JP4151563B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4151563B2
JP4151563B2 JP2003370925A JP2003370925A JP4151563B2 JP 4151563 B2 JP4151563 B2 JP 4151563B2 JP 2003370925 A JP2003370925 A JP 2003370925A JP 2003370925 A JP2003370925 A JP 2003370925A JP 4151563 B2 JP4151563 B2 JP 4151563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
timing
intake valve
intake
valve
fuel injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003370925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005133648A (ja
Inventor
立男 佐藤
賢吾 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003370925A priority Critical patent/JP4151563B2/ja
Publication of JP2005133648A publication Critical patent/JP2005133648A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4151563B2 publication Critical patent/JP4151563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Description

本発明はエンジン(内燃機関)の制御装置、特に始動時の制御に関する。
吸気バルブ15のバルブリフト量及び作動角を連続的に可変制御する可変バルブ機構と、クランクシャフト7と吸気バルブ用カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して吸気バルブ15のバルブタイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構とを備え、始動からファーストアイドル時にこの可変バルブ機構によって吸気バルブのリフト量を低く(小さく)設定し、かつ可変バルブタイミング機構によってバルブタイミングを遅らせ、かつ燃料噴射タイミングを吸気行程中とするものがある(特許文献1参照)。
特開2003−3872号公報
ところで、燃料噴射弁からの燃料を吸気ポートに噴射するエンジンでは、吸気ポートの圧力(つまりブースト圧)と、吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気流速(以下単に「吸気流速」という。)とが始動時における燃料の気化に大きく影響し、ピストンのポンピング作用によりブースト圧が大気圧より低くなるほど燃料の気化が促進され、また吸気流速が速いほど吸気による2次微粒化が促進される。
そして、ブースト圧と吸気流速には吸気バルブのリフト量が大きく影響するのであるが、上記の特許文献1のように始動時からファーストアイドル時に吸気バルブのリフト量が一定であるのでは、ブースト圧が発達する前の始動時と、ブースト圧が発達する後つまり始動後とで燃料の気化を共に促進することが難しく低温始動時のHCの低減効果は小さなものになっている。すなわち、吸気バルブのリフト量を吸気がチョークする程度に小さくすると吸気による2次微粒化が促進されるためブースト圧が発達する前の始動時の燃料気化促進には有効であるが、その後もブースト圧が発達しないため燃料の気化には不利となる。一方、始動後にブースト圧が発達する程度に吸気バルブのリフト量を確保すると始動時の吸気流速はそれほど大きくないため吸気による2次微粒化を促進できず、始動時の燃料の気化促進が難しい。
そこで本発明は、ブースト圧が発達する前の始動時と、ブースト圧が発達する始動後とで共に燃料の気化を促進できる装置を提供することを目的とする。
ここで、吸気絞り弁は通常、吸気通路壁との間にわずかの隙間を残す状態に初期設定されているので、始動時にエンジンをクランキングすると、ピストンによるポンピング作用により吸気絞り弁下流の空気が燃焼室へと吸引されるため吸気絞り弁下流の吸気管圧力が大気圧より小さくなってゆき、やがてある値へと落ち着く。上記の「ブースト圧」とは、この吸気絞り弁下流の吸気管圧力のことである。また、上記の「ブースト圧が発達する」とはピストンによるポンピング作用によりブースト圧が大気圧より小さくなってゆくことを意味している。
本発明は、吸気バルブと、この吸気バルブのバルブリフト作動態様を可変的に制御可能なバルブリフト作動態様可変手段と、吸気ポートより吸気バルブに向けて燃料噴射を行う燃料噴射装置とを備え、ブースト圧が発達する前の始動時に吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークするバルブリフト作動態様となるように、またブースト圧が発達する始動後に吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークしないバルブリフト作動態様となるようにバルブリフト作動態様可変手段を制御するように構成する。あるいはブースト圧が発達する前の始動時に吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気による2次微粒化を促すバルブリフト作動態様となるようにバルブリフト作動態様可変手段を制御する。
あるいは、上記のバルブリフト作動態様可変手段に代えて、吸気バルブのバルブリフト量とバルブタイミングとを可変的に制御可能な可変動弁機構を設け、始動後の第1のタイミングまでは吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークするリフトで吸気バルブが作動するように、また第1のタイミング後には吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークしないリフトで吸気バルブが作動するように前記可変動弁機構を制御する。
本発明によれば、ブースト圧が発達する前の始動時には吸気バルブと吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークするので、吸気流速が音速や音速を超える速い速度になり、この速い吸気流速により燃料の2次微粒化が促進される。また、ブースト圧が発達する始動後には吸気がチョークしないバルブリフト作動態様となるので、始動後にはブースト圧の圧力低下により燃料の気化が一段と促進される。
このように本発明によれば、ブースト圧が発達する前の始動時と、ブーストが発達する始動後とでバルブリフト作動態様を相違させるので、始動から継続的に燃料の気化を促進できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。図1はL−ジェトロニック方式のガソリン噴射エンジンに適用した本発明の第1実施形態のシステムを説明するための概略図である。
吸気絞り弁23により調量される空気は、吸気コレクタ2に蓄えられた後、吸気マニホールド3を介して各気筒の燃焼室5に導入される。燃料は各気筒の吸気ポート4に配置された燃料噴射弁21(燃料噴射装置)より、所定のタイミングで吸気ポート4内に、より具体的には吸気ポート4に遮るように存在する吸気バルブ15(傘裏部)に向けて間欠的に噴射供給される。ここで、燃料噴射弁21に与える燃料噴射量は、エンジンコントローラ31がエアフローメータ32により検出される吸入空気流量と、クランク角センサ(33、34)からの信号に基づいて演算されるエンジン回転速度とに応じて算出している。
吸気バルブ15に向けて噴射された燃料は吸気と混合して混合気を作り、この混合気は吸気バルブ15を閉じることで燃焼室5内に閉じこめられ、ピストン6の上昇によって圧縮され、点火プラグ14(点火装置)により着火されて燃焼する。この燃焼によるガス圧がピストン6を押し下げる仕事を行い、このピストン6の往復運動はクランクシャフト7の回転運動へと変換される。燃焼後のガス(排気)は排気バルブ16が開いたとき排気通路8へと排出される。
排気通路8には三元触媒9、10を備える。三元触媒9、10は排気の空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲にあるとき、排気に含まれるHC、CO及びNOxを同時に効率よく除去できる。このため、エンジンコントローラ31では運転条件に応じて燃料噴射弁21からの基本燃料噴射量を定めると共に、三元触媒9の上流に設けたO2センサ35からの信号に基づいて空燃比をフィードバック制御する。
上記の吸気絞り弁23はスロットルモータ24により駆動される。運転者が要求するトルクはアクセルペダル41の踏み込み量(アクセル開度)に現れるので、エンジンコントローラ31ではアクセルセンサ42からの信号に基づいて目標トルクを定め、この目標トルクを実現するための目標空気量を定め、この目標空気量が得られるようにスロットルモータ24を介して吸気絞り弁23の開度を制御する。
上記吸気バルブ15のバルブリフト量及び作動角を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブ機構(以下、「VEL機構」という。)26と、クランクシャフト7と吸気バルブ用カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して、吸気バルブ15のバルブタイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構(以下「VTC機構」という。)27とを備える。これらの具体的な構成は特開2003−3872号公報により公知であるのでその詳しい説明は省略する。例えば、VEL機構27とVTC機構26の両方(可変動弁装置あるいはバルブリフト作動態様可変手段)に指令値を与えてないときには吸気バルブ15のバルブリフトは、図3下段においてAに示した特性(破線参照)、つまり出力要求に応じる特性であり、排気バルブ16とほぼ同等の大きなリフト量と大きな作動角とを有している。これに対して、VEL機構27に対してのみ指令値を与えると、リフト量が最大となるクランク角位置を変えずにリフト量と作動角とが共に小さくなる。また、VTC機構26に対して指令値を与えていないときには回転位相が最遅角位置にありVTC機構26に対してのみ指令値を与えたときリフト量、作動角を変更することなく回転位相、具体的には吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCのみが進角側に移動する。
本実施形態では、図8で後述するように、始動したと判断してスタータスイッチ36をONよりOFFに戻すタイミングt0よりブースト圧が発達するタイミングt1までの期間(この期間を以下「始動時」という。)と、ブースト圧が発達するタイミングt1より触媒9が活性化するタイミングt2までの期間(この期間を以下「始動後」という。)と、触媒9が活性化するタイミングt2以降の期間(この期間を以下「通常時」という。)とで吸気バルブ15のバルブリフトを異ならせており、これに対応してこれら2つの機構26、27を次のように作動させる。
〔1〕始動時にはVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えて作動させると共にVEL機構26への指令値を大きくする。VEL機構26の作動で吸気バルブ15のリフト量及び作動角が共に極小となり、VTC機構27の作動によりリフト量が最大となるクランク角位置がやや遅角側に移動するので、このときの吸気バルブ15のバルブリフトは図2上段Cに示した特性(太実線参照)となる。すなわち、吸気バルブ15が極小リフト量(例えば1〜1.5mm程度)となりかつ吸気バルブ15の開時期IVOは通常時より大幅に遅れると共に吸気バルブ15の閉時期IVCは通常時より進角する。
〔2〕始動後にはVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えて作動させると共に、VEL機構26への指令値を始動時より小さくする。VEL機構26の作動で吸気バルブ15のリフト量及び作動角が共に始動時と通常時のちょうど中間となり、VTC機構27の作動によりリフト量が最大となるクランク角位置が通常時より進角側に移動するので、このときの吸気バルブ15のバルブリフトは図3下段(あるいは図2上段)Bに示した特性(細実線参照)となる。すなわち、吸気バルブ15が中間リフト量(例えば3〜4mm)となりかつ吸気バルブ15の開時期IVOは通常時と同じでありながら吸気バルブ15の閉時期IVCが吸気下死点BDCにまで進角する。
〔3〕通常時にはVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えず非作動とする。このとき、吸気バルブ15のバルブリフトは、図3下段(あるいは図2上段)Aに示した特性(破線参照)となる。すなわち、吸気バルブ15は排気バルブ16と同じにリフト量が大きくなり、吸気バルブ15の開時期IVOは吸気上死点TDCよりもわずかに進むと共に吸気バルブバルブ15の閉時期IVCは吸気下死点BDCより大きく遅れる。
ここで、上記の始動時に吸気バルブ15のバルブリフトを図2上段Cに示した特性とする理由を説明する。図2下段は吸気バルブ15のバルブリフトがそれぞれ図2上段C、B、Aである場合にブースト圧、吸気流速(吸気バルブ15と吸気ポート4壁の隙間を通過する吸気流速)、エンジン回転速度がそれぞれ始動からどのように変化するのかを重ねて示している。吸気バルブ15のバルブリフトが図2上段Aに示す大リフトの特性あるいは図2上段Bに示す中間リフトの特性であるときには、ピストン6によるポンピング作用により吸気絞り弁23下流に存在する空気が燃焼室5内へと速やかに吸入されるためブースト圧が発達するt1のタイミングを少し過ぎた当たりである値へと落ち着いている。このため、t1のタイミング以降であれば、この発達したブースト圧により燃料噴射弁21からの燃料の気化を促進できるのであるが、t1のタイミング以前においてはブースト圧が発達していないので、燃料の気化を促進できない。
これに対して吸気バルブ15のバルブリフトを図2上段Cに示す極小リフトとしたときには、吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークする。このときには始動時における吸気流速が音速以上となり、図2上段Aに示す大リフトの特性あるいは図2上段Bに示す中間リフトの特性であるときより大きくなる(図2下段の中段参照)。吸気による燃料の微粒化を2次微粒化というが、吸気流速が音速へと大きくなった分だけ2次微粒化つまり燃料の気化が促進される。すなわち、本発明は、ブースト圧が発達しない始動時に吸気ポート4と燃焼室5の圧力差が大きくなるように(つまり吸気がチョークする程に)図2上段Cに示す極小リフトとすることで、吸気による2次微粒化を介して燃料の気化を促進するのである。なお、ここでは、吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークするように吸気バルブ15のリフト量を定めているが、チョークする近傍のリフト量でもかまわない。
次に、始動後に吸気バルブ15のバルブリフトを図3下段Bに示した中間リフト特性とする理由を説明すると、図3上段にAの特性とBの特性とで点火時期に対するHC、排温、燃焼安定度がどのように異なるのかを示している。図3下段においてBに示す中間リフトへと変更して吸気バルブ閉時期IVCを下死点BDCに近づけると、実圧縮比がAに示す大リフトのときより向上して燃焼安定性が向上する。この場合にエンジンを燃焼安定限界で運転するとすれば、図3上段の第3段目に示したようにAの大リフトであるとき燃焼安定限界での点火時期はADVaであり、これに対してBの中間リフトでは燃焼安定限界での点火時期がADVaより遅角側のADVbへと移動する。このことは燃焼安定限界での運転を続けるのであれば、Aの特性よりBの特性へと変更したとき点火時期をADVaよりADVbへと所定値ΔADVだけ遅角できることを意味する。このように点火時期を遅角できると、点火時期の遅角量ΔADVの分だけ排温が上昇し(図3上段の第1段目参照)、エンジン出口でのHCが減少する(図3上段の第2段目参照)。
このように、始動後には吸気バルブ閉時期IVCを下死点BDCに近づけることで、運転性を確保しつつ点火時期をリタードでき、その結果としてHCを低減しかつ排温を上昇させることができると考えられる。
実際には、吸気バルブ閉時期IVCを下死点BDCへと近づけるためにVEL機構26、VTC機構27を作動させたとき図3下段に示したように同時に吸気バルブ15のリフト量が通常時よりは小さくなることから、吸気バルブ15の壁流量が多い条件では却って燃焼室5内の壁流量が増加し、HC低減効果が十分には得られないことが実験により判明している。すなわち、図4左側は吸気バルブ15が通常時の大リフト状態にあるときの、これに対して図4右側は吸気バルブ15が中間リフト状態にあるときの吸気バルブ15の壁流の状態を、また図5は吸気行程中に燃料噴射したときの燃料噴霧の挙動を示している(実験結果)。
吸気バルブ傘裏部15aの壁流量が多い場合に図4左側に示した大リフトの状態から図4右側に示した中間リフトの状態へと切換えると、燃焼室5内の壁流、特に燃焼室上面5aに付着する壁流量が多くなる。これは中間リフトのときには吸気流速が大リフトのときより速くなるため、吸気バルブ傘裏部15aに付着した壁流燃料が燃焼室5内に吸入される際に横方向に飛びやすくなって燃焼室上面5aに付着するためである。ただし、吸気バルブ15を極小リフトとして吸気流速が音速以上となる場合は吸気による2次微粒化が促進されるため、図4右側に示した事態はなくなる。
一方、図5に示したように吸気行程で燃料を噴射すると燃料噴射弁21からの噴霧が吸気の流れに乗って燃焼室5内に直接吸入されるため吸気バルブ傘裏部15aに付着する壁流量は減少するものの燃焼室5内のシリンダ面5bに付着する壁流量は増加する。
このように燃焼室5内の壁流の状態は燃料噴射時期と吸気バルブ15のバルブリフトにより大きく変化するので、これらを変化させたときに吸気バルブ15や燃焼室5内の壁流量がどのように変化するのかを実験したところ、図6、図7に示す結果が得られた。図6は始動直後で吸気バルブ温度が低いときの、図7は始動から時間が経過して吸気バルブ温度TIVが冷却水温Twより所定値ΔT高い平衡温度に落ち着いたときの燃料噴射の終了タイミングと吸気バルブ15、燃焼室5内の各壁流量との関係を示している。さらに、図6、図7において実線が図3下段のBに示す中間リフトの場合、破線が図3下段のAに示す大リフトの場合である。
上記の吸気バルブ温度TIVは図24に示したように始動時には冷却水温Twに一致していたのが、始動からの時間経過と共に冷却水温Twより離れて上昇し、冷却水温Twより所定値ΔTだけ高い平衡温度に落ち着く温度である。
図6において大リフトの場合には図6最下段の破線で示したようにトータル燃焼室壁流量(燃焼室上面とシリンダ面の合計の壁流量)が右肩上がりの特性となるため、燃料噴射の終了時期を吸気バルブ開時期IVOより進ませた時期ITa(排気行程噴射)とすることでトータル燃焼室壁流量が低く抑えられている。
しかしながら、中間リフトにしたときにはトータル燃焼室壁流量が図6最下段の実線で示したように下に凸の特性へと変化し、トータル燃焼室壁流量が最低となる燃料噴射終了時期は吸気バルブ開時期IVOより少し遅角側の位置(ITb)に来ている。このように中間リフトにしたときに下に凸の特性へと変化したのは、吸気バルブ開時期IVOより左側でトータル燃焼室壁流量が増えたためである。そして、吸気バルブ開時期IVOより左側でトータル燃焼室壁流量が増えたのは、図6第2段目の実線で示したように燃焼室上面5aでの壁流量が大きく増加したためであり、その原因は図4で前述したように吸気流速の増大によるものである。
このため、中間リフトにしたときにまで燃料噴射終了時期が大リフト時に最適な時期ITaのままであると却って図示のΔWの分だけトータル燃焼室壁流量を増加させてしまうので、本発明では中間リフトにしたときには燃料噴射終了時期をトータル燃焼室壁流量が最低となる時期、つまりITbに設定する。言い換えると燃料噴射を吸気バルブ開時期IVOをまたいで行わせる。ここで「またいで」とは図6最下段に(b)の燃料噴射パルスを重ねて示したように吸気バルブ開時期IVOより前の時期ITcで燃料噴射を開始し、吸気バルブ開時期IVOを過ぎた時期ITbで燃料噴射を終了する、という意味である。
一方、図7に示す吸気バルブ温度が平衡温度にまで上昇した場合になると、中間リフトの場合のトータル燃焼室壁流量の特性が、図7最下段の実線で示したように右肩上がりの特性つまり大リフトの場合とほぼ同じ特性になる。このように吸気バルブ温度が上昇すると、中間リフトの場合にトータル燃焼室壁流量が右肩上がりの特性となるのは、図7第2段目に示したように燃焼室上面5aの壁流量が始動後より大きく減少するためである。そして、燃焼室上面5aの壁流量が減少する理由は、吸気バルブ15の壁流量は壁流が付着している吸気バルブ15の温度に依存し吸気バルブ温度が低いほど吸気バルブ15の壁流量が増えるところ、始動から時間が経過するにつれて吸気バルブ温度が上昇して吸気バルブ15の壁流量が少なくなり(図7最上段参照)、この状態では中間リフトにより吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気流速が速くなっても燃焼室上面5aへと付着する壁流量が増えないためである。
このため、吸気バルブ温度が上昇した場合にまで燃料噴射の終了時期を始動後と同じにしていると、トータル燃焼室壁流量が却って増えてしまうので、吸気バルブ温度が上昇した段階になると燃料噴射の終了時期を吸気バルブ開時期IVOより前の進角側に移動し、大リフトの場合の燃料噴射終了時期ITaへと戻す。
図8は図2〜図7について前述したところをまとめて、つまり冷間始動より吸気バルブのバルブリフト(つまり吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC及び吸気バルブ15のリフト量)、燃料噴射終了時期TITM、点火時期ADVをどのように制御するのかをモデル的に示したタイミングチャートである。
ここでは吸気バルブ15のバルブリフト、燃料噴射終了時期、点火時期の制御を次のように経時的に3つのステージに分けて行う。
(1)始動したと判断してスタータスイッチ36をONよりOFFに戻すタイミング t0よりブースト圧が発達するタイミングt1(第1のタイミング)までの期間 (つまり始動時)
(2)タイミングt1から触媒9が活性化するタイミングt2(第2のタイミング) までの期間(つまり始動後)
(3)触媒9が活性化するタイミングt2以降の期間(つまり通常時)
上記(1)でいう始動時にはVEL機構26、VTC機構27を共に作動すると共にVEL機構26に与える指令値を大きくして吸気流速が音速以上となるように吸気バルブ15を極小リフト(1〜1.5mm程度)にする。これによって音速以上の速い吸気流速により燃料の2次微粒化が促進される。
吸気バルブ閉時期の始動時目標値IVC1は始動性を満足する範囲で可能な限り遅く設定したほうが燃料の気化には好都合である。これはできるだけ遅く吸気バルブ15を閉じたほうが吸気開始時の吸気ポート4と燃焼室5内の圧力差が大きくなりガス流動が強化されるためである。このため、吸気バルブ閉時期の始動時目標値IVC1を吸気下死点BDCよりも遅れた位置に設定している。
一方、吸気バルブ開時期の始動時目標値IVO1はこの吸気バルブ閉時期の始動時目標値IVC1と吸気バルブ15の始動時リフト量とから一義的に決められる。すなわち、VEL機構26によれば図11に示したように吸気バルブ閉時期IVCと吸気バルブ開時期IVOの差(つまり作動角)が小さくなるほど吸気バルブ15のリフト量が小さくなるので、吸気バルブ15の始動時リフト量を吸気流速が音速以上となるように極小(1〜1.5mm程度)に設定すると、図11の特性より作動角(=IVC−IVO)が定まり、このうち吸気バルブ閉時期の始動時目標値IVC1を上記のように設定したとき、吸気バルブ開時期の始動時目標値IVO1は作動角+IVC1により定まるためである。このため、吸気バルブ開時期の目標値IVC1は通常時目標値IVC3と始動後目標値IVC2の間にきている。
極小リフトにすると上記のように吸気による2次微粒化の効果が得られることより中間リフトのときのような燃焼室上面5aに付着する壁流量の増加は小さいため、シリンダ面5bに付着する壁流量を低減できる排気行程噴射のほうがトータル燃焼室壁流量を低減できることから、吸気バルブ開時期IVOより進角側の位置を燃料噴射終了時期の始動時目標値として設定する(排気行程噴射)。また、極小リフトのときはエンジン回転速度が急上昇している状態であるため、燃料噴射終了時期を演算するタイミングでの回転速度と燃料噴射を行うタイミングでの回転速度との間に大きな回転速度差が生じこの回転速度差により実際の燃料噴射終了時期が、演算された燃料噴射終了時期の始動時目標値より遅れるので、実際の燃料噴射が吸気バルブ開時期の前に終了するように余裕を持たせて燃料噴射終了時期の始動時目標値を設定することが望ましい。このため、燃料噴射終了時期の始動時目標値を吸気バルブ開時期の始動時目標値IV01に対して進角側に大きく余裕を持たせた位置に設定し、結果的に始動時目標値を始動後目標値TITM1と同じにしている。ただし、始動後においてはこの目標値TITM1により燃料噴射が吸気バルブ開時期をまたいで行われる。
上記(2)でいう始動後にはVEL機構26、VTC機構27を共に作動して吸気バルブ15を中間リフトとすると共に、吸気バルブ閉時期IVCを吸気下死点BDCに近い目標値IVC1にまで進角する。これによってブースト圧が発達して燃料の気化が促進されるほか、実圧縮率が向上して燃焼安定性がよくなる。安定限界で運転するのであれば、この燃焼安定性の向上代だけ点火時期を遅角できるので、点火時期ADVを通常時の目標値ADV2より点火時期遅角量RADV1だけ遅らせた時期を始動後の目標値とする。これにより排温が上昇し、そのぶん触媒9が早く活性化する。一方、中間リフトの場合に燃料噴射終了時期を変更しないと前述のようにトータル燃焼室壁流量が増えるので、これを避けるため燃料噴射終了時期TITMを吸気バルブ開時期IVOより少し遅角側の始動後目標値TITM1とし、燃料噴射を吸気バルブ開時期IVOをまたいで行わせる。
上記(3)でいう通常時になると、吸気バルブ15のバルブリフト(リフト量、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC)、点火時期ADV、噴射終了時期TITMとも通常時の目標値へと戻す。すなわち、VEL機構26、VTC機構27を共に非作動として吸気バルブ開時期IVOを通常時の目標値IVO3へと進角し、吸気バルブ閉時期IVCを通常時の目標値IVC3(例えば50〜60°ABDC程度)へと遅角する。このとき、吸気バルブ15のリフト量は通常時の大リフトに戻る。安定限界での運転を継続するため点火時期ADVを通常時の点火時期ADV2へと進角させる。また、燃料噴射終了時期TITMを通常時の目標値TITM2へと進ませる。
ただし、燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM2へと切換えるタイミングは触媒9が活性化するタイミングt2より早いタイミングt3(第3のタイミング)とする。このタイミングt3は吸気バルブ温度TIVが、冷却水温Twより所定値ΔTだけ高い平衡温度まで上昇したタイミングである。これは、図7で前述したように吸気バルブ温度TIVが上昇し吸気バルブ15の壁流が減少した状態では、中間リフトの場合でも排気行程で燃料を噴射した方がトータル燃焼室壁流量が減少するためである。さらに述べると、吸気バルブ温度が上昇し吸気バルブ15の壁流量が減少した状態で吸気バルブ15が開いているときに噴射すると中間リフトによる燃焼室上面5aの壁流量増加の影響より、燃料噴射終了時期の遅角によるシリンダ面5bの壁流量増加の影響が大きくなるので、これを避けるためである。このように吸気バルブ温度が上昇した段階では吸気バルブ15を閉じているときに燃料を噴射することでさらにHCを低減できる。なお、タイミングt3で吸気バルブ15のバルブリフト(リフト量、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC)、点火時期ADVを通常時に戻さないのは、触媒9が活性化するまで燃焼安定度を限界に維持しつつ点火時期をリタードするためである。
エンジンコントローラ31で実行されるこの制御を図9、図10のフローチャートに従って詳述する。図9、図10は吸気バルブ開時期IVO[°ABDC]、吸気バルブ閉時期IVC[°ABDC]、燃料噴射終了時期TITM[°ATDC]、点火時期ADV[°BTDC]を演算するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
なお、吸気バルブ15のリフト量の制御については図8に示した通りであるので、図9、図10には示していない。
ステップ1ではスタータスイッチ36からの信号をみる。スタータスイッチ36からの信号がONであれば始動時であると判断してステップ2、3に進み水温センサ37により検出される冷却水温Twを始動時水温TWINTとしてサンプリングすると共に、タイマを起動する(タイマ値TIMERをゼロにリセットする)。このタイマは始動からの経過時間を計測するためのものである。
ステップ4、5、6は吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC、燃料噴射終了時期TITMに初期値を設定する部分である。すなわち、吸気バルブ開時期IVOに初期値としての始動時目標値IVO1を(図8第4段目参照)、吸気バルブ閉時期IVCに初期値としての始動時目標値IVC1を(図8第5段目実線参照)、燃料噴射終了時期TITMに初期値としての始動後目標値TITM1を(図8第7段目参照)入れた後にステップ7に進む。
一方、スタータスイッチ36からの信号がOFFであるとき(始動後)にはステップ1よりステップ2〜6を飛ばしてステップ7に進む。
ステップ7ではタイマ値TIMERと所定値TIM1(第1の所定時間)を比較する。ここで、所定値TIM1はブースト圧が発達するまでの時間、より正確には図2下段に示したようにAに示す大リフトやBに示す中間リフトの特性のときにブースト圧が発達しきるより少し手前の時点までの時間を定める値である。詳細には図12に示したように始動時水温TWINTをパラメータとする値(可変値)で与えている。すなわち、始動時水温TWINTが高いほどエンジンの回転速度の上昇が速くなるためブースト圧が発達するまでの時間が短くなるので、所定値TIM1は高水温側ほど小さくなる設定である。ただし、所定値aよりも極低水温域ではエンジンのフリクション増加に応じてエンジンの回転上昇に必要な空気量が増えるため、極小リフトでは必要な空気が吸入できなくなるため、低水温側ほど所定値TIM1が小さくなる設定としている。
タイマ値TIMERが所定値TIM1未満であればブースト圧が発達していないと判断しステップ8に進んで点火時期ADVに通常時目標値ADV2を入れる。この通常時目標値はエンジンの負荷と回転速度をパラメータとするもので、基本的にMBTが得られるように設定されている。
タイマ値TIMERが所定値TIM1以上になったときにはブースト圧が発達したと判断しステップ9〜11に進んで吸気バルブ開時期IVOを前回吸気バルブ開時期IVOoldに、吸気バルブ閉時期IVCを前回吸気バルブ閉時期IVColdに、噴射終了時期TITMを前回噴射終了時期TITMoldに移す。
ステップ12、13、14、15では次の条件が成立しているか否かを一つずつ判定し全ての条件が成立しているとき図10のステップ16〜21に、いずれか一つでも成立していないときにはステップ37〜39に進む。
〈1〉始動時水温TWINTが所定値TEMP1未満であること。
〈2〉タイマ値TIMERが所定値TIM2未満であること。
〈3〉エンジン回転速度NRPMが所定値N1未満であること。
〈4〉基本噴射パルス幅TPが所定値TP1未満であること。
ここで、上記〈2〉の所定値TIM2(第2の所定時間)は排気マニホールド集合部の近くに設けた触媒9が活性化するまでの時間を定める値である。詳細には図12に重ねて示したように始動時水温TWINTをパラメータとし始動時水温TWINTが低くなるほど大きくなる値(可変値)で与えている。これは始動時水温TWINTが低いほど触媒9の活性化が遅れるためである。
上記〈1〉の所定値TEMP1は冷間始動時とホットリスタート時とを、上記〈3〉の所定値N1は低回転速度域にあるか否かを、上記〈4〉の所定値TP1は低負荷域にあるか否かを切り分けるための値で、これらは一定値である。
上記〈1〉〜〈4〉の条件が全て成立するとき、つまり冷間始動時で触媒9が活性化前にありかつ運転条件が低回転速度低負荷域にあるときには図10のステップ16〜21に進む。
以下では運転条件は継続して低回転速度低負荷域にあるものとして述べ、最後に触媒9が活性化する前に運転条件が低回転速度低負荷域より外れた後に再び低回転速度低負荷域に戻る場合について言及する。
図10のステップ16〜21は吸気バルブ開時期IVOを始動後目標値IVO2へとフィードバック制御する部分である。すなわち、ステップ16では前回吸気バルブ開時期IVOoldと始動後目標値IVO2を比較する。始動時より始動後へと進んだ直後には前回吸気バルブ開時期IVOoldは始動時目標値IVO1であるので、前回吸気バルブ開時期IVOoldは始動後目標値IVO2より大きい(遅角側にある)。従ってこのときには吸気バルブ開時期IVOを始動後目標値IVO2へと進角させる必要があるのでステップ20に進んで次式により吸気バルブ開時期IVOを一定値DIVOだけ進角する。
IVO=IVOold−DIVO…(1)
ただし、DIVO;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ21ではこの進角後の吸気バルブ開時期IVOと始動後目標値IVO2を比較し、吸気バルブ開時期IVOが始動後目標値IVO2以上の(遅角側にある)ときにはステップ19を飛ばしてステップ22に進む。次回からもステップ20を繰り返すとやがて吸気バルブ開時期IVOが始動後目標値IVO2より小さくなる(目標値を超えて進角側になる)、つまり進角のしすぎとなるので、このときにはステップ21よりステップ19に進んで吸気バルブ開時期IVOを始動後目標値IVO2に制限した後、ステップ22に進む。
一方、ステップ17〜19は前回吸気バルブ開時期IVOoldが始動後目標値IVO2より小さい(進角側にある)ときの操作で、ステップ20、21、19の操作と同様である。すなわち、前回吸気バルブ開時期IVOoldが始動後目標値IVO2より小さい(進角側にある)ときには始動後目標値IVO2へと遅角させる必要があるので、ステップ17に進み次式により吸気バルブ開時期IVOを一定値DIVOだけ遅角する。
IVO=IVOold+DIVO…(2)
ただし、DIVO;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ18ではこの遅角後の吸気バルブ開時期IVOと始動後目標値IVO2を比較し、吸気バルブ開時期IVOが始動後目標値IVO2以下の(進角側にある)ときにはステップ19を飛ばしてステップ22に進む。次回からもステップ17を繰り返すとやがて吸気バルブ開時期IVOが始動後目標値IVO1より大きくなる(目標値を超えて遅角側になる)、つまり遅角のしすぎとなるのでこのときにはステップ18よりステップ19に進んで吸気バルブ開時期IVOを始動後目標値IVO2に制限した後、ステップ22に進む。
このようにして、始動後では吸気バルブ開時期IVOを始動後目標値IVO2へと落ち着けるようにしている。
ステップ22〜24は吸気バルブ閉時期IVCを始動後目標値IVC2まで進角させる部分である。すなわち、ステップ22では次式により吸気バルブ閉時期IVCを一定値DIVCだけ進角する。
IVC=IVCold−DIVC…(3)
ただし、DIVC;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ23ではこの進角後の吸気バルブ閉時期IVCと始動後目標値IVC2を比較し、吸気バルブ閉時期IVCが始動後目標値IVC2以上の(遅角側にある)ときにはステップ24を飛ばしてステップ25に進む。次回からもステップ22を繰り返すとやがて吸気バルブ閉時期IVCが始動後目標値IVC2より小さくなる(目標値を超えて進角側になる)、つまり進角のしすぎとなるのでこのときにはステップ23よりステップ24に進んで吸気バルブ閉時期IVCを始動後目標値IVC2に制限した後、ステップ25に進む。
ステップ25ではタイマ値TIMERと所定値TIM3(TIM1≦TIM3≦TIM2)を比較する。ここで、所定値TIM3(第3の所定時間)は吸気バルブ15の温度が平衡温度まで上昇する時間を定める値である。詳細には図12に重ねて示したように始動時水温TWINTをパラメータとして始動時水温TWINTが低くなるほど大きくなる値(可変値)で与えている。これは始動時水温TWINTが低いほど吸気バルブ15の温度が平衡温度に達するのが遅れるためである。タイマ値TIMERが所定値TIM3未満であるとき(吸気バルブ温度が上昇する前)にはステップ26〜31に進む。
ステップ26〜31は燃料噴射終了時期TITMを始動後目標値TITM1へとフィードバック制御する部分である。すなわち、ステップ26では前回燃料噴射時期TITMoldと始動後目標値TITM1を比較する。始動時より始動後へと進んだ直後には前回燃料噴射時期TITMoldは始動後目標値TITM1であるので、このときにはステップ30に進んで次式により噴射終了時期TITMを一定値DTITMだけ進角する。
TITM=TITMold−DTITM…(4)
ただし、DTITM;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ31ではこの進角後の燃料噴射終了時期TITMと始動後目標値TITM1を比較する。この進角後の燃料噴射終了時期TITMは始動後目標値TITM1より小さくなる(目標値よりも進角側になる)ので、ステップ31よりステップ29に進んで燃料噴射終了時期TITMを始動後目標値TITM1に制限したあと、ステップ32に進む。
次回からもステップ26、30、31、29が繰り返されるものの、燃料噴射終了時期TITMが始動後目標値TITM1より進角されることはなく燃料噴射終了時期TITMは始動後目標値TITM1に保たれる。
一方、ステップ27〜29は前回燃料噴射時期TITMoldが始動後目標値TITM1より大きい(遅角側にある)ときの操作である。すなわち、前回燃料噴射時期TITMoldが始動後目標値TITM1より小さい(進角側にある)ときには始動後目標値TITM1へと遅角させる必要があるのでステップ27に進み次式により噴射終了時期TITMを一定値DTITMだけ遅角する。
TITM=TITMold+DTITM…(5)
ただし、DTITM;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ28ではこの遅角後の燃料噴射終了時期TITMと始動後目標値TITM1を比較し、燃料噴射終了時期TITMが始動後目標値TITM1以下の(進角側にある)ときにはステップ29を飛ばしてステップ32に進む。次回からもステップ27を繰り返すとやがて燃料噴射終了時期TITMが始動後目標値TITM1より大きくなる(目標値を超えて遅角側になる)、つまり遅角のしすぎとなるのでこのときにはステップ29に進んで燃料噴射終了時期TITMを始動後目標値TITM1に制限した後、ステップ32に進む。
このようにして、始動後では燃料噴射終了時期TITMを始動後目標値TITM1へと落ち着かせる。
ステップ32では点火時期ADVを次式により算出する。
ADV=ADV2−RADV…(6)
ただし、ADV2;通常時の点火時期[°BTDC]、
RADV;点火時期遅角量[°]、
(6)式は通常時の点火時期ADV2を点火時期遅角量RADVだけ遅角させた値を点火時期ADVとするものである。
ここで、点火時期遅角量RADVは図13に示したように吸気バルブ閉時期の通常時目標値IVC3から現在の吸気バルブ閉時期IVCを差し引いた値(IVC3−IVC)をパラメータとしてこの値(IVC3−IVC)が大きいほど大きくなる値である。現在の吸気バルブ閉時期IVCが始動後目標値IVC2であるとき、図13より点火時期遅角量RADVは最大値RADV1を採り、このときの点火時期ADVはADV2−RADV1である。すなわち、吸気バルブ閉時期IVCを始動後目標値IVC2としたときの安定限界での点火時期はADV2−RADV1である。従って、吸気バルブ閉時期IVCを始動後目標値IVC2としたとき、安定限界で運転されるように遅角量最大値RADV1を適合する。
また、吸気バルブ閉時期IVCが始動後目標値IVC2つまり吸気下死点BDCに近づくほど点火時期遅角量RADVの傾きが緩やかとなり、この逆に吸気下死点BDCから離れるに従い傾きが急になるようにしている。これは吸気バルブ閉時期IVCが吸気下死点BDCに近づくほど実圧縮比の傾きが緩やかとなり、この逆に吸気下死点BDCから離れるに従い実圧縮比の傾きが急になるので(図14参照)、この圧縮比の変化に対応させたものである。
ステップ33では次式によりタイマ値をインクリメントして今回の処理を終了する。
TIMER=TIMER+DT…(7)
ただし、DT;演算周期、
次回からタイマ値TIMERが所定値TIM3未満である間(吸気バルブ温度が平衡温度に達する前)はステップ16〜24、26〜33の操作を実行する。ステップ16〜21での操作により吸気バルブ開時期IVOは始動時目標値IVO1より進角されて始動後目標値IVO2に達しその後は始動後目標値IVO2に保持される(図8第4段目参照)。ステップ22〜24での操作により吸気バルブ閉時期IVCも始動時目標値IVC1より進角されて始動後目標値IVC2に達しその後は始動後目標値IVC2に保持される(図8第5段目参照)。このとき、IVC3−IVC2=一定であるので、点火時期ADVはADV2−RADV1に保たれる(図8第8段目参照)。
また燃料噴射終了時期TITMは始動時と始動後に共通の目標値TITM1に保たれたままである(図8第7段目参照)。
その後にタイマ値TIMERが所定値TIM3(第3の所定時間)以上となったときには吸気バルブ温度が平衡温度に達したと判断しステップ25よりステップ34〜36に進んだ後、ステップ32、33の操作を実行する。
ステップ34〜36は燃料噴射終了時期TITMを通常時の目標値TITM2にまで進角させる部分である。すなわち、ステップ34では次式により噴射終了時期TITMを進角する。
TITM=TITMold−DTITM…(8)
ただし、DTITM;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ35ではこの進角後の燃料噴射終了時期TITMと通常時の目標値TITM2を比較し、燃料噴射終了時期TITMが通常時目標値TITM2以上の(遅角側にある)ときにはステップ36を飛ばしてステップ32、33の操作を実行する。次回よりステップ34の操作を繰り返すとやがて燃料噴射終了時期TITMが通常時目標値TITM2より小さくなる(目標値を超えて進角側にくる)のでこのときにはステップ35よりステップ36に進んで燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM2に制限した後、ステップ32、33の操作を実行する。
吸気バルブ温度が平衡温度に達した後には、ステップ16〜25、34〜36、32、33の操作で、燃料噴射終了時期TITMは始動後目標値TITM1から一定値DTITMずつ進角されてゆき、やがて通常時目標値TITM2と一致しその後は通常時目標値TITM2に保持される。このとき、吸気バルブ開時期IVOは始動後目標値IVO2に、また吸気バルブ閉時期IVCは始動後目標値IVC2にあり、IVC3−IVC2=一定であるので点火時期ADVはADV2−RADV1に保たれる。
その後に時間経過してタイマ値TIMERが所定値TIM2(第2の所定時間)以上となったときには触媒9が活性化したと判断して図9のステップ13より図10のステップ37〜42に進んだ後に、ステップ34〜36、32、33の操作を実行する。
ステップ37〜39は吸気バルブ開時期IVOを通常時の目標値IVO3にまで進角させる部分である。すなわち、ステップ37では次式により吸気バルブ開時期IVOを一定値DIVOだけ進角する。
IVO=IVOold−DIVO…(9)
ただし、DIVO;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ38ではこの進角後の吸気バルブ開時期IVOと通常時目標値IVO3を比較し、この進角後の吸気バルブ開時期IVOが通常時目標値IVO3以上の(遅角側にある)ときにはステップ39を飛ばしてステップ40に進む。次回よりステップ37の操作を繰り返すとやがて吸気バルブ開時期IVOが通常時目標値IVO3より小さくなる(目標値を超えて進角側になる)のでこのときにはステップ38よりステップ39に進んで吸気バルブ開時期IVOを通常時目標値IVO3に制限した後、ステップ40に進む。
ステップ40〜42は吸気バルブ閉時期IVCを通常時の目標値IVC3にまで遅角させる部分である。すなわち、ステップ40では次式により吸気バルブ閉時期IVCを一定値DIVCだけ遅角する。
IVC=IVCold+DIVC…(10)
ただし、DIVC;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ41ではこの遅角後の吸気バルブ閉時期IVCと通常時目標値IVC3を比較し、この遅角後の吸気バルブ閉時期IVCが通常時目標値IVC3以下の(進角側にある)ときにはステップ42を飛ばしてステップ34〜36、32、33の操作を実行する。次回よりステップ40の操作を繰り返すとやがて吸気バルブ閉時期IVCが通常時目標値IVC3より大きくなる(目標値を超えて遅角側になる)のでこのときにはステップ41よりステップ42に進んで吸気バルブ閉時期IVCを通常時目標値IVC3に制限した後、ステップ34〜36、32、33の操作を実行する。
触媒9が活性化した後には、ステップ13、37〜42、34〜36、32、33の操作で、吸気吸気バルブ開時期IVOは始動後目標値IVO2から一定値DIVOずつ進角されてゆき、やがて通常時目標値IVO3と一致しその後は通常時目標値IVO3に保持される(図8第4段目実線参照)。吸気バルブ閉時期IVCは始動後目標値IVC2から一定値DIVCずつ遅角されてゆき、やがて通常時目標値IVC3と一致しその後は通常時目標値IVC3に保持される(図8第5段目参照)。燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM2まで進角させようとするが、それ以前に燃料噴射終了時期TITMは通常時目標値TITM2に保持されているので、燃料噴射終了時期TITMは通常時目標値TITM2のままである(図8第7段目参照)。また、吸気バルブ閉時期IVCが始動後目標値IVC2より通常時目標値IVC3へと変化するのに対応し、点火時期遅角量RADVが小さくなって最終的にゼロになるため、点火時期ADVはADV2−RADV1より通常時の点火時期ADV2へと進角される(図8第8段目参照)。
これで、運転条件が冷間始動よりずっと低負荷低回転速度域にあるときの説明を終える。
さて、図9、図10のフローチャートは冷間始動より触媒9が活性化するまでの間に運転条件が低負荷低回転速度域から外れ、再び低負荷低回転速度域に戻ってくる場合にも対処するものである。
これについて説明すると、例えば図8第4段目、第5段目、第7段目、第8段目に二点鎖線で示したように、時刻t5で運転条件が低負荷低回転速度域から外れたときには出力要求に応じるため直ちに吸気バルブ開時期IVOを通常時目標値IVO3へと進角し、吸気バルブ閉時期IVCを通常時目標値IVC3へと遅角すると共に燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM2へと進角し(このとき点火時期が通常時目標値ADV2となる)、その後の時刻t6で運転条件が低負荷低回転速度域に戻ってきたときには直ちに吸気バルブ開時期IVOを通常時目標値IVO3から始動後目標値IVO2へ、吸気バルブ閉時期IVCを通常時目標値IVC3から始動後目標値IVC2へと戻すと共に燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM2から始動後目標値TITM1へと戻し(このとき点火時期が遅角されてADV2−RADV1となる)、これにより排温を上昇させる。
このとき、時刻t5から吸気バルブ開時期IVOを始動後目標値IVO2より通常時目標値IVO3へと進角させる処理が図10のステップ37〜39により、吸気バルブ閉時期IVCを始動後目標値IVC2より通常時目標値IVC3へと遅角させる処理が図10のステップ40〜42により、同じく時刻t5から燃料噴射終了時期TITMを始動時目標値TITM1より通常時目標値TITM2へと進角させる処理が図10のステップ34〜36によりそれぞれ果たされる。これに対して、時刻t6から吸気バルブ開時期IVOを通常時目標値IVO3から始動後目標値IVO2へと遅角させる処理が図10のステップ16、17、18、19により、吸気バルブ閉時期IVCを通常時目標値IVC2より始動時目標値IVC1へと進角させる処理が図10のステップ22〜24により、同じく時刻t6から燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM2より始動後目標値TITM1へと遅角させる処理が図10のステップ26、27、28、29により果たされるのである。
図示しないフローでは、燃料噴射パルス幅Ti[ms]をそのときのエンジン回転速度を用いてクランク角に換算した噴射クランク角[°]と、このようにして演算される燃料噴射終了時期TITM[°ATDC]とを用いて燃料噴射開始時期TISTM[°ATDC]を演算し、これら燃料噴射開始時期TISTM[°ATDC]、燃料噴射終了時期TITM[°ATDC]を用いて燃料噴射弁21から燃料噴射が行われる。また、このようにして演算される吸気バルブ開時期IVOと吸気バルブ閉時期IVCに従ってVEL機構26、VTC機構27の作動、非作動が制御される(吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCが始動時目標値IVO1、IVC1にあるときにはVEL機構26、VTC機構27が共に作動されると共に、VEL機構26への指令値が大きくされる。吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCが始動後目標値IVO2、IVC2にあるときにはVEL機構26、VTC機構27が共に作動されると共に、VEL機構26への指令値が始動時よりも小さくされる、これに対して吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCが通常時目標値IVO3、IVC3にあるときにはVEL機構26、VTC機構27が共に非作動とされる。また、始動後目標値IVO2、IVC2への、通常時目標値IVC2への各切換時にはVEL機構26、VTC機構27への指令値が可変制御される。)。また、このようにして演算される点火時期ADVを用いて点火プラグ14により火花点火が行われる。
ここで、本実施形態の作用を図8を参照しつつ説明する。
本実施形態(請求項1、2に記載の発明)によれば、始動後の第1のタイミングであるt1まで(ブースト圧が発達する前の始動時)は吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークする(またはチョークする近傍)リフトである極小リフトで吸気バルブ15が作動するように、つまり吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークする(またはチョークする近傍)バルブリフト作動態様となるようにVEL機構26及びVTC機構27(可変動弁機構、バルブリフト作動態様可変手段)を制御するので、吸気流速が音速以上(または音速に近い速度)の速い速度になり、この速い吸気流速により燃料の2次微粒化が促進される。また、第1のタイミング後(ブースト圧が発達する始動後)には吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークしないリフトである中間リフトで吸気バルブ15が作動するように、つまり吸気バルブ15と吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークしないバルブリフト作動態様となるようにVEL機構26及びVTC機構27(可変動弁機構、バルブリフト作動態様可変手段)を制御するので、第1のタイミング後にはブースト圧の圧力低下により燃料の気化が一段と促進される。
このように本実施形態によれば、第1のタイミングであるt1までと、第1のタイミングであるt1後とでバルブリフト作動態様を相違させるので、始動から継続的に燃料気化を促進できる。
始動から時間が経過したタイミングになっても吸気バルブ15を中間リフトの特性で作動させると、ポンピングロスの増大により燃費が悪化してしまうのであるが、本実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、第2のタイミングであるt2以降に吸気バルブ15を出力要求に応じたリフトで作動させかつ吸気バルブ15の閉時期が吸気下死点より遅れた位置にくるようにするので、燃費の悪化を抑えることができる。
本実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、t1よりt2の区間(第1のタイミングより第2のタイミングまでの区間)で吸気バルブ15の閉時期IVCが吸気下死点BDC近傍にある始動後目標値IVC2にくるようにするので(図10ステップ22〜24)、実圧縮比が向上し燃焼安定度が増す。このとき、燃焼安定限界で運転するので、この燃焼安定度の増し分だけ点火時期をリタードすることができ(図10ステップ32、図13)、これにより図8の下二段に示したようにHC低減と排温上昇の各効果を得ることができる。
一方、吸気バルブ15に向けて噴射された燃料は吸気バルブ15に付着して壁流燃料を生成する。t1よりt2の区間(第1のタイミングより第2のタイミングまでの区間)で吸気バルブ15が中間リフトで作動する場合に、この吸気バルブ15の壁流量が多い条件では図4でも示したように燃焼室上面5aの壁流量が増加し、HC低減効果が十分得られないのであるが、このときのトータル燃焼室壁流量が最低となる位置は図6最下段の実線で示したように吸気バルブ開時期IVOより遅角側にくることが実験により判明しており、本実施形態(請求項5に記載の発明)によればこの実験結果により得れられたところに従ってt1よりt2の区間で燃料噴射を吸気バルブ15の開時期をまたいで行なうので(図10ステップ26〜31)、これによりトータル燃焼室壁流量を最小とすることができ、HCを低減することができる。
始動から時間が経過したタイミングになっても吸気バルブ15を中間リフトの特性で作動させると、ポンピングロスの増大により燃費が悪化し、また燃料噴射を吸気バルブ15の開時期IVOをまたいで行なっていると、図7で示したようにトータル燃焼室壁流量が却って増加してしまうのであるが、本実施形態(請求項13に記載の発明)によれば、燃焼安定限界で点火を行いつつ始動から時間が経過したタイミングである第2のタイミングt2で吸気バルブ15を大リフトの特性で作動すると共に燃料噴射を吸気バルブ15の開時期より進角側の位置で終了させる(図10ステップ34〜36)、つまり排気行程噴射とするので、トータル燃焼室壁流を抑制しつつ燃費の悪化を抑えることができる。
吸気バルブ温度が上昇し吸気バルブ15の壁流量が減少した状態では、吸気バルブ15が中間リフトの場合でも吸気バルブ15が閉じているときに燃料を噴射した方がトータル燃焼室壁流が減少することに対応し、本実施形態(請求項14に記載の発明)によれば、燃料噴射が吸気バルブ15の開時期より進角側の位置で終了するように燃料噴射弁21(燃料噴射装置)を制御するタイミングを、第1のタイミングt2より早い第2のタイミングt3まで進めるので(図10ステップ25、34〜36)、図8下2段に示したように時刻t3から時刻t2の期間においてもHCを低減できる。
図15〜図19は第2実施形態、図20〜図23は第3実施形態である。このうち、図15及び図16、図20及び図21のフローチャートは第1実施形態の図9及び図10と、図19、図25のタイミングチャートは第1実施形態の図8と置き換わるものである。図15、図20において図9と同一部分には、また図16、図21において図10と同一部分には同一のステップ番号をつけてその説明は省略する。
第1実施形態の図9においてステップ7は吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期の始動時目標値から始動後目標値への切換タイミング(ブースト圧が発達したタイミングt1)になったか否かを判定する部分である。この切換タイミングを始動後経過時間に基づいて判断したのが第1実施形態であったが、第2実施形態ではこの切換タイミングをエンジン回転速度NRPMに基づいて判定するようにしたものである(請求項7に記載の発明)。すなわち、図15のステップ51においてエンジン回転速度NRPMが所定値N2以上になったとき吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCの始動時目標値から始動後目標値への切換タイミングになったと判断している。
上記の所定値N2も図17に示したように第1実施形態の所定値TIM1と同様、始動時水温TWINTに応じた設定とし始動時水温TWINTが低くなるほど大きくすると共に極低水温域ではフリクション増加に応じて回転速度の上昇に必要な空気量が増えるため極低水温域で始動時水温TWINTが低くなるほど小さくしている。
第1実施形態の図9においてステップ13は吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCの始動後目標値から通常時目標値への切換タイミング(触媒9が活性化したタイミング)になったか否か、また図10においてステップ25は燃料噴射終了時期TITMの切換タイミング(吸気バルブ温度が所定温度まで上昇したタイミング)になったか否かを判定する部分である。これらの切換タイミングを始動後経過時間に基づいて判断したのが第1実施形態であったが、第2実施形態はこれらの切換タイミングを現在の冷却水温Twから始動時水温TWINTを差し引いた値(Tw−TWINT)に基づいて判定するようにしたものである。すなわち、図15のステップ52においてTw−TWINITが所定値DTW1(第1の所定値)以上になったとき吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCの始動後目標値から通常時目標値への切換タイミングになったと、また図16のステップ53においてTw−TWINITが所定値DTW2(第2の所定値)(DTW2≦DTW1)以上になったとき噴射終了時期TITMの切換タイミングになったと判断している。
低負荷低回転速度域の中でも回転速度、負荷が高い条件で運転した場合、吸気バルブ温度、触媒9の温度の各上昇が速くなるため、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC、燃料噴射終了時期TITMについてより早いタイミングで始動後目標値から通常時目標値へと切り換えたほうがよい。この場合、冷却水温Twの上昇も速くなるので、第2実施形態では冷却水温−始動時水温の値に基づいて始動後目標値から通常時目標値へと切換えることで、始動からの運転条件の差を切換タイミングに反映できることになった(請求項11、17に記載の発明)。
上記の所定値DTW1、DTW2も図18に示したように第1実施形態の所定値TIM2、TIM3と同様、始動時水温TWINTに応じた設定とし始動時水温TWINTが低くなるほど大きくしている。
このように、第2実施形態によれば、図19に示したように始動からの運転条件等に応じたより適切なタイミングで始動時の制御から始動後の制御へあるいは始動後の制御から通常時の制御へと切換を行なうことができ、燃費悪化の抑制、HC低減を図ることができる。
第3実施形態に移ると、図20のステップ61、62、63、64が第1実施形態と相違する。すなわち、始動時にステップ61でフラグF1をゼロに初期設定しておき、ステップ62において1サイクル当たりの吸入空気量を表す基本噴射パルス幅TPが所定値TP2以下のときにはステップ8の操作を実行する。これに対して基本噴射パルス幅TPが所定値TP2を超えたとき吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCの始動時目標値から始動後目標値への切換タイミングになったと判断しステップ64に進んでフラグF1=1としている。このフラグF1の1への設定により次回からはステップ9以降に進むことになる。
ここで、基本噴射パルス幅TPを用いて始動時から始動後への切換タイミングでるか否かを判定する理由は図23下から2段目に示したように始動からの基本噴射パルス幅TPの変化が、図23第2段目に示したブースト圧の変化により近いためである。
上記の所定値TP2は図22に示したように第1実施形態の所定値TIM1と同様、始動時水温TWINTに応じた設定とし始動時水温TWINTが低くなるほど大きくしている。
また、図20のステップ65において触媒9の温度TCATが所定値TCATH以上になったとき吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCの始動後目標値から通常時目標値への切換タイミングになったと、図21のステップ66において吸気バルブ温度TIVが所定値TIVH以上になったとき燃料噴射終了時期TITMの切換タイミングになったとそれぞれ判断している。
このように第3実施形態によれば、図23下から2段目に示したようにブースト圧により近い基本噴射パルス幅TPで始動時から始動後への切換タイミングを判定するので、(請求項8に記載の発明)、より適切なタイミングで切換えることができる。
また、図23第3段目に示したように、触媒の温度TCATが所定値TCATH以上となったとき触媒9が活性化したと(請求項12に記載の発明)、また吸気バルブ温度TIVが所定値TIVH以上となったとき吸気バルブ15が平衡温度に達したと(請求項15に記載の発明)判断するので、始動からの運転条件の差だけではなく、触媒9、吸気バルブ15の昇温特性(熱容量等)の差も切換タイミングに反映させることができ、燃費悪化の抑制、HC低減をより図ることができる。
上記触媒9の温度TCATとしては温度センサにより検出してもよいし、エンジンの運転条件から公知の手法を用いて推定するようにしてもかまわない。上記の吸気バルブ温度TIVとしては温度センサにより検出してもよいし、冷却水温Twに基づいて推定するようにしてもかまわない。例えば、次式により吸気バルブ温度TIVをサイクリックに演算させればよい。
TIV=(Tw+ΔT)×K1+TIV(前回値)×(1−K1)…(11)
ただし、ΔT;所定値、
TIV(前回値);TIVの前回値、
K1;加重平均係数、
(11)式左辺の吸気バルブ温度TIVは冷却水温Twより一定値ΔTだけ高い値を吸気バルブ平衡温度として、この平衡温度に一次遅れで近づく値である。ただし吸気バルブ温度TIVの初期値は始動時水温TWINITである。
実施形態では、図8に示したように、吸気バルブ閉時期の始動時目標値IVC1が始動後目標値IVC2より遅角側にあり、かつ吸気バルブ開時期の通常時目標値IVC3が始動後目標値IVC2より進角側にある場合で説明したが(図8第5段目、第4段目の実線参照)、図8に重ねて示したように、吸気バルブ閉時期の始動時目標値が始動後目標値IVC2より進角側にあり、かつ吸気バルブ開時期の通常時目標値が始動後目標値IVC2より遅角側にある場合でもかまわない(図8第5段目、第4段目の一点鎖線参照)。
実施形態では、L−ジェトロニック方式のガソリン噴射エンジンで説明したが、D−ジェトロニック方式のガソリン噴射エンジンにも適用できる。
請求項1、2に記載の制御手段の機能は、図9のステップ1、4、5、13、16〜24により果たされている。
本発明の第1実施形態の概略構成図。 始動時に燃料の気化を促進するための吸気バルブのバルブリフトの設定を説明する図。 吸気バルブ閉時期IVCを下死点に設定することによる排気低減効果の説明図。 バルブリフトの違いでの燃焼室内壁流量の変化を説明する図。 吸気行程噴射でシリンダ面壁流量が増加することの説明図。 始動直後(吸気バルブ温度が低い場合)の燃料噴射終了タイミングと吸気バルブ壁流量、燃焼室内壁流量の関係を説明する図。 始動後時間が経過(吸気バルブ温度が上昇)した場合の燃料噴射終了タイミングと吸気バルブ壁流量、燃焼室内壁流量の関係を説明する図。 始動からのタイミングチャート。 吸気バルブ開時期、吸気バルブ閉時期、燃料噴射終了時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 吸気バルブ開時期、吸気バルブ閉時期、燃料噴射終了時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 吸気バルブの作動角とリフト量の関係を示す特性図。 所定値TIM1、TIM2の特性図。 点火時期遅角量RADVの特性図。 吸気バルブ閉時期に対する実圧縮比の特性図。 第2実施形態の吸気バルブ開時期、吸気バルブ閉時期、燃料噴射終了時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の吸気バルブ開時期、吸気バルブ閉時期、燃料噴射終了時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 所定値N2の特性図。 所定値DTW1、DTW2の特性図。 第2実施形態の始動からのタイミングチャート。 第3実施形態の吸気バルブ開時期、吸気バルブ閉時期、燃料噴射終了時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の吸気バルブ開時期、吸気バルブ閉時期、燃料噴射終了時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 所定値TP2の特性図。 第3実施形態の始動からのタイミングチャート。 始動からの吸気バルブ温度の変化を示す波形図。
符号の説明
14 点火プラグ(点火装置)
15 吸気バルブ
21 燃料噴射弁(燃料噴射装置)
26 VEL機構(可変動弁機構、バルブリフト作動態様可変手段)
27 VTC機構(可変動弁機構、バルブリフト作動態様可変手段)
31 エンジンコントローラ
36 スタータスイッチ

Claims (19)

  1. 吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    この吸気バルブのバルブリフト作動態様を可変的に制御可能なバルブリフト作動態様可変手段と、
    前記吸気ポートより前記吸気バルブに向けて燃料噴射を行う燃料噴射装置と
    を備え、
    ピストンによるポンピング作用によりブースト圧が大気圧より小さくなってゆく前の始動時に前記吸気バルブと前記吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークするバルブリフト作動態様となるように、またピストンによるポンピング作用によりブースト圧が大気圧より小さくなってゆく始動後に前記吸気バルブと前記吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークしないバルブリフト作動態様となるように前記バルブリフト作動態様可変手段を制御する制御手段
    を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    この吸気バルブのバルブリフト量とバルブタイミングとを可変的に制御可能な可変動弁機構と、
    前記吸気ポートより前記吸気バルブに向けて燃料噴射を行う燃料噴射装置と
    を備え、
    始動後の第1のタイミングまでは前記吸気バルブと前記吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークするリフトで前記吸気バルブが作動するように、また前記第1のタイミング後には前記吸気バルブと前記吸気ポート壁の隙間を通過する吸気がチョークしないリフトで前記吸気バルブが作動するように前記可変動弁機構を制御する制御手段
    を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 前記第1のタイミングより遅い第2のタイミング以降に出力要求に応じたリフトで前記吸気バルブが作動するようにかつ前記吸気バルブの閉時期が吸気下死点より遅れた位置にくるように前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 燃焼室内に火花点火を行う点火装置を備え、前記第1のタイミングより前記第2のタイミングまでの区間で前記吸気バルブの閉時期が吸気下死点に近づくように前記可変動弁機構を、エンジンを安定した状態で燃焼させることができる限界の点火時期で点火が行われるように前記点火装置をそれぞれ制御することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記第1のタイミングより前記第2のタイミングまでの区間で前記吸気バルブの開時期より前の時期に燃料噴射を開始し、前記吸気バルブの開時期を過ぎた時期に燃料噴射を終了するように前記燃料噴射装置を制御することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記第1のタイミングは始動からの経過時間が第1の所定時間となったときであることを特徴とする請求項2から5までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記第1のタイミングはエンジン回転速度が所定値に達したときであることを特徴とする請求項2から5までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記第1のタイミングは1サイクル当たりの吸入空気量が所定値に達したときであることを特徴とする請求項2から5までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  9. 排気中の有害成分を浄化する触媒を備え、前記第2のタイミングは前記触媒が活性化するタイミングであることを特徴とする請求項3から5までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記触媒が活性化するタイミングは、始動からの経過時間が第2の所定時間となったときであることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記触媒が活性化するタイミングは、冷却水温から始動時水温を差し引いた値が第1の所定値以上となったときであることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  12. 前記触媒が活性化するタイミングは、前記触媒の温度が所定値以上となったときであることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  13. 前記第2のタイミング以降に燃料噴射が前記吸気バルブの開時期より進角側の位置で終了するように前記燃料噴射装置を制御することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの制御装置。
  14. 前記燃料噴射が前記吸気バルブの開時期より進角側の位置で終了するように前記燃料噴射装置を制御するタイミングを、前記第2のタイミングより早い第3のタイミングまで進めることを特徴とする請求項13に記載のエンジンの制御装置。
  15. 前記第3のタイミングは前記吸気バルブが冷却水温より所定値高い平衡温度に達するタイミングであることを特徴とする請求項14に記載のエンジンの制御装置。
  16. 前記吸気バルブが前記平衡温度に達するタイミングは、始動からの経過時間が第3の所定時間となったときであることを特徴とする請求項15に記載のエンジンの制御装置。
  17. 前記吸気バルブが前記平衡温度に達するタイミングは、冷却水温から始動時水温を差し引いた値が第2の所定値以上となったときであることを特徴とする請求項15に記載のエンジンの制御装置。
  18. 前記吸気バルブが前記平衡温度に達するタイミングは、吸気バルブ温度が所定値以上となったときであることを特徴とする請求項15に記載のエンジンの制御装置。
  19. 吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    この吸気バルブのバルブリフト作動態様を可変的に制御可能なバルブリフト作動態様可変手段と、
    前記吸気ポートより前記吸気バルブに向けて燃料噴射を行う燃料噴射装置と
    を備え、
    ピストンによるポンピング作用によりブースト圧が大気圧より小さくなってゆく前の始動時に前記吸気バルブと前記吸気ポート壁の隙間を通過する吸気による燃料の微粒化を促すバルブリフト作動態様となるように前記バルブリフト作動態様可変手段を制御する制御手段
    を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
JP2003370925A 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置 Expired - Fee Related JP4151563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003370925A JP4151563B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003370925A JP4151563B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005133648A JP2005133648A (ja) 2005-05-26
JP4151563B2 true JP4151563B2 (ja) 2008-09-17

Family

ID=34647785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003370925A Expired - Fee Related JP4151563B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4151563B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4701871B2 (ja) * 2005-06-28 2011-06-15 日産自動車株式会社 エンジンの制御装置
JP5772575B2 (ja) * 2011-12-27 2015-09-02 トヨタ自動車株式会社 スロットル弁開度推定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005133648A (ja) 2005-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100863475B1 (ko) 내연기관용 제어 장치 및 제어 방법
US7418946B2 (en) Engine start control apparatus and method
US9133811B2 (en) Method and apparatus for controlling start-up of internal combustion engine
US9945297B2 (en) Engine controller and engine control method
US7063068B2 (en) Variable valve timing controller for an engine
JP4677844B2 (ja) エンジンのバルブタイミング制御装置
EP3287626B1 (en) Engine control device and engine control method
JP3979376B2 (ja) エンジンの制御装置
US20060266313A1 (en) Valve-timing control apparatus of internal combustion engine
JP4124101B2 (ja) エンジンの制御装置
US10119486B2 (en) Engine control device and engine control method
JP4151563B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2007278073A (ja) エンジンの制御方法及び制御装置
JP3928613B2 (ja) エンジンの制御装置
EP3284946B1 (en) Engine control device and engine control method
JP4872654B2 (ja) エンジンの制御方法及び制御装置
JP2005163743A (ja) 内燃機関
JP5549136B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4872657B2 (ja) エンジンの制御方法及び制御装置
JP2002188550A (ja) 直噴火花点火式エンジンの制御装置
JP2008025537A (ja) エンジンの制御方法及び制御装置
JP2010138733A (ja) 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置
JP2008267175A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005139938A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080610

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4151563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees