JP4156354B2 - 超電導量子干渉素子による非破壊検査方法および非破壊検査装置 - Google Patents

超電導量子干渉素子による非破壊検査方法および非破壊検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超電導量子干渉素子(Super-conducting QUantum Interference Device)(以下、SQUIDセンサという)を使用して、微少磁束を検出して鋼心ケーブルの内部欠陥を判別する鋼心ケーブルの内部検査方法および鋼心ケーブルの内部検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
SQUIDセンサによって検出して磁性体の内部欠陥を判別する「磁性体の内部検査」の従来技術として、工業材料1998年6月号(Vol.46 No.6)「磁気特性と材質評価(その4)」(非特許文献1、以下、従来技術1という)およびT.IEE Japan 115巻10号,平成7年(1955)968頁乃至973頁(非特許文献2、以下、従来技術2という)がある。
[本願発明と従来技術との相違]
本願発明は、後述するように、第1の発明の特徴である「残留磁気がない鋼心の磁気双極子が、微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、微少磁荷磁気双極子の集合体領域から検出する」ことにあり、第2の発明の特徴である「磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイルで磁場を形成する」ことにある。従来技術は、従来技術1(非特許文献1)及び従来技術2(非特許文献2)に記載されているように、「SQUIDセンサの動作原理は、微少磁束を検出するセンサであって、(a)「超電導線でつくられた検出コイル」と(b)「磁束をSQUIDセンサループに伝える超電導線でつくられた入力コイル」とから形成され、外部磁束が変化したときの電圧変化を測定する」ことにある。以下、(1)従来技術1と第1の発明との対比、(2)従来技術1と第2の発明との対比、(3)従来技術2と第1の発明との対比および(4)従来技術2と第2の発明との対比の順序で従来技術について説明する。
(1)[従来技術1と第1の発明との対比]
従来技術1に記載のSQUIDセンサの動作原理は、微少磁束を検出するセンサであって、(a)「超電導線でつくられた検出コイル」と(b)「磁束をSQUIDセンサループに伝える超電導線でつくられた入力コイル」とから形成され、外部磁束が変化したときの電圧変化を測定する動作原理が記載されている。従来技術1の検出原理は、鉄筋(磁性体)の両端位置及び中心位置の磁束が変化し、この変化した磁束を検出コイルで検出している。
【0003】
図2は、従来技術1に記載されたSQUIDセンサの検出コイルの原理図である。同図において、SQUIDセンサは超電導線でつくられたリングRに、量子力学現象を示すジョセフソン接合J1,J2を組込み、測定用の検出コイルを超電導リングと組合せたものが用いられる。ジョセフソン結合は超電導体の間に薄い絶縁層を挟んで、電圧がゼロでも2つの超電導体間に電流が流れるという量子力学的なトンネル効果によるものである。外部磁束ΦaがリングRで囲まれた空間を通過するとリングRの両端に電圧Vが発生する。従って、SQUIDセンサは、微少な磁束を電圧に変換する素子として作動する。
【0004】
この従来技術1に、(a)磁性体の位置変化、(b)磁性体の磁気特性変化および(c)非磁性体の渦電流による磁束の変化電流、渦電流などの変化を磁束変化として検出する検査例が記載されている。その検査例中で、鉄筋の直径方向に、従来SQUIDセンサを移動させた場合の磁束の変化を測定して、コンクリート中での異径鉄筋の位置を検出する技術が記載されている。
【0005】
他方、従来技術1に記載の検査例の中に、磁性体の磁気特性変化を検出する例が記載されている。従来技術1の図10に、磁性体であるステンレス鋼SUS304の疲労試験後に、疲労度の増加により残留磁荷が変化して磁束の変化が生じてSQUIDセンサの出力が増加する「疲労による磁気特性変化」を検出することが記載されている。
【0006】
また従来技術1の図11に、SUS304の鋭敏化熱処理を行った後に、熱処理時間が長いほど残留磁荷、保持力が大きくなる「熱処理による磁気特性変化」を検出することが記載されている。さらに、従来技術1の図12に、炭素鋼(磁性体)の疲労試験を行った後に、疲労が増したことによりヒステリシスが大きくなる「磁性体の疲労」を検出することが記載されている。
【0007】
これらは、磁性体の内部欠陥、劣化などを磁気特性変化として検出しているが、いずれも残留磁荷を利用している。従って、従来技術1に記載の検査例は、磁性体の内部の欠陥を検出する場合であっても、残留磁荷(保磁力)を利用しているために、第1の発明の特徴である「残留磁気がない鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の磁束値を測定する」技術を使用していない。
【0008】
しかし、従来技術1の検査例中で、コンクリート中での異径鉄筋の位置を検出する記載においては、上記第1の発明の特徴である「鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、微少磁荷磁気双極子の集合体領域から磁束値を測定する」ことについて、何も記載されていない。
【0009】
従来技術1に記載の検査例の中に、非磁性体の渦電流による磁束の変化電流、渦電流などの変化を磁束変化として検出することが記載されている。この非磁性体では、鋼心の磁気双極子が存在しないために、第1の発明の特徴を使用することができない。
【0010】
従来技術1においては、後述する図1のSQUIDセンサによる第1の発明の非破壊検査方法を実施する非破壊検査装置のブロック図(または第1の発明の非破壊検査装置のブロック図)に示す「残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、SQUIDセンサで鋼心ケーブルの微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から微少磁束の不均一を検出するので、残留磁気が存在すると、微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出する」ことができない。
(2)[従来技術1と第2の発明との対比]
また、従来技術1の検査例中で、コンクリート中での異径鉄筋の位置を検出する記載においては、第2の発明の特徴である「磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイル」および「磁性体の残留磁気を消磁すると共に磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイル」は記載されていない。
(3)[従来技術2と第1の発明との対比]
従来技術2の図1、図3及び図5に、従来技術1と同様の鉄筋の直径方向にSQUIDセンサを移動させた場合の磁束の変化を測定して、コンクリート中での異径鉄筋の位置を検出する技術が記載されてる。
【0011】
図3は、従来技術2の図1に記載されたSQUIDセンサによって鉄筋を検出するときの説明図である。図4は、従来技術2の図3に記載された試験体であるコンクリートに埋設された異径鉄筋の形状を示すコンクリート埋設異径鉄筋図である。図5は、従来技術2の図5に記載された試験体の異径鉄筋の位置を検出する埋設鉄筋位置検出概略図である。
【0012】
図6は、従来技術2の図3に記載された試験体の異径鉄筋の位置を検出したときの鉄筋の中心軸からの外周方向の距離と検出電圧との従来技術2の図6に示す鉄筋位置検出電圧測定図である。同図において鉄筋の外周方向の距離が同一であっても検出電圧が相違しているのは、図5に示したSQUIDセンサ素子と鉄筋間の距離「リフトオフ」が異なるためである。
【0013】
次に、この従来技術2のコンクリート中での異径鉄筋の位置を検出する技術においても、「磁束をSQUIDセンサループに伝える超電導線でつくられた入力コイル」について、何も記載されていない。他方、「今回の実験においては,市場に流通している鉄筋をそのまま使用しており,108mm離れたところで,150μT〜450μT程度の磁束を作ることの出来る残留磁化を持った鉄筋であった。今後,局部的に磁化された鉄筋や残留磁化がもっと小さい鉄筋などについて,この測定法が適用されるかを検討する必要がある。」という記載がある。
【0014】
上記の従来技術2には「残留磁化がもっと小さい鉄筋などについて,この測定法が適用されるかを検討する必要がある。」という課題が残されている。この課題が残された従来技術2の測定法には、前述したように、残留磁荷による漏洩磁束を、検出コイルで検出するための外部磁束として利用しているために、第1の発明の特徴である「残留磁気がない鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の磁束値を測定して、鋼心ケーブルの内部欠陥が存在する位置で生じる微少磁束値を鋼心ケーブルの連続した位置の順序に配置して磁束値の不均一から上記内部欠陥が存在する位置および欠陥状態を判別する」ことは記載されていない。
【0015】
また、従来技術2のコンクリート中での異径鉄筋(試験体に埋設された鉄筋)の位置を検出する技術において、第1の発明の特徴である「残留磁気がない鋼心の磁気双極子が、微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、微少磁荷磁気双極子の集合体領域から検出する」ことについても、何も記載されていない。
【0016】
従来技術2においては、前述したように、図1のSQUIDセンサによる第1の発明の非破壊検査方法を実施する非破壊検査装置のブロック図(または第1の発明の非破壊検査装置のブロック図)に示す「残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、SQUIDセンサで鋼心ケーブルの微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から微少磁束の不均一を検出するので、残留磁気が存在すると、微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出する」ことができない。
(4)[従来技術2と第2の発明との対比]
従来技術2に、前述したように、「今回の実験においては,市場に流通している鉄筋をそのまま使用しており,108mm離れたところで,150μT〜450μT程度の磁束を作ることの出来る残留磁荷を持った鉄筋であった。今後,局部的に磁化された鉄筋や残留磁化がもっと小さい鉄筋などについて,この測定法が適用されるかを検討する必要がある。」という記載がある。
【0017】
従って、この従来技術2のコンクリート中での異径鉄筋(試験体に埋設された鉄筋)の位置を検出する測定法は、残留磁化による漏洩磁束を検出コイルで検出するための外部磁束として利用しているために、前述した第2の発明の特徴である「磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイル」および「磁性体の残留磁気を消磁すると共に磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイル」は記載されていない。
【0018】
【非特許文献1】
工業材料1998年6月号(Vol.46 No.6)「磁気特性と材質評価(その4)」
【0019】
【非特許文献2】
T.IEE Japan 115巻10号,平成7年(1955)968頁乃至973頁
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1に記載の検査例は、磁性体の内部に欠陥が発生している場合、残留磁荷(保磁力)が変化することに着目して、磁性体の内部の欠陥を磁性体の「磁気特性変化」を検出コイルで検出しているために、磁性体の内部の欠陥の位置を検出することができる場合があっても、内部欠陥の欠陥状態まで判別することができない。
【0021】
従来技術2のコンクリート中での異径鉄筋(試験体に埋設された鉄筋)の位置を検出する測定法は、残留磁化による漏洩磁束を検出コイルで検出しているために、磁性体の内部の欠陥の位置を検出することができる場合があっても、内部欠陥の欠陥状態まで判別することができない。
【0022】
第1の発明の目的は、磁性体の内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで、残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、SQUIDセンサで鋼心ケーブルの微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から微少磁束の不均一を検出することによって、磁性体の内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別する」ことができる方法および装置を提供することである。
【0023】
第2の発明の目的は、「磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイル」または「磁性体の残留磁気を消磁すると共に磁性体の内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与える磁場形成コイルによって、磁性体の内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別する」ことができる方法および装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
[第1の発明の実施態様]
実施態様1は、図7に示すように、外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えたSQUIDセンサ1を使用して鋼心ケーブルWKの欠陥を検査する方法において、残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、SQUIDセンサ1で鋼心ケーブルWKの外周から走査して微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される微少磁束値を順次に記憶し、記憶した微少磁束値を鋼心ケーブルWKの連続した位置の順序に配置した連続位置順配置磁束値を記憶し、鋼心ケーブルWKの連続した位置に上記連続位置順配置磁束値を表示して、鋼心ケーブルWKの内部欠陥が存在する位置で生じる上記連続位置順配置磁束値の不均一から上記内部欠陥が存在する位置および欠陥状態を判別するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0025】
実施態様2は、図7および図8に示すように、外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えたSQUIDセンサ1を使用して鋼心ケーブルWKの欠陥を検査する方法において、
残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、SQUIDセンサ1で鋼心ケーブルWKの外周から鋼心ケーブルWKの長さ方向に予め定めた幅ΔWと予め定めた長さLとの第1の走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第1走査区間微少磁束値を順次に記憶し、
次に、上記外周から鋼心ケーブルWKの直径方向に上記第1の走査区間に隣り合う第2の走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第2走査区間微少磁束値を順次に記憶し、
以下上記外周から順次に鋼心ケーブルWKの直径方向に上記第2ないし第(N−1)の走査区間にそれぞれ隣り合う第3ないし第Nの走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第3走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を順次に記憶し、
上記第1走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を鋼心ケーブルWKの直径方向に配置して第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値を記憶し、
鋼心ケーブルWKの連続した位置に上記第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値を表示して、
鋼心ケーブルWKの内部欠陥が存在する位置で生じる連続位置順配置磁束値の不均一から上記内部欠陥が存在する位置および欠陥状態を判別するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0026】
実施態様3は、外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えたSQUIDセンサ1を使用して鋼心ケーブルWKの欠陥を検査する方法において、
残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、鋼心ケーブル長さ方向(X軸方向)および鋼心ケーブルWKの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とに直交する検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)に、SQUIDセンサ1と鋼心ケーブルWKとを相対移動させて、微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される微少磁束値を順次に記憶し、
上記微少磁束値を読み出してケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面的にまたはケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)とが形成する3次元立体面的に配置した連続位置順配置磁束値を記憶し、
上記連続位置順配置磁束値を読み出して、上記2次元平面的または上記3次元立体面的にケーブル位置対応磁束分布を表示して、
鋼心ケーブルWKの内部欠陥が存在する位置で生じる上記連続位置順配置磁束値の不均一から鋼心ケーブルWKの長さ方向の各位置および上記検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)の内部欠陥の欠陥状態を判別するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0027】
実施態様4は、外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えたSQUIDセンサ1を使用して鋼心ケーブルWKの欠陥を検査する方法において、
残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、鋼心ケーブルの長さ方向(X軸方向)および鋼心ケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とに直交する検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)に、SQUIDセンサと鋼心ケーブルとを相対移動させて、微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される微少磁束検出信号1sを順次にA/Dコンバータ11に入力して磁束ディジタル信号11sを出力するA/Dコンバータステップと、
上記磁束ディジタル信号11sを入力してケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面的にまたはケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)とが形成する3次元立体面的に配置して記憶した後に、画像化処理信号12sを出力する画像化処理ステップと、
上記画像化処理信号12sを入力して磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力するコンポリューション化ステップと、
上記差分化信号13sを入力して測定画面メモリ信号14sを出力する測定画面メモリステップと、
上記測定画面メモリ信号14sを入力して3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較した測定画面比較信号15sを出力する測定画面比較ステップと、
上記測定画面比較信号15sを入力して測定画像表示機構16に表示させるステップとからなり、
鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0028】
実施態様5は、鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んでいるときに、実施態様1ないし実施態様4に記載の連続位置順配置磁束値の不均一から上記内部欠陥が存在する位置および欠陥状態であると判別するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0029】
実施態様6は、図1に示すように、SQUIDセンサを用いて、鋼心ケーブルの内部劣化現象を3次元に非破壊検査する装置であって、2次微分型DC-SQUIDグラジオメータ1を使用したSQUIDセンサを冷却する冷却手段2と、残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、鋼心ケーブルを2次元に走査して得られる磁場の変化を3次元画像データとして処理し、前記3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較して鋼心ケーブルの3次元的に判断する画像処理手段PCとを備えたSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0030】
実施態様7は、実施態様6に記載の画像処理手段PC、磁場分布の傾き補正手段として畳み込み積分を用いて鋼心ケーブルの線方向に対して得た差分化信号13sを画像データとする処理を含んだSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0031】
実施態様8は、実施態様6に記載の画像処理手段PCが、磁場分布の傾き補正処理したデータを予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データと比較して、鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0032】
実施態様9は、外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えたSQUIDセンサ1を使用して鋼心ケーブルWKの欠陥を検査する検査装置において、
SQUIDセンサを鋼心ケーブルの表面で鋼心ケーブルの長さ方向および鋼心ケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸とに直交する検出コイルケーブル長直交方向に、SQUIDセンサと鋼心ケーブルとを相対移動させて、残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、SQUIDセンサ1で鋼心ケーブルWKの外周から走査して微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される微少検出磁束信号1sをSQUIDセンサによって検出される微少磁束検出信号1sをディジタル化して順次に磁束ディジタル信号11sを出力するA/Dコンバータ11と、
上記磁束ディジタル信号11sを入力してケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面(Y軸とZ軸平面)的にまたはケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(X軸方向)とが形成する3次元立体面(Y軸とZ軸平面およびX軸とZ軸平面)的に配置して記憶した後に、画像化処理信号12sを出力する画像化処理回路12と、
上記画像化処理信号12sを入力して磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力するコンポリューション13と、
上記差分化信号13sを入力して測定画面メモリ信号14sを出力する測定画面メモリ14と、
上記測定画面メモリ信号14sを入力して3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較した測定画面比較信号15sを出力する測定画面比較回路15とを備えて、
上記測定画面比較信号15sを入力して表示させる測定画像表示機構16とを備えて、
鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0033】
実施態様10は、外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えたSQUIDセンサ1を使用して鋼心ケーブルWKの欠陥を検査する検査装置において、
残留磁気がない鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、SQUIDセンサ1で鋼心ケーブルWKの外周から鋼心ケーブルWKの長さ方向に予め定めた幅ΔWと予め定めた長さLとの第1の走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第1走査区間微少磁束値を順次に記憶する第1走査区間微少磁束値記憶回路と、
次に、上記外周から鋼心ケーブルWKの直径方向に上記第1の走査区間に隣り合う第2の走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第2走査区間微少磁束値を順次に記憶する第2走査区間微少磁束値記憶回路と、
以下上記外周から順次に鋼心ケーブルWKの直径方向に上記第2ないし第(N−1)の走査区間にそれぞれ隣り合う第3ないし第Nの走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第3走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を順次に記憶する第3ないし第N走査区間微少磁束値記憶回路と、
上記第1走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を鋼心ケーブルWKの直径方向に配置して第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値を記憶する第1ないし第N走査区間の連続配置磁束記憶回路と、
鋼心ケーブルWKの連続した位置に上記第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値を測定した微少検出磁束信号1sをSQUIDセンサによって検出される微少磁束検出信号1sをディジタル化して順次に磁束ディジタル信号11sを出力するA/Dコンバータ11と、
上記磁束ディジタル信号11sを入力してケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面(Y軸とZ軸平面)的にまたはケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(X軸方向)とが形成する3次元立体面(Y軸とZ軸平面およびX軸とZ軸平面)的に配置して記憶した後に、画像化処理信号12sを出力する画像化処理回路12と、
上記画像化処理信号12sを入力して磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力するコンポリューション13と、
上記差分化信号13sを入力して測定画面メモリ信号14sを出力する測定画面メモリ14と、
上記測定画面メモリ信号14sを入力して3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較した測定画面比較信号15sを出力する測定画面比較回路15と、
上記測定画面比較信号15sを入力して表示させる測定画像表示機構16とを備えて、
鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
[第2の発明の実施態様]
実施態様11は、SQUIDセンサを用いて、鋼心ケーブルの内部劣化現象を検査する方法であって、SQUIDセンサを鋼心ケーブルの表面で走査し、印加した磁界から生じる磁場の変化を算出し、前記算出した磁場の変化を画像データとして処理することにより、鋼心ケーブルの内部劣化現象を検査するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0034】
実施態様12は、実施態様11に記載の画像データが、鋼心ケーブルの内部劣化現象を検出して処理した劣化現象データであるとき、前記劣化現象データを処理して表示される画像は、鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されるSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0035】
実施態様13は、図9の検査装置のブロック図に示すように、SQUIDセンサを用いて、鋼心ケーブルの内部劣化現象を検査する方法であって、
SQUIDセンサを鋼心ケーブルの表面で鋼心ケーブルの長さ方向(X軸方向)および鋼心ケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とに直交する検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)に、SQUIDセンサと鋼心ケーブルとを相対移動させて、印加した磁界から生じる磁場の変化をSQUIDセンサによって検出した微少磁束検出信号1sを順次にディジタル化して磁束ディジタル信号11sを出力するA/Dコンバータステップと、
上記磁束ディジタル信号11sを入力してケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面的にまたはケーブルの長さ方向(X軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(Y軸方向)とが形成する3次元立体面的に配置して記憶した後に、画像化処理信号12sを出力する画像化処理ステップと、
上記画像化処理信号12sを入力して磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力するコンポリューション化ステップと、
上記差分化信号13sを入力して測定画面メモリ信号14sを出力する測定画面メモリステップと、
上記測定画面メモリ信号14sを入力して3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較した測定画面比較信号15sを出力する測定画面比較ステップと、
上記測定画面比較信号15sを入力して測定画像表示機構16に表示させるステップとからなり、
鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査方法である。
【0036】
実施態様14は、図9に示すように、SQUIDセンサを用いて、鋼心ケーブルの内部劣化現象を3次元に非破壊検査する装置であって、2次微分型 DC-SQUIDグラジオメータ1を使用したSQUIDセンサを冷却する冷却手段2と、鋼心ケーブルの残留磁気を消磁すると共に鋼心ケーブルの内部欠陥を検査する近傍に配置されて均一な磁界を与えるための磁場形成コイル4と、鋼心ケーブルを2次元に走査して得られる磁場の変化を3次元画像データとして処理し、前記3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較して鋼心ケーブルの3次元的に判断する画像処理手段PCとを備えたSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0037】
実施態様15は、実施態様14に記載の画像処理手段PC、磁場分布の傾き補正手段として畳み込み積分を用いて鋼心ケーブルの線方向に対して得た差分化信号13sを画像データとする処理を含んだSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0038】
実施態様16は、実施態様14に記載の画像処理手段PCが、磁場分布の傾き補正処理したデータを予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データと比較して、鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0039】
実施態様17は、図9に示すように、SQUIDセンサを用いて、鋼心ケーブルの内部劣化現象を3次元に非破壊検査する装置において、
SQUIDセンサを鋼心ケーブルの表面で鋼心ケーブルの長さ方向および鋼心ケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸とに直交する検出コイルケーブル長直交方向に、SQUIDセンサと鋼心ケーブルとを相対移動させて、鋼心ケーブルの残留磁気がない状態または残留磁気を消磁した状態で、鋼心ケーブルに均一な磁界を与えて鋼心ケーブルから漏洩磁束を発生させ、SQUIDセンサによって検出される微少磁束検出信号1sをディジタル化して順次に磁束ディジタル信号11sを出力するA/Dコンバータ11と、
上記磁束ディジタル信号11sを入力してケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面(Y軸とZ軸平面)的にまたはケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(X軸方向)とが形成する3次元立体面(Y軸とZ軸平面およびX軸とZ軸平面)的に配置して記憶した後に、画像化処理信号12sを出力する画像化処理回路12と、
上記画像化処理信号12sを入力して磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力するコンポリューション13と、
上記差分化信号13sを入力して測定画面メモリ信号14sを出力する測定画面メモリ14と、
上記測定画面メモリ信号14sを入力して3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較した測定画面比較信号15sを出力する測定画面比較回路15と、
上記測定画面比較信号15sを入力して表示させる測定画像表示機構16とを備えて、
鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断するSQUIDセンサによる非破壊検査装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】
[第1の発明の実施の形態]
以下、図1に基づいて第1の発明の実施の形態を説明する。なお、前述した図2ないし図8で説明した同一または相当する部分には、同一の参照番号を付しその説明は繰り返さない。
【0041】
図1は、SQUIDセンサによる本発明の非破壊検査方法を実施する非破壊検査装置のブロック図であると共に本発明の非破壊検査装置のブロック図である。同図は、SQUIDセンサに超電導現象が生じる4K程度に冷却するクライオスタット2の下方に、残留磁気がない鋼心ケーブルWKを配置する。
【0042】
第1の発明の方法および装置は、従来技術1または従来技術2のように、磁性体の位置または磁性体の内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで残留磁気のない状態また消磁した状態で、鋼心ケーブルに均一な磁界を与えておいて、残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、SQUIDセンサで鋼心ケーブルの微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から微少磁束の不均一を検出することによって、鋼心ケーブルの内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別することができる。
【0043】
同図において、試料としての鋼心ケーブルWKに残留磁気があるときは、検査前に磁場形成コイル4に消磁電流を通電して消磁する。鋼心ケーブルWKの表面を、SQUIDセンサに超電導現象を生じさせる4K程度に冷却するクライオスタット2で冷却された2次微分型DCクラジオメータ1で2次元に走査して検出した微少磁束検出信号1sをセンサ駆動回路5に出力する。
【0044】
センサ・ケーブル相対移動機構10は、鋼心ケーブルWKの検出断面をSQUIDセンサで走査するために、SQUIDセンサ1と鋼心ケーブルWKとを、鋼心ケーブルの長さ方向(Y軸方向)および鋼心ケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とに直交する検出コイルケーブル長直交方向(X軸方向)にSQUIDセンサまたは鋼心ケーブルまたは両者を移動(相対移動)させる。
【0045】
センサ駆動回路5から出力する検出磁束出力信号5sをA/Dコンバータ11でディジタル信号に変換してディジタル磁束信号11sを出力する。このディジタル磁束信号11sを入力して3次元画像データとして画像処理して測定画像を表示する画像処理手段PCに出力する。
【0046】
上記センサ駆動回路5は、制御電源回路9が出力したセンサ(電気的)駆動のためのバイアス電流、線形性をもたせるフィードバック信号などをSQUIDセンサに供給(出力)すると共に、SQUIDセンサで検出した(劣化の可能性のある鋼心ケーブルから検出した)微少磁束検出信号1sを入力し、信号レベル変換、ノイズ除去、信号選択などをして残留磁気位置表示に必要な検出磁束出力信号5sを出力する。制御電源回路9は、商用電源電圧を検出コイル補正、センサ(電気的)駆動、消磁、測定磁場形成などの制御電源電圧に変換して出力する。
【0047】
上記ディジタル磁束信号11sを入力してから測定画像を表示するまでの画像処理手段PCとして本発明では、パソコンPCを使用している。パソコンPCは、上記ディジタル磁束信号11sを画像化処理回路12に入力して画像化処理をして得られた画像化処理信号12sをコンポリューション13によってコンポリューション(畳み込み積分)化する。このコンポリューション化は、磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力する。上記差分化信号13sを測定画面メモリ14に記憶する。
【0048】
上記画像化処理回路12は、ディジタル磁束信号11sを入力して鋼心ケーブルの内部欠陥が存在する位置で生じる漏洩磁束の不均一を走査検出した磁束変化を、ケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)とが形成する2次元平面(Y軸とZ軸平面)的にまたはケーブルの長さ方向(Y軸方向)と検出コイルの中心軸(Z軸方向)と上記検出コイルケーブル長直交方向(X軸方向)とが形成する3次元立体面(Y軸とZ軸平面およびX軸とZ軸平面)的に表示するための画像化処理信号12sを出力する。
【0049】
上記画像処理手段PCは、3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを測定画面比較回路15で比較した測定画面比較信号15sを測定画像表示機構16に表示させて鋼心ケーブルの3次元的に判断する。
【0050】
上記測定画面比較信号15sを入力とする測定画像表示機構16において、鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断する。
【0051】
第1の発明において従来技術1または従来技術2と異なる基本的な構成は、前述したように、従来技術1または従来技術2のように、磁性体の内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで消磁した状態で、「残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体MAを形成している状態で、SQUIDセンサで鋼心ケーブルの微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から微少磁束の不均一を検出することによって、磁性体の内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別する」ことにある。
【0052】
図7は、鋼心ケーブルWKの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びた微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…を説明するための微少磁荷磁気双極子集合体領域Ma,Mb,Mc,…模式図である。同図において、磁気双極子Mは個々には、微少磁荷を帯びた微少磁荷磁気双極子であるが、磁気双極子の集合体MAは、残留磁気を有していない。すなわち、本発明を適用するためには、従来技術のような残留磁気があってはならない。
【0053】
本発明を適用するための磁気双極子の集合体MAは、例えば、SQUIDセンサ1の検出コイルが停止しているときの検出コイルの最小検出範囲(分解能)である微少磁荷磁気双極子の集合体領域(以下、磁荷双極子集合体領域という)Ma,Mb,Mc,…から形成されている。SQUIDセンサ1で鋼心ケーブルWKの外周から走査して微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…それぞれの微少磁束の集合した磁束値を測定する。
【0054】
この微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…それぞれの微少集合磁束値は、後述する図24(A)ないし図29の実施例で示すように、鋼心ケーブルの内部欠陥が存在する位置で不均一になるために内部欠陥が存在する位置および欠陥状態を判別することができる。
【0055】
図8は、第1走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を鋼心ケーブルWKの直径方向に配置して第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値の大きさを説明するための第1ないし第N走査区間連続位置順配置磁束値差分化処理済データ図である。同図において、図7と同様の部分には図7と同一符号を付しているが、磁気双極子の集合体MAに内部欠陥(クラック)が存在する場合を想定して説明する。
【0056】
SQUIDセンサ1で鋼心ケーブルWKの外周から鋼心ケーブルWKの長さ方向に予め定めた幅ΔWと予め定めた長さLとの第1の走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第1走査区間微少磁束値を測定する。次に、上記外周から鋼心ケーブルWKの直径方向に上記第1の走査区間に隣り合う第2の走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第2走査区間微少磁束値を順次に検出する。以下上記外周から順次に鋼心ケーブルWKの直径方向に上記第2ないし第(N−1)の走査区間にそれぞれ隣り合う第3ないし第Nの走査区間を走査して、走査した微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から検出される第3走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を順次に検出する。上記第1走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を鋼心ケーブルWKの直径方向に配置して第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値を測定する。
【0057】
同図の拡大図中の磁荷双極子集合体領域(Ma,Mb,Mc,…)ごとの数字は、後述する図10ないし図18のコンポリューション・フィルターを適用して検出磁束値を差分化処理した例示データである。数字「0」ないし「3」は、検出磁束値の小から大への重み付けを想定している。「0」はアルミより線の部分で検出磁束値が「検出できない」状態、「1」は検出磁束値が「非常に弱い」状態、「2」は検出磁束値が「大きい」状態、「3」は検出磁束値が「最大」の状態を想定している。このように、磁気双極子の集合体MAに内部欠陥(クラック)が存在すると、連続配置磁束が不均一になり、鋼心ケーブルWKの内部欠陥が存在する位置で生じる連続位置順配置磁束値の不均一から上記内部欠陥が存在する位置および欠陥状態を判別することができる。
[第2の発明の実施の形態]
以下、図9に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、前述した図2ないし図6で説明した同一または相当する部分には、同一の参照番号を付しその説明は繰り返さない。
【0058】
第2の発明の方法および装置は、従来技術1または従来技術2のように、磁性体の位置または磁性体の内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで消磁した状態で、鋼心ケーブルに均一な磁界を与えておいて、鋼心ケーブルの内部に欠陥がある位置で磁束が不均一になって漏洩磁束が発生することによって、鋼心ケーブルの内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別することができる。
【0059】
同図において、試料としての鋼心ケーブルWKは、検査前に磁場形成コイル4に消磁電流を通電して消磁する。鋼心ケーブルWKの表面を、SQUIDセンサに超電導現象を生じさせる4K程度に冷却するクライオスタット2で冷却された2次微分型DCクラジオメータ1で2次元に走査して検出した微少磁束検出信号1sをセンサ駆動回路5に出力する。
【0060】
以下、前述した図1の説明と同様であるので図9の説明を省略する。
第2の発明の実施態様において、従来技術1または従来技術2と異なる基本的な構成は、前述したように、従来技術1または従来技術2のように、磁性体の内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで消磁した状態で、鋼心ケーブルに均一な磁界を与えておいて、鋼心ケーブルの内部に欠陥がある位置で磁束が不均一になって漏洩磁束が発生することにあるので、下記の構成が追加されている。
【0061】
本発明において、鋼心ケーブルの残留磁気を消磁すると共に鋼心ケーブルの内部欠陥を検査する近傍に配置されて均一な磁界を与えるための磁場形成コイル4と、磁場形成コイル4に残留磁気を消磁するための消磁電流および均一な磁界をつくるための測定磁場電流を通電し、鋼心ケーブルの残留磁気がない状態または残留磁気を消磁した状態で、鋼心ケーブルに均一な磁界を与えて鋼心ケーブルから漏洩磁束を発生させ消磁電流および測定磁場電流を通電する磁場電流発生回路20とが追加されている。
【0062】
なお、従来技術1または従来技術2に記載されている「入力コイル」は検出コイルと同軸(Z軸方向)に配置されているために、鋼心ケーブルの外周方向からしか磁界を与えることができない。それに対して、本発明に使用する磁場形成コイル4の中心軸は鋼心ケーブルの長さ方向(Y軸方向)となるように配置されているので、鋼心ケーブルの断面に均一な磁界を与えることができる。従って、従来技術1または従来技術2に記載されている「入力コイル」が与える磁界の方向では、本発明に使用する磁場形成コイル4が与える磁界のように鋼心ケーブルの断面に均一な磁界を与えることができないので、第2の発明の目的を達成することができない。
[コンポリューション・フィルターの原理]
以下、前述した実施態様4、実施態様9、実施態様10、実施態様13および実施態様17に記載した「画像化処理信号12sを入力して鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号13sを出力するコンポリューション13」の主要部であるコンポリューション・フィルター(以下、フィルタという)の原理について、図11ないし図18を参照して説明する。コンポリューションすることを重畳積分するまたは差分化するともいわれている。
[図10の説明]
図10は、SQUIDセンサによって投影した同図(B)に示す画像データを、たとえば、同図(A)に示す整数値を代入したフィルターによって差分化処理した定数代入済み画像データ・フィルター関係図である。
【0063】
このフィルターは、画像処理では通常、雑音、測定誤差などによって生じる画像データのばらつきを円滑化(スムージング)する平滑化フィルターの一種であって、たとえば、図10(A)に示す整数値を代入したフィルターによって差分化処理をする。このフィルターに代入する数値によってフィルターの特性が変化してフィルタリングされた画像データが異なる。
【0064】
図10(A)に示す9点(ピクセル)フィルターは、3×3のマトリックスの画面を作り、データの重み(大小レベル)を、1.2.1に位置づけ、9個のピクセルに縦横のピクセル値が1.2.1の関係になるようにして、同図(B)に示す25点(5×5ピクセル)フィルタリングされた画像データを生成する。
[図11ないし図18の説明]
図11は、図11(B)に示す符号化された画像データを、同図(A)に示す符号化変数のフィルターによって差分化処理する符号化画像データ・フィルター関係図である。図11(A)に示す9点(ピクセル)フィルターは、3×3のマトリックスの画面を作り、データの重み(大小レベル)を、符号化変数h1ないしh9に位置づけ、9個のピクセルに縦横のピクセル値が1.2.1の関係になるようにして、同図(B)に示す25点(5×5ピクセル)フィルタリングされた符号化データf1ないしf25の画像データを生成する。
【0065】
図12は、上記の図11(A)に示す符号化変数のフィルターが畳み込み積分を行うために同図(A)を横方向に折り返して同図(B)のフィルタを生成し、続けて縦方向に折り返して同図(C)のフィルタを生成したフィルター縦横折り返し関係図である。
【0066】
図13は、同図(A)のh9ないしh1の縦横折り返しフィルターを同図(B)に示すf1ないしf25の画像データの左上端に一致するように重ねて、同図(C)に示す画像データの左上端フィルタ重ね合わせの画像データを生成した左上端フィルタ重ね合わせ画像データである。
【0067】
なお、図13(A)の縦横折り返しフィルターは、上記の図12(C)で生成した縦横折り返しフィルターであり、また、図13(C)に示す符号化データf1ないしf25の画像データ25点(5×5ピクセル)は図11で生成した画像データである。
【0068】
図14は、図13(C)で生成した画像データを、図14(A)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g1を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上端重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【0069】
図15は、図12(C)のh9ないしh1の縦横折り返しフィルターの左上端ピクセルh9を、図15(A)に示すように、図11(B)に示す画像データの左上端から2列目のピクセル(f2)に一致するように重ねて、図15(B)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g2を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上2列目重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【0070】
図16は、図12(C)のh9ないしh1の縦横折り返しフィルターの左上端ピクセルh9を、図16(A)に示すように、図11(B)に示す画像データの左上端から3列目のピクセル(f3)に一致するように重ねて、図16(B)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g3を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上3列目重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【0071】
図17は、図12(C)のh9ないしh1の縦横折り返しフィルターの左上端ピクセルh9を、図17(A)に示すように、図11(B)に示す画像データの左上端から2段目(2行目)のピクセル(f16)に一致するように重ねて、図17(B)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g4を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上2段目重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【0072】
図18は、図12(C)のh9ないしh1の縦横折り返しフィルターの左上端ピクセルh9を、図示を省略しているが、最終の左上端から3列目および3行目まで順次にずらして、図18(A)に示す投影データの重ね最終位置で計算されたピクセル値g9を記録したピクセル値記録データとの関係を示す重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【0073】
【実施例】
図19は、SQUIDセンサによって、後述する劣化している鋼心アルミより線を3次元に投影した画像データを示す3次元投影画像データ図である。この投影した画像データをフィルターによって差分化処理して図示していないピクセルデータを生成する。このピクセルデータに基づいて後述する図21のフィルタリング後画像データを生成する。
【0074】
図20は、鋼心アルミより線の3次元投影画像データを差分化処理および傾き補正する傾き補正・差分化処理図である。右側縦方向の画像データの白い線は鋼心アルミより線の断面(Y軸)方向の投影画像データ図であって中央部分が磁束密度が高いことを示している。また、下側横方向の画像データの白い線は鋼心アルミより線の長さ(X軸)方向の投影画像データ図であって長さ方向に磁束密度が変化していることを示している。
【0075】
図21は、データの重み付けの数値(コンポリューション・フィルター係数)を代入したフィルター係数テーブルである。テーブルの列方向Xは、図1に示すSQUIDセンサの中心軸(Z軸方向)の重み付けを0とし、その断面両側をそれぞれ−1および+1としている。また、テーブルの行方向Yは、図1に示すSQUIDセンサの中心軸(Z軸方向)の重み付けを0としその通過した側を−1とし未通過側を+1としている。
【0076】
図22は、図19の3次元投影画像データを、ピクセルデータを使用して、傾き補正および差分化処理して生成したフィルタリング後の画像データを示す3次元フィルタリング画像データ図である。
【0077】
以下の実施例は、図1または図9の本発明の検査装置を使用して本発明の方法を実施した例を示す。図23は、SQUIDセンサによって内部検査をする鋼心アルミより線の断面図である。
【0078】
図24(A)は、劣化していない鋼心アルミより線の長さ方向断面図である。同図において、紙面上部および下部の白い部分がアルミより線であり、中央の複数の線分の部分が鋼心である。図24(B)は、劣化していない鋼心アルミより線の長さ方向に沿ってSQUIDセンサによって内部検査をしたときの検出磁束値正常表示図である。上記の検出磁束値正常表示図において、紙面上部および下部の白い部分が鋼心の外周部であって検出磁束値が低いことを示し、逆に、中心部の黒い部分は鋼心の磁束によって検出磁束値が高いことを示している。
【0079】
図25(A)は、点線で示すように鋼心が腐食して鋼心断面が減少した鋼心アルミより線の長さ方向断面図である。同図において、紙面上部および下部の白い部分がアルミより線であり、中央の複数の線分の部分が鋼心である。図25(B)は、図25(A)の鋼心が腐食して鋼心断面が減少した鋼心アルミより線の長さ方向に沿ってSQUIDセンサによって内部検査をしたときの内部で検出磁束値が激減した状態を示す内部検出磁束値低下表示図である。上記の検出磁束値低下表示図において、紙面上部および下部の白い部分が鋼心の外周部であって検出磁束値が低いことを示し、逆に、中心部の黒い部分は鋼心の磁束によって検出磁束値が高いことを示している。
【0080】
図26(A)は、点線で示すように、鋼心の外周の1箇所にクラックが発生して外周の磁束通路が途切れた鋼心アルミより線の長さ方向断面図である。図26(B)は、図25(B)の紙面上部の鋼心にクラックが発生して外周の磁束通路が途切れた鋼心アルミより線の長さ方向に沿ってSQUIDセンサによって内部検査をしたときの鋼心外周で検出磁束値が低下した状態を示す鋼心外周検出磁束値低下表示図である。
【0081】
上記の鋼心外周検出磁束値低下表示図において、紙面上部および下部の白い部分が鋼心の外周部であって検出磁束値が低いことを示し、逆に、中心部の黒い部分は鋼心の磁束によって検出磁束値が高いことを示している。また上記表示図において、紙面上部の白い部分に鋼心外周で検出磁束値が低下した状態を示しているのに対して、紙面下部の白い部分は、鋼心にクラックが発生していないために鋼心外周で検出磁束値が低下していない状態を示している。
【0082】
このように、鋼心外周検出磁束値低下表示図の上側の鋼心にクラックが発生して外周の磁束通路が途切れた部分で鋼心外周検出磁束値が低下しているのに対して、表示図の下側の鋼心にクラックが発生していない外周では、磁束通路が途切れていないので鋼心外周検出磁束値は低下していない。従って、表示図の上側の鋼心外周検出磁束値と表示図の下側の鋼心外周検出磁束値とは非対称になっている。
【0083】
図27は、実線で示すように、鋼心が腐食して鋼心断面が減少した鋼心アルミより線の長さ方向断面図である。この鋼心アルミより線の長さ方向断面図に示すように、外側から1層目および2層目にある素線が硬質アルミニウムであり、3層目および中心の素線が鋼である。この図27は3層目の鋼心の素線を幅10mm、深さ1.25mm切削して、符号Aで示す位置での腐食劣化を想定した鋼心アルミより線を示す。
【0084】
図28は、図27の鋼心が腐食して鋼心断面が減少した断面をSQUIDセンサによって断面の平面を走査したときの内部の検出磁束値の変化状態を2次元的に測定した断面検出磁束値低下表示図である。
【0085】
図27の符号Aで示した鋼心の劣化想定位置に検出磁束値の低下が見られ直径方向(X軸方向)に検出磁束値が変化している。また、長さ方向(Y軸方向)でも、図28の符号Aで示す位置が劣化を想定して切削した凹部の中心位置になっている。他方、鋼心の劣化想定をしていない位置の検出磁束値は長さ方向(X軸方向)は全面黒く検出磁束値が高くて変化していない。
【0086】
図29は、図27の鋼心が腐食して鋼心断面が減少した断面をSQUIDセンサによって3次元的に走査したときの内部の検出磁束値の変化状態を3次元的(立体的)に測定した断面検出磁束値低下表示図である。鋼心の劣化想定位置で表示図の白色で表されているように、径方向に検出磁束値が減少している。鋼心が劣化していない部分では黒く検出磁束値が高くて変化していないが、鋼心が劣化している部分では検出磁束値が白色の円錐状に低下している。
【0087】
以上の図24(A)ないし図29の実施例で示したように、アルミより線の内部にあって外周から見ることができない鋼心に腐食、素線の断線、クラックなどの劣化があった場合でも、鋼心の残留磁気がない状態で、鋼心に均一な測定用磁場を形成すると、劣化した位置で検出磁束値が不均一になるので、この検出磁束値の変化状態を表示させれば、劣化が腐食、素線の断線、クラックなどのいずれであるかを判別することができる。
【0088】
今回開示された実施の形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0089】
【発明の効果】
第1の発明によれば、鋼心ケーブルの内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで残留磁気のない状態また消磁した状態で、残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、SQUIDセンサで鋼心ケーブルの微少磁荷磁気双極子の集合体領域Ma,Mb,Mc,…から微少磁束の不均一を検出することによって、磁性体の内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別することができる。
【0090】
第2の発明によれば、鋼心ケーブルの内部の欠陥によって生じる磁性体の「磁気特性変化」を使わないで消磁した状態で、鋼心ケーブルの内部欠陥検査位置での内面に均一な磁界を与えて鋼心ケーブルから漏洩磁束を発生させることによって、鋼心ケーブルの内部の欠陥の位置は勿論、内部欠陥の欠陥状態まで判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 SQUIDセンサによる第1の発明の非破壊検査方法を実施する非破壊検査装置のブロック図であると共に第1の発明の非破壊検査装置のブロック図である。
【図2】 従来技術1に記載されたSQUIDセンサの検出コイルの原理図である。
【図3】 従来技術2の図1に記載されたSQUIDセンサによって鉄筋を検出するときの説明図である。
【図4】 従来技術2の図3に記載された試験体の異径鉄筋の形状を示すコンクリート埋設異径鉄筋図である。
【図5】 従来技術2の図5に記載された試験体の異径鉄筋の位置を検出する埋設鉄筋位置検出概略図である。
【図6】 従来技術2の図5に記載された試験体の異径鉄筋の位置を検出したときの鉄筋の中心軸からの外周方向の距離と検出電圧との従来技術2の図6に示す鉄筋位置検出電圧測定図である。
【図7】 鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子Mが微少磁荷を帯びた微少磁荷磁気双極子の集合体領域を説明するための微少磁荷磁気双極子集合体領域模式図である。
【図8】 第1走査区間ないし第N走査区間微少磁束値を鋼心ケーブルWKの直径方向に配置して第1ないし第N走査区間の連続位置順配置磁束値の大きさを説明するための第1ないし第N走査区間連続位置順配置磁束値差分化処理済データ図である。
【図9】 SQUIDセンサによる第2の本発明の非破壊検査方法を実施する非破壊検査装置のブロック図であると共に第2の発明の非破壊検査装置のブロック図である。
【図10】 SQUIDセンサによって投影した同図(B)に示す画像データを同図(A)に示す整数値を代入したフィルターによって差分化処理した定数代入済み画像データ・フィルター関係図である。
【図11】 図11(B)に示す符号化された画像データを、同図(A)に示す符号化変数のフィルターによって差分化処理する符号化画像データ・フィルター関係図である。
【図12】 図10(A)に示す符号化変数のフィルターが畳み込み積分を行うために同図(A)を横方向に折り返して同図(B)のフィルタを生成し、続けて縦方向に折り返して同図(C)のフィルタを生成したフィルター縦横折り返し関係図である。
【図13】 同図(A)の縦横折り返しフィルターを同図(B)に示す画像データの左上端に一致するように重ねて、同図(C)に示す画像データの左上端フィルタ重ね合わせの画像データを生成した左上端フィルタ重ね合わせ画像データである。
【図14】 図14(A)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g1を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上端重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【図15】 図15(A)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g2を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上2列目重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【図16】 図16(A)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g3を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上3列目重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【図17】 図17(A)に示す重なった位置で計算されたピクセル値g4を記録したピクセル値記録データとの関係を示す左上2段目重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【図18】 縦横折り返しフィルターの左上端ピクセルh9を、最終の左上端から3列目および3行目まで順次にずらして、図18(A)に示すように、最終位置で計算されたピクセル値g9を記録したピクセル値記録データとの関係を示す重ね合わせ画像・ピクセルデータ関係図である。
【図19】 SQUIDセンサによって、鋼心アルミより線を3次元に投影した画像データを示す3次元投影画像データ図である。
【図20】 鋼心アルミより線の3次元投影画像データを差分化処理および傾き補正する傾き補正・差分化処理図である。
【図21】 データの重み付けの数値(コンポリューション・フィルター係数)を代入したフィルター係数テーブルである。
【図22】 図19の3次元投影画像データを、ピクセルデータを使用して、傾き補正および差分化処理して生成したフィルタリング後の画像データを示す3次元フィルタリング画像データ図である。
【図23】 SQUIDセンサによって内部検査をする鋼心アルミより線の断面図である。
【図24】 図24(A)は劣化していない鋼心アルミより線の長さ方向断面図であり、図24(B)は劣化していない鋼心アルミより線の長さ方向に沿ってSQUIDセンサによって内部検査をしたときの検出磁束値正常表示図である。
【図25】 図25(A)は点線で示すように鋼心が腐食して鋼心断面が減少した鋼心アルミより線の長さ方向断面図であり、図25(B)は図25(A)の鋼心が腐食して鋼心断面が減少した鋼心アルミより線の長さ方向で検出磁束値が激減した状態を示す内部検出磁束値低下表示図である。
【図26】 図26(A)は点線で示すように鋼心の外周の1箇所にクラックが発生して外周の磁束通路が途切れた鋼心アルミより線の長さ方向断面図であり、図26(B)は図26(A)の鋼心にクラックが発生して外周の磁束通路が途切れた鋼心アルミより線の長さ方向の鋼心外周で検出磁束値が低下した状態を示す鋼心外周検出磁束値低下表示図である。
【図27】 実線で示すように鋼心が腐食して鋼心断面が減少した鋼心アルミより線の長さ方向断面図である。
【図28】 図27の鋼心が腐食して鋼心断面が減少した断面をSQUIDセンサによって断面の平面を走査したときの内部の検出磁束値の変化状態を2次元的に測定した断面検出磁束値低下表示図である。
【図29】 図27の鋼心が腐食して鋼心断面が減少した断面をSQUIDセンサによって3次元的に走査したときの内部の検出磁束値の変化状態を3次元的(立体的)に測定した断面検出磁束値低下表示図である。
【符号の説明】
1 SQUIDセンサ、2 クライオスタット、4 磁場形成コイル、5 センサ駆動回路、9 制御電源回路、10 センサ・ケーブル相対移動機構、10A (従来の)鉄筋移動機構、11 A/Dコンバータ、12 画像化処理回路、13 コンポリューション、14 測定画面メモリ、15 測定画面比較回路、16 測定画像表示機構、20 磁場電流発生回路、M 磁気双極子、MA 微少磁荷磁気双極子の集合体、Ma,Mb,Mc,… 微少磁荷磁気双極子集合体領域、PC 画像処理手段、WK 鋼心ケーブル、1s 微少磁束検出信号、5s 検出磁束出力信号、11s 磁束ディジタル信号、12s 画像化処理信号、13s 差分化信号、14s 測定画面メモリ信号、15s 測定画面比較信号、L 集合体MAの予め定めた長さ、ΔW 集合体MAの各区間の予め定めた幅、nΔW 集合体MAの予め定めた幅。

Claims (4)

  1. 外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えた超電導量子干渉素子を使用して鋼心ケーブルの欠陥を検査する方法において、
    残留磁気がない鋼心ケーブルの鋼心の磁気双極子が微少磁荷を帯びて鋼心が微少磁荷磁気双極子の集合体を形成している状態で、鋼心ケーブル長さ方向および鋼心ケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸とに直交する検出コイルケーブル長直交方向に、超電導量子干渉素子と鋼心ケーブルとを相対移動させて、微少磁荷磁気双極子の集合体領域から検出される微少磁束値を順次に記憶し、
    前記微少磁束値を読み出してケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸とが形成する2次元平面的にまたはケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸と前記検出コイルケーブル長直交方向とが形成する3次元立体面的に配置した連続位置順配置磁束値を記憶し、
    前記連続位置順配置磁束値を読み出して、磁場分布の傾き補正手段として畳み込み積分を用いて鋼心ケーブルの線方向に対する差分化信号を得た上で、前記2次元平面的または前記3次元立体面的に前記差分化信号を配置した画像データとして処理することにより、
    鋼心ケーブルの内部欠陥が存在する位置で生じる前記連続位置順配置磁束値の不均一から鋼心ケーブルの長さ方向の各位置および前記検出コイルケーブル長直交方向の内部欠陥の欠陥状態を判別する超電導量子干渉素子による非破壊検査方法。
  2. 請求項に記載の画像データが、鋼心ケーブルの内部劣化現象を検出して処理した劣化現象データであるとき、前記劣化現象データを処理して表示される画像は、鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示される超電導量子干渉素子による非破壊検査方法。
  3. 超電導量子干渉素子を用いて、鋼心ケーブルの内部劣化現象を非破壊検査する装置であって、
    2次微分型DCクラジオメータを使用した超電導量子干渉素子を冷却する冷却手段と、鋼心ケーブルを2次元に走査して得られる磁場の変化を3次元画像データとして処理し、前記3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較して鋼心ケーブルの内部劣化現象を3次元的に判断する画像処理手段とを備え
    前記画像処理手段は、磁場分布の傾き補正手段として畳み込み積分を用いて鋼心ケーブルの線方向に対して得た差分化信号を画像データとする処理を含む、超電導量子干渉素子による非破壊検査装置。
  4. 外部磁束の変化を検出する検出コイルを備えた超電導量子干渉素子を使用して鋼心ケーブルの欠陥を検査する検査装置において、
    超電導量子干渉素子を鋼心ケーブルの表面で鋼心ケーブルの長さ方向および鋼心ケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸とに直交する検出コイルケーブル長直交方向に、超電導量子干渉素子と鋼心ケーブルとを相対移動させて、超電導量子干渉素子を鋼心ケーブルの外周から走査して超電導量子干渉素子によって検出される微少磁束検出信号をディジタル化して順次に磁束ディジタル信号を出力するA/Dコンバータと、
    前記磁束ディジタル信号を入力してケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸とが形成する二次元平面的にまたはケーブルの長さ方向と検出コイルの中心軸と前記検出コイルケーブル長直交方向とが形成する三次元立体面的に配置して記憶した後に、画像化処理信号を出力する画像化処理回路と、
    前記画像化処理信号を入力して磁場分布の傾き補正手段として用いて鋼心ケーブルの長さ方向に対して得た差分化信号を出力するコンポリューションと、
    前記差分化信号を入力して測定画面メモリ信号を出力する測定画面メモリと、
    前記測定画面メモリ信号を入力して3次元画像データと予め定めた鋼心ケーブルの健全な部分から生じる磁場の画像データである基準データとを比較した測定画面比較信号を出力する測定画面比較回路とを備えて、
    前記測定画面比較信号を入力して表示させる測定画像表示機構とを備えて、
    鋼心ケーブルの内部劣化した部分から生じる磁場の画像データが健全な部分から生じる磁場の画像データよりも磁場が低下し歪んで表示されたときに鋼心ケーブルの内部劣化であると判断する超電導量子干渉素子による非破壊検査装置。
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