JP4148602B2 - Internal treatment agent for acrylic resin gloves and gloves using the same - Google Patents

Internal treatment agent for acrylic resin gloves and gloves using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル樹脂手袋の内面の滑性を向上させるための処理剤と、スムーズな装着および脱着が可能なアクリル樹脂手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家庭用、作業用、検査用、手術用等の手袋としては、天然ゴム(NR)製のもののほか、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム製のものや、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂製のものなど、種々の材質のものが知られている。
【0003】
これらの手袋は、一般に手との密着性が高く、べた付き感があるため、スムーズに装着および脱着することができない。そこで、従来、手袋の内面にタルク粉、雲母粉、澱粉等の離型剤を付着させる打粉処理を施したり、表面に塩素処理や植毛を施したりすることによって、表面の摩擦係数(すなわち、粘着性)を低減させ、手袋内面の滑性を高める試みがなされている。
【0004】
しかしながら、手袋内面に付着された離型剤や植毛された毛は、手袋を繰り返し使用したり、洗浄したりすることによって手袋本体から剥離しやすく、長期に亘って滑性を高める効果を維持することができない。また、離型剤が手袋脱着後の手に付着したり、周囲を汚したりするおそれがあるため、電子部品の製造等、ほこりを極度に避ける必要のある作業には使用できない。さらに、離型剤の種類によっては手肌と直接触れることでアレルギー症状を引き起こす原因となるおそれもある。
【0005】
一方、塩素処理を施した場合には、たとえ手袋の内面のみに処理を施したとしても外表面までもが滑り易くなってしまうため、手袋装着時の作業性が低下するという問題や、手袋に変色が生じるという問題がある。
さらに、近年特に注目されているダイオキシン問題への取り組みのなかで、塩素を含む製品を避ける方向にあり、かかる理由からも塩素処理が敬遠されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、近年、微粒子を含んだ層を手袋の内面に設けることによって、手袋装着時の作業性を維持しつつ、内面の滑り易さを向上させて良好な装着・脱着性を得ることが試みられており、前記層を形成するための種々の内面処理剤や内面処理の方法、さらには内面処理を施した種々の手袋が提案されている。
【0007】
特開平8−337910号公報には、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスで構成される手袋基体の内面に、シリカパウダー等の無機微粒子を含有するアクリル系樹脂層を設けたNBR手袋が開示されており、特開平4−119102号公報には、有機充填剤を含有した合成樹脂エマルジョンからなる層を設けて内面の滑性を高めた塩化ビニル樹脂製の手袋が開示されている。
【0008】
しかしながら、こうして得られた手袋も、装着感や脱着感が依然として十分ではない。
さらに、NBR手袋や塩化ビニル樹脂製の手袋はアクリル系樹脂層との密着性がそれほど良好ではないため、例えば長期間の使用によってアクリル系樹脂層が剥離するといった問題もある。
【0009】
なお、特開平8−337910号公報には、アクリル系樹脂層の滑性を良好なものとするために添加される微粉体として、無機微粒子に代えて、塩化ビニル樹脂等の有機微粒子を使用することができる旨の記載があるが、塩化ビニル樹脂を用いた場合は、前述のように、廃棄処理時にダイオキシンが発生するおそれがある。また、特開平4−119102号公報に記載の発明は塩化ビニル樹脂製の手袋に関するものであって、係る手袋は、手袋自体の耐油性や機械的強度が弱いという問題があるほか、廃棄処理時にダイオキシンが発生するおそれもある。
【0010】
ところで、本発明者らは、先に、アクリル樹脂製の手袋に関する発明を特許出願している(特願平11−107066号)。このアクリル樹脂手袋は、モジュラスが大きいという利点を有しており、かつ塩化ビニルのように廃棄処理時に環境汚染を招いたりすることがないという利点をも有している。
しかしながら、従来知られている手袋の内面処理剤は主にゴム手袋用の、ラテックスをベースとするものであって、アクリル系樹脂製の手袋に対する密着性が低く、実用的でない。
【0011】
また、手袋の表面に、特開平8−337910号公報に開示のアクリル系樹脂層のみを形成した場合には十分な滑性が得られず、逆に、微粉末が添加されていることによってざらつき感が生じてしまう。一方、特開平4−119102号公報に開示の合成樹脂エマルジョンからなる層を、アクリル樹脂手袋の内面に設けた場合は、両者の密着性が低いため、前記層が剥離しやすい問題がある。
【0012】
従って、上記アクリル樹脂手袋の内面の滑性を向上させ得る実用的な内面処理剤は未だ知られるに至っていない。
そこで本発明の目的は、アクリル樹脂手袋の装着性・脱着性を優れたものとするための内面処理剤と、装着性および脱着性に優れたアクリル樹脂手袋とを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂エマルジョン中に、所定の有機充填剤の微粒子を含有させるとともに、その含有量を所定の範囲に設定したときは、装着性および脱着性に優れるとともに、長期間の使用によっても装着性や脱着性が低下することがなく、さらには廃棄処理時における環境への影響が少ないアクリル樹脂手袋を得ることができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明に係るアクリル樹脂手袋用の内面処理剤は、アクリル系樹脂エマルジョンと、平均粒径が3〜10μmの、(メタ)アクリル系樹脂微粒子、ポリオレフィン系樹脂微粒子およびセルロースビーズからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機充填剤とを含み、前記有機充填剤の含有量が全体の2〜8重量%であることを特徴とする。
【0015】
かかる内面処理剤によれば、内面処理剤のベースとなる樹脂エマルジョンがアクリル樹脂手袋の本体を構成するアクリル樹脂と同類の樹脂であることから、内面処理によって手袋本体に設けられる内面処理剤の層と、当該手袋本体との密着性が良好で、長期間の使用によっても剥離することがない。
さらに、内面処理剤が上記所定の有機充填剤の微粒子を含有するとともに、その含有量が所定の範囲に設定されていることから、アクリル樹脂手袋の内面に優れた滑性を付与することができる。
【0016】
上記本発明の内面処理剤は、アクリル系樹脂エマルジョンが架橋剤を含有するものであるのが好ましい。
この場合、アクリル樹脂手袋の本体と、その内面に設けられた内面処理剤の層とを同時に架橋させることができ、当該内面処理剤の層とアクリル樹脂手袋本体との密着性をより一層良好なものにすることができる。
【0017】
本発明に係るアクリル樹脂手袋は、上記本発明に係る内面処理剤を、アクリル樹脂手袋本体の内表面に成膜したことを特徴とする。
上記本発明に係るアクリル樹脂手袋は、装着感および脱着感が極めて良好で、アクリル樹脂製の手袋が本来有する大きなモジュラスを損なうことなく、その装着感および脱着感を優れたものとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアクリル樹脂手袋用内面処理剤と、それを用いたアクリル樹脂手袋について詳細に説明する。
〔内面処理剤〕
(アクリル系樹脂エマルジョン)
本発明に係る内面処理剤に使用可能なアクリル系樹脂エマルジョンとしては、例えば
(1) アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸またはメタクリル酸エステルの単独ポリマーのエマルジョン;
(2) 上記(1) に開示の4種のモノマーのうち少なくとも2種を組み合わせて得られる共重合体ポリマーのエマルジョン;
(3) 上記(1) および(2) に開示のポリマーのいずれかと、酢酸ビニル、スチレンまたはアクリロニトリルとを共重合体させたポリマーのエマルジョン;および
(4) 上記(1) 〜(3) に開示のポリマーに、水酸基、カルボキシル基、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基等の架橋性基を有するモノマーを共重合させたポリマーのエマルジョン
等の、硬質から軟質までの種々のグレードのものが挙げられる。特に、上記(3) および(4) のように自己架橋性を有するアクリル樹脂エマルジョンを用いたときは、架橋剤を配合しなくても、モジュラスの高い手袋を得ることができる。
【0019】
上記アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルにおけるエステル部分を構成する置換基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル等の炭素数が1〜4のアルキル基等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂エマルジョンの具体例としては、日本ゼオン(株)製の商品名「LX851」(Tg=15℃)、「LX852」(Tg=−6℃、軟質)、「LX854」(Tg=−10℃)、「LX857」(Tg=43℃、硬質)等が挙げられる(商品名の後に、そのガラス転移温度Tgと、硬質もしくは軟質のいずれのグレードに属するかを示した)。
【0020】
本発明においては、内面処理剤によって形成される層と、アクリル樹脂手袋との密着性を十分なものとし、かつアクリル樹脂手袋の強度を向上させるために、内面処理剤のベースエマルジョンであるアクリル系樹脂エマルジョン中に架橋剤を添加するのが好ましい。
アクリル系樹脂エマルジョンとして、自己架橋性を有する上記(3) および(4) のエマルジョンを用いた場合は、架橋剤が存在しなくても成膜することができるが、架橋剤を配合することによってアクリル樹脂手袋の強度をより一層向上させることができる。
【0021】
上記架橋剤としては、例えば亜鉛華、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の、ポリマーの加工に用いられる従来公知の種々の架橋剤が挙げられる。
架橋剤の添加量は特に限定されないが、アクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して1〜10重量部、特に1〜5重量部であるのが好ましい。
【0022】
上記アクリル系樹脂エマルジョンには、前記架橋剤および後述する有機充填剤のほか、例えば老化防止剤、充填剤、分散剤等の、従来公知の種々の配合剤を必要に応じて添加することができる。
上記老化防止剤としては、一般に、非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。老化防止剤の添加量はアクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。上記充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の添加量は、上記樹脂固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。分散剤はアクリル系樹脂エマルジョン中での各種配合剤の分散性を良好にするために添加されるものであって、例えば陰イオン界面活性剤等が挙げられる。分散剤の添加量は、分散対象である成分の重量に対して0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。
【0023】
(有機充填剤)
本発明に係る内面処理剤において、アクリル系樹脂エマルジョン中には、メタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル系樹脂微粒子;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂微粒子;またはセルロースビーズの有機充填剤が添加される。
【0024】
上記有機充填剤の平均粒径は3〜10μmの範囲で設定される。平均粒径が上記範囲を下回るとアクリル樹脂手袋の内面に十分な滑性を付与できなくなる。従って、アクリル樹脂手袋に良好な装着感や脱着感を付与できなくなるおそれがある。逆に、平均粒径が上記範囲を超えると、アクリル樹脂手袋の内面にざらつき感が生じてしまう。従って、かえって手袋の装着感や脱着感を損なうおそれがある。有機充填剤の平均粒径は、上記範囲の中でも特に3〜6μmであるのが好ましい。
【0025】
上記有機充填剤の添加量は、内面処理剤全体の2〜8重量%に設定される。添加量が上記範囲を下回るとアクリル樹脂手袋の内面に十分な滑性を付与できなくなる。従って、アクリル樹脂手袋に良好な装着感や脱着感を付与できなくなるおそれがある。逆に、添加量が上記範囲を超えると、内面処理剤の層を形成しにくくなったり、アクリル樹脂手袋の内面にざらつき感が生じて、かえって手袋の装着感や脱着感を損なってしまうおそれが生じる。有機充填剤の添加量は、上記範囲の中でも特に2〜6重量%であるのが好ましい。
【0026】
〔アクリル樹脂手袋〕
本発明に係るアクリル樹脂手袋は、次の(a) 〜(d) の工程を経ることによって製造される。
(a) 所定のアクリル系樹脂エマルジョンに感熱化剤やアノード凝着剤を添加し、さらに必要に応じて架橋剤を添加する。
【0027】
(b) 次いで、この樹脂エマルジョンに加熱した手袋の型を浸漬して、樹脂エマルジョンをゲル化させて皮膜を形成する。
(c) さらに、前記皮膜が形成された手袋の型を、あらかじめ加温しておいた本発明に係る内面処理剤に浸漬して、皮膜の表面に内面処理剤の層を形成する。
(d) 前記皮膜および内面処理剤の層を加熱し、両者を同時に架橋させた後、前記皮膜と内面処理剤の層との積層体を手袋の型から反転脱型する。
【0028】
上記(a) の工程において用いられる感熱化剤としては、例えば硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、亜鉛アンモニウム錯塩等の無機または有機のアンモニウム塩、あるいは例えばポリビニルメチルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリエーテルポリホルマール、官能性ポリシロキサン等の、曇点が常温以上、100℃以下の水溶性高分子が挙げられる。
【0029】
前記アノード凝着剤としては、例えば硝酸カルシウム、塩化カルシウム等の2価以上の金属塩、あるいはテトラメチルアンモニウム塩酸塩等の有機アルキルアミン塩等が挙げられる。
感熱化剤やアノード凝着剤の添加量は常法に従って設定すればよく、通常、樹脂エマルジョン中の樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部、特に0.5〜2.0重量部の範囲で設定される。
【0030】
前記架橋剤の種類やその添加量は、内面処理剤に添加する架橋剤およびその添加量と同様である。
上記(b) の工程において、手袋の型の加熱温度は、使用するアクリル系樹脂エマルジョンの種類に応じて適宜設定されるものであるが、通常、型表面の温度が70〜100℃程度となるように設定される。なお、手袋の型には、例えば陶器製、セラミック製等、従来公知のものが使用可能である。
【0031】
上記(d) の工程における架橋処理は、特に限定されるものではないが、例えば100〜130℃で、20〜60分程度行えばよい。
本発明においては、手袋のモジュラス、柔軟性、伸び等の種々の特性をより一層良好なものとするという観点から、JIS K 6251(加硫ゴムの引張試験方法)に規定の300%伸び時の引張応力M300 (すなわちモジュラス)が7.0MPa以上、とりわけ7.0〜8.0MPaの範囲となるように設定されているのが好ましい。手袋の引張応力M300 は、使用するアクリル系樹脂エマルジョンの種類、とりわけ軟質または硬質の別、その混合割合等によって適宜調整することができる。なお、前記引張応力M300 が7.0MPaを下回ると、塩化ビニル樹脂製の手袋と同等またはそれ以上の装着性および脱着性を得ることができなくなるおそれがある。
【0032】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
実施例1
(内面処理剤の製造)
内面処理剤のベースエマルジョンとして、アクリル樹脂エマルジョンである「LX852」(日本ゼオン(株)製の商品名、Tg=−6℃、軟質)と、「LX857」(同社製の商品名、Tg=43℃、硬質)を80:20の割合で混合したものを用いた。
【0033】
このベースエマルジョンの乾燥ポリマー(樹脂固形分)100重量部に対して亜鉛華(架橋剤)3重量部を添加した後、前記乾燥ポリマーの濃度が0.4重量%となるように蒸留水で希釈した。
次いで、希釈された配合エマルジョンに対し、有機充填剤としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)の粒子〔日本純薬(株)製の商品名「ジュリマーMB−S」、平均粒径4μm〕を2重量%の割合で配合して、アクリル系樹脂エマルジョンの内面処理剤を得た。
【0034】
(手袋本体の作製)
アクリル系樹脂エマルジョンとして、前出の「LX852」と「LX857」とを、乾燥ポリマー(樹脂固形分)の重量比が80:20となるように混合したものを用いた。
上記アクリル系樹脂エマルジョンにおける乾燥ポリマーの合計量100重量部に対して、亜鉛華(架橋剤)5重量部、ポリビニルメチルエーテル(感熱化剤)0.5重量部および硝酸カルシウム(アノード凝着剤)1.5重量部を添加し、アクリル系樹脂エマルジョンに感熱性を付与した。
【0035】
次いで、このアクリル系樹脂エマルジョンに、100℃程度に加温した手袋の型を約5秒間浸漬した後、手袋の型を引き上げた。
(内面処理されたアクリル樹脂手袋の製造)
前記「手袋本体の作製」によって手袋の型表面に形成されたアクリル系樹脂エマルジョンの皮膜を、樹脂エマルジョンがゲル状態のままで、前記「内面処理剤の製造」によって得られた内面処理剤に手袋の型ごと約20秒間浸漬し、こうして、前記皮膜の表面に内面処理剤の層を形成した。
【0036】
内面処理剤の層を形成するのに際して、内面処理剤は室温で使用し、前記アクリル系樹脂エマルジョンの皮膜を内面処理剤に約20秒間浸漬した。内面処理剤から手袋の型を引き上げた後、100〜130℃で20〜60分間加熱して、型表面に形成された皮膜(手袋本体)と内面処理剤の層とを架橋させた。
次いで、形成された樹脂エマルジョンおよび内面処理剤の層を手袋の型から反転脱型して、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
【0037】
実施例2および4
前記内面処理剤における有機充填剤の添加量を表1に示す値に設定したほかは、実施例1と同様にして、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
実施例3
前記内面処理剤における有機充填剤として、表1に示す粒径を有するものを使用し、かつその添加量を表1に示す値に設定したほかは、実施例1と同様にして、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
【0038】
比較例1および2
前記内面処理剤における有機充填剤の添加量を表2に示す値に設定したほかは、実施例1と同様にして、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
比較例3および4
前記内面処理剤における有機充填剤として、表2に示す粒径を有するものを使用し、かつその添加量を表2に示す値に設定したほかは、実施例1と同様にして、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
【0039】
比較例5
ベースラテックスとしての天然ゴム(NR)ラテックスにおけるゴム固形分100重量部に対して、硫黄(加硫剤)1重量部、亜鉛華(架橋剤)1重量部、ジブチルカルバミン酸亜鉛(加硫促進剤、BZ)1重量部を添加し、ゴム固形分の濃度が0.4重量%となるように希釈して、ベースとなるNRラテックスを得た。
【0040】
内面処理剤として、アクリル系樹脂エマルジョンに代えて、上記NRラテックスを用いたほかは、実施例1と同様にして、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
比較例6
ベースラテックスとしてのアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスにおけるゴム固形分100重量部に対して、硫黄(加硫剤)1重量部、亜鉛華(架橋剤)1重量部、ジブチルカルバミン酸亜鉛(加硫促進剤、BZ)1重量部を添加し、ゴム固形分の濃度が0.4重量%となるように希釈して、ベースとなるNBRラテックスを得た。
【0041】
内面処理剤として、アクリル系樹脂エマルジョンに代えて、上記NBRラテックスを用いたほかは、実施例1と同様にして、内面に滑性処理が施されたアクリル樹脂手袋を得た。
〔物性の評価〕
(摩擦係数の測定)
測定機としてヘイドン10型〔新東科学(株)製の商品名「トライボギア」、TYPE:HEIDON−10DR〕を使用して、上記実施例および比較例で得られた手袋における内面(内面処理剤の層が形成された滑性が高い方の面)の静摩擦係数を、洗浄前(使用前)と洗浄後とのそれぞれについて測定した。なお、摩擦係数を測定する際の対象物には普通紙を使用し、荷重50gの条件にて測定を行った。
【0042】
また、参考例で得られたアクリル樹脂手袋について、内面処理剤による処理を行わずに、これを対照とした。かかる対照についても、上記と同様にして摩擦係数を測定した。
〔手袋の装着性・脱着性〕
上記実施例、比較例および対照の手袋を10名の被験者に実際に装着してもらい、手袋の装着感(ゴム手袋を装着している際の作業のし易さ。手にかかる負担の程度や手を締め付ける度合い。いわゆる、フィット感)と着脱感(ゴム手袋を装着または脱着する際の取扱性)についての評価を求めた。
【0043】
装着性および脱着性は以下の基準で評価を行い、各被験者の評価の平均で表した。
(装着性)
◎:装着感が極めてソフトで、指の曲げ伸ばしが自然に行え、あたかも手袋を装着していないように感じられた。
〇:装着感がソフトで、指の曲げ伸ばしが自然に行えた。
△:手袋が多少硬く感じられたものの、実用上問題はなかった。
×:装着感が極めて悪く、長時間の装着により手に疲労感が生じた。
【0044】
(脱着性)
◎:非常に装着し易く(履き易く)、脱ぎ易い。
○:履き易く、脱ぎ易い。
△:履きにくく、脱ぎにくい。
×:極めて履きにくく、かつ脱ぎにくい。
【0045】
以上の結果を表1および2に示す。
【0046】
【表1】

Figure 0004148602
【0047】
【表2】
Figure 0004148602
【0048】
表1および2より明らかなように、アクリル樹脂手袋の内面に本発明に係る内面処理剤の層を設けた実施例1〜4では、当該内面の静摩擦係数が低く、滑性が優れていることが分かった。また、装着感および脱着感が良好であって、内面処理を施していないアクリル樹脂手袋に比べてその滑性を十分に向上させることができた。さらに、装着感および脱着感は洗浄前後のいずれにおいても良好であることから、内面処理剤の層を形成したことによる効果を長期に亘って維持できることが分かった。
【0049】
これに対し、内面処理剤中での有機充填剤の添加量が少ない比較例1や、有機充填剤の粒径が小さい比較例3では、十分に滑性を高めることができず、装着感および脱着感を良好なものとすることができなかった。
また、内面処理剤中での有機充填剤の添加量が多すぎる比較例2や、粒径が大きすぎる比較例4では、摩擦係数は低いものの、ざらつきが生じ、装着・脱着感が不十分であった。
【0050】
一方、加硫剤を添加したNRまたはNBR等のラテックスをベースとした内面処理剤を用いた比較例5および6では、内面処理剤の層とアクリル樹脂手袋の本体との密着性が不十分であるために、洗浄前の段階で既に装着感および脱着感が不良となった。さらに、このことから、アクリル樹脂手袋の内面処理層には、手袋本体を構成する樹脂と同じ種類の樹脂エマルジョンからなるものを用いるのが好ましいことが分かった。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る内面処理剤によれば、アクリル樹脂手袋本来の物性を低下させることなく、内面の滑性を向上させ、かつその状態を長期に亘って維持することができる。従って、上記内面処理剤を用いて処理を施した本発明に係るアクリル樹脂手袋によれば、装着および脱着を長期に亘ってスムーズに行なうことができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a treatment agent for improving the lubricity of the inner surface of an acrylic resin glove, and an acrylic resin glove that can be smoothly attached and detached.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, gloves for home use, work use, inspection, and surgery are made of natural rubber (NR), synthetic rubber such as acrylonitrile-butadiene rubber (NBR) and styrene-butadiene rubber (SBR). Various materials such as those made of synthetic resin such as vinyl chloride resin and polyurethane resin are known.
[0003]
Since these gloves generally have high adhesion to hands and have a sticky feeling, they cannot be smoothly attached and detached. Therefore, conventionally, the surface friction coefficient (that is, adhesion) is obtained by applying a dusting treatment in which a release agent such as talc powder, mica powder, starch or the like is attached to the inner surface of the glove, or by performing chlorination or flocking on the surface. Attempts have been made to increase the slipperiness of the inner surface of the glove.
[0004]
However, the release agent and the hair that has been implanted on the inner surface of the glove are easily peeled off from the glove body by repeated use or washing of the glove, and maintain the effect of improving the lubricity for a long time. I can't. In addition, since the release agent may adhere to the hands after attaching / detaching the gloves or may contaminate the surroundings, it cannot be used for work that is extremely necessary to avoid dust such as manufacturing electronic parts. Furthermore, depending on the type of release agent, direct contact with the hand skin may cause allergic symptoms.
[0005]
On the other hand, when chlorination is performed, even if only the inner surface of the glove is treated, the outer surface becomes slippery. There is a problem that discoloration occurs.
Furthermore, in efforts to deal with the dioxin problem that has attracted particular attention in recent years, there is a direction to avoid products containing chlorine, and for this reason, chlorination is being avoided.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, in recent years, by providing a layer containing fine particles on the inner surface of the glove, it has been attempted to improve the slipperiness of the inner surface while maintaining the workability at the time of wearing the glove and to obtain good wearing and detaching properties. Various inner surface treatment agents and inner surface treatment methods for forming the layer, and various gloves subjected to inner surface treatment have been proposed.
[0007]
JP-A-8-337910 discloses an NBR glove in which an acrylic resin layer containing inorganic fine particles such as silica powder is provided on the inner surface of a glove base composed of acrylonitrile-butadiene rubber (NBR) latex. JP-A-4-119102 discloses a glove made of a vinyl chloride resin in which a layer made of a synthetic resin emulsion containing an organic filler is provided to improve the lubricity of the inner surface.
[0008]
However, the glove thus obtained is still not sufficiently worn or detached.
Furthermore, NBR gloves and gloves made of vinyl chloride resin are not so good in adhesion to the acrylic resin layer, and there is a problem that the acrylic resin layer peels off, for example, when used for a long period of time.
[0009]
In JP-A-8-337910, organic fine particles such as vinyl chloride resin are used in place of inorganic fine particles as fine powder added to improve the lubricity of the acrylic resin layer. However, when vinyl chloride resin is used, dioxins may be generated during disposal as described above. Further, the invention described in Japanese Patent Laid-Open No. 4-119102 relates to a glove made of vinyl chloride resin, and the glove has a problem that the glove itself has low oil resistance and mechanical strength. Dioxins may be generated.
[0010]
By the way, the present inventors have previously filed a patent application for an invention relating to an acrylic resin glove (Japanese Patent Application No. 11-107066). This acrylic resin glove has the advantage that the modulus is large, and also has the advantage that it does not cause environmental pollution during disposal, unlike vinyl chloride.
However, the conventionally known inner surface treating agent for gloves is a latex-based one mainly used for rubber gloves, and has low adhesion to acrylic resin gloves and is not practical.
[0011]
Further, when only the acrylic resin layer disclosed in JP-A-8-337910 is formed on the surface of the glove, sufficient slipperiness cannot be obtained, and on the contrary, roughness is caused by the addition of fine powder. A feeling arises. On the other hand, when a layer made of a synthetic resin emulsion disclosed in JP-A-4-119102 is provided on the inner surface of an acrylic resin glove, there is a problem in that the two layers are easy to peel off because of their low adhesion.
[0012]
Therefore, a practical inner surface treating agent that can improve the lubricity of the inner surface of the acrylic resin glove has not yet been known.
Therefore, an object of the present invention is to provide an inner surface treating agent for improving the wearability and detachability of acrylic resin gloves and an acrylic resin glove excellent in wearability and detachability.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the inventors have included fine particles of a predetermined organic filler in the acrylic resin emulsion, and when the content is set within a predetermined range. Is excellent in wearability and detachability, and wearability and detachability do not deteriorate even after long-term use, and furthermore, it is possible to obtain an acrylic resin glove that has little environmental impact during disposal processing. A completely new fact has been found and the present invention has been completed.
[0014]
That is, the inner surface treating agent for acrylic resin gloves according to the present invention includes an acrylic resin emulsion and (meth) acrylic resin fine particles, polyolefin resin fine particles, and cellulose beads having an average particle diameter of 3 to 10 μm. And at least one organic filler selected, wherein the content of the organic filler is 2 to 8% by weight of the total.
[0015]
According to such an inner surface treating agent, since the resin emulsion serving as the base of the inner surface treating agent is a resin similar to the acrylic resin constituting the main body of the acrylic resin glove, the inner surface treating agent layer provided on the glove body by the inner surface treatment And the adhesiveness with the said glove body is good, and does not peel even after long-term use.
Furthermore, since the inner surface treatment agent contains fine particles of the predetermined organic filler and the content thereof is set within a predetermined range, excellent slipperiness can be imparted to the inner surface of the acrylic resin glove. .
[0016]
In the inner surface treating agent of the present invention, the acrylic resin emulsion preferably contains a crosslinking agent.
In this case, the main body of the acrylic resin glove and the inner surface treatment agent layer provided on the inner surface thereof can be simultaneously cross-linked, and the adhesion between the inner surface treatment agent layer and the acrylic resin glove main body is further improved. Can be a thing.
[0017]
The acrylic resin glove according to the present invention is characterized in that the inner surface treating agent according to the present invention is formed on the inner surface of the acrylic resin glove main body.
The acrylic resin glove according to the present invention has very good wearing feeling and demounting feeling, and can be excellent in wearing feeling and demounting feeling without damaging the large modulus inherent in the acrylic resin gloves. .
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the inner surface treating agent for an acrylic resin glove of the present invention and the acrylic resin glove using the same will be described in detail.
[Inner treatment agent]
(Acrylic resin emulsion)
As an acrylic resin emulsion that can be used for the inner surface treating agent according to the present invention, for example,
(1) A single polymer emulsion of acrylic acid, acrylic ester, methacrylic acid or methacrylic ester;
(2) an emulsion of a copolymer polymer obtained by combining at least two of the four types of monomers disclosed in (1) above;
(3) an emulsion of a polymer obtained by copolymerizing any of the polymers disclosed in (1) and (2) above with vinyl acetate, styrene or acrylonitrile; and
(4) Polymer emulsions obtained by copolymerizing monomers having a crosslinkable group such as a hydroxyl group, a carboxyl group, an N-methylol group, and an N-methylol ether group with the polymers disclosed in the above (1) to (3) And various grades from hard to soft. In particular, when an acrylic resin emulsion having self-crosslinking properties as in the above (3) and (4) is used, a glove having a high modulus can be obtained without blending a crosslinking agent.
[0019]
Examples of the substituent constituting the ester moiety in the acrylic acid ester and methacrylic acid ester include alkyl groups having 1 to 4 carbon atoms such as methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, and t-butyl. Etc.
Specific examples of the acrylic resin emulsion include trade names “LX851” (Tg = 15 ° C.), “LX852” (Tg = −6 ° C., soft), “LX854” (Tg = −) manufactured by Zeon Corporation. (10 ° C.), “LX857” (Tg = 43 ° C., hard), and the like (after the trade name, the glass transition temperature Tg and whether the grade belongs to hard or soft).
[0020]
In the present invention, in order to ensure sufficient adhesion between the layer formed by the inner surface treating agent and the acrylic resin glove and to improve the strength of the acrylic resin glove, the acrylic emulsion which is the base emulsion of the inner surface treating agent It is preferable to add a crosslinking agent to the resin emulsion.
When the emulsions (3) and (4) having self-crosslinking properties are used as the acrylic resin emulsion, a film can be formed without the presence of a crosslinking agent. The strength of the acrylic resin gloves can be further improved.
[0021]
Examples of the crosslinking agent include various conventionally known crosslinking agents used for polymer processing such as zinc white, melamine resin, and epoxy resin.
Although the addition amount of a crosslinking agent is not specifically limited, It is preferable that it is 1-10 weight part with respect to 100 weight part of resin solid content of an acrylic resin emulsion, especially 1-5 weight part.
[0022]
In addition to the crosslinking agent and the organic filler described later, various conventionally known compounding agents such as anti-aging agents, fillers, and dispersants can be added to the acrylic resin emulsion as necessary. .
In general, non-fouling phenols are preferably used as the anti-aging agent, but amines may be used. The addition amount of the anti-aging agent is preferably about 0.5 to 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content of the acrylic resin emulsion. Examples of the filler include kaolin clay, hard clay, and calcium carbonate. The addition amount of the filler is preferably 10 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the resin solid content. The dispersant is added to improve the dispersibility of various compounding agents in the acrylic resin emulsion, and examples thereof include an anionic surfactant. The addition amount of the dispersant is preferably about 0.3 to 1.0% by weight with respect to the weight of the component to be dispersed.
[0023]
(Organic filler)
In the inner surface treating agent according to the present invention, in the acrylic resin emulsion, (meth) acrylic resin fine particles such as methyl methacrylate (PMMA); polyolefin resin fine particles such as polyethylene and polypropylene; or an organic filler for cellulose beads Is added.
[0024]
The average particle diameter of the organic filler is set in the range of 3 to 10 μm. When the average particle size is below the above range, sufficient slipperiness cannot be imparted to the inner surface of the acrylic resin glove. Therefore, there is a possibility that a good wearing feeling and desorption feeling cannot be given to the acrylic resin gloves. Conversely, when the average particle size exceeds the above range, a feeling of roughness is generated on the inner surface of the acrylic resin glove. Therefore, there is a risk that the feeling of wearing or removing the gloves may be impaired. The average particle diameter of the organic filler is particularly preferably 3 to 6 μm in the above range.
[0025]
The addition amount of the organic filler is set to 2 to 8% by weight of the entire inner surface treating agent. If the amount added is less than the above range, sufficient slipperiness cannot be imparted to the inner surface of the acrylic resin glove. Therefore, there is a possibility that a good wearing feeling and desorption feeling cannot be given to the acrylic resin gloves. On the other hand, if the addition amount exceeds the above range, it may be difficult to form an inner surface treatment agent layer, or the inner surface of the acrylic resin glove may be roughened, which may adversely affect the feeling of wearing or removing the glove. Arise. The addition amount of the organic filler is particularly preferably 2 to 6% by weight in the above range.
[0026]
[Acrylic resin gloves]
The acrylic resin glove according to the present invention is manufactured through the following steps (a) to (d).
(a) A heat-sensitive agent and an anode coagulant are added to a predetermined acrylic resin emulsion, and a cross-linking agent is added if necessary.
[0027]
(b) Next, a heated glove mold is immersed in the resin emulsion to gel the resin emulsion to form a film.
(c) Furthermore, the mold of the glove on which the film is formed is dipped in a previously heated inner surface treatment agent according to the present invention to form an inner surface treatment agent layer on the surface of the film.
(d) The film and the inner surface treatment agent layer are heated and crosslinked at the same time, and then the laminate of the film and the inner surface treatment agent layer is reversed from the glove mold.
[0028]
Examples of the heat-sensitive agent used in the step (a) include inorganic or organic ammonium salts such as ammonium nitrate, ammonium acetate, and zinc ammonium complex, or polyvinyl methyl ether, polyalkylene glycol, polyether polyformal, functionality, and the like. Examples thereof include water-soluble polymers having a cloud point of normal temperature or higher and 100 ° C. or lower, such as polysiloxane.
[0029]
Examples of the anode coagulant include divalent or higher metal salts such as calcium nitrate and calcium chloride, and organic alkylamine salts such as tetramethylammonium hydrochloride.
What is necessary is just to set the addition amount of a heat sensitive agent or an anode cohesive agent according to a conventional method, and it is 0.5-5 weight part normally with respect to 100 weight part of resin solid content in a resin emulsion especially 0.5-2. It is set in the range of 0 part by weight.
[0030]
The kind and addition amount of the crosslinking agent are the same as the crosslinking agent added to the inner surface treating agent and the addition amount thereof.
In the step (b), the heating temperature of the glove mold is appropriately set according to the type of acrylic resin emulsion to be used, but the mold surface temperature is usually about 70 to 100 ° C. Is set as follows. In addition, conventionally well-known things, such as ceramics and ceramics, can be used for the type | mold of a glove, for example.
[0031]
The crosslinking treatment in the step (d) is not particularly limited, but may be performed at 100 to 130 ° C. for about 20 to 60 minutes, for example.
In the present invention, from the viewpoint of further improving various properties such as modulus, flexibility, and elongation of the glove, JIS K 6251 (a method for tensile test of vulcanized rubber) at the time of 300% elongation specified. It is preferable that the tensile stress M 300 (that is, the modulus) is set to be 7.0 MPa or more, particularly 7.0 to 8.0 MPa. Tensile stress M 300 of the glove, the type of the acrylic resin emulsion to be used, especially other soft or hard, can be appropriately adjusted by the mixing ratio or the like. If the tensile stress M 300 is less than 7.0 MPa, it may not be possible to obtain wearability and detachability equivalent to or higher than those of gloves made of vinyl chloride resin.
[0032]
【Example】
Next, an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated.
Example 1
(Manufacture of inner surface treatment agent)
As the base emulsion for the inner surface treatment agent, “LX852” (trade name, manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd., Tg = −6 ° C., soft) and “LX857” (trade name, manufactured by the same company, Tg = 43) are acrylic resin emulsions. C., hard) was mixed at a ratio of 80:20.
[0033]
After adding 3 parts by weight of zinc white (crosslinking agent) to 100 parts by weight of the dry polymer (resin solid content) of this base emulsion, dilute with distilled water so that the concentration of the dry polymer is 0.4% by weight. did.
Next, 2 weights of polymethyl methacrylate (PMMA) particles (trade name “Julimer MB-S”, average particle diameter of 4 μm, manufactured by Nippon Pure Chemical Industries, Ltd.) as an organic filler are added to the diluted blended emulsion. %, To obtain an inner surface treating agent of an acrylic resin emulsion.
[0034]
(Glove body production)
As the acrylic resin emulsion, the above-mentioned “LX852” and “LX857” were mixed so that the weight ratio of the dry polymer (resin solid content) was 80:20.
5 parts by weight of zinc white (crosslinking agent), 0.5 parts by weight of polyvinyl methyl ether (thermal agent) and calcium nitrate (anode coagulant) with respect to 100 parts by weight of the dry polymer in the acrylic resin emulsion. 1.5 parts by weight were added to impart heat sensitivity to the acrylic resin emulsion.
[0035]
Next, a glove mold heated to about 100 ° C. was immersed in this acrylic resin emulsion for about 5 seconds, and then the glove mold was pulled up.
(Manufacture of internally treated acrylic resin gloves)
The acrylic resin emulsion film formed on the surface of the mold of the glove by “manufacturing the glove body” is applied to the inner surface treatment agent obtained by the “production of the inner surface treatment agent” while the resin emulsion remains in a gel state. Each mold was dipped for about 20 seconds, thus forming a layer of an inner surface treating agent on the surface of the film.
[0036]
In forming the inner surface treatment agent layer, the inner surface treatment agent was used at room temperature, and the acrylic resin emulsion film was immersed in the inner surface treatment agent for about 20 seconds. After pulling up the glove mold from the inner surface treating agent, the film was heated at 100 to 130 ° C. for 20 to 60 minutes to crosslink the film (glove body) formed on the mold surface and the inner surface treating agent layer.
Next, the formed resin emulsion and inner surface treatment agent layer was inverted from the mold of the glove to obtain an acrylic resin glove having an inner surface subjected to a lubrication treatment.
[0037]
Examples 2 and 4
An acrylic resin glove having an inner surface subjected to a lubrication treatment was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of the organic filler added to the inner surface treatment agent was set to the value shown in Table 1.
Example 3
As the organic filler in the inner surface treating agent, the organic filler having the particle size shown in Table 1 was used, and the addition amount was set to the value shown in Table 1. An acrylic resin glove subjected to sex treatment was obtained.
[0038]
Comparative Examples 1 and 2
An acrylic resin glove having an inner surface subjected to a lubrication treatment was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of the organic filler added to the inner surface treatment agent was set to the value shown in Table 2.
Comparative Examples 3 and 4
As the organic filler in the inner surface treating agent, an organic filler having a particle size shown in Table 2 was used, and the addition amount was set to the value shown in Table 2. An acrylic resin glove subjected to sex treatment was obtained.
[0039]
Comparative Example 5
1 part by weight of sulfur (vulcanizing agent), 1 part by weight of zinc white (crosslinking agent), zinc dibutylcarbamate (vulcanization accelerator) with respect to 100 parts by weight of the rubber solid content in the natural rubber (NR) latex as the base latex , BZ) 1 part by weight was added and diluted so that the concentration of rubber solids was 0.4% by weight to obtain a base NR latex.
[0040]
An acrylic resin glove whose inner surface was lubricated was obtained in the same manner as in Example 1 except that the NR latex was used instead of the acrylic resin emulsion as the inner surface treating agent.
Comparative Example 6
1 part by weight of sulfur (vulcanizing agent), 1 part by weight of zinc white (crosslinking agent), zinc dibutylcarbamate (vulcanized) with respect to 100 parts by weight of rubber solid content in acrylonitrile-butadiene rubber (NBR) latex as the base latex Accelerator, BZ) 1 part by weight was added and diluted so that the rubber solids concentration was 0.4% by weight to obtain a base NBR latex.
[0041]
An acrylic resin glove having an inner surface subjected to a lubrication treatment was obtained in the same manner as in Example 1 except that the NBR latex was used in place of the acrylic resin emulsion as the inner surface treatment agent.
[Evaluation of physical properties]
(Measurement of friction coefficient)
Using a Haydon 10 type [trade name “Tribogear” manufactured by Shinto Kagaku Co., Ltd., TYPE: HEIDON-10DR] as a measuring machine, the inner surface (of the inner surface treatment agent) of the gloves obtained in the above Examples and Comparative Examples was used. The coefficient of static friction of the surface on which the layer was formed and the higher the smoothness was measured before and after cleaning (before use) and after cleaning. In addition, the plain paper was used for the target object at the time of measuring a friction coefficient, and it measured on the conditions of a load of 50g.
[0042]
Moreover, about the acrylic resin glove obtained by the reference example, this was made into the control | contrast, without performing the process by an inner surface treating agent. For this control, the coefficient of friction was measured in the same manner as described above.
[Glove wearability]
The above examples, comparative examples, and control gloves were actually worn by 10 subjects, and the feeling of wearing the gloves (ease of work when wearing rubber gloves. The degree of hand tightening, so-called fit, and evaluation of attachment / detachment feeling (handleability when wearing or removing rubber gloves) were sought.
[0043]
Wearability and detachability were evaluated according to the following criteria, and expressed as an average of the evaluation of each subject.
(Mountability)
A: The feeling of wearing was extremely soft, the fingers could bend and stretch naturally, and it seemed as if no gloves were worn.
◯: The wearing feeling was soft and the fingers were able to bend and stretch naturally.
Δ: Although the gloves felt somewhat hard, there was no practical problem.
X: A feeling of wearing was extremely bad, and a feeling of fatigue was generated in the hand by wearing for a long time.
[0044]
(Removability)
A: Very easy to put on (easy to wear) and easy to take off.
○: Easy to put on and take off.
Δ: It is difficult to wear and take off.
X: It is extremely difficult to put on and take off.
[0045]
The above results are shown in Tables 1 and 2.
[0046]
[Table 1]
Figure 0004148602
[0047]
[Table 2]
Figure 0004148602
[0048]
As is clear from Tables 1 and 2, in Examples 1 to 4 in which the inner surface treatment agent layer according to the present invention was provided on the inner surface of the acrylic resin glove, the inner surface had a low coefficient of static friction and excellent lubricity. I understood. Further, the wearing feeling and the detaching feeling were good, and the slipperiness could be sufficiently improved as compared with an acrylic resin glove not subjected to the inner surface treatment. Furthermore, since the feeling of attachment and the feeling of desorption are good before and after cleaning, it has been found that the effect of forming the inner surface treatment agent layer can be maintained over a long period of time.
[0049]
On the other hand, in Comparative Example 1 in which the amount of the organic filler added in the inner surface treatment agent is small and in Comparative Example 3 in which the particle size of the organic filler is small, the slipperiness cannot be sufficiently improved, and the wearing feeling and The desorption feeling could not be improved.
In Comparative Example 2 in which the amount of the organic filler added in the inner surface treatment agent is too large and in Comparative Example 4 in which the particle size is too large, the friction coefficient is low, but roughening occurs, and the feeling of mounting / desorption is insufficient. there were.
[0050]
On the other hand, in Comparative Examples 5 and 6 using an inner surface treatment agent based on latex such as NR or NBR to which a vulcanizing agent was added, the adhesion between the inner surface treatment agent layer and the acrylic resin glove body was insufficient. For this reason, the feeling of attachment and detachment was already poor before washing. Furthermore, from this, it was found that the inner surface treatment layer of the acrylic resin glove is preferably made of the same type of resin emulsion as the resin constituting the glove body.
[0051]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the inner surface treating agent of the present invention, it is possible to improve the slipperiness of the inner surface and maintain the state for a long time without deteriorating the original physical properties of the acrylic resin gloves. it can. Therefore, according to the acrylic resin glove which processed using the said inner surface treating agent, attachment and removal | desorption can be performed smoothly over a long period of time.

Claims (3)

アクリル系樹脂エマルジョンと、平均粒径が3〜10μmの、(メタ)アクリル系樹脂微粒子、ポリオレフィン系樹脂微粒子およびセルロースビーズからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機充填剤とを含み、前記有機充填剤の含有量が全体の2〜8重量%であるアクリル樹脂手袋用の内面処理剤。Including an acrylic resin emulsion and at least one organic filler selected from the group consisting of (meth) acrylic resin fine particles, polyolefin resin fine particles, and cellulose beads having an average particle diameter of 3 to 10 μm, An inner surface treating agent for acrylic resin gloves in which the content of the agent is 2 to 8% by weight of the whole. さらに架橋剤を含有する請求項1記載のアクリル樹脂手袋用の内面処理剤。Furthermore, the inner surface treating agent for acrylic resin gloves of Claim 1 containing a crosslinking agent. 請求項1または2記載の内面処理剤を、アクリル樹脂手袋本体の内表面に成膜したことを特徴とするアクリル樹脂手袋。An acrylic resin glove wherein the inner surface treating agent according to claim 1 or 2 is formed on an inner surface of an acrylic resin glove main body.
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