JP4149816B2 - 不要イオン抑制のための質量分析計動作方法 - Google Patents

不要イオン抑制のための質量分析計動作方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4149816B2
JP4149816B2 JP2002589778A JP2002589778A JP4149816B2 JP 4149816 B2 JP4149816 B2 JP 4149816B2 JP 2002589778 A JP2002589778 A JP 2002589778A JP 2002589778 A JP2002589778 A JP 2002589778A JP 4149816 B2 JP4149816 B2 JP 4149816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
electric field
voltage
cell
rod set
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002589778A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004531862A5 (ja
JP2004531862A (ja
Inventor
ディー タナー,スコット
アール バンデュラ,ドミトリー
バラノフ,ヴラディミル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mds Inc Doing Business Mds Sciex AS
Original Assignee
Mds Inc Doing Business Mds Sciex AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mds Inc Doing Business Mds Sciex AS filed Critical Mds Inc Doing Business Mds Sciex AS
Publication of JP2004531862A publication Critical patent/JP2004531862A/ja
Publication of JP2004531862A5 publication Critical patent/JP2004531862A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4149816B2 publication Critical patent/JP4149816B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/062Ion guides
    • H01J49/063Multipole ion guides, e.g. quadrupoles, hexapoles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/004Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn
    • H01J49/0045Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/105Ion sources; Ion guns using high-frequency excitation, e.g. microwave excitation, Inductively Coupled Plasma [ICP]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/421Mass filters, i.e. deviating unwanted ions without trapping
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/44Energy spectrometers, e.g. alpha-, beta-spectrometers
    • H01J49/46Static spectrometers
    • H01J49/48Static spectrometers using electrostatic analysers, e.g. cylindrical sector, Wien filter
    • H01J49/488Static spectrometers using electrostatic analysers, e.g. cylindrical sector, Wien filter with retarding grids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

本発明は不要イオンを抑制するための質量分析計の動作方法に関する。
質量分析においては前駆体イオンの衝突誘起解離(CID)のために衝突セルが広く用いられている。通常、所望のCID生成物イオンは、質量分析し、検出するために、縦連質量分析計の次段に効率的に案内されることになっている。しかし下流の質量分析器で測定される注目するイオンの化学的バックグラウンドを高めて信号対雑音比を低める、不要なイオン、例えば、クラスターイオンまたは不特定のフラグメントイオンを生成する、多くの意図していないかまたは不要な過程が衝突セル内でおこり得る。
誘導結合アルゴンプラズマイオン源(ArICP)であることが多い、イオン源から発する不要イオンの抑制のため、誘導結合プラズマ質量分析では反応/衝突セルが通常用いられる。例えば、ArICPではAr,ArO,Ar ,ClO等が生成される。そのようなセルでは干渉イオンを抑制する“有用な”反応とともに、下流の分析器で測定される注目する質量におけるバックグラウンドを高める“不要な”生成物イオンをつくるその他の反応、例えば、クラスター形成、原子移行反応及び凝集反応がおこり得る。一般に、これらの反応は信号対雑音比を低下させ得る。
質量分析には、空間的集束または時間的ビーム一様化を達成するために衝突集束を利用する、輸送デバイスとしてしか用いられない衝突セルもある。そのようなセルでは、あらゆる反応が望ましくないことが多く、そのような反応の生成物イオンは、注目する質量におけるバックグラウンドの増大または反応による検体信号の低下により、質量分析計の性能を低下させる。特許文献1は時に衝突集束と称されるそのような手法を開示している。
これまでのところ、そのような昇圧型反応/衝突セルにおける望ましくない反応の生成物を制御するためには3つの方法が既知である。
1つの方法は、滞留時間を短縮するため及び/または望ましくない反応の断面積が縮小するように衝突間のイオン速度を高めるために、イオンが昇圧型デバイスを通して輸送されている間、イオンを加速することである。これは軸方向内部電場の適用により達成され、エム・ディー・エス社(MDS Inc.)(本発明の譲受人)に譲渡された、ブルース・エイ・トムソン(Bruce A. Thomson)及びチャールス・エル・ジョリッフェ(Charles L. Jolliffe)による特許文献2に説明されている。このイオン加速法は確かにクラスターイオン形成は抑制するが、その他の反応(例えば原子移行)は妨げられず、実際には、軸方向内部電場によって衝突複合体にいくらかの付加エネルギーを供給することによりいくつかの吸熱反応が促進され得る。
第2の方法は、(本発明の譲受人に同じく譲渡された)スコット・ディー・タナー(Scott D. Tanner)及びウラジミール・アイ・バラノフ(Vladimir I. Baranov)による特許文献3に説明されているように、昇圧型セルのRF四重極子電場内で親イオンまたは中間生成物イオンを不安定にすることにより不要な生成物イオンの形成を防止することである。四重極子のパラメータ(a及びq)を変えることにより、セル内で不安定であるイオン質量の範囲を変えることができる。不安定なイオンはセルから排出されるから、不安定なイオンが不要な生成物イオンの形成に寄与することはない。この手法は、不要な逐次化学反応を妨げる上で極めて有効であることが、誘導結合プラズマ動的反応セル質量分析(ICPDRC(商標)MS)(DRCは本発明の譲受人の商標である)でわかっている。ICPDRCMSにおいてこれまでに達成された最高効率では、NHとの電荷交換により、検体イオンを有意に抑制せずに不要なArの9桁の抑制が得られ、これは化学的バックグラウンドを有意に増大させずになされた。この手法は、検体イオン及び不要な前駆体イオンの質量に比較的大きな差があり、よって所望の検体イオンを有意に抑制せずに不要な前駆体イオンを効率的に除去できる場合に有効である。この方法の代表例は、NHで昇圧されたセルに対して(NH)による干渉が問題となり得る52Crの検出であり、この場合、干渉クラスターイオンの一次前駆体イオンはNH (m/z=18)である。m/z=52における信号がq(m/z=52)=0.4で測定されると、干渉クラスターイオンを形成する前駆体イオン(NH )の、イオン質量に反比例する安定性パラメータqは、安定境界の外側になる:
Figure 0004149816
であるから、前駆体イオン(NH )は四重極子電場内で不安定である。
しかし、不要生成物イオンの質量と不要前駆体イオンの質量との相対差が、例えばm/z=156にある生成物のCeOと前駆体の140Ceとの間のように小さければ、CeOからの干渉が問題になるであろう、所望の検体156Gdの測定においては、四重極子内で140Ceを不安定にするためにq=0.82であることが必要であり得る。そのような高いqでは156Gd信号のかなりの抑制が生じるであろう。
不要生成物イオンを差別する第3の方法は、非特許文献1に説明されているように、昇圧型セルの下流で運動論的弁別を適用することによる方法である。この手法は比較的低い圧力に昇圧されたセルに対して最も有効である。エネルギーの衝突減衰によるエネルギー差の解消がおこるほど衝突が多くなければ、不要な生成物イオンを含むセル内で生成されたイオンは、セルを出た後には、セルに入るときの運動エネルギーの内の幾分かを保持する、検出が望ましいイオン(検体イオン)よりも、若干低いエネルギーを有する。この手法は、所望の反応の効率を高めるには多数の衝突、したがって高いガス圧力が必要な場合には、有効に用いることができない。
米国特許第4963736号明細書 米国特許第5847386号明細書 米国特許第6140638号明細書 ジェイ・ティー・ローワン(J. T. Rowan)及びアール・エス・ホウク(R. S. Houk),「誘導結合プラズマ質量分析における多原子イオン干渉の気相衝突による減衰(Attenuation of Polyatomic Ion Interferences in Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry by Gas-Phase Collisions)」,Applied Spectroscopy,1989年,第43巻,p.976
本発明は、セルを通してイオンを輸送している間、連続してエネルギー弁別原理を適用することによる、昇圧型デバイス内で生成される生成物イオンを差別するための、新規で独創的な第4の方法を提供する。
本発明は、生成物イオンが各衝突後に、すなわち、生成物イオンの形成直後であり、生成物イオンのエネルギーが以降の衝突で減衰する前に、差別されるように、セル内部に減速電場を与える。本発明が低減に寄与するであろう不要イオンの“タイプ”は、少なくとも2種類存在する。第1は、セル内で生成されて、検体イオンの測定に干渉し得るイオンである。第2は、セル内で生成されるかまたはイオン源からサンプリングされることがあり、検体イオンの測定に干渉し得る多原子イオンである。いずれの場合にも内部減速電場の印加は同様の効果を有するが、多原子イオンの低減にはいくつかの特殊な性質があるので、2つの場合を別々に論じることとする。イオンがセルに入るときのイオンの初期エネルギーに比較すれば、通常は、セル内の中性ガス分子は準静止状態にあると考えることができる。所望のイオン及び不要イオンはいずれも、中性ガス分子との衝突において運動エネルギーを失う。粒子(電子、原子または配位子)の交換により転換され、よって検体イオンに対する新しい同重干渉体を形成し得るイオンには、化学的転換をおこさずに衝突する原子イオンより運動エネルギーが低くなる傾向があるであろう。これは、転換されたイオンの少なくとも一部は準静止中性分子から得られていることによる。
セル内の反応により生成されたか、またはイオン源からサンプリングされた、多原子イオンの特別な場合には、イオンの衝突前運動エネルギーから衝突複合体に移されるエネルギーの内のいくらかが、生成多原子イオン(または反応がおこらない衝突を受けた元イオン)の内部自由度に分配され得る。この結果、イオンの衝突後運動エネルギーは、同じ質量対電荷比をもつ原子イオンの運動エネルギーより低くなり得る。さらに、多原子イオンは、比較的大きいことから、原子イオンよりかなり大きな衝突断面積を有し得る。この結果、多原子イオンはより多くの衝突を受け、よって、平均して、単位長当りで、原子イオンより多くの運動エネルギーを失うであろう。本発明は、イオンを減速し、衝突後のエネルギーが十分に低いイオンに対しては運動エネルギー障壁として見える、連続電場として与えられる比較的低い運動エネルギー障壁を提供する。不要な生成物イオン及びいくつかの多原子イオンは、衝突後、所望の検体イオンより低いエネルギーを有するから、不要なイオンが差別される確率が高くなり、一方で、反応していない検体イオンはまだエネルギー障壁を乗り越えることができる。衝突が内部減速電場内でおこる本発明にしたがえば、衝突後のエネルギーが低いイオンほど、検体イオンに比較して下流の分析計への通過率が必ず低くなる。
すなわち、本発明にしたがえば、入口及び出口を有する処理区画を備える質量分析計システムの動作方法が提供され、本方法は、
a) イオンの進行経路を定め、経路に沿ってイオンを誘導するための手段を備える、処理区画の入口にイオン流を与える工程、
b) イオン流に、中性粒子とのイオンの衝突を可能にする条件の下で動作する処理区画を通過させる工程、
c) 処理区画を通過するイオンを減速するため、処理区画の経路の少なくとも一部に沿って広がる内部減速場であって、当該内部減速電場が、経路に沿うイオンを導入するための手段に沿ってその電位が変化するものを与える工程、及び
d) 所望の検体イオンより低い運動エネルギーを有する不要イオンに所望の検体イオンより大きな減速を与え、よって、不要イオンの減速及び不要イオンの選択的減損を促進し、検体イオン対不要イオンの比を高めるように、内部減速電場を選択する工程、
を含む。
本発明は処理区画から出てくるイオンを検出する工程を含むことが好ましい。しかし、最終検出に先立ち、イオンに何らかの追加処理、例えば、フラグメント化工程、反応及び/または質量選択工程を受けさせることも可能である。
不要イオンは様々な発生源から生じる可能性がある。一般に、不要な干渉イオンは、イオン源から発するイオン、セル内のガス粒子との反応により形成される生成物イオン、またはセル内でその他の過程により生成されるイオンであり得る。また、ほとんどの場合、不要な干渉イオンと所望の検体イオンの間の運動エネルギー差はセル内の衝突過程に由来すると考えられる。しかし、不要なイオンが所望のイオンより低い運動エネルギーでセルに入る可能性がある、すなわち、イオンがセルに入るときには、少なくともある程度のエネルギー差が存在するであろうということも考え得る。
本発明のよりよい理解のため及び本発明がどのように実施され得るかをさらに明確に示すため、例として、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面をここで参照する。
図1は、例えば図2に示される補助電極を備えることにより、内部電場を与えるように改修された場合に、以下に説明されるように本発明の方法を実施するに適する、特許文献3に開示されるような質量分析計システム10を示す。上記特許は本発明と同じ譲受人に譲渡され、特許文献3の内容は本明細書に参照として含まれる。
システム10は、誘導結合プラズマイオン源12,衝突/反応セル41,プレフィルタ64及び質量分析器66を備える。セル41が、セル41に導入されるガスとセル41に入るイオンの間の衝突及び反応の一方または両方のために構成および使用できることは当然である。誘導結合プラズマイオン源12は、分析のための試料材料をイオン化し、次いでイオンをサンプラープレート16の第1のオリフィス14を通してイオン流の形態で噴射する。イオン流は、第1のオリフィス14を通過すると、メカニカルポンプ20により、例えば3Torr(約400Pa)の圧力まで排気された、第1の真空チャンバ18に入る。イオン流は、第1のチャンバ18を通って先に進み、スキマープレート24の第2のオリフィス22を通過する。イオン流は、第2のオリフィス22を通過すると、第1の高真空ポンプ30によってさらに低い圧力(例えば1mTorr(約0.13Pa))まで排気される第2の真空チャンバ28に入る。イオン流は、第2の真空チャンバ28内で、入口アパーチャ38を通って四重極子34に入る。四重極子34は、衝突セル41を形成するため、容器すなわちハウジング36内に装荷される。四重極子34は、イオンを誘導するための手段を備え、イオンの進行のための経路を定める。
反応性衝突ガスがガス源42から供給され、衝突ガスは既知のいずれかの態様で容器36の内部に供給することができる。図示されるように、衝突ガスはコンジット44を流過し、アパーチャ38を囲む環状開口46を通って流出するように配備することができる。衝突セル41はチャンバ28より高い圧力にあるから、ガスは、イオン流に逆らい、アパーチャ38を通って流出してチャンバ28に入る。このガス流が、イオン源12からの非イオン化ガスの容器36への流入を防止するかまたは低減させる。イオン流が四重極子34に入る前に反応性衝突ガスがイオン流内に導かれるように、ガス源42からの分枝コンジット48がアパーチャ38の直前の位置50で終端する。位置50は、アパーチャ38の上流でイオン源12の下流であれば、どの位置であっても実際上さしつかえない。
質量分析計システム10は、主として無機検体の分析を目的としている。この目的のため、誘導結合プラズマイオン源12は通常アルゴンガスを利用し、アルゴンガスは、誘導を介して、アルゴンガスを励起し、イオン化する電場にさらされる。発生したイオン化プラズマに検体試料が注入され、検体イオンのイオン化がおこる。アルゴンイオン及び検体イオンを含むプラズマは、示されるように、オリフィス14を通過する。そのようなプラズマは高濃度のイオンを有し、イオンの多くは不要なアルゴンまたはアルゴン化合物のイオンである。したがって、不要イオンによりおこる干渉を排除または低減することが極めて望ましく、この目的のために衝突/反応セル41が用いられる。特許文献3はセル41内部で新しい干渉体を生成し得る化学反応シーケンスを実質的に妨げる通過帯域法に関するものである。この手法は、その帯域内では所望の検体イオンが安定である、所望の通過帯域を確立するようなa値及びq値の設定を含む。通過帯域はまた、その帯域内で主要な干渉イオンあるいはそのようなイオンの中間体または前駆体が不安定であるようにも選択される。したがって、そのような干渉イオンを生成する逐次化学反応が妨げられ、よって干渉イオンは検出されない。
本発明は、衝突セル41の基本構造を変更して、イオンを減速するための内部電場を発生させるデバイスを付加する。さらに、本発明は、本来のDRCの代わりにまたはDRCとともに使用することもできる。本発明は、“通過帯域”をもつかまたはもたずに動作する、より高次の多重極子とともに使用できるという利点を有する。
次に、内部電場を発生するための好ましい配置を示す図2A及び2Bを参照する。(図2では円形断面で示され、図1のロッドセット34と同等の)多重極子のRF/DC電場を確立するロッド112に加えて、それぞれがほぼT字形の断面を有する複数本の細長補助電極114が設けられている。すなわち、それぞれの補助電極114は、多重極子ロッド112の間で多重極子の軸に向かい径方向で内側に伸び出している刃状区画を有する。この刃状区画の径方向長さは軸に沿って変化し、よって補助電極114の断面は軸に沿って変化する。図示されるように、刃状区画の形状プロファイルは、細長電極112に印加されるDC電圧または複数の電圧が、多重極子に沿って変化し、よって内部電場を与える、軸上または軸近傍の電位を確立するようなプロファイルである。例えば、図Aに与えられる断面は、ロッド112間でより奥まで径方向に突き出している刃状区画116を示し、一方図Bの断面は、ロッド112間で径方向にそれほど突き出してはいない、比較的短い刃状区画117を示す。より奥まで突き出している細長電極112の末端116を衝突/反応セル41の入口近くに配置し、比較的突き出しの小さい末端117を衝突/反応セル41の出口近くに配置して、ロッド112のDCオフセット電位に対して負の電位を細長補助電極114に印加することにより、入口から出口に向かう正イオンの運動の減速に役立つ、セルに沿う静電場を確立することができる。補助電極114の構成を反転すること、すなわちより奥まで突き出している末端を出口近くに配置し、比較的突き出しの小さい末端を入口に配置して、正のDC電圧を用いることも可能である。多重極子に沿う電位分布は線形であること、すなわち、多重極子を通してイオンを出口に向けて押す力が等しくなるように、内部電場が実質的に一様であることが好ましい。しかし、細長電極114の形状プロファイル及び/または多重極子ロッド112間の突き出し長さを適切に調整することにより、電位分布を線形から変えることができる。ほぼ線形の電位分布を与えるには、刃状区画116,117に曲線プロファイルが必要であることがわかっている。
通常の電源が参照数字118a,118bで示され、RF及びDC電圧を供給するために、ロッド112に四重極子態様で接続される。示されるように、DC電圧源119が補助電極114に接続される。
しかし、本発明が上記配置に限定されず、さらに、説明した質量分析計システムの細部が既知の態様で変更され得ることは当然である。例えば、衝突セル41は四重極子34を有するとして説明されるが、適する電極構成であれば、どのようなものでも使用できることは理解されるであろう。さらに特定すれば、その他の多重極子、例えば六重極子及び八重極子を使用できるであろうし、明確に定められた安定境界をもたないため、そのままでは不要イオンの生成を効率的に抑制することができないような多重極子において、本発明は不要イオンを差別する手段を提供する。
さらに、本発明を別のタイプの質量分析計に適用し得ることが、当業者には理解されるであろう。例えば、別のカテゴリーの質量分析計を有機検体の分析のために構成することができる。普通、有機検体はエレクトロスプレーイオン源またはその他いずれかの等価なイオン源を用いてイオン化される。さらに、通常は、このカテゴリーの質量分析計の動作条件は全く異なっている。電子スプレーイオン源は、ICPイオン源と異なり、高レベルバックグラウンドを発生する傾向をもたず、よってバックグラウンド除去の目的のために衝突/反応セルを備える必要がない。他方で、複雑な有機検体イオンを、分析のために、フラグメント化することが望ましいことが多く、様々な分析手法を実施するためのそのようなフラグメント化のために衝突/反応性セルが用いられることが多い。この場合は、フラグメントすなわち生成物が所望の検体イオンである。いずれにせよ、このカテゴリーの質量分析計には衝突セルを備えているものがあり、そのような質量分析計においては、減速電場を提供する、本発明の手法の採用に利点があり得る。本発明の減速電場は、セル内で生成される不要生成物イオンを減速することにより、不要生成物を差別するために用い得ると予想される。ある種の状況においては、減速電場が有益な効果を有し得ると考えられる。
以下で詳述される、開示される装置の質量分析器が、適するいずれかの質量分析器、例えば、扇形質量分析器、飛行時間型質量分析器、またはイオントラップ型質量分析器で置き換え得ることも理解されるであろう。
特許文献3によれば、四重極子は所望の通過帯域を与えるために作動される。したがって、四重極子はRF限定デバイス、すなわち、設定m/z値よりm/z値の大きなイオンを通過させる、低質量遮断帯域通過デバイスとして、作動させることができる。しかし、所望の通過帯域よりm/z値が小さい不要イオンも大きい不要イオンも排除するために、ロッド間に低レベルの分解DCを印加することもできる。これらの電圧は電源56から供給される。
動的反応セルまたは衝突セル41からのイオンはオリフィス40を通過し、メカニカルポンプ32でバックアップされる第2の高真空ターボポンプ62により排気される第3の真空チャンバ60に入る。メカニカルポンプ32は、高真空ポンプ30,62のどちらもバックアップしている。ポンプ62は真空チャンバ60内を、例えば1×10−5Torr(約1.3×10−3Pa)の圧力に維持する。イオンは、プレフィルタ64(一般にはRF限定短四重極子ロッドセット)を通過して質量分析器66(一般には四重極子であるが、上述したように、飛行時間型質量分析計、扇形質量分析器、イオントラップ等のような別のタイプの質量分析器とすることもできる。ただし、別のタイプの質量分析器の内のいくつかに対しては図示される配置に適切な些少の変更が必要となろう)に入る。動的反応セル41から受け取られたイオンの走査を可能にするために、電源68から通常の態様でRF及びDC信号が四重極子66のロッドに印加される。一般に、プレフィルタ64は、通常通り、コンデンサC1により四重極子66に容量結合され、よって、プレフィルタ64のための独立電源は不要となる。
四重極子66から、イオンはインターフェースプレート72のオリフィス70を通過して検出器74に入り、検出器74でイオン信号が検出されて、分析及び表示のためにコンピュータ76に送られる。
特許文献3によれば、質量分析計システム10は、四重極子34へのRF電圧振幅、DC電圧及び/またはRF周波数の(電源56を用いる)変更または調整により四重極子34を通過して第3の真空チャンバ60に送られるイオン質量の帯域(すなわちm/z範囲)が制御される、通過帯域可調衝突セルすなわち動的反応セル41を備える。通過帯域の低質量端は、主として四重極子34に供給されるRF振幅及び周波数により定められ、通過ウインドウの高質量端は、主として四重極子34の極子対間に印加されるDC電圧の大きさで定められる。したがって注目するm/z範囲だけが選択的に質量分析計に結合される。これにより、中間イオンまたは干渉イオンは、同重または同様の干渉体を生成する機会を得る前に排除される。しかし、先に論じたように、この手法では排除できない干渉体がある。また、他の理由のため、通過帯域法は、例えば、通過帯域に対する明確に定められた境界を設定することが不可能な、高次多重極子には、必ずしも適用できない。したがって、本発明の減速電場は、干渉イオンの存在に依存して、通過帯域法の代わりにまたは通過帯域法とともに使用され得ることが意図されている。
DRCに存在する10〜50mTorr(約1.3〜6.6Pa)程度の高い圧力により、DRCは、所望の検体イオンの質量とはかなり異なる質量をもつ前駆体イオンを排除するようにしか設定できない。このことは、DRC法では、所望の検体イオンのm/zに近いm/zをもつ不要な前駆体イオンを遮り、排除することがおそらくはできず、DRC法は、かなり異なる質量をもつ干渉イオンへの前駆体がある場合に、検体の質量にある干渉イオンの生成を防止するために有効に用いられ得ることを意味する。したがって、本発明は、これらの不要イオンを差別するための手法を異なる原理、すなわち、衝突直後に不要生成物イオン及び所望のイオンは相異なる運動エネルギーを有することが多く、不要生成物イオンと所望のイオンの間の弁別は生成物イオン形成直後に衝突セル41内で実施することが最も有効であるという認識に基づいて、提供する。重要なことは、後続の衝突によって不要イオンと所望のイオンのエネルギー分布が極めて類似するようになり、よってエネルギー弁別が無効になる前に、セル内部でエネルギー弁別を適用すべきであるということである。
本発明にしたがえば、衝突セル41内に内部電場を与えることが提案される。この目的のため、衝突セル41は特許文献2にしたがって改変される。特許文献2の内容も本明細書に参照として含まれる。特許文献2は軸方向電場または内部電場を発生するための多くの方法を開示している。その方法は、テーパ付ロッド、傾斜配置ロッド、セグメント分割ロッド、衝突セルの主ロッドセットの一部に沿ってのみ延びることができ、衝突セルの相異なる位置における相異なる補助電極群として設けることができ、傾斜配置とすることができる補助ロッド、の内の1つ以上である。図2A及び2Bは、特許文献2に開示される原理に依存し、より線形な電場を与えることを目指している、補助電極構成の最近の発展形を示す。内部電場の発生に対する別の可能性は、外部電場が多重極子ロッドセットを抜けて、イオンが進行している軸まで侵入するように、外部電極、例えば、多重極子アレイを囲むリング、あるいはセグメント分割ハウジングを用いて得られるような、長さ方向で変わる電圧を有する多重極子ハウジングを設けることである。
次に図3を参照すれば、図3は、Crを含有する試料に対してm/z=52にある信号が測定されるときのNH昇圧型衝突セルの特性を示す。存在比が比較的高い(NH)がセル内に形成され得ること、及び、(NH)がm/z=52にある52Crの検出に干渉する52のm/zを有することが、NHガスを用いた衝突セル41または動的反応セルの操作経験から分かっている。曲線120は、m/z=52に対して設定された四重極子パラメータqの関数として、内部電場が存在しない場合に得られた、m/z=52にあるイオン信号の正規化強度を任意単位で示す。図に見られるように、ほぼq=0.2にピークがあり、このピークはより高いqにすそを引いている。ここでは、m/z=18のNH がおそらく(NH)の親イオンであろう。低qにおいてm/z=18のイオンは安定であり、よって曲線120にピークが生じる。より高いqが適用されるとm/z=18にある前駆体イオンは不安定になり、よってクラスターイオンの形成が抑制される。これが、特許文献3に開示され、今や確立されている動的反応セルの手法である。
しかし、本発明にしたがえば、内部減速電場の適用により低qにおいてさえも抑制が達成され得ることが今では認識されている。内部減速電場は、特許文献2の手法の全てを含む様々な手法により、あるいはセグメント分割カラー電極により、発生させることができよう。図4及び5のデータは、上で説明したT字形補助電極を用いて内部電場を確立する装置を用いて得られた。
例えば、内部減速電場の適用結果が曲線122で示され、図示されるように、前駆体イオンが安定である、0.1〜0.2あたりの低qにおいて、クラスターのエネルギー差別が連続内部減速電場により実現され、(NH)に対する改善された52Crの比が得られている。
図4は、補助電極に印加された“LINAC”電圧から得られた、内部電場の効果を示す。図4は、q=0.4におけるイオン強度に対するq=0.2におけるイオン強度の比の印加電圧による変化を示し、印加電圧から得られる実電場はかなり小さくなっていることに注意されたい。0.2のq値においては、図2に示されるように、信号は主として(NH)であり、q=0.4では(NH)クラスターの形成が抑制され、よって信号は主として52Crである。図4のグラフは、減速電場により、すなわちゼロより低い電位(用いられる特定の電極構成に対して電位はゼロより低く、図2に関して上述したように、別の電極配置または電極形状においては異なり得る)により、(残留信号はおそらくCr自体が優占しており、エンハンスメント因子がかなり大きくなっていることに留意すれば)イオンクラスターの通過率を少なくとも1/6に抑制することができ、このことが−50Vより低い電圧において極めて明確に示される。この曲線が示すように、加速電場も、おそらくはクラスターイオン形成を抑制することにより、クラスターイオン信号を低減できる。
負電圧の印加により与えられる減速電場は、イオンの運動速度が低められるとクラスター形成断面積が増大するから、クラスター形成を促進すると予想されるかもしれない。しかし、印加減速電場は、クラスター形成を促進し得るが、クラスターの運動エネルギーは低いから、クラスターがエネルギー障壁を乗り越えることを防止する。したがって、クラスタの生成レベルがどれだけであろうとも、クラスターは検出されない。
図5を参照すれば、図5は、反応ガス内不純物の酸化物とのCeの反応により、昇圧型衝突セル内で生成されるCeOの抑制に適用された内部減速電場、すなわち本発明の原理を示す。図5はCeO/Ce比を内部電場ポテンシャルの関数として示す。CeOがセル内で生成されると、CeOは低い運動エネルギーを有する傾向がある。したがって、ポテンシャルが正の方向で高められると、CeO/Ce比が大きくなり、この場合は内部加速電場が生成物イオンをより高い効率で輸送するに役立っていることを示す。すなわち、内部高加速正電場においてはCeO/Ce比が高くなり得る。対照的に、内部減速電場が与えられると、すなわち負電圧を用いると、CeO/Ce比は、無電場時すなわちゼロ電場時に比較して、約1/2に低下する。
本発明は多くの利点を有する。第1に、セル内生成物イオンのさらに効率的な抑制を提供するため、やはり特許文献3に詳述されている、動的反応セルにおける通過帯域概念と組み合わせることができる。特に、関係する干渉体の前駆体が注目するイオンと同様のm/z比を有していることにより通過帯域だけでは効用がほとんどないような状況において適用できる。第2に、本発明は通過帯域概念を用いずに適用でき、この場合には、いくつかの事例において通過帯域法と競合し得る。
セル後弁別は、全てのイオンが近熱的である高セル圧力においては有効ではなく、セル内で生成されたイオンから弁別され得るに十分な初期エネルギーの分率をソースイオンが保持できる、より低い圧力においてのみ有効である。しかし、高圧力によりソースイオンに起因する干渉イオンの効率的除去が得られ、したがって高圧力が望ましい。すなわち、高圧力においては、セル後弁別は衝突セル自体における通過帯域の使用より効用が小さい(ボド・ハッテンドルフ(Bodo Hattendorf),スイス連邦工科大学,チューリッヒ(Zurich),冬季講演会2001,2月4〜8日,リレハンメル(Lillehammer),ノルウエイ)。内部電場弁別手法は高圧力においても有効であるから、セル後弁別より明らかに優れている。
本発明は、様々な次数の多重極子を含む、多様な衝突セル構成及び構造に容易に適用できる。さらに詳しくは、本発明は、衝突セル内に既に存在している電極の構成にはほとんど無関係に、補助ロッドセットにより実施することができる。発明者等は、高ガス圧力においては内部減速電場によるセル内エネルギー弁別がセル後エネルギー弁別より効率が高いと考えている。セル後エネルギーフィルタリングでは、セル内で生成された多原子イオンのエネルギー分布が、元々の同重干渉体のより高効率の反応性除去を提供するより高いセル圧力においては特に、所望の、反応していない原子検体イオンのエネルギー分布と重なり合うことがあるという問題が生じる。したがって、上記の2つのタイプのイオン間の効率的なエネルギーフィルタリング分離を与えるようにエネルギーレベルを設定することが不可能であり得る。一方、衝突セル内で、エネルギーフィルタリングを実施するために、減速電場が印加された場合には、不要イオンと所望の検体イオンの間に判然としたエネルギー差がある内に弁別が適用される。したがって、本発明の手法は、多くな様々な衝突セル構造に適用できるはずであり、いくつかの事例においては、DRC(通過帯域)法と競合できるかあるいはDRC法より優れることがあろう。
本発明の実施に適する質量分析計システムの略図である 図1の質量分析計システムに用いるための、補助電極を含む四重極子ロッドセットの好ましい実施形態の簡略な断面図を示す 図1の質量分析計システムに用いるための、補助電極を含む四重極子ロッドセットの好ましい実施形態の簡略な断面図を示す 本発明にしたがう内部減速電場が印加された場合と印加されていない場合の、図1の衝突セルにおけるパラメータqに対する正規化強度データの変化を示すグラフである 相異なるq値に対する検出信号の比を、図1の衝突セルにおける減速電場強度の関数として示すグラフである 図1の昇圧型衝突セル内で生成されるCeOの減速電場抑制の原理を示す
符号の説明
10 質量分析計システム
12 誘導結合プラズマイオン源
34 四重極子
41 衝突/反応セル
42 ガス源
56,68 RF+DC電源
64 プレフィルタ
66 質量分析器
74 検出器
76 コンピュータ
114 補助電極

Claims (20)

  1. 連続するロッド入口及び出口を有する処理区画を備える質量分析計システムの動作方法において、
    a) イオンの進行のための経路を定め、前記経路に沿ってイオンを誘導するための手段を備える前記処理区画の前記入口にイオン流を与える工程、
    b) 前記イオン流に、中性粒子とのイオンの衝突を可能にする条件の下で作動される前記処理区画を通過させる工程、
    c) 前記処理区画を通過するイオンを減速するために、前記処理区画の前記経路の少なくとも一部分に沿って広がる内部減速電場であって、当該内部減速電場が、前記経路に沿う前記イオンを誘導するための手段に沿ってその電位が変化するものを与える工程、及び
    d) 所望の検体イオンより低い運動エネルギーを有する不要イオンに前記所望の検体イオンより大きな減速を与え、よって前記不要イオンの減速及び前記不要イオンの選択的減損を促進し、前記不要イオンに対する前記検体イオンの比を高めるように、前記内部減速電場を選択する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記不要イオンが、イオン源で生成されたイオン、前記中性粒子との反応により前記処理区画内で生成されたイオン、及び前記処理区画内でその他の過程により生成されたイオン、の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記不要イオンが、前記内部電場を与える際に、前記所望の検体イオンとは異なる減速の度合いを有する多原子ソースイオンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記内部電場を静電場として与える工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記内部電場を動電場として与える工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記イオンを誘導するための手段として前記処理区画内に多重極子ロッドセットを備える工程、及び前記経路に沿うイオンの誘導を実施するために前記多重極子ロッドセットに電圧を印加する工程を含むことを特徴とする請求項1,4または5に記載の方法。
  7. 前記多重極子ロッドセットにRF電圧を印加する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  8. 通過帯域を生じさせるために、前記多重極子ロッドセットにRF電圧及びDC電圧を印加する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 所望の検体イオンに対して所望の通過帯域を選択するため、前記所望のイオンに前記処理区画を通過させるため、及び前記所望のイオンとの干渉体を形成する傾向を有する前駆体イオンの排除を促進するために、前記RF電圧及び前記DC電圧またはRF周波数を調節する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記多重極子ロッドセットとして四重極子ロッドセットを備える工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 前記四重極子ロッドセットにRF電圧を印加する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記四重極子ロッドセットにRF電圧及びDC電圧のいずれをも印加する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 所望の検体イオンに対して所望の通過帯域を選択するため、前記所望のイオンに前記処理区画を通過させるため、及び前記所望のイオンとの干渉体を形成する傾向を有する前駆体イオンの排除を促進するために、前記RF電圧及び前記DC電圧またはRF周波数を調節する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記内部電場を発生させるために補助電極を設ける工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  15. 多重極子ロッドセットのロッド間で前記補助電極を少なくとも部分的に突き出させ、よって前記ロッド内に前記内部電場を発生させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記内部電場を発生させるために、前記多重極子ロッドセットにセグメント分割電極を設ける工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  17. 前記内部電場を発生させるために、前記多重極子ロッドセットに傾斜配置電極及びテーパ付電極の内の一方を設ける工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  18. 前記内部電場を発生させるために、前記多重極子ロッドセットの外部にある電極を設ける工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  19. 前記処理区画から出てくるイオンを検出する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 前記処理区画から出てくるイオンを検出する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
JP2002589778A 2001-05-14 2002-05-09 不要イオン抑制のための質量分析計動作方法 Expired - Lifetime JP4149816B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/853,715 US6627912B2 (en) 2001-05-14 2001-05-14 Method of operating a mass spectrometer to suppress unwanted ions
PCT/CA2002/000694 WO2002093148A2 (en) 2001-05-14 2002-05-09 A method of operating a mass spectrometer to suppress unwanted ions

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004531862A JP2004531862A (ja) 2004-10-14
JP2004531862A5 JP2004531862A5 (ja) 2007-12-06
JP4149816B2 true JP4149816B2 (ja) 2008-09-17

Family

ID=25316720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002589778A Expired - Lifetime JP4149816B2 (ja) 2001-05-14 2002-05-09 不要イオン抑制のための質量分析計動作方法

Country Status (8)

Country Link
US (2) US6627912B2 (ja)
EP (1) EP1393345B1 (ja)
JP (1) JP4149816B2 (ja)
AT (1) ATE458263T1 (ja)
AU (1) AU2002302228B2 (ja)
CA (1) CA2447035C (ja)
DE (1) DE60235357D1 (ja)
WO (1) WO2002093148A2 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6700120B2 (en) * 2000-11-30 2004-03-02 Mds Inc. Method for improving signal-to-noise ratios for atmospheric pressure ionization mass spectrometry
US6627912B2 (en) * 2001-05-14 2003-09-30 Mds Inc. Method of operating a mass spectrometer to suppress unwanted ions
GB2389452B (en) * 2001-12-06 2006-05-10 Bruker Daltonik Gmbh Ion-guide
US6992281B2 (en) * 2002-05-01 2006-01-31 Micromass Uk Limited Mass spectrometer
NZ554574A (en) * 2004-10-28 2009-08-28 Albert Edward Litherland Method and apparatus for separation of isobaric interferences
CA2660335C (en) * 2006-09-28 2016-04-12 Mds Analytical Technologies, A Business Unit Of Mds Inc., Doing Business Through Its Sciex Division Method for axial ejection and in-trap fragmentation using auxiliary electrodes in a multipole mass spectrometer
WO2008044285A1 (fr) * 2006-10-11 2008-04-17 Shimadzu Corporation Spectroscope de masse quadripolaire
EP1933365A1 (en) * 2006-12-14 2008-06-18 Tofwerk AG Apparatus for mass analysis of ions
EP1933366B1 (en) 2006-12-14 2019-06-12 Tofwerk AG Apparatus for mass analysis of ions
EP2126960B1 (en) * 2007-02-01 2019-03-13 DH Technologies Development Pte. Ltd. Differential mobility spectrometer pre-filter assembly for a mass spectrometer
EP1968100B1 (en) * 2007-03-08 2014-04-30 Tofwerk AG Ion guide chamber
US7880140B2 (en) * 2007-05-02 2011-02-01 Dh Technologies Development Pte. Ltd Multipole mass filter having improved mass resolution
WO2010044247A1 (ja) * 2008-10-14 2010-04-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析装置および質量分析方法
CA2767444C (en) * 2009-07-06 2017-11-07 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Methods and systems for providing a substantially quadrupole field with a higher order component
US9190253B2 (en) 2010-02-26 2015-11-17 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Systems and methods of suppressing unwanted ions
SG10201501031YA (en) 2010-02-26 2015-04-29 Perkinelmer Health Sci Inc Fluid chromatography injectors and injector inserts
SG183179A1 (en) * 2010-02-26 2012-09-27 Perkinelmer Health Sci Inc Plasma mass spectrometry with ion suppression
US9202679B2 (en) 2010-11-26 2015-12-01 Analytik Jena Ag Electrically connected sample interface for mass spectrometer
GB2497799B (en) 2011-12-21 2016-06-22 Thermo Fisher Scient (Bremen) Gmbh Collision cell multipole
WO2013132308A1 (en) * 2012-03-09 2013-09-12 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Methods and systems for providing a substantially quadrupole field with a higher order component
CA2938675C (en) 2014-02-14 2021-12-07 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Systems and methods for automated optimization of a multi-mode inductively coupled plasma mass spectrometer
US9754774B2 (en) 2014-02-14 2017-09-05 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Systems and methods for automated analysis of output in single particle inductively coupled plasma mass spectrometry and similar data sets
EP3138117B1 (en) 2014-05-01 2019-11-13 PerkinElmer Health Sciences, Inc. Methods for detection and quantification of selenium and silicon in samples
US9425032B2 (en) * 2014-06-17 2016-08-23 Thermo Finnegan Llc Optimizing drag field voltages in a collision cell for multiple reaction monitoring (MRM) tandem mass spectrometry
US10068761B2 (en) * 2014-08-26 2018-09-04 Micromass Uk Limited Fast modulation with downstream homogenisation
EP3278352A4 (en) * 2015-04-01 2018-11-14 DH Technologies Development PTE. Ltd. Rf/dc filter to enhance mass spectrometer robustness
JP6544491B2 (ja) * 2016-09-21 2019-07-17 株式会社島津製作所 質量分析装置
CA3074351A1 (en) * 2017-09-01 2019-03-07 Perkinelmer Health Sciences Canada, Inc. Systems and methods using a gas mixture to select ions
GB2608824A (en) * 2021-07-13 2023-01-18 Isotopx Ltd Apparatus and method

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4731533A (en) 1986-10-15 1988-03-15 Vestec Corporation Method and apparatus for dissociating ions by electron impact
CA1307859C (en) 1988-12-12 1992-09-22 Donald James Douglas Mass spectrometer and method with improved ion transmission
EP0704879A1 (en) * 1994-09-30 1996-04-03 Hewlett-Packard Company Charged particle mirror
CA2229070C (en) 1995-08-11 2007-01-30 Mds Health Group Limited Spectrometer with axial field
ATE300995T1 (de) * 1996-05-14 2005-08-15 Analytica Of Branford Inc Ionentransfer von multipolionenleitern in multipolionenleiter und ionenfallen
GB9612070D0 (en) * 1996-06-10 1996-08-14 Micromass Ltd Plasma mass spectrometer
US6163032A (en) * 1997-03-12 2000-12-19 Leco Corporation Tapered or tilted electrodes to allow the superposition of independently controllable DC field gradients to RF fields
US6140638A (en) 1997-06-04 2000-10-31 Mds Inc. Bandpass reactive collision cell
US6627912B2 (en) * 2001-05-14 2003-09-30 Mds Inc. Method of operating a mass spectrometer to suppress unwanted ions

Also Published As

Publication number Publication date
US20020166959A1 (en) 2002-11-14
US20040124353A1 (en) 2004-07-01
WO2002093148A2 (en) 2002-11-21
EP1393345A2 (en) 2004-03-03
EP1393345B1 (en) 2010-02-17
ATE458263T1 (de) 2010-03-15
US6627912B2 (en) 2003-09-30
CA2447035A1 (en) 2002-11-21
WO2002093148A3 (en) 2003-04-03
CA2447035C (en) 2010-10-05
AU2002302228B2 (en) 2008-02-07
JP2004531862A (ja) 2004-10-14
DE60235357D1 (de) 2010-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4149816B2 (ja) 不要イオン抑制のための質量分析計動作方法
AU2002302228A1 (en) A method of operating a mass spectrometer to suppress unwanted ions
US7872227B2 (en) Mass spectrometer
US10475632B2 (en) Mass spectrometer vacuum interface method and apparatus
JP3493460B2 (ja) プラズマ質量スペクトロメータ
JP4234795B2 (ja) 反応性バンドパス衝突セル
EP1114437B1 (en) Means for removing unwanted ions from an ion transport system and mass spectrometer
EP2124246B1 (en) Mass spectrometer
JP6205367B2 (ja) 衝突セル多重極
EP1314187B1 (en) Device and method for preventing ion source gases from entering reaction/collision cells in mass spectrometry
US8525106B2 (en) Method and apparatus for transmitting ions in a mass spectrometer maintained in a sub-atmospheric pressure regime
US8384028B2 (en) MS/MS mass spectrometer
US20020063211A1 (en) Method for improving signal-to-noise ratios for atmospheric pressure ionization mass spectrometry
WO2009030048A1 (en) Multi-pressure stage mass spectrometer and methods
CA2396925A1 (en) An apparatus for and method of discriminating against unwanted ionized species in mass spectrometry with collision and reaction devices
CN116888706A (zh) 一种用于质谱分析的在仅射频约束场中产生高产量离子的系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070717

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070724

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070817

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070824

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070918

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070926

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20071017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080626

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4149816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term