JP4149834B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ鏡筒、詳しくは、枠部材間に遮光部材を有するレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、レンズ鏡筒には、不要な光がカメラ内に入射するのを防ぐために、相対回転、及び相対直進移動するレンズ枠間に遮光部材が設けられるのが一般的であり、このような遮光部材には、例えば特許文献1に開示されているものが知られている。
【0003】
上記特許文献1に開示されたレンズ鏡筒に設けられた遮光部材は、図14に示すように、支持枠211により光軸方向に移動自在に支持されたレンズ群L1と、支持枠221により支持されたレンズ群L2と、支持枠221を光軸方向に駆動させるモータ223と、支持枠221と該モータ223とを支持する支持枠263を備えたレンズ鏡筒において、支持枠211と支持枠263の間に上記レンズ群L1、L2間の光路周囲を囲む、蛇腹状の遮光部材261を配設したものである。この遮光部材261は、光軸方向に伸縮自在に形成されており、上記支持枠211、263の接離移動に追随して自在に伸縮することができるので、レンズを支持する枠が相互に移動するレンズ鏡筒においては、このような蛇腹状の遮光部材は、相互のレンズ支持枠が接離移動したとしても十分な遮光効果を発揮するため、実用上非常に有効である。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−2309号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載のレンズ鏡筒は、蛇腹形状の遮光部材261が、支持枠211と支持枠263の間に配設されているため、支持枠221と支持枠263との光軸方向の相対距離は一定の値を必要として、あまり近づけることができない。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各レンズ支持枠が光軸方向に対して相互に接離移動しても十分な遮光効果を発揮し、かつ単純な構造で省スペース化を実現するとともに、少ない力量で各レンズ支持枠を相対移動させることができる遮光部材を有するレンズ鏡筒を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段、及び作用】
上記の目的を達成するために本発明によるレンズ鏡筒は、遮光機能を有したレンズ鏡筒において、第1の開口を有する第1の枠と、上記第1の開口より小さい開口である第2の開口を有し、上記第1の枠と相対移動する第2の枠と、一端が上記第1の開口周囲近傍の固定部に固着される第3の開口を有し、他端が上記第2の開口周囲近傍の固定部に固着される上記第3の開口より小さい開口である第4の開口を有し、上記第3の開口と上記第4の開口とを繋ぐテーパ状の座屈変形可能な薄肉からなるリング状部材であって、上記第1の枠と上記第2の枠との相対移動を可能とし、上記第2の枠が、上記第1の枠に対して光軸方向の前方に相対移動する際、上記座屈変形した座屈部の一部が、上記第1の開口周囲近傍の固定部を光軸方向に通過する遮光部材と、を有したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1、図2は、本発明によるレンズ鏡筒が組み込まれたカメラの外観を示す斜視図であり、図1はバリア閉状態、図2はバリア開状態をそれぞれ示している。図3は、本発明の一実施形態を示すユニットとしてのレンズ鏡筒の繰り出し状態での外観を示す図である。
【0011】
なお、以下の説明において、撮影レンズ光軸Oに沿う前後(被写体側と結像側)方向をZ方向とし、Z方向に対する左右の水平方向をX方向とし、Z方向に対する上下方向をY方向とする。また、回転方向は、前方被写体側からみた回転方向で示す。
【0012】
図1に示すカメラは、撮像素子で取り込まれた被写体の画像信号をデジタル信号に変換してメモリカード等に記録することが可能なデジタルカメラである。このカメラ本体1の外装筐体は、図1,図2に示すように前カバー2と、中カバー3と、後カバー4からなり、前カバー2には、その前面部に後述する撮影レンズ47,ファインダ窓6等の前面を開閉するスライド操作可能なレンズバリア5が配設されている。
【0013】
上記前カバー2と、上記中カバー3と、上記後カバー4は、カメラの外観面を形成する外装部材となる金属薄板により形成されており、それぞれその内側には、補強および組み付けのための合成樹脂からなる各内枠部材が接着固定されている。
【0014】
上記前カバー2には、その前面部にカメラ本体内に沈胴可能なズームレンズ鏡筒である撮影レンズ鏡筒(以下、レンズ鏡筒と記載)10と、ファインダ窓6と、ストロボ発光窓7等が配設されている。上記レンズ鏡筒10,ファインダ窓6,ストロボ発光窓7等の前面部分は、上述したようにスライド可能な上記レンズバリア5により外部に露呈または外部から遮蔽される。図1に示すように、上記レンズバリア5が右側閉鎖位置(遮蔽位置,閉位置)にあるときには、上記レンズ鏡筒10は、沈胴(収納)位置に繰り込まれており、前面部分が閉鎖されて撮影不可能な状態となっている。一方、図2に示すように、上記レンズバリア5が左方開放位置(露呈位置,開位置)にあるときには、上記レンズ鏡筒10の前面部分が開放され、該レンズ鏡筒10は、撮影可能な位置に繰り出された状態となる。
【0015】
さらに、上記中カバー3の上面部には、レリーズスイッチ操作釦8が配設され、上記後カバー4の背面上部には、ファインダ接眼窓9が配設されている。
【0016】
上記レンズ鏡筒10は、沈胴可能なズームレンズ鏡筒であって、図3に示すように上記カメラ本体1の内部に固定支持される支持枠(以下、固定枠と称す)11と、該固定枠11に回転,進退自在に支持され、撮影状態で固定枠11より前方に繰り出される回転枠(以下、カム枠と称す)15およびズーム枠16(第1の枠)を有している。
【0017】
上記ズーム枠16及び上記カム枠15内には、後述するズーム光学系を構成する1群レンズ47,2群レンズ48(図5参照)が配設されている。尚、上記固定枠11の前端側は、上記前カバー2に装着された鏡筒保持枠71(図2参照)により支持されている。また、上記固定枠11からはシャッタ駆動制御回路,フォーカス駆動制御回路用のフレキシブルプリント基板(以下、FPCと記載する)109が導出しており、さらに、上記固定枠11に装着される、後述するズーム駆動ユニット13からは、ズーム駆動制御回路用FPC108が導出している。上記FPC108,109は、図示しないカメラ内部の制御部に接続される。また、上記固定枠11には、後述するズームファインダ駆動用ギア75が配設されている。以下、上記レンズ鏡筒10の構造の詳細について説明する。
【0018】
図4は、上記レンズ鏡筒の固定枠側の分解斜視図であり、図5は、上記レンズ鏡筒のカム枠側の分解斜視図である。図6〜8は、上記レンズ鏡筒10の各動作状態での上半部を断面にして示した拡大縦断面図であって、図6が沈胴状態、図7がワイド状態、図8がテレ状態をそれぞれ示している。
【0019】
図4,図5に示すように、レンズ鏡筒10の主要な構成部材としては、上記カメラ本体1(図1参照)に固定支持される固定枠11と、該固定枠11の外周部に取り付けられ、ズームモータ24を有するズーム駆動ユニット13と、前記固定枠11の後方側に固定される固体撮像素子であるCCD62(図6参照)を内蔵するためのCCDユニット12と、後述するズーム枠16,2群枠20を直進ガイドするためのフロートキー14と、固定枠11に嵌入し、沈胴位置と撮影位置との間を回動しながらかつ、光軸方向に進退し、そして、上記撮影位置でワイド回動位置からテレ回動位置間を回動のみ行うカム枠15と、該カム枠15に進退自在に嵌入し、フロートキー14により直進ガイドされ、沈胴位置と撮影位置との間を進退移動するズーム枠16(第1の枠)と、該ズーム枠16内に固着され、フォーカスモータ41を有する合焦駆動枠ユニット17と、上記ズーム枠16内に進退自在に支持され、前記合焦駆動枠ユニット17により合焦駆動される1群枠19(第2の枠)と、上記カム枠15内に進退自在に嵌入する2群枠20と、該2群枠20に固定支持され、開閉可能な2枚のシャッタ羽根49,50およびNDフィルタ51を有するシャッタユニット21と、上記1群枠19に保持される1群レンズ47と、上記2群枠20に保持される2群レンズ48と、後に詳細に説明するがズーム枠16の先端部と1群枠19の先端部の間に配置される遮光部材である遮光ゴム72(図6参照)と、上記カム枠15の先端部と上記ズーム枠16の後述する金属筒32の外周の間に配置される遮光ゴム73(図6参照)と、上記固定枠11の先端部と上記カム枠15の後述する金属筒31の外周の間に配置される遮光ゴム74(図6参照)と、シャッタユニット21の背面部に配される遮光シート55とを有してなる。
【0020】
上記固定枠11は、開口部11aを有する円環状部材であって、その外周部の一部にギヤ室11dが設けられ、該ギヤ室11dには、上記カム枠15を光軸まわりに回動駆動するためのロングギヤ26がその軸心を光軸と平行にZ方向に沿わせた状態で回動可能に軸支されている。また、上記固定枠11には、後に詳細に説明するが、その内周部に雌ヘリコイドネジ11bと、上記雌ヘリコイドネジ11bに連通する円周方向に沿ったロック溝11cと、Z方向に平行に沿ったキー溝11f,11gとが設けられている。さらに、上記カム枠15の沈胴回動終端の近傍位置検出用ミラー部(以下、ミラー部と称す)15f(図5参照)の位置を検出するためのカム枠回動位置検出センサ(図示せず)が内周部に配置されている。また、上記固定枠11の内周部には、後述する上記カム枠15との螺合の潤滑を良くするため、また反射防止の目的で、塗装が施されている。
【0021】
上記ズーム駆動ユニット13は、減速ギヤ列および終段アイドルギヤ25を内蔵するギヤボックス23と、ズーム駆動用DCモータであるズームモータ24とを有してなる。このズーム駆動ユニット13は、ギヤボックス23のビス挿通穴23a,23bを挿通させたビスを固定枠11の上記ロングギヤ室11d端部のビスネジ穴11e等に螺着して固定枠11の外周部に固定される。その固定状態で上記アイドルギヤ25は、上記ロングギヤ26と噛合する。なお、上記ロングギヤ26は、カム枠15の後端外周部に設けた後述のギヤ部15cと噛み合い、さらにズームファインダ駆動用ギヤ75(図3参照)とも噛合している。また、上記ズームモータ24の回転軸には、図示しないスリット板が設けられていて、ギヤボックス23の内部にはフォトインタラプタが配設されており、フォトインタラプタからのパルス検出信号により、後述する各レンズ群のズーム位置が制御される。
【0022】
上記CCDユニット12は、光軸上に撮像用開口部22aと、ロングギヤ軸支穴22bを有するCCDホルダ22と、上記開口部22a内側に光軸上に配置されるローパスフィルタ61(図6参照)と、CCDホルダ12の背面に固着されるCCD基板63(図6参照)と、該CCD基板63上に実装され、撮像面が光軸Oと直交しているCCD62(図6参照)と、該CCD62をCCDホルダ12に対して位置決めするためのCCD位置決め板64(図6参照)とを有してなる。なお、上記ローパスフィルタ61とCCD62との間には、CCDゴム65(図6参照)が圧縮状態で挟持されている。
【0023】
上記フロートキー14は、金属板製のリング部材で構成されており、開口部14aを有し、前方に向けてZ方向に平行状態で延出する2本のキー部14d,14fと、外周に突出し、上記固定枠11のキー溝11f,11gに摺動自在に嵌入する2つの凸部14b,14cとが設けられている。上記一方のキー部14dの先端部14eは、僅かに幅寸法が広がる段形状を有している。このフロートキー14の前側には、開口部27aを有するリング形状のフロートガイド27がキー部14d,14fの外側に挿入され、ビスによりフロートキー14と固着されている。上記フロートガイド27の外周には、複数の凸状の爪部27bが設けられる。
【0024】
尚、上記フロートキー14は、リング形状のプレス成形部材であるが上記キー部14fをリング部分の外側から、キー部14dをリング部分の内側から折り曲げるようにして形成して、効率のよいブランク板取りを可能にしている。また、上記キー部14dと14fに対して、直進ガイド時の負荷は上記先端部14eを持つキー部14dの方に多く作用するが、上述のように折り曲げることにより、キー部14d側の方の強度を大きくすることができる(これは、キー部14d側のリング形状部とのつながり部分の幅(肉厚)が広くとれるためである)。
【0025】
上記カム枠15は、開口部15aを有する円環状部材であって、その外周部後端側に前記固定枠11の雌ヘリコイドネジ11bと螺合可能な雄ヘリコイドネジ15bと、上記ロングギヤ26と噛合し、該雄ヘリコイドネジ15bに重畳した状態の平歯車形状のギヤ部15cと、該雄ヘリコイドネジ中に配されるミラー部15fと、上記雄ヘリコイドネジ15bに対して所定幅離間した前方位置に、固定枠11のロック溝11cに摺動自在に嵌入可能な、例えば3つの突起部(ロック凸部)15dとが設けられている。
【0026】
さらに、カム枠15の内周面部15gには、後方端側に上記フロートガイド27の爪部27bが摺動自在に嵌入する、周方向に沿った内周ガイド溝15hと、光軸O方向に対して斜行する、例えば3本のカム溝15eが設けられている。そして、上記カム枠15の上記ロック凸部15dより前方側の外周部には、外装キャップ部となる金属筒31が嵌合、固着されている。また、上記カム枠15の内周面部15gには、後述する上記カム枠15との螺合の潤滑を良くするため、また反射防止の目的で、塗装が施されている。
【0027】
上記ズーム枠16(第1の枠)は、先端部に前方開口部16aを有する円環状筒部材で構成されていて、該前面開口部16aの内周面側の開口部(第1の開口)160(図11参照)近傍周囲には、内周面に沿って、後述する遮光ゴム72の一端である外周端部(被狭接部72e)(図11参照)が、例えば固定ピンにより後述する固定部16eに固定(固着)されている。また、前記ズーム枠16の後方外周に延び出した3つの突出片16dに設けられた取り付け穴には、上記カム枠15の上記カム溝15eに摺動自在に嵌入する、例えば3つのカムフォロア35が嵌合固着されている。また、前記ズーム枠16の内周部には、光軸Oと平行な方向に沿った溝であって、フロートキー14(図4参照)のキー部14dの先端14eおよびキー部14fが摺動自在に嵌入するガイド溝16b,16cが設けられている。
【0028】
そして、上記ズーム枠16の後方突出片16dより前方の外周部には、外装キャップ部となる金属筒32が嵌合、固着され、さらに、ズーム枠16の前面部には、前飾り板33が貼付されている。
【0029】
上記合焦駆動枠ユニット17は、合焦駆動枠18と、該合焦駆動枠18に固着される、例えばステッピングモータからなるフォーカスモータ41と、上記1群枠19を進退自在に支持する1群枠ガイドロッド42(図6参照)と、該ガイドロッド42に挿入され、上記1群枠19を後方に付勢する圧縮バネである付勢バネ44(図6参照)と、上記フォーカスモータ41により回転駆動される1群枠進退駆動用送りネジ部(図示せず)とを有してなる。
【0030】
上記合焦駆動枠18は、ズーム枠16の内部にビスにより固着される枠部材であって、上記1群ガイドロッド42を光軸Oと略平行な方向で支持しており、さらに、1群ガイドロッド42の側方位置に回転自在に1群ガイドロット42と平行に支持される上記送りネジ部が設けられている。上記送りネジ部は、上記フォーカスモータ41によりピニオンと図示せぬ減速ギヤ列によって回転駆動され、この送りネジの回転によって上記1群枠19が前記付勢バネ44に抗して上記1群ガイドロッド42に沿って進退駆動される。なお、上記1群枠19の進退方向のガタ分は、前記付勢バネ44の付勢力により取り除かれる。
【0031】
上記1群枠19(第2の枠)は、その内周部に上記1群レンズ47が保持される上記第1の開口160よりも径の小さい第2の開口を有している。該1群枠19の前端部には、上記第1の開口と上記第2の開口は互いに平行して対向し、互いに光軸方向に相対移動可能となっている。つまり、1群枠19とズーム枠16とが光軸方向に相対移動可能となっている。上記第2の開口周囲と前記1群レンズ47外囲との間を覆うように、後述する遮光ゴム72の内周端部である他端72fが、後述する前記第2の開口190近傍周囲の固定部19a(いずれも図11参照)に前記固定部19aを覆うように接着固定(固着)されている。
【0032】
また、前記1群枠19は、遊嵌穴であるスリーブ穴19b(図6参照)に接着固定されるスリーブ43(図6参照)を有している。このスリーブ43は、生産時に1群枠19のスリーブ穴19bに所謂、ガタガタ状態である遊嵌状態で嵌合させられている。この状態においてガイドロッド42の代りの生産ライン上の光軸調整機器の光軸調整用治具ロッドとスリーブ43とが嵌合され、公知の上記光軸調整機器により、1群レンズ47が接着固定された1群枠19の光学芯と上記光軸調整用治具ロッドとを平行にした後、スリーブ43とスリーブ穴19bとの間に接着剤を注入して固定する。これによって、スリーブ43の機械的中心軸と1群枠19の光学芯、即ち1群レンズ47の光学芯とが平行になったことになる。その後、前記1群枠19は、上記スリーブ43に前記1群ガイドロッド42を摺動自在に精密な嵌合状態で嵌入させ、さらに、上記1群枠19の図示しないガイド突起を上記合焦駆動枠18のガイド溝に嵌入させた状態で上記ズーム枠16内に光軸O方向に進退可能に組み付けられる。
【0033】
なお、上記ガイドロッド42は、上記1群レンズ47の上記光軸調整とは異なる芯合わせを行って前記合焦駆動枠18に接着固定される。すなわち、前記ガイドロッド42の前方端部は、上記ズーム枠16の軸穴に嵌入し、後方端部は、上記合焦駆動枠18の軸穴18cに位置調整ガタ分の隙間のある状態で嵌入して支持可能であり、上記合焦駆動枠18の組み込み時に上記ガイドロッド42は、前記1群レンズ47の上記スリーブ43を挿通させて両端を上記ズーム枠16の軸穴と前記合焦駆動枠18の軸穴18cで支持した状態とする。
【0034】
そこで、上記ズーム枠16の外周部を基準にして上記1群枠19に固着された前記1群レンズ47の光軸を上下左右に上記ガイドロッド42の傾きを変えながら調整して芯合わせする。その芯合わせ状態で上記軸穴18cと上記ガイドロッド42の上記後方端部との隙間に接着剤を注入して、上記ガイドロッド42の軸端の光軸O直交方向の位置を固定する。上記ガイドロッド42の位置移動操作は、上記ガイドロッド42の後端側凹部に操作具を挿入して行うことができる。また、上記ガイドロッド42には、光軸Oと平行方向の位置規制のために上記軸穴18cの前方にE型止め輪(Eリング)45が装着されており、さらに、上記止め輪45と軸穴18cの壁面との間には、座金46が挿入されている。この座金46によりスリーブ43とガイドロッド42の摺動面への上記注入された接着剤のもれ出しが防止される。
【0035】
ここで、上記ズーム枠16の先端部と上記1群枠19の先端部の間に配設される上記遮光ゴム72について説明すると、図9は、遮光ゴム72の形状を拡大して示した正面図、図10は、図9の遮光ゴムのA−A線に沿う断面図である。
【0036】
図9、図10に示すように、遮光ゴム72は、例えばシリコンゴムからなる変形可能な薄肉のリング状部材からなり、上記ズーム枠16に固着される側、即ち組み付け後、光軸方向前方となる側に第3の開口72aを有し、また、上記1群枠19に固着される側、即ち組み付け後、前記第3の開口よりも光軸方向後方となる側に前記第3の開口72aとは異なる前記第3の開口72aよりも径の小さい第4の開口72bを有し、さらに、前記第3の開口72aと前記第4の開口72bとを繋ぐテーパ部72cを有して構成されている。また、上記第3の開口72aの周縁部には、上記ズーム枠16に固定(固着)するための複数の固定ピン挿通孔72dが穿設された複数の被狭接部72eが前記第3の開口72aの周縁部から放射状に外方に突出して前記第3の開口72aの周縁部と一体に形成されている。さらに、上記第4の開口72bの周縁近傍には、第2の開口周囲近傍の固定部19a(いずれも図11参照)に接着固定(固着)される他端72fが一体に形成されている。
【0037】
次に、このように構成された遮光ゴム72の上記ズーム枠16及び上記1群枠19への固定(固着)、つまり組み付け方法を説明すると、図11は、図9の遮光ゴムをズーム枠16及び1群枠19に固着、この状態で遮光ゴム72の被狭接部72eはズーム枠16の内面と合焦駆動枠18の前面との間に挟まれ固定されていて、その後、上記ズーム枠16に対して上記1群枠19を移動させた際の遮光ゴムの形状をそれぞれ示した断面図である。
【0038】
図11に示すように、先ず、上記遮光ゴム72を、上記テーパ部72cが直線的に伸びている状態で、即ち、上記1群枠19が上記ズーム枠16よりも光軸方向後方の任意の位置Cにおいて上記ズーム枠16及び上記1群枠19に組み付ける。尚、この組み付けた際の上記遮光ゴム72Aの形状は、何ら外力の加わっていない上記遮光ゴム72の自然形状である。即ち、テーパ部72cはテーパ形状を保っている。
【0039】
上記1群枠19への組み付けは、上記遮光ゴム72の他端72fを上記1群枠19の第2の開口周囲近傍の固定部19aに、該固定部19aの周面を光軸方向に覆うように接着固定(固着)することにより行われる。また、上記ズーム枠16への組み付けは、上記遮光ゴム72の上記複数の固定ピン挿通孔72dを介して、図示しない複数の固定ピンで上記ズーム枠16の第1の開口周囲近傍の固定部16eに上記遮光ゴム72の複数の被狭接部72eを挟み込むように固定(固着)することにより行われる。尚、上記遮光ゴム72の組み付けは、上記ズーム枠16に固着してから上記1群枠19に固着しても良い。
【0040】
次に、上記1群枠19を図11に示す位置Bまで光軸方向の前方(遮光ゴム72のテーパ部72cの中心軸方向。以下、テーパ状の中心軸方向と称す)に向けて移動させる。このように、上記遮光ゴム72を移動させると、図11に示すように、遮光ゴム72のテーパ部72cの中程には、テーパ状の中心軸方向に略S字形状の座屈部72gが形成される。尚、上記位置Bは、上記1群レンズ47の合焦動作時の∞位置である。よって、組み付け後は、上記遮光ゴム72は、合焦動作時以外は、上述した1群ガイドロッド42(図6参照)の側方位置に配設された上記送りネジ部の図示しない移動規制板により常時位置Bに位置し、上記座屈部72gは、後述する実使用領域D(図12参照)において上記1群枠19の移動により変形はするものの常時形成された状態となる。
【0041】
ここで、上記1群枠19は、上述したように、上記付勢バネ44(図6参照)により、CCD62側、即ち後方に付勢されている。上記遮光ゴム72と上記付勢バネ44の力量関係を図12に示す。図12は、上記ズーム枠16に対して上記1群枠19が移動した際の図9に示す遮光ゴムの「力量−変位」と前記1群枠19を後方に付勢する上記付勢バネ44の「力量−変位」と上記ズーム枠16に対して上記1群枠19が変位したときの上記2つの力量変化を重ね合わせたときの力量関係を示した図である。
【0042】
図12に示すように、組み付け位置Cから、∞位置(位置B)まで上記1群枠19を移動させると、遮光ゴム72は、曲線▲2▼に示すように、位置Cから光軸方向前方に約1mm変位した位置で上記テーパ部72cの座屈を開始し、その後上記力量は位置Bでは最大力量約0.1Nであったものが0.06〜0.07Nまで減少する。尚、この座屈開始時は、上記遮光ゴム72の上記力量が最も大きくなる位置から僅かにズレた位置である。一方、上記付勢バネ44の力量は、曲線▲1▼に示すように、上記位置Cでの上記力量0.1Nから上記位置Bでは上記力量0.12〜0.13Nまで増加する。
【0043】
図11に戻って、合焦動作の際に、上記1群枠19を、上述したように上記合焦駆動枠18に固着されるフォーカスモータ41(図5)により、上記ズーム枠16に対して光軸方向の前方(テーパ状の中心軸方向)に相対的に移動させると、上記遮光ゴム72は、光軸方向の最大前方位置(至近位置よりさらに前方位置)である位置A’に位置することが可能である。この位置A’は、前記位置Bから光軸方向の前方にさらに変位(図12参照)した位置である。このとき、前記座屈部72gも、上記1群枠19とともに、光軸方向の前方(テーパ状の中心軸方向)に移動する。よって上記座屈部72gは、上記第1の開口周囲近傍の固定部16e及び上記第2の開口周囲近傍の固定部19aに対しても光軸方向に相対移動し、また、上記座屈部72gの一部は、上記第1の開口近傍周囲の固定部16eの近傍を光軸方向に通過する。
【0044】
上述した位置Bから位置A’への移動の際の上記遮光ゴムの力量は、図12の曲線▲2▼に示すように、位置Bでの上記力量0.06〜0.07Nから上記力量0.04〜0.05Nにまで減少する。一方、上記付勢バネ44の力量は、曲線▲1▼に示すように、上記位置Bでの上記力量0.12〜0.13Nから上記位置A’では上記力量0.16〜0.17Nまで増加する。
【0045】
尚、この位置B〜位置A’までの間の位置が、上記1群枠19が上記ズーム枠16に対して相対移動する領域、即ち、実使用領域Dである。但し、この位置A’は1群枠19が被写体に対する合焦動作を行うときに移動する移動可能位置であり、必ずしも最至近の被写体に対して常にこの位置まで1群枠19が移動することではない。所謂、山登り方式AF(コントラストAF)において生ずる現象である。そして、1群枠19のこの位置A’の位置は合焦動作中での位置であり、合焦動作完了では1群枠19の最先端面はズーム枠16の最先端面より突出していない。被写体が最至近位置にある場合のズーム枠16の最先端面位置はズーム枠16の最先端面から僅かに引っ込んだ位置であり、これを位置Aとする。この実使用領域Dにおける上記遮光ゴム72の上記1群枠19に対するゴム力量と上記付勢バネ44の上記力量を考慮したものを図12の曲線▲3▼に示す。この曲線▲3▼に示すように、上記実使用領域Dにおいては、上記力量は、略均一状態となっている。よって、上記1群枠19の上記ズーム枠16に対する相対移動で、上記力量に対する変化は殆ど無い。即ち、位置Bで上記遮光ゴム72のテーパ部72cを座屈させてからは、上記1群枠19の光軸方向に対する前後移動での力量の変化は、殆ど無いことになる。
【0046】
図5に戻って、上記2群枠20には、その開口部前面に絞り20Aが装着され、該絞り20Aの後方に上記2群レンズ48が保持されている。前記2群枠20の外方3箇所には、上記カム枠15のカム溝15eに摺動自在に嵌入する、例えば3つのカムフォロア36が固着されており、さらに、外方2箇所に上記フロートキー14のキー部14d,14fが嵌入するガイド穴20e,20fが設けられている。また、上記2群枠20の上方部は、切り欠き部20gが設けられている。該切り欠き部20gは、上記レンズ鏡筒10のズーム駆動時に上記フォーカスモータ41の進退移動を許容するスペースとなる。
【0047】
上記シャッタユニット21は、中央部に絞り開口37aと上方に切り欠き部37sが設けられたシャッタ地板37と、該シャッタ地板37の背面側に収納される開閉回動可能な2枚のシャッタ羽根49,50および1枚の減光用NDフィルタ51と、上記シャッタ地板37に固着される2つのムービングコイル型アクチュエータであって、シャッタ駆動源であるシャッタアクチュエータ52およびフィルタ駆動源であるフィルタアクチュエータ54と、上記シャッタ羽根49,50およびNDフィルタ51を光軸O方向を規制するためのシャッタ押さえ38とを有してなる。なお、上記切り欠き部37sは、ズーム駆動時に上記フォーカスモータ41の進退移動を許容するスペースとなる。
【0048】
上記シャッタユニット21は、上記2群枠20に対して、その背面側に固定して一体化される。すなわち、上記2群枠20に上記シャッタ地板37の係止爪37cを係止させた状態でビスにより該シャッタ地板37を上記2群枠20の背面側に固定して一体化される。よって、本実施の形態におけるレンズ鏡筒においては、上記シャッタユニット21を上記2群枠20の背面側に配置したため、図6に示す沈胴状態において、上記1群レンズ47と上記2群レンズ48を限りなく近づけることができるため、沈胴状態で上記カメラ本体1(図1参照)を薄型化することができる。
【0049】
また、上記シャッタユニット21の前記シャッタ押さえ38の背面には、図6に示すように弾性変形可能(変位可能)な遮光シート55が配置されている。上記遮光シート55は、図7に示すように光軸O近傍がビス止めされ、上半部が自由状態でシャッタ押さえ38に密着して支持されている。前記遮光シート55により上記2群枠20や前記シャッタ地板37の切り欠き部20g,37sから上記CCDユニット12側への不要光が遮光(遮断)される。そして、上記フォーカスモータ41が上記切り欠き部20g,37sに進入してきたときには、図6,8に示すように上記フォーカスモータ41の後端部で前記遮光シート55が押圧され、後方に弾性変形(遮光シート上部先端が変位)することにより、上記フォーカスモータ41の進入が可能となる。これによりレンズ鏡筒の短縮化が図られることになる。
【0050】
上述したレンズ鏡筒10の各構成部材は、一例として以下の手順で組み立てられる。勿論、他の手順で組み立てることも可能である。まず、上記カム枠15の内周部15gに後方側から上記ズーム枠16を嵌入させ、該ズーム枠16の上記カムフォロア35を上記カム溝15eに嵌入させ、上記1群枠19および上記合焦駆動ユニット17を上記ズーム枠16の装着する。この際、図11で上述したように、上記遮光ゴム72を上記ズーム枠16及び上記1群枠19に固着する。次に、上記ズーム枠16を上記カム枠15に組み込む。そして、上記カム枠15の内部にシャッタユニット21が一体化された上記2群枠20を挿入して、上記2群枠20の前記カムフォロア36を上記共通のカム溝15eに嵌入させる。
【0051】
さらに、上記フロートガイド27が装着された上記フロートキー14を、上記カム枠15の後面側から挿入し、上記キー部14d,14fを上記2群枠20のガイド穴20e,20fに挿通させる。さらに、上記キー部14dの先端部14eを上記ズーム枠16のガイド溝16b側に嵌入させ、上記キー部14fを上記ズーム枠16のガイド溝16c側に嵌入させる。
【0052】
その後、上記フロートガイド27の凸部14bを、上記カム枠15の内周ガイド溝15hに嵌入させる。なお、上記フロートガイド27の凸部14bが上記内周ガイド溝15hに嵌入し、かつ、後述するように上記フロートキー14の凸部14b,14cが固定枠11に直進ガイドされることから、上記フロートキー14は、上記固定枠11に対して回転規制された状態で光軸O方向には上記カム枠15と一体的に進退移動することになる。
【0053】
続いて、上記ズーム枠16,上記2群枠20,上記フロートキー14等が組み込まれたカム枠15を上記固定枠11の後面側から挿入し、後に詳細に説明するが、上記カム枠15の雄ヘリコイドネジ15bを上記固定枠11の雌ヘリコイドネジ11bに螺合させ、かつ、上記フロートキー14の凸部14b,14cを上記固定枠11のキー溝11f,11gに嵌入させる。そこで、上記ロングギヤ26(図4参照)を上記固定枠11のギヤ室11dに挿入して前記ロングギヤ26の前方軸支穴26aを図示しない固定枠側軸支ピン部に嵌合させておく。
【0054】
その後、後方より上記CCD62等が組み付けられた上記CCDユニット12の前記CCDホルダ22を装着し、前記CCDホルダ22の軸支穴22bにロングギヤ26の軸端26bを嵌入させて、上記CCDホルダ22をビスにより前記固定枠11に固着する。以上の組み付けにより上記レンズ鏡筒10が完成する。
次に、上記レンズ鏡筒10の進退駆動動作について説明する。
図1に示すように上記レンズバリア5が閉位置にあって上記レンズ鏡筒10がカメラ内に繰り込まれた沈胴状態にあるときは、図6に示すように上記固定枠11の内部に上記ズーム枠16および上記1,2群枠19,20等すべてが収納された状態に保持される。このとき、上記ズーム枠16および上記2群枠20のカムフォロア35,36は、それぞれ共通のカム溝15eの沈胴終端位置に位置している。また、この沈胴状態で上記フォーカスモータ41は、図6に示すように、上記2群枠20および上記シャッタ地板37の切り欠き部20g,37sに進入した位置にあり、上記フォーカスモータ41の後端部で上記シャッタ押さえ38に装着される上記遮光シート55が押圧され、後方に変形させた状態に保持されている。
【0055】
そこで、図2に示すようにレンズバリア5を開放位置にスライド操作すると、カメラ内の制御部の指示にしたがってレンズ鏡筒10は、上記沈胴状態から図7に示す撮影可能なワイド状態に繰り出される。すなわち、上記ズームモータ24が駆動され、上記ロングギヤ26が回転し、ギヤ部15cを介して上記カム枠15が時計回りに回動駆動され、雌,雄ヘリコイドネジ11b,15bを介して回転しながら前方に繰り出される。そして、上記カム枠15のロック凸部15dが上記固定枠11のロック溝11cに嵌入した状態となる。このロック溝嵌入状態では、上記カム枠15は、上記ズームモータ24の回転によって光軸方向に進退することなく撮影可能状態のワイド回動位置とテレ回動位置間を回動のみする。一方、このとき上記ズーム枠16は、上記フロートキー14により回転規制された状態で上記カム枠15とともに繰り出され、さらに、上記カム枠15のカム溝15eによりカムフォロア35を介して撮影可能なワイド位置に繰り出される。そのとき、上記1群枠19もワイド位置に繰り出される。尚、このワイド位置は、上記固定枠11に対して上記カム枠15が最も繰り出された位置である。さらに、上記2群枠20も上記フロートキー14により回転規制された状態で上記カム枠15とともに繰り出され、さらに、上記カム枠15の上記カム溝15eによりカムフォロア36を介して撮影可能なワイド位置に繰り出される。
【0056】
なお、このワイド状態では、図7に示すように、上記2群枠20と上記フォーカスモータ41とは、互いに離間した位置にあるので上記遮光シート55は、上記シャッタ押さえ38に密着した状態に保持されており、上記2群枠20の切り欠き部20gからの不要光が遮光される。
【0057】
上記撮影可能なワイド状態から上記ズームモータ24を駆動し、上記カム枠15をさらに時計回りの回動させると、図8に示すように、上記ズーム枠16とともに上記1群枠19が上記フロートキー14により回転規制状態でテレ位置に向けて進退移動する。同様に上記2群枠20も上記フロートキー14により回転規制状態でテレ位置に進退移動する。さらに、上記カム枠15の上記カム溝15eによりカムフォロア36を介してテレ位置に繰り出される。
【0058】
上記テレ状態にあるときは、図8に示すように上記1群枠19と上記2群枠20は、極接近して位置する。したがって、上記フォーカスモータ41が上記2群枠20,上記シャッタ地板37の上記切り欠き部20g,37sに進入するので、遮光シート55がフォーカスモータ41によって押圧され、変形して後方に傾斜する。しかし、上記切り欠き部20g,37sには、上記フォーカスモータ41が位置していることから上記切り欠き部20g,37sからの不要光の漏れは殆どない。
【0059】
ワイド状態からテレ状態までの間で任意の撮影位置が決定した後、上記1群枠19に保持された上記1群レンズ47による合焦動作が、上述した図11に示したように、上記ズーム枠16に対して、上記1群枠19を上記フォーカスモータ41により相対移動させることにより行われる。
【0060】
撮影終了後、上記図2に示すように、上記レンズバリア5を閉方向にスライド移動させると、上記ズームモータ24が回転駆動され、上記カム枠15が反時計回りにワイド回動位置を経て沈胴回動位置に向けて回転駆動される。それと同時に、上記カムフォロア35,36が共通のカム溝15eを摺動してズーム枠16,2群枠20等が沈胴位置に向けて繰り込まれる。
【0061】
ここで、上記カム枠15が沈胴回動位置の終端近傍まで回動したとき、上記固定枠11に取り付けられた図示しないカム枠回動位置検出センサにより上記カム枠15の上記ミラー15fが検出される。よって、カメラの制御部の指示により上記ズームモータ24は、図示しないスリット板とフォトインタラプタからのパルス検出信号により減速駆動モードに入り、その後、上記カム枠15が沈胴終端回動位置に到達したときに停止する。
【0062】
図13は、上記レンズ鏡筒10の沈胴状態から撮影可能なワイド状態、さらに、テレ状態への変化に対応する、結像面(CCD撮像面)に対する各レンズ群の進退位置を示す図である。図13に示すように上記1群レンズ47,上記2群レンズ48は、沈胴位置から撮影可能なワイド位置に向けてほぼ直線的に繰り出され、さらに、それぞれのテレ位置へ繰り出し、または移動する。このレンズ系では、テレ位置での1群レンズの位置はワイド位置での位置より僅かに後方に位置する。
【0063】
また、上記ワイド状態からテレ状態の間での合焦駆動動作は、上述したように、上記CCD62(図6乃至図8参照)による撮像信号によって合焦データに基づいて上記フォーカスモータ41(図5参照)が駆動制御され、上記1群枠19により保持される1群レンズ47が上記ズーム枠16に対して相対的に各合焦位置に進退駆動され、合焦が行われる。
【0064】
このように構成された本発明の実施の形態におけるレンズ鏡筒は、上記ズーム枠16と上記1群枠19の間に、上記テーパ部72cに上記座屈部72gを形成するような簡単な構造の上記遮光ゴム72を配設したため、上記1群枠19が合焦動作の際に、上記ズーム枠16に対して光軸方向前方に遮光効果を損なうことなく、相互移動させることができる。
【0065】
また、上記遮光ゴム72は、図12に示すように、上記1群レンズ47の合焦動作時の∞位置(位置B)で上記座屈部72gを形成してから、上記ズーム枠16に対して上記1群枠19が光軸方向前方に最も繰り出した位置(位置A’)までの上記実使用領域Dにおいては、上記ズーム枠16及び上記1群枠19に加わる上記遮光ゴム72及び上記付勢バネ44の合成力量はほぼ一定である。よって、合焦動作の際に、上記実使用領域Dでは上記ズーム枠16に対して上記1群枠19の相対移動を少ない力量で行うことができ、また、上記1群枠19を駆動する上記フォーカスモータ41を小型化することができるので、レンズ鏡筒10の省スペース化を実現できる。
【0066】
尚、本実施の形態においては、図12に、上記ズーム枠16に対して上記1群枠19が移動した際の上記遮光ゴム72と前記1群枠19を後方に付勢する上記付勢バネ44の上記ズーム枠16及び上記1群枠19に対する力量関係の一例を示したが、この力量データは、使用する遮光ゴムの材質によって変化する。しかしながら、本実施の形態のように遮光ゴム72を上記ズーム枠16と上記1群枠19の間に配設すれば、ゴム自身の力量は変化しても、上記ズーム枠16及び上記1群枠19に加わる上記遮光ゴム72及び上記付勢バネ44の合成力量の関係は、ほぼ一定となり、少ない力量で上記1群枠19を駆動することができることに変わりはない。
【0067】
また、本実施形態においては、上記座屈部72gを有した遮光ゴム72を、上記ズーム枠16及び上記1群枠19間に配設したが、光軸方向への移動が少ない枠間であれば、どの枠間に使用しても本実施の形態と同様の効果が得られることは云うまでもない。
【0068】
さらに上記遮光ゴム72の上記ズーム枠16への固定は、固定ピンにより、また、上記1群枠19への固定は、接着により固着したが、これに限らず、固着強度に影響がなければ、どのような固着手段を用いても構わない。
【0069】
また、上記遮光ゴム72は、本実施の形態においては、遮光効果のみ触れたが、遮光効果のほかにも、防水及び防塵等に効果を発揮することは勿論である。
【0070】
さらに、本発明の実施の形態は、デジタルカメラを例に挙げて説明したが、銀塩カメラ及びビデオカメラ等に適用しても同様の効果が得られるということは勿論である。
【0071】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、各レンズ支持枠が光軸方向に対して相互に接離移動しても十分な遮光効果を発揮し、かつ単純な構造で省スペース化を実現するとともに、少ない力量で各レンズ支持枠を相対移動させることができる遮光部材を有するレンズ鏡筒を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレンズ鏡筒が組み込まれたカメラのバリア閉状態を示す斜視図、
【図2】上記図1のカメラのバリア開状態を示す斜視図、
【図3】本発明の一実施形態を示すレンズ鏡筒の斜視図、
【図4】上記図3のレンズ鏡筒の固定枠側の構成部材を示す分解斜視図、
【図5】上記図3のレンズ鏡筒のカム枠側の構成部材を示す分解斜視図、
【図6】上記図3のレンズ鏡筒の沈胴状態における上半分を断面にして示す拡大縦断面図、
【図7】上記図3のレンズ鏡筒のワイド状態における上半分を断面にして示す拡大縦断面図、
【図8】上記図3のレンズ鏡筒のテレ状態における上半分を断面にして示す拡大縦断面図、
【図9】上記図3のレンズ鏡筒に配設される遮光ゴムの形状を拡大して示した正面図、
【図10】図9の遮光ゴムのA−A線に沿う断面図、
【図11】図9の遮光ゴムをズーム枠及び1群枠に固着した後、ズーム枠に対して上記1群枠が移動した際の遮光ゴムの形状を示した要部拡大断面図、
【図12】遮光ゴムと付勢バネのズーム枠及び1群枠に対する力量関係の一例を示した線図、
【図13】上記図3のレンズ鏡筒の沈胴状態、撮影可能なワイド状態、テレ状態における結像面に対する各レンズ群の進退位置を示す図、
【図14】従来の遮光部材の一例を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
10…レンズ鏡筒、
16…ズーム枠(第1の枠)
16e…第1の開口周囲近傍の固定部
19…1群枠(第2の枠)
19a…第2の開口周囲近傍の固定部
72…遮光ゴム(遮光部材)
72a…第3の開口
72b…第4の開口
72c…テーパ部
72g…座屈部
160…第1の開口
190…第2の開口
Claims (3)
- 遮光機能を有したレンズ鏡筒において、
第1の開口を有する第1の枠と、
上記第1の開口より小さい開口である第2の開口を有し、上記第1の枠と相対移動する第2の枠と、
一端が上記第1の開口周囲近傍の固定部に固着される第3の開口を有し、他端が上記第2の開口周囲近傍の固定部に固着される上記第3の開口より小さい開口である第4の開口を有し、上記第3の開口と上記第4の開口とを繋ぐテーパ状の座屈変形可能な薄肉からなるリング状部材であって、上記第1の枠と上記第2の枠との相対移動を可能とし、上記第2の枠が、上記第1の枠に対して光軸方向の前方に相対移動する際、上記座屈変形した座屈部の一部が、上記第1の開口周囲近傍の固定部を光軸方向に通過する遮光部材と、
を有したことを特徴とするレンズ鏡筒。 - 上記遮光部材は、上記第1の枠と上記第2の枠とに組み付けられた状態において、上記リング状部材の中心軸方向に、座屈していることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
- 上記第2の枠が、上記第1の枠に対して光軸方向の前方に相対移動する際、上記第2の開口は上記第1の開口を通過することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
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