JP4157909B2 - Fuel injector positioning structure - Google Patents
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Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、フューエルインジェクタの位置決め構造に関し、詳しくは、クリップを用いたフューエルインジェクタの回動方向に対する位置決め構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フューエルインジェクタは、その基端部が燃料供給管に配設された分岐管に挿嵌されて保持される。このようなフューエルインジェクタでは、先端に噴射口が形成され、それらの噴射口から、燃料をインテークマニホールドの吸入管に、所定方向に向けて噴射させる必要があることから、フューエルインジェクタの回動方向に対する位置決めがなされている。
上記フューエルインジェクタの回動方向に対する位置決め構造としては、例えば、日本国特開平8−100734号公報(以下、特許文献1)に記載された技術が存在する。この特許文献1に開示された技術は、円管状の基管に円管状の分岐管を設けた燃料供給管の前記分岐管にフューエルインジェクタを挿嵌し、板状弾性体のクリップの第1の挟持部で前記基管を挟持させ、第2の挟持部でフューエルインジェクタの胴部を挟持させるとともに、前記第2の挟持部に設けた凸部をフューエルインジェクタの胴部に設けた穴に嵌合させている。
ところで、上記特許文献1に開示されているクリップは、一端部で燃料供給管の基管を挟持し、他端部でフューエルインジェクタを挟持するものであるため、分岐管の軸心方向に長くなり、それだけ大型化してしまう。また、このクリップを、板金を折り曲げて挟持片を形成すると、幅方向に広くなって、それだけ大きな材料が必要となり、型によって成形する場合には、少なくとも3つの型が必要となり、コストアップになる。
また、特許文献1に開示された技術においては、フューエルインジェクタを燃料供給管の基管に支持されたクリップに保持させている、即ち、フューエルインジェクタの保持部から燃料供給管の保持部までの距離が長いので、フューエルインジェクタの保持が不確実になる虞がある。
また、近年、自動車のエンジン房内は、部品類が増加する傾向にあり、燃料供給管も他の部品との干渉を避けるために、レイアウト上の自由度が求められている。そのため、特許文献1に記載されているようなパイプをつないだ形状から、プレス加工により成形した2部品をロウ付けし、箱状とした燃料供給管が増えてきている。ところが、プレス成形品を接合した燃料供給管にあっては、その接合時に組付け誤差が生じる場合があり、特許文献1に記載されたクリップのように、燃料供給管自体を挟持する形状のものにあっては、この燃料供給管の組付け誤差に対応し難い。
本発明は、上述した従来のフューエルインジェクタの位置決め構造が有する課題に鑑みて成されたものであって、その目的は、フューエルインジェクタの保持がより確実に行なえ、コンパクトなクリップの使用が可能で、しかもクリップの型成形が容易なフューエルインジェクタの位置決め構造を提供することにある。
【発明の開示】
【0003】
上記した目的を達成するため、本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造は、燃料供給管に形成した分岐管にフューエルインジェクタを挿嵌して取付けるフューエルインジェクタの位置決め構造において、前記フューエルインジェクタの中間部周面に凸部を形成するとともに、前記分岐管の周面を挟持するC型円弧状の挟持舌片と、該挟持舌片の上縁左右から外方にそれぞれ挟持舌片の先端と同じ方向に張り出し、それらの間に前記フューエルインジェクタの凸部を嵌合する凹部が画成されたフランジ片と、前記燃料供給管に当接し、前記分岐管の軸心に対する回動を阻止する前記挟持舌片の基端部から下方に向けて形成されたストッパ片とを有する合成樹脂によって型成形により一体成形されたクリップを備え、前記クリップの挟持舌片を前記分岐管の周面に挟持させるとともに、前記クリップのストッパ片を前記燃料供給管に当接させ、前記フューエルインジェクタに形成された凸部を前記クリップのフランジ片間の凹部に嵌合させて、前記フューエルインジェクタの前記分岐管の軸心に対する回動方向の位置決めをしたことを特徴とする。
この本発明によれば、クリップの挟持舌片を分岐管に挟持させ、ストッパ片を燃料供給管に当接させるだけなので、従来のように燃料供給管を挟持するための挟持片を形成する必要がなく、クリップの分岐管の軸心方向の長さが短くて済み、かつ、幅方向の広さが狭くて済むため、クリップがコンパクトになる。
また、上記本発明によれば、分岐管に保持させたクリップによってフューエルインジェクタの回動が阻止される、即ち、フューエルインジェクタの燃料供給管への保持距離が短いので、フューエルインジェクタが確実に保持される。
更に、上記本発明によれば、プレスによって形成された2部品を互いに組付けて構成される燃料供給管の場合には、燃料供給管に組付け誤差が生じる場合があるが、クリップを分岐管に保持させることとし、燃料供給管を装着したクリップの回動阻止のみに利用することとした本発明においては、燃料供給管の組付け誤差の影響は少ない。
また、本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造は、上記発明において、上記フューエルインジェクタの凸部を、外郭が馬蹄形を成すフランジ部としたことを特徴とする。
この本発明によれば、フューエルインジェクタの周面に配設された外郭が馬蹄形を成すフランジ部がクリップのフランジ片間の凹部に嵌合されるため、係合が確実なものとなる。
更に、本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造は、上記発明において、上記燃料供給管が箱状に形成され、上記ストッパ片を上記燃料供給管の側面に当接させることによって、上記クリップの回動を阻止させるようにしたことを特徴とする。
この本発明によれば、クリップのストッパ片が燃料供給管の平面部で当接するので、より安定した回動防止が行える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
第1図は、本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造を備えた燃料供給管の斜視図である。第2図は、第1図におけるクリップの拡大斜視図、第3図は、第1図における矢視Aの部分拡大斜視図、第4図は、第1図における矢視Aに相当する変形例を示した部分拡大斜視図、第5図は、第1図における矢視Bの部分拡大斜視図である。第6図は、本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造におけるストッパ手段の他の形態を示した部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、上記した本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、この実施の形態では、燃料供給管を、実際の取付け状態と上下反対の姿勢で図面に描いており、以下の用語の「上下」は、図面に描かれた状態で表現する。
第1図に示す燃料供給管1は、プレスによって形成され、上壁2aおよびその周縁に下方に向けて形成された側壁2bによって構成された長尺の燃料供給管体上部部分2と、同じくプレスによって形成され、底壁3aおよびその周縁に上方に向けて形成された側壁3bによって構成された長尺の燃料供給管体下部部分3とを、互いに嵌合させてロウ付けして一体化されている。
そして、上記燃料供給管1を構成する上部部分2の上壁2aには、3つの孔(図示せず)が形成され、その孔の周縁に、ラッパ状先端部を有する分岐管4の基端がそれぞれロウ付けされている。
第1図に示すクリップ5は、弾性を有する合成樹脂によって型成形により一体成形されており、第2図に詳細に示すように、上記分岐管4を囲むように円弧状に形成された挟持舌片6,6と、それらの挟持舌片6,6の上縁から半径方向外方に、それぞれ挟持舌片6、6の先端と同じ方向に張り出し、先端が上方へ向けて形成されたフランジ片7,7とを有している。そして、前記フランジ片7,7によって、それらの間に凹部8が画成されている。さらに、このクリップ5は、ストッパ手段9として、前記挟持舌片6,6の基端部から下方へ向けてストッパ片9aが形成されている。
第1図に示すフューエルインジェクタ10は、本体の中間部に合成樹脂製の管状体11を有し、該管状体11の周面に、外郭が馬蹄形を成すフランジ部12を備え、該フランジ部12の側面を成す平面部に略直方形のコネクタ13を備えている。
このように構成された燃料供給管1、クリップ5およびフューエルインジェクタ10は、以下のようにして組付けられる。
先ず、燃料供給管1の分岐管4に、クリップ5の挟持舌片6,6を装着する。この状態におけるクリップ5は、挟持舌片6,6によって分岐管4に保持され、第3図に示すように、ストッパ片9aが燃料供給管1の側壁2bに当接することによって、分岐管4の軸心に対する回動方向の移動が阻止される。
なお、ストッパ片9aが当接する燃料供給管1の側壁2bの面が、分岐管4とほぼ同心円状に湾曲している場合には、第4図に示すように、燃料供給管1の側壁3bの上端に突起14を形成し、その突起14にストッパ片9aの側端を当接して、クリップ5の分岐管4の軸心に対する回動方向の移動が阻止されるようにすればよい。
次いで、フューエルインジェクタ10の基端が分岐管4に挿嵌される。この状態におけるフューエルインジェクタ10は、周面に配設された凸部(フランジ部12)がクリップ5のフランジ片7,7によって画成される凹部8に落とし込まれ、それによってフューエルインジェクタ10の分岐管4の軸心に対する回動方向の移動が阻止される。
なお、上記実施の形態では、フューエルインジェクタ10の凸部として、フランジ部12を利用しているが、例えば、コネクタ13等の他の機能部の凸部を利用してもよく、特別に形成してもよい。
また、上記実施の形態では、クリップ5に凹部8を形成し、そこにフューエルインジェクタ10の凸部(フランジ部12)を挿嵌させているが、クリップ5に凸部を形成し、フューエルインジェクタ10に凹部を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、ストッパ手段9として、クリップ5にストッパ片9aを形成し、そのストッパ片9aを燃料供給管1の側面に当接させることによって、クリップ5の回動を阻止しているが、第6図に示すように、ストッパ手段9として、燃料供給管1の上面2aに凸部9bを形成するとともに、クリップ5の下面に凹部9cを形成し、クリップ5の凹部9cを燃料供給管1の凸部9bに嵌合させることによって、クリップ5の回動を阻止してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0006】
以上に説明した本発明に係るフューエルインジェクタの位置決め構造によれば、フューエルインジェクタの保持がより確実に行なえ、コンパクトなクリップの使用が可能であり、しかもクリップの型成形が容易なものとなる。そのため、本発明は、燃料供給管に形成した分岐管にフューエルインジェクタを挿嵌し、クリップでフューエルインジェクタの回動方向に対する位置決めを行う構造において、広く利用することができる。【Technical field】
[0001]
The present invention relates to a positioning structure for a fuel injector, and more particularly to a positioning structure for a rotation direction of a fuel injector using a clip.
[Background]
[0002]
The base end of the fuel injector is inserted and held in a branch pipe disposed in the fuel supply pipe. In such a fuel injector, injection ports are formed at the tips, and it is necessary to inject fuel from the injection ports to the intake pipe of the intake manifold in a predetermined direction. Positioning has been made.
As a positioning structure with respect to the rotational direction of the fuel injector, for example, there is a technique described in Japanese Patent Laid-Open No. 8-1000073 (hereinafter referred to as Patent Document 1). In the technique disclosed in
By the way, the clip disclosed in
In the technique disclosed in
In recent years, the number of parts tends to increase in the engine compartment of an automobile, and the fuel supply pipe is also required to have flexibility in layout in order to avoid interference with other parts. For this reason, the number of fuel supply pipes that are box-shaped by brazing two parts molded by pressing from the shape of connecting pipes as described in
The present invention has been made in view of the problems of the above-described conventional fuel injector positioning structure, and its purpose is to more reliably hold the fuel injector and to use a compact clip. In addition, it is an object of the present invention to provide a fuel injector positioning structure in which a clip can be easily molded.
DISCLOSURE OF THE INVENTION
[0003]
To achieve the above object, a fuel injector positioning structure according to the present invention is a fuel injector positioning structure in which a fuel injector is inserted and attached to a branch pipe formed in a fuel supply pipe. A convex portion is formed on the surface, and a C-shaped arc-shaped sandwiching tongue piece that sandwiches the peripheral surface of the branch pipe, and an upper edge of the sandwiching tongue piece outward from the left and right sides in the same direction as the tip of the sandwiching tongue piece A flange piece overhanging and defining a concave portion for fitting the convex portion of the fuel injector between them, and the clamping tongue piece that abuts on the fuel supply pipe and prevents rotation with respect to the axis of the branch pipe A clip integrally formed by molding with a synthetic resin having a stopper piece formed downward from the base end portion of the clip, The holding tongue piece is clamped on the peripheral surface of the branch pipe, the stopper piece of the clip is brought into contact with the fuel supply pipe, and the convex portion formed on the fuel injector is fitted into the concave portion between the flange pieces of the clip. In combination, the fuel injector is positioned in the rotational direction with respect to the axis of the branch pipe.
According to the present invention, the clip clamping tongue piece is clamped by the branch pipe, and the stopper piece is merely brought into contact with the fuel supply pipe. Therefore, it is necessary to form a clamp piece for clamping the fuel supply pipe as in the conventional case. The clip can be made compact because the length of the branch pipe in the axial center direction is short and the width in the width direction is narrow.
Further, according to the present invention, the rotation of the fuel injector is prevented by the clip held by the branch pipe, that is, the holding distance of the fuel injector to the fuel supply pipe is short, so that the fuel injector is securely held. The
Further, according to the present invention, in the case of a fuel supply pipe constructed by assembling two parts formed by pressing, an assembly error may occur in the fuel supply pipe. In the present invention, which is used only to prevent the rotation of the clip equipped with the fuel supply pipe, the influence of the assembly error of the fuel supply pipe is small.
Further, the fuel injector positioning structure according to the present invention is characterized in that, in the above-mentioned invention, the convex portion of the fuel injector is a flange portion whose outer shell forms a horseshoe shape.
According to the present invention, since the outer portion disposed on the peripheral surface of the fuel injector has a horseshoe-shaped flange portion fitted into the recess between the flange pieces of the clip, the engagement is ensured.
Further, in the fuel injector positioning structure according to the present invention, in the above invention, the fuel supply pipe is formed in a box shape, and the stopper piece is brought into contact with a side surface of the fuel supply pipe, thereby rotating the clip. It is characterized by preventing the above.
According to the present invention, since the stopper piece of the clip comes into contact with the flat portion of the fuel supply pipe, more stable rotation prevention can be performed.
[Brief description of the drawings]
[0004]
FIG. 1 is a perspective view of a fuel supply pipe provided with a fuel injector positioning structure according to the present invention. 2 is an enlarged perspective view of the clip in FIG. 1, FIG. 3 is a partially enlarged perspective view of the arrow A in FIG. 1, and FIG. 4 is a modification corresponding to the arrow A in FIG. FIG. 5 is a partially enlarged perspective view of FIG. 5 and a partially enlarged perspective view of arrow B in FIG. FIG. 6 is a partially enlarged perspective view showing another form of the stopper means in the fuel injector positioning structure according to the present invention.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[0005]
Hereinafter, an embodiment of a fuel injector positioning structure according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
In this embodiment, the fuel supply pipe is drawn on the drawing in a posture opposite to the actual mounting state, and the following terms “up and down” are expressed in the state drawn on the drawing.
A
The
The
A
The
First, the
If the surface of the
Next, the base end of the
In the above-described embodiment, the
Moreover, in the said embodiment, although the recessed
In the above embodiment, as the stopper means 9, the
[Industrial applicability]
[0006]
According to the fuel injector positioning structure according to the present invention described above, the fuel injector can be more reliably held, a compact clip can be used, and the clip can be easily molded. Therefore, the present invention can be widely used in a structure in which a fuel injector is inserted into a branch pipe formed in a fuel supply pipe and the fuel injector is positioned with respect to the rotation direction with a clip.
Claims (3)
前記フューエルインジェクタの中間部周面に凸部を形成するとともに、前記分岐管の周面を挟持するC型円弧状の挟持舌片と、該挟持舌片の上縁左右から外方にそれぞれ挟持舌片の先端と同じ方向に張り出し、それらの間に前記フューエルインジェクタの凸部を嵌合する凹部が画成されたフランジ片と、前記燃料供給管に当接し、前記分岐管の軸心に対する回動を阻止する前記挟持舌片の基端部から下方に向けて形成されたストッパ片とを有する合成樹脂によって型成形により一体成形されたクリップを備え、前記クリップの挟持舌片を前記分岐管の周面に挟持させるとともに、前記クリップのストッパ片を前記燃料供給管に当接させ、前記フューエルインジェクタに形成された凸部を前記クリップのフランジ片間の凹部に嵌合させて、前記フューエルインジェクタの前記分岐管の軸心に対する回動方向の位置決めをしたことを特徴とする、フューエルインジェクタの位置決め構造。In a fuel injector positioning structure in which a fuel injector is inserted and attached to a branch pipe formed in a fuel supply pipe,
A convex portion is formed on the circumferential surface of the intermediate portion of the fuel injector, and a C-shaped arc-shaped clamping tongue piece for clamping the circumferential surface of the branch pipe; A flange piece projecting in the same direction as the tip of the piece and having a recess for fitting the projection of the fuel injector between them, and abutting on the fuel supply pipe and rotating with respect to the axis of the branch pipe A clip integrally formed by molding with a synthetic resin having a stopper piece formed downward from a base end portion of the clamping tongue piece for preventing the clamping tongue piece, and the clamping tongue piece of the clip is arranged around the periphery of the branch pipe The clip stopper portion is brought into contact with the fuel supply pipe, and a convex portion formed on the fuel injector is fitted into a concave portion between the flange pieces of the clip. Characterized in that the positioning in the rotational direction with respect to the axis of the branch pipe-menu El injector, the fuel injector positioning structure.
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