,G,Bの色毎に分けて駆動セルを第2の方向に沿って配列できる。
例えば図41のデータドライバDRaのドライバセルDRC1は、図42のサブピクセルドライバセルSDC1、SDC2、SDC3により構成される。ここでSDC1、SDC2、SDC3は、各々、R(赤)用、G(緑)用、B(青)用のサブピクセルドライバセルであり、1本目のデータ信号に対応するR、G、Bの画像データ(R1、G1、B1)がメモリブロックから入力される。そしてサブピクセルドライバセルSDC1、SDC2、SDC3は、これらの画像データ(R1、G1、B1)のD/A変換を行い、1本目のR、G、Bのデータ信号(データ電圧)を、1本目のデータ線に対応するR、G、B用のパッドに出力する。
同様にドライバセルDRC2は、R用、G用、B用のサブピクセルドライバセルSDC4、SDC5、SDC6により構成され、2本目のデータ信号に対応するR、G、Bの画像データ(R2、G2、B2)がメモリブロックから入力される。そしてサブピクセルドライバセルSDC4、SDC5、SDC6は、これらの画像データ(R2、G2、B2)のD/A変換を行い、2本目のR、G、Bのデータ信号(データ電圧)を、2本目のデータ線に対応するR、G、B用のパッドに出力する。他のサブピクセルドライバセルも同様である。
なおサブピクセルの数は3個に限定されず、4個以上であってもよい。またサブピクセルドライバセルの配置も図42に限定されず、R用、G用、B用のサブピクセルドライバセルを例えばY方向に沿ってスタック配置してもよい。
6.6.メモリブロックのレイアウト
図43にメモリブロックのレイアウト例を示す。図43は、メモリブロックのうちの1画素(R、G、Bが各々6ビットで合計18ビット)に対応する部分を詳細に示している。なお、図43中のセンスアンプブロックのRGB配列は、説明の便宜上、図37で説明した並べ替え後の配列として示してある。
センスアンプブロックのうち1画素に対応する部分は、R用のセンスアンプセルSAR0〜SAR5と、G用のセンスアンプセルSAG0〜SAG5と、B用のセンスアンプセルSAB0〜SAB5を含む。また図43では、2個(広義には複数)のセンスアンプ(及びバッファ)がX方向にスタック配置される。そしてスタック配置されたセンスアンプセルSAR0、SAR1のX方向側にX方向に沿って並ぶ2行のメモリセル列のうち、上側の行のメモリセル列のビット線は例えばSAR0に接続され、下側の行のメモリセル列のビット線は例えばSAR1に接続される。そしてSAR0、SAR1は、メモリセルから読み出された画像データの信号増幅を行い、これによりSAR0、SAR1から2ビットの画像データが出力されるようになる。他のセンスアンプとメモリセルの関係についても同様である。
図43の構成の場合には、図11(B)に示す1水平走査期間での画像データの複数回読み出しは、次のようにして実現できる。即ち第1の水平走査期間(第1の走査線の選択期間)においては、まず図41のワード線WL1aを選択して画像データの1回目の読み出しを行い、1回目のデータ信号DATAaを出力する。この場合にはセンスアンプセルSAR0〜SAR5、SAG0〜SAG5、SAB0〜SAB5からのR、G、Bの画像データは、各々、サブピクセルドライバセルSDC1、SDC2、SDC3に入力される。次に、同じ第1の水平走査期間においてワード線WL1bを選択して画像データの2回目の読み出しを行い、2回目のデータ信号DATAbを出力する。この場合にはセンスアンプセルSAR0〜SAR5、SAG0〜SAG5、SAB0〜SAB5からのR、G、Bの画像データは、各々、図42のサブピクセルドライバセルSDC67、SDC68、SDC69に入力される。また次の第2の水平走査期間(第2の走査線の選択期間)においては、まずワード線WL2aを選択して画像データの1回目の読み出しを行い、1回目のデータ信号DATAaを出力する。次に、同じ第2の水平走査期間においてワード線WL2bを選択して画像データの2回目の読み出しを行い、2回目のデータ信号DATAbを出力する。
7.電子機器
図44(A)(B)に本実施形態の集積回路装置20を含む電子機器(電気光学装置)の例を示す。なお電子機器は図44(A)(B)に示されるもの以外の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を含んでもよい。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
図44(A)(B)においてホストデバイス510は、例えばMPU(Micro Processor Unit)、ベースバンドエンジン(ベースバンドプロセッサ)などである。このホストデバイス510は、表示ドライバである集積回路装置20の制御を行う。或いはアプリケーションエンジンやベースバンドエンジンとしての処理や、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行うこともできる。また図44(B)の画像処理コントローラ(表示コントローラ)520は、ホストデバイス510に代行して、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行う。
表示パネル500は、複数のデータ線(ソース線)と、複数の走査線(ゲート線)と、データ線及び走査線により特定される複数の画素を有する。そして、各画素領域における電気光学素子(狭義には、液晶素子)の光学特性を変化させることで、表示動作を実現する。この表示パネル500は、TFT、TFDなどのスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルにより構成できる。なお表示パネル500は、アクティブマトリクス方式以外のパネルであってもよいし、液晶パネル以外のパネルであってもよい。
図44(A)の場合には、集積回路装置20としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には集積回路装置10は、ホストデバイス510からの画像データを、一旦内蔵メモリに書き込み、書き込まれた画像データを内蔵メモリから読み出して、表示パネルを駆動する。図44(B)の場合にも、集積回路装置20としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には、ホストデバイス510からの画像データは、画像処理コントローラ520の内蔵メモリを用いて画像処理を行うことができる。画像処理されたデータが集積回路装置20のメモリに記憶され、表示パネル500が駆動される。
上記のように、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
なお、本実施形態では、表示ドライバ20内に設けられた複数のRAM200に対して例えば一表示画面分の画像データを格納させることができるが、これに限定されない。
表示パネル10に対してZ(Zは2以上の整数)個の表示ドライバを設け、Z個の表示ドライバの各々に、一表示画面分の画像データの(1/Z)を格納させても良い。この場合、一表示画面のデータ線DLの総本数DLNとしたとき、Z個の表示ドライバの各々が分担して駆動するデータ線本数は(DLN/Z)本である。