JP4146544B2 - スプリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば宇宙空間で打上げロケット等から人工衛星等のペイロードをスピンを与えて放出するスプリング装置等、固定側の部材に対して移動側の部材を回転させつつ離反するように並進させるスプリング装置に関する。さらに特定すれば、本発明は重量あたりの吸収エネルギすなわち蓄積エネルギが大きく、また移動側の部材の案内機構等を必要とせず、構造が簡単で軽量、小形化の容易なスプリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、たとえば宇宙空間において打上げロケットから人工衛星等のペイロードを放出するにはスプリングを使用した装置が多く用いられている。このようなスプリングを用いたペイロード放出装置は、構造が比較的簡単であり、また軽量、小形に形成できるという利点がある。
【0003】
ところで、上記のような従来の装置では、スプリングとしてコイルスプリングが使用されている。このため、従来の装置には、以下のような改善すべき問題が残されていた。
【0004】
まず、上記のようなペイロード放出装置では、スプリングの単位重量あたりの吸収エネルギ量、すなわち放出の際のペイロードの加速のための蓄積エネルギ量が大きいことが好ましい。
【0005】
スプリングでは、その材料を選択することによって単位重量あたりの蓄積エネルギ量を大きくすることができる。たとえば、繊維強化樹脂等の複合材料は、鋼材料等の金属材料と比較してその単位重量あたりの蓄積弾性エネルギ量が大きいという特長がある。
【0006】
しかし、このような繊維強化材料の線材は、その繊維が線材の長手方向に沿って配列されているため、そのねじり弾性力は小さく、ねじり変形では蓄積エネルギを大きくすることができない。コイルスプリングは伸縮の際に素線がねじり変形するものであるので、このような繊維強化材料等の複合材料でコイルスプリングを製造しても、その単位重量あたりの蓄積エネルギを大きくすることができないという問題がある。
【0007】
また、コイルスプリングは、その軸線と直交する方向の曲げ剛性が極めて小さいため、伸張してペイロードを放出する際に、このペイロードに作用する力の方向が安定せず、このペイロードを平行に一定の方向に移動させること、すなわち並進を正確に行うことができない。このため、従来の装置では、ペイロードを正確に並進させるためにガイドレール等の案内機構を必要とし、構造が複雑で信頼性が低下するとともに、重量が大きく、かつ大形化する。
【0008】
また、人工衛星等では、これを放出する際に並進とともに回転すなわちスピンを与える必要がある場合が多い。従来の装置では、このようなスピンを与えるために、コイルスプリングとは別に人工衛星にスピンを与える機構を必要とし、構造が複雑でかつ重量が大きくなり、また大形化する。
【0009】
また、複数のコイルスプリングを同一円周面上に斜めに配置し、これらのコイルスプリングが伸張することにより、人工衛星等に並進とスピンを同時に与えるものがある。しかし、コイルスプリングは前記のように、軸方向と直交する方向の曲げ剛性が小さいため、この人工衛星を正確に並進させ、かつ所定の回転軸まわりに正確に回転させることは困難である。特に、人工衛星には、その形状や内部の質量分布等の原因によって、放出時の並進およびスピンの加速中にスピンの不安定性が生じるものがあり、従来の装置ではこのような人工衛星を正確に放出することが困難となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情に基づいてなされたもので、人工衛星等の移動側の部材にスピンを与えて並進させるとともに、重量あたりの蓄積エネルギが大きく、また移動側の部材の案内機構等を必要とせず、構造が簡単で軽量、小形化の容易なスプリング装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、固定側部材と、この固定側部材に対して軸線方向に並進しつつこの軸線を回転中心軸線として回転しながら移動する移動側部材と、上記の固定側部材から上記の軸線方向に突設された弾性的に曲げ変形可能な複数の直線状の棒状のバネ部材とを備え、これらのバネ部材は上記の移動側部材の回転中心軸線を中心とする同一円周上に配置されていて、少なくとも一端部が上記の固定側部材に固着され他端部は移動側部材に連結されており、移動側部材を回転中心軸線を中心として固定側部材に対して回転させ、かつ固定側部材に近接させることにより少なくとも上記の回転中心軸線を中心とする周方向に曲げ変形して弾性エネルギを蓄積し上記円周の一部に沿う、ものである。
【0012】
したがって、上記の移動側部材が回転しつつ固定側部材に近接することにより、上記のバネ部材が周方向に弾性的に曲げ変形し、弾性エネルギが蓄積される。また、この移動側部材が解放されると、弾性力によりバネ部材の他端部が軸線方向に移動するとともに周方向に移動し、この移動側部材を回転させつつ並進させることができる。よって、この移動側部材を回転させる特別の機構を必要とせず、構造が簡単で信頼性が高く、また軽量、小形に形成することができる。
また、前記のバネ部材は、前記の回転中心軸線を中心とする同一円周上に配置されているものである。よって、これらのバネ部材からの荷重が移動側部材の回転中心軸線から等しい距離にある位置に等しく作用するので、この移動側部材をより安定してかつ正確に回転および並進させることができる。
【0013】
このスプリング装置は、バネ部材が曲げ変形するものであるから、繊維強化材料等の複合材料を使用することができ、その重量に対する蓄積弾性エネルギを大きくすることができる。
【0014】
また、各バネ部材が回転中心軸線に対して対称に配置されており、これらの各バネ部材が移動側部材に軸方向の荷重を与えるので、この移動側部材が傾動したり、回転中心がずれたりする方向の剛性が高い。したがって、この移動側部材を正確かつ安定して並進させることができ、この移動側部材の案内機構等を必要とせず、構造が簡単で信頼性が高く、また軽量、小形に形成することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明は、前記のバネ部材の他端部は、前記の移動側部材に対して少なくとも前記の周方向に回動自在に連結されているものである。したがって、これらのバネ部材は、単純な曲げ変形となり、これらのバネ部材に無理な曲げ変形を生じることがないので、信頼性が高い。
【0016】
また、請求項3に記載の本発明は、前記の移動側部材は、このスプリング装置によって回転しつつ並進されてペイロード等の放出される部材に当接してこの部材を回転させつつ並進させるものであり、この移動側部材と放出される部材とは前記の周方向に係合するとともに前記の軸線方向に離脱可能に連結されているものである。したがって、人工衛星等のペイロードを放出するものにおいては、この移動側部材を固定側部材に対して回転させつつ軸線方向に近接させ、この状態でこの移動側部材の上にペイロードを装着すればよく、作業性が良い。
【0017】
また、請求項4に記載の本発明は、前記の移動側部材は、このスプリング装置によって回転しつつ並進されて放出されるペイロード等の部材であり、前記のバネ部材の他端部は、この移動側部材に対して前記の周方向に係合しかつ前記の軸線方向に離脱可能に連結されているものである。したがって、これらのバネ部材はペイロードに直接連結されているので、構造が簡単でより軽量化することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の本発明は、前記の移動部材とペイロード等の放出される部材との連結は、前記の回転軸線に対して径方向に移動不能に係合しているものである。したがって、このペイロードがバネ部材によって回転されつつ並進される場合に、このペイロードと移動部材との回転中心がずれることがなく、上記のようなこのスプリング装置の傾動または中心のずれ方向の剛性が高いことと相俟って、このペイロードを正確にスピンさせつつ並進させ、正確に放出することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の本発明は、前記のバネ部材の他端部と放出される部材との連結は、前記の回転軸線に対して径方向に移動不能に係合しているものである。したがって、このペイロードがバネ部材によって回転されつつ並進される場合に、このペイロードの回転中心がずれることがなく、上記のようなこのスプリング装置の傾動または中心のずれ方向の剛性が高いことと相俟って、このペイロードを正確にスピンさせつつ並進させ、正確に放出することができる。
【0021】
また、請求項に記載の本発明は、前記のバネ部材の他端部は、前記の移動側部材に固着されているものである。したがって、これらのバネ部材は、両端固定の状態で曲げ変形されるので、より蓄積エネルギを大きくすることができる。
【0022】
また、請求項に記載の本発明は、前記のバネ部材の断面形状は、前記の回転軸線に対して径方向に細長い偏平形状のものである。したがって、このバネ部材は径方向の曲げ剛性が大きく、移動側部材の回転中心のずれ方向に対しての剛性が大きく、この移動側部材をより正確に安定して回転および並進させることができる。
【0023】
また、請求項に記載の本発明は、前記のバネ部材は、対をなす複数対のものであり、各対のバネ部材は、それらの一端部が前記の固定側部材に固着されているとともに、前記の中心軸線に対する径方向の面内において三角形を構成して配置されているものである。したがって、これら対をなすバネ部材でトラス構造が構成されるので、これらの径方向の剛性が高くなり、移動側部材の回転中心のずれ方向に対しての剛性が大きく、この移動側部材をより正確に安定して回転および並進させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。図1ないし図7には本発明の第1の実施形態を示し、このものは人工衛星等のペイロードをスピンすなわち回転を与えつつ並進させて放出するスプリング装置である。
【0025】
図中の1は打上げロケット等のベース側、2は放出する人工衛星等のペイロードである。これらベース側1とペイロード2との間には、後述する本発明のスプリング装置10が介在され、このスプリング装置10により、このペイロードは軸線すなわち回転中心軸線Oまわりに所定のスピンすなわち回転を与えられつつ、このベース側1から上記の回転中心軸線Oの方向に所定の並進速度で放出されるように構成されている。
【0026】
なお、上記のベース側1およびペイロード2には、一対のフランジ部材4が取付けられ、これらフランジ部材4はロック機構、たとえばバンド部材5により締結され、打上げ時の荷重に耐えるように構成されている。なお、上記のバンド部材5は、複数たとえば3個に分割されており、それらはフランジ部6を介して爆発ボルト7で締結されている。そして、このペイロード2の切り離し時には、図2に示すように、上記の爆発ボルト7を分断し、これによりベルト部材5が分割されて上記のペイロード2を解放する。
【0027】
次に、この第1の実施形態の上記のスプリング装置10の構成を説明する。このスプリング装置は、固定側部材11と、移動側部材12、およびこれらを連結する複数のバネ部材13とから構成されている。この実施形態の場合には、上記の固定側部材11、移動側部材12はいずれもリング状をなしており、固定側部材11は上記のベース側1に取付けられており、また移動側部材12は後述する係合機構を介して上記のペイロード2と係合している。
【0028】
上記のバネ部材13は、たとえば平行な炭素繊維で強化された樹脂材料等の複合材料で形成され、大きな曲げ弾性を備え、この曲げ弾性変形により蓄積される単位重量あたりの弾性エネルギが大きい材料が選択される。この実施形態の場合には、このバネ部材は、たとえば断面が円形または四角形の直線状の棒状の部材が使用されている。
【0029】
これらのバネ部材13の一端部には、たとえば図5に示すようにテーパ状の密嵌部材14が取付けられ、これらの密嵌部材14は前記の固定側部材11に設けられた密嵌受部材15内に密着嵌合してピン16により抜け止めがなされており、これらのバネ部材13はその一端部が固定側部材11に固着され、回転中心軸線Oと平行な方向に突設されている。なお、本明細書において「固着」とは、2つの部材が互いに移動不能に一体的に取付けられていることを意味する。
【0030】
また、上記のリング状の固定側部材11および移動側部材12は、いずれも前記の回転中心軸線Oと同心状に配置されている。そして、上記のバネ部材13は、このリング状の固定側部材11上に周方向に沿った所定の間隔で配置されており、よってこれらのバネ部材13は上記の回転中心軸線Oに対して同一円周上に等間隔に配置されている。
【0031】
また、これらのバネ部材13の他端部には、それぞれロッドエンド18が取付けられ、これらのロッドエンド18は軸19によって前記の移動側部材12に周方向に回動自在に取付けられている。
【0032】
上記のようなスプリング装置10は、自由状態では図2および図3に示すように各バネ部材13が直線状をなしているが、移動側部材12を回転中心軸線Oを中心として固定側部材11に対して回転させ、かつこの固定側部材11に近接させることにより、図1および図4に示すように各バネ部材13が周方向に曲げ変形し、その弾性エネルギが蓄積される。そして、この状態において、このスプリング装置10をベース側1とペイロード2との間に介在させ、バンド部材5により締結される。
【0033】
そして、前述の如くこのバンド部材5による締結が解放されると、スプリング装置10の各バネ部材13が弾性力により周方向に伸展する。これによって、移動側部材12が回転中心軸線Oの方向に平行に移動すなわち並進するとともに、この移動側部材12が回転中心軸線Oを中心として回転する。これにより、上記のペイロード2は、所定の速度で並進しながら所定の速度で回転される。そして、上記のバネ部材13が略直線状まで伸展すると、移動側部材12の並進速度が零となる。したがって、ペイロード2は所定の回転、すなわちスピンを与えられた状態で所定の並進速度で移動側部材12から離脱し、放出される。
【0034】
次に、図6および図7を参照して、この移動側部材12によりこのペイロード2を回転および並進させるとともに、移動側部材12から円滑に離脱させる係合機構20を説明する。上記の移動側部材12には、図6に示すように、係合溝21が形成されている。この係合溝21は、前記の回転中心軸線Oを中心とする円弧状をなし、周方向に所定の長さを有している。
【0035】
また、上記のペイロード2の底面には、係合爪部材22が取付けられている。この係合爪部材22は、ペイロード2の底面に取付けるための取付けブラケット部24と、係合爪部23とを備えている。なお、上記の係合溝21と係合爪部材22とは、複数個、たとえば6個のものが周方向に等間隔で配置されている。
【0036】
上記の係合爪部23は、上記の係合溝21内に嵌合し、この移動側部材12とペイロード2とを周方向に係合するとともに、径方向にも移動不能に嵌合している。また、この係止爪部23は、この係止溝21に対して回転中心軸線Oの方向に離脱自在に嵌合している。
【0037】
また、上記の係合爪部23の背面側は斜めに切除された形状をなしており、また上記の係止溝21の長さも所定の長さに設定されている。そして、所定の速度の回転Rと所定の速度の並進Vが与えられたペイロード2がこの移動側部材12から離脱する際に、この移動側部材12に対する相対的な螺旋移動Sの軌跡内でこの係止爪部材32と係止溝21の縁部等とが干渉するのが防止されるように各部の寸法が設定されている。
【0038】
なお、このような係合機構は、必ずしも上記のものには限定されず、たとえば係合する部材を移動側部材の外周に突設してもよく、また機械的な係合には限定されず、電磁的な結合・解放機構でもよい。
【0039】
上記のスプリング装置10は、周方向に等間隔に配置された複数のバネ部材13を備えているので、移動側部材12およびペイロード2の傾きや回転中心のずれに対する剛性が高い。
【0040】
すなわち、この移動部材12が傾動した場合には、固定側部材11に近接する側に位置しているバネ部材13はより大きく曲げ変形され、また反対側に位置しているバネ部材13は曲げ変形が減少する。このため、この移動側部材12のわずかな傾動でも、その復元力は大きく、この移動側部材12およびペイロード2の傾動に対するこのスプリング装置の剛性は大きくなり、これらを正確かつ安定して並進させることができる。
【0041】
また、この移動側部材12およびペイロード2が、その回転中心がずれるように移動した場合には、このずれ方向と直交する方向に位置しているバネ部材13には、その曲げ変形がより大きく、および小さくなるように変形され、またこのずれ方向に位置しているバネ部材13にはねじり変形が生じ、さらにこの場合には移動側部材12が固定側部材11に対して平行に移動することになるので、各バネ部材13には複雑な曲げ変形が生じる。このため、この移動側部材12のわずかなずれに対しても、その復元力は大きく、よってこの移動側部材12やペイロード2の回転中心のずれに対するこのスプリング装置の剛性は大きくなり、これらを正確かつ安定して並進させることができる。
【0042】
したがって、上記のようなスプリング装置10は、特別な案内機構等を必要とせずに、このペイロード2を正確かつ安定してスピンを与えて放出することができ、このようなペイロード放出装置の構造が簡単となり、その信頼性が向上するとともに、軽量、小形化することができる。
【0043】
また、人工衛星等のペイロード2には、その形状や質量分布の特性から、上記のようにスピンを与えつつ並進するように加速されている際に、回転や並進の不安定性を示すものがある。しかし、このスプリング装置は、傾動や回転中心のずれに対する剛性が高いので、このようなペイロードでも特別な案内機構を必要とせずに正確かつ安定して放出することができる。
【0044】
なお、上記のペイロード2の回転速度と並進速度の比率を調整するには、上記のバネ部材13の長さ、バネ定数、固定側部材11の固着角度等を適宜設定することにより、任意に調整することができる。
【0045】
なお、本発明は上記の実施形態には限定されない。たとえば、図8には本発明の第2の実施形態のスプリング装置に使用されるバネ部材13aを示す。この実施形態のバネ部材13aは、その断面形状が回転中心軸線Oに対する径方向に細長い偏平の断面形状をなしている。
【0046】
このようなバネ部材13aは、周方向の曲げ弾性力に対して径方向の曲げ剛性が大きく、よって前述したような移動側部材12およびペイロード2の傾動や回転中心のずれに対する剛性がより大きくなり、これらをより正確かつ安定して回転および並進させることができる。
【0047】
また、図9には、本発明の第3の実施形態のスプリング装置に使用されるバネ部材13bを示す。この第3の実施形態のバネ部材13bは、2本を対として複数対設けられている。また、前記の固定側部材としては、同心円状に配置された2個のリング状の固定側部材11bが設けられている。そして、上記の対をなすバネ部材13bの一端部は、上記の2つの固定側部材11bに固着されるとともに、他端部は1個のロッドエンド18に取付けられている。よって、これらのバネ部材13bは、回転中心軸線Oに対して径方向の面、すなわちこの回転中心軸線Oを含む面内において、三角形のトラス構造を構成している。
【0048】
この実施形態のものは、対をなすバネ部材13bが径方向のトラス構造を構成しているので、その径方向の剛性が極めて大きい。よって前述したような移動側部材12およびペイロード2の傾動や回転中心のずれに対する剛性がより大きくなり、これらをより正確かつ安定して回転および並進させることができる。
【0049】
また、図10には本発明の第4の実施形態を示す。このものは、バネ部材13cの両端部をそれぞれ固定側部材11および移動側部材12に固着したものである。この実施形態のものは、バネ部材13cがS字状に曲げ変形され、その曲げ変形量がより大きく、よってその蓄積エネルギ量がより大きくなる。
【0050】
また、図11には本発明の第5の実施形態を示す。このものは、前述したリング状の移動側部材を省略し、放出する部材であるペイロード2を移動側部材としてこれをバネ部材13dで直接駆動するものである。
【0051】
これらのバネ部材13dの他端部には、たとえば球状の係合部材31が取付けられている。また、ペイロード2の底面には、これらのバネ部材13dに対応してそれぞれ係合受部材32が取付けられている。これらの係合受部材32には、上記の係合部材31に対応した球面状の受凹部が形成され、上記の係合部材31はこれらの受凹部に周方向および径方向に移動不能に係合し、かつ回転中心軸線方向には離脱自在に係合している。
【0052】
この実施形態の作用は、前述した実施形態の作用と略同様であるが、このペイロード2とバネ部材13dとの間に移動側部材が介在されていないので、より小形かつ軽量化することが可能である。
【0053】
なお、本発明は上記の実施形態にも限定されない。本発明は上述のような宇宙空間におけるペイロード放出用のスプリング装置には限定されず、各種の用途のスプリング装置に使用することができる。
【0054】
たとえば、本発明は地上における各種の放出物を放出する装置に適用することができる。たとえば、本発明のスプリング装置の上に消火剤を収容した浅皿状の容器を装着したものを化学工場や石油プラントの地面または床面に埋設しておき、火災等の場合にはこのスプリング装置を解放して浅皿状の容器を回転させつつ上方に打上げ、遠心力により消火剤を周囲に散布するような消火装置を構成してもよい。また、本発明のスプリング装置は、放出物を放出する装置には限定されず、緩衝用、エネルギ吸収用のスプリング装置としても使用できることはもちろんである。
【0055】
【発明の効果】
上述の如く本発明のものは、バネ部材が周方向に弾性的に曲げ変形し、弾性エネルギが蓄積される。また、この移動側部材が解放されると、弾性力によりバネ部材の他端部が軸線方向に移動するとともに周方向に移動し、この移動側部材を回転させつつ並進させることができる。このバネ部材は曲げ変形するものであるから、繊維強化材料等の複合材料を使用することができ、その重量に対する蓄積弾性エネルギを大きくすることができる。よって、この移動側部材を回転させる特別の機構を必要とせず、構造が簡単で信頼性が高く、また軽量、小形に形成することができる。
【0056】
また、各バネ部材が回転中心軸線に対して対称に配置されており、これらの各バネ部材が移動側部材に軸方向の荷重を与えるので、この移動側部材が傾動したり、回転中心がずれたりする方向の剛性が高い。したがって、この移動側部材を正確かつ安定して並進させることができ、この移動側部材の案内機構等を必要とせず、構造が簡単で信頼性が高く、また軽量、小形に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のスプリング短縮状態の側面図。
【図2】第1の実施形態のスプリング伸展状態の側面図。
【図3】伸展状態のスプリング装置の部分の斜視図。
【図4】短縮状態のスプリング装置の部分の斜視図。
【図5】図3の5−5線に沿う断面図。
【図6】係合機構の部分の分解斜視図。
【図7】係合機構の部分の側面図。
【図8】第2の実施形態のバネ部材の部分の分解斜視図。
【図9】第3の実施形態のバネ部材の部分の分解斜視図。
【図10】第4の実施形態の一部の概略的な側面図。
【図11】第5の実施形態の一部の概略的な側面図。
【符号の説明】
1 ベース側
2 ペイロード
11 固定側部材
12 移動側部材
13,13a,13b,13c,13d バネ部材
20 係合機構
21 係止溝
22 係止爪部材

Claims (9)

  1. 固定側部材と、この固定側部材に対して軸線方向に並進しつつこの軸線を回転中心軸線として回転しながら移動する移動側部材と、上記の固定側部材から上記の軸線方向に突設された弾性的に曲げ変形可能な複数の直線状の棒状のバネ部材とを備え、これらのバネ部材は上記の移動側部材の回転中心軸線を中心とする同一円周上に配置されていて、少なくとも一端部が上記の固定側部材に固着され他端部は移動側部材に連結されており、移動側部材を回転中心軸線を中心として固定側部材に対して回転させ、かつ固定側部材に近接させることにより少なくとも上記の回転中心軸線を中心とする周方向に曲げ変形して弾性エネルギを蓄積し上記円周の一部に沿う、ことを特徴とするスプリング装置。
  2. 前記のバネ部材の他端部は、前記の移動側部材に対して少なくとも前記の周方向に回動自在に連結されていることを特徴とする請求項1のスプリング装置。
  3. 前記の移動側部材は、このスプリング装置によって回転しつつ並進されて放出される部材に当接してこの部材を回転させつつ並進させるものであり、この移動側部材と放出される部材とは前記の周方向に係合するとともに前記の軸線方向に離脱可能に連結されていることを特徴とする請求項2のスプリング装置。
  4. 前記の移動側部材は、このスプリング装置によって回転しつつ並進されて放出される部材であり、前記のバネ部材の他端部は、この移動側部材に対して前記の周方向に係合しかつ前記の軸線方向に離脱可能に連結されていることを特徴とする請求項1のスプリング装置。
  5. 前記の移動部材と放出される部材との連結は、前記の回転軸線に対して径方向に移動不能に係合しているものであることを特徴とする請求項3のスプリング装置。
  6. 前記のバネ部材の他端部と放出される部材との連結は、前記の回転軸線に対して径方向に移動不能に係合しているものであることを特徴とする請求項4のスプリング装置。
  7. 前記のバネ部材の他端部は、前記の移動側部材に固着されていることを特徴とする請求項1のスプリング装置。
  8. 前記のバネ部材の断面形状は、前記の回転軸線に対して径方向に細長い偏平形状であることを特徴とする請求項1のスプリング装置。
  9. 前記のバネ部材は、対をなす複数対のものであり、各対のバネ部材は、それらの一端部が前記の固定側部材に固着されているとともに、前記の中心軸線に対する径方向の面内において三角形を構成して配置されていることを特徴とする請求項1のスプリング装置。
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