JP4157259B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、用紙の厚さの変化により描かれている透かしパターンなどの特定パターンを有する有価証券などの印刷物に対し上記透かしパターンなどの特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法および画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明で検知対象とする特定パターンについて説明しておく。本発明では、たとえば、次の2つの条件を満たす特定パターンを検知対象とする。
【0003】
(1)たとえば、図11に示すように、印刷物S1上に設けられた矩形状のパターンP1であり、複数個周期的に並んでいる。
【0004】
(2)特定パターンに対応する画素が、周辺の画素に比較して高い(または低い)輝度値を持つ。
【0005】
本発明は、このような特定パターンが印刷物内に存在するか否かの検知を行なう。
【0006】
さて、上記2つの条件を満たす特定パターンの具体例として、透かしパターンが挙げられる。透かしパターンとは、偽造防止などのために、紙幣や小切手、商品券などの有価証券に、用紙の厚さの変化により描かれるパターンである。ここで、透かしパターンを含む画像の具体例を図12に示す。
【0007】
図12は、たとえば、商品券S2の画像を示しており、印刷された文字や模様などの印刷パターンP2を有し、かつ、この印刷パターンP2内に背景よりも高い輝度値を持ち周期的に並んでいる複数の矩形状の透かしパターンP3を有している。なお、図示を省略しているが、地肌模様も印刷されているものとする。以下、このような透かしパターンの検知を具体例として説明を行なう。
【0008】
従来の透かしパターンの検知方法の代表的なものとして、次の2つが挙げられる。
【0009】
第1の従来法:2値化処理に基づく方法
第2の従来法:エッジ検出処理に基づく方法
まず、第1の従来法について述べる。第1の従来法は、2値化、垂直軸への射影の計算、周期性の検証、の3つのステップからなる。ステップ1の2値化では、P−Tile法を用い、2値化の閾値を決定する。具体的には、入力グレイ画像について輝度ヒストグラムを計算し、図13に示すように、画素の輝度値の分布の明るい方からTAREA%の面積を与える輝度値THを2値化の閾値として求める。入力グレイ画像について、閾値THよりも値の大きな画素に「1」を、それ以外に「0」を割り当てることにより、2値画像を得る。これにより、図14に示すような透かしパターンの2値画像S3が得られる。
【0010】
ステップ2の垂直軸への射影の計算では、図15に示すように、ステップ1で得られた2値画像S3について、垂直軸に射影パターンを求める。y=Y0 における射影パターンの値は、y=Y0 を満たす2値画像の画素のうち、「1」の値を持つ画素の個数である。2値画像S3を2次元のパターンとして処理し、透かしパターンを検知しないのは、処理の高速化のためである。2値画像を垂直軸へ射影し、データ量の少ない射影パターンに変換することにより、高速に処理を行なうことができる。
【0011】
ステップ3の周期性の検証では、ステップ2で得られた射影パターンが、透かしパターンとしての周期性を持つか否かの判定を行なう。図16に示すように、ステップ2で得られた射影パターンを、固定の大きさの範囲に分割する。範囲の大きさは、あらかじめ分かっている透かしパターンの垂直軸方向の周期の大きさとする。各範囲について最大値と最小値を求め、得られた最大値と最小値との差が一定値以上だった場合に、透かしパターンがあると判定する。
【0012】
次に、第2の従来法について述べる。第1の従来法には、照明のむらや印刷物の厚さのむらなどに影響を受けやすいという問題がある。第1の従来法では、照明のむらや印刷物の厚さのむらなどにより、同一の画像の中で透かしパターンの部分の画素値の変動が大きくなり、2値画像中に透かしパターンが部分的にしか現われない場合や、透かしパターン以外の画素が2値画像中に現われる場合がある。このような場合には、垂直軸への射影パターンにおいて周期性が検出されず、透かしパターンの検出ができない可能性がある。
【0013】
そこで、第2の従来法では、第1の従来法の問題点を解決するため、第1の従来法を行なう前に、エッジ検出処理を行なうものである。第2の従来法は、エッジ検出処理により、エッジの強い画素が透かしパターンとして検出されるため、透かしパターンの部分の画素値の変動に対して影響を受けにくくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
まず、第1の従来法の問題点を述べる。第1の従来法には、照明のむらや印刷物の厚さのむらなどに影響を受けやすいという問題がある。第1の従来法では、照明のむらや印刷物の厚さむらなどにより、同一の画像の中で透かしパターンの部分の画素値の変動が大きくなり、2値画像中に透かしパターンが部分的にしか現われない場合や、透かしパターン以外の画素が2値画像中に現われる場合がある。このような場合には、垂直軸への射影パターンにおいて、周期性が検出されず、透かしパターンの検知ができない可能性がある。
【0015】
次に、第2の従来法の問題点について述べる。第2の従来法は、第1の従来法における照明むらや印刷物の厚さのむらなどに影響を受けやすいという問題点を解決するため、はじめにエッジ検出処理を行なう方法である。第2の従来法には、印刷物に印刷されている文字や模様などの印刷パターンが影響を受けやすいという問題がある。文字や模様などの印刷パターンは、人間が見やすいように印刷されている場合が多く、文字パターンと用紙とのコントラストや、模様と用紙とのコントラストの方が、透かしパターンと用紙とのコントラストに比較して大きい場合がある。このため、エッジ検出後の画像では、文字パターンや模様などがエッジとして大きな値を持ってしまうため、2値画像においても、これらのパターンが現れてしまい、透かしパターンの検知に悪影響を与える場合がある。
【0016】
次に、第1の従来法と第2の従来法とに共通の問題点について述べる。第1の従来法および第2の従来法ともに、周期性の検証において、高周波成分に影響を受けやすいという問題がある。たとえば、図17に示すように、2値画像から得られる射影パターンが、透かしパターンの周波数よりも大きな周波数成分を含む場合、透かしパターンの周波数成分があるか否かに関わらず、透かしパターンがあると判定されてしまう。
【0017】
そこで、本発明は、照明むらや用紙の厚さむら、および、印刷された文字や模様などの印刷パターンの影響を受けにくい透かしパターンなどの検知が可能となる画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、入力画像の高周波成分に対して影響を受けにくく、誤判定を防止できる画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、前記印刷物の画像を入力するステップと、この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施すステップと、この最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、このエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定するステップとを具備している。
【0020】
また、本発明の画像処理方法は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、前記印刷物の画像を入力するステップと、この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施すステップと、この最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、このエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成するステップと、この生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するステップと、この計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定するステップとを具備している。
【0021】
また、本発明の画像処理方法は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、前記印刷物の画像を入力するステップと、この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施すステップと、この最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、このエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定するステップとを具備している。
【0022】
また、本発明の画像処理方法は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、前記印刷物の画像を入力するステップと、この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施すステップと、この最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、このエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成するステップと、この生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するステップと、この計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定するステップとを具備している。
【0023】
また、本発明の画像処理装置は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施す最大値フィルタ処理手段と、この最大値フィルタ処理手段により最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定する判定手段とを具備している。
【0024】
また、本発明の画像処理装置は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施す最大値フィルタ処理手段と、この最大値フィルタ処理手段により最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成する平均値射影パターン生成手段と、この平均値射影パターン生成手段により生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するパワースペクトル計算手段と、このパワースペクトル計算手段により計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定する判定手段とを具備している。
【0025】
また、本発明の画像処理装置は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施す最小値フィルタ処理手段と、この最小値フィルタ処理手段により最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定する判定手段とを具備している。
【0026】
さらに、本発明の画像処理装置は、印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施す最小値フィルタ処理手段と、この最小値フィルタ処理手段により最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成する平均値射影パターン生成手段と、この平均値射影パターン生成手段により生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するパワースペクトル計算手段と、このパワースペクトル計算手段により計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定する判定手段とを具備している。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置の構成を概略的に示すものである。図1において、画像入力手段としてのCCD形カメラ11は、図12に示したような商品券(印刷物)S2の画像を撮像して、デジタル画像データとして入力する。画像記憶手段としての画像メモリ12は、カメラ11で入力された商品券S2の画像を一時記憶する。各種処理手段としての画像処理部13は、たとえば、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)を主体に構成されており、後で詳細を説明する最大値フィルタ処理、エッジ検出処理、平均値射影パターン生成処理、パワースペクトル計算処理、および、判定処理などを行なう。
【0029】
次に、本発明の実施の形態に係る画像処理について、図2および図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、ステップST1にて、図12に示したような商品券S2の画像をCCD形カメラ11により入力し、画像メモリ12に格納する。
【0031】
次に、ステップST2にて、画像メモリ12内の画像に対し最大値フィルタ処理を施す。最大値フィルタ処理は、図4に示すように、入力画像の画素を近傍の画素の最大値で置き換える処理であり、透かしパターンの強調および文字や模様などの印刷パターンの除去を目的として行なう。図12の画像に対して最大値フィルタ処理を施した結果を図5に示し、図中、符号P4が透かしパターンの部分である。
【0032】
次に、ステップST3にて、ステップST2で最大値フィルタ処理を施こされた画像に対しエッジ検出処理を行なう。エッジ検出処理は、透かしパターンと透かしパターン以外の画素との境界を強調するために行なう。図5の画像に対してエッジ検出処理を行なった結果を図6に示し、図中、符号P5が透かしパターンの部分である。
【0033】
次に、ステップST4にて、ステップST3でエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成する。平均値射影パターンの生成は、図7に示すように、各ラインについて画素の輝度値の平均を求め、垂直軸に射影した値である。図7の画像から得られる平均値射影パターンは、図8に示すようになる。
【0034】
次に、ステップST5にて、ステップST4で生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算する。パワースペクトルの計算は、射影により得られた波形の周期性を検証するために行なう。ここで、平均値射影パターンf(y)(y=0,…,M−1)のパワースペクトルをP(T)(T<0)とする。Tは周期を表わす。以下、本発明で用いるパワースペクトルP(T)を定義する。
【0035】
パワースペクトルP(T)は、周期Tの波形W(T,y)とf(y)との内積のノルムであり、下記数1のように定義する。
【0036】
【数1】
Figure 0004157259
【0037】
周期Tの波形W(T,y)は、周期Tの指数関数E(y,T)により次のように表わされる関数である。
【0038】
W(T,y)=A×E(y,T)+B
ここで、A,Bは定数とする。定数A,Bは、周期Tの波形W(T,y)が下記数2(条件1)および数3(条件2)を満たすように定める。
【0039】
【数2】
Figure 0004157259
【0040】
【数3】
Figure 0004157259
【0041】
上記条件1、条件2は、それぞれ周期Tの波形W(T,y)が正規化、正準化されていることに相当する。
【0042】
また、周期Tの指数関数E(y,T)は、下記数4のように表わされるものとする。
【0043】
【数4】
Figure 0004157259
ここで、jは、虚数単位とする。
【0044】
図8の平均値射影パターンから得られるパワースペクトルを図9に示す。図9のパワースペクトルでは、透かしパターンの周期の周辺に極大値を持つ。
【0045】
本発明で用いるパワースペクトルP(T)は、離散フーリエパワースペクトルPDFT (T)を拡張したものである。離散フーリエパワースペクトルは、
T=M/(M−1),M/(M−2),…,M/2,M
で定義される。これに対し、パワースペクトルP(T)は、0≦T≦Mを満たす任意の実数のTに対して定義されるため、より詳細な周波数の解析が可能である。
【0046】
次に、ステップST6にて、ステップST5で計算されたパワースペクトルP(T)に基づき透かしパターンの有無を判定する。この判定処理では、図10に示すように、計算されたパワースペクトルP(T)から、あらかじめ判明している透かしパターンの周期の範囲について、最大値を求める。ここで、最大値を与える周期をTmax とし、透かしパターンの標準的な周期Tstd との差を求め、所定の閾値Thdiff と比較する。その結果、|Tmax −Tstd |<Thdiff である場合、透かしパターンがあると判定し、そうでない場合は透かしパターンがないと判定する。
【0047】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施し、この最大値フィルタ処理を施こした画像に対し透かしパターンとその透かしパターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行ない、このエッジ検出処理を行なった画像に基づき透かしパターンの有無を判定することにより、照明のむら、および、用紙の厚さのむらの影響を受けにくい透かしパターンの検知が可能になるとともに、文字パターンや模様に影響を受けにくい透かしパターンの検知が可能になる。
【0048】
さらに、複数の透かしパターンが周期的に設けられている場合、透かしパターンの周期性の判定にパワースペクトルを用いることにより、入力画像の高周波成分に対して影響を受けにくい透かしパターンの検知が可能になる。
【0049】
なお、前記実施の形態では、背景よりも高い輝度値を持ち周期的に並んでいる複数の矩形状の透かしパターンの有無を検知する場合について説明したが、これに限らず、たとえば、単一の透かしパターンであってもよく、その場合、周期性の判定は不要となる。また、透かしパターンの形状も矩形に限らず、たとえば、円状や楕円状であってもよい。
【0050】
さらに、前記実施の形態では、背景よりも高い輝度値を持つ透かしパターンなどの特定パターンの有無を検知する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、背景よりも低い輝度値を持つ特定パターンの有無を検知する場合にも同様に適用できる。その場合、図2のステップST2での最大値フィルタ処理を、入力画像の画素を近傍の画素の最小値で置き換える最小値フィルタ処理とすればよく、その他は前記実施の形態の場合と同様である。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、照明むらや用紙の厚さむら、および、印刷された文字や模様などの印刷パターンの影響を受けにくい透かしパターンなどの検知が可能となる画像処理方法および画像処理装置を提供できる。
【0052】
また、本発明によれば、入力画像の高周波成分に対して影響を受けにくく、誤判定を防止できる画像処理方法および画像処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理の流れを説明するフローチャート。
【図3】図2のフローチャートを更に詳細に示すフローチャート。
【図4】最大値フィルタ処理を説明するための図。
【図5】最大値フィルタ処理を施した後の画像の一例を示す図。
【図6】エッジ検出処理を行なった後の画像の一例を示す図。
【図7】平均値射影パターンの生成処理を説明するための図。
【図8】生成された平均値射影パターンの一例を示す図。
【図9】計算されたパワースペクトルの一例を示す図。
【図10】パワースペクトルからの透かしパターンの周期性の判定を説明するための図。
【図11】本発明で検知対象とする特定パターンの一例を示す図。
【図12】透かしパターンを含む画像の具体例として商品券を示す図。
【図13】従来法における2値化閾値の決定を説明するための図。
【図14】従来法における透かしパターンの2値化画像の一例を示す図。
【図15】従来法における垂直軸への射影パターンの生成を説明するための図。
【図16】従来法における生成された射影パターンに対する周期性の判定を説明するための図。
【図17】従来法で透かしパターンがあると誤判定される例を説明する図。
【符号の説明】
S2……商品券(印刷物)
P2……印刷パターン
P3……透かしパターン(特定パターン)
11……CCD形カメラ(画像入力手段)
12……画像メモリ(画像記憶手段)
13……画像処理部(最大値フィルタ処理手段、エッジ検出手段、平均値射影パターン生成手段、パワースペクトル計算手段、判定手段)

Claims (10)

  1. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、
    前記印刷物の画像を入力するステップと、
    この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施すステップと、
    この最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、
    このエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定するステップと、
    を具備したことを特徴とする画像処理方法。
  2. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、
    前記印刷物の画像を入力するステップと、
    この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施すステップと、
    この最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、
    このエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成するステップと、
    この生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するステップと、
    この計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定するステップと、
    を具備したことを特徴とする画像処理方法。
  3. 前記特定パターンは印刷物の用紙の厚さの変化により描かれている透かしパターンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理方法。
  4. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、
    前記印刷物の画像を入力するステップと、
    この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施すステップと、
    この最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、
    このエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定するステップと、
    を具備したことを特徴とする画像処理方法。
  5. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理方法であって、
    前記印刷物の画像を入力するステップと、
    この入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施すステップと、
    この最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうステップと、
    このエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成するステップと、
    この生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するステップと、
    この計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定するステップと、
    を具備したことを特徴とする画像処理方法。
  6. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、
    前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施す最大値フィルタ処理手段と、
    この最大値フィルタ処理手段により最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、
    このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定する判定手段と、
    を具備したことを特徴とする画像処理装置。
  7. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも高い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、
    前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最大値に置き換える最大値フィルタ処理を施す最大値フィルタ処理手段と、
    この最大値フィルタ処理手段により最大値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、
    このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成する平均値射影パターン生成手段と、
    この平均値射影パターン生成手段により生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するパワースペクトル計算手段と、
    このパワースペクトル計算手段により計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定する判定手段と、
    を具備したことを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記特定パターンは印刷物の用紙の厚さの変化により描かれている透かしパターンであることを特徴とする請求項6または請求項7記載の画像処理装置。
  9. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ特定パターンを有する印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、
    前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施す最小値フィルタ処理手段と、
    この最小値フィルタ処理手段により最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、
    このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に基づき前記特定パターンの有無を判定する判定手段と、
    を具備したことを特徴とする画像処理装置。
  10. 印刷された文字や模様などの印刷パターンを有し、かつ、この印刷パターン内に背景よりも低い輝度値を持つ複数の特定パターンが周期的に配置された印刷物に対し前記特定パターンがあるか否かを検知する画像処理装置であって、
    前記印刷物の画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像に対し画素を近傍の画素の最小値に置き換える最小値フィルタ処理を施す最小値フィルタ処理手段と、
    この最小値フィルタ処理手段により最小値フィルタ処理を施こされた画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なうエッジ検出手段と、
    このエッジ検出手段によりエッジ検出処理を行なった画像に対し垂直軸への平均値射影パターンを生成する平均値射影パターン生成手段と、
    この平均値射影パターン生成手段により生成された平均値射影パターンについてパワースペクトルを計算するパワースペクトル計算手段と、
    このパワースペクトル計算手段により計算されたパワースペクトルにおいて、あらかじめ判明している特定パターンの周期の周辺に極大値を持つか否かにより前記特定パターンの有無を判定する判定手段と、
    を具備したことを特徴とする画像処理装置。
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