JP4154659B2 - レンズシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズシステムに係り、特に距離目盛を参照してフォーカス調整することができるレンズシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
映画用カメラを用いた映画撮影では、被写体までの距離をメジャー等で実測し、撮影レンズのフォーカスリングに記されている距離目盛を実測距離に合わせることによりピント合せを行うのが一般的手法になっている。
【0003】
一方、近年では映画撮影においても高品位テレビジョン用のカメラや撮影レンズが使用されるようになってきているが、テレビ放送の撮影では、被写体距離を実測することは一般的でなく、ビューモニタの映像を確認しながらフォーカス調整を行うか、又は、オートフォーカスによりフォーカス調整を行うのが一般的である。このため、通常は、撮影レンズのフォーカスリング等には被写体距離を表す距離目盛が設けられていない。
【0004】
そこで、テレビジョン用の撮影レンズのフォーカスリングや、フォーカスコントローラの操作部材に距離目盛を設けることにより、テレビジョン用のカメラ、撮影レンズを映画撮影に使用する場合であっても、映画撮影の手法にならい距離目盛を用いてピント合せを行えるようにしようという提案がなされている。
【0005】
しかしながら、テレビジョン用の撮影レンズに距離目盛を設けた場合、高画質に対応した(ハイビジョンカメラ対応)撮影レンズほど次のような不具合が顕著になる。
【0006】
撮影レンズには、焦点距離を変更した際にピントがずれないようにトラッキングレンズを動かして事前にフランジバックを調整できるようにしたものがある。このような撮影レンズにおいてフランジバックを最適に調整したとしても温度変化等により撮影レンズの特性が変化すると、焦点距離を変更した際に焦点位置が変動し、画質が高品位になるほどその焦点位置の変動は無視できないほどのピントのずれを招く。即ち、同じ距離にある被写体にピントを合わせる場合であっても焦点距離が異なるとフォーカスの設定位置が異なる。したがって、被写体距離を正確に実測し、距離目盛を参照してフォーカスをその実測値に対応する位置に合わせたとしてもピントが合わない場合が生じる。
【0007】
一方、特許文献1には、上述のような温度変化等による焦点位置の変動をトラッキングレンズを移動させて補正する方法が提案されている。これによれば、焦点距離の変更に伴う焦点位置の変動をトラッキングレンズで補正するため、被写体距離が同じであれば焦点距離によらずピントが合うフォーカスの位置は一定となる。
【0008】
【特許文献1】
特公平6−64223号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においてはトラッキングレンズによる焦点位置の補正(以下、ピント補正という)が製造段階で設定されたデータのみに基づいて行われるため、ピント補正が正確に行われている保証はなく、また、製造上のバラツキ等による誤差も無視できなくなる場合がある。
【0010】
また、被写体距離を表す距離目盛を設けた場合の問題は焦点距離を変更した場合の焦点位置の変動のみではない。焦点距離の変更に伴う焦点位置の変動がないとしても製造上のバラツキ等のために距離目盛を参照して設定した被写体距離と実際にピントが合う被写体距離とが正確に一致しない場合がある。即ち、被写体距離を正確に実測し、距離目盛を参照してフォーカスをその実測値に対応する位置に合わせたとしてもピントが合わない場合が生じる。この問題は、焦点距離の変更に伴う焦点位置の変動を補正することを目的とする特許文献1の方法では解消されない。また、オートフォーカス等によって距離目盛を記した操作部材に機械的に連動するフォーカスレンズを駆動してピントを合わせると、距離目盛が示す被写体距離(指標に合わせられている距離目盛の目盛り値)が変化し、距離目盛の信頼性の低下を招くと共に意図した部分にピントがあっていないと操作者に誤解を招くおそれがある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みたもので、被写体距離を表す距離目盛によりフォーカス調整を行えるようにすると共に、距離目盛の信頼性向上等を図るレンズシステムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮影レンズのフォーカス調整を所定の操作部材のマニュアル操作により行うマニュアルフォーカス手段と、前記撮影レンズのフォーカスが最良ピントとなるようにフォーカス調整を自動で行うオートフォーカス手段とを備えたレンズシステムにおいて、前記操作部材に被写体距離を表す距離目盛を設け、前記操作部材によりフォーカス調整が行われると、前記オートフォーカス手段により前記操作部材と機械的に連動しないフォーカス調整用レンズの位置を補正してフォーカスが最良ピントとなるようにフォーカス調整を行うピント補正手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記撮影レンズは焦点距離の変更が可能であり、前記ピント補正手段は、前記オートフォーカス手段により実行した前記フォーカス調整用レンズの位置補正量を該実行時の焦点距離と対応させて記憶し、該記憶した位置補正量に基づいて現在設定されている焦点距離に対する位置補正量を取得して、該位置補正量分だけ前記フォーカス調整用レンズの位置を補正することを特徴としている。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記フォーカス調整用レンズは、トラッキング調整用レンズであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記撮影レンズは、前記フォーカス調整用レンズとして前群のフォーカス調整用レンズと、後群のフォーカス調整用レンズを備え、前記ピント補正手段は、前記撮影レンズの焦点距離が所定基準よりテレ側の場合には、前記前群のフォーカス調整用レンズの位置を補正し、前記撮影レンズの焦点距離が前記所定基準よりワイド側の場合には、前記後群のフォーカス調整用レンズの位置を補正することを特徴としている。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1に記載の発明において、前記操作部材は、レンズ鏡胴の周部を回動する操作リング、又は、コントローラに設けられた操作部材であることを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、マニュアルフォーカスの操作に使用される操作部材に被写体距離を表す距離目盛を設けたため、距離目盛を参照してフォーカス調整を行うことができる。そして、その操作部材によりフォーカス調整を行うとオートフォーカスによりピント補正が行われるために距離目盛の目盛り値と、その目盛り値に対して実際にピントが合う被写体距離とが正確に一致しない場合であってもピントが合わせられる。また、そのオートフォーカスによるピント補正は、距離目盛が設けられた操作部材と機械的に連動しないフォーカス調整用レンズの位置を補正して行われるため、距離目盛が示す被写体距離はピント補正が行われても変化しない。従って、距離目盛の信頼性が損なわれる不具合はなく、また、ピント補正によって距離目盛が示す被写体距離が変化することにより、意図した部分にピントが合っていないという誤解を操作者に与えるおそれも解消される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るレンズシステムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1は、本発明に係るレンズシステムの全体構成を示したブロック図である。同図に示すレンズシステムは一般にテレビジョン用として使用されるシステムに対して例えば映画撮影用として使用する際の利便性の向上が図られている。本レンズシステムの撮影レンズ(撮影光学系)は、例えばインナーフォーカス式のズームレンズであり、レンズ鏡胴内に配置された移動可能な構成レンズ群を前群から順に示すと、フォーカスレンズ(群)FL、バリエータレンズ(群)及びコンペンセータレンズ(群)とからなるズームレンズ(群)ZL、トラッキングレンズ(群)TLなどがある。尚、バリエータレンズ(群)とコンペンセータレンズ(群)とは所定の位置関係をもって連動するため図1のようにこれらの両方のレンズ(群)を含めてズームレンズ(群)ZLという。構成レンズを有する撮影レンズにより結像された被写体像は、図示しないテレビカメラ本体の撮像素子によって受光される。
【0020】
各レンズZL、FL、TLは、それぞれ対応するフォーカス用モータFM、ズーム用モータZM、トラッキング用モータTMに連結されており、各モータFM、ZM、TMよって光軸方向に駆動されるようになっている。各モータFM、ZM、TMは、それぞれCPU14からD/A変換器16を介して与えられる駆動信号に従ってそれぞれフォーカス用アンプFA、ズーム用アンプZA、トラッキング用アンプTAによって駆動される。
【0021】
CPU14は、フォーカスレンズFL、ズームレンズZL、及び、トラッキングレンズTLの状態が所望の目標位置や目標速度となるように各モータFM、ZM、TMの回転速度を決め、その回転速度に応じた電圧の駆動信号を上述のようにD/A変換器16を介して各アンプFA、ZA、TAに出力する。
【0022】
各モータFM、ZM、TMの回転位置を検出する各ポテンショメータFP、ZP、TPからは、それらの検出した回転位置が各レンズFA、ZA、TAの現在位置を示す情報としてCPU14に与えられており、CPU14は、各レンズFA、ZA、TAを所望の目標位置に設定する場合(位置制御の場合)には、目標位置と現在位置との差に応じた速度に各モータFM、ZM、TMの回転速度を決定する。
【0023】
フォーカスレンズFLは、一般に位置制御によるが、その際の目標位置は、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10又はフォーカスデマンド11により与えられる。フォーカスマニュアルコントロールリング機構10とフォーカスデマンド11のいずれを有効にするかは例えば所定の切替スイッチによって選択される。
【0024】
フォーカスマニュアルコントロールリング機構10は、レンズ鏡胴の周部に回動可能に配置されたフォーカスリングを備えており、そのフォーカスリングの回動位置に対応する値の指令信号がフォーカスレンズFLの目標位置を示す値としてA/D変換器13を介してCPU14に与えられるようになっている。したがって、フォーカスリングを回動操作すると、その回動位置に対応した位置にフォーカスレンズFLが移動する。
【0025】
また、このフォーカスリングには被写体距離を表す距離目盛が記されている。例えば、図2に示す展開図に示すように回動するフォーカスリング40には距離目盛の各目盛り値(被写体距離)が記され、鏡胴部42には線状の指標44が記される。指標に合わせる距離目盛の目盛り値をピントを合わせたい被写体距離に設定することでフォーカスレンズFLの目標位置がその被写体距離に対応した位置に設定される。これにより、距離目盛を参照してフォーカス調整を行うことができる。
【0026】
尚、本実施の形態では、レンズ鏡胴の周部に設けられるフォーカスリングとフォーカスレンズFLとが機械的に連動しない構成とし、電気的な連動によってフォーカスリングの回動に対して一方的にフォーカスレンズFLが追従する構成としたが、フォーカスリングとフォーカスレンズFLとが機械的に連動する構成とし、フォーカスリングとフォーカスレンズFLのいずれかが動作すると、その動作に他方が追従する場合であっても本発明を適用することができる。
【0027】
フォーカスデマンド11には例えばフォーカスノブ等の回動可能な操作部材が配置されており、そのフォーカスノブの回転位置に対応する値の指令信号がフォーカスレンズFLの目標位置を示す値としてフォーカスデマンド11からA/D変換器13を介してCPU14に与えられるようになっている。したがって、フォーカスノブを回動操作すると、その回動位置に対応した位置にフォーカスレンズFLが移動する。尚、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10と同様にフォーカスノブに距離目盛を記すようにすれば距離目盛を参照してフォーカス調整を行うことができるようになる。
【0028】
尚、以下の説明ではフォーカスマニュアルコントロールリング機構10によりフォーカス調整を行う場合について説明する。
【0029】
ズームレンズZLは、一般に所望の目標速度となるように制御(速度制御)されるが、その際の目標速度は、ズームデマンド12から出力される指令信号によりA/D変換器13を介してCPU14に与えられるようになっている。尚、ズームデマンド12の詳細については省略する。
【0030】
トラッキングレンズTLは、本来、フランジバック調整用レンズとして配置されており、一般に位置制御による。その際の目標位置は、図示しないトラッキングツマミやコントローラにより与えられる。
【0031】
また、トラッキングレンズTLは、その位置を変更することにより焦点位置が変わることからフォーカス調整用レンズでもあり、本実施の形態では、ピント補正のためにトラッキングレンズTLが駆動されるようになっている。
【0032】
ピント補正は、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10のフォーカスリングによりマニュアルでフォーカス調整を行うと、後述のオートフォーカス制御により最良ピントとなるようにフォーカスを自動調整する機能である。尚、この機能を有効にする場合にはAFスイッチS1をオンにする。
【0033】
オートフォーカス制御は、カメラ本体の撮像素子により生成された映像信号 (輝度信号)に基づいてコントラスト方式により行われるようになっている。カメラ本体で生成された映像信号は、図1に示すAF情報取得部17に取得され、まず、A/D変換器18によりデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された映像信号は、続いてハイパスフィルタ(HPF)20により高域周波数成分のみを抽出され、続いて、ゲート回路22に入力される。ゲート回路22は、映像信号の同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)に基づいて、入力された高域周波数成分の映像信号から撮影範囲内に設定された所定のフォーカスエリア内のみの信号を抽出する。ゲート回路22により抽出されたフォーカスエリア内の信号は加算回路24に入力され、映像信号における1フィールド分の範囲ごとに積算され、その積算された値がフォーカスエリア内の被写体に対するコントラストの高低(鮮鋭度)を示す焦点評価値としてCPU14に順次与えられる。
【0034】
CPU14は、上述のようにAF情報取得部17から得られる焦点評価値に基づいてトラッキング用モータTMを駆動する駆動信号をD/A変換器16を介してトラッキング用アンプTAに出力し、撮影レンズのフォーカスが最良ピントとなるようにトラッキングレンズTLの位置を補正する。具体的には、まず、トラッキングレンズTLを光軸方向に往復動作(ワブリング)させて、上記AF情報取得部17から得られる焦点評価値が増加する方向を検出する。尚、ワブリングはワブリング専用のレンズを駆動して行うようにしてもよい。そして、その検出した方向にトラッキングレンズTLを動かして焦点評価値が増加する方向に移動させてゆき、焦点評価値が極大となる位置にトラッキングレンズTLを停止させる(いわゆる山登りAF)。これにより、撮影レンズのフォーカスが最良ピントとなる状態に設定される。
【0035】
次に、ピント補正に関するCPU14の処理手順について図3のフローチャートを用いて説明する。CPU14は、まず、所要の初期設定を行った後(ステップS10)、AF以外の処理を実行する(ステップS12)。尚、AF以外の処理には、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10やフォーカスデマンド11等からの指令信号に基づくマニュアルフォーカスによるフォーカスレンズFLの駆動に関する処理も含まれる。尚、マニュアルフォーカスの操作は、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10のフォーカスリングのみによって行われるものとする。
【0036】
次に、CPU14は、フォーカス操作フラグをクリア(オフ)にし(ステップS14)、続いてAFスイッチS1がオンされたか否かを判定する(ステップS16)。NOと判定した場合には上記ステップS12に戻る。一方、YESと判定した場合は、ピント補正の処理に移行し、まず、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10によるマニュアルフォーカスの操作が有ったか否かを判定する(ステップS18)。YESと判定した場合には、フォーカス操作フラグをオンにし(ステップS20)、フォーカスマニュアルコントロールリング機構10により与えられた指令信号に基づいてフォーカスレンズFLを駆動する(フォーカス用アンプFAに駆動信号を出力する)(ステップS22)。そして、ステップS16に戻る。
【0037】
一方、ステップS18においてNOと判定した場合には、次にフォーカス操作ブラグがオンか否かを判定する(ステップS24)。NOと判定した場合、即ち、オートフォーカスにより一旦合焦が得られた後にマニュアルフォーカスの操作が行われていない場合には、ステップS16に戻る。
【0038】
一方、ステップS24においてYESと判定した場合には、トラッキングレンズTLを駆動してワブリングを行い(ステップS26)、上記AF情報取得部17からワブリング中の各点の焦点評価値を取得する。これによりCPU14はピントが無限遠方向にあるか否かを判定する(ステップS28)。YESと判定した場合には、トラッキングレンズTLの無限遠方向への移動を開始させる(ステップS30)。そして、その後、逐次、AF情報取得部17から焦点評価値を取得して焦点評価値が増加する方向にトラッキングレンズTLを移動させ(山登りAF)(ステップS32)、焦点評価値の減少を検出したか否か、即ち、合焦位置を検出したか否かを判定する(ステップS34)。ステップS32とステップS34の処理を繰り返すことにより、ステップS34において合焦位置を検出したと判定した場合にはトラッキングレンズTLを合焦位置に停止させる。この後、CPU14はフォーカス操作フラグをクリアし(ステップS36)、ステップS16に戻る。
【0039】
ステップS28においてNOと判定した場合には、次にピントが至近方向にあるか否かを判定する(ステップS38)。YESと判定した場合には、トラッキングレンズTLの至近方向への移動を開始させた後(ステップS40)、上記ステップS32〜ステップS36と同様の処理を行い、ステップS16に戻る。
【0040】
ステップS28及びステップS 38の両方においてNOと判定した場合には合焦が得られているため、トラッキングレンズTLを動かすことなくフォーカス操作フラグをクリアして(ステップS 36)、ステップS16に戻る。
【0041】
以上のピント補正の処理により次のような利点がある。例えば、映画撮影等において、被写体までの距離をメジャー等によって正確に実測し、フォーカスリングの距離目盛の目盛り値をその実測した被写体距離に合わせたとする。このとき、撮影レンズの温度特性や製造上のバラツキ等により実測した距離の被写体にピントが合わない場合がある。しかしながら、フォーカスリングの操作の後、オートフォーカスにより最良ピントとなるようにピント補正が行われるため、ピンボケとはならない。更に、オートフォーカスによるピント補正は、フォーカスリングと機械的に連動していないトラッキングレンズTLを駆動して行われるため、フォーカスリングの距離目盛は操作者が合わせた値から変化しない。従って、操作者が、自分の意図した被写体にピントが合っていないというような誤解を招くことはなく、また、距離目盛を参照してもピントが合わないというように距離目盛の信頼性が損なわれる不具合も防止される。
【0042】
以上、上記実施の形態では、オートフォーカスによるピント補正は、トラッキングレンズTLの位置を補正することにより行われていたが、図1のようにフォーカスレンズFLがマニュアル操作部材(フォーカスリング等)に機械的に連動していない場合には、ピント補正をフォーカスレンズFLの位置を補正することにより行うようにしてもよい。また、フォーカスレンズFLやトラッキングレンズTL以外にも距離目盛を記したマニュアル操作部材と機械的に連動しないフォーカス調整用レンズがあればその位置を補正するようにしてもよい。
【0043】
また、ピント補正しない場合のトラッキングレンズTLの位置を基準位置とすると、ピント補正した場合にトラッキングレンズTLを基準位置から変位させた変位量(位置補正量)は、撮影レンズの焦点距離に大きく依存する。このため、撮影レンズの焦点距離が変更された際には、焦点距離に応じてトラッキングレンズTLの位置をある程度補正しておき、オートフォーカスによりピント補正する際の補正量をできるだけ少なくするようにしてもよい。焦点距離を変更した際のトラッキングレンズTLの位置補正量は、例えば、ピント補正を行うごとに、そのときの焦点距離と位置補正量とのデータをEEPROM30(図1参照)に記憶しておき、焦点距離と位置補正量との間に一定の関係が認められた場合等には、その関係を用いることにより求めることができる。
【0044】
また、オートフォーカスによりピント補正する際に駆動するフォーカス調整用レンズとして、トラッキングレンズTLやフォーカスレンズFLのいずれか一方を用いるのではなく、例えば、焦点距離が所定基準よりワイド側の場合には、位置補正量が少ない後群のトラッキングレンズTLを駆動し、焦点距離が所定基準よりテレ側の場合には補正が少ない前群のフォーカスレンズFLを駆動するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るレンズシステムによれば、マニュアルフォーカスの操作に使用される操作部材に被写体距離を表す距離目盛を設けたため、距離目盛を参照してフォーカス調整を行うことができる。そして、その操作部材によりフォーカス調整を行うとオートフォーカスによりピント補正が行われるために距離目盛の目盛り値と、その目盛り値に対して実際にピントが合う被写体距離とが正確に一致しない場合であってもピントが合わせられる。また、そのオートフォーカスによるピント補正は、距離目盛が設けられた操作部材と機械的に連動しないフォーカス調整用レンズの位置を補正して行われるため、距離目盛が示す被写体距離はピント補正が行われても変化しない。従って、距離目盛の信頼性が損なわれる不具合はなく、また、ピント補正によって距離目盛が示す被写体距離が変化することにより、意図した部分にピントが合っていないという誤解を操作者に与えるおそれも解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるレンズシステムの全体構成を示したブロック図である。
【図2】図2は、被写体距離を表す距離目盛が記されたズームリングの展開図である。
【図3】図3は、ピント補正に関するCPU14の処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…フォーカスマニュアルコントロールリング機構、11…フォーカスデマンド、12…ズームデマンド、13…A/D変換器、14…CPU、16…D/A変換器、17…AF情報取得部、18…A/D変換器、20…ハイパスフィルタ、22…ゲート回路、24…加算回路、FL…フォーカスレンズ、ZL…ズームレンズ、TL…トラッキングレンズ、FM…フォーカス用モータ、ZM…ズーム用モータ、TM…トラッキングレンズ、ZA…ズーム用アンプ、FA…フォーカス用アンプ、TA…トラッキング用アンプ、S1…オートフォーカス(AF)スイッチ
Claims (5)
- 撮影レンズのフォーカス調整を所定の操作部材のマニュアル操作により行うマニュアルフォーカス手段と、前記撮影レンズのフォーカスが最良ピントとなるようにフォーカス調整を自動で行うオートフォーカス手段とを備えたレンズシステムにおいて、
前記操作部材に被写体距離を表す距離目盛を設け、前記操作部材によりフォーカス調整が行われると、前記オートフォーカス手段により前記操作部材と機械的に連動しないフォーカス調整用レンズの位置を補正してフォーカスが最良ピントとなるようにフォーカス調整を行うピント補正手段を備えたことを特徴とするレンズシステム。 - 前記撮影レンズは焦点距離の変更が可能であり、前記ピント補正手段は、前記オートフォーカス手段により実行した前記フォーカス調整用レンズの位置補正量を該実行時の焦点距離と対応させて記憶し、該記憶した位置補正量に基づいて現在設定されている焦点距離に対する位置補正量を取得して、該位置補正量分だけ前記フォーカス調整用レンズの位置を補正することを特徴とする請求項1のレンズシステム。
- 前記フォーカス調整用レンズは、トラッキング調整用レンズであることを特徴とする請求項1又は2のレンズシステム。
- 前記撮影レンズは、前記フォーカス調整用レンズとして前群のフォーカス調整用レンズと、後群のフォーカス調整用レンズを備え、前記ピント補正手段は、前記撮影レンズの焦点距離が所定基準よりテレ側の場合には、前記前群のフォーカス調整用レンズの位置を補正し、前記撮影レンズの焦点距離が前記所定基準よりワイド側の場合には、前記後群のフォーカス調整用レンズの位置を補正することを特徴とする請求項1又は2のレンズシステム。
- 前記操作部材は、レンズ鏡胴の周部を回動する操作リング、又は、コントローラに設けられた操作部材であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載のレンズシステム。
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