JP4158541B2 - Fuel injection device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、特に、ディーゼルエンジンにおいて、燃焼温度及び燃焼圧力の急激な上昇を抑制してNOXの発生量及び騒音を低減するために、一般的には、主燃料噴射に先立ってパイロット燃料噴射が実施される。
【0003】
このようなパイロット燃料噴射は、主燃料噴射に比較して少量の燃料を低圧で噴射することが好ましい。そのために、燃料噴射弁において、弁体は第一スプリング及び第二スプリングにより二段式に付勢され、燃料溜内の圧力が第一設定圧を超えると第一スプリングが克服され、弁体が一段階開弁してパイロット燃料噴射が開始され、燃料溜内の圧力が第二設定圧を超えると第二スプリングも克服され、弁体が二段階開弁して主燃料噴射が開始されるようになっている。
【0004】
しかしながら、このような燃料噴射弁では、燃料ポンプの吐出性能に応じた燃料溜内の圧力変化パターンによってパイロット燃料噴射量が一義的に定まることとなり、機関運転状態に応じて、低圧のパイロット燃料噴射における噴射期間を変化させることができない。
【0005】
パイロット燃料噴射期間を自由に設定するために、燃料噴射弁の燃料溜へ設定圧力で開弁するリリーフ弁を介して戻し通路を接続し、この設定圧力をパイロット燃料噴射の燃料圧力とすると共に、リリーフ弁の下流側に設けられた閉鎖弁により戻し通路を閉鎖可能とする燃料噴射弁が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このような構成の燃料噴射弁により、燃料ポンプの燃料吐出によって燃料溜内の圧力が所定値に高まれば、スプリングにより付勢された弁体は開弁してパイロット燃料噴射が開始され、その後においては、リリーフ弁が開弁して燃料溜内の圧力は設定圧力に維持されるために、設定圧力でのパイロット燃料噴射を持続させることができる。所望のパイロット燃料噴射期間が終了すれば、閉鎖弁により戻し通路を閉鎖して燃料溜内の圧力を高めることにより、設定圧力より高い圧力での主燃料噴射を開始することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平09−79103号公報
【特許文献2】
特開平10−184487号公報
【特許文献3】
特開平11−44276号公報
【特許文献4】
特開平11−218066号公報
【特許文献5】
特開平07−71347号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術において、パイロット燃料噴射期間を自由に設定することはできるが、パイロット燃料噴射と主燃料噴射とが連続することとなる。これら二つの燃料噴射の間にインターバルを設けることは不可能ではないが、そのためには、弁体の開閉を電磁式等として、閉鎖弁により戻し通路を閉鎖する以前に弁体を閉弁し、その後に弁体を再び開弁することが必要となる。このような弁体の開閉には応答遅れが発生するために、設けられるインターバルは、比較的長い時間となり、これをさらに長時間とすることはできても、短時間とすることはできない。すなわち、インターバルを設ける場合には、主燃料噴射の開始時期を自由に設定することはできない。
【0009】
従って、本発明の目的は、低圧のパイロット燃料噴射と高圧の主燃料噴射との間にインターバルを設ける場合においても、主燃料噴射開始時期を自由に設定可能な内燃機関の燃料噴射装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置は、各気筒に配置された第一燃料噴射弁及び第二燃料噴射弁と、前記第一燃料噴射弁へ燃料を供給する第一蓄圧室と、前記第二燃料噴射弁へ燃料を供給する第二蓄圧室とを具備し、前記第一蓄圧室内を低燃料圧力として前記第一燃料噴射弁によりパイロット燃料噴射を実施し、前記第二蓄圧室内を高燃料圧力として前記第二燃料噴射弁により主燃料噴射を実施し、機関低負荷時の前記第二燃料噴射弁による主燃料噴射の噴射圧を機関高負荷時に比較して低下させるために、機関低負荷時における前記第二蓄圧室内の燃料圧力を機関高負荷時に比較して低下させる場合に、機関高負荷時から機関低負荷時への機関過渡直後には、前記第一燃料噴射弁を使用して主燃料噴射を実施することを特徴とする。
【0011】
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記第一蓄圧室と前記第一燃料噴射弁とを接続する第一配管におけるオリフィス径は、前記第二蓄圧室と前記第二燃料噴射弁とを接続する第二配管におけるオリフィス径より小さいことを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記第一蓄圧室と前記第一燃料噴射弁とを接続する第一配管の配管長は、前記第二蓄圧室と前記第二燃料噴射弁とを接続する第二配管の配管長より長いことを特徴とする。
【0014】
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料ポンプは前記第二蓄圧室へ接続され、前記第一蓄圧室と前記第二蓄圧室とは制御弁を介して連通されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明による請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射装置は、請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記第一蓄圧室内を所望燃料圧力に維持するために、前記制御弁の開弁時期は前記燃料ポンプの吐出行程に基づき設定され、前記制御弁の開弁時間は、前記第一燃料噴射弁の燃料噴射量に基づき設定されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御弁の開弁時間は、前記第一燃料噴射弁の内部漏れ燃料量も考慮されて設定されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記第一蓄圧室と前記第二蓄圧室とは一つのブロック内に形成されおり、前記制御弁も前記ブロック内に配置されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による請求項8に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記第一蓄圧室と前記第二蓄圧室とは細長形状を有して前記ブロック内に並列して形成され、前記第一蓄圧室には複数の前記第一燃料噴射弁へ燃料を供給するための複数の第一供給口が前記第一蓄圧室の軸線方向に離間して配置され、前記第二蓄圧室には複数の前記第二燃料噴射弁へ燃料を供給するための複数の第二供給口が前記第二蓄圧室の軸線方向に離間して配置され、前記制御弁は、前記第一蓄圧室における両端の前記第一供給口の間と前記第二蓄圧室における両端の前記第二供給口の間とにおいて前記第一蓄圧室と前記第二蓄圧室とを連通する連通路内に配置されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による請求項9に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、機関高負荷時の前記第一燃料噴射弁によるパイロット燃料噴射の噴射圧を機関低負荷時に比較して高めるために、機関高負荷時における前記第一蓄圧室内の燃料圧力を機関低負荷時に比較して増大させる場合に、機関高負荷時から機関低負荷時への機関過渡直後には、前記制御弁の開弁を中止し、前記第一燃料噴射弁を使用して主燃料噴射を実施することを特徴とする。
【0020】
また、本発明による請求項10に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、機関始動時には、前記制御弁の開弁を中止し、前記第一燃料噴射弁によるパイロット燃料噴射を中止することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による内燃機関の燃料噴射装置の第一実施形態を示す平面図である。1は内燃機関としてのディーゼルエンジンの機関本体であり、各気筒には、第一燃料噴射弁2と第二燃料噴射弁3とが配置されている。特に、第一燃料噴射弁2は気筒上壁中央部の排気弁側から気筒内へ燃料を噴射するように配置されており、また、第二燃料噴射弁3は気筒上壁中央部の吸気弁側から気筒内へ燃料を噴射するように配置されている。4は各第一配管2aを介して各第一燃料噴射弁2へ燃料を供給するための第一蓄圧室であり、5は各第二配管3aを介して各第二燃料噴射弁3へ燃料を供給するための第二蓄圧室である。
【0022】
ディーゼルエンジンにおいては、必要量の燃料を一度に噴射すると、この燃料が一気に着火燃焼して燃焼温度及び燃焼圧力が急激に上昇し、多量のNOX及び大きな騒音が発生する。これを防止するために、必要量の燃料の一部が主燃料噴射に先立ってパイロット燃料噴射として噴射される。パイロット燃料噴射による噴射燃料が一気に着火燃焼したのでは意味はなく、パイロット燃料噴射の噴射圧は主燃料噴射に比較して低くすることが好ましい。また、機関運転状態(例えば、機関負荷)に応じて必要量の燃料が増大すると、パイロット燃料噴射量を増加させて、主燃料噴射量を常に十分に減少させることが好ましい。このためには、パイロット燃料噴射期間が延長されることとなるが、その分、主燃料噴射の開始時期を遅角すると燃焼が悪化してしまう。こうして、機関運転状態に応じて、適当なパイロット燃料噴射期間及び主燃料噴射開始時期は変化する。
【0023】
本燃料噴射装置は、前述の構成を有し、第一蓄圧室4内の燃料圧力をパイロット燃料噴射に適した低圧として第一燃料噴射弁2によってパイロット燃料噴射を実施し、また、第二蓄圧室5内の燃料圧力を主燃料噴射に適した高圧として第二燃料噴射弁3によって主燃料噴射を実施するようになっている。それにより、一つの燃料噴射弁によってパイロット燃料噴射と主燃料噴射とを実施する場合のように、弁体の応答性によって主燃料噴射開始時期がパイロット燃料噴射期間に影響されることはなく、第一燃料噴射弁3は、主燃料噴射に係らずに、機関運転状態に適した噴射開始時期及び噴射期間を実現するようなパイロット燃料噴射を実施することができ、また、第二燃料噴射弁4は、パイロット燃料噴射に係らずに、機関運転状態に適した噴射開始時期及び噴射期間を実現するような主燃料噴射を実施することができる。
【0024】
こうして、例えば、クランク角度に対する燃料噴射率Qを示す図4におけるように、第一燃料噴射弁2によるパイロット燃料噴射及びポスト燃料噴射(タイムチャートB)と、第二燃料噴射弁3による主燃料噴射(タイムチャートA)とを組み合わせて、タイムチャートCのような燃料噴射を実現することができる。ここで、パイロット燃料噴射と主燃料噴射との間のインターバル及び主燃料噴射とポスト燃料噴射との間のインターバル(図4に示す例では無くしている)とは機関運転状態に応じて自由に設定することができる。ポスト燃料噴射は、主燃料噴射に次いで実施される燃料噴射であり、パイロット燃料噴射と同様に主燃料噴射量を減少させるのに有効である。
【0025】
また、もう一つのクランク角度に対する燃料噴射率Qを示す図5におけるように、第一燃料噴射弁2によるパイロット燃料噴射(タイムチャートE)と、第二燃料噴射弁3による主燃料噴射(タイムチャートD)とを組み合わせて、タイムチャートFのような燃料噴射を実現することができる。ここで、第一燃料噴射弁2は、低圧での二回のパイロット燃料噴射を実施しているが、二回目のパイロット燃料噴射の後半は、第二燃料噴射弁3による主燃料噴射と同時期とされており、これらを合わせて主燃料噴射と考えれば、タイムチャートFに示すように、主燃料噴射において、初期の噴射率を低くし、中期以降の噴射率を高くすることができる。それにより、主燃料噴射において、噴射燃料が一気に着火燃焼し難くなる。
【0026】
本実施形態において、第一蓄圧室4及び第二蓄圧室5とを別々の燃料ポンプによってそれぞれの所望燃料圧力に維持するようにしても良いが、コスト低減のために、一つの燃料ポンプ6によって、第一蓄圧室4及び第二蓄圧室5を所望燃料圧力に維持するようになっている。
【0027】
燃料ポンプ6は、機関駆動式であり、第二蓄圧室5へ燃料を圧送するようにされ、第一蓄圧室4と第二蓄圧室5とは配管4a及び5aによって制御弁7を介して連通されている。制御弁7は、本体内に形成された第一蓄圧室4と第二蓄圧室5との連通路7aを先端部により閉鎖可能な弁体7bを有している。弁体7bの基端側には圧力室7cが形成され、この圧力室7cには第二蓄圧室5内の燃料圧力が細径通路7dを介して供給されている。また、圧力室7c内には弁体7bを閉弁方向に付勢するスプリング7eが配置されている。
【0028】
さらに、制御弁本体内には、燃料タンクへ連通して大気圧の燃料により満たされた低圧室7fが形成され、この低圧室7f内には排出弁7gが配置されている。排出弁7gは、圧力室7cと低圧室7fとを連通する連通穴7hを閉鎖可能とするものであり、スプリング7iによって閉弁方向に付勢されている。7jは排出弁7gをスプリング7iに逆らって開弁させるためのソレノイドである。
【0029】
スプリング7iにより排出弁7gが閉弁されて、連通穴7hが閉鎖されていれば、圧力室7c内の圧力は、第二蓄圧室5内の燃料圧力と等しくなり、弁体7bはスプリング7eにより付勢されて連通路7aを閉鎖する。この時において、第一蓄圧室4と第二蓄圧室5とは連通されていない。一方、ソレノイド7jを励磁して排出弁7gを開弁させれば、連通穴7hが開放されて、圧力室7c内の燃料は低圧室7fへ流出し、圧力室7c内の圧力が低下する。この時において、弁体7bの先端には依然として第二蓄圧室5内の高圧が開弁方向に作用しているために、弁体7bの基端側へ閉弁方向に作用する圧力室7c内の圧力が所定値まで低下すれば、弁体7bはスプリング7eに逆らって開弁される。それにより、第一蓄圧室4と第二蓄圧室5とは連通路7aを介して連通することとなる。
【0030】
次いで、ソレノイド7jを消磁して排出弁7gが連通穴7hを閉鎖すれば、圧力室7c内の圧力は、細径通路7dを介して第二蓄圧室5から流入する高圧燃料によって徐々に高められ、第二蓄圧室5内の圧力と等しくなる直前に、スプリング7eによって弁体7bは閉弁され、連通路7aが閉鎖されることにより第一蓄圧室4と第二蓄圧室5とは遮断される。
【0031】
第一蓄圧室4と第二蓄圧室5との連通によって、第二蓄圧室5から第一蓄圧室4へ次式により算出される量Qの燃料が移動し、その分、第一蓄圧室4内の燃料圧力を高めることができる。
Q=A*c*(2ΔP/ρ)1/2*t
ここで、Aは連通穴7hの断面積であり、cは連通穴7hの流量係数であり、ΔPは第二蓄圧室5と第一蓄圧室4との圧力差であり、ρは燃料の密度であり、tは連通路7aの開放時間である。圧力差ΔPを算出するために、第一蓄圧室4内の圧力を監視する第一圧力センサ4bと、第二蓄圧室5内の圧力を監視する第二圧力センサ5bとが設けられている。
【0032】
燃料ポンプ6は、機関一回転毎に吐出行程を迎えて比較的多量の燃料を調量することなく吐出するように設定されており、すなわち、二気筒分の第一燃料噴射弁2及び第二燃料噴射弁3が燃料を噴射する毎に燃料を吐出する。この吐出燃料によって第二蓄圧室5内は所望高圧以上に昇圧されることとなるが、第二蓄圧室5には所望高圧より僅かに高い圧力で開弁するリリーフ弁(図示せず)が設けられており、必要以上の吐出燃料はリリーフ弁を介して燃料タンクへ戻され、第二蓄圧室5内の燃料圧力は主燃料噴射に適した所望高圧に維持される。
【0033】
一方、第一蓄圧室4は、高圧ポンプ6の吐出行程毎に、二気筒分の第一燃料噴射弁2により消費された燃料による圧力低下分を補ってパイロット燃料噴射に適した所望低圧に維持されなければならない。第一蓄圧室4における消費燃料量は、二気筒分の第一燃料噴射弁2による燃料噴射量であって既知であり、この消費燃料量を第二蓄圧室5から第一蓄圧室4へ移動させれば良い。すなわち、前述の式において、制御弁7の連通路7aの開放時間tを変化させて移動量Qを消費燃料量に一致させれば良い。前述したように、圧力室7c内の燃料圧力は、弁体7bを開閉する圧力まで瞬間的には変化しないために、連通路7aの開放時間tは、ソレノイド7jを励磁している時間とは一致しない。それにより、実際には、ソレノイド7jの励磁時間を制御することとなるが、この制御には前述した弁体7bの応答遅れを考慮する必要がある。前述したように、第一蓄圧室4には第一圧力センサ4bが設けられているために、第一圧力センサ4bによって検出される実際の第一蓄圧室4内の燃料圧力が所望圧力となるように、弁体の開弁時間又はソレノイドの励磁時間を補正するようにしても良い。
【0034】
弁体7bの開弁は、高圧ポンプ6の吐出行程毎に実施されることが好ましく、例えば、吐出行程の直前毎に実施されることが好ましい。また、吐出行程毎に同期して実施しても良く、また、吐出行程の直後毎に実施しても良い。さらに、高圧ポンプ6の二回の吐出行程毎に実施しても良く、この場合には、四気筒分の第一燃料噴射弁2による燃料噴射量を第二蓄圧室5から第一蓄圧室4へ移動させることとなる。このように制御弁7の開弁時期は、高圧ポンプ6の吐出行程に基づき設定され、すなわち、機関駆動式の燃料ポンプ6の場合には、機関回転数が高いほど制御弁7の開弁時期は短時間で繰り返されるようになる。
【0035】
図2は本発明による内燃機関の燃料噴射装置の第二実施形態を示す平面図である。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態において、第一蓄圧室4’と第二蓄圧室5’とは、一つのブロック内に形成されており、また、制御弁7’も同じブロック内に配置されている。制御弁7’の構成は、第一実施形態の制御弁7と同様であり、ここでは説明を省略する。このような構成によって第一蓄圧室及び第二蓄圧室と制御弁とを連通する配管4a,5aが不要となって構造を簡素化することができる。
【0036】
ところで、燃料噴射弁によって燃料を噴射すると、燃料噴射弁の先端部の燃料溜において発生した負圧波が蓄圧室へ伝播し、この時、蓄圧室は開放端となるために、負圧波は蓄圧室から正圧波として反射し、この正圧波が燃料噴射弁の燃料溜へ到来する。燃料噴射圧は、実際には、蓄圧室の燃料圧力ではなく、この燃料溜内の燃料圧力となるために、こうして正圧波が燃料溜へ到来すると、噴射率が増大することとなる。
【0037】
第二燃料噴射弁3による主燃料噴射では、パイロット燃料噴射に比較して噴射量が多く、すなわち、第二燃料噴射弁3の開弁期間が長いために、噴射期間中に燃料溜へ正圧波が到来しても、開弁期間を短く調整して所望量の燃料を噴射することができる。しかしながら、第一燃料噴射弁2によるパイロット燃料噴射では、開弁期間が短く、開弁期間の調整は困難であり、噴射期間中に燃料溜へ正圧波が到来すると、所望量の燃料を噴射することができない。
【0038】
この問題を解決するために、本実施形態においては、各第一燃料噴射弁2と第一蓄圧室4’とを連通する各第一配管2a’の配管長が、各第二燃料噴射弁3と第二蓄圧室5’とを連通する各第二配管3a’の配管長に比較して長くされおり、圧力波が第一燃料噴射弁2と第一蓄圧室とを往復する時間が長くなるようにしている。それにより、第一燃料噴射弁2によるパイロット燃料噴射中には、正圧波が第一燃料噴射弁2の燃料溜内へ到来することはなく、パイロット燃料噴射の噴射量を正確に制御することができる。
【0039】
また、第二燃料噴射弁3による主燃料噴射では、第二配管3a’の配管長が第一配管2a’に比較して短くされるために、主燃料噴射中に正圧波が確実に第二燃料噴射弁3の燃料溜へ到来して噴射率を高めることができる。それにより、第二燃料噴射弁3の開弁期間が短く補正され、燃料噴射時間を短縮することができる。これは多量の燃料噴射を可能とし、さらに機関出力を高めることができる。
【0040】
また、各第一燃料噴射弁2と第一蓄圧室4’とを連通する各第一配管2a’に設けられたオリフィスの径を小さくすると、第一配管2a’内を伝播する圧力波はオリフィス位置で大きく減衰し、例えば、オリフィスを直径0.7mmとすれば、圧力波をほぼ無くすことができる。それにより、第一配管2a’に設けられたオリフィス径を第二配管3a’に設けられたオリフィス径(例えば、直径3mm)より小さくすることによっても、第一燃料噴射弁2によるパイロット燃料噴射において、圧力波の影響を十分に低減することができ、噴射量を正確に制御することができる。
【0041】
このように、第一燃料噴射弁と第一蓄圧室とを連通する第一配管の配管長を短くしたり、第一配管のオリフィス径を小さくしたりすることは、第一実施形態においても実施することができる。
【0042】
図3は本発明による内燃機関の燃料噴射装置の第三実施形態を示す平面図である。第二実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態においても、第一蓄圧室4”と第二蓄圧室5”とは、第二実施形態と同様に、細長形状を有して一つのブロック内に並列して形成されている。第一蓄圧室4”には複数の第一燃料噴射弁2へ燃料を供給するための複数の第一供給口(第一配管2a’と第一蓄圧室4”との接続部)が第一蓄圧室の軸線方向に離間して配置され、第二蓄圧室5”には複数の第二燃料噴射弁3へ燃料を供給するための複数の第二供給口(第二配管3a’と第二蓄圧室5”との接続部)が第二蓄圧室の軸線方向に離間して配置されおり、同じブロックに配置された制御弁7’は、第一蓄圧室4”における両端の第一供給口の間と第二蓄圧室5”における両端の第二供給口の間とにおいて第一蓄圧室4”と第二蓄圧室5”とを連通する連通路内に配置されている。
【0043】
それにより、第一蓄圧室4’の端に位置する第一供給口の外側と第二蓄圧室5’の端に位置する第二供給口の外側とにおいて、第一蓄圧室4’と第二蓄圧室5’とを連通する連通路内に制御弁7’を配置した第二実施形態に比較して、本実施形態ではブロックを小型化することができ、車両搭載性が向上する。また、第一蓄圧室4”及び第二蓄圧室5”の容積を小さくすることができ、機関始動時において第一蓄圧室4”及び第二蓄圧室5”内の燃料圧力の昇圧時間が短縮され、機関始動性が改善する。
【0044】
これまで説明した実施形態において、第二燃料噴射弁による主燃料噴射は、第二蓄圧室内を所望高燃料圧力に維持して実施するとしたが、機関低負荷時に比較して機関高負荷時の噴射圧、すなわち、噴射率を高めて、許容された燃料噴射時間で多量の燃料を噴射することを可能とするために、第二蓄圧室内の燃料圧力を機関高負荷時には、機関低負荷時に比較して高めるようにしても良い。また、第二蓄圧室内の燃料圧力を、機関負荷、すなわち、燃料噴射量に応じて、二段階ではなく、さらに多段階又は無段階に変化させるようにしても良い。
【0045】
このような場合において、第二蓄圧室に設けられたリリーフ弁の開弁設定圧はかなり高められ、燃料ポンプは、各機関負荷に対する第二蓄圧室内の所望燃料圧力を実現するために、燃料を調量して圧送することとなる。
【0046】
こうして、第二蓄圧室内の燃料圧力は、機関負荷が増加する場合において、燃料ポンプによる燃料の調量圧送によって所望値へ高めることができ、一方、機関負荷が減少する場合においては、第二蓄圧室内の燃料圧力を、燃料噴射による燃料消費によって所望値へ低下させることとなる。このような第二蓄圧室内の燃料圧力制御において、機関負荷が緩やかに低下する場合には問題はない。しかしながら、特に、機関負荷が高負荷から低負荷へ急変した時においては、第二蓄圧室内の燃料圧力を急激に低下させなければならないのに、燃料噴射による燃料消費だけでは間に合わず、第二蓄圧室内の燃料圧力が機関低負荷に適した圧力よりかなり高い時点で主燃料噴射を実施することとなるために、必要以上の過剰な燃料が噴射されてしまう。
【0047】
この問題を解決するために、機関高負荷時から機関低負荷時への機関過渡直後においては、第一燃料噴射弁を使用して主燃料噴射を実施すれば良い。第一燃料噴射弁により噴射される燃料は、パイロット燃料噴射に適した低圧とされている第一蓄圧室の燃料であり、こうして、高い噴射圧によって必要以上の燃料が噴射されることはない。機関負荷が低負荷から高まった時には、第二燃料噴射弁での主燃料噴射に切り換えられ、この時の第二蓄圧室内の燃料圧力は、依然として現在の機関負荷に対して高いことも考えられるが、機関負荷が増加しているために、それほど大きな差はなく、必要量の燃料に対して、非常に多量の燃料が噴射されることはない。
【0048】
また、これまで説明した実施形態において、第一燃料噴射弁によるパイロット燃料噴射は、第一蓄圧室内を所望低燃料圧力に維持して実施するとしたが、機関低負荷時に比較して機関高負荷時の噴射圧、すなわち、噴射率を高めて、許容された燃料噴射時間で多量の燃料を噴射することを可能とするために、第一蓄圧室内の燃料圧力を機関高負荷時には、機関低負荷時に比較して高めるようにしても良い。また、第一蓄圧室内の燃料圧力を、機関負荷、すなわち、燃料噴射量に応じて、二段階ではなく、さらに多段階又は無段階に変化させるようにしても良い。
【0049】
このように、パイロット燃料噴射において機関負荷に応じて噴射圧を変化させる場合において、機関高負荷時から機関低負荷時への機関過渡直後には、パイロット燃料噴射による燃料消費だけでは第一蓄圧室内の圧力は直ぐに低下せず、パイロット燃料噴射において必要以上の過剰な燃料が噴射されてしまう。
【0050】
この問題を改善するために、機関高負荷時から機関低負荷時への機関過渡直後においては、制御弁の開弁を中止して第二蓄圧室から第一蓄圧室へ燃料が移動しないようにすると共に、第一燃料噴射弁を使用してパイロット燃料噴射だけでなく主燃料噴射も実施するようにすれば良い。それにより、第一蓄圧室内からはパイロット燃料噴射に加えて主燃料噴射によっても燃料が消費され、第一蓄圧室内の燃料圧力を早期に機関低負荷に適した圧力へ低下させることができる。
【0051】
また、機関始動時において、燃料ポンプによって第一蓄圧室及び第二蓄圧室内の燃料圧力を大気圧からそれぞれの所望圧力へ昇圧するまで燃料噴射を開始しないのでは、機関始動が非常にもたつくこととなる。この問題を改善するために、機関始動時には制御弁の開弁を中止して第二蓄圧室から第一蓄圧室へ燃料が移動しないようにすれば、その分、第二蓄圧室を早期に所望圧力へ昇圧することが可能となる。こうして、第二燃料噴射弁による主燃料噴射が可能となり、機関始動性を向上することができる。この時において、第一燃料噴射弁でのパイロット燃料噴射は中止されるが、必要ならば、第二燃料噴射弁によって第二蓄圧室の燃料を使用するパイロット燃料噴射を実施しても良い。
【0052】
ところで、第一燃料噴射弁が、制御弁と同様に、弁体を開弁させる際に第一蓄圧室内の燃料を燃料タンクへ戻す(内部漏れ)ような構成を有する場合には、第一蓄圧室からの消費燃料は、この内部漏れ燃料量が燃料噴射量に加えられる。それにより、第一蓄圧室内の燃料圧力を所望値にするための制御弁の開弁時間は、内部漏れ燃料量が加えられた消費燃料量に基づき設定されることとなる。
【0053】
前述したように、燃料ポンプが燃料を調量せずに第二蓄圧室へ圧送する場合には、リリーフ弁を設けて、第二蓄圧室内の燃料圧力が過剰に高まらないように、必要以上の燃料を燃料タンクへ戻すようにしているが、前述のように第一蓄圧室での燃料消費量が内部漏れ燃料量によって増加する場合には、制御弁の開弁時間が増加することとなるために、燃料ポンプの圧送燃料が第二蓄圧室において必要以上とはならなくなり、第二蓄圧室のリリーフ弁を省略することが可能となる。
【0054】
【発明の効果】
このように、本発明による内燃機関の燃料噴射装置は、各気筒に配置された第一燃料噴射弁及び第二燃料噴射弁と、第一燃料噴射弁へ燃料を供給する第一蓄圧室と、第二燃料噴射弁へ燃料を供給する第二蓄圧室とを具備し、第一蓄圧室内を低燃料圧力として第一燃料噴射弁によりパイロット燃料噴射を実施し、第二蓄圧室内を高燃料圧力として第二燃料噴射弁により主燃料噴射を実施するようになっている。それにより、第一燃料噴射弁は、主燃料噴射に影響されることなく、機関運転状態に適した噴射開始時期及び噴射期間を実現するようなパイロット燃料噴射を実施することができ、また、第二燃料噴射弁は、パイロット燃料噴射に影響されることなく、機関運転状態に適した噴射開始時期及び噴射期間を実現するような主燃料噴射を実施することができ、低圧のパイロット燃料噴射と高圧の主燃料噴射との間にインターバルを設ける場合においても、主燃料噴射開始時期を自由に設定することが可能となる。また、機関低負荷時の第二燃料噴射弁による主燃料噴射の噴射圧を機関高負荷時に比較して低下させるために、機関低負荷時における第二蓄圧室内の燃料圧力を機関高負荷時に比較して低下させる場合に、機関高負荷時から機関低負荷時への機関過渡直後には、第一燃料噴射弁を使用して主燃料噴射を実施するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料噴射装置の第一実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明による燃料噴射装置の第二実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明による燃料噴射装置の第三実施形態を示す平面図である。
【図4】第一燃料噴射弁及び第二燃料噴射弁の燃料噴射パターンを示すタイムチャートである。
【図5】第一燃料噴射弁及び第二燃料噴射弁のもう一つの燃料噴射パターンを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体
2…第一燃料噴射弁
3…第二燃料噴射弁
4…第一蓄圧室
5…第二蓄圧室
6…燃料ポンプ
7,7’…制御弁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel injection device for an internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
In internal combustion engines, especially diesel engines, NO is controlled by suppressing rapid increases in combustion temperature and pressure.XIn general, pilot fuel injection is performed prior to main fuel injection in order to reduce the generation amount and noise.
[0003]
In such pilot fuel injection, it is preferable to inject a small amount of fuel at a low pressure as compared with main fuel injection. Therefore, in the fuel injection valve, the valve body is urged in a two-stage manner by the first spring and the second spring, and when the pressure in the fuel reservoir exceeds the first set pressure, the first spring is overcome, and the valve body is The pilot fuel injection is started by opening one stage, and when the pressure in the fuel reservoir exceeds the second set pressure, the second spring is also overcome, and the valve body is opened in two stages and the main fuel injection is started. It has become.
[0004]
However, in such a fuel injection valve, the pilot fuel injection amount is uniquely determined by the pressure change pattern in the fuel reservoir according to the discharge performance of the fuel pump, and the low pressure pilot fuel injection is determined according to the engine operating state. The injection period cannot be changed.
[0005]
In order to freely set the pilot fuel injection period, a return passage is connected to the fuel reservoir of the fuel injection valve via a relief valve that opens at a set pressure, and this set pressure is used as the fuel pressure for pilot fuel injection. A fuel injection valve is known in which a return passage can be closed by a closing valve provided on the downstream side of a relief valve (see, for example, Patent Document 1).
[0006]
With the fuel injection valve having such a configuration, when the pressure in the fuel reservoir is increased to a predetermined value by the fuel discharge of the fuel pump, the valve body biased by the spring is opened and pilot fuel injection is started. Since the relief valve is opened and the pressure in the fuel reservoir is maintained at the set pressure, the pilot fuel injection at the set pressure can be continued. When the desired pilot fuel injection period ends, main fuel injection at a pressure higher than the set pressure can be started by closing the return passage with a closing valve to increase the pressure in the fuel reservoir.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 09-79103 A
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-184487
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-44276
[Patent Document 4]
JP-A-11-218066
[Patent Document 5]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 07-71347
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described prior art, the pilot fuel injection period can be set freely, but the pilot fuel injection and the main fuel injection are continuous. Although it is not impossible to provide an interval between these two fuel injections, for that purpose, the valve body is opened and closed by an electromagnetic method, the valve body is closed before the return passage is closed by the closing valve, After that, it is necessary to open the valve again. Since a response delay occurs in the opening and closing of such a valve body, the interval provided is a relatively long time, and even if this can be made longer, it cannot be made short. That is, when the interval is provided, the start timing of the main fuel injection cannot be set freely.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a fuel injection device for an internal combustion engine in which the main fuel injection start timing can be freely set even when an interval is provided between the low pressure pilot fuel injection and the high pressure main fuel injection. That is.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
A fuel injection device for an internal combustion engine according to
[0011]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a fuel injection control device for an internal combustion engine according to the first aspect, wherein the first pressure accumulation chamber and the first fuel injection valve are connected to each other. The orifice diameter in the first pipe is smaller than the orifice diameter in the second pipe connecting the second pressure accumulating chamber and the second fuel injection valve.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a fuel injection control device for an internal combustion engine according to the first aspect, wherein the first pressure accumulation chamber and the first fuel injection valve are connected to each other. The piping length of the first piping is longer than the piping length of the second piping connecting the second pressure accumulating chamber and the second fuel injection valve.
[0014]
And claims according to the invention4The fuel injection device for an internal combustion engine according to
[0015]
And claims according to the invention5A fuel injection device for an internal combustion engine according to
[0016]
And claims according to the invention6A fuel injection control device for an internal combustion engine according to
[0017]
And claims according to the invention7A fuel injection control device for an internal combustion engine according to
[0018]
And claims according to the invention8A fuel injection control device for an internal combustion engine according to
[0019]
And claims according to the invention9A fuel injection control device for an internal combustion engine according to
[0020]
And claims according to the invention10A fuel injection control device for an internal combustion engine according to
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a plan view showing a first embodiment of a fuel injection device for an internal combustion engine according to the present invention.
[0022]
In a diesel engine, when a required amount of fuel is injected at once, this fuel is ignited and burned at once, and the combustion temperature and pressure rise rapidly, resulting in a large amount of NO.XAnd loud noise is generated. In order to prevent this, part of the required amount of fuel is injected as pilot fuel injection prior to main fuel injection. It is meaningless if the fuel injected by pilot fuel injection is ignited and burned at once, and it is preferable that the injection pressure of pilot fuel injection be lower than that of main fuel injection. Further, it is preferable to always decrease the main fuel injection amount sufficiently by increasing the pilot fuel injection amount when the required amount of fuel increases according to the engine operating state (for example, engine load). For this purpose, the pilot fuel injection period is extended. However, if the start timing of the main fuel injection is retarded, the combustion becomes worse. Thus, the appropriate pilot fuel injection period and main fuel injection start timing change according to the engine operating state.
[0023]
This fuel injection device has the above-described configuration, performs pilot fuel injection by the first
[0024]
Thus, for example, as shown in FIG. 4 showing the fuel injection rate Q with respect to the crank angle, pilot fuel injection and post fuel injection (time chart B) by the first
[0025]
Further, as shown in FIG. 5 showing the fuel injection rate Q with respect to another crank angle, pilot fuel injection by the first fuel injection valve 2 (time chart E) and main fuel injection by the second fuel injection valve 3 (time chart). In combination with D), fuel injection as shown in the time chart F can be realized. Here, the first
[0026]
In the present embodiment, the first pressure accumulation chamber 4 and the second
[0027]
The
[0028]
Further, a
[0029]
If the discharge valve 7g is closed by the
[0030]
Next, if the
[0031]
Due to the communication between the first pressure accumulation chamber 4 and the second
Q = A * c * (2ΔP / ρ)1/2* T
Here, A is the cross-sectional area of the
[0032]
The
[0033]
On the other hand, the first accumulator 4 is maintained at a desired low pressure suitable for pilot fuel injection by compensating for the pressure drop due to the fuel consumed by the first
[0034]
The opening of the
[0035]
FIG. 2 is a plan view showing a second embodiment of a fuel injection device for an internal combustion engine according to the present invention. Only differences from the first embodiment will be described below. In the present embodiment, the first pressure accumulation chamber 4 ′ and the second
[0036]
By the way, when fuel is injected by the fuel injection valve, the negative pressure wave generated in the fuel reservoir at the tip of the fuel injection valve propagates to the pressure accumulation chamber. At this time, since the pressure accumulation chamber becomes an open end, the negative pressure wave becomes the pressure accumulation chamber. Is reflected as a positive pressure wave, and this positive pressure wave arrives at the fuel reservoir of the fuel injection valve. Since the fuel injection pressure is not actually the fuel pressure in the pressure accumulating chamber but the fuel pressure in the fuel reservoir, when the positive pressure wave arrives at the fuel reservoir, the injection rate increases.
[0037]
In the main fuel injection by the second
[0038]
In order to solve this problem, in this embodiment, the pipe lengths of the
[0039]
Further, in the main fuel injection by the second
[0040]
Further, when the diameter of the orifice provided in each
[0041]
As described above, shortening the pipe length of the first pipe communicating the first fuel injection valve and the first pressure accumulating chamber or reducing the orifice diameter of the first pipe is also carried out in the first embodiment. can do.
[0042]
FIG. 3 is a plan view showing a third embodiment of a fuel injection device for an internal combustion engine according to the present invention. Only differences from the second embodiment will be described below. Also in the present embodiment, the first pressure accumulation chamber 4 ″ and the second
[0043]
Accordingly, the first pressure accumulation chamber 4 ′ and the second pressure are outside the first supply port located at the end of the first pressure accumulation chamber 4 ′ and outside the second supply port located at the end of the second
[0044]
In the embodiments described so far, the main fuel injection by the second fuel injection valve is performed while maintaining the second pressure accumulating chamber at a desired high fuel pressure. In order to increase the pressure, that is, the injection rate, and to allow a large amount of fuel to be injected in the allowed fuel injection time, the fuel pressure in the second pressure accumulator chamber is compared with that when the engine is high and when the engine is low. You may make it raise. Further, the fuel pressure in the second pressure accumulating chamber may be changed not in two stages but in multiple stages or continuously without depending on the engine load, that is, the fuel injection amount.
[0045]
In such a case, the valve opening set pressure of the relief valve provided in the second pressure accumulating chamber is considerably increased, and the fuel pump supplies the fuel to achieve the desired fuel pressure in the second pressure accumulating chamber for each engine load. It will be metered and pumped.
[0046]
Thus, when the engine load increases, the fuel pressure in the second pressure accumulation chamber can be increased to a desired value by metering the fuel by the fuel pump. On the other hand, when the engine load decreases, the second pressure accumulation The fuel pressure in the room is lowered to a desired value by the fuel consumption by fuel injection. In such fuel pressure control in the second pressure accumulating chamber, there is no problem when the engine load gradually decreases. However, especially when the engine load suddenly changes from a high load to a low load, the fuel pressure in the second pressure accumulator chamber must be rapidly reduced. Since the main fuel injection is performed at a point in time when the fuel pressure in the room is considerably higher than the pressure suitable for the engine low load, excessive fuel more than necessary is injected.
[0047]
In order to solve this problem, the main fuel injection may be performed using the first fuel injection valve immediately after the engine transition from the high engine load to the low engine load. The fuel injected by the first fuel injection valve is the fuel in the first pressure accumulating chamber that is at a low pressure suitable for pilot fuel injection, and thus, more fuel than necessary is not injected by the high injection pressure. When the engine load increases from a low load, it is switched to the main fuel injection at the second fuel injection valve. At this time, the fuel pressure in the second pressure accumulating chamber may still be higher than the current engine load. Since the engine load is increased, there is no great difference, and a very large amount of fuel is not injected with respect to the required amount of fuel.
[0048]
In the embodiments described so far, the pilot fuel injection by the first fuel injection valve is performed while maintaining the desired low fuel pressure in the first pressure accumulating chamber. In order to increase the injection pressure, that is, the injection rate, and to allow a large amount of fuel to be injected in an allowable fuel injection time, the fuel pressure in the first pressure accumulating chamber is set at a high engine load and a low engine load. You may make it raise compared. Further, the fuel pressure in the first pressure accumulating chamber may be changed not in two stages but in multiple stages or continuously without depending on the engine load, that is, the fuel injection amount.
[0049]
Thus, when the injection pressure is changed in accordance with the engine load in the pilot fuel injection, immediately after the engine transition from the high engine load to the low engine load, the fuel is simply consumed by the pilot fuel injection. This pressure does not decrease immediately, and excessive fuel more than necessary is injected in pilot fuel injection.
[0050]
In order to improve this problem, immediately after the engine transition from high engine load to low engine load, the control valve is stopped and fuel does not move from the second pressure storage chamber to the first pressure storage chamber. In addition, not only pilot fuel injection but also main fuel injection may be performed using the first fuel injection valve. Thereby, fuel is consumed from the first pressure accumulating chamber not only by the pilot fuel injection but also by the main fuel injection, and the fuel pressure in the first pressure accumulating chamber can be quickly reduced to a pressure suitable for the engine low load.
[0051]
In addition, when starting the engine, if the fuel injection is not started until the fuel pressure in the first accumulator chamber and the second accumulator chamber is increased from the atmospheric pressure to the desired pressure by the fuel pump, the engine start is extremely difficult. Become. In order to remedy this problem, the opening of the control valve is stopped when the engine is started so that the fuel does not move from the second pressure accumulation chamber to the first pressure accumulation chamber. The pressure can be increased to the pressure. Thus, main fuel injection by the second fuel injection valve is possible, and engine startability can be improved. At this time, pilot fuel injection at the first fuel injection valve is stopped, but if necessary, pilot fuel injection using the fuel in the second pressure accumulating chamber may be performed by the second fuel injection valve.
[0052]
By the way, when the first fuel injection valve has a configuration for returning the fuel in the first pressure accumulation chamber to the fuel tank (internal leakage) when the valve body is opened, like the control valve, the first pressure accumulation The amount of fuel leaked from the chamber is added to the fuel injection amount. Thereby, the valve opening time for setting the fuel pressure in the first pressure accumulating chamber to a desired value is set based on the fuel consumption amount to which the internal leakage fuel amount is added.
[0053]
As described above, when the fuel pump pumps the fuel to the second pressure accumulating chamber without metering, a relief valve is provided so that the fuel pressure in the second pressure accumulating chamber does not increase excessively. Although the fuel is returned to the fuel tank, as described above, when the fuel consumption in the first pressure accumulating chamber increases due to the internal leakage fuel amount, the valve opening time of the control valve increases. In addition, the pumped fuel of the fuel pump is no longer necessary in the second pressure accumulation chamber, and the relief valve in the second pressure accumulation chamber can be omitted.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, the fuel injection device for an internal combustion engine according to the present invention includes a first fuel injection valve and a second fuel injection valve arranged in each cylinder, a first pressure accumulation chamber that supplies fuel to the first fuel injection valve, A second pressure accumulating chamber for supplying fuel to the second fuel injection valve, pilot fuel injection is performed by the first fuel injection valve with the first pressure accumulating chamber at a low fuel pressure, and the second pressure accumulating chamber is at a high fuel pressure. The main fuel injection is performed by the second fuel injection valve. Thereby, the first fuel injection valve can perform the pilot fuel injection so as to realize the injection start timing and the injection period suitable for the engine operating state without being influenced by the main fuel injection. The two-fuel injection valve can perform main fuel injection so as to realize an injection start timing and an injection period suitable for the engine operating state without being affected by the pilot fuel injection. Even when an interval is provided between the main fuel injection and the main fuel injection, the main fuel injection start timing can be freely set.Also, in order to reduce the injection pressure of the main fuel injection by the second fuel injection valve at low engine load compared to at high engine load, the fuel pressure in the second pressure accumulator chamber at low engine load is compared at high engine load. In this case, the main fuel injection is performed using the first fuel injection valve immediately after the engine transition from the high engine load to the low engine load.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a first embodiment of a fuel injection device according to the present invention.
FIG. 2 is a plan view showing a second embodiment of the fuel injection device according to the present invention.
FIG. 3 is a plan view showing a third embodiment of the fuel injection device according to the present invention.
FIG. 4 is a time chart showing fuel injection patterns of a first fuel injection valve and a second fuel injection valve.
FIG. 5 is a time chart showing another fuel injection pattern of the first fuel injection valve and the second fuel injection valve.
[Explanation of symbols]
1 ... Engine body
2 ... First fuel injection valve
3. Second fuel injection valve
4 ... First pressure storage chamber
5 ... Second pressure storage chamber
6 ... Fuel pump
7, 7 '... control valve
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