JP4142341B2 - 活性炭及びその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、活性炭及びその製法に関し、特に分子量1000〜3000付近のフミン類等の有機分子の吸着に効果を発する活性炭及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に粉末活性炭は、水質浄化、脱色、不純物除去のため、吸着剤、触媒あるいは触媒坦体に加工され、溶液中に懸濁することにより使用されている。前記粉末活性炭は、木材・木炭、椰子殻、石炭・石油及びその残渣、高分子類、汚泥等の廃棄物が原料として使用可能である。その中でも、経済性及び衛生面から木材、椰子殻、木炭等が好ましい。
【0003】
従来、とりわけ水処理の分野において、粉末活性炭は取り扱いが簡便なため多用されてきたが、近年の浄水処理の高度化に伴い、凝集分離、薬品分解等の水質処理が複合的に行われた後、凝集分離、薬品分解等の水質処理等では処理し難い微量の低分子有機物の除去を行う最終段階において、活性炭は主に用いられるようになってきた。
【0004】
しかしながら、既存の水蒸気賦活あるいはリン酸、塩化亜鉛等の薬品賦活により製造された粉末活性炭では、分子量1000〜3000前後の低分子有機物、特にカビ臭や消毒生成物、低分子化フミン等の負荷濃度の高い物質の吸着に十分な効果を上げるに至らなかった。そのため、低分子有機物の浄化能を維持する必要上、活性炭の使用量の増加が避けられず、低分子有機物の吸着の後に行われる浄水と活性炭を濾過分離する工程において、煩雑化し作業性が低下する問題点があった。また、活性炭以外の低分子有機物の除去方法として、膜処理による濾過分離、パーベーパレーション等が報告されている。しかしながら初期コストが高いため、大量処理の実績が少なく早急な実用化はなされていない。
【0005】
既存の細孔を発達させる活性炭の製法において、廃木材、木材チップ等を原料とする場合、前記廃木材、木材チップ等の原料に含まれるリグニン、セルロース等の分解物は、300℃以下で揮発しやすい。前記の分解によって生じた揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分等は、容易にガス化し、酸化分解され、残炭分は非結晶質の炭素質になる。このため、後の水蒸気賦活時の質量損失も大きく、結果としてミクロ細孔の損失したミクロ〜メソ細孔領域の発達した活性炭になりやすい。
【0006】
また前記原料を加熱する場合、300℃付近までは緩やかな吸熱、300〜500℃では発熱反応をする。また、700〜1000℃ではミクロ孔を形成する水蒸気賦活を伴う吸熱反応が生じる。一連の製造過程において、一部の揮発性有機化合物が気散し、さらに残りの難揮発性、不揮発性有機炭素成分は縮重合またはタール化し、残炭分として装置の作業性や賦活を阻害する。図3に表す従来の木質系活性炭の製法では、予め炭化処理を行い、揮発性炭化水素を分解した素灰や木灰を製造後、別途水蒸気を導入しながら賦活を行い、粉砕等の後処理を経た後、製品としなければならず、一貫した製造が容易でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたものであり、木質より発生する揮発成分によるミクロ細孔の発達に与える影響を制御することにより、分子量1000〜3000前後のフミン等の低分子有機物の吸着に好適な細孔を有する活性炭及びその製法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散し、炭化しつつ、炭化時の加熱に伴い発生する前記木質由来の水性ガス及び揮発性炭化水素類により木質の賦活を行い、細孔径2nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の65%以上で、かつ細孔径4nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の80%以上の細孔分布を有することを特徴とする活性炭に係る。
【0009】
請求項2の発明は、木質を加熱することにより細孔を発達させる活性炭の製法において、木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散する工程と、前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種の分散された木質を炭化しつつ、前記木質由来の水性ガス及び揮発性炭化水素類により、該木質の賦活を行う工程とから構成され、細孔径2nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の65%以上で、かつ細孔径4nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の80%以上の細孔分布を有する活性炭を得ることを特徴とする活性炭の製法に係る
【0010】
請求項3の発明は、前記木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散する工程において、該アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を水溶液として分散することを特徴とする請求項2に記載の活性炭の製法に係る。
【0011】
請求項4の発明は、前記木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散する工程において、木質が坦持するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種の金属成分重量は、木質100重量部に対し0.05〜1重量部となるようにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を分散することを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の活性炭の製法に係る。
【0012】
請求項5の発明は、前記木質の炭化及び賦活を行う工程において、500〜1000℃の初期加熱段階を経過後、700〜1000℃の後期加熱段階を維持しながら加熱することにより、炭化及び賦活の工程を一括して行うことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の活性炭の製法に係る。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の活性炭は、請求項1に規定する製法・過程を経ることにより、同項に示す物性を有するに至ったものである。すなわち、本発明の活性炭は、木質に後述するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を該木質の表面をほぼ均一に覆うように分散する。続いて、前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種が分散された木質を、適宜の乾燥手段により、木質中の水分含量を40重量%以下、好ましくは35重量%以下に乾燥した後に炭化する。炭化に際し、前出のアルカリ金属,アルカリ土類金属は、加熱燃焼時に木質から発生する水性ガス及び揮発性炭化水素類の発生量及び反応性を制御し、メソ細孔の発達を抑制する。同時に前出の水性ガス及び揮発性炭化水素類により賦活を行うものである。このため、細孔径2nm以下の細孔の総細孔容積は全細孔容積の65%以上、かつ細孔径4nm以下の細孔の総細孔容積は全細孔容積の80%以上である物性を有する。
【0014】
請求項2ないし5に規定する本発明の活性炭の製法に関し、図1の概略工程図に従い詳述する。前記木質は、廃木材、木材チップ、木材ダスト、おが粉、椰子殻、廃竹等の硫黄、窒素分を含まない木質系原料ならばどのようなものでもよい。これらを予め、1辺が2〜5mm、厚さ1〜2mmほどの細片に粉砕し、活性炭の原料である木質とする。また、前記アルカリ金属(Li,Na,K等のアルカリ金属(Ia属))、アルカリ土類金属(Be,Mg,Ca,Sr等のアルカリ土類金属(IIa属))として示す各金属元素は、塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩等のイオン化合物として使用される。なお、アルカリ金属,アルカリ土類金属は、1種類のみの金属成分あるいは2種類以上の金属製分同士を混合して使用することができる。
【0015】
請求項2に記載するように、木質に前出のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を分散する工程において、アルカリ金属,アルカリ土類金属のイオン化合物(固体)は、公知の攪拌機を用いることにより、木質の表面にむらなく分散させることができる。さらに、請求項3に規定するようにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種のイオン化合物を一旦水に溶解し水溶液とし、該水溶液を粉砕した木質に吹き付けまたは浸漬することにより分散することができる。特に前出のアルカリ金属,アルカリ土類金属のイオン化合物のうち、水に不溶性、難溶性でないものについては水溶液として分散することが好ましい。このように水溶液状とすることにより、所望のアルカリ金属,アルカリ土類金属を簡便かつ濃度むらなく木質に分散させることが可能となる。
【0016】
請求項4に規定するように、木質に分散(分散)するアルカリ金属及びアルカリ土類金属(イオン化合物)の少なくとも一種の割合は、後述の実施例より明らかなように、該木質自身の含有するアルカリ金属,アルカリ土類金属成分に加えてアルカリ金属,アルカリ土類金属(イオン化合物)を分散し、それらの金属成分重量が、木質100重量部に対し、0.05〜1重量部となることが望ましい。前記範囲より分散量が少ない場合は、加熱燃焼時に木質から発生する水性ガス及び揮発性炭化水素類の発生量及び反応性を制御に効果がない。一方、分散量が多い場合は、水性ガス及び揮発性炭化水素類の発生量及び反応性を抑制し、十分な細孔が形成されず所望の細孔径の分布が得られないこと、また不燃性の金属成分が増し歩留まりが低下することである。前出の水溶液を用い分散する場合、木質の含水量、該イオン化合物の金属成分、溶解度等を考慮の上、適切な水溶液濃度に設定される。なお、イオン化合物の水溶液として、調達し易く簡便さの観点から適宜濃度の塩化ナトリウム水溶液を使用することができる。このように、塩化ナトリウム水溶液を利用する場合、賦活剤として塩基性物質を用いた従来製法と比較して賦活後の中和、水洗等を省略可能であるためより好適である。
【0017】
炭化工程に先立ち、木質の水分含量を40重量%以下、好ましくは35重量%以下に乾燥することが望ましい。なぜならば、発明者の検証によると、本発明の特徴であるアルカリ金属,アルカリ土類金属(イオン化合物)が分散された木質は、木質本来の含水量及び該イオン化合物の分散に要した水溶液の含浸量から明らかなように、炭化時において過剰な水分を含有するため炉内温度を低下させるおそれがある。加えて、木質の保持する水分量を以降に行われる賦活に際し、水素、一酸化炭素等の水性ガス及び揮発性炭化水素類(揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分)の気散が細孔の発達に最適であることを考慮し、上記範囲以下に乾燥することが望ましい。
【0018】
また、乾燥においては、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素等の不活性ガスからなる非酸化性雰囲気のもとで行われ、100〜250℃の温度下において木質の水分含量を減少させるものである。なお、乾燥において300℃以上に加熱すると、木質は発熱分解し始めるため、上記温度範囲が最適である。
【0019】
炭化工程には、ロータリーキルン、トンネルキルン、電気炉等の温度制御の可能な加熱・焼成手段が使用される。アルカリ金属,アルカリ土類金属(イオン化合物)が分散された木質は、炉内に適宜微量の空気を送通しながら、500〜1000℃に昇温しながら加熱される。前記の温度域(500〜1000℃)における加熱では、木質に含まれる揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分は揮発し始めるものの、分散したアルカリ金属,アルカリ土類金属(イオン化合物)の影響から過剰な揮発、熱分解を防ぐことができる。同時に、送通する空気量を制限するため、木質の燃焼による質量損失を抑制することができる。
【0020】
続いて、炭化の行われている炉内を700〜1000℃に維持しながら加熱することにより、炭化しつつ、賦活をおこなうことができる。すなわち、木質由来の揮発性炭化水素類(揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分)の燃焼熱と該木質由来の水素、一酸化炭素からなる水性ガスが木質表面の炭素と反応し細孔を発達させるものである。前記の温度域(700〜1000℃)における加熱では、分散したアルカリ金属,アルカリ土類金属(イオン化合物)は、水性ガス及び揮発性炭化水素類の木質(炭化物)に与える反応に対し抑制的に作用することにより、過剰な分解やミクロ〜メソ孔の発達を防ぐものと考えられる。なお、図示はしないが木質をバッチ式で炭化、賦活する加熱手段においては、水分が枯渇しやすいため賦活時に水(水蒸気)が適宜供給される。
【0021】
請求項5に規定するとおり、本発明の活性炭の製法である乾燥、炭化工程、賦活工程を一括して行う場合、ロータリーキルン等の容易に温度勾配を設定できる加熱・焼成手段を使用することが望ましい。前記ロータリーキルンを用いる場合、炭化を行う前に該ロータリーキルンにより、前述と同様の理由から、木質の水分含量は40重量%以下、好ましくは35重量%以下に乾燥される。この場合木質の乾燥は、初期加熱段階(炭化工程)に入る前に予め200〜250℃の気流中に数秒〜数十秒間曝され、前記の水分含量に調整される。なお、乾燥は、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素等の不活性ガスからなる非酸化性雰囲気のもとで行われる。
【0022】
前記の炭化工程及び賦活工程は、500〜1000℃の初期加熱段階(炭化工程)及び700〜1000℃の後期加熱段階(賦活工程)は、ともにそれぞれ1〜5時間かけて連続的に昇温しながら加熱される。初期,後期加熱段階とその温度下において進行する反応は前述した通りである。
【0023】
とりわけ、ロータリーキルンを用いての賦活工程(水蒸気賦活)では、図1に示す通り、炭化工程において生じた揮発性炭化水素類(揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分)の燃焼により生じた発熱が賦活反応に寄与し、熱効率よく1000℃に達することができる。木質は、石炭、石油類と比較して硫黄、窒素分が少なく、反応により生成される排気ガスは主に水蒸気、二酸化炭素、窒素(空気由来)である。また、木質由来の揮発性炭化水素類(揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分)は、800℃以上になると分解されるため検出されない。これら生成されるガスの熱量は、熱交換機、ボイラー、製品乾燥用等の各種の熱源に有効利用される。
【0024】
ロータリーキルン等の加熱・燃焼炉において、初期加熱段階から後期加熱段階まで木質を加熱することにより発生した揮発性炭化水素類(揮発性有機化合物、難揮発性有機炭素成分等)を燃焼させるために、外部から微量空気(酸素)が導入される。また、前記微量空気は水蒸気賦活による水性ガス反応にも利用される。ただし、過剰の酸素の導入により木質の燃焼が進み、活性炭の質量損失すなわち収率の低下を引き起こすため好ましくない。そのため、発明者の検証によると最終的に排気されるガス中の酸素濃度は6%以下、特に3〜5%になるように導入する空気量を調整することが望ましい。
【0025】
以上に述べたとおり、炭化・賦活を終えた活性炭は、後処理として、平均粒径150μm以下の適宜の粒径に粉砕され製品となり、浄水処理の液相に使用される。特に粉末注入式に用いる場合には平均粒径100μm以下に粉砕することが望ましい。
【0026】
【実施例】
以下の実施例において、吸着性能、充填密度、比表面積、細孔容積、細孔径分布、含有元素を測定した。測定方法は下記の通りである。
・吸着性能:JIS K 1474に基づき、メチレンブルー、ヨウ素、カラメル脱色力の吸着性能を測定した。
・充填密度:JIS K 1474に基づき、充填密度を測定した。
・比表面積:77Kにおける窒素吸着等温線を日本ベル(株)製のBELSORP18PLUSにより測定し、その結果をBET(Brunauer Emmett Teller)法により解析して求めた。
・細孔径分布:細孔径分布は活性炭の77Kでの窒素吸着等温線を日本ベル(株)製のBELSORP18PLUSにより測定し、これをDollimore−Heal法により解析し求めた。
・全細孔容積:Gurvitschの法則を用い、活性炭の77Kでの窒素吸着等温線を日本ベル(株)製のBELSORP18PLUSにより測定し、相対圧0.951における液体窒素換算した窒素吸着量を全細孔容積とした。
・元素分析:(株)島津製作所製 原子吸光光度計 AA−6500を用い、原子吸光光度法により分析した。
【0027】
I.アルカリ金属,アルカリ土類金属の分散量検討段階
(分散量の調整)
アルカリ金属(Ia属)及びアルカリ土類金属(IIa属)の金属の中から、ナトリウムを選択し、その塩化物である塩化ナトリウムについて最適な金属性分の坦持量を求めた。
【0028】
木質は1辺2〜5mm、厚さ1〜2mmほどの細片に粉砕した北米産松のおが粉150gを用意し、3重量%の塩化ナトリウム水溶液を調整後、以下、A−0及びA−1〜A−3の4種類について試作した。
A−0:150gのおが粉のみ。(塩化ナトリウム水溶液無添加)
A−1:150gのおが粉に塩化ナトリウム水溶液7.5ml添加。
A−2:150gのおが粉に塩化ナトリウム水溶液20ml添加。
A−3:150gのおが粉に塩化ナトリウム水溶液60ml添加。
【0029】
A−0及び塩化ナトリウム水溶液がそれぞれ所定重量分散されたおが粉A−1〜A−3を内容量13Lのロータリーキルン型実験炉に封入し、110℃のもと3時間の加熱により乾燥した。続いて同炉を室温から900℃に4時間かけて昇温し炭化した。引き続き、水を2.5ml/分の流量で炉内に導入し、900℃を30分間維持することにより賦活した。
【0030】
前記賦活後、所定量の塩化ナトリウム水溶液を分散した活性炭は、平均粒径10μmに粉砕した。このようにして得られた粉末状活性炭について、細孔容積(分布)、比表面積を求め、表1に示す。表1において、A−1〜A−3のナトリウム含有量には、木質自体のナトリウムを含有するものである。
【0031】
【表1】
【0032】
上記表1より明らかなとおり、金属成分(イオン化合物)を分散し炭化、賦活を行った活性炭は、細孔径(直径)2.0nm以下に所望の分布が見られ、比表面積も向上した。
【0033】
前出のおが粉250gに3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を所定量ずつ添加し、下記表2に示すB−0(前記水溶液無添加)及びB−1〜B−6の7種類のそれぞれについて、前出のロータリーキルン型実験炉に封入し、110℃のもと3時間の加熱により乾燥した。続いて同炉を室温から920℃に2時間かけて昇温し炭化した。引き続き、水を3.3ml/分の流量で炉内に導入し、920℃を1時間維持することにより賦活した。
【0034】
炭化、賦活を行う前に、B−0と前記の所定量の3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を添加したB−1〜B−6の7種類のそれぞれについて、予め金属ナトリウム含有量の元素分析を行い、単位木質重量当たりの存在比率をppm(μg/g(木質))として表2に示した。併せて、賦活終了後の活性炭の重量を測定し、当初の木質との重量変化から収率を求めた。なお、収率(%)=(賦活終了後の活性炭の重量/もとの木質の重量(乾燥重量換算))×100である。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から理解されるように、金属濃度が上昇するほど木質からの活性炭収率が向上する。従って、表1及び表2より、木質が坦持するアルカリ金属,アルカリ土類金属の重量は、木質100重量部当たり、木質自身の含有量も併せてアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種(イオン化合物)の金属成分が0.05〜1重量部とすることが望ましいといえる。なお、金属成分を1重量部以上坦持する場合、活性炭に占める塩量が増加し歩留まりが悪化すること、塩による炉等の装置への影響、収率の改善が頭打ちになることを鑑み、上限は1重量部以下とすることが望ましいといえる。
【0037】
II.量産試作段階
(サンプルの作成)
前記Iのアルカリ金属,アルカリ土類金属の分散量検討段階より木質100重量部にアルカリ金属,アルカリ土類金属(イオン化合物)の金属成分が0.05〜1重量部とすることが望ましい。そこで発明者は、これまでの経緯を踏まえ、アルカリ金属,アルカリ土類金属を分散した木質を連続的に乾燥、炭化、賦活するため、有効径3m、炉長40mのロータリーキルンを作成し、該ロータリーキルンによる量産を試みた。
【0038】
原料となる木質は、前記Iの場合と同様に1辺が2〜5mm、厚さ1〜2mmほどの細片に粉砕した。また、アルカリ金属,アルカリ土類金属の金属成分の分散は、比較的調達しやすく、前記した分散量を満足する上で好適な3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を用いた。ベルトコンベア上を移動する木質に対し、順次3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液をスプレーノズルにより噴霧し、前記ロータリーキルンに投入した後、200〜250℃の気流中に数秒間曝し、木質自体の水分含量を33重量%まで乾燥させた。この場合、空気の流入を防ぎ不活性雰囲気下とした。なお、実施例においては連続処理のため、木質9重量部に対し3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液1重量部を噴霧した。
【0039】
乾燥を終えた木質は、同ロータリーキルン内の500℃に設定した初期加熱段階を5時間かけて炭化した。続いて800℃に設定した後期加熱段階を5時間かけて炭化した木質を賦活した。
【0040】
前記ロータリーキルンにおいて、炭化、賦活を行う際、最終的にロータリーキルンから排気されるガス中の酸素濃度は3〜5%になるようにロータリーキルンに送通する空気量を調整した。炭化、賦活工程終了後平均粒径10μmに粉砕し、活性炭C−1とした。
【0041】
(従来品との細孔分布等の比較)
前記のロータリーキルンにより製造した本発明の活性炭C−1、図3に明示し従来技術の説明に述べた予め炭化処理を行い揮発性成分を分解し素灰を製造した後に賦活を行った活性炭X(太閤AP,二村化学(株)製)及び同様な製法により製造された他社製の浄水用水蒸気賦活粉末活性炭Yの3種類について、細孔容積(分布)、比表面積を求めた。なお、活性炭X及びYは、活性炭C−1と同様の平均粒径10μmに粉砕し測定に用いた。結果は表3に示す通りである。
【0042】
【表3】
【0043】
表3において、ロータリーキルンによる製造においても前記Iの表1に表す細孔分布と同様の細孔分布が確認でき、従来品との比較から2.0nm以下の細孔分布が顕著に増加した。
【0044】
また、本発明の活性炭C−1と3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を分散しない木質をC−1と同様の製法に基づき製造したD−1について、メチレンブルー,ヨウ素吸着性能、充填密度、カラメル脱色力及び測定した。結果は表4に示す通りである。なお、本発明の活性炭C−1を製造するに当たり、3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を噴霧し乾燥を行うことにより木質の水分含量は、38.3%から33.0%に減少した。ナトリウム濃度は、149ppm(μg/g(木質))から1324ppm(μg/g(木質))に増加した。
【0045】
【表4】
【0046】
表4において、カラメル脱色力が低下した要因は、活性炭の細孔が小径化したことに伴い、分子量の大きなカラメル分子は細孔に入り込むことができず吸着されにくくなったことと推定できる。一方、ヨウ素吸着性能が改善した要因は、活性炭の細孔が小径化したことに伴い、分子量の小さなヨウ素(分子)が細孔に侵入しやすく吸着が促進したことと推定できる。
【0047】
(低分子有機物の吸着性能の比較)
分子量1000〜3000前後の低分子有機物を含有する水として、北海道道央地区の浄水場より採取した上水原水を用いた。前記原水100mlに対し、活性炭C−1,X,Yをそれぞれ0.005g(0.05g/L)ずつ添加し、12時間振とう後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターによりそれぞれを濾過した。各濾液について、260nmにおける吸光光度を50mmのセルにより測定し、前記原水と活性炭処理水との比較から260nmにおける除去率を求めた。結果は表5に示す通りである。なお、除去率(%)=〔1−(活性炭処理水の吸光度/原水の吸光度)〕×100である。
【0048】
【表5】
【0049】
前記原水中に含まれる種々の低分子有機物に対する吸着性能を実証するため、下記の条件の下、高速液体クロマトグラフィーを用い分子量分画テストを行い、図2に表す分子量分画曲線を得た。
使用カラム:日立カラム GL−W520(内径10.7mm、長さ300mm)
移動相:0.02mol/L KH2PO4 + 0.02mol/L Na2HPO4
移動相流速:0.4ml/分
検出器:UV検出器 SPD−10A VP ((株)島津製作所製)
【0050】
高速液体クロマトグラフィーに注入するサンプルは、前記原水100mlに対し、活性炭C−1,Xをそれぞれ0.002g(0.02g/L)ずつ添加し、12時間振とう後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターによりそれぞれを濾過し、活性炭処理サンプルとした。対象として活性炭を添加せずにメンブレンフィルターにより濾過のみを行った原水サンプルを用意した。図2において、前記原水サンプルに矢印で付した数値は、原水中の低分子有機物(フミン類)の分子量(MW.)を表すものである。縦軸は紫外線吸光度を表し、数値が低いほど低分子有機物(フミン類)の存在量が少ないものである。図2に表す分子量分画曲線より理解される通り、本発明の活性炭C−1を用いて処理を行ったサンプルは、既存品を用い処理を行ったサンプルと比較し、良好な吸着性能を発揮した。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、細孔径2nm以下の細孔の総細孔容積は全細孔容積の65%以上、かつ細孔径4nm以下の細孔の総細孔容積は全細孔容積の80%以上とする細孔分布を有するため、分子量1000〜3000前後の低分子有機物、特にフミン類の吸着に効果を発揮し、浄水処理時の活性炭使用量を低減することができる。
【0052】
請求項2ないし5の発明によると、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に木質へ分散することにより、前記木質自身の発する水性ガスや揮発性炭化水素類の過剰な揮発、分解を抑制し、収率を向上させることができた。また、炭化、賦活の両工程を単一の加熱焼成装置内において連続して行い、同時に木質自身の発する水性ガスや揮発性炭化水素類を賦活反応に利用することが可能となり、フミン類の吸着に効果を発揮する特異的な細孔分布を有する活性炭生産の簡素化かつ効率化が実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性炭製造に係る概略工程図である。
【図2】高速液体クロマトグラフィーによる分子量分画曲線である。
【図3】従来の活性炭製造に係る概略工程図である。
Claims (5)
- 木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散し、炭化しつつ、炭化時の加熱に伴い発生する前記木質由来の水性ガス及び揮発性炭化水素類により木質の賦活を行い、細孔径2nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の65%以上で、かつ細孔径4nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の80%以上の細孔分布を有することを特徴とする活性炭。
- 木質を加熱することにより細孔を発達させる活性炭の製法において、
木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散する工程と、前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種の分散された木質を炭化しつつ、前記木質由来の水性ガス及び揮発性炭化水素類により、該木質の賦活を行う工程とから構成され、
細孔径2nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の65%以上で、かつ細孔径4nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の80%以上の細孔分布を有する活性炭を得ることを特徴とする活性炭の製法。 - 前記木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散する工程において、該アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を水溶液として分散することを特徴とする請求項2に記載の活性炭の製法。
- 前記木質にアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を均一に分散する工程において、木質が坦持するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種の金属成分重量は、木質100重量部に対し0.05〜1重量部となるようにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を分散することを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の活性炭の製法。
- 前記木質の炭化及び賦活を行う工程において、500〜1000℃の初期加熱段階を経過後、700〜1000℃の後期加熱段階を維持しながら加熱することにより、炭化及び賦活の工程を一括して行うことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の活性炭の製法。
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