JP4147978B2 - Method for producing polymerized toner - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合トナーの製造方法に関し、さらに詳しくは、重合性単量体組成物の重合により生成した重合体粒子の分散液を安定的かつ効率的にストリッピング処理することにより、残留重合性単量体が顕著に低減され、かつ、トナー物性に優れた重合トナーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式や静電記録方式の複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリなどの画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像を可視像化するために現像剤が用いられている。現像剤は、着色剤や帯電制御剤、離型剤などが結着樹脂中に分散した着色粒子(トナー)を主成分としている。
【0003】
トナーは、粉砕法により得られる粉砕トナーと、重合法により得られる重合トナーとに大別される。粉砕法では、熱可塑性樹脂を着色剤、帯電制御剤、離型剤などの添加剤成分と溶融混練し、粉砕し、分級することにより、着色樹脂粉末として粉砕トナーを得ている。熱可塑性樹脂は、予め重合性単量体を重合させることにより合成している。重合法では、重合性単量体と添加剤成分とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で重合することにより、着色重合体粒子として重合トナーを得ている。
【0004】
いずれの手法でも、重合工程で重合性単量体を完全に重合することは困難であり、未反応の重合性単量体がトナー中に残留することが避けられない。トナー中に残留する未反応の重合性単量体(以下、単に「残留モノマー」と呼ぶことがある)は、微量であっても、(i)定着時の加熱等により揮散して作業環境を悪化させたり、悪臭を発生する、(ii)保存中のトナーをブロッキングさせる、(iii)トナーの流動性を悪化させて画質を低下させる、(iv)オフセットを発生しやすくする、(v)画像形成装置の部材上にトナーのフィルミングを発生しやすくするなどの諸問題を引き起こす。
【0005】
残留モノマーの問題は、粉砕トナーよりも重合トナーの方が深刻である。粉砕トナーの場合は、結着樹脂となる熱可塑性樹脂の製造段階で、加熱処理や乾燥処理等により残留モノマーを低減させることが容易である。これに対して、重合トナーの場合には、着色剤、帯電制御剤、離型剤等の添加剤成分を含有する重合体(結着樹脂)から残留モノマーを除去しなければならない。ところが、残留モノマーは、これらの添加剤成分に吸収されやすいため、結着樹脂単独の場合に比べて、残留モノマーの低減が困難である。しかも、重合トナーは、凝集しやすいため、加熱処理等による脱モノマー処理には制限がある。近年、印字の高速化、フルカラー化などに対応して、低温での定着が可能な重合トナーに対する要求が高まっているが、このような低温定着トナーにおいて、凝集を防止しつつ残留モノマーを低減させることは極めて困難である。
【0006】
従来、重合トナーから残留モノマーを除去する方法として、着色剤と重合性単量体とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で重合し、次いで、生成した重合体粒子(重合トナー)を含有する分散液をストリッピング処理して、重合体粒子中の残留モノマーを除去する方法が知られている。例えば、特許文献1には、懸濁重合後、重合トナー粒子を含有する懸濁液中に懸濁液媒体の飽和蒸気を吹き込みつつ該懸濁液媒体を留去する方法が提案されている。
【0007】
重合工程後、重合トナーを含有する分散液をストリッピング処理する方法は、処理条件を調節することにより、重合トナーを加熱処理する方法に比べて、重合トナー同士の熱融着による凝集を防ぎつつ、残留モノマーを効率的に除去することができる。しかし、ストリッピング処理方法は、分散液の気−液界面で発泡が生じやすく、安定した操作が困難である。分散液に消泡剤を添加しても、発泡を完全に抑制することは困難である。
【0008】
より具体的に、ストリッピング処理は、一般に、蒸発器内に分散液を導入し、例えば、分散液に気体を吹き込む方法(バブリング法)、減圧下に加熱する方法(減圧ストリッピング法)などにより、残留モノマーを含む揮発性物質を系外に排出している。揮発性物質は、通常、凝縮器により凝縮して回収される。ストリッピング処理中に分散液の気−液界面で泡が発生するのを避けることは、極めて困難である。ストリッピング処理中に、分散液の液面上に発生した泡のレベルが上昇し過ぎると、泡が揮発性物質の排出ラインや凝縮器の中にまで進入して、装置の各部を泡に含まれている重合トナーによって汚染する。装置の各部が重合トナーによって汚染されると、閉塞を生じて継続的なストリッピング処理ができなくなることがある。また、汚染された装置各部のクリーニングが必要となる。
【0009】
そこで、従来、重合トナーを含有する分散液をストリッピング処理して残留モノマーを除去する方法では、ストリッピング処理条件と分散液の液面上に発生する泡のレベルとの関係を予め実験的に確かめておき、許容できる泡の最大レベルを越えないようにストリッピング処理条件を設定していた。しかし、このような方法では、ストリッピング処理条件がストリッピング処理の初期に発生する泡の最大レベルを越えないような条件に実質的に固定されるため、ストリッピング処理中に処理条件を変動させてストリッピング処理時間の短縮など、処理効率を高めることが困難であった。
【0010】
しかも、重合トナーを含有する分散液のストリッピング処理において、ストリッピング処理中の泡レベルを測定することは、泡レベルの正確な測定が困難であったり、測定機器が泡により汚染されるなどの理由によるものと思われるが、実際には行われていなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−100485号公報 (第1−2頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合性単量体組成物の重合により生成した重合体粒子の分散液を安定的かつ効率的にストリッピング処理することにより、残留重合性単量体が顕著に低減され、かつ、トナー物性に優れた重合トナーを製造する方法を提供することにある。
【0013】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、重合工程後、重合体粒子を含有する分散液をストリッピング処理する工程において、蒸発器内で分散液のストリッピング処理を行い、分散液の液面上の泡レベルが、蒸発器の高さを基準として、95%を越えず、かつ、ストリッピング処理の初期から泡レベルの低下が10%以内となるように、ストリッピング処理条件を制御する方法に想到した。
【0014】
泡レベルを制御する方法としては、例えば、上部に非接触型泡レベル計を設置した蒸発器内で分散液のストリッピング処理を行い、ストリッピング処理中、分散液の液面上に発生する泡のレベルを非接触型泡レベル計により検知し、検知した泡レベル情報に基づいてストリッピング処理条件を制御する方法が好適に採用できることが見出された。
【0015】
本発明者の実験結果によれば、ストリッピング処理工程において、初期に発生する泡のレベルが高くても、消泡剤の使用を含む適切なストリッピング処理の初期条件の設定によって、多くの場合、泡のレベルが徐々に低下することが判明した。ストリッピング処理条件を、ストリッピング処理の初期に発生する泡の最大レベルを越えないような条件に実質的に固定すると、発生する泡のレベルに対応してストリッピング処理条件を変動させることが困難である。これに対して、ストリッピング処理中に泡のレベルを検知すれば、検知した泡レベル情報に基づいて、ストリッピング処理条件を変動させることができる。
【0016】
そこで、泡レベル計により検知した泡レベル情報に基づいて、分散液の液面上の泡レベルが蒸発器内の気相中にとどまる条件下で、ストリッピング処理条件を制御すれば、泡の過剰な発生を抑制することができるだけではなく、ストリッピング処理条件を効率的に揮発性物質を除去できる条件に変動することにより、初期の処理条件を固定したままで継続した場合に比べて、ストリッピング処理時間を短縮するなど、処理効率を高めることが可能となる。泡レベル計として、非接触型泡レベル計を用いることにより、泡のレベルを正確に検知できるだけではなく、分散液や泡との接触による測定機器の汚染を防ぐことができる。
【0017】
本発明の製造方法によれば、安定的かつ効率的にストリッピング処理を行うことができ、それによって、残留モノマー濃度が顕著に低減され、帯電性が高く、カブリがなく、画像濃度が高い重合トナーを得ることができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、少なくとも着色剤と重合性単量体とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で重合する工程を含む重合体粒子の製造工程1、該重合体粒子を含有する分散液をストリッピング処理して重合体粒子中の残留重合性単量体を除去する工程2、及びストリッピング処理後の分散液から重合体粒子を回収する工程3の各工程を含む重合トナーの製造方法であって、工程2において、
(1)上部に非接触型泡レベル計を設置した蒸発器内で分散液のストリッピング処理を行い、
(2)蒸発器内の分散液に、重合体粒子100重量部に対して0.01〜1重量部の非シリコーン系消泡剤を添加し、
(3)蒸発器内の分散液を加熱して、ストリッピング処理時の分散液の温度を、重合体粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度以上100℃未満の温度に調節し、
(4)蒸発器内の分散液中へ流量0.05〜2m 3 /(hr・kg)の範囲内で不活性ガスを吹き込み、ストリッピング処理中、分散液の液面上に発生する泡のレベルを非接触型泡レベル計により検知し、検知した泡レベル情報に基づいて、分散液に吹き込む気体の流量を含むストリッピング処理条件を制御する方法により、
a)ストリッピング処理の初期から、分散液の液面上の泡レベルが、蒸発器の高さを基準として、95%を越えないように制御すると共に、
b)ストリッピング処理の初期からの泡レベルの低下が10%以内となるように、分散液中に吹き込む不活性ガスの流量を段階的または連続的に増大させてストリッピング処理を行い、
(5)それによって、残留モノマー量が30ppm未満の重合体粒子を得る
ことを特徴とする重合トナーの製造方法が提供される。
【0019】
本発明の製造方法では、工程2において、上部に非接触型泡レベル計を設置した蒸発器内で分散液のストリッピング処理を行い、ストリッピング処理中、分散液の液面上に発生する泡のレベルを非接触型泡レベル計により検知し、検知した泡レベル情報に基づいてストリッピング処理条件を制御する方法を採用する。
【0020】
【発明の実施の形態】
1.重合体粒子の製造工程1:
本発明の重合トナーの製造方法は、少なくとも着色剤と重合性単量体とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で重合する工程を含む重合体粒子の製造工程1を含んでいる。該重合性単量体組成物を重合して着色重合体粒子を生成させるが、所望により、該着色重合体粒子の存在下にシェル用重合性単量体を更に重合させる工程を付加して、コア・シェル型重合体粒子を生成させてもよい。水系分散媒体としては、一般に、イオン交換水などの水を用いるが、所望によりアルコールなどの親水性溶媒を加えてもよい。重合性単量体組成物には、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤、架橋性単量体、マクロモノマー、分子量調整剤、滑剤、分散助剤などの各種添加剤を含有させることができる。
【0021】
(1)重合性単量体:
本発明では、重合性単量体の主成分としてモノビニル単量体を使用する。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
【0022】
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸の誘導体との組み合わせなどが好適に用いられる。
【0023】
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体または架橋性重合体を用いると、ホットオフセット特性を改善することができる。架橋性単量体は、2個以上のビニル基を有する単量体である。その具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができる。
【0024】
架橋性重合体は、重合体中に2個以上のビニル基を有する重合体である。その具体例としては、分子内に2個以上の水酸基を有するポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレングリコール等の重合体と、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸単量体とを縮合反応することにより得られるエステル化物を挙げることができる。
【0025】
これらの架橋性単量体及び架橋性重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。その使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.01〜7重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部である。
【0026】
モノビニル単量体と共にマクロモノマーを用いると、高温での保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する巨大分子であり、数平均分子量が通常1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。数平均分子量が上記範囲内にあると、マクロモノマーの溶融性を損なうことなく、重合トナーの定着性及び保存性が維持できるので好ましい。
【0027】
マクロモノマーの分子鎖末端にある重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができるが、共重合のしやすさの観点からはメタクリロイル基が好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
【0028】
マクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体;ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマー;などを挙げることができるが、これらの中でも、親水性のものが好ましく、特にメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独で、あるいはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が好ましい。
【0029】
マクロモノマーを使用する場合、その使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。マクロモノマーの使用量が上記範囲内にあると、重合トナーの保存性を維持して、定着性が向上するので好ましい。
【0030】
(2)着色剤:
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナーの分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;等を挙げることができる。カーボンブラックを用いる場合、一次粒径が20〜40nmであるものを用いると良好な画質が得られ、トナーの環境への安全性も高まるので好ましい。カラートナー用着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤などを使用することができる。
【0031】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、95、96、97、109、110、111、120、128、129、138、147、155、168、180、181などがある。この他、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、C.I.バットイエロー等が挙げられる。
【0032】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などがある。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48、48:2、48:3、48:4、57、57:1、58、60、63、64、68、81、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、163、166、169、170、177、184、185、187、202、206、207、209、220、251、254などが挙げられる。この他、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
【0033】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、6、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66などがある。この他、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、C.I.アシッドブルーなどが挙げられる。
【0034】
これらの着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ使用することができる。着色剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。
【0035】
(3)帯電制御剤:
重合トナーの帯電性を向上させるために、各種の正帯電性または負帯電性の帯電制御剤を重合性単量体組成物中に含有させることが好ましい。帯電制御剤としては、例えば、カルボキシル基または含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン、帯電制御樹脂などが挙げられる。
【0036】
具体的には、ボントロンN−01(オリエント化学工業社製)、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社製)、T−77(保土ケ谷化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−89(オリエント化学工業社製)、ボントロンF−21(オリエント化学工業社製)、COPY CHARGE NX VP434(クラリアント社製)、COPY CHARGENEG VP2036(クラリアント社製)、TNS−4−1(保土ケ谷化学工業社製)、TNS−4−2(保土ケ谷化学工業社製)、LR−147(日本カーリット社製)、コピーブルーPR(クラリアント社製)などの帯電制御剤;4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、スルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂;等を挙げることができる。帯電制御剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部の割合で用いられる。
【0037】
(4)離型剤:
オフセット防止または熱ロール定着時の離型性の向上などの目的で、離型剤を重合性単量体組成物中に含有させることができる。離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
これらの離型剤のなかでも、合成ワックス、末端変性ポリオレフィンワックス類、石油系ワックス、多官能エステル化合物が好ましい。離型剤の使用割合は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
【0039】
(5)滑剤・分散助剤:
着色剤の均一分散等を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、脂肪酸とNa、K、Ca、Mg、Zn等の金属とからなる脂肪酸金属塩などの滑剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;などを重合性単量体に含有させることができる。このような滑剤や分散剤は、着色剤の重量を基準として、通常1/1000〜1/1程度の割合で使用される。
【0040】
(6)重合開始剤:
重合性単量体の重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1′,3,3′−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類;などを挙げることができる。これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を使用することもできる。
【0041】
これらの開始剤のなかでも、重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて、水溶性の重合開始剤を併用することもできる。重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の割合で用いられる。
【0042】
重合開始剤は、重合性単量体組成物中に予め添加することができるが、早期重合を抑制するために、重合性単量体組成物の液滴形成工程の終了後または重合反応の途中の懸濁液に直接添加することもできる。
【0043】
(7)分子量調整剤:
重合に際して、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。分子量調整剤は、通常、重合開始前の重合性単量体組成物に含有させるが、重合途中に添加することもできる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0044】
(8)分散安定剤:
本発明に用いる分散安定剤は、難水溶性金属化合物のコロイドが好適である。難水溶性金属化合物としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、などの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;りん酸カルシウムなどのりん酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらのうち、難水溶性金属水酸化物のコロイドは、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。
【0045】
難水溶性金属化合物のコロイドは、その製法による制限はないが、水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることが好ましい。難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。
【0046】
分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が少なすぎると、充分な重合安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成しやすくなる。逆に、この割合が多すぎると、水溶液粘度が大きくなって重合安定性が低くなる。
【0047】
本発明においては、必要に応じて、水溶性高分子を分散安定剤として用いることができる。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等を例示することができる。本発明においては、界面活性剤を使用する必要はないが、帯電特性の環境依存性が大きくならない範囲で、懸濁重合を安定に行うために使用することができる。
【0048】
(9)重合工程:
重合トナーは、重合性単量体の重合により生成した重合体が結着樹脂となり、その中に着色剤や帯電制御剤、離型剤などの添加剤成分が分散した着色重合体粒子である。この着色重合体粒子をコアとし、その上に重合体層からなるシェルを形成して、コア・シェル型重合体粒子とすることができる。
【0049】
重合トナーは、例えば、以下の工程により得ることができる。重合性単量体、着色剤、及びその他の添加剤などを混合機を用いて混合し、必要に応じて、メディヤ型湿式粉砕機(例えば、ビーズミル)などを用いて湿式粉砕し、重合性単量体組成物を調製する。次に、重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に分散し、撹拌して、重合性単量体組成物の均一な液滴(体積平均粒径が50〜1000μm程度の一次液滴)を形成する。重合開始剤は、早期重合を避けるため、水系分散媒体中で液滴の大きさが均一になってから水系分散媒体に添加することが好ましい。
【0050】
水系分散媒体中に重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液に重合開始剤を添加混合し、さらに、高速回転剪断型撹拌機を用いて、液滴の粒径が目的とする重合トナー粒子に近い小粒径になるまで撹拌する。このようにして形成された微小粒径の液滴(体積平均粒径が1〜12μm程度の二次液滴)を含有する懸濁液を重合反応器に仕込み、通常5〜120℃、好ましくは35〜95℃の温度で懸濁重合を行う。重合温度が低すぎると、触媒活性が高い重合開始剤を用いなければならないので、重合反応の管理が困難になる。重合温度が高すぎると、低温で溶融する添加剤を含む場合、これが重合トナー表面にブリードし、保存性が悪くなることがある。
【0051】
重合性単量体組成物の微小な液滴の体積平均粒径及び粒径分布は、重合トナーの体積平均粒径や粒径分布に影響する。液滴の粒径が大きすぎると、生成する重合トナー粒子が大きくなりすぎて、画像の解像度が低下するようになる。液滴の粒径分布が広いと、定着温度のばらつきが生じ、カブリ、トナーフィルミングの発生などの不具合が生じるようになる。したがって、重合性単量体組成物の液滴は、重合トナー粒子とほぼ同じ大きさになるように形成することが望ましい。
【0052】
重合性単量体組成物の液滴の体積平均粒径は、通常1〜12μm、好ましくは2〜10μm、より好ましくは3〜8μmである。高精細な画像を得るため、特に小粒径の重合トナーとする場合には、液滴の体積平均粒径を好ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μm、さらには、3〜7μm程度にすることが望ましい。重合性単量体組成物の液滴の粒径分布(体積平均粒径/数平均粒径)は、通常1〜3、好ましくは1〜2.5、より好ましくは1〜2である。特に微細な液滴を形成する場合には、高速回転する回転子と、それを取り囲み、かつ小孔または櫛歯を有する固定子との間隙に、単量体組成物を含有する水系分散媒体を流通させる方法が好適である。
【0053】
重合性単量体として前述のモノビニル単量体の中から1種以上を選択するが、トナーの定着温度を下げるには、ガラス転移温度(Tg)が通常80℃以下、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃程度の重合体を形成し得る重合性単量体または重合性単量体の組み合わせを選択することが好ましい。本発明において、結着樹脂を構成する共重合体のTgは、使用する重合性単量体の種類と使用割合に応じて算出される計算値(「計算Tg」という)である。
【0054】
懸濁重合により、重合性単量体の重合体中に着色剤などの添加剤成分が分散した着色重合体粒子が生成する。本発明では、この着色重合体粒子を重合トナーとして使用することができるが、重合トナーの保存性(耐ブロッキング性)、低温定着性、定着時の溶融性などを改善する目的で、懸濁重合によって得られた着色重合体粒子の上に、さらに重合体層を形成して、コア・シェル型構造を有するカプセルトナーとすることができる。
【0055】
コア・シェル型構造の形成方法としては、前記の着色重合体粒子をコア粒子とし、該コア粒子の存在下にシェル用重合性単量体を更に重合して、コア粒子の表面に重合体層(シェル)を形成する方法が採用される。シェル用重合性単量体として、コア粒子を構成する重合体成分のTgよりも高いTgを有する重合体を形成するものを使用すると、重合トナーの保存性を改善することができる。他方、コア粒子を構成する重合体成分のTgを低く設定することにより、重合トナーの定着温度を下げたり、溶融特性を改善したりすることができる。したがって、重合工程でコア・シェル型重合体粒子を形成することにより、印字(複写、印刷など)の高速化、フルカラー化、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)透過性などに対応できる重合トナーが得られる。
【0056】
コア及びシェルを形成するための重合性単量体としては、前述のモノビニル系単量体の中から好ましいものを適宜選択することができる。コア用重合性単量体とシェル用重合性単量体との重量比は、通常40/60〜99.9/0.1、好ましくは60/40〜99.7/0.3、より好ましくは80/20〜99.5/0.5である。シェル用重合性単量体の割合が過小であると、重合トナーの保存性の改善効果が小さく、過大であると、定着温度の低減効果が小さくなる。
【0057】
シェル用重合性単量体により形成される重合体のTgは、通常、50℃超過120℃以下、好ましくは60℃超過110℃以下、より好ましくは80℃超過105℃以下である。コア用重合性単量体から形成される重合体とシェル用重合性単量体から形成される重合体との間のTgの差は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、特に好ましくは30℃以上である。多くの場合、定着温度と保存性のバランスの観点から、コア用重合性単量体として、Tgが通常60℃以下、好ましくは、40〜60℃の重合体を形成しうるものを選択するのが好ましい。他方、シェル用重合性単量体としては、スチレンやメチルメタクリレートなどのTgが80℃を越える重合体を形成する単量体を、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0058】
シェル用重合性単量体は、コア粒子の平均粒径よりも小さな液滴として重合反応系に添加することが好ましい。シェル用重合性単量体の液滴の粒径が大きすぎると、コア粒子の周囲に重合体層が均一に形成され難くなる。シェル用重合性単量体を小さな液滴とするには、シェル用重合性単量体と水系分散媒体との混合物を、例えば、超音波乳化機などを用いて、微分散処理を行い、得られた分散液を重合反応系に添加すればよい。
【0059】
シェル用重合性単量体が、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%以上の比較的水溶性の単量体(例えば、メチルメタクリレート)である場合には、コア粒子の表面に比較的速やかに移行しやすいので、微分散処理を行う必要はないが、均一なシェルを形成する上で、微分散処理を行うことが好ましい。シェル用重合性単量体が、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満の単量体(例えば、スチレン)の場合には、微分散処理を行うか、あるいは20℃の水に対する溶解度が5重量%以上の有機溶媒(例えば、アルコール類)を反応系に加えることにより、コア粒子の表面に移行しやすくすることが好ましい。
【0060】
シェル用重合性単量体には、帯電制御剤を加えることができる。帯電制御剤としては、前述したコア粒子製造に使用するのと同様のものが好ましく、使用する場合には、シェル用重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0061】
コア・シェル型構造の重合トナーを製造するには、コア粒子を含有する懸濁液中に、シェル用重合性単量体またはその水系分散液を一括して、あるいは連続的若しくは断続的に添加する。シェル用重合性単量体を添加する際に、水溶性のラジカル開始剤を添加することがシェルを効率良く形成する上で好ましい。シェル用重合性単量体の添加時に水溶性重合開始剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性重合開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体層が形成されやすくなると考えられる。
【0062】
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス−[2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド]等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の使用量は、シェル用重合性単量体100重量部当り、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0063】
シェルの平均厚みは、通常0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm、よりに好ましくは0.005〜0.2μmである。シェル厚みが大きすぎると、重合トナーの定着性が低下し、小さすぎると、重合トナーの保存性が低下する。重合トナーのコア粒子径、及びシェルの厚みは、電子顕微鏡により観察できる場合は、その観察写真から無作意に選択した粒子の大きさ及びシェル厚みを直接測ることにより得ることができ、電子顕微鏡でコアとシェルとを観察することが困難な場合は、コア粒子の粒径と、シェルを形成する重合性単量体の使用量から算定することができる。
【0064】
2.ストリッピング処理工程2:
製造工程1により、重合体粒子(着色重合体粒子またはコア・シェル型重合体粒子)を含有する水系分散媒体が得られる。この水系分散媒体をそのままで、あるいは重合体粒子の濃度を調節するためにイオン交換水などを追加して、重合体粒子を含有する分散液とする。次いで、この分散液をストリッピング処理して、重合体粒子中に残留する未反応の重合性単量体を除去する。
【0065】
ストリッピング処理に際し、分散液に消泡剤を添加することができる。消泡剤としては、シリコーン系消泡剤を使用することができるが、重合トナーの特性に優れる点で、非シリコーン系消泡剤を使用することが好ましい。非シリコーン系消泡剤としては、油脂系消泡剤、鉱油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤、油脂とポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤とを含む乳化物、及び鉱油とポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤とを含む乳化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の非シリコーン系消泡剤を挙げることができる。これらの非シリコーン系消泡剤の中でも、消泡効果とトナー特性の観点から、鉱油系消泡剤、ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤、油脂とポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤とを含む乳化物が好ましい。
【0066】
これらの消泡剤としては、市販されている各種消泡剤(defoaming agents)または抑泡剤(anti-foaming agents)の中から選択して使用することができる。鉱油系消泡剤は、鉱油を基剤とする変性炭化水素油であり、市販品としては、例えば、日本PCM株式会社製の商品名「消泡剤 DF714S」などが挙げられる。ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤は、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤などであり、市販品としては、例えば、サンノプコ社製の商品名「SN デフォーマー 180」(ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤からなる抑泡剤)が挙げられる。油脂とポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤とを含む乳化物は、油脂をポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤でエマルジョンとしたものであり、市販品としては、例えば、サンノプコ株式会社製の商品名「SN デフォーマー 1407K」(油脂、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤等の乳化物からなる抑泡剤)などが挙げられる。市販のポリエーテル系消泡剤としては、旭電化社製の商品名「アデカノールLG−51」、「アデカノールLG−109」などのポリエーテル型界面活性剤、一方社油脂製の商品名「IPデフォーマU−510」などの特殊ポリエーテル系化合物などが挙げられる。
【0067】
ストリッピング処理に供給する重合体粒子を含有する分散液の固形分濃度は、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜35重量%の範囲内である。製造工程1で比較的高濃度の分散液が得られた場合には、ストリッピング処理に際して、イオン交換水などの水を加えて、所望の固形分濃度の分散液に調整することができる。
【0068】
非シリコーン系消泡剤などの消泡剤の使用量は、重合性単量体組成物または重合体粒子100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。消泡剤の使用量が少なすぎると、十分な消泡効果を得ることが困難となることがあり、多すぎると、消泡効果が飽和することに加えて、トナー特性に悪影響を及ぼすおそれが生じる。
【0069】
分散液のストリッピング処理法としては、不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)などの気体を吹き込む方法(バブリング法)が挙げられる。バブリング法は、安定してストリッピング処理を行うことができる点で好ましい。分散液に気体を吹き込みながら減圧ストリッピングを行う方法を採用してもよい。吹き込む気体は、ストリッピング処理の効率化と重合体粒子の凝集防止の観点から、100℃未満の適度の温度に加熱することができる。不活性ガスとしては、窒素ガスが好ましい。
【0070】
ストリッピング処理に際して、分散液を加熱することにより、残留モノマー等の揮発性物質の揮発を助け、残留モノマーの回収効率を高くすることができる。ストリッピング処理時の分散液の温度は、好ましくは重合体粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度(Tg)以上100℃未満であり、より好ましくはTg以上95℃以下であり、さらに好ましくはTg+5℃以上90℃以下である。ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定される値である。重合体成分のTgが2つ以上ある場合には、最も低いTgを基準とする。ストリッピング処理時には、分散液の温度が上記範囲内の所望の温度で、ほぼ一定に維持されるように、加熱条件等を制御することが望ましい。
【0071】
分散液の加熱は、熱媒循環用ジャケットを設けた蒸発器(蒸発タンク)、熱交換器を内部に設けた蒸発器、外部熱交換器に接続した蒸発器などを用いて行う。加熱した気体を吹き込むことによって、分散液を加熱してもよい。分散液の温度が低すぎると、ストリッピング処理による分散液の蒸発が不十分となる上、重合体粒子中での残留モノマーの移動が遅くなり、残留モノマーの除去速度が低下する。分散液の温度が高すぎると、重合体粒子の分散安定性が低下して、処理中に凝集物が生じたり、蒸発器の壁面や攪拌機へのスケールの付着が増大する。
【0072】
蒸発器内の圧力は、ストリッピング処理の具体的な方法によって適宜定めることができるが、通常5〜105kPaの範囲内から選択される。ストリッピング処理法として気体吹き込み法を採用する場合には、蒸発器内の圧力を通常70〜105kPaの範囲内とすることができる。減圧ストリッピング法や気体を吹き込みながら減圧ストリッピングする方法などを採用する場合には、蒸発器内の圧力を通常5〜70kPa、好ましくは10〜60kPa、より好ましくは20〜50kPaの範囲内に制御することが望ましい。
【0073】
ストリッピング処理時間は、処理装置の規模、処理量、具体的な処理法、所望の残留モノマー量の水準などによって変動するが、通常0.5〜50時間、好ましくは1〜30時間、より好ましくは3〜20時間の範囲内から選択される。
【0074】
蒸発器内には、攪拌機を配置して、分散液を撹拌しながらストリッピング処理を行うことが好ましい。攪拌機としては、特に限定されないが、幅広パドル翼、幅広傾斜翼、ブルマージン翼及びその変形翼、フルゾーン翼、ウォールウエッター翼等の撹拌翼を備えたものが好ましい。また、特開2001−117272号公報に開示されているように、撹拌翼の一部を液面に突出させてもよい。
【0075】
ストリッピング処理により、分散液の水系分散媒体の一部、分散液に含まれる残留モノマー、重合体粒子中の残留モノマー、その他の揮発性物質などが除去される。このように、ストリッピング処理により、蒸発器内の分散液が濃縮されるが、所望により、蒸発した水系分散媒体を補充するために、新たに水系分散媒体を添加してもよい。ただし、本発明の方法によれば、水系分散媒体の追加なしに効率良くストリッピング処理を行うことができる。また、残留モノマーや水系分散媒体などは、回収して再使用することができる。
【0076】
図1に、本発明の方法で好適に採用できるストリッピング処理システムの一例を示す。蒸発器1には、撹拌翼2を備えた撹拌装置が配置されている。蒸発器1の外周壁には、熱媒循環用ジャケット(図示せず)が設けられており、蒸発器内の温度を所望の温度に調節できるようにしてある。気体源(図示せず)からブロワー4により窒素ガスなどの気体が気体吹き込み管3を通して蒸発器1内に吹き込まれる。
【0077】
撹拌しながら蒸発器1内の温度を所定の温度に昇温した後、ブロワー4から気体を吹き込み管3の開口から蒸発器1内に吹き込む。分散液の水系分散媒体の一部、残留モノマー、その他の揮発性物質がガスライン5を通って、凝縮器6に導かれ、次いで、凝縮タンク7に導かれる。凝縮タンク7内で凝縮されて液化した水等の液体成分は、そこで回収される(回収ラインを図示せず)。気体成分は、ガスライン8を通って揮発性物質除去装置9に導かれる。揮発性物質除去装置9は、例えば、活性炭を充填した吸着塔、冷水を溜めたバブリング装置であり、そこで、モノマーやその他の揮発性成分が除去される。その後、窒素ガスなどの気体成分は、ガス循環ライン10からブロワー4を経て循環して再使用することができる。
【0078】
蒸発器1の上部には、非接触型泡レベル計11が設置されている。非接触型泡レベル計としては、マイクロ波式レベル計が好ましい。このマイクロ波式レベル計は、周波数変調(FM)−連続波(CW)レーダの原理に基づいて、設置したトランスミッタの基準位置と測定対象の表面間の距離を、マイクロ波が往復するのに要する時間と測定距離とが比例することを利用して、測定することによりレベルを求める測定装置である。マイクロ波式レベル計は、タンク上の据付けノズルに取り付けるだけで、被測定物に非接触で高精度のレベル計測を行うことができる。本発明者は、このマイクロ波式レベル計が重合トナー粒子を含有する分散液の気−液界面で発生する泡のレベルの測定に使用できることを見出した。
【0079】
窒素ガスなどの気体の流量は、発泡を抑制する観点から、好ましくは0.05〜2m3/(hr・kg)、より好ましくは0.1〜1m3/(hr・kg)程度の範囲内となるように制御することが望ましい。気体を吹き込むことなく、単に減圧ストリッピングを行う場合には、ブロワー4を使用しないで、系内の減圧度を高めて、加熱した分散液を蒸発させる。
【0080】
従来、例えば、窒素ガスなどの気体を分散液に吹き込んでストリッピング処理を行う場合、図2の点線で示されるグラフ(比較例1)のように、初期から一定の流量で窒素ガスを吹き込んで処理を行っていた。その理由は、図2の2点破線で示されるグラフ(比較例1)のように、ストリッピング処理の初期段階での泡レベルが最大値を示すことが多いからである。ところが、窒素流量を一定に固定したままストリッピング処理を行うと、他の処理条件も固定した場合、前記グラフ(比較例1)で示されるように、泡レベルが徐々に低下することが判明した。泡レベルが低下すれば、窒素流量を増大させるなど、ストリッピング処理条件を揮発性物質の除去効率が高くなるように変動させることが可能となる。しかし、ストリッピング処理中の泡レベルの測定がなされていなかった従来技術では、そのような処理条件の制御の可能性を当業者が知見することはなかった。
【0081】
これに対して、本発明者は、ストリッピング処理中の泡レベルを非接触型泡レベル計などの泡レベル計により検知すると、検知した泡レベル情報に基づいてストリッピング処理条件を制御できることを見出した。泡レベル情報により、泡レベルが低下したことが分かると、それに対応して、例えば、窒素流量を増大させることができる。具体的には、図2の実線で示されるグラフ(実施例1)のように、ストリッピング処理中、窒素流量を段階的に増大させると、1点破線で示されるグラフ(実施例1)のように、泡レベルが小刻みな上昇と下降を繰り返す。そのため、分散液の液面上の泡レベルが蒸発器内の気相中にとどまる条件下で、分散液に吹き込む気体の流量を段階的または連続的に上昇させることができる。窒素流量を段階的またな連続的に増大させると(実施例1)、初期から窒素流量を一定に固定した場合(比較例1)に比べて、短時間で同レベルの残留モノマー濃度を有する重合トナーを得ることができる。
【0082】
本発明において、泡レベルは、蒸発器の高さを基準(100%)とし、その底部からの泡の高さをパーセントで表示して、泡レベル(%)として示す。蒸発器内にその高さの60%のところに分散液の液面がある場合には、泡レベルは、60%を越えることになる。泡レベルが100%の場合が、分散液の液面上の泡レベルが蒸発器内の気相中にとどまる条件下となるが、排気ラインや凝縮器などを泡で汚染しないようにするには、泡レベルを通常95%以下、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下に制御することが望ましい。他方、分散液のレベルは、蒸発器の高さを基準(100%)として、通常80%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下とする。
【0083】
本発明では、ストリッピング処理工程において、蒸発器内で分散液のストリッピング処理を行い、分散液の液面上の泡レベルが、蒸発器の高さを基準として、95%を越えず、かつ、ストリッピング処理の初期から泡レベルの低下が10%以内となるように、ストリッピング処理条件を制御する。もちろん、泡レベルの低下割合も、蒸発器の高さを基準とする値である。
【0084】
具体的には、前記した通り、図2の実線で示されるグラフ(実施例1)のように、ストリッピング処理中、窒素流量を段階的に増大させると、1点破線で示されるグラフ(実施例1)のように、泡レベルが小刻みな上昇と下降を繰り返す。この泡レベルの低下の程度が、蒸発器の高さを基準として10%以内となるように、窒素流量を段階的または連続的に増大させる。泡レベルの低下が10%を越えると、処理時間の短縮が困難になり、また、泡レベルを安定的に制御することが困難になるおそれがある。図2の1点破線で示されるグラフ(実施例1)のように、ストリッピング処理の初期の泡レベルが約80%の条件で処理を開始すると、泡レベルは低下するが、その低下の程度が10%以内で窒素流量を増大させる。窒素流量を増大するに際し、泡レベルが95%を越えないように制御する。窒素流量を増大させると、泡レベルが上昇するが、多くの場合、再び下降傾向を示す。そこで、泡レベルの低下が10%以内で再び窒素ガス流量を増大させる。このような窒素流量の制御をストリッピング処理が終了するまで行う。
【0085】
図2では、他の処理条件を固定して、分散液に吹き込む窒素流量を制御する場合について説明したが、窒素ガス以外の他の気体を用いる場合はもとより、分散液の温度、蒸発器内の圧力、分散液の撹拌速度、ストリッピング処理中に分散液に補充する水系分散媒体の量など、様々な処理条件を変動させて、処理効率を高めることができる。また、ストリッピング処理中に泡レベルが上昇しすぎた場合には、泡レベルが下降する方向に処理条件を制御することも可能である。
【0086】
これらの処理条件の中でも、制御するストリッピング処理条件が、分散液の温度、蒸発器内の圧力、分散液に吹き込む気体の流量、またはこれらの2種以上の組み合わせであることが好ましい。ストリッピング処理中に、分散液の温度や蒸発器内の圧力を変動させることが困難な場合には、気体流量を制御する方法が特に好ましい。
【0087】
すなわち、本発明では、工程2において、蒸発器内の分散液に気体を吹き込みながらストリッピング処理を行い、非接触型泡レベル計により検知した泡レベル情報に基づいて、分散液に吹き込む気体の流量を制御する方法を採用することが好ましい。この場合、泡レベル情報に基づいて、分散液の液面上の泡レベル95%以下であって泡が蒸発器内の気相中にとどまる条件下で、分散液に吹き込む気体の流量を段階的または連続的に上昇させることにより、処理効率を高めることがより好ましい。
【0088】
本発明の方法によれば、分散液の液面での発泡を抑制しながら処理条件を制御することができるため、安定的かつ効率的にストリッピング処理を行うことができる。 本発明の方法によれば、ストリッピング処理条件の制御や消泡剤の選択などにより、残留モノマー量が30ppm未満の重合体粒子(重合トナー)を得ることができる。
【0089】
消泡剤として、前記の非シリコーン系消泡剤を使用すると、重合トナーの帯電性に悪影響を及ぼすことがなく、高い帯電量の重合トナーを得ることができる。本発明の方法により得られた重合トナーは、カブリが顕著に抑制され、画像濃度も高く、画像濃度のバラツキもない。
【0090】
3.回収工程3:
ストリッピング処理工程2の後、分散液から重合体粒子が回収される。重合体粒子の回収は、常法に従って、脱水、洗浄、濾過、乾燥処理により行われ、乾燥重合体粒子が回収される。脱水に先立って、使用した分散安定剤を可溶化して除去するために、分散安定剤の種類に応じて、例えば、酸洗浄やアルカリ洗浄などの処理が行われる。
【0091】
本発明の重合トナー(コア・シェル型構造を有するカプセルトナーを含む)の体積平均粒径は、通常1〜12μm、好ましくは2〜11μm、より好ましくは3〜10μmである。解像度を高めて高精細な画像を得る場合には、トナーの体積平均粒径を好ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μmにまで小さくすることが特に望ましい。
【0092】
本発明の重合トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dp)で表される粒径分布は、通常1.7以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下である。重合トナーの体積平均粒径が大きすぎると、解像度が低下しやすくなる。重合トナーの粒径分布が大きいと、大粒径のトナーの割合が多くなり、解像度が低下しやすくなる。
【0093】
本発明の重合トナーは、長径(dl)と短径(ds)との比(dl/ds)で表される球形度が、好ましくは1〜1.3、より好ましくは1〜1.2の実質的に球形であることが好ましい。実質的に球形の重合トナーを非磁性一成分現像剤として用いると、感光体上のトナー像の転写材への転写効率が向上する。
【0094】
本発明の重合トナーは、各種現像剤のトナー成分として使用することができるが、非磁性一成分現像剤として使用することが好ましい。本発明の重合トナーを非磁性一成分現像剤とする場合には、必要に応じて外添剤を混合することができる。外添剤としては、流動化剤や研磨剤などとして作用する無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。
【0095】
無機粒子としては、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがスチレン重合体でシェルがメタクリル酸エステル共重合体で形成されたコア・シェル型粒子などが挙げられる。
【0096】
これらの中でも、無機酸化物粒子が好ましく、二酸化ケイ素が特に好ましい。無機微粒子表面を疎水化処理することができ、疎水化処理された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよく、外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子径の異なる無機粒子同士または無機粒子と有機樹脂粒子とを組み合わせる方法が好適である。外添剤の量は、特に限定されないが、重合トナー100重量部に対して、通常0.1〜6重量部である。外添剤を重合トナーに付着させるには、通常、重合トナーと外添剤とをヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて攪拌する。
【0097】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。本実施例において行った評価方法は、以下の通りである。
【0098】
1.残留モノマー量の測定:
(1)ストリッピング処理前:
ストリッピング処理前の重合体粒子3gを1mg単位まで精秤する。重合体粒子3gにN,N−ジメチルホルムアミド27gを加えて15分間撹拌した後、メタノール13gを加えて更にl0分間撹拌する。このようにして得られた溶液を静置して、不溶分を沈殿させる。この溶液の上澄み液を測定用試料とし採取し、そして、その2μlをガスクロマトグラフに注入してモノマー量を定量する。
【0099】
ガスクロマトグラフによる測定条件は、カラム=TC−WAX(0.25mm×30m)、カラム温度=80℃、インジェクション温度=200℃、FID検出側温度=200℃である。定量用標準試料として、各モノマーのN,N−ジメチルホルムアミド/メタノール溶液を用いる。
【0100】
ストリッビング処理前の重合体粒子は、湿潤状態にあるので、該重合体粒子中のモノマー量は、湿潤状態の重合体粒子中の純固形分に対する比率として算出する。即ち、算出した純固形分割合を、湿潤状態の重合体粒子中のモノマー量に乗じてモノマー量を算出する。湿潤状態の重合体粒子中の純固形分は、以下の手順で求める。(i)ストリッピング処理前の重合体粒子の水分散液を分取する。(ii)分取した水分散液を濾過して、湿潤状態の重合体粒子を得る。(iii)湿潤状態の重合体粒子の重量を1mg単位まで精秤する。(iv)湿潤した重合体粒子を105℃で1時間乾燥し、乾燥して得られた固形分の重量を精秤する。(v)乾燥前と乾燥後の重量差から湿潤状態の重合体粒子中の純固形分割合を算出する。
【0101】
(2)ストリッピング処理後:
ストリッピング処理後、洗浄し乾燥した重合体粒子3gを1mg単位まで精秤する。この重合体粒子を用いたこと以外は、前記と同様にしてモノマー量を測定する。洗浄・乾燥後の重合体粒子中のモノマー量は、当該重合体粒子の重量に対する比率として算出する。なお、実施例及び比較例において、ストリッピング処理・乾燥後の残留モノマーの種類は、スチレンのみであった。
【0102】
2.トナー特性の評価:
(1)粒径:
重合体粒子(トナー粒子)の体積平均粒径(Dv)、及体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)で表される粒径分布は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定する。マルチサイザーによる測定は、アパーチャー径=100μm、媒体=イソトンII、濃度=10%、測定粒子数=100,000個の条件で行う。
【0103】
(2)帯電量:
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印字速度=24枚/分)にコピー用紙をセットし、その現像装置に評価する現像剤(トナー)を入れる。温度23℃、湿度50%の環境(N/N環境)下で一昼夜放置後、印字を行い、印字の初期に現像ロール上の現像剤を吸引式帯電量測定装置に吸引し、帯電量と吸引量から単位重量当りの帯電量〔Q/M(μC/g)〕を測定する。
【0104】
3.画像評価:
(1)印字濃度:
前記プリンターを用いて、温度23℃、湿度50%の環境(N/N環境)下で一昼夜放置後、5%濃度で初期から連続印字を行い、100枚目印字時にベタ印字を行う。McBeth透過式画像濃度測定機を用いて、ベタ先端部印字濃度とベタ後端部印字濃度を測定した。
【0105】
(2)カブリ:
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印字速度=24枚/分)の現像装置に、評価する現像剤を入れる。温度23℃、湿度50%の環境(N/N環境)下で24時間放置後、5%濃度で連続印字を行い、100枚印字後に、ベタ印刷を行い、そして、印字を途中で停止させ、現像後の感光体上にある非画像部のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)で剥ぎ取り、それを新しいコピー用紙に貼り付けた。この粘着テープを貼り付けたコピー用紙の白色度(B)を白色度計(日本電色社製)により測定した。同様に、粘着テープだけを貼り付けたコピー用紙の白色度(A)を測定した。これらの白色度の差(A−B)を算出して、カブリ値とした。
【0106】
[実施例1]
(1)コア用重合性単量体組成物の調製工程:
スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部からなるコア用重合性単量体(これらの単量体を共重合して得られた共重合体のTg=55℃)、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシルメルカプタン1.2部、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25」)7部、帯電制御剤(保土ヶ谷化学工業社製、商品名「スピロンブラックTRH」)1部、離型剤(フィッシャートロプシュワックス、サゾール社製、商品名「パラプリント スプレイ30」、吸熱ピーク温度=100℃)2部を、メディア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、コア用重合性単量体組成物を調製した。
【0107】
(2)水系分散媒体の調製工程:
イオン交換水200部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.2部を溶解した水溶液を撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。生成した上記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.35μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.84μmであった。このマイクロトラック粒径分布測定器における測定は、測定レンジ=0.12〜704μm、測定時間=30秒、媒体=イオン交換水の条件で行った。
【0108】
(3)シェル用重合性単量体の水分散液の調製工程:
メチルメタクリレート(ホモポリマーのTg=105℃)3部と水100部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。シェル用重合性単量体の液滴の粒径は、得られた液滴を1%へキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に濃度3%で加え、マイクロトラック粒径分布測定器で測定したところ、D90が1.6μmであった。
【0109】
(4)液滴の形成工程:
前記工程(2)で得られた水酸化マグネシウムコロイドを含む水系分散媒体に、工程(1)で調製したコア用重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで撹拌した。次いで、水系分散媒体に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)6部を添加後、造粒機エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて高剪断撹拌して、水系分散媒体中に重合性単量体組成物の微小な液滴を形成した。このようにして、コア用重合性単量体組成物の液滴が分散した水分散液を調製した。
【0110】
(5)重合工程:
工程(4)で調製したコア用重合性単量体組成物の液滴が分散した水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、85℃に昇温して重合反応を開始させた。重合反応は、重合転化率がほぼ100%に達するまで行った。その時点で、工程(3)で調製したシェル用重合性単量体の水分散液に水溶性開始剤[和光純薬社製、商品名「VA−086」;2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド〕]0.3部を溶解した水分散液を反応器に加えた。4時間重合を継続した後、冷却して反応を停止し、生成したコア・シェル型重合体粒子を含有する分散液(以下、「重合体粒子分散液」という)を得た。この重合体粒子分散液の固形分濃度は、27%であった。この時点で、ストリッピング処理前の重合体粒子中の残留モノマー量を測定した。
【0111】
(6)ストリッピング処理工程:
工程(5)で得られた重合体粒子分散液をストリッピング処理するため、図1に示す処理システムを用いた。蒸発器1の上部に、マイクロ波式レベル計としてトキメック社製「レベルプロRTG−40」(登録商標)を設置し、これを非接触型泡レベル計11として使用した。重合体粒子分散液をイオン交換水で固形分濃度20%に希釈した後、蒸発器1に供給した。次に、消泡剤(サンノプコ社製、商品名「SNデフォーマー1407K」;油脂、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤等の乳化物)0.1部を蒸発器1に加えた。蒸発器1内に窒素ガスを流して、その気相部を窒素ガスで置換した。次いで、重合体粒子分散液を撹拌翼2で撹拌しながら80℃になるまで加熱した後、ブロワー4を起動して、窒素ガス流量が0.6m3/(hr・kg)となるように調節して、重合体分散液中にガス吹き込み口が直管形状のガス吹き込み管3から窒素ガスを吹き込んで、該分散液から残留モノマーのストリッピングを開始した。
【0112】
ストリッピング後の窒素ガスは、ライン5を通って、凝縮器6及び凝縮タンク5に順次導かれた。凝縮後の窒素ガスは、ライン8を通って揮発性物質除去装置(活性炭を充填した吸着塔)9に導かれ、そこで窒素ガス中に含まれるモノマー等の揮発性物質が除去された。揮発性物質が除去された窒素ガスは、循環ライン10を通って、ブロワー4からガス吹き込み管3を通して、蒸発器1内に再び吹き込まれた。
【0113】
ストリッピング処埋は、重合体粒子分散液の温度約80℃、蒸発器1内の圧力101kPa、初期の窒素ガス流量0.6m3/(hr・kg)で行った。ストリッピング開始時の泡レベルは80%であり、処理時間が経過するにつれて、泡レベルが下降していったため、図2の実線のグラフで示すように、窒素ガス流量を段階的に0.8m3/(hr・kg)にまで増大させた。窒素ガス流量の増大に際し、泡レベルが蒸発器内の気相中にとどまる条件下(95%以下)、好ましくは操業上全く問題のない範囲内で高めに維持できる泡レベル(約80%)となるように窒素ガス流量を制御した。窒素ガス流量の増大に対応して、図2の1点破線のグラフ(実施例1)に示されるように、初期段階から下降した泡レベルが一時的に上昇し、それが徐々に下降する状態となった。窒素ガス量を段階的に増大させると、経時的に泡レベルの上昇と下降を繰り返した。泡レベルの下降の程度は、蒸発器の高さを基準として10%以内となるように、窒素ガス流量を段階的に制御した。
【0114】
このようにして、窒素ガスの流量を段階的に制御しながら、ストリッピング処理を5時間行った。その後、水分散液を25℃まで冷却した。また、処理前の重合体粒子をサンプリングし、重合体粒子中の残留モノマー量を測定した。
【0115】
(7)後処理工程:
工程(6)の後、重合体粒子の分散液を撹拌しながら硫酸を加えて酸洗浄(25℃、10分間)を行い、分散液のpHを4.5以下に調整した。この分散液を連続式ベルトフィルター(住友重機械工業社製、商品名「イーグルフィルター」)を用いて脱水、洗浄し、固形分を濾過分離した。固形分は、乾燥機にて45℃で10時間乾燥し、体積平均粒径(Dv)が7.5μm、粒径分布(Dv/Dp)が1.19の重合体粒子(コア・シェル型重合体粒子)を回収した。乾燥後の重合体粒子中の残留モノマー量を測定した。
【0116】
(8)非磁性一成分現像剤の調製工程:
工程(7)で回収した重合体粒子100部に、疎水化処理した平均粒子径14nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX200」)0.8部を添加し、へンシェルミキサーを用いて混合して、静電荷像現像用非磁性一成分現像剤(電子写真用トナー)を調製した。得られたトナーについて、画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0117】
[比較例1]
実施例1のストリッピング処理工程において、窒素ガス流量を制御することなく、窒素ガス量を初期から0.6m3/(hr・kg)の一定量に固定して6時間処理したこと以外は、実施例1と同様に実施した。図2の2点破線に示されるように、泡レベルは、初期の約80%から徐々に低下し、ストリッピング処理の終了時には、約60%近くになった。結果を表1に示す。
【0118】
[比較例2]
実施例1のストリッピング処理工程において、窒素ガス流量を制御することなく、窒素ガス量を初期から0.8m3/(hr・kg)に固定して処理を開始したこと以外は、実施例1と同様にしてストリッピング処理を行った。この処理条件下では、処理開始時に泡が多量に発生し、泡レベルが100%を越えて、泡が図1に示す凝縮器6にまで達したため、凝縮器のチューブが重合トナーで汚染されて詰まりが発生し、継続して運転することが不可能となった。そこで、評価は省略した。
【0119】
【表1】
【0120】
表1に示された結果から明らかなように、ストリッピング処理工程で非接触型泡レベル計を用いて蒸発器内の泡レベルを検知し、その検知結果に基づいて窒素ガス流量を制御すると(実施例1)、液面での過度の発泡を抑制しつつ、短時間で処理できることが分かる。
【0121】
これに対して、窒素ガス流量を初期から固定してストリッピング処理を行うと、窒素ガス流量が適切な場合(比較例1)は、発泡を抑制することができるものの、実施例1と同レベルの残留モノマー濃度とするのに6時間を要する。
【0122】
また、窒素ガス流量を初期から固定してストリッピング処理を行うと、窒素ガス流量が過剰な場合(比較例2)は、発泡が著しくなり、安定したストリッピング処理を行うことができない。
【0123】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、液面での発泡を抑制しながら重合体粒子を含有する分散液を安定的かつ効率的にストリッピング処理することができ、残留重合性単量体量が顕著に低減され、かつ、トナー特性に優れた重合トナーを得ることができる。本発明の方法により得られる重合トナーは、帯電量が大きく、カブリを発生することがなく、印字濃度が高く、印字濃度のバラツキがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法で採用されるストリッピング処理システムの一例を示す略図である。
【図2】図2は、処理時間と窒素流量、処理時間と泡レベルの各関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:蒸発器、2:撹拌翼、3:気体吹き込み管、
4:ブロワー、5:ガスライン、6:凝縮器、7:凝縮タンク、
8:ガスライン、9:揮発性物質除去装置、10:ガス循環ライン、11:非接触型泡レベル計。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a polymerized toner. More specifically, the present invention relates to a residual polymerizability by stably and efficiently stripping a dispersion of polymer particles produced by polymerization of a polymerizable monomer composition. The present invention relates to a method for producing a polymerized toner having significantly reduced monomers and excellent toner physical properties.
[0002]
[Prior art]
In image forming apparatuses such as electrophotographic and electrostatic recording copying machines, laser beam printers, and facsimiles, a developer is used to visualize an electrostatic latent image formed on a photoreceptor. . The developer is mainly composed of colored particles (toner) in which a colorant, a charge control agent, a release agent and the like are dispersed in a binder resin.
[0003]
The toner is roughly classified into a pulverized toner obtained by a pulverization method and a polymerized toner obtained by a polymerization method. In the pulverization method, a thermoplastic resin is melt-kneaded with additive components such as a colorant, a charge control agent, and a release agent, pulverized, and classified to obtain a pulverized toner as a colored resin powder. The thermoplastic resin is synthesized in advance by polymerizing a polymerizable monomer. In the polymerization method, a polymerized toner composition is obtained as colored polymer particles by polymerizing a polymerizable monomer composition containing a polymerizable monomer and an additive component in an aqueous dispersion medium.
[0004]
In any method, it is difficult to completely polymerize the polymerizable monomer in the polymerization step, and it is inevitable that the unreacted polymerizable monomer remains in the toner. Even if a small amount of unreacted polymerizable monomer remaining in the toner (hereinafter sometimes referred to as “residual monomer”), (i) it is volatilized by heating at the time of fixing and the working environment is reduced. Deteriorates or generates odors, (ii) Blocks toner during storage, (iii) Deteriorates toner fluidity and degrades image quality, (iv) Easily generates offset, (v) Image This causes various problems such as facilitating toner filming on the members of the forming apparatus.
[0005]
The problem of residual monomer is more serious with polymerized toner than with pulverized toner. In the case of pulverized toner, it is easy to reduce the residual monomer by heat treatment, drying treatment or the like at the stage of producing a thermoplastic resin as a binder resin. On the other hand, in the case of a polymerized toner, residual monomers must be removed from a polymer (binder resin) containing additive components such as a colorant, a charge control agent, and a release agent. However, since the residual monomer is easily absorbed by these additive components, it is difficult to reduce the residual monomer as compared with the case of the binder resin alone. In addition, since the polymerized toner tends to aggregate, there is a limit to the demonomer treatment by heat treatment or the like. In recent years, there has been an increasing demand for polymerized toners that can be fixed at low temperatures in response to high-speed printing and full colorization. In such low-temperature fixing toners, residual monomers are reduced while preventing aggregation. It is extremely difficult.
[0006]
Conventionally, as a method for removing residual monomers from a polymerized toner, a polymerizable monomer composition containing a colorant and a polymerizable monomer is polymerized in an aqueous dispersion medium, and then produced polymer particles (polymerized). There is known a method of stripping a dispersion containing a toner to remove residual monomers in polymer particles. For example,
[0007]
After the polymerization process, the method of stripping the dispersion containing the polymerized toner, while adjusting the processing conditions, prevents aggregation due to heat fusion between the polymerized toners compared to the method of heat-treating the polymerized toner. Residual monomer can be efficiently removed. However, in the stripping method, foaming is likely to occur at the gas-liquid interface of the dispersion, and stable operation is difficult. Even if an antifoaming agent is added to the dispersion, it is difficult to completely suppress foaming.
[0008]
More specifically, the stripping treatment is generally performed by introducing a dispersion into the evaporator and, for example, blowing a gas into the dispersion (bubbling method) or heating under reduced pressure (vacuum stripping method). Volatile substances containing residual monomers are discharged out of the system. Volatile materials are usually condensed and recovered by a condenser. It is very difficult to avoid the formation of bubbles at the gas-liquid interface of the dispersion during the stripping process. During the stripping process, if the level of foam generated on the surface of the dispersion rises too much, the foam will enter the volatile discharge line and condenser, and each part of the device will be included in the foam. It is contaminated by polymerized toner. If each part of the apparatus is contaminated with the polymerized toner, it may become clogged and continuous stripping may not be performed. In addition, it is necessary to clean each part of the contaminated apparatus.
[0009]
Therefore, in the conventional method of stripping the dispersion containing the polymerized toner to remove the residual monomer, the relationship between the stripping treatment conditions and the level of bubbles generated on the liquid surface of the dispersion is experimentally determined in advance. In advance, stripping conditions were set so as not to exceed the maximum level of acceptable foam. However, in such a method, since the stripping process condition is substantially fixed to a condition that does not exceed the maximum level of bubbles generated at the initial stage of the stripping process, the process condition is changed during the stripping process. Therefore, it has been difficult to improve the processing efficiency, such as shortening the stripping processing time.
[0010]
Moreover, in the stripping process of the dispersion containing the polymerized toner, measuring the foam level during the stripping process makes it difficult to accurately measure the foam level, and the measuring device is contaminated with foam. It seems to be due to the reason, but it was not actually done.
[0011]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 5-100485 (page 1-2)
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The purpose of the present invention is to stably and efficiently strip the polymer particle dispersion produced by the polymerization of the polymerizable monomer composition, thereby significantly reducing the residual polymerizable monomer, Another object of the present invention is to provide a method for producing a polymerized toner having excellent toner physical properties.
[0013]
As a result of diligent research to achieve the above-mentioned problems, the present inventors conducted a stripping treatment of the dispersion in the evaporator in the step of stripping the dispersion containing the polymer particles after the polymerization step. Stripping so that the foam level on the liquid surface of the dispersion does not exceed 95% based on the height of the evaporator and the foam level falls within 10% from the beginning of the stripping process. We came up with a method to control the processing conditions.
[0014]
As a method for controlling the foam level, for example, the dispersion liquid is stripped in an evaporator having a non-contact type foam level meter installed at the top, and the foam generated on the liquid surface of the dispersion liquid during the stripping process. It has been found that a method of detecting the level of the above with a non-contact type foam level meter and controlling stripping treatment conditions based on the detected foam level information can be suitably employed.
[0015]
According to the inventor's experimental results, in the stripping process, even if the level of foam generated at the initial stage is high, in many cases, depending on the setting of appropriate initial conditions for the stripping process including the use of an antifoaming agent. It was found that the foam level gradually decreased. If the stripping process conditions are substantially fixed to a condition that does not exceed the maximum level of foam generated at the beginning of the stripping process, it is difficult to vary the stripping process conditions according to the level of foam generated. It is. On the other hand, if the bubble level is detected during the stripping process, the stripping process condition can be changed based on the detected bubble level information.
[0016]
Therefore, if the stripping process conditions are controlled under the condition that the foam level on the liquid level of the dispersion stays in the gas phase in the evaporator based on the foam level information detected by the foam level meter, excess foam is obtained. The stripping process conditions can be changed to conditions that can efficiently remove volatile substances, thereby reducing the stripping process compared to the case of continuing with the initial process conditions fixed. It becomes possible to improve processing efficiency, such as shortening processing time. By using a non-contact type foam level meter as the foam level meter, not only the level of foam can be accurately detected, but also contamination of the measuring device due to contact with the dispersion or foam can be prevented.
[0017]
According to the production method of the present invention, the stripping process can be performed stably and efficiently, whereby the residual monomer concentration is remarkably reduced, the charging property is high, there is no fog, and the image density is high. Toner can be obtained. The present invention has been completed based on these findings.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
Thus, according to the present invention, the
(1) A non-contact type foam level meter was installed at the top.Strip the dispersion in the evaporator,
(2) To the dispersion in the evaporator, 0.01 to 1 part by weight of a non-silicone antifoaming agent is added to 100 parts by weight of the polymer particles,
(3) The dispersion in the evaporator is heated, and the temperature of the dispersion during the stripping treatment is adjusted to a temperature not lower than the glass transition temperature of the polymer component constituting the polymer particles and lower than 100 ° C.
(4) Flow rate 0.05 to 2 m into the dispersion in the evaporator 3 / Inert gas is blown within the range of (hr · kg), and during the stripping process, the level of foam generated on the liquid surface of the dispersion is detected by a non-contact type foam level meter, and the detected foam level information Based on the method of controlling stripping treatment conditions including the flow rate of gas blown into the dispersion,
a) From the beginning of the stripping processThe foam level on the surface of the dispersion exceeds 95%, based on the height of the evaporatorAnd not to control
b)From the beginning of the stripping processofSo that the foam level is less than 10%The stripping process is performed by increasing the flow rate of the inert gas blown into the dispersion stepwise or continuously.
(5) Thereby, polymer particles having a residual monomer amount of less than 30 ppm are obtained.
A method for producing a polymerized toner is provided.
[0019]
In the production method of the present invention, in
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1.
The method for producing a polymerized toner of the present invention includes a polymer
[0021]
(1) Polymerizable monomer:
In the present invention, a monovinyl monomer is used as the main component of the polymerizable monomer. Examples of the monovinyl monomer include aromatic vinyl monomers such as styrene, vinyltoluene, and α-methylstyrene; (meth) acrylic acid; methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, (meth) Such as propyl acrylate, butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, dimethylaminoethyl (meth) acrylate, (meth) acrylamide, etc. Derivatives of (meth) acrylic acid; monoolefin monomers such as ethylene, propylene and butylene;
[0022]
Monovinyl monomers may be used alone or in combination of a plurality of monomers. Of these monovinyl monomers, aromatic vinyl monomers alone, combinations of aromatic vinyl monomers and (meth) acrylic acid derivatives, and the like are preferably used.
[0023]
When a crosslinkable monomer or a crosslinkable polymer is used together with the monovinyl monomer, the hot offset property can be improved. A crosslinkable monomer is a monomer having two or more vinyl groups. Specific examples thereof include aromatic divinyl compounds such as divinylbenzene, divinylnaphthalene, and derivatives thereof; diethylenically unsaturated carboxylic acid esters such as ethylene glycol dimethacrylate, diethylene glycol dimethacrylate, and 1,4-butanediol diacrylate; Examples thereof include compounds having two vinyl groups such as N, N-divinylaniline and divinyl ether, and compounds having three or more vinyl groups such as pentaerythritol triallyl ether and trimethylolpropane triacrylate.
[0024]
The crosslinkable polymer is a polymer having two or more vinyl groups in the polymer. Specific examples thereof include a condensation reaction of a polymer such as polyethylene, polypropylene, polyester or polyethylene glycol having two or more hydroxyl groups in the molecule with an unsaturated carboxylic acid monomer such as acrylic acid or methacrylic acid. The esterified product obtained by can be mentioned.
[0025]
These crosslinkable monomers and crosslinkable polymers can be used alone or in combination of two or more. The amount used is usually 10 parts by weight or less, preferably 0.01 to 7 parts by weight, more preferably 0.05 to 5 parts by weight, particularly preferably 0.1 to 100 parts by weight of the monovinyl monomer. 3 parts by weight.
[0026]
It is preferable to use a macromonomer together with a monovinyl monomer because the balance between storage stability at high temperature and fixability at low temperature is improved. The macromonomer is a macromolecule having a polymerizable carbon-carbon unsaturated double bond at the end of the molecular chain, and is an oligomer or polymer having a number average molecular weight of usually 1,000 to 30,000. When the number average molecular weight is within the above range, it is preferable because the fixability and storability of the polymerized toner can be maintained without impairing the meltability of the macromonomer.
[0027]
Examples of the polymerizable carbon-carbon unsaturated double bond at the molecular chain terminal of the macromonomer include an acryloyl group and a methacryloyl group, and a methacryloyl group is preferred from the viewpoint of ease of copolymerization. The macromonomer is preferably one that gives a polymer having a glass transition temperature higher than that of a polymer obtained by polymerizing a monovinyl monomer.
[0028]
Specific examples of macromonomers include polymers obtained by polymerizing styrene, styrene derivatives, methacrylic acid esters, acrylic acid esters, acrylonitrile, methacrylonitrile, etc. alone or in combination of two or more; macromonomers having a polysiloxane skeleton Among these, a hydrophilic one is preferable, and a polymer obtained by polymerizing methacrylic acid ester or acrylic acid ester alone or in combination thereof is particularly preferable.
[0029]
When the macromonomer is used, the amount used is usually 0.01 to 10 parts by weight, preferably 0.03 to 5 parts by weight, more preferably 0.05 to 1 part per 100 parts by weight of the monovinyl monomer. Parts by weight. When the amount of the macromonomer is within the above range, it is preferable because the preservability of the polymerized toner is maintained and the fixing property is improved.
[0030]
(2) Colorant:
As the colorant, various pigments and dyes used in the field of toner such as carbon black and titanium white can be used. Examples of the black colorant include carbon black and nigrosine-based dyes and pigments; magnetic particles such as cobalt, nickel, iron tetroxide, manganese iron oxide, zinc iron oxide, and nickel iron oxide. When carbon black is used, it is preferable to use carbon black having a primary particle size of 20 to 40 nm because good image quality can be obtained and the safety of the toner to the environment is enhanced. As a color toner colorant, a yellow colorant, a magenta colorant, a cyan colorant, or the like can be used.
[0031]
As the yellow colorant, condensed azo compounds, isoindolinone compounds, anthraquinone compounds, azo metal complexes, methine compounds, allylamide compounds, and the like are used. Specifically, for example, C.I. I.
[0032]
Examples of the magenta colorant include condensed azo compounds, diketopyrrolopyrrole compounds, anthraquinone compounds, quinacridone compounds, basic dye lake compounds, naphthol compounds, benzimidazolone compounds, thioindigo compounds, and perylene compounds. Specifically, for example, C.I. I.
[0033]
Examples of cyan colorants include copper phthalocyanine compounds and derivatives thereof, anthraquinone compounds, basic dye lake compounds, and the like. Specifically, for example, C.I. I.
[0034]
These colorants can be used alone or in combination of two or more. The colorant is usually used in a proportion of 0.1 to 50 parts by weight, preferably 1 to 20 parts by weight, based on 100 parts by weight of the polymerizable monomer.
[0035]
(3) Charge control agent:
In order to improve the chargeability of the polymerized toner, it is preferable that various positively chargeable or negatively chargeable charge control agents are contained in the polymerizable monomer composition. Examples of the charge control agent include metal complexes of organic compounds having a carboxyl group or a nitrogen-containing group, metal-containing dyes, nigrosine, charge control resins, and the like.
[0036]
Specifically, Bontron N-01 (manufactured by Orient Chemical Co., Ltd.), Nigrosine Base EX (manufactured by Orient Chemical Co., Ltd.), Spiron Black TRH (manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.), T-77 (manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.) Bontron S-34 (made by Orient Chemical Industries), Bontron E-81 (made by Orient Chemical Industries), Bontron E-84 (made by Orient Chemical Industries), Bontron E-89 (made by Orient Chemical Industries), Bontron F-21 (made by Orient Chemical Industries), COPY CHARGE NX VP434 (made by Clariant), COPY CHARGENEG VP2036 (made by Clariant), TNS-4-1 (made by Hodogaya Chemical Co., Ltd.), TNS-4-2 (Hodogaya) Chemical Industry), LR-147 (Nippon Carlit), copyable -Charge control agents such as PR (manufactured by Clariant); charge control resins such as quaternary ammonium (salt) group-containing copolymers and sulfonic acid (salt) group-containing copolymers; The charge control agent is usually used in a proportion of 0.01 to 10 parts by weight, preferably 0.1 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer.
[0037]
(4) Release agent:
A release agent can be included in the polymerizable monomer composition for the purpose of preventing offset or improving the releasability at the time of hot roll fixing. Examples of the release agent include polyolefin waxes such as low molecular weight polyethylene, low molecular weight polypropylene, and low molecular weight polybutylene; plant-based natural waxes such as candelilla, carnauba, rice, wood wax, jojoba; paraffin, microcrystalline, petrolactam, and the like. Petroleum waxes and modified waxes thereof; synthetic waxes such as Fischer-Tropsch wax; polyfunctional ester compounds such as pentaerythritol tetramyristate, pentaerythritol tetrapalmitate, dipentaerythritol hexamyristate; and the like. These release agents can be used alone or in combination of two or more.
[0038]
Among these release agents, synthetic waxes, terminal-modified polyolefin waxes, petroleum waxes, and polyfunctional ester compounds are preferable. The ratio of the release agent used is usually 0.1 to 50 parts by weight, preferably 0.5 to 20 parts by weight, more preferably 1 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer.
[0039]
(5) Lubricant / dispersion aid:
Lubricants such as fatty acid salts of fatty acids such as oleic acid and stearic acid, fatty acids and metals such as Na, K, Ca, Mg, and Zn; silane-based or titanium-based couplings for the purpose of uniform dispersion of colorants, etc. A dispersing aid such as an agent can be contained in the polymerizable monomer. Such lubricants and dispersants are usually used at a ratio of about 1/1000 to 1/1 based on the weight of the colorant.
[0040]
(6) Polymerization initiator:
Examples of the polymerization initiator for the polymerizable monomer include persulfates such as potassium persulfate and ammonium persulfate; 4,4′-azobis (4-cyanovaleric acid), 2,2′-azobis [2-methyl -N- (2-hydroxyethyl) propionamide], 2,2'-azobis (2-amidinopropane) dihydrochloride, 2,2'-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile), 2,2'- Azo compounds such as azobisisobutyronitrile; di-t-butyl peroxide, dicumyl peroxide, lauroyl peroxide, benzoyl peroxide, t-butylperoxy-2-ethylhexanoate, t-hexylperoxy 2-ethylhexanoate, t-butyl peroxypivalate, di-isopropyl peroxydicarbonate, di-t-butyl peroxyiso Tallates, 1,1 ', 3,3'-tetramethylbutyl peroxy-2-ethylhexanoate, t- butyl peroxides of peroxy isobutyrate and the like; and the like. A redox initiator in which these polymerization initiators and a reducing agent are combined can also be used.
[0041]
Among these initiators, it is preferable to select an oil-soluble polymerization initiator that is soluble in the polymerizable monomer, and a water-soluble polymerization initiator can be used in combination as necessary. The polymerization initiator is usually used in a proportion of 0.1 to 20 parts by weight, preferably 0.3 to 15 parts by weight, more preferably 0.5 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer. It is done.
[0042]
The polymerization initiator can be added in advance to the polymerizable monomer composition, but in order to suppress premature polymerization, after completion of the droplet forming step of the polymerizable monomer composition or during the polymerization reaction It can also be added directly to the suspension.
[0043]
(7) Molecular weight regulator:
In the polymerization, a molecular weight modifier is preferably used. Examples of the molecular weight modifier include mercaptans such as t-dodecyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan, n-octyl mercaptan, 2,2,4,6,6-pentamethylheptane-4-thiol; carbon tetrachloride, four And halogenated hydrocarbons such as carbon bromide; The molecular weight modifier is usually contained in the polymerizable monomer composition before the start of polymerization, but can also be added during the polymerization. The molecular weight modifier is usually used in a proportion of 0.01 to 10 parts by weight, preferably 0.1 to 5 parts by weight, with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer.
[0044]
(8) Dispersion stabilizer:
The dispersion stabilizer used in the present invention is preferably a colloid of a hardly water-soluble metal compound. Examples of the hardly water-soluble metal compounds include sulfates such as barium sulfate and calcium sulfate; carbonates such as barium carbonate, calcium carbonate and magnesium carbonate; phosphates such as calcium phosphate; metal oxidation such as aluminum oxide and titanium oxide A metal hydroxide of aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, ferric hydroxide, and the like. Of these, a colloid of a poorly water-soluble metal hydroxide is preferable because it can narrow the particle size distribution of the polymer particles and improve the sharpness of the image.
[0045]
The colloid of the hardly water-soluble metal compound is not limited by its production method, but the colloid of the hardly water-soluble metal hydroxide obtained by adjusting the pH of the aqueous solution of the water-soluble polyvalent metal compound to 7 or more, particularly water-soluble It is preferable to use a colloid of a poorly water-soluble metal hydroxide produced by a reaction in the aqueous phase of a functional polyvalent metal compound and an alkali metal hydroxide. The colloid of a slightly water-soluble metal compound has a number particle size distribution D50 (50% cumulative value of the number particle size distribution) of 0.5 μm or less and a D90 (90% cumulative value of the number particle size distribution) of 1 μm or less. Is preferred.
[0046]
The dispersion stabilizer is usually used at a ratio of 0.1 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer. When this ratio is too small, it is difficult to obtain sufficient polymerization stability, and polymerized aggregates are easily generated. On the other hand, if the ratio is too large, the viscosity of the aqueous solution increases and the polymerization stability decreases.
[0047]
In the present invention, if necessary, a water-soluble polymer can be used as a dispersion stabilizer. Examples of the water-soluble polymer include polyvinyl alcohol, methyl cellulose, gelatin and the like. In the present invention, it is not necessary to use a surfactant, but it can be used to stably carry out suspension polymerization within a range in which the environmental dependence of charging characteristics does not increase.
[0048]
(9) Polymerization step:
The polymerized toner is colored polymer particles in which a polymer formed by polymerization of a polymerizable monomer becomes a binder resin, and additive components such as a colorant, a charge control agent, and a release agent are dispersed therein. The colored polymer particles can be used as cores, and a shell made of a polymer layer can be formed thereon to form core-shell type polymer particles.
[0049]
The polymerized toner can be obtained, for example, by the following steps. A polymerizable monomer, a colorant, and other additives are mixed using a mixer, and if necessary, wet-pulverized using a media-type wet pulverizer (for example, a bead mill). A meter composition is prepared. Next, the polymerizable monomer composition is dispersed in an aqueous dispersion medium containing a dispersion stabilizer and stirred to obtain uniform droplets of the polymerizable monomer composition (volume average particle diameter is 50 to 50). Primary droplets of about 1000 μm) are formed. In order to avoid premature polymerization, the polymerization initiator is preferably added to the aqueous dispersion medium after the size of the droplets becomes uniform in the aqueous dispersion medium.
[0050]
A polymerization initiator is added to and mixed with the suspension in which the droplets of the polymerizable monomer composition are dispersed in an aqueous dispersion medium, and the particle size of the droplets is determined using a high-speed rotary shearing stirrer. Stir until the particle size is close to the polymerized toner particles. A suspension containing fine droplets (secondary droplets having a volume average particle diameter of about 1 to 12 μm) formed in this manner is charged into a polymerization reactor, usually 5 to 120 ° C., preferably Suspension polymerization is performed at a temperature of 35 to 95 ° C. If the polymerization temperature is too low, a polymerization initiator having a high catalytic activity must be used, which makes it difficult to manage the polymerization reaction. If the polymerization temperature is too high, when an additive that melts at a low temperature is included, this may bleed on the surface of the polymerized toner, resulting in poor storage stability.
[0051]
The volume average particle size and particle size distribution of the fine droplets of the polymerizable monomer composition affect the volume average particle size and particle size distribution of the polymerized toner. When the particle size of the droplet is too large, the generated polymer toner particles become too large, and the resolution of the image is lowered. If the particle size distribution of the droplets is wide, the fixing temperature varies, causing problems such as fogging and toner filming. Accordingly, it is desirable to form the droplets of the polymerizable monomer composition so as to be approximately the same size as the polymerized toner particles.
[0052]
The volume average particle diameter of the droplets of the polymerizable monomer composition is usually 1 to 12 μm, preferably 2 to 10 μm, more preferably 3 to 8 μm. In order to obtain a high-definition image, particularly when a polymer toner having a small particle diameter is used, the volume average particle diameter of the droplet is preferably 2 to 9 μm, more preferably 3 to 8 μm, and further about 3 to 7 μm. It is desirable to do. The particle size distribution (volume average particle size / number average particle size) of the droplets of the polymerizable monomer composition is usually 1 to 3, preferably 1 to 2.5, and more preferably 1 to 2. In particular, when forming fine droplets, an aqueous dispersion medium containing a monomer composition is placed in a gap between a rotor that rotates at high speed and a stator that surrounds the rotor and has small holes or comb teeth. A distribution method is preferred.
[0053]
One or more of the above-mentioned monovinyl monomers are selected as the polymerizable monomer. To lower the fixing temperature of the toner, the glass transition temperature (Tg) is usually 80 ° C. or lower, preferably 40 to 80 ° C. More preferably, it is preferable to select a polymerizable monomer or a combination of polymerizable monomers capable of forming a polymer of about 50 to 70 ° C. In the present invention, the Tg of the copolymer constituting the binder resin is a calculated value (referred to as “calculated Tg”) calculated according to the type and use ratio of the polymerizable monomer to be used.
[0054]
Suspension polymerization produces colored polymer particles in which an additive component such as a colorant is dispersed in a polymer of a polymerizable monomer. In the present invention, the colored polymer particles can be used as a polymerized toner, but suspension polymerization is performed for the purpose of improving the storage stability (blocking resistance), low-temperature fixability, meltability at the time of fixing, and the like of the polymerized toner. A polymer layer can be further formed on the colored polymer particles obtained by the above process to obtain a capsule toner having a core-shell structure.
[0055]
As a method for forming a core-shell type structure, the above colored polymer particles are used as core particles, and a polymerizable monomer for shell is further polymerized in the presence of the core particles, and a polymer layer is formed on the surface of the core particles. A method of forming (shell) is employed. When a monomer that forms a polymer having a Tg higher than that of the polymer component constituting the core particle is used as the polymerizable monomer for the shell, the storage stability of the polymerized toner can be improved. On the other hand, by setting the Tg of the polymer component constituting the core particle low, the fixing temperature of the polymerized toner can be lowered or the melting characteristics can be improved. Therefore, by forming the core-shell type polymer particles in the polymerization step, a polymerized toner that can cope with high speed printing (copying, printing, etc.), full color, OHP (overhead projector) permeability, and the like can be obtained.
[0056]
As the polymerizable monomer for forming the core and the shell, a preferable monomer can be appropriately selected from the monovinyl monomers described above. The weight ratio of the polymerizable monomer for the core and the polymerizable monomer for the shell is usually 40/60 to 99.9 / 0.1, preferably 60/40 to 99.7 / 0.3, more preferably Is 80 / 20-99.5 / 0.5. If the ratio of the polymerizable monomer for the shell is too small, the effect of improving the storage stability of the polymerized toner is small, and if it is excessive, the effect of reducing the fixing temperature is small.
[0057]
The Tg of the polymer formed by the polymerizable monomer for shell is usually more than 50 ° C. and 120 ° C. or less, preferably more than 60 ° C. and less than 110 ° C., more preferably more than 80 ° C. and less than 105 ° C. The difference in Tg between the polymer formed from the core polymerizable monomer and the polymer formed from the shell polymerizable monomer is preferably 10 ° C. or higher, more preferably 20 ° C. or higher, particularly Preferably it is 30 degreeC or more. In many cases, from the viewpoint of the balance between the fixing temperature and the storage stability, a core polymerizable monomer that can form a polymer having a Tg of usually 60 ° C. or lower, preferably 40 to 60 ° C. is selected. Is preferred. On the other hand, as the polymerizable monomer for the shell, it is preferable to use a monomer that forms a polymer having a Tg exceeding 80 ° C. such as styrene or methyl methacrylate, either alone or in combination of two or more. .
[0058]
The polymerizable monomer for shell is preferably added to the polymerization reaction system as droplets smaller than the average particle diameter of the core particles. When the particle size of the shell polymerizable monomer droplets is too large, it is difficult to form a polymer layer uniformly around the core particles. In order to make the polymerizable monomer for the shell into small droplets, the mixture of the polymerizable monomer for the shell and the aqueous dispersion medium is finely dispersed using, for example, an ultrasonic emulsifier. What is necessary is just to add the obtained dispersion liquid to a polymerization reaction system.
[0059]
When the polymerizable monomer for shell is a relatively water-soluble monomer (for example, methyl methacrylate) having a solubility in water at 20 ° C. of 0.1% by weight or more, It is not necessary to perform the fine dispersion process because it is easy to move quickly, but it is preferable to perform the fine dispersion process in order to form a uniform shell. When the polymerizable monomer for shell is a monomer having a solubility in water at 20 ° C. of less than 0.1% by weight (for example, styrene), it is subjected to fine dispersion treatment or solubility in water at 20 ° C. Is preferably added to the reaction system by adding 5% by weight or more of an organic solvent (for example, alcohols) to the reaction system.
[0060]
A charge control agent can be added to the polymerizable monomer for shell. The charge control agent is preferably the same as that used in the core particle production described above. When used, the charge control agent is usually 0.01 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer for shell. , Preferably 0.1 to 5 parts by weight.
[0061]
To produce a core-shell type polymerized toner, the shell polymerizable monomer or its aqueous dispersion is added to the suspension containing the core particles all at once or continuously or intermittently. To do. When adding the shell polymerizable monomer, it is preferable to add a water-soluble radical initiator in order to efficiently form the shell. If a water-soluble polymerization initiator is added at the time of addition of the shell polymerizable monomer, the water-soluble polymerization initiator enters the vicinity of the outer surface of the core particle to which the shell polymerizable monomer has migrated, and the core monomer surface is overlapped. It is considered that the combined layer is easily formed.
[0062]
Examples of the water-soluble polymerization initiator include persulfates such as potassium persulfate and ammonium persulfate; 2,2′-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) propionamide], 2,2′-azobis- Examples thereof include azo initiators such as [2-methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) ethyl] propionamide]. The amount of the water-soluble polymerization initiator used is usually 0.1 to 50% by weight, preferably 1 to 20% by weight, per 100 parts by weight of the shell polymerizable monomer.
[0063]
The average thickness of the shell is usually 0.001 to 1.0 μm, preferably 0.003 to 0.5 μm, and more preferably 0.005 to 0.2 μm. When the shell thickness is too large, the fixing property of the polymerized toner is lowered, and when it is too small, the storage property of the polymerized toner is lowered. When the core particle diameter and shell thickness of the polymerized toner can be observed with an electron microscope, it can be obtained by directly measuring the particle size and shell thickness randomly selected from the observation photograph. When it is difficult to observe the core and the shell, it can be calculated from the particle size of the core particle and the amount of the polymerizable monomer that forms the shell.
[0064]
2.Stripping process 2:
By the
[0065]
An antifoaming agent can be added to the dispersion during the stripping process. As the antifoaming agent, a silicone-based antifoaming agent can be used, but it is preferable to use a non-silicone-based antifoaming agent from the viewpoint of excellent properties of the polymerized toner. Non-silicone-based antifoaming agents include oil-based antifoaming agents, mineral oil-based antifoaming agents, polyether-based antifoaming agents, polyalkylene glycol type nonionic surfactants, fats and polyalkylene glycol type nonionic surfactants, And at least one non-silicone antifoaming agent selected from the group consisting of an emulsion containing mineral oil and a polyalkylene glycol type nonionic surfactant. Among these non-silicone defoamers, from the viewpoint of defoaming effect and toner properties, mineral oil defoamers, polyalkylene glycol type nonionic surfactants, oils and fats and polyalkylene glycol type nonionic surfactants are used. Emulsions containing are preferred.
[0066]
These antifoaming agents can be selected from various commercially available defoaming agents or anti-foaming agents. The mineral oil-based antifoaming agent is a modified hydrocarbon oil based on mineral oil, and examples of commercially available products include trade name “antifoaming agent DF714S” manufactured by Japan PCM Co., Ltd. Examples of the polyalkylene glycol type nonionic surfactant include a polyethylene glycol type nonionic surfactant and a nonionic surfactant made of a polyoxyethylene / polyoxypropylene block copolymer. A trade name “SN deformer 180” (foam suppressor comprising a polyoxyalkylene-type nonionic surfactant) is available. Emulsions containing fats and oils and polyalkylene glycol type nonionic surfactants are obtained by emulsifying fats and oils with polyalkylene glycol type nonionic surfactants. Examples of commercially available products include products manufactured by San Nopco Co., Ltd. The name “SN deformer 1407K” (foam suppressant composed of oils and fats, emulsions such as polyethylene glycol type nonionic surfactants) and the like. Examples of commercially available polyether antifoaming agents include polyether type surfactants such as “Adecanol LG-51” and “Adecanol LG-109” manufactured by Asahi Denka Co., Ltd. Special polyether compounds such as “U-510” can be used.
[0067]
The solid content concentration of the dispersion containing polymer particles to be supplied to the stripping treatment is preferably in the range of 5 to 45% by weight, more preferably 10 to 40% by weight, and particularly preferably 15 to 35% by weight. . When a dispersion having a relatively high concentration is obtained in the
[0068]
The amount of antifoaming agent such as non-silicone antifoaming agent used is preferably 0.01 to 1 part by weight, more preferably 0.05 to 100 parts by weight of the polymerizable monomer composition or polymer particles. -0.5 parts by weight. If the amount of the antifoaming agent used is too small, it may be difficult to obtain a sufficient antifoaming effect. If the amount is too large, the antifoaming effect may be saturated and the toner characteristics may be adversely affected. Arise.
[0069]
Dispersion stripping methods include inert gas (nitrogen, argon, helium, etc.))How to inject any gas (Bubbling method)ButBe mentioned. BaBringThe law isThis is preferable in that the stripping process can be performed stably. You may employ | adopt the method of performing a reduced pressure stripping, blowing a gas in a dispersion liquid. The gas to be blown can be heated to an appropriate temperature of less than 100 ° C. from the viewpoint of increasing the efficiency of the stripping process and preventing the aggregation of the polymer particles.Inert gasAs a nitrogen gasIspreferable.
[0070]
By heating the dispersion during the stripping treatment, it is possible to help volatilize volatile substances such as residual monomers and increase the recovery efficiency of residual monomers. The temperature of the dispersion during the stripping treatment is preferably not less than the glass transition temperature (Tg) of the polymer component constituting the polymer particles and less than 100 ° C, more preferably not less than Tg and not more than 95 ° C, still more preferably. Tg + 5 ° C. or higher and 90 ° C. or lower. The glass transition temperature (Tg) is a value measured by a differential scanning calorimeter (DSC). When the polymer component has two or more Tg, the lowest Tg is used as a reference. During the stripping process, it is desirable to control the heating conditions and the like so that the temperature of the dispersion is maintained at a desired temperature within the above range.
[0071]
The dispersion is heated using an evaporator (evaporation tank) provided with a heat medium circulation jacket, an evaporator provided with a heat exchanger, an evaporator connected to an external heat exchanger, or the like. The dispersion may be heated by blowing heated gas. If the temperature of the dispersion is too low, evaporation of the dispersion by the stripping treatment becomes insufficient, and the movement of the residual monomer in the polymer particles becomes slow, and the removal rate of the residual monomer is reduced. When the temperature of the dispersion liquid is too high, the dispersion stability of the polymer particles is lowered, and aggregates are generated during the treatment, or adhesion of scale to the wall surface of the evaporator and the stirrer is increased.
[0072]
Although the pressure in an evaporator can be suitably determined with the specific method of a stripping process, it is normally selected from the range of 5-105 kPa. When the gas blowing method is adopted as the stripping treatment method, the pressure in the evaporator can be usually in the range of 70 to 105 kPa. When adopting a vacuum stripping method or a method of vacuum stripping while blowing gas, the pressure in the evaporator is normally controlled within a range of 5 to 70 kPa, preferably 10 to 60 kPa, more preferably 20 to 50 kPa. It is desirable to do.
[0073]
The stripping processing time varies depending on the scale of the processing apparatus, the processing amount, the specific processing method, the level of the desired residual monomer amount, etc., but usually 0.5 to 50 hours, preferably 1 to 30 hours, more preferably Is selected from the range of 3 to 20 hours.
[0074]
It is preferable to arrange a stirrer in the evaporator and perform the stripping treatment while stirring the dispersion. The stirrer is not particularly limited, but those equipped with stirring blades such as wide paddle blades, wide inclined blades, bull margin blades and their deformed blades, full zone blades, wall wetter blades and the like are preferable. Further, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-117272, a part of the stirring blade may protrude from the liquid surface.
[0075]
By the stripping treatment, a part of the aqueous dispersion medium of the dispersion, the residual monomer contained in the dispersion, the residual monomer in the polymer particles, and other volatile substances are removed. As described above, the dispersion in the evaporator is concentrated by the stripping treatment, but an aqueous dispersion medium may be newly added to replenish the evaporated aqueous dispersion medium, if desired. However, according to the method of the present invention, the stripping treatment can be efficiently performed without adding an aqueous dispersion medium. Residual monomers and aqueous dispersion media can be recovered and reused.
[0076]
FIG. 1 shows an example of a stripping processing system that can be suitably employed in the method of the present invention. The
[0077]
After the temperature in the
[0078]
A non-contact type
[0079]
The flow rate of a gas such as nitrogen gas is preferably 0.05 to 2 m from the viewpoint of suppressing foaming.Three/ (Hr · kg), more preferably 0.1 to 1 mThreeIt is desirable to control to be within a range of about / (hr · kg). When simply performing vacuum stripping without blowing gas, the
[0080]
Conventionally, for example, when a stripping process is performed by blowing a gas such as nitrogen gas into a dispersion, nitrogen gas is blown at a constant flow rate from the beginning as shown in the graph shown by the dotted line in FIG. 2 (Comparative Example 1). We were processing. The reason is that the bubble level at the initial stage of the stripping process often shows the maximum value as in the graph (Comparative Example 1) shown by the two-dot broken line in FIG. However, when the stripping process is performed with the nitrogen flow rate fixed, when the other process conditions are fixed, the bubble level gradually decreases as shown in the graph (Comparative Example 1). . If the bubble level is lowered, the stripping process conditions can be changed such that the removal efficiency of volatile substances is increased, such as increasing the nitrogen flow rate. However, in the prior art in which the foam level was not measured during the stripping process, those skilled in the art did not know the possibility of controlling such process conditions.
[0081]
In contrast, the present inventor has found that when the bubble level during the stripping process is detected by a bubble level meter such as a non-contact type bubble level meter, the stripping process condition can be controlled based on the detected bubble level information. It was. If it is found from the bubble level information that the bubble level has decreased, for example, the nitrogen flow rate can be increased accordingly. Specifically, as shown in the graph (Example 1) indicated by the solid line in FIG. 2, when the nitrogen flow rate is increased stepwise during the stripping process, the graph (Example 1) indicated by the one-dot broken line. Thus, the bubble level repeats rising and falling every minute. Therefore, the flow rate of the gas blown into the dispersion can be increased stepwise or continuously under the condition that the bubble level on the liquid surface of the dispersion remains in the gas phase in the evaporator. When the nitrogen flow rate is increased stepwise or continuously (Example 1), compared with the case where the nitrogen flow rate is fixed from the beginning (Comparative Example 1), the polymerization has the same level of residual monomer concentration in a short time. Toner can be obtained.
[0082]
In the present invention, the bubble level is indicated as the bubble level (%), with the height of the evaporator as a reference (100%) and the bubble height from the bottom as a percentage. If the level of the dispersion is at 60% of its height in the evaporator, the foam level will exceed 60%. If the foam level is 100%, the foam level on the liquid level of the dispersion will remain in the vapor phase in the evaporator, but to prevent the exhaust line and condenser from being contaminated with foam. It is desirable to control the foam level to 95% or less, preferably 90% or less, more preferably 85% or less. On the other hand, the level of the dispersion is usually 80% or less, preferably 70% or less, more preferably 60% or less, based on the height of the evaporator (100%).
[0083]
In the present invention, in the stripping process, the dispersion is stripped in the evaporator, and the foam level on the liquid surface of the dispersion does not exceed 95% based on the height of the evaporator, and The stripping process conditions are controlled so that the bubble level decreases within 10% from the beginning of the stripping process. Of course, the reduction rate of the bubble level is also a value based on the height of the evaporator.
[0084]
Specifically, as described above, when the nitrogen flow rate is increased stepwise during the stripping process as in the graph shown in the solid line in FIG. As in Example 1), the bubble level is repeatedly increased and decreased every minute. The nitrogen flow rate is increased stepwise or continuously so that the extent of this bubble level reduction is within 10% based on the height of the evaporator. If the reduction of the foam level exceeds 10%, it is difficult to shorten the processing time, and it may be difficult to stably control the foam level. As shown in the graph (Example 1) shown by the one-dot broken line in FIG. 2, when the process starts at a condition where the initial bubble level of the stripping process is about 80%, the bubble level decreases, but the degree of the decrease. Increases the nitrogen flow rate within 10%. As the nitrogen flow rate is increased, the bubble level is controlled not to exceed 95%. Increasing the nitrogen flow rate increases the bubble level, but often shows a downward trend again. Therefore, the nitrogen gas flow rate is increased again when the bubble level falls within 10%. Such nitrogen flow rate control is performed until the stripping process is completed.
[0085]
In FIG. 2, the case has been described in which other processing conditions are fixed and the flow rate of nitrogen blown into the dispersion liquid is controlled. However, in addition to using a gas other than nitrogen gas, the temperature of the dispersion liquid, Various processing conditions such as the pressure, the stirring speed of the dispersion, and the amount of the aqueous dispersion medium to be replenished to the dispersion during the stripping process can be varied to improve the processing efficiency. In addition, when the foam level increases too much during the stripping process, it is possible to control the processing conditions in the direction in which the foam level decreases.
[0086]
Among these treatment conditions, the stripping treatment conditions to be controlled are preferably the temperature of the dispersion, the pressure in the evaporator, the flow rate of the gas blown into the dispersion, or a combination of two or more of these. When it is difficult to change the temperature of the dispersion or the pressure in the evaporator during the stripping process, a method of controlling the gas flow rate is particularly preferable.
[0087]
That is, in the present invention, in
[0088]
According to the method of the present invention, since the processing conditions can be controlled while suppressing foaming of the dispersion at the liquid level, the stripping process can be performed stably and efficiently. According to the method of the present invention, the amount of residual monomer can be controlled by controlling the stripping process conditions or selecting an antifoaming agent.3Polymer particles (polymerized toner) of less than 0 ppm can be obtained.
[0089]
When the non-silicone antifoaming agent described above is used as an antifoaming agent, a polymerized toner having a high charge amount can be obtained without adversely affecting the chargeability of the polymerized toner. In the polymerized toner obtained by the method of the present invention, fog is remarkably suppressed, the image density is high, and there is no variation in image density.
[0090]
3.Recovery process 3:
After the stripping
[0091]
The volume average particle size of the polymerized toner of the present invention (including a capsule toner having a core / shell structure) is usually 1 to 12 μm, preferably 2 to 11 μm, more preferably 3 to 10 μm. When obtaining a high-definition image by increasing the resolution, it is particularly desirable to reduce the volume average particle diameter of the toner to preferably 2 to 9 μm, more preferably 3 to 8 μm.
[0092]
The particle size distribution represented by volume average particle size (Dv) / number average particle size (Dp) of the polymerized toner of the present invention is usually 1.7 or less, preferably 1.5 or less, more preferably 1.3 or less. It is. If the volume average particle size of the polymerized toner is too large, the resolution tends to decrease. If the particle size distribution of the polymerized toner is large, the proportion of toner having a large particle size increases, and the resolution tends to decrease.
[0093]
In the polymerized toner of the present invention, the sphericity represented by the ratio (dl / ds) of the major axis (dl) to the minor axis (ds) is preferably 1 to 1.3, more preferably 1 to 1.2. It is preferably substantially spherical. When substantially spherical polymerized toner is used as the non-magnetic one-component developer, the transfer efficiency of the toner image on the photoreceptor to the transfer material is improved.
[0094]
The polymerized toner of the present invention can be used as a toner component of various developers, but is preferably used as a nonmagnetic one-component developer. When the polymerized toner of the present invention is a non-magnetic one-component developer, an external additive can be mixed as necessary. Examples of the external additive include inorganic particles and organic resin particles that act as a fluidizing agent and an abrasive.
[0095]
Examples of the inorganic particles include silicon dioxide (silica), aluminum oxide (alumina), titanium oxide, zinc oxide, tin oxide, barium titanate, and strontium titanate. As organic resin particles, methacrylic acid ester polymer particles, acrylic acid ester polymer particles, styrene-methacrylic acid ester copolymer particles, styrene-acrylic acid ester copolymer particles, a core is a styrene polymer, and a shell is methacrylic acid. Examples thereof include core / shell type particles formed of an ester copolymer.
[0096]
Among these, inorganic oxide particles are preferable, and silicon dioxide is particularly preferable. The surface of the inorganic fine particles can be hydrophobized, and silicon dioxide particles that have been hydrophobized are particularly suitable. Two or more types of external additives may be used in combination. In the case of using a combination of external additives, a method of combining inorganic particles having different average particle sizes or a combination of inorganic particles and organic resin particles is preferable. . The amount of the external additive is not particularly limited, but is usually 0.1 to 6 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerized toner. In order to attach the external additive to the polymerized toner, the polymerized toner and the external additive are usually placed in a mixer such as a Henschel mixer and stirred.
[0097]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples and comparative examples. However, the present invention is not limited only to the following examples. Parts and% are based on weight unless otherwise specified. The evaluation methods performed in this example are as follows.
[0098]
1.Measurement of residual monomer content:
(1) Before stripping process:
Weigh precisely 3 g of polymer particles before stripping to the nearest 1 mg. After adding 27 g of N, N-dimethylformamide to 3 g of polymer particles and stirring for 15 minutes, 13 g of methanol is added and further stirred for 10 minutes. The solution thus obtained is allowed to stand to precipitate insolubles. The supernatant of this solution is taken as a measurement sample, and 2 μl thereof is injected into a gas chromatograph to quantify the amount of monomer.
[0099]
The measurement conditions by gas chromatograph are column = TC-WAX (0.25 mm × 30 m), column temperature = 80 ° C., injection temperature = 200 ° C., FID detection side temperature = 200 ° C. As a standard sample for determination, an N, N-dimethylformamide / methanol solution of each monomer is used.
[0100]
Since the polymer particles before the stripping treatment are in a wet state, the amount of monomer in the polymer particles is calculated as a ratio to the pure solid content in the polymer particles in the wet state. That is, the monomer amount is calculated by multiplying the calculated pure solid content ratio by the monomer amount in the wet polymer particles. The pure solid content in the wet polymer particles is determined by the following procedure. (i) The aqueous dispersion of polymer particles before the stripping treatment is collected. (ii) The collected aqueous dispersion is filtered to obtain wet polymer particles. (iii) Weigh the wet polymer particles to the nearest 1 mg. (iv) The wet polymer particles are dried at 105 ° C. for 1 hour, and the weight of the solid content obtained by drying is precisely weighed. (v) The ratio of the pure solid content in the polymer particles in a wet state is calculated from the weight difference between before and after drying.
[0101]
(2) After stripping process:
After the stripping treatment, 3 g of the washed and dried polymer particles are precisely weighed to the nearest 1 mg. The monomer amount is measured in the same manner as described above except that the polymer particles are used. The amount of monomer in the polymer particles after washing and drying is calculated as a ratio to the weight of the polymer particles. In Examples and Comparative Examples, the type of residual monomer after stripping treatment / drying was only styrene.
[0102]
2.Toner characteristics evaluation:
(1) Particle size:
The particle size distribution represented by the volume average particle size (Dv) of the polymer particles (toner particles) and the ratio (Dv / Dp) of the volume average particle size (Dv) to the number average particle size (Dp) is Measured with a sizer (Beckman Coulter). The measurement with the multisizer is performed under the conditions of aperture diameter = 100 μm, medium = Isoton II, concentration = 10%, and number of measured particles = 100,000.
[0103]
(2) Charge amount:
Copy paper is set in a commercially available non-magnetic one-component developing type printer (printing speed = 24 sheets / min), and developer (toner) to be evaluated is put in the developing device. Printing is performed after standing overnight in an environment with a temperature of 23 ° C and a humidity of 50% (N / N environment), and the developer on the developing roll is sucked into the suction-type charge amount measuring device at the initial stage of printing, and the charge amount and suction The charge amount per unit weight [Q / M (μC / g)] is measured from the amount.
[0104]
3.Image evaluation:
(1) Print density:
The printer is used for a day and night in an environment (N / N environment) at a temperature of 23 ° C. and a humidity of 50%. After that, continuous printing is performed at an initial density of 5%, and solid printing is performed at the time of printing the 100th sheet. Using a McBeth transmission image density measuring machine, the solid front end print density and the solid rear end print density were measured.
[0105]
(2) Fog:
The developer to be evaluated is put in a developing device of a commercially available non-magnetic one-component developing type printer (printing speed = 24 sheets / min). After standing for 24 hours in an environment with a temperature of 23 ° C. and a humidity of 50% (N / N environment), continuous printing is performed at 5% density, solid printing is performed after printing 100 sheets, and printing is stopped halfway. The toner in the non-image area on the photoconductor after development was peeled off with an adhesive tape (manufactured by Sumitomo 3M, Scotch Mending Tape 810-3-18) and attached to a new copy sheet. The whiteness (B) of the copy paper with the adhesive tape attached was measured with a whiteness meter (manufactured by Nippon Denshoku). Similarly, the whiteness (A) of the copy paper on which only the adhesive tape was attached was measured. The difference in whiteness (A−B) was calculated as the fog value.
[0106]
[Example 1]
(1)Preparation process of polymerizable monomer composition for core:
Polymeric monomer for core comprising 80.5 parts of styrene and 19.5 parts of n-butyl acrylate (Tg = 55 ° C. of copolymer obtained by copolymerizing these monomers), polymethacrylic acid Ester macromonomer (manufactured by Toa Gosei Chemical Co., Ltd., trade name “AA6”, Tg = 94 ° C.) 0.3 part, divinylbenzene 0.5 part, t-dodecyl mercaptan 1.2 part, carbon black (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) , Trade name "# 25") 7 parts, charge control agent (made by Hodogaya Chemical Co., Ltd., trade name "Spiron Black TRH"), release agent (Fischer-Tropsch Wax, Sasol, trade name "Paraprint" 2 parts of spray 30 ”, endothermic peak temperature = 100 ° C.) were wet-ground using a media-type wet pulverizer to prepare a polymerizable monomer composition for the core.
[0107]
(2)Preparation process of aqueous dispersion medium:
An aqueous solution in which 6.2 parts of sodium hydroxide (alkali metal hydroxide) is dissolved in 50 parts of ion-exchanged water is dissolved in an aqueous solution in which 10.2 parts of magnesium chloride (water-soluble polyvalent metal salt) is dissolved in 200 parts of ion-exchanged water. The mixture was gradually added with stirring to prepare a magnesium hydroxide colloid (slightly water-soluble metal hydroxide colloid) dispersion. When the particle size distribution of the produced colloid was measured with a Microtrac particle size distribution measuring instrument (manufactured by Nikkiso Co., Ltd.), the particle size was D50 (50% cumulative value of the number particle size distribution) of 0.35 μm and D90 ( 90% cumulative value of the number particle size distribution) was 0.84 μm. The measurement with this microtrack particle size distribution measuring device was performed under the conditions of measurement range = 0.12 to 704 μm, measurement time = 30 seconds, medium = ion exchange water.
[0108]
(3)Process for preparing aqueous dispersion of polymerizable monomer for shell:
3 parts of methyl methacrylate (Tg of homopolymer = 105 ° C.) and 100 parts of water were finely dispersed with an ultrasonic emulsifier to obtain an aqueous dispersion of a polymerizable monomer for shell. The droplet diameter of the polymerizable monomer for shell was measured by adding the obtained droplet to a 1% sodium hexametaphosphate aqueous solution at a concentration of 3% and measuring with a Microtrac particle size distribution analyzer. It was 1.6 μm.
[0109]
(Four)Droplet formation process:
The core polymerizable monomer composition prepared in the step (1) was added to the aqueous dispersion medium containing the magnesium hydroxide colloid obtained in the step (2) and stirred until the droplets were stabilized. Next, after adding 6 parts of t-butyl peroxy-2-ethylhexanoate (manufactured by NOF Corporation, trade name “Perbutyl O”) as a polymerization initiator to the aqueous dispersion medium, the granulator Ebara Milder (Ebara Seisakusho) Were used to form fine droplets of the polymerizable monomer composition in the aqueous dispersion medium. In this manner, an aqueous dispersion in which droplets of the polymerizable monomer composition for the core were dispersed was prepared.
[0110]
(Five)Polymerization process:
The aqueous dispersion in which the droplets of the polymerizable monomer composition for core prepared in step (4) were dispersed was placed in a reactor equipped with a stirring blade, and the temperature was raised to 85 ° C. to initiate the polymerization reaction. . The polymerization reaction was carried out until the polymerization conversion reached almost 100%. At that time, the water-soluble initiator [manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., trade name “VA-086”; 2,2′-azobis [2 -Methyl-N- (2-hydroxyethyl) -propionamide]] in an aqueous solution in which 0.3 part was dissolved was added to the reactor. After the polymerization was continued for 4 hours, the reaction was stopped by cooling to obtain a dispersion containing the produced core-shell polymer particles (hereinafter referred to as “polymer particle dispersion”). The polymer particle dispersion had a solid content concentration of 27%. At this point, the amount of residual monomer in the polymer particles before the stripping treatment was measured.
[0111]
(6)Stripping process:
In order to strip the polymer particle dispersion obtained in the step (5), the treatment system shown in FIG. 1 was used. At the top of the
[0112]
The nitrogen gas after stripping was sequentially led to the
[0113]
Stripping treatment is performed at a temperature of about 80 ° C. of the polymer particle dispersion, a pressure of 101 kPa in the
[0114]
In this way, the stripping process was performed for 5 hours while controlling the flow rate of the nitrogen gas stepwise. Thereafter, the aqueous dispersion was cooled to 25 ° C. Further, the polymer particles before the treatment were sampled, and the amount of residual monomer in the polymer particles was measured.
[0115]
(7)Post-processing process:
After the step (6), sulfuric acid was added to the polymer particle dispersion while stirring to perform acid washing (25 ° C., 10 minutes), and the pH of the dispersion was adjusted to 4.5 or less. This dispersion was dehydrated and washed using a continuous belt filter (trade name “Eagle Filter” manufactured by Sumitomo Heavy Industries, Ltd.), and the solid content was separated by filtration. The solid content was dried at 45 ° C. for 10 hours in a dryer, polymer particles having a volume average particle size (Dv) of 7.5 μm and a particle size distribution (Dv / Dp) of 1.19 (core-shell type weight). Combined particles) were recovered. The amount of residual monomer in the polymer particles after drying was measured.
[0116]
(8)Non-magnetic one-component developer preparation process:
To 100 parts of the polymer particles recovered in the step (7), 0.8 part of silica having a hydrophobized average particle diameter of 14 nm (trade name “RX200” manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) is added, and a Henschel mixer is used. And mixed to prepare a non-magnetic one-component developer (electrophotographic toner) for developing electrostatic images. Image evaluation was performed about the obtained toner. The results are shown in Table 1.
[0117]
[Comparative Example 1]
In the stripping treatment step of Example 1, the nitrogen gas amount was 0.6 m from the initial value without controlling the nitrogen gas flow rate.ThreeThis was carried out in the same manner as in Example 1 except that the treatment was fixed for a certain amount of / (hr · kg) and treated for 6 hours. As shown by the two-dot broken line in FIG. 2, the bubble level gradually decreased from about 80% in the initial stage, and reached about 60% at the end of the stripping process. The results are shown in Table 1.
[0118]
[Comparative Example 2]
In the stripping process step of Example 1, the nitrogen gas amount was adjusted to 0.8 m from the initial stage without controlling the nitrogen gas flow rate.ThreeStripping treatment was performed in the same manner as in Example 1 except that the treatment was started at / (hr · kg). Under these processing conditions, a large amount of foam was generated at the start of processing, the foam level exceeded 100%, and the foam reached the
[0119]
[Table 1]
[0120]
As is apparent from the results shown in Table 1, when the bubble level in the evaporator is detected using a non-contact type bubble level meter in the stripping process, and the flow rate of nitrogen gas is controlled based on the detection result ( It can be seen that Example 1) can be processed in a short time while suppressing excessive foaming on the liquid surface.
[0121]
On the other hand, when the nitrogen gas flow rate is fixed from the beginning and the stripping process is performed, if the nitrogen gas flow rate is appropriate (Comparative Example 1), foaming can be suppressed, but the same level as in Example 1. It takes 6 hours to obtain the residual monomer concentration.
[0122]
Further, when the stripping process is performed with the nitrogen gas flow rate fixed from the beginning, when the nitrogen gas flow rate is excessive (Comparative Example 2), foaming becomes significant and stable stripping process cannot be performed.
[0123]
【The invention's effect】
According to the production method of the present invention, the dispersion containing polymer particles can be stably and efficiently stripped while suppressing foaming on the liquid surface, and the amount of residual polymerizable monomer is remarkable. It is possible to obtain a polymerized toner that is reduced to an excellent level and has excellent toner characteristics. The polymerized toner obtained by the method of the present invention has a large charge amount, does not cause fogging, has a high printing density, and has no variation in printing density.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of a stripping processing system employed in the manufacturing method of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between processing time and nitrogen flow rate, processing time and bubble level.
[Explanation of symbols]
1: evaporator, 2: stirring blade, 3: gas blowing tube,
4: blower, 5: gas line, 6: condenser, 7: condensation tank,
8: Gas line, 9: Volatile substance removing device, 10: Gas circulation line, 11: Non-contact type foam level meter.
Claims (3)
(1)上部に非接触型泡レベル計を設置した蒸発器内で分散液のストリッピング処理を行い、
(2)蒸発器内の分散液に、重合体粒子100重量部に対して0.01〜1重量部の非シリコーン系消泡剤を添加し、
(3)蒸発器内の分散液を加熱して、ストリッピング処理時の分散液の温度を、重合体粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度以上100℃未満の温度に調節し、
(4)蒸発器内の分散液中へ流量0.05〜2m 3 /(hr・kg)の範囲内で不活性ガスを吹き込み、ストリッピング処理中、分散液の液面上に発生する泡のレベルを非接触型泡レベル計により検知し、検知した泡レベル情報に基づいて、分散液に吹き込む気体の流量を含むストリッピング処理条件を制御する方法により、
a)ストリッピング処理の初期から、分散液の液面上の泡レベルが、蒸発器の高さを基準として、95%を越えないように制御すると共に、
b)ストリッピング処理の初期からの泡レベルの低下が10%以内となるように、分散液中に吹き込む不活性ガスの流量を段階的または連続的に増大させてストリッピング処理を行い、
(5)それによって、残留モノマー量が30ppm未満の重合体粒子を得る
ことを特徴とする重合トナーの製造方法。Production step 1 of polymer particles including a step of polymerizing a polymerizable monomer composition containing at least a colorant and a polymerizable monomer in an aqueous dispersion medium, and a dispersion containing the polymer particles is stored. A method for producing a polymerized toner comprising a step 2 of removing a residual polymerizable monomer in polymer particles by ripping treatment and a step 3 of recovering polymer particles from a dispersion after stripping treatment. In step 2,
(1) The dispersion is stripped in an evaporator equipped with a non-contact type foam level meter at the top ,
(2) To the dispersion in the evaporator, 0.01 to 1 part by weight of a non-silicone antifoaming agent is added to 100 parts by weight of the polymer particles,
(3) The dispersion in the evaporator is heated, and the temperature of the dispersion during the stripping treatment is adjusted to a temperature not lower than the glass transition temperature of the polymer component constituting the polymer particles and lower than 100 ° C.
(4) An inert gas is blown into the dispersion in the evaporator at a flow rate of 0.05 to 2 m 3 / (hr · kg), and bubbles generated on the liquid surface of the dispersion during the stripping process By detecting the level with a non-contact type foam level meter and controlling the stripping process conditions including the flow rate of the gas blown into the dispersion based on the detected foam level information,
a) From the beginning of the stripping process, the foam level on the surface of the dispersion is controlled so as not to exceed 95% based on the height of the evaporator ,
b) The stripping process is performed by increasing the flow rate of the inert gas blown into the dispersion stepwise or continuously so that the reduction in the foam level from the initial stage of the stripping process is within 10% .
(5) A method for producing a polymerized toner, wherein polymer particles having a residual monomer content of less than 30 ppm are thereby obtained .
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