JP4150087B2 - Non-aqueous electrolyte secondary battery - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解液二次電池に関し、特に非水電解液の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子技術のめざましい進歩は、電子機器の小型・軽量化を次々と実現させている。それに伴い、ポータブル用電源としての電池に対しても益々小型・軽量化且つ高エネルギー密度への要求が高まっている。
【0003】
従来、一般用途の二次電池としては鉛電池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系電池が主流である。しかし、これらの水溶液系の二次電池は、サイクル特性にはある程度満足できるが、電池重量やエネルギー密度の点では満足できる特性とは言えない。
【0004】
一方、最近、リチウムあるいはリチウム合金を負極に用いた非水電解液二次電池の研究開発が盛んに行われている。この電池は、例えばLiCoO2に代表されるようなLi含有複合酸化物を正極材料に用いることで高エネルギー密度を有するものになり、また、自己放電も少なく、軽量という優れた特性を有する。
【0005】
しかしながら、このようなリチウムあるいはリチウム合金を負極に用いた非水電解液二次電池は、充放電サイクルの進行に伴って、充電時にリチウムがデンドライト状に結晶成長し、正極に到達して内部ショートに至るといった可能性がある。また、デンドライトの生成が促進されてしまうために、実用的な急速充放電ができないといった問題がある。この理由から、このリチウムまたはリチウム合金を負極に用いる非水電解液二次電池の実用化は遠いものとなっている。
【0006】
そこで、このような問題を解消するものとして、酸化物や炭素等の層状化合物にリチウムイオンを取り込んだものを負極材料に用いる、いわゆるロッキングチエアー型の非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)が注目されている。
【0007】
この非水電解液二次電池は、このような層状化合物の層間にリチウムがドープ・脱ドープされるのを負極反応に利用するものであり、充放電サイクルが進行しても、デンドライトの析出が認められず、良好な充放電サイクル特性を示す。
【0008】
ところで、非水電解液二次電池の負極材料として使用し得る炭素材料は各種挙げられるが、初めに負極材料として実用化されたものはコークスやガラス状炭素等の難黒鉛化性炭素材料、すなわち有機材料を比較的低温で熱処理することによって得られる結晶性の低い炭素材料である。これら難黒鉛化性炭素材料で構成された負極と炭酸プロピレン(PC)を主溶媒とする電解液とを組み合わせた非水電解液二次電池が既に商品化されている。
【0009】
さらに、最近では、結晶構造が発達した黒鉛類も負極材料として使用できるようになっている。黒鉛類の場合、主溶媒として用いられるPCを分解してしまうことから、このことが、負極材料とする上での障害となっていた。しかし、安定性の高い炭酸エチレン(EC)を主溶媒とすることでこのような問題も解消され、負極材料として使用できるようになっている。
【0010】
黒鉛類は、鱗片状のものが比較的容易に入手でき、従来よりアルカリ電池用導電剤等として広く用いられている。この黒鉛類は、難黒鉛化性炭素材料に比べて結晶性が高く、真密度が高い。したがって、黒鉛類によって負極を構成すれば、高い電極充填性が得られ、電池のエネルギー密度が高められることになる。このことから、黒鉛類は負極材料として期待の大きな材料であると言える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リチウムイオン二次電池では充電によって次のような電位状態になる。すなわち、上述の如くLiCoO2に代表されるようなLi含有複合酸化物を使用する正極では、充電時にLiイオンが引き抜かれ、4.2V程度の高い電位になる。一方、上述の如く炭素材料を使用する負極では、Liイオンがドープされ、Li金属の電位に近づく。
【0012】
そのため、このような電池では、充電時に、正極は非常に酸化され易く、負極は非常に還元され易い状態にある。このため、充電状態で電池を保存していると、この間に電極に何らかの不可逆反応が生じ、回復しない容量劣化が引き起こされた。
【0013】
そこで、このような問題を解消する手段として、非水電解液に、特定濃度のメトキシベンゼン系化合物を添加することが提案されている。メトキシベンゼン系化合物を非水電解液に添加すると、充電状態での保存で起こる正極及び負極における不可逆反応が抑制され、これを原因とする容量劣化が改善される。
【0014】
しかしながら、最近では、携帯電話やノートパソコン等の電子機器における動作時間の延長等に伴って、これら電子機器の電源となる上述した非水電解液二次電池においても、更なる容量及び保存性の向上が要求されている。
【0015】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、充電状態で保存した際の容量劣化抑制効果をさらに向上させ、高容量かつ保存性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、これまでの非水電解液二次電池における不純物は、活物質の減量による容量低下のみならず、電池反応を阻害したり信頼性が低下する等の理由から、その量をできるだけ少なく抑えることが望まれていたが、メトキシベンゼン系化合物を含有する電解液においては、不純物濃度を規定することにより、上述した容量劣化抑制効果がさらに向上することを見いだした。
【0017】
すなわち、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Siイオンを5〜7000ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Kイオンを5〜500ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Feイオンを15〜70ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Caイオンを30〜70ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Alイオンを45〜70ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化60に記載の化合物を8〜10000ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化60】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化61に記載の化合物を150〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化61】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化62に記載の化合物を120〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする
【化62】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化63に記載の化合物を210〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化63】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化64に記載の化合物を8〜10000ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化64】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化65に記載の化合物を58〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化65】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化66に記載の化合物を77〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化66】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化67に記載の化合物を5〜8000ppmなる濃度で含有することを特徴とする
【化67】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化68に記載の化合物を42〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化68】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化69に記載の化合物を30〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化69】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化70に記載の化合物を60〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化70】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化71に記載の化合物を4〜10000ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化71】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化72に記載の化合物を60〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化72】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化73に記載の化合物を300〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【化73】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有する非水電解液二次電池において、
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化74に記載の化合物を100〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする
【化74】
【0018】
本発明に係る非水電解液二次電池においては、非水電解液が、不純物としてSi、K、Fe、Ca、Al、水及び化60〜化74で示される化合物を所定量含有することにより、メトキシベンゼン系化合物のみが添加された時よりも高い容量劣化抑制効果が発揮される。
【0019】
メトキシベンゼン系化合物のみを添加した場合でも、充電状態に生じる電池内の厳しい酸化及び還元雰囲気における正極及び負極における不可逆反応が抑制され、活物質の失活を防ぐ効果を得ることができる。しかし、ここで、メトキシベンゼン系化合物と併せて不純物を添加した場合には、不純物が活物質と反応し、活物質表面に生成した反応物がメトキシベンゼン系化合物による劣化抑制反応を均一に行わせるものと考えられる。或いは、メトキシベンゼン系化合物による劣化抑制反応時において、不純物も同時に反応し、より高い抑制効果を発揮するものと考えられる。したがって、活物質の劣化が活物質表面から内部まで進行せず、より高い抑制効果が発揮され、充放電反応性と容量が維持される。
【0020】
なお、上記不純物の含有量が5ppm未満の場合には、上述した劣化抑制効果が十分得られない。また、不純物の含有量が7000ppmを越える場合には、余分な副反応が生じ、逆に容量を劣化させることになるので好ましくない。
【0021】
ところで、上記不純物としては、イオンや、水を規定することが好ましい。特に、上記イオンとしては、Li、Si、Mg、Al、Ca、Fe、K、Na、F、O、Pから選ばれてなる元素を少なくとも1以上含むイオンがより好ましい。
【0022】
また、上記不純物しては、芳香族化合物、ベンゼンハロゲン化物、脂肪族炭化水素を規定することが好ましい。特に、上記脂肪族炭化水素化合物としては、カルボニル基、カルボキシル基、又はエーテル結合を有するものが好ましい。また、上記不純物としては、窒素、又は硫黄を有するものが好ましい。また、メトキシベンゼン系化合物が、不純物として、該メトキシベンゼン系化合物の異性体を含有していてもよい。
【0023】
このように、不純物としては、液相中自由に移動可能なイオンや水等の無機物を規定することが好ましい。また、同じく、不純物としては、電解液用溶媒の合成過程で混入する反応溶媒や副生成物する有機物、若しくは電気化学的に又は酸化還元等によって電池内で反応性を有する有機物を規定することがより好ましい。
【0024】
一方、非水電解液は、メトキシベンゼン系化合物を0.05〜0.8Mなる濃度で含有することが好ましい。メトキシベンゼン系化合物の添加量が0.8Mより多い場合には、導電率が低下し、低温特性に悪影響を与える。0.005Mより少ない場合には、十分な容量維持効果が得られない。
【0025】
また、メトキシベンゼン系化合物としては、メトキシ以外の水素基の少なくとも1以上がハロゲン元素により置換されてなる化合物が好ましく、ハロゲン元素としては、Fがより好ましい。ハロゲン元素に置換することにより、電気化学的耐酸化還元性が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的な実施の形態について説明する。
【0027】
本発明が適用される非水電解液二次電池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料と結着剤からなる負極、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤と結着剤からなる正極、及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液を有して構成される。
【0028】
本発明では、このような非水電解液二次電池の非水電解液が、メトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、不純物を5〜7000ppmなる濃度で含有することを特徴とする。
【0029】
ここで、上記不純物としては、あらゆる無機化合物が適用可能であるが、イオンや、水を規定することが好ましい。特に、上記イオンとしては、Li、Si、Mg、Al、Ca、Fe、K、Na、F、O、Pから選ばれてなる元素を少なくとも1以上含むイオンがより好ましい。
【0030】
また、上記不純物しては、電解液溶媒以外のあらゆる有機化合物について適用可能であるが、芳香族化合物、ベンゼンハロゲン化物、脂肪族炭化水素を規定することが好ましい。特に、上記脂肪族炭化水素化合物としては、カルボニル基、カルボキシル基、又はエーテル結合を有することが好ましい。また、上記不純物としては、窒素、又は硫黄を有することが好ましい。
【0031】
また、メトキシベンゼン系化合物が、不純物として、該メトキシベンゼン系化合物の異性体を含有していてもよい。
【0032】
具体的には、電解液用溶媒の合成過程で混入する反応溶媒、若しくは副生成物であるもの、例えば、炭酸エステル系溶媒の不純物として、エチレングリコールやメタノール等のアルコール類や、メトキシベンゼン系化合物を合成する際の副生成物であるメトキシベンゼン系化合物の異性体が挙げられる。その他、正極上で反応性の高い1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子を骨格に含む化合物、ケトン類等が挙げられる。また負極上で反応性の高いテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類、金属リチウムと反応性をもつピリジン、アセトニトリル等の窒素原子を骨格に含む化合物等が挙げられる。
【0033】
このように、不純物としては、液相中自由に移動可能なイオンや水を規定することが好ましい。また同じく、不純物としては、電解液用溶媒の合成過程で混入する反応溶媒や副生成物する有機物、若しくは電気化学的に又は酸化還元等によって電池内で反応性を有する有機物を規定することがより好ましい。
【0034】
これまで、一般に、不純物はできるだけ少なく抑えることが望まれていたが、本発明においては、メトキシベンゼン系化合物を含有する非水電解液中に特定不純物を5〜7000ppm含有させることにより、充電状態に生じる電池内の厳しい酸化及び還元雰囲気における正極及び負極における不可逆な反応を抑制して活物質の失活を防止し、より高い容量劣化抑制効果が発揮されるものである。
【0035】
なお、上記不純物の含有量が5ppm未満の場合には、上述した容量劣化抑制効果を十分得ることができない。また、不純物の含有量が7000ppmを越える場合には、余分な副反応が生じ、逆に容量を劣化させることになるので好ましくない。したがって、不純物の含有量は、5〜7000ppmが好ましく、10〜1000ppmがより好ましく、さらに、10〜500ppm以下がより好ましく、不純物の種類によって、適宜最適値を選択するとよい。
【0036】
一方、非水電解液に添加されるメトキシベンゼン系化合物としては、如何なる構造のものも使用可能であり、メトキシ基を少なくとも1以上有することが望ましい。
【0037】
さらに、メトキシベンゼン系化合物は、メトキシ基以外の水素基が少なくとも1以上のハロゲン元素で置換されていることが好ましい。ハロゲン元素としては、F、Br、Cl等が挙げられ、この中ではFが最も好ましい。ハロゲン元素で置換されているメトキシベンゼン化合物は、電気化学的耐酸化還元性が向上する。なお、ハロゲン元素が導入される位置は特に制限されない。
【0038】
また、これらメトキシベンゼン系化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
なお、メトキシベンゼン系化合物としては、具体的には、化1〜化58で示される化合物が挙げられる。但し、化10〜化58中、X1,X2は、F,Br,Clのいずれか1種を示す。
【0040】
【化1】
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
【化19】
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
【化23】
【0063】
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
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【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
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【化32】
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【0096】
【化57】
【0097】
【化58】
【0098】
上述したメトキシベンゼン系化合物の適正な添加量は、化合物の種類によっても異なるが0.005〜0.8M、より好ましくは0.005〜0.5Mである。添加量が少なすぎると容量劣化抑制効果が十分に得られない。また、添加量が多すぎる場合には、電解液の導電率が低くなり、特に低温特性が損なわれる。
【0099】
本発明では、このように電解液にメトキシベンゼン系化合物と不純物とを添加するが、他の電解液の成分としては、この種の非水電解液二次電池で通常用いられているものがいずれも使用可能である。
【0100】
まず、非水溶媒としては、エチレンカーボネート等の比較的誘電率の高いものを主溶媒に用い、さらに複数の低粘度溶媒を添加したものを使用するのが望ましい。
【0101】
高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)の他、プロピレンカーボネート(PC),ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、スルホラン酸、ブチロラクトン類、バレロラクトン類等が使用可能である。
【0102】
低粘度溶媒としては、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネート等の対称の鎖状炭酸エステル、メチルエチルカーボネート,メチルプロピルカーボネート等の非対称の鎖状炭酸エステル、プロピオン酸メチル,プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル、さらにリン酸トリメチル,リン酸トリエチル等のリン酸エステル等が使用可能である。これらのうち1種類を用いてもよく、さらに2種類以上を組み合わせて用いても良好な結果が得られる。
【0103】
特に、負極に黒鉛材料を用いる場合には、他の高誘電率溶媒に比べて黒鉛による分解がされ難いことから、エチレンカーボネートを主溶媒として用いるのが望ましいが、エチレンカーボネートの水素原子をハロゲンで置換した化合物も好適である。
【0104】
また、プロピレンカーボネートのように黒鉛材料と反応性があるものであっても、エチレンカーボネートやエチレンカーボネートのハロゲン化物を主溶媒とし、これの一部を置き換える第2の成分溶媒として添加するのであれば使用しても差し支えない。特に、ここでは電解液にメトキシベンゼン系化合物が添加されており、これが黒鉛材料と溶媒の反応を抑制するように作用することから、プロピレンカーボネートの添加量を比較的多く設定することが可能である。
【0105】
第2の成分溶媒として用いられるものは、プロピレンカーボネートの他、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。このうち、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の炭酸エステル系溶媒を用いるのが好ましい。なお、これらの添加量は40容量%以下、さらには20容量%以下とするのが望ましい。
【0106】
非水溶媒に溶解する電解質塩としては、この主の電池に用いられるものがいずれも使用可能である。具体的にはLiPF6 、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiB(C6 H5 )4 、CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li,LiN(CF3 SO2 )2、LiC(CF3SO2)3、LiCl、LiBr等が挙げられる。これら電解質塩は1種類を単独で使用しても、複数種を組み合わせて使用しても構わない。なお、組み合わせて使用する場合、LiPF6 を主成分とするのが望ましい。
【0107】
一方、電池の負極,正極としては次のようなものが使用できる。
【0108】
まず、負極材料としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料や、結晶質あるいは非晶質の金属カルコゲン化物が用いられる。
【0109】
このうち、炭素材料としては、易黒鉛化性炭素材料、難黒鉛化性炭素材料、黒鉛材料が使用できる。
【0110】
難黒鉛化性炭素材料としては、(002)面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm3未満、空気中での示差熱分析(DTA)において、700℃以上に発熱ピークを有さないといった物性パラメータを有する材料が好適である。
【0111】
このような難黒鉛化性炭素材料は、有機材料を1000℃程度の温度で熱処理することで得られる。
【0112】
出発原料の代表としては、フルフリルアルコールやフルフラールのホモポリマー,コポリマーあるいは他の樹脂と共重合したフラン樹脂等が挙げられる。
【0113】
さらに、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)等の共役系樹脂、セルロースおよびその誘導体、任意の有機高分子系化合物を使用することができる。
【0114】
また、特定のH/C原子比を有する石油ピッチに、酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)したものも、上記フラン樹脂と同様、炭素化の過程(400℃以上)で溶融せず、固相状態で最終的に難黒鉛化性炭素材料になる。
【0115】
上記石油ピッチは、コールタール,エチレンボトム油,原油等の高温熱分解で得られるタール類、アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合等の操作によって得られる。このとき、石油ピッチのH/C原子比が重要で、難黒鉛化性炭素とするためにはこのH/C原子比を0.6〜0.8とする必要がある。
【0116】
これらの石油ピッチに、酸素架橋を形成するための具体的な手段は限定されないが、例えば硝酸,混酸,硫酸,次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、あるいは酸化性ガス(空気、酸素)による乾式法、さらに硫黄,硝酸アンモニウム,過硫酸アンモニア,塩化第二鉄等の固体試薬による反応などが用いられる。
【0117】
この酸素含有率は、特に限定されないが、特開平3−252053号公報に記載されるように、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上である。この酸素含有率は、最終的に製造される炭素材料の結晶構造に影響を与え、酸素含有率をこの範囲としたときに、上述したような(002)面間隔を0.37nm以上、空気気流中での示差熱分析(DTA)において700℃以上に発熱ピークを有さないといった物性パラメータを有するものになり、負極容量が向上する。。
【0118】
なお、出発原料はこれらに限定されず、他のあらゆる有機材料、すなわち酸素架橋処理等によって固相炭素化過程を経て難黒鉛化炭素材料となるものであればいずれも使用可能である。
【0119】
また、以上のような有機材料を出発原料とする難黒鉛化性炭素材料の他、特開平3−137010号公報に記載されるリン、酸素、炭素を主成分とする化合物も難黒鉛化性炭素材料と同様の物性パラメータを示し、負極の材料として好ましい。
【0120】
難黒鉛化性炭素材料は、以上のような有機材料を焼成等によって炭素化することによって得られるが、この焼成は次のようなプロセスで行うのが望ましい。
【0121】
すなわち、難黒鉛化性炭素材料を合成するには、有機材料を温度300〜700℃で炭化した後、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度900〜1300℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度の条件で焼成を行う。なお、場合によっては炭化操作は省略しても良い。そして、このようにして得られた焼結体は、この後、粉砕・分級して負極に供されるが、この粉砕は炭化、仮焼、高温熱処理の前後で行っても昇温過程の間で行っても構わない。
【0122】
次に、黒鉛材料としては、真密度が2.1g/cm3以上であるのが好ましく、2.18g/cm3以上であるのがより好ましい。そのような真密度を得るには、X線回折法で測定される(002)面間隔が好ましくは0.340nm未満、さらに好ましくは0.335nm以上、0.337nm以下であり、(002)面のC軸結晶子厚みが14.0nm以上であることが必要である。
【0123】
また、黒鉛材料では、以上のような真密度や結晶構造パラメータの他、嵩密度、平均形状パラメータxave,比表面積,粒度分布,粒子破壊強度といった特性も重要になる。次に、これらの特性について説明する。
【0124】
まず、嵩密度は、JIS K−1469に記載される方法に準じて測定される。この測定方法を以下に示す。
【0125】
<嵩密度測定方法>
予め質量を測定しておいた容量100cm3 のメスシリンダーを斜めにし、これに試料粉末100cm3 を、さじを用いて徐々に投入する。そして、全体の質量を最小目盛り0.1gで測り、その質量からメスシリンダーの質量を差し引くことで試料粉末の質量Mを求める。
【0126】
次に、試料粉末が投入されたメスシリンダーにコルク栓をし、その状態のメスシリンダーを、ゴム板に対して約5センチメートルの高さから50回落下させる。その結果、メスシリンダー中の試料粉末は圧縮されるので、その圧縮された試料粉末の容積Vを読み取る。そして、下記の式1により嵩比重(g/cm3 )を算出する。
【0127】
D=M/V・・・式1
D:嵩比重(g/cm3 )
M:メスシリンダー中の試料粉末の質量(g)
V:50回落下後のメスシリンダー中の試料粉末の容積(cm3 )
黒鉛材料としては、この嵩密度が0.4g/cm3以上のものを用いるのが望ましい。黒鉛材料は形状が鱗片状であることから電極から剥がれ落ち易く、このことがサイクル寿命を短くする原因になる。但し、このように嵩密度が0.4g/cm3以上の黒鉛材料であれば、剥がれ落ちが抑えられ、サイクル寿命が向上する。なお、嵩密度のより好ましい範囲は、0.5g/cm3以上、さらには0.6g/cm3以上である。
【0128】
次に、平均形状パラメータxaveは以下のようにして求められるものである。
【0129】
<平均形状パラメータxave:SEM法>
すなわち、黒鉛材料の代表的な粒子形状は、図1あるいは図2の模式図で示すように偏平な円柱状あるいは直方体状である。この黒鉛粒子の最も厚さの薄い部分の厚さをT、最も長さの長い長軸方向の長さをL、奥行きに相当する長軸と直交する方向の長さをWとしたときに、LとWそれぞれをTで除した値の積が上記形状パラメータxである。この形状パラメータxが小さいもの程、底面積に対する高さが高く偏平度が小さいことを意味する。
【0130】
x=(L/T)×(W/T)・・・式2
x:形状パラメータ
T:粉末の最も厚さの薄い部分の厚さ
L:粉末の長軸方向の長さ
W:粉末の長軸と直交する方向の長さ
このような形状パラメータxを、実際の黒鉛粉末について測定するには、黒鉛粉末の形状をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、最も長さの長い部分の長さが平均粒径の±30%であるような粉末を10個選択する。そして、選択した10個の粉末それぞれについて式2により形状パラメータを計算し、その平均を算出する。この算出された平均値が平均形状パラメータxaveである。
【0131】
この平均形状パラメータxaveは125以下であるのが望ましい。嵩密度が上述の範囲内であって、且つこのようにして求められる平均形状パラメータxaveが125以下であるような偏平度の低い黒鉛粉末を用いると、電極の構造がさらに改善され、黒鉛粉末が剥がれ落ち難くなる。これにより、サイクル寿命がより一層向上することになる。なお、平均形状パラメータxave のより好ましい範囲は、2以上115以下、さらには2以上100以下である。
【0132】
続いて、黒鉛粉末の比表面積であるが、これは窒素吸着BET法によって求められ、9m2/g以下であるのが望ましい。嵩密度、平均形状パラメータxaveが上記条件を満たすとともに、この比表面積が9m2/g以下の黒鉛粉末を用いることによって、電池のサイクル寿命がさらに改善される。
【0133】
なお、比表面積の規制が電池のサイクル寿命に効果を示すのは、この比表面積が、黒鉛粉末への微粒子の付着を反映するからである。
【0134】
すなわち、黒鉛粉末にはサブミクロン程度の微粒子が付着している場合が多く、微粒子の付着が黒鉛材料の嵩密度を低くしているものと考えられる。したがって、黒鉛粉末への微粒子の付着はできるだけ少ない方が望ましい。
【0135】
一方、黒鉛粉末の比表面積は、同じ粒度であれば、微粒子の付着が多い程大きくなり、逆に微粒子の付着が少ない程小さくなる。つまり、比表面積が9m2/g以下に抑えれているということは、この微粒子の付着が非常に少ないことを意味しており、したがって高い嵩密度が得られ長サイクル寿命が得られる。なお、この比表面積は、より好ましくは7m2/g以下、さらに好ましくは5m2/g以下である。
【0136】
黒鉛粉末の粒度は、粒度分布図(横軸:粒径、縦軸:粒子個数)から求められる累積10%粒径、累積50%粒径、累積90%粒径によって最適化される。この累積10%粒径、累積50%粒径、累積90%粒径とは、粒度分布図において、それぞれ0μmから積分した面積が全面積の10%,50%,90%となったときの粒径のことである。
【0137】
このうち、累積10%粒径は3μm以上、累積50%粒径は10μm以上、累積90%粒径は70μm以下であるのが望ましい。これは 以下の理由からである。
【0138】
すなわち、電極充填性を考えた場合、黒鉛粉末の粒度分布は、横軸(粒径)にある程度幅をもった分布であり、特に正規分布となっていると高い充填効率が得られ、望ましい。
【0139】
但し、過充電等の異常事態になった場合、電池に発熱が生じる可能性があり、このような場合に、小粒径の黒鉛粉末の分布数が多いと、発熱温度が高くなる傾向がある。
【0140】
一方、電池の充電時には、黒鉛層間へリチウムイオンが挿入されるため結晶子が約10%膨張する。そして、この膨張によって正極やセパレータが圧迫され、初充電時に内部ショート等の初期不良が起こり易い状態になる。このような膨張による不良は、大粒径の黒鉛粉末の分布数が多い程顕著になる。
【0141】
つまり、黒鉛粉末は、小粒径のものが多すぎても、大粒径のものが多すぎても不具合があり、粒径の大きい粒子から小さい粒子までバランス良く配合されているのが望ましい。
【0142】
上述の累積10%粒径、累積50%粒径、累積90%粒径の範囲はこれらの点に着目して設定されたものであり、これを満たす黒鉛材料は粒径の大きい粒子から小さい粒子までバランス良く配合されている。したがって、過充電時等において電池の発熱が抑えられるとともに初期不良が低減し、高い信頼性が得られる。なお、これら累積粒径のうち、特に累積90%粒径は、初期不良を防止する点から60μm以下であるのが望ましい。
【0143】
なお、粒子の粒径及び粒子個数は、例えばマイクロトラック粒度分析計を用い、レーザー光の散乱によって測定することができる。
【0144】
次に、黒鉛粉末の破壊強度は次のようにして測定される、
<平均粒子破壊強度の測定方法>
破壊強度の測定は、島津微小圧縮試験機(島津製作所社製 商品名MCTM−500)を用いて行う。
【0145】
まず、付属の光学顕微鏡によって黒鉛粉末を観察し、最も長さの長い部分の長さが平均粒径の±10%であるような粉末を10個選択する。そして、選択した10個の粉末それぞれについて、荷重を掛けて破壊強度を測定し、その平均値を算出する。この算出された平均値が黒鉛粉末の平均粒子破壊強度である。
【0146】
実用電池として十分な重負荷特性を得るには、黒鉛粉末の平均粒子破壊強度が6.0kgf/mm2以上であるのが望ましい。なお、この破壊強度と負荷特性には次のような関係がある。
【0147】
まず、負荷特性には放電時のイオンの動き易さが影響する。
【0148】
ここで、電極材料に空孔が多く存在する場合には、電極中に電解液が含浸され易いため、イオンが移動し易く、良好な負荷特性が得られる。電極材料に空孔が少ないと、イオンが移動し難いため、負荷特性の点で劣ってしまう。
【0149】
一方、結晶性の高い黒鉛材料は、a軸結晶方向に黒鉛六角網面が発達しており、その積み重なりによってc軸の結晶子が成り立っている。この炭素六角網面同士の結合はファンデルワールス力という弱い結合であり、応力に対して変形しやすい。このため、黒鉛材料は、通常、圧縮成型によって電極に充填する際に潰れ易く、空孔を確保しておくのが難しい。
【0150】
上述したような破壊強度は、このような空孔の潰れ難さの指標となるものである。黒鉛材料であっても、破壊強度が6.0kg/mm2以上のものを選択して用いれば、空孔が確保され、良好な負荷特性が得られるようになる。
【0151】
黒鉛材料としては以上のような物性を有するものが選択して用いられるが、この黒鉛材料は、天然黒鉛であっても、有機材料を炭素化し、さらに高温処理することで得られる人造黒鉛であっても良い。
【0152】
人造黒鉛を生成するに際して、出発原料となる有機材料としては石炭やピッチが代表的である。
【0153】
ピッチとしては、コールタール、エチレンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によって得られるものや、その他木材乾留時に生成するピッチ等もある。
【0154】
さらにピッチとなる出発原料としてはポリ塩化ビニル樹脂,ポリビニルアセテート,ポリビニルブチラート,3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
【0155】
これら石炭,ピッチは、炭素化の途中、最高400℃程度で液状で存在し、その温度で保持することで芳香環同士が縮合、多環化し積層配向した状態となり、その後500℃程度以上の温度になると固体の炭素前駆体,すなわちセミコークスを形成する。このような過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛化炭素の典型的な生成過程である。
【0156】
その他、ナフタレン,フェナントレン,アントラセン,トリフェニレン,ピレン,ペリレン,ペンタフェン,ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、その他誘導体(例えばこれらのカルボン酸,カルボン酸無水物,カルボン酸イミド等)あるいは混合物、アセナフチレン,インドール,イソインドール,キノリン,イソキノリン,キノキサリン,フタラジン,カルバゾール,アクリジン,フェナジン,フェナントリジン等の縮合複素環化合物、さらにはその誘導体も原料として使用可能である。
【0157】
以上の有機材料を出発原料として人造黒鉛を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等の不活性ガス気流中、温度300〜700℃で炭化した後、不活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度の条件で仮焼し、さらに温度2000℃以上、好ましくは2500℃以上で熱処理する。勿論、場合によっては炭化や仮焼操作は省略しても良い。
【0158】
生成された黒鉛材料は分級あるいは粉砕・分級して負極材料に供されるが、粉砕は、炭化、仮焼の前後、あるいは、黒鉛化前の昇温過程の間のいずれで行っても良い。これらの場合には、最終的に粉末状態で黒鉛化のための熱処理が行われる。
【0159】
但し、嵩密度や破壊強度の高い黒鉛粉末を得るには、原料を成型体としたかたちで熱処理を行い、得られた黒鉛化成型体を粉砕、分級するのが望ましい。
【0160】
すなわち、黒鉛化成型体を作製するには、フィラーとなるコークスと、成型剤あるいは焼結剤となるバインダーピッチを混合して成型する。そして、この成型体を1000℃以下の低温で熱処理した後、溶融させたバインダーピッチを含浸させるといったピッチ含浸/焼成工程を数回繰り返した後、高温で熱処理する。含浸させたバインダーピッチは、以上の熱処理過程で炭素化し、黒鉛化される。そして、得られた黒鉛化成型体を粉砕して黒鉛粉末とする。
【0161】
このようにして得られた黒鉛化成型体の粉砕粉は、嵩密度や破壊強度が高く、性能に優れた電極が得られる。
【0162】
また、フィラー(コークス)とバインダーピッチを原料にしているため、多結晶体として黒鉛化し、また原料に含まれる硫黄や窒素が熱処理時にガスとなって発生するため、その通り路にミクロな空孔が形成される。空孔が形成されていると、負極の反応、すなわちリチウムのドープ・脱ドープ反応が進行し易くなる。また、空孔が空いていると、工業的に処理効率が高いという利点もある。
【0163】
なお、成型体の原料としては、それ自身に成型性、焼結性を有するフィラーを用いても良い。この場合には、バインダーピッチの使用は不要である。
【0164】
負極材料としては、炭素材料の他、リチウムイオンのドープ・脱ドープ可能な金属酸化物も使用可能である。
【0165】
金属酸化物としては、遷移金属を含有する酸化物が好適であり、具体的には酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ、酸化珪素等を主体とする結晶化合物あるいは非結晶化合物が挙げられる。なお、このうち充放電電位が比較的金属Liに近いものを用いるのが望ましい。
【0166】
次に、正極の材料について説明する。
【0167】
正極材料は、十分な量のLiを含んでいることが好ましく、例えば一般式LiMO2(但し、MはCo,Ni,Mn,Fe,Al,V,Tiの少なくとも1種を表す)で表されるリチウムと遷移金属からなる複合金属酸化物やLiを含んだ層間化合物等が好適である。
【0168】
特に、高容量を達成するためには、正極は、定常状態(例えば5回程度充放電を繰り返した後)で、炭素材料1g当たり250mAh以上の充放電容量相当分のLiをふくむことが必要であり、300mAh以上の充放電容量相当分のLiを含むことがより好ましい。
【0169】
なお、Liは必ずしも正極からすべて供給される必要はなく、要は電池系内に炭素質材料1g当たり250mAh以上の充放電容量相当分のLiが存在すれば良い。なお、この電池系内のLi量は、電池の放電容量を測定することによって判断することとする。
【0170】
【実施例】
以下、本発明の実施例について実験結果に基づいて説明する。
【0171】
実験例1
まず、負極活物質を次のようにして合成した。
【0172】
フィラーとなる石炭系コークス100重量部に対し、バインダーとなるコールタール系ピッチを30重量部加え、温度約100℃で混合した後、プレスにて圧縮成型し、炭素成型体の前駆体を得た。
【0173】
次いで、この前駆体を1000℃以下の温度で熱処理して炭素材料成型体を作製した。そして、この炭素材料成型体に、200℃以下の温度で溶融させたバインダーピッチを含浸し、1000℃以下の温度で熱処理するというピッチ含浸/焼成工程を繰り返し行った。
【0174】
その後、この炭素成型体を、不活性雰囲気下、温度2700℃で熱処理することによって黒鉛化成型体とし、粉砕,分級することによって黒鉛試料粉末を作製した。
【0175】
このとき得られた黒鉛材料の物性値を以下に示す。
【0176】
(002)面の面間隔:0.337nm
(002)面のC軸結晶子厚み:50.0nm
真密度:2.23g/cm3
嵩密度:0.83g/cm3
平均形状パラメータXave:10
比表面積:4.4m2/g
粒度:
平均粒径;31.2μm
累積10%粒径;12.3μm
累積50%粒径;29.5μm
累積90%粒径;53.7μm
粒子の破壊強度の平均値;7.1kgf/mm2
なお、(002)面の面間隔及び(002)面のC軸結晶子厚みはX線回折測定、真密度はピクノメータ法、比表面積はBET法、粒度はレーザ回折法による粒度分布からそれぞれ測定した。
【0177】
そして、以上のようにして得た黒鉛試料粉末を負極活物質として図3に示される負極1を作製した。
【0178】
まず、黒鉛試料粉末を90重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を混合して負極合剤を調製し、溶剤となるN−メチルピロリドンに分散させることで負極合剤スラリー(ペースト状)とした。
【0179】
次いで、負極集電体10として厚さ10μmの帯状銅箔を用意し、この負極集電体10の両面に上記負極合剤スラリーを均一に塗布、乾燥させた後、一定圧力で圧縮成型することによって帯状負極1を作製した。
【0180】
一方、正極活物質は次のようにして生成した。
【0181】
炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1モルを混合し、この混合物を、空気中、温度900℃で5時間焼成した。得られた材料についてX線回折測定を行った結果、JCPDSファイルに登録されたLiCoO2のピークと良く一致していた。
【0182】
このLiCoO2を粉砕し、レーザ回折法で得られる累積50%粒径が15μmのLiCoO2粉末を得た。
【0183】
そして、このLiCoO2粉末95重量部と炭酸リチウム粉末5重量部を混合し、この混合物のうち91重量部を、導電剤として燐片状黒鉛6重量部と結着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部と混合して正極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させることで正極合剤スラリー(ペースト状)とした。
【0184】
次いで、正極集電体11として厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔を用意し、この正極集電体11の両面に上記正極合剤スラリーを均一に塗布、乾燥させた後、圧縮成型することで帯状正極2を作製した。
【0185】
以上のようにして作製された帯状負極1、帯状正極2を、図3に示すように厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータを介して、負極1、セパレータ3、正極2、セパレータ3の順に積層してから多数回巻回し、外径18mmの渦巻型電極体を作製した。
【0186】
このようにして作製した渦巻型電極体を、上下両面に絶縁板4を載置した状態でニッケルめっきを施した鉄製電池缶5に収納した。
【0187】
そして、アルミニウム製正極リード13を正極集電体11から導出して電流遮断用薄板8に、ニッケル製負極リード12を負極集電体10から導出して電池缶5に溶接した。
【0188】
そして、この電池缶5の中に非水電解液を注入した。この非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化59で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.05Mなる濃度で添加し、不純物として、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、及び化60〜74で示される有機物を所定量添加したものを用いた。
【0189】
【化59】
【0190】
【化60】
【0191】
【化61】
【0192】
【化62】
【0193】
【化63】
【0194】
【化64】
【0195】
【化65】
【0196】
【化66】
【0197】
【化67】
【0198】
【化68】
【0199】
【化69】
【0200】
【化70】
【0201】
【化71】
【0202】
【化72】
【0203】
【化73】
【0204】
【化74】
【0205】
次いで、アスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶5をかしめることで、電流遮断機構を有する安全弁装置8、PTC素子9並びに電池蓋7を固定し、電池内の気密性を保持させ、直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電池(実験例1−1〜実験例1−21)を作製した。
【0206】
実験例2
非水電解液に、メトキシベンゼン系化合物と不純物を添加しないこと以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例2)を作製した。
【0207】
実験例3
非水電解液に不純物を添加しないこと以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例3)を作製した。
【0208】
実験例4
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.05Mなる濃度で添加し、不純物として、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、及び化60〜74で示される有機物を所定量添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例4−1〜実験例4−21)を作製した。
【0209】
【化75】
【0210】
実験例5
非水電解液に不純物を添加しないこと以外は、実験例4と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例5)を作製した。
【0211】
実験例6
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化76で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.02Mなる濃度で添加し、不純物として、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、化60〜74で示される有機物を所定量添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例6−1〜実験例6−21)を作製した。
【0212】
【化76】
【0213】
実験例7
非水電解液に不純物を添加しないこと以外は、実験例6と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例7)を作製した。
【0214】
実験例8
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、メトキシベンゼン系化合物を添加せずに、不純物として、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、及び化60〜74で示される有機物を所定量添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例8−1〜実験例8−21)を作製した。
【0215】
実験例9
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、Kを3〜3000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例9−1〜実験例9−7)を作製した。
【0216】
実験例10
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、Siを2〜10000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例10−1〜実験例10−10)を作製した。
【0217】
実験例11
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、H2Oを4〜3000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例11−1〜実験例11−7)を作製した。
【0218】
実験例12
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、化60で示される有機物を8〜10000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例12−1〜実験例12−8)を作製した。
【0219】
実験例13
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、化64で示される有機物を8〜10000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例13−1〜実験例13−7)を作製した。
【0220】
実験例14
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、化67で示される有機物を5〜8000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例14−1〜実験例14−6)を作製した。
【0221】
実験例15
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、化71で示される有機物を4〜10000ppmなる濃度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例15−1〜実験例15−7)を作製した。
【0222】
実験例16
非水電解液に不純物を添加しない以外は、実験例9と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例16)を作製した。
【0223】
評価
以上のように作製された非水電解液二次電池について、充放電を行い、容量及び充放電効率を測定した。充電は、定電流0.4A、最大電圧4.2V、7時間の定電流定電圧条件とし、放電は、定電流0.4Aで終止電圧2.75Vまで行った。そして、下記の式3を用いて充放電効率を算出した。
【0224】
充放電効率[%]=(放電容量/充電容量)×100 ・・・式3
その後、同電池を同様の条件で充電し、温度23℃にて1カ月保存した後、前記条件で放電し、下記の式4を用いて容量維持率を算出した。
【0225】
容量維持率[%]=(保存後容量/保存前容量)×100 ・・・式4
その結果をメトキシベンゼン系化合物の種類並びに添加量、及び不純物の種類並びに添加量と併せて表1〜表13に示す。また、実験例9〜実験例16における不純物濃度と容量との関係を図4及び図5に示す。
【0226】
【表1】
【0227】
【表2】
【0228】
【表3】
【0229】
【表4】
【0230】
【表5】
【0231】
【表6】
【0232】
【表7】
【0233】
【表8】
【0234】
【表9】
【0235】
【表10】
【0236】
【表11】
【0237】
【表12】
【0238】
【表13】
【0239】
これら実験例の結果から、メトキシベンゼン系化合物を含有する非水電解液中の不純物の濃度を規定することにより、メトキシベンゼン系のみが添加された時よりも、容量が大きく、且つ保存性(容量劣化抑制効果)に優れる非水電解液二次電池を得られることがわかる。また、不純物の濃度が小さすぎる場合には、不純物を添加した効果がなく、不純物の濃度が大きすぎる場合には、かえって容量の低下につながるため好ましくないことがわかる。
【0240】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、非水電解液が、メトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、不純物としてSi、K、Fe、Ca、Al、水及び化60〜化74で示される化合物を所定量含有してなることから、充電状態で生じる正極及び負極における不可逆反応が抑制され、容量の劣化が抑制される。その結果、容量が大きく、かつ保存性に優れた非水電解液二次電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒鉛の粒子形状の一例を示す模式図である。
【図2】黒鉛の粒子形状の他の例を示す模式図である。
【図3】本発明を適用した非水電解液二次電池の一構成例を示す縦断面図である。
【図4】実験例9〜実験例11における不純物濃度と容量との関係を示す特性図である。
【図5】実験例12〜実験例15における不純物濃度と容量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 負極、2 正極、3 セパレータ、4 絶縁板、5 電池缶、6 絶縁封口ガスケット、7 電池蓋[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a non-aqueous electrolyte secondary battery, and more particularly to improvement of a non-aqueous electrolyte.
[0002]
[Prior art]
The remarkable progress of electronic technology in recent years has made electronic devices smaller and lighter one after another. Along with this, there is an increasing demand for batteries as portable power sources that are smaller, lighter and have higher energy density.
[0003]
Conventionally, as a secondary battery for general use, an aqueous battery such as a lead battery or a nickel / cadmium battery has been mainly used. However, these aqueous secondary batteries can satisfy the cycle characteristics to some extent, but are not satisfactory in terms of battery weight and energy density.
[0004]
On the other hand, research and development of non-aqueous electrolyte secondary batteries using lithium or a lithium alloy as a negative electrode have been actively conducted recently. This battery is, for example, LiCoO2By using a Li-containing composite oxide as typified by the positive electrode material, it has a high energy density, and it has excellent self-discharge characteristics and light weight.
[0005]
However, in such a non-aqueous electrolyte secondary battery using lithium or a lithium alloy as a negative electrode, as the charge / discharge cycle progresses, lithium grows in a dendritic form during charging and reaches the positive electrode to cause an internal short circuit. There is a possibility of reaching. Moreover, since the generation of dendrites is promoted, there is a problem that practical rapid charge / discharge cannot be performed. For this reason, the practical application of non-aqueous electrolyte secondary batteries using this lithium or lithium alloy for the negative electrode has been far away.
[0006]
Therefore, in order to solve such problems, a so-called rocking air type non-aqueous electrolyte secondary battery (lithium ion secondary battery) in which a lithium compound is incorporated into a layered compound such as an oxide or carbon is used as a negative electrode material. Secondary batteries) are attracting attention.
[0007]
This non-aqueous electrolyte secondary battery utilizes the fact that lithium is doped / undoped between the layers of such a layered compound in the negative electrode reaction, and even if the charge / discharge cycle proceeds, the dendrite is deposited. It is not recognized and shows good charge / discharge cycle characteristics.
[0008]
By the way, there are various carbon materials that can be used as the negative electrode material of the nonaqueous electrolyte secondary battery, but those that were first put to practical use as the negative electrode material are non-graphitizable carbon materials such as coke and glassy carbon, that is, It is a carbon material with low crystallinity obtained by heat-treating an organic material at a relatively low temperature. Non-aqueous electrolyte secondary batteries in which a negative electrode composed of these non-graphitizable carbon materials and an electrolyte containing propylene carbonate (PC) as a main solvent have already been commercialized.
[0009]
Furthermore, recently, graphite having a developed crystal structure can be used as a negative electrode material. In the case of graphite, since PC used as a main solvent is decomposed, this has been an obstacle to use as a negative electrode material. However, by using ethylene carbonate (EC) having high stability as a main solvent, such a problem is solved and it can be used as a negative electrode material.
[0010]
As for the graphites, scaly ones can be obtained relatively easily, and have been widely used as conductive agents for alkaline batteries. These graphites have higher crystallinity and higher true density than non-graphitizable carbon materials. Therefore, if the negative electrode is made of graphite, high electrode filling properties can be obtained, and the energy density of the battery can be increased. From this, it can be said that graphites are highly expected materials as negative electrode materials.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in a lithium ion secondary battery, it will be in the following potential states by charge. That is, as described above, LiCoO2In the positive electrode using the Li-containing composite oxide as typified by Li, Li ions are extracted during charging, and the potential becomes as high as about 4.2V. On the other hand, in the negative electrode using a carbon material as described above, Li ions are doped and approach the potential of Li metal.
[0012]
Therefore, in such a battery, at the time of charging, the positive electrode is very easily oxidized and the negative electrode is very easily reduced. For this reason, when the battery was stored in a charged state, some irreversible reaction occurred in the electrode during this period, causing a capacity deterioration that did not recover.
[0013]
Therefore, as a means for solving such problems, it has been proposed to add a specific concentration of a methoxybenzene compound to a non-aqueous electrolyte. When a methoxybenzene compound is added to the non-aqueous electrolyte, irreversible reactions at the positive electrode and the negative electrode that occur during storage in a charged state are suppressed, and capacity degradation caused by this is improved.
[0014]
However, recently, with the extension of the operation time in electronic devices such as mobile phones and laptop computers, the above-described non-aqueous electrolyte secondary battery serving as a power source for these electronic devices also has further capacity and storability. Improvement is required.
[0015]
Therefore, the present invention has been made in view of such a conventional situation, and further improves the capacity deterioration suppressing effect when stored in a charged state, and has a high capacity and excellent storability. The object is to provide a secondary battery.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies by the present inventors to achieve the above-mentioned object, impurities in the conventional non-aqueous electrolyte secondary battery inhibit not only the capacity reduction due to the reduction of the active material but also the battery reaction. However, in the electrolytic solution containing a methoxybenzene compound, the above-mentioned capacity deterioration is caused by defining the impurity concentration in the electrolytic solution containing the methoxybenzene compound. It was found that the suppression effect was further improved.
[0017]
That is, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. In the non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds and Si It is characterized by containing ions at a concentration of 5 to 7000 ppm.
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, wherein the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and K Ion 5500It is characterized by containing at a concentration of ppm.
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. And a nonaqueous electrolyte secondary battery having a nonaqueous electrolyte solution in which an electrolyte is dissolved in a nonaqueous solvent, wherein the nonaqueous electrolyte solution contains one or more methoxybenzene compounds and Fe It is characterized by containing ions at a concentration of 15 to 70 ppm.
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. In the non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and Ca. It is characterized by containing ions at a concentration of 30 to 70 ppm.
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, wherein the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds and Al It is characterized by containing ions at a concentration of 45 to 70 ppm.
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and8 to 10000 ppm of the compound described in Chemical Formula 60It contains by the density | concentration which becomes.
Embedded image
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and150 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 61It contains by the density | concentration which becomes.
Embedded image
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and120 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 62Containing at a concentration of
Embedded image
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and210 to 600 ppm of the compound described in Chemical Formula 63It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and8 to 10000 ppm of the compound described in Chemical formula 64It contains by the density | concentration which becomes.
Embedded image
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and58 to 600 ppm of the compound described in Chemical Formula 65It contains by the density | concentration which becomes.
Embedded image
Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and77 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 66It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and5 to 8000 ppm of the compound described in Chemical formula 67Containing at a concentration of
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and42 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 68It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and30 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 69It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and60 to 600 ppm of the compound described in Chemical Formula 70It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and4 to 10,000 ppm of the compound described in Chemical formula 71It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and60 to 600 ppm of the compound described in Chemical Formula 72It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. A non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent, the non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and300 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 73It contains by the density | concentration which becomes.
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Further, the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention includes a negative electrode composed of a carbon material capable of doping and undoping lithium and a binder, a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent, and a binder. In a non-aqueous electrolyte secondary battery having a positive electrode and a non-aqueous electrolyte in which an electrolyte is dissolved in a non-aqueous solvent,
The non-aqueous electrolyte contains one or more methoxybenzene compounds, and100 to 600 ppm of the compound described in Chemical formula 74Containing at a concentration of
Embedded image
[0018]
In the non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention, the non-aqueous electrolyte isPredetermined amounts of Si, K, Fe, Ca, Al, water and compounds represented by chemical formulas 60 to 74 as impuritiesBy containing, the capacity | capacitance degradation inhibitory effect higher than the time when only a methoxybenzene type compound is added is exhibited.
[0019]
Even when only the methoxybenzene-based compound is added, the irreversible reaction in the positive electrode and the negative electrode in the severe oxidation and reduction atmosphere in the battery generated in the charged state is suppressed, and the effect of preventing the deactivation of the active material can be obtained. However, here, when an impurity is added together with the methoxybenzene compound, the impurity reacts with the active material, and the reaction product generated on the surface of the active material causes the methoxybenzene compound to uniformly suppress the deterioration. It is thought that. Alternatively, it is considered that impurities are also reacted at the same time during the deterioration suppressing reaction by the methoxybenzene compound, and a higher suppressing effect is exhibited. Therefore, the deterioration of the active material does not proceed from the surface of the active material to the inside, a higher suppression effect is exhibited, and charge / discharge reactivity and capacity are maintained.
[0020]
In addition, when content of the said impurity is less than 5 ppm, the deterioration suppression effect mentioned above cannot fully be acquired. On the other hand, when the content of impurities exceeds 7000 ppm, an excessive side reaction occurs and, on the contrary, the capacity is deteriorated.
[0021]
By the way, it is preferable to define ions or water as the impurities. In particular, the ions are more preferably ions containing at least one element selected from Li, Si, Mg, Al, Ca, Fe, K, Na, F, O, and P.
[0022]
Moreover, it is preferable to define an aromatic compound, a benzene halide, and an aliphatic hydrocarbon as the impurity. In particular, the aliphatic hydrocarbon compound preferably has a carbonyl group, a carboxyl group, or an ether bond. Moreover, as said impurity, what has nitrogen or sulfur is preferable. Further, the methoxybenzene compound may contain an isomer of the methoxybenzene compound as an impurity.
[0023]
As described above, it is preferable to define inorganic substances such as ions and water that can freely move in the liquid phase as impurities. Similarly, the impurities may be defined as reaction solvents and by-products that are mixed in the process of synthesizing the solvent for the electrolytic solution, or organic substances that are reactive in the battery by electrochemical or redox. More preferred.
[0024]
On the other hand, the non-aqueous electrolyte preferably contains a methoxybenzene compound at a concentration of 0.05 to 0.8M. When the amount of the methoxybenzene compound added is more than 0.8M, the conductivity is lowered and the low temperature characteristics are adversely affected. When the amount is less than 0.005M, a sufficient capacity maintaining effect cannot be obtained.
[0025]
The methoxybenzene compound is preferably a compound in which at least one hydrogen group other than methoxy is substituted with a halogen element, and F is more preferable as the halogen element. By substituting with a halogen element, electrochemical redox resistance is improved.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A specific embodiment of the present invention will be described.
[0027]
Non-aqueous electrolyte secondary battery to which the present invention is applied is a carbon material capable of doping and dedoping lithiumAnd binderNegative electrode comprising lithium transition metal composite oxideAnd conductive agent and binderAnd a nonaqueous electrolytic solution in which an electrolyte is dissolved in a nonaqueous solvent.
[0028]
In the present invention, the non-aqueous electrolyte of such a non-aqueous electrolyte secondary battery contains a methoxybenzene compound and contains impurities at a concentration of 5 to 7000 ppm.
[0029]
Here, as the impurity, any inorganic compound can be applied, but it is preferable to define ions and water. In particular, the ions are more preferably ions containing at least one element selected from Li, Si, Mg, Al, Ca, Fe, K, Na, F, O, and P.
[0030]
Moreover, as said impurity, although it can apply about all organic compounds other than electrolyte solution solvent, it is preferable to prescribe | regulate an aromatic compound, a benzene halide, and an aliphatic hydrocarbon. In particular, the aliphatic hydrocarbon compound preferably has a carbonyl group, a carboxyl group, or an ether bond. Moreover, as said impurity, it is preferable to have nitrogen or sulfur.
[0031]
Further, the methoxybenzene compound may contain an isomer of the methoxybenzene compound as an impurity.
[0032]
Specifically, a reaction solvent or a by-product mixed in the process of synthesizing the solvent for the electrolyte solution, for example, as an impurity of the carbonate ester solvent, alcohols such as ethylene glycol or methanol, or a methoxybenzene compound Isomers of methoxybenzene compounds, which are by-products in the synthesis of. Other examples include ethers such as 1,2-dimethoxyethane and 1,2-diethoxymethane that are highly reactive on the positive electrode, compounds containing a sulfur atom in the skeleton such as dimethyl sulfoxide, and ketones. Further, examples include cyclic ethers such as tetrahydrofuran highly reactive on the negative electrode, lactones such as γ-butyrolactone and valerolactone, pyridine having reactivity with metallic lithium, compounds containing a nitrogen atom such as acetonitrile, and the like.
[0033]
As described above, it is preferable to define ions or water that can freely move in the liquid phase as impurities. Similarly, the impurities may be defined as reaction solvents and by-products that are mixed in the process of synthesizing the solvent for the electrolytic solution, or organic substances that are reactive in the battery by electrochemical or oxidation reduction. preferable.
[0034]
In general, it has been generally desired to suppress impurities as little as possible. However, in the present invention, by adding 5 to 7000 ppm of specific impurities in a non-aqueous electrolyte containing a methoxybenzene compound, the charged state can be obtained. The strict oxidization in the resulting battery and the irreversible reaction at the positive and negative electrodes in a reducing atmosphere are suppressed to prevent the active material from being deactivated, and a higher capacity deterioration suppressing effect is exhibited.
[0035]
In addition, when the content of the impurities is less than 5 ppm, the above-described capacity deterioration suppressing effect cannot be sufficiently obtained. On the other hand, when the content of impurities exceeds 7000 ppm, an excessive side reaction occurs and, on the contrary, the capacity is deteriorated. Therefore, the content of impurities is preferably 5 to 7000 ppm, more preferably 10 to 1000 ppm, further preferably 10 to 500 ppm or less, and an optimal value may be appropriately selected depending on the type of impurities.
[0036]
On the other hand, as the methoxybenzene compound added to the nonaqueous electrolytic solution, any structure can be used, and it is desirable to have at least one methoxy group.
[0037]
Further, in the methoxybenzene compound, it is preferable that a hydrogen group other than a methoxy group is substituted with at least one halogen element. Examples of the halogen element include F, Br, Cl, and the like. Among these, F is most preferable. A methoxybenzene compound substituted with a halogen element has improved electrochemical redox resistance. Note that the position at which the halogen element is introduced is not particularly limited.
[0038]
Moreover, these methoxybenzene compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0039]
Specific examples of the methoxybenzene compound include compounds represented by
[0040]
[Chemical 1]
[0041]
[Chemical 2]
[0042]
[Chemical 3]
[0043]
[Formula 4]
[0044]
[Chemical formula 5]
[0045]
[Chemical 6]
[0046]
[Chemical 7]
[0047]
[Chemical 8]
[0048]
[Chemical 9]
[0049]
[Chemical Formula 10]
[0050]
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[0051]
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[0052]
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[0098]
The appropriate addition amount of the methoxybenzene-based compound described above is 0.005 to 0.8M, more preferably 0.005 to 0.5M, although it varies depending on the type of compound. If the amount is too small, the capacity deterioration suppressing effect cannot be obtained sufficiently. Moreover, when there is too much addition amount, the electrical conductivity of electrolyte solution will become low and a low temperature characteristic will be impaired especially.
[0099]
In the present invention, a methoxybenzene compound and impurities are added to the electrolytic solution as described above. As components of other electrolytic solutions, any of those commonly used in this type of non-aqueous electrolyte secondary battery can be used. Can also be used.
[0100]
First, as the non-aqueous solvent, it is desirable to use a solvent having a relatively high dielectric constant, such as ethylene carbonate, as a main solvent and further adding a plurality of low viscosity solvents.
[0101]
As the high dielectric constant solvent, ethylene carbonate (EC), propylene carbonate (PC), butylene carbonate (BC), vinylene carbonate (VC), sulfolanic acid, butyrolactones, valerolactones, and the like can be used.
[0102]
Low-viscosity solvents include symmetric chain carbonates such as diethyl carbonate and dimethyl carbonate, asymmetric chain carbonates such as methyl ethyl carbonate and methyl propyl carbonate, carboxylic acid esters such as methyl propionate and ethyl propionate, and Phosphate esters such as trimethyl phosphate and triethyl phosphate can be used. Among these, one type may be used, and even if two or more types are used in combination, good results can be obtained.
[0103]
In particular, when a graphite material is used for the negative electrode, it is preferable to use ethylene carbonate as a main solvent because it is difficult to be decomposed by graphite as compared with other high dielectric constant solvents. Substituted compounds are also suitable.
[0104]
Moreover, even if it is reactive with graphite material such as propylene carbonate, if it is added as a second component solvent that uses ethylene carbonate or a halide of ethylene carbonate as a main solvent and replaces a part thereof, It can be used. In particular, here, a methoxybenzene compound is added to the electrolytic solution, and this acts so as to suppress the reaction between the graphite material and the solvent, so that it is possible to set a relatively large amount of propylene carbonate. .
[0105]
What is used as the second component solvent is propylene carbonate, butylene carbonate, vinylene carbonate, 1,2-dimethoxyethane, 1,2-diethoxymethane, γ-butyrolactone, valerolactone, tetrahydrofuran, 2-
[0106]
As the electrolyte salt dissolved in the non-aqueous solvent, any of those used in the main battery can be used. Specifically, LiPF6LiClOFour, LiAsF6, LiBFFour, LiB (C6HFive)Four, CHThreeSOThreeLi, CFThreeSOThreeLi, LiN (CFThree SO2 )2, LiC (CFThreeSO2)Three, LiCl, LiBr and the like. These electrolyte salts may be used alone or in combination of two or more. When used in combination, LiPF6It is desirable to use as a main component.
[0107]
On the other hand, the following can be used as the negative electrode and positive electrode of the battery.
[0108]
First, as the negative electrode material, a carbon material that can be doped / undoped with lithium ions, or a crystalline or amorphous metal chalcogenide is used.
[0109]
Among these, as the carbon material, an easily graphitizable carbon material, a non-graphitizable carbon material, and a graphite material can be used.
[0110]
The non-graphitizable carbon material has a (002) plane spacing of 0.37 nm or more and a true density of 1.70 g / cm.ThreeA material having physical property parameters such as no exothermic peak at 700 ° C. or higher in a differential thermal analysis (DTA) in air is preferable.
[0111]
Such a non-graphitizable carbon material can be obtained by heat-treating an organic material at a temperature of about 1000 ° C.
[0112]
Typical starting materials include furfuryl alcohol and furfural homopolymers, copolymers, furan resins copolymerized with other resins, and the like.
[0113]
Furthermore, phenol resins, acrylic resins, halogenated vinyl resins, polyimide resins, polyamideimide resins, polyamide resins, conjugated resins such as polyacetylene and poly (p-phenylene), cellulose and its derivatives, and arbitrary organic polymer compounds Can be used.
[0114]
Also, oil pitches having a specific H / C atomic ratio introduced with oxygen-containing functional groups (so-called oxygen crosslinking) do not melt during the carbonization process (400 ° C. or higher), as in the case of the furan resin. Finally, it becomes a non-graphitizable carbon material in the solid state.
[0115]
The above petroleum pitch is distilled (vacuum distillation, atmospheric distillation, steam distillation), thermal polycondensation, extraction, chemical polycondensation, etc. from tars, asphalt, etc. obtained by high-temperature pyrolysis of coal tar, ethylene bottom oil, crude oil, etc. Obtained by the operation. At this time, the H / C atomic ratio of the petroleum pitch is important. In order to obtain non-graphitizable carbon, the H / C atomic ratio needs to be 0.6 to 0.8.
[0116]
Specific means for forming oxygen bridges in these petroleum pitches are not limited. For example, wet methods using aqueous solutions of nitric acid, mixed acid, sulfuric acid, hypochlorous acid, or oxidizing gases (air, oxygen) are used. A dry method and a reaction with a solid reagent such as sulfur, ammonium nitrate, ammonia persulfate, and ferric chloride are used.
[0117]
The oxygen content is not particularly limited, but is preferably 3% or more, more preferably 5% or more, as described in JP-A-3-2522053. This oxygen content affects the crystal structure of the carbon material to be finally produced. When the oxygen content is within this range, the (002) plane spacing as described above is 0.37 nm or more, and the air flow In the differential thermal analysis (DTA), it has a physical property parameter that does not have an exothermic peak at 700 ° C. or higher, and the negative electrode capacity is improved. .
[0118]
Note that the starting materials are not limited to these, and any other organic material, that is, any material that becomes a non-graphitizable carbon material through a solid-phase carbonization process by oxygen crosslinking treatment or the like can be used.
[0119]
In addition to the non-graphitizable carbon materials starting from the organic materials as described above, the compounds mainly composed of phosphorus, oxygen, and carbon described in JP-A-3-137010 are also non-graphitizable carbon. It shows the same physical property parameters as the material and is preferable as a material for the negative electrode.
[0120]
The non-graphitizable carbon material can be obtained by carbonizing the above organic material by firing or the like, and this firing is desirably performed by the following process.
[0121]
That is, in order to synthesize a non-graphitizable carbon material, after carbonizing the organic material at a temperature of 300 to 700 ° C., the temperature rising rate is 1 to 100 ° C. per minute, the ultimate temperature is 900 to 1300 ° C., and the holding time at the ultimate temperature is Firing is performed for about 0 to 30 hours. In some cases, the carbonization operation may be omitted. The sintered body thus obtained is then pulverized and classified for use in the negative electrode. This pulverization can be performed before and after carbonization, calcination, and high-temperature heat treatment. You can go on.
[0122]
Next, as the graphite material, the true density is 2.1 g / cm.ThreePreferably, it is 2.18 g / cmThreeThe above is more preferable. In order to obtain such a true density, the (002) plane distance measured by X-ray diffraction method is preferably less than 0.340 nm, more preferably 0.335 nm or more and 0.337 nm or less, and the (002) plane. The C-axis crystallite thickness of 14.0 nm or more is required.
[0123]
In addition, in the graphite material, in addition to the true density and crystal structure parameters as described above, the bulk density, the average shape parameter xaveCharacteristics such as specific surface area, particle size distribution, and particle breaking strength are also important. Next, these characteristics will be described.
[0124]
First, the bulk density is measured according to the method described in JIS K-1469. This measuring method is shown below.
[0125]
<Bulk density measurement method>
100cm capacity with pre-measured massThreeThe graduated cylinder is slanted and the sample powder is 100 cm.ThreeIs gradually introduced using a spoon. Then, the total mass is measured with a minimum scale of 0.1 g, and the mass M of the sample powder is obtained by subtracting the mass of the graduated cylinder from the mass.
[0126]
Next, a cork stopper is applied to the graduated cylinder into which the sample powder is charged, and the graduated cylinder in this state is dropped 50 times from a height of about 5 centimeters with respect to the rubber plate. As a result, since the sample powder in the graduated cylinder is compressed, the volume V of the compressed sample powder is read. The bulk specific gravity (g / cmThree) Is calculated.
[0127]
D = M / V ...
D: Bulk specific gravity (g / cmThree)
M: Mass of sample powder in graduated cylinder (g)
V: Volume of sample powder in graduated cylinder after 50 drops (cmThree)
As a graphite material, this bulk density is 0.4 g / cm.ThreeIt is desirable to use the above. Since the graphite material is scaly, the graphite material is easily peeled off from the electrode, which causes the cycle life to be shortened. However, the bulk density is 0.4 g / cm.ThreeIf it is the above graphite material, peeling off will be suppressed and cycle life will improve. A more preferable range of the bulk density is 0.5 g / cm.ThreeOr more, and 0.6 g / cmThreeThat's it.
[0128]
Next, the average shape parameter xaveIs obtained as follows.
[0129]
<Average shape parameter xave: SEM method>
That is, a typical particle shape of the graphite material is a flat columnar shape or a rectangular parallelepiped shape as shown in the schematic diagram of FIG. 1 or FIG. When the thickness of the thinnest part of the graphite particles is T, the longest length in the long axis direction is L, and the length in the direction perpendicular to the long axis corresponding to the depth is W, The product of values obtained by dividing L and W by T is the shape parameter x. A smaller shape parameter x means a higher height relative to the bottom area and a smaller flatness.
[0130]
x = (L / T) × (W / T) Equation 2
x: Shape parameter
T: the thickness of the thinnest part of the powder
L: Length in the major axis direction of the powder
W: Length in the direction perpendicular to the long axis of the powder
In order to measure such a shape parameter x for an actual graphite powder, the shape of the graphite powder is observed using an SEM (scanning electron microscope), and the length of the longest portion is the average particle size. Select 10 powders that are ± 30%. Then, the shape parameter is calculated for each of the 10 selected powders using Equation 2, and the average is calculated. This calculated average value is the average shape parameter xaveIt is.
[0131]
This average shape parameter xaveIs desirably 125 or less. Average shape parameter x whose bulk density is within the above-mentioned range and thus obtainedaveWhen graphite powder having a low flatness such that is less than 125 is used, the structure of the electrode is further improved and the graphite powder is difficult to peel off. As a result, the cycle life is further improved. The mean shape parameter xave The more preferable range is 2 or more and 115 or less, and further 2 or more and 100 or less.
[0132]
Subsequently, the specific surface area of the graphite powder, which is determined by the nitrogen adsorption BET method, is 9 m.2/ G or less is desirable. Bulk density, average shape parameter xaveSatisfies the above conditions, and the specific surface area is 9 m.2The cycle life of the battery is further improved by using graphite powder of less than / g.
[0133]
The restriction on the specific surface area has an effect on the cycle life of the battery because the specific surface area reflects the adhesion of fine particles to the graphite powder.
[0134]
That is, in many cases, fine particles of about submicron are adhered to the graphite powder, and the adhesion of the fine particles is considered to lower the bulk density of the graphite material. Therefore, it is desirable that the amount of fine particles attached to the graphite powder is as small as possible.
[0135]
On the other hand, if the specific surface area of the graphite powder is the same, the larger the amount of fine particles attached, the smaller the smaller the amount of fine particles attached. In other words, the specific surface area is 9m2The fact that it is suppressed to / g or less means that the adhesion of the fine particles is very small, so that a high bulk density is obtained and a long cycle life is obtained. The specific surface area is more preferably 7 m.2/ G or less, more preferably 5 m2/ G or less.
[0136]
The particle size of the graphite powder is optimized by a cumulative 10% particle size, a cumulative 50% particle size, and a cumulative 90% particle size obtained from a particle size distribution diagram (horizontal axis: particle size, vertical axis: number of particles). The cumulative 10% particle size, cumulative 50% particle size, and cumulative 90% particle size are the particles when the area integrated from 0 μm becomes 10%, 50%, and 90% of the total area in the particle size distribution diagram, respectively. It is a diameter.
[0137]
Of these, the cumulative 10% particle size is preferably 3 μm or more, the cumulative 50% particle size is preferably 10 μm or more, and the cumulative 90% particle size is preferably 70 μm or less. This is for the following reasons.
[0138]
That is, when considering the electrode filling property, the particle size distribution of the graphite powder is a distribution having a certain width on the horizontal axis (particle size), and it is desirable that a normal distribution is obtained because high filling efficiency is obtained.
[0139]
However, if an abnormal situation such as overcharge occurs, the battery may generate heat. In such a case, if the number of small-size graphite powder distributions is large, the heat generation temperature tends to increase. .
[0140]
On the other hand, when the battery is charged, the crystallites expand about 10% because lithium ions are inserted between the graphite layers. The positive electrode and the separator are pressed by this expansion, and an initial failure such as an internal short circuit is likely to occur during the initial charge. Such defects due to expansion become more prominent as the number of distributions of large-diameter graphite powder increases.
[0141]
That is, the graphite powder has a problem even if there are too many particles having a small particle size or too many particles having a large particle size, and it is desirable that the graphite powder is blended in a balanced manner from particles having a large particle size to particles having a small particle size.
[0142]
The ranges of the cumulative 10% particle size, the cumulative 50% particle size, and the cumulative 90% particle size described above are set by paying attention to these points. Is well balanced. Accordingly, heat generation of the battery is suppressed during overcharge and the like, and initial defects are reduced, and high reliability is obtained. Of these cumulative particle sizes, the 90% cumulative particle size is preferably 60 μm or less from the viewpoint of preventing initial failure.
[0143]
The particle size and the number of particles can be measured by laser light scattering using, for example, a microtrack particle size analyzer.
[0144]
Next, the fracture strength of the graphite powder is measured as follows:
<Measuring method of average particle breaking strength>
The fracture strength is measured using a Shimadzu micro compression tester (trade name MCTM-500, manufactured by Shimadzu Corporation).
[0145]
First, the graphite powder is observed with an attached optical microscope, and ten powders whose length of the longest part is ± 10% of the average particle diameter are selected. Then, for each of the 10 selected powders, the breaking strength is measured by applying a load, and the average value is calculated. This calculated average value is the average particle breaking strength of the graphite powder.
[0146]
In order to obtain sufficient heavy load characteristics as a practical battery, the average particle breaking strength of the graphite powder is 6.0 kgf / mm.2The above is desirable. The breaking strength and load characteristics have the following relationship.
[0147]
First, the ease of movement of ions during discharge affects the load characteristics.
[0148]
Here, when there are many vacancies in the electrode material, the electrode is easily impregnated with the electrolytic solution, so that ions easily move and good load characteristics can be obtained. When there are few holes in the electrode material, ions are difficult to move, so that the load characteristics are poor.
[0149]
On the other hand, a highly crystalline graphite material has a graphite hexagonal network surface developed in the a-axis crystal direction, and a c-axis crystallite is formed by the stacking. The bonds between the carbon hexagonal mesh surfaces are weak bonds called van der Waals forces, and are easily deformed against stress. For this reason, the graphite material is usually easily crushed when the electrode is filled by compression molding, and it is difficult to secure pores.
[0150]
The breaking strength as described above serves as an index of the difficulty of crushing such holes. Even if it is a graphite material, the breaking strength is 6.0 kg / mm.2If the above is selected and used, holes are secured and good load characteristics can be obtained.
[0151]
As the graphite material, those having the above physical properties are selected and used. Even if this graphite material is natural graphite, it is artificial graphite obtained by carbonizing an organic material and further subjecting it to a high temperature treatment. May be.
[0152]
In producing artificial graphite, coal and pitch are typical organic materials used as starting materials.
[0153]
As pitch, tars obtained by high-temperature pyrolysis of coal tar, ethylene bottom oil, crude oil, etc., asphalt, etc. (vacuum distillation, atmospheric distillation, steam distillation), thermal polycondensation, extraction, chemical polycondensation, etc. There are also those obtained by operation and other pitches generated during dry distillation of wood.
[0154]
Furthermore, there are polyvinyl chloride resin, polyvinyl acetate, polyvinyl butyrate, 3,5-dimethylphenol resin and the like as starting materials that become pitch.
[0155]
During the carbonization, these coals and pitches exist in a liquid state at a maximum of about 400 ° C., and by maintaining at that temperature, the aromatic rings are condensed, polycyclic and laminated and oriented, and then a temperature of about 500 ° C. or higher. Then, a solid carbon precursor, that is, semi-coke is formed. Such a process is called a liquid-phase carbonization process and is a typical process for producing graphitizable carbon.
[0156]
In addition, condensed polycyclic hydrocarbon compounds such as naphthalene, phenanthrene, anthracene, triphenylene, pyrene, perylene, pentaphen, pentacene, etc., other derivatives (for example, these carboxylic acids, carboxylic anhydrides, carboxylic imides, etc.) or mixtures, acenaphthylene, Condensed heterocyclic compounds such as indole, isoindole, quinoline, isoquinoline, quinoxaline, phthalazine, carbazole, acridine, phenazine, phenanthridine, and derivatives thereof can also be used as raw materials.
[0157]
In order to produce artificial graphite using the above organic material as a starting material, for example, the organic material is carbonized at a temperature of 300 to 700 ° C. in an inert gas stream such as nitrogen, and then heated in an inert gas stream. It is calcined under conditions of 1 to 100 ° C. per minute, an reached temperature of 900 to 1500 ° C. and a holding time of about 0 to 30 hours at the reached temperature, and further heat treated at a temperature of 2000 ° C. or higher, preferably 2500 ° C. or higher. Of course, depending on the case, carbonization and calcination operations may be omitted.
[0158]
The produced graphite material is classified or pulverized and classified to be used as the negative electrode material. However, the pulverization may be performed either before or after carbonization, calcination, or during the temperature raising process before graphitization. In these cases, heat treatment for graphitization is finally performed in a powder state.
[0159]
However, in order to obtain a graphite powder having a high bulk density and high fracture strength, it is desirable to perform heat treatment in the form of a raw material, and pulverize and classify the obtained graphitized molded body.
[0160]
That is, in order to produce a graphitized molded body, coke as a filler and a binder pitch as a molding agent or a sintering agent are mixed and molded. Then, the molded body is heat-treated at a low temperature of 1000 ° C. or lower, and a pitch impregnation / firing step of impregnating the melted binder pitch is repeated several times, and then heat-treated at a high temperature. The impregnated binder pitch is carbonized and graphitized in the above heat treatment process. And the obtained graphitized molded object is grind | pulverized to make a graphite powder.
[0161]
The pulverized powder of the graphitized molded body obtained in this way has a high bulk density and high fracture strength, and an electrode excellent in performance can be obtained.
[0162]
In addition, because it uses filler (coke) and binder pitch as raw materials, it is graphitized as a polycrystal, and sulfur and nitrogen contained in the raw materials are generated as a gas during heat treatment. Is formed. When the holes are formed, the negative electrode reaction, that is, the lithium doping / dedoping reaction easily proceeds. In addition, if the holes are vacant, there is an advantage that the processing efficiency is industrially high.
[0163]
In addition, as a raw material of a molded object, you may use the filler which has a moldability and sinterability in itself. In this case, it is not necessary to use a binder pitch.
[0164]
As the negative electrode material, a metal oxide that can be doped / undoped with lithium ions can be used in addition to a carbon material.
[0165]
As the metal oxide, an oxide containing a transition metal is preferable. Specifically, a crystalline compound mainly composed of iron oxide, ruthenium oxide, molybdenum oxide, tungsten oxide, titanium oxide, tin oxide, silicon oxide, or the like, or An amorphous compound is mentioned. Of these, it is desirable to use one having a charge / discharge potential relatively close to that of metal Li.
[0166]
Next, the positive electrode material will be described.
[0167]
The positive electrode material preferably contains a sufficient amount of Li, for example, the general formula LiMO2(However, M represents at least one of Co, Ni, Mn, Fe, Al, V, and Ti). A composite metal oxide composed of lithium and a transition metal, an intercalation compound containing Li, or the like is preferable. is there.
[0168]
In particular, in order to achieve a high capacity, the positive electrode needs to include Li corresponding to a charge / discharge capacity of 250 mAh or more per 1 g of carbon material in a steady state (for example, after repeated charging and discharging about 5 times). Yes, it is more preferable to include Li corresponding to a charge / discharge capacity of 300 mAh or more.
[0169]
Note that it is not always necessary to supply all of Li from the positive electrode. In short, it is sufficient that Li corresponding to a charge / discharge capacity of 250 mAh or more per 1 g of carbonaceous material exists in the battery system. Note that the amount of Li in the battery system is determined by measuring the discharge capacity of the battery.
[0170]
【Example】
Examples of the present invention will be described below based on experimental results.
[0171]
Experimental example 1
First, a negative electrode active material was synthesized as follows.
[0172]
30 parts by weight of coal tar pitch as a binder is added to 100 parts by weight of coal-based coke as a filler, mixed at a temperature of about 100 ° C., and then compression molded by a press to obtain a precursor of a carbon molded body. .
[0173]
Next, this precursor was heat-treated at a temperature of 1000 ° C. or lower to produce a carbon material molded body. Then, the carbon material molding was impregnated with a binder pitch melted at a temperature of 200 ° C. or lower, and a pitch impregnation / firing step in which heat treatment was performed at a temperature of 1000 ° C. or lower was repeated.
[0174]
Thereafter, this carbon molded body was heat-treated at a temperature of 2700 ° C. in an inert atmosphere to obtain a graphitized molded body, and pulverized and classified to prepare a graphite sample powder.
[0175]
The physical property values of the graphite material obtained at this time are shown below.
[0176]
(002) plane spacing: 0.337 nm
C-axis crystallite thickness of (002) plane: 50.0 nm
True density: 2.23 g / cmThree
Bulk density: 0.83 g / cmThree
Average
Specific surface area: 4.4 m2/ G
Granularity:
Average particle size: 31.2 μm
Cumulative 10% particle size; 12.3 μm
Cumulative 50% particle size; 29.5 μm
Cumulative 90% particle size; 53.7 μm
Average value of breaking strength of particles: 7.1 kgf / mm2
The (002) plane spacing and the (002) plane C-axis crystallite thickness were measured by X-ray diffraction measurement, the true density was measured by the pycnometer method, the specific surface area was measured by the BET method, and the particle size was measured by the particle size distribution by the laser diffraction method. .
[0177]
And the
[0178]
First, 90 parts by weight of graphite sample powder and 10 parts by weight of polyvinylidene fluoride (PVDF) as a binder are mixed to prepare a negative electrode mixture, which is dispersed in N-methylpyrrolidone serving as a solvent. A slurry (paste) was obtained.
[0179]
Next, a strip-shaped copper foil having a thickness of 10 μm is prepared as the negative electrode
[0180]
On the other hand, the positive electrode active material was produced as follows.
[0181]
0.5 mol of lithium carbonate and 1 mol of cobalt carbonate were mixed, and this mixture was calcined in air at a temperature of 900 ° C. for 5 hours. As a result of X-ray diffraction measurement of the obtained material, LiCoO registered in the JCPDS file2It was in good agreement with the peak.
[0182]
This LiCoO2LiCoO with a cumulative 50% particle size of 15 μm obtained by laser diffraction method2A powder was obtained.
[0183]
And this LiCoO295 parts by weight of powder and 5 parts by weight of lithium carbonate powder are mixed, and 91 parts by weight of this mixture is mixed with 6 parts by weight of flake graphite as a conductive agent and 3 parts by weight of polyvinylidene fluoride as a binder. A mixture was prepared and dispersed in N-methylpyrrolidone to obtain a positive electrode mixture slurry (pasted).
[0184]
Next, a strip-shaped aluminum foil having a thickness of 20 μm is prepared as the positive electrode
[0185]
As shown in FIG. 3, the
[0186]
The spiral electrode body thus produced was housed in an iron battery can 5 plated with nickel in a state where the insulating plates 4 were placed on both upper and lower surfaces.
[0187]
Then, the aluminum
[0188]
Then, a non-aqueous electrolyte was injected into the battery can 5. In this non-aqueous electrolyte, an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate, LiPF6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 59 is added at a concentration of 0.05 M, and impurities such as Fe, Ca, Al, K, Si, H are added.2O and the thing which added the organic substance shown by Chemical formula 60-74 by the predetermined amount was used.
[0189]
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[0190]
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[0205]
Next, the battery can 5 is caulked through an insulating sealing gasket 6 whose surface is coated with asphalt, thereby fixing the
[0206]
Experimental example 2
A cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 2) was produced in the same manner as in Experimental Example 1 except that the methoxybenzene compound and impurities were not added to the nonaqueous electrolytic solution.
[0207]
Experimental example 3
A cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 3) was produced in the same manner as in Experimental Example 1 except that no impurities were added to the nonaqueous electrolytic solution.
[0208]
Experimental Example 4
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.05 M, and impurities such as Fe, Ca, Al, K, Si, H are added.2A nonaqueous electrolytic solution to which a predetermined amount of organic substances represented by O and chemical formulas 60 to 74 was added was used. Other than this, a cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental example 4-1 to Experimental example 4-21) was produced in the same manner as in Experimental example 1.
[0209]
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[0210]
Experimental Example 5
A cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 5) was produced in the same manner as in Experimental Example 4 except that no impurities were added to the nonaqueous electrolytic solution.
[0211]
Experimental Example 6
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 76 is added at a concentration of 0.02 M, and impurities such as Fe, Ca, Al, K, Si, H are added.2A nonaqueous electrolytic solution to which a predetermined amount of an organic substance represented by O or Chemical Formulas 60 to 74 was added was used. Except for this, a cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 6-1 to Experimental Example 6-21) was produced in the same manner as in Experimental Example 1.
[0212]
Embedded image
[0213]
Experimental Example 7
A cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 7) was produced in the same manner as in Experimental Example 6 except that no impurities were added to the nonaqueous electrolytic solution.
[0214]
Experimental Example 8
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6And dissolved as Fe, Ca, Al, K, Si, H as impurities without adding a methoxybenzene compound.2A nonaqueous electrolytic solution to which a predetermined amount of organic substances represented by O and chemical formulas 60 to 74 was added was used. Except for this, a cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 8-1 to Experimental Example 8-21) was produced in the same manner as in Experimental Example 1.
[0215]
Experimental Example 9
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M, and K is added as an impurity at a concentration of 3 to 3000 ppm. Was used. Other than this, a cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 9-1 to Experimental Example 9-7) was produced in the same manner as in Experimental Example 1.
[0216]
Experimental Example 10
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M, and Si is added as an impurity at a concentration of 2 to 10000 ppm. Was used. Except for this, cylindrical nonaqueous electrolyte secondary batteries (Experimental Example 10-1 to Experimental Example 10-10) were produced in the same manner as in Experimental Example 1.
[0217]
Experimental Example 11
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M.2A nonaqueous electrolytic solution to which O was added at a concentration of 4 to 3000 ppm was used. Except for this, cylindrical nonaqueous electrolyte secondary batteries (Experimental Examples 11-1 to 11-7) were produced in the same manner as Experimental Example 1.
[0218]
Experimental Example 12
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M, and an organic substance represented by chemical formula 60 is added as an impurity at a concentration of 8 to 10,000 ppm. The non-aqueous electrolyte solution used was used. Except for this, cylindrical nonaqueous electrolyte secondary batteries (Experimental Examples 12-1 to 12-8) were produced in the same manner as Experimental Example 1.
[0219]
Experimental Example 13
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M, and an organic substance represented by chemical formula 64 is added as an impurity at a concentration of 8 to 10,000 ppm. The non-aqueous electrolyte solution used was used. Except for this, cylindrical nonaqueous electrolyte secondary batteries (Experimental Examples 13-1 to 13-7) were fabricated in the same manner as Experimental Example 1.
[0220]
Experimental Example 14
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M, and an organic substance represented by chemical formula 67 is added as an impurity at a concentration of 5 to 8000 ppm. The non-aqueous electrolyte solution used was used. Other than this, a cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 14-1 to Experimental Example 14-6) was produced in the same manner as Experimental Example 1.
[0221]
Experimental Example 15
LiPF in an equal volume mixed solvent of ethylene carbonate and dimethyl carbonate6Is dissolved at a concentration of 1 mol / l, and a methoxybenzene compound represented by the following chemical formula 75 is added at a concentration of 0.1 M, and an organic substance represented by chemical formula 71 is added as an impurity at a concentration of 4 to 10,000 ppm. The non-aqueous electrolyte solution used was used. Except for this, cylindrical nonaqueous electrolyte secondary batteries (Experimental Examples 15-1 to 15-7) were produced in the same manner as Experimental Example 1.
[0222]
Experimental Example 16
A cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery (Experimental Example 16) was produced in the same manner as in Experimental Example 9 except that no impurities were added to the nonaqueous electrolytic solution.
[0223]
Evaluation
The non-aqueous electrolyte secondary battery produced as described above was charged and discharged, and the capacity and charge / discharge efficiency were measured. Charging was performed under constant current and constant voltage conditions of constant current 0.4 A, maximum voltage 4.2 V, and 7 hours, and discharging was performed with constant current 0.4 A to a final voltage of 2.75 V. And the charging / discharging efficiency was computed using following
[0224]
Charging / discharging efficiency [%] = (discharge capacity / charge capacity) × 100
Thereafter, the battery was charged under the same conditions, stored for 1 month at a temperature of 23 ° C., then discharged under the above conditions, and the capacity retention rate was calculated using the following formula 4.
[0225]
Capacity maintenance ratio [%] = (capacity after storage / capacity before storage) × 100 (4)
The results are shown in Tables 1 to 13 together with the types and addition amounts of methoxybenzene compounds and the types and addition amounts of impurities. Moreover, the relationship between the impurity concentration and the capacity in Experimental Examples 9 to 16 is shown in FIGS.
[0226]
[Table 1]
[0227]
[Table 2]
[0228]
[Table 3]
[0229]
[Table 4]
[0230]
[Table 5]
[0231]
[Table 6]
[0232]
[Table 7]
[0233]
[Table 8]
[0234]
[Table 9]
[0235]
[Table 10]
[0236]
[Table 11]
[0237]
[Table 12]
[0238]
[Table 13]
[0239]
From the results of these experimental examples, by defining the concentration of impurities in the non-aqueous electrolyte containing a methoxybenzene compound, the capacity is greater than when only the methoxybenzene compound is added, and the storability (capacity) It can be seen that a non-aqueous electrolyte secondary battery excellent in deterioration suppressing effect can be obtained. Further, it can be seen that if the impurity concentration is too low, the effect of adding the impurity is not effective, and if the impurity concentration is too high, the capacitance is reduced, which is not preferable.
[0240]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the present invention, the nonaqueous electrolytic solution contains a methoxybenzene compound,Predetermined amounts of Si, K, Fe, Ca, Al, water and compounds represented by chemical formulas 60 to 74 as impuritiesSince it contains, the irreversible reaction in the positive electrode and negative electrode which arise in a charging state is suppressed, and deterioration of a capacity | capacitance is suppressed. As a result, it is possible to provide a non-aqueous electrolyte secondary battery having a large capacity and excellent storability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of the particle shape of graphite.
FIG. 2 is a schematic view showing another example of graphite particle shape.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing a configuration example of a non-aqueous electrolyte secondary battery to which the present invention is applied.
4 is a characteristic diagram showing the relationship between impurity concentration and capacity in Experimental Examples 9 to 11. FIG.
5 is a characteristic diagram showing the relationship between impurity concentration and capacity in Experimental Examples 12 to 15. FIG.
[Explanation of symbols]
1 negative electrode, 2 positive electrode, 3 separator, 4 insulating plate, 5 battery can, 6 insulating sealing gasket, 7 battery cover
Claims (21)
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Siイオンを5〜7000ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。A negative electrode composed of a carbon material and a binder capable of doping and dedoping lithium, a positive electrode composed of a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent and a binder, and a non-aqueous solvent in which an electrolyte is dissolved In a non-aqueous electrolyte secondary battery having a water electrolyte,
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains Si ion by the density | concentration of 5-7000 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Kイオンを5〜500ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。A negative electrode composed of a carbon material and a binder capable of doping and dedoping lithium, a positive electrode composed of a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent and a binder, and a non-aqueous solvent in which an electrolyte is dissolved In a non-aqueous electrolyte secondary battery having a water electrolyte,
The nonaqueous electrolyte solution serves to contain one or more methoxybenzene-based compound, a non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by comprising at. 5 to 500 ppm consisting concentration K ions.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Feイオンを15〜70ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。A negative electrode composed of a carbon material and a binder capable of doping and dedoping lithium, a positive electrode composed of a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent and a binder, and a non-aqueous solvent in which an electrolyte is dissolved In a non-aqueous electrolyte secondary battery having a water electrolyte,
The non-aqueous electrolyte solution contains one or more methoxybenzene compounds and contains Fe ions at a concentration of 15 to 70 ppm.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Caイオンを30〜70ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。A negative electrode composed of a carbon material and a binder capable of doping and dedoping lithium, a positive electrode composed of a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent and a binder, and a non-aqueous solvent in which an electrolyte is dissolved In a non-aqueous electrolyte secondary battery having a water electrolyte,
The non-aqueous electrolyte solution contains one or more methoxybenzene compounds and contains Ca ions at a concentration of 30 to 70 ppm.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、Alイオンを45〜70ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。A negative electrode composed of a carbon material and a binder capable of doping and dedoping lithium, a positive electrode composed of a lithium transition metal composite oxide, a conductive agent and a binder, and a non-aqueous solvent in which an electrolyte is dissolved In a non-aqueous electrolyte secondary battery having a water electrolyte,
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains Al ion by the density | concentration of 45-70 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化60に記載の化合物を8〜10000ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type | system | group compounds, and contains the compound of the following Chemical formula 60 by the density | concentration of 8-10000 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化 61に記載の化合物を150〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The nonaqueous electrolyte solution serves to contain one or more methoxybenzene-based compound, a non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by comprising at 150~600ppm consisting concentration of a compound according to the reduction 61 below.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化62に記載の化合物を120〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 62 by the density | concentration of 120-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化63に記載の化合物を210〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 63 by the density | concentration of 210-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化64に記載の化合物を8〜10000ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 64 by the density | concentration of 8-10000 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化65に記載の化合物を58〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 65 by the density | concentration of 58-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化66に記載の化合物を77〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type | system | group compounds, and contains the compound of following Chemical formula 66 by the density | concentration of 77-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化67に記載の化合物を5〜8000ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 67 by the density | concentration of 5-8000 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化68に記載の化合物を42〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The non-aqueous electrolyte solution contains one or more methoxybenzene compounds and a compound described in Chemical Formula 68 below at a concentration of 42 to 600 ppm.
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化69に記載の化合物を30〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 69 by the density | concentration of 30-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化70に記載の化合物を60〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 70 by the density | concentration of 60-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化71に記載の化合物を4〜10000ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 71 by the density | concentration of 4-10000 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化72に記載の化合物を60〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 72 by the density | concentration of 60-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化73に記載の化合物を300〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 73 by the density | concentration of 300-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
上記非水電解液は、1種以上のメトキシベンゼン系化合物を含有すると共に、下記の化74に記載の化合物を100〜600ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液二次電池。
The said non-aqueous electrolyte contains 1 or more types of methoxybenzene type compounds, and contains the compound of following Chemical formula 74 by the density | concentration of 100-600 ppm, The non-aqueous electrolyte secondary battery characterized by the above-mentioned .
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