JP4141177B2 - Rhoキナーゼ阻害剤を含有する医薬 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Rhoキナーゼ阻害剤を医薬として使用することによる種々疾患の治療に関する。また、Rhoキナーゼ阻害剤を試薬として、または診断薬として使用することに関する。
【0002】
【従来の技術】
1981年のRasの発見以来、Rasに類似した低分子量GTP結合蛋白質(低分子量G蛋白質)が数多く見出され、その多くの生理機能が研究されている。これらの低分子量G蛋白質はサブユニット構造を有さない分子量2〜3万の蛋白質で、これらはすべてGDPとGTPを特異的に結合し、また、結合したGTPを加水分解するGTPase活性を有している(Hall, A., Science, 249, 635-640, 1990 ; Bourne, H. R. ら, Nature, 349, 117-127, 1991)。現在、この低分子量G蛋白質をコードする遺伝子は酵母から哺乳動物に至るまで50種以上のメンバーが見出されており、スーパーファミリーを形成している。これらの低分子量G蛋白質はそのアミノ酸配列の類似性からRas、Rho、Rab、Arf、その他の5つのグループに大別することができる。
【0003】
このうちRhoはその遺伝子がアメフラシ神経筋よりcDNAの形で単離され、Rasと約35%の相同性を示すポリペプチドをコードすることからRho(Ras homologue)と名づけられたものである(Madaule, P., Cell, 41, 31-40, 1985)。
Rhoはボツリヌス毒素の一つであるC3酵素およびブドウ球菌毒素EDINにより特異的にADPリボシル化を受け不活性化される(Narumiya, S. and Morii, S., Cell Signal, 5, 9-19, 1993 ; Sekine, A.ら, J. Biol. Chem., 264,, 8602-8605, 1989)。そこで、このC3酵素およびEDINを用いて、Rhoの細胞機能への関与が種々検討された。
【0004】
例えば、ミオシン軽鎖(MLC)キナーゼによるリン酸化がアクチン・ミオシン相互作用を可能とし平滑筋収縮を開始させると考えられているが、MLCを脱リン酸化する平滑筋ミオシンホスファターゼの構造が明らかにされ(Shimizu, H.ら, J. Biol. Chem., 269, 30407-30411, 1994) 、ミオシンホスファターゼもMLCキナーゼと同様に細胞内情報伝達機構によりその活性が調節を受けており、これにRhoが関与していることが明らかになりつつある。さらに、平滑筋スキンドファイバー標本においてGTPの結合した活性型RhoがCa依存性収縮を増強することが示され(Hirata, K., J. Biol. Chem., 267, 8719-8722, 1992) 、平滑筋収縮におけるCa感受性の増大は、Rhoを介するミオシンホスファターゼ活性の抑制によることが示唆されている。
また、Swiss 3T3細胞および3Y1細胞においてRho依存的にチロシンリン酸化の亢進(Kumagai, N. ら, J. Biol. Chem., 270, 8466-8473, 1993)や多種類のセリン/スレオニンキナーゼの活性化(Kumagai, N. ら, FEBS Lett., 366, 11-16, 1995) が認められた。このことから、Rhoを介する情報伝達経路において、Rhoの下流に複数の蛋白質リン酸化酵素の存在が示唆され、実際に、Rhoの活性化に伴い活性化されるセリン/スレオニンキナーゼ(Rhoキナーゼ)としてROCα(Leung, T.ら, J. Biol. Chem., 270, 29051-29054, 1995)〔別名 Rho−kinase,ROCK−II〕やp160ROCK(Ishizaki, T. ら, The EMBO J., 15(8), 1885-1893, 1996)〔別名 ROCβ,ROCK−I〕が報告されており、また両酵素の生体内分布は異なることが報告されている(Nakagawa, O. ら, FEBS Lett. 392 189-193, 1996)。さらに、このRhoキナーゼが直接ミオシンホスファターゼをリン酸化し、その活性を抑制することが報告されている(Kimura, K. ら, Science, 273, 245-248, 1996)。
【0005】
Rhoは蛋白質リン酸化酵素のみならず lipid kinase の活性化に関与することが報告されており(Zang, J.ら, J. Biol. Chem., 268, 22251-22254, 1993)、Rhoにより活性化を受けるホスホリパーゼ(PLD)が存在することも示唆されている(Siddiqi, A. R.ら, J. Biol. Chem., 268, 24535-24538, 1995)。
また、Swiss 3T3繊維芽細胞の血清存在下での運動、HGF、TPA(12-O-tetradecanoylphorbol 13-acetate)によるケラチノサイト303R細胞の運動、およびspontaneousおよびchemoatractantによる好中球の運動等がRhoにより制御されていることが報告され(Takai, Y.ら, Trends Biochem. Sci., 20, 227-231, 1995)、さらに癌の転移モデルのひとつである肝癌細胞(MM1細胞)の培養中皮細胞層透過がRhoの活性化により制御されていることが報告され(Yoshioka, K. ら, FEBS Lett., 372, 25-28, 1995) 、Rhoが細胞運動に関与していることが示唆されている。
【0006】
一方、神経芽細胞腫(neuroblastoma)やPC−12細胞等の神経由来の細胞においては、Rhoの活性化刺激であるリゾフォスファチジン酸により、神経突起の縮退と細胞の球形化が認められ、C3酵素処理によりこの縮退は阻害されること(Jalink, K.ら, J. Cell Biol., 126, 801-810, 1994)や、破骨細胞の明調体において骨質の溶解吸収が営まれる場を周囲から遮断する偽足状の突起の形成が、C3酵素処理によって阻害されること(Zhang, D.ら, J. Cell Sci., 108, 2285-2292, 1995)等から、Rhoが細胞の形態変化にも深く関与していることが示されている。
さらに、C3酵素処理によりLFA(leukocyte function-associated antigen)等の接着分子の活性化を抑制することが示され、また、C3酵素処理によりSwiss 3T3繊維芽細胞の増殖が抑制されることが報告されている(Yamamoto, M.ら, Oncogene, 8, 1449-1455, 1993) ことから、Rhoはアクチン細胞骨格系を介しての細胞接着、細胞分裂を制御しており、また、c−fos遺伝子の転写調節(Hill, C. S. ら, Cell, 81, 1159-1170, 1995)、細胞の形質転換(Khosravi-Far, R. ら, Mol. Cell Biol., 15(11), 6443-6453, 1995) にもその関与が報告されている。
【0007】
また、近年、赤痢菌の上皮細胞への侵入がC3酵素によって抑制されることから、Rhoは細菌感染に深く関与していることが報告されている(Adam, T. ら,The EMBO J., 15(13), 3315, 1996)。
また、妊娠ラットでは非妊娠ラットと比較して、RhoおよびRhoキナーゼのレベルが上昇していることが報告され(Niiro, N.ら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 230, 356-359, 1997) 、出産に伴う子宮筋収縮にRhoおよびRhoキナーゼが深く関与することが、更に、受精、胚形成および胚着床段階等の細胞−細胞および細胞−細胞外マトリックス間の接着に関与すると考えられているインテグリン(Sueoka, K. ら, Fertility & Sterility, 67(5) 799-811, 1997) はRhoにより活性化されることが知られている(Morii, N.ら, J. Biol. Chem., 267, 20921-20926, 1992)。
【0008】
したがって、Rhoは種々の細胞膜受容体からシグナルを受けて活性化され、活性化されたRhoはアクトミオシン系を介して平滑筋収縮、細胞運動、細胞接着、細胞の形態変化、細胞増殖等の多彩な細胞現象の分子スイッチとして機能していることが明らかにされている。
平滑筋収縮は高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、切迫早産等の病態に深く関与しており、細胞運動は癌の浸潤・転移、動脈硬化、網膜症、免疫応答等に重要な役割を有し、細胞接着は癌の転移、炎症、自己免疫疾患、AIDS、受精および受精卵の着床等に深く関与しており、細胞の形態変化は脳機能障害、骨粗鬆症、細菌の消化管感染等に深く関与しており、細胞増殖は癌、動脈硬化等に深く関与している。したがって、Rhoの機能を遮断する薬物はRhoの関与するこれらの疾患に対する治療薬になりうると考えられる。
【0009】
しかし、現在、Rhoの作用を阻害できるものはC3酵素およびEDINのみであって、これらは、蛋白質であることから細胞膜を透過することができず薬剤としての開発は実施されていない。
一方、Rhoを介する情報伝達経路の下流に存在するとされるRhoキナーゼを阻害することによっても、Rhoによる各種細胞現象の応答を抑制することが可能であると考えられる。しかし、現在まで、Rhoキナーゼの特異的阻害剤は知られていない。
したがって、Rhoキナーゼを阻害する化合物を探索することにより、これらのRhoキナーゼ阻害剤が、上記Rhoに関与する疾患や現象、たとえば、高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、早産、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、受精および受精卵の着床、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、細菌の消化管感染に有効な予防および/または治療薬剤となると期待される。
【0010】
一方、一般式(I)で示される化合物は、強力で持続性のある高血圧症治療薬、狭心症治療薬、腎および末梢循環障害治療薬、脳血管攣縮抑制薬等の冠・脳・腎および末梢動脈等の循環器系用疾患予防・治療剤として、さらに、喘息治療薬として有用であることが既に公知である(特開昭62−89679号、特開平3−218356号、特開平4−273821号、特開平5−194401号、特開平6−41080号およびWO95/28387号等)。
また、一般式(II)で示される化合物は、血管拡張剤、高血圧症治療剤、脳機能改善剤、抗喘息剤、心臓保護剤、血小板凝集阻害剤、精神症候治療剤、抗炎症剤および過粘性症候群治療または予防剤として有用であることが既に公知である(特開昭57−200366号、特開昭61−227581号、特開平2−256617号、特開平4−264030号、特開平6−56668号、特開平6−80569号、特開平6−293643号、特開平7−41424号および特開平7−277979号)。
しかしながら、これらの一般式(I)または(II)で表される化合物がRhoの機能を遮断すること、またはRhoキナーゼ阻害作用を有することは全く知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Rhoキナーゼ阻害剤を新規な医薬として提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、Rhoキナーゼを阻害する化合物が抗高血圧作用、抗狭心症作用、脳血管攣縮抑制作用、抗喘息作用、末梢循環改善作用、早産防止作用、抗動脈硬化作用、抗癌作用、抗炎症作用、免疫抑制作用、自己免疫疾患改善作用、抗AIDS作用、受精および受精卵の着床防止作用、骨粗鬆症治療作用、網膜症治療作用、脳機能改善作用、細菌の消化管感染防止作用を有することを見出し、Rhoキナーゼ阻害剤が医薬として、特に、高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘息治療薬、末梢循環障害治療薬、早産予防薬、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬、避妊薬、消化管感染予防薬として有用であることを見出して本発明を完成するに至った。
また、Rhoキナーゼを阻害する化合物がRhoおよびRhoキナーゼの研究に関する試薬やこれらに関与する疾患の診断薬として有用であることを見出して本発明の完成に至った。
【0013】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)Rhoキナーゼ阻害剤を含有する医薬。
(2)高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘息治療薬、末梢循環障害治療薬、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬、早産予防薬、避妊薬、消化管感染予防薬からなる群から選択される少なくとも一種であるRhoキナーゼ阻害剤を含有する医薬。
(3)Rhoキナーゼ阻害剤の治療上の有効量と製薬上許容しうる添加剤とを含有する医薬組成物。
(4)Rhoキナーゼ阻害剤を含有する試薬。
(5)Rhoキナーゼ阻害剤を含有する診断薬。
【0014】
(6)一般式(I)
【0015】
【化10】
Figure 0004141177
【0016】
〔式中、Raは式
【0017】
【化11】
Figure 0004141177
【0018】
〔式(a)および(b)中、Rは水素、アルキルまたは環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはアラルキルを示すか、あるいは式
【0019】
【化12】
Figure 0004141177
【0020】
(式中、R6は水素、アルキルまたは式:−NR89(ここでR8,R9は同一または異なって水素、アルキル、アラルキルまたはフェニルを示す。)を示し、R7は水素、アルキル、アラルキル、フェニル、ニトロまたはシアノを示す。または、R6とR7は結合して環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含有していてもよい複素環を形成する基を示す。)を示す。
1は水素、アルキルまたは環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはアラルキルを示す。
または、RとR1は結合して隣接する窒素原子とともに環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含んでいてもよい複素環を形成する基を示す。
2は水素またはアルキルを示す。
3,R4は同一または異なって水素、アルキル、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ、シアノ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アラルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイルまたはアジドを示す。
Aは式
【0021】
【化13】
Figure 0004141177
【0022】
(式中、R10,R11は同一または異なって水素、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルを示す。または、R10とR11は結合してシクロアルキルを形成する基を示す。l,m,nはそれぞれ0または1〜3の整数を示す。)を示す。
式(c)中、Lは水素、アルキル、アミノアルキル、モノ・ジアルキルアミノアルキル、テトラヒドロフルフリル、カルバモイルアルキル、フタルイミドアルキル、アミジノを示すか、あるいは式
【0023】
【化14】
Figure 0004141177
【0024】
(式中、Bは水素、アルキル、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルカノイルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、α−アミノベンジル、フリル、ピリジル、フェニル、フェニルアミノ、スチリルまたはイミダゾピリジルを示す。
1は水素、ハロゲン、水酸基、アラルキルオキシまたはチエニルメチルを示す。
Wはアルキレンを示す。
2は水素、ハロゲン、水酸基またはアラルキルオキシを示す。
Xはアルキレンを示す。
3は水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、ニトロ、アミノ、2,3−ジヒドロフリルまたは5−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロピリダジン−6−イルを示す。
Yは単結合、アルキレンまたはアルケニレンを示す。)を示す。
また、式(c)中、破線は一重結合または二重結合を示す。
5は水素、水酸基、アルコキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルカノイルオキシまたはアラルキルオキシカルボニルオキシを示す。〕
Rbは水素、アルキル、アラルキル、アミノアルキルまたはモノ・ジアルキルアミノアルキルを示す。
Rcは置換基を有していてもよい含窒素複素環を示す。〕
により表されるアミド化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼ阻害剤。
(7)Rhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息および末梢循環障害からなる群より選択される少なくとも一種の疾患の治療薬である、一般式(I)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する医薬。
(8)動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬、早産予防薬、避妊薬、消化管感染予防薬からなる群より選択される少なくとも一種である、一般式(I)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する医薬。
(9)一般式(I)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼ阻害活性を有する試薬。
(10)一般式(I)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼに起因する疾患の診断薬。
【0025】
(11)一般式(II)
【0026】
【化15】
Figure 0004141177
【0027】
(式中、R12は水素、塩素または水酸基を表し、R12が水素のとき、Alkは炭素数2〜6個のアルキレンであって、炭素数1〜10個のアルキル、アリール、またはアラルキルの置換基を有していてもよく、R13は水素、R14は水素もしくは炭素数1〜6個の直鎖もしくは枝分れを有するアルキル、アリール、アラルキル、R15は水素もしくは炭素数1〜6の直鎖もしくは枝分れを有するアルキル、アリール、アラルキル、またはベンゾイル、シンナミル、シンナモイル、フロイル、または、下記式で示される基、
【0028】
【化16】
Figure 0004141177
【0029】
(式中、R16は炭素数1〜6個の直鎖もしくは枝分れを有するアルキルを示す。)、または、下記式で示される基、
【0030】
【化17】
Figure 0004141177
【0031】
(式中、R17、R18は水素もしくは互いに直接結合して炭素数2〜4個のアルキレンを示す。)、あるいは、R13、R14は互いに直接結合して、無置換もしくは炭素数1〜10個のアルキル、またはフェニル、ベンジルで置換されている炭素数4個以下のアルキレン、あるいは、R14、R15は直接もしくは酸素原子を介して結合し、隣接する窒素原子とともに複素環を形成する基を示す。R12が塩素または水酸基のとき、Alkは無置換もしくは炭素に結合する水素が炭素数1〜6個のアルキルで置換されている炭素数2〜6個のアルキレン、R13、R14は水素、炭素数1〜6個の直鎖もしくは枝分れを有するアルキルであるか、または互いに直接結合し、炭素に結合した水素が炭素数1〜6個のアルキルで置換されていてもよいエチレン、トリメチレンを表し、R15は水素、炭素数1〜6個の直鎖もしくは枝分れを有するアルキルまたはアミジノを示す。)で示される置換されたイソキノリンスルホンアミド誘導体、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼ阻害剤。
(12)Rhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、炎症、脳機能障害からなる群より選択される少なくとも一種の疾患の治療薬である、一般式(II)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する医薬。
(13)末梢循環障害、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、早産予防薬、避妊薬、消化管感染予防薬からなる群より選択される少なくとも一種である一般式(II)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する医薬。
(14)一般式(II)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼ阻害活性を有する試薬。
(15)一般式(II)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼに起因する疾患の診断薬。
【0032】
(16)一般式(III)
【0033】
【化18】
Figure 0004141177
【0034】
〔式中、Rc’はRcのうちピリジン以外の置換基を有していてもよい含窒素複素環を示し、他の記号は前記と同義である。〕により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩。
(17)一般式(III)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩をRhoキナーゼ阻害剤として含めてなる上記(1)記載の医薬。
(18)高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘息治療薬、末梢循環障害治療薬、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬、早産予防薬、避妊薬および消化管感染予防薬からなる群から選択される少なくとも一種である一般式(III)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する医薬。
(19)一般式(III)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩をRhoキナーゼ阻害剤として含めてなる上記(3)記載の医薬組成物。
(20)一般式(III)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼ阻害活性を有する試薬。
【0035】
(21)一般式(III)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有するRhoキナーゼに起因する疾患の診断薬。
(22)医薬的に有効量のRhoキナーゼ阻害剤を患者に投与することからなる、Rhoキナーゼを阻害することによって治療しうる疾患の治療方法。
(23)Rhoキナーゼを阻害することによって治療しうる疾患が、高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患である上記(22)に記載の治療方法。
(24)医薬的に有効量の、一般式(I)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を患者に投与することからなる、Rhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息および末梢循環障害、ならびに動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療方法。
(25)医薬的に有効量の、一般式(II)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を患者に投与することからなる、Rhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、炎症および脳機能障害、ならびに末梢循環障害、動脈硬化症、癌、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療方法。
【0036】
(26)医薬的に有効量の、一般式(III)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を患者に投与することからなる、高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療方法。
(27)Rhoキナーゼを阻害することによって治療しうる疾患の治療用医薬の製造の為のRhoキナーゼ阻害剤の使用。
(28)Rhoキナーゼを阻害することによって治療しうる疾患が、高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患である上記(27)に記載のRhoキナーゼ阻害剤の使用。
(29)Rhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息および末梢循環障害、ならびに動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療用医薬の製造の為の、一般式(I)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩の使用。
(30)Rhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、炎症および脳機能障害、ならびに末梢循環障害、動脈硬化症、癌、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療用医薬の製造の為の、一般式(II)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩の使用。
【0037】
(31)高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療用医薬の製造の為の、一般式(III)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩の使用。
(32)Rhoキナーゼ阻害剤、および当該Rhoキナーゼ阻害剤を、高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(33)一般式(I)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩、および当該化合物をRhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息および末梢循環障害、ならびに動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(34)一般式(II)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩、および当該化合物をRhoキナーゼに起因する高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、炎症および脳機能障害、ならびに末梢循環障害、動脈硬化症、癌、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(35)一般式(III)により表される化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩、および当該化合物を高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害、早産、受精および受精卵の着床および消化管感染からなる群から選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
【0038】
本発明のRhoキナーゼ阻害作用、抗高血圧作用、抗狭心症作用、脳血管攣縮抑制作用、抗喘息作用、末梢循環改善作用、早産予防作用、抗動脈硬化作用、抗癌作用、抗炎症作用、免疫抑制作用、自己免疫疾患改善作用、抗AIDS作用、受精および受精卵の着床防止作用、細菌の消化管感染防止作用、骨粗鬆症治療作用、網膜症治療作用、脳機能改善作用は、Rhoキナーゼ阻害活性、血管弛緩作用、気管弛緩作用、末梢血流量増加作用、細胞接着誘導抑制作用、腫瘍細胞転移抑制作用、骨吸収抑制作用、マウス同種MLR抑制活性、腫瘍細胞増殖抑制作用、血管新生阻害作用、血管平滑筋細胞増殖抑制作用等によって確認することができる。
【0039】
本発明のRhoキナーゼ阻害剤が有効であるRhoに関与する疾患とは、たとえば、高血圧症、狭心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、早産、動脈硬化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、細菌の消化管感染、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害等の病的疾患、ならびに受精および受精卵の着床といった生物学的現象をも含めるものである。
【0040】
ここで、本発明のRhoキナーゼとは、Rhoの活性化に伴い活性化されるセリン/スレオニンキナーゼを意味し、例えば、前述のRocα(ROCKII)、p160ROCK(ROCβ、ROCK−I)およびその他のセリン/スレオニンキナーゼ活性を有するタンパク質をいう。
【0041】
癌とは、骨髄性白血病、リンパ性白血病、胃癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、肝臓癌、食道癌、卵巣癌、乳癌、皮膚癌、頭頸部癌、睾丸腫瘍、神経芽細胞腫、尿路上皮癌、多発性骨髄腫、子宮癌、メラノーマ、脳腫瘍等を意味し、抗癌とはこれらの腫瘍の形成、浸潤、転移、増殖の抑制等を意味する。
免疫疾患とはアレルギー性疾患、臓器移植時の拒絶反応等を意味する。
自己免疫疾患とは関節リウマチ、全身性エリトマトーデス、シェーグレン病、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、内分泌性眼障害、原発性胆汁性肝硬変、クローン病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、乾癬、天疱瘡、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病等を意味する。
【0042】
細菌の消化管感染とは、サルモネラ、赤痢菌、腸管病原性大腸菌等が、腸管粘膜上皮細胞内に侵入することによって生じる各種疾患を意味する。
網膜症とは血管障害性網膜症、動脈硬化性網膜症、中心性血管攣縮性網膜症、中心性漿液性網膜症、輪状網膜症、糖尿病性網膜症、異常蛋白血網膜症、高血圧性網膜症、白血病網膜症、脂肪血網膜症、増殖性網膜症、腎性網膜症、鎌状赤血球網膜症、妊娠中毒症性網膜症等を意味する。
脳機能障害とは脳出血、脳血栓、脳塞栓、クモ膜下出血、一過性脳虚血発作、高血圧性脳症、脳動脈硬化症、硬膜下血腫、硬膜外血腫、脳低酸素症、脳浮腫、脳炎、脳腫瘍、頭部外傷、精神病、代謝中毒、薬物中毒、一過性の呼吸停止、手術時の深麻酔、物理学的障害等による精神症状、および上記疾患等による後遺症、注意力低下、多動、言語障害、精神発育遅滞、健忘症、痴呆(痴呆に随伴する徘徊、夜間せん妄、攻撃的行動等を含む)等を意味する。
【0043】
したがって、本発明のRhoキナーゼ阻害剤は医薬として、特に、Rhoに起因して生ずるこれら疾患の予防・治療薬、すなわち、高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘息治療薬、末梢循環障害治療薬、早産予防薬、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、抗AIDS薬、避妊薬、消化管感染予防薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬として有用である。
【0044】
また、一般式(I)および一般式(II)の化合物はRhoキナーゼに高い親和性を有するため、例えばこれらの化合物の放射性活性物質(ラジオリガンド)はRhoキナーゼの選択的なラジオリガンドとして産業上有用である。したがって、Rhoキナーゼ阻害剤である一般式(I)および一般式(II)の化合物およびそれらの修飾物(例えば、当該化合物のラジオリガンド等)は、RhoおよびRhoキナーゼに関与する研究の試薬やこれらの関与する疾患の診断薬としても有用である。
【0045】
本発明のRhoキナーゼ阻害剤として使用される化合物としてはRhoキナーゼ阻害作用を有するものであればいかなるものでもよいが、たとえば、一般式(I)および一般式(II)で示される化合物が挙げられる。
本明細書中、一般式(I)の各記号の定義は次の通りである。
R,R1におけるアルキルとは炭素数1〜10個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルであって、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられ、炭素数1〜4個のアルキルが好ましい。
R,R1におけるシクロアルキルとはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7個のシクロアルキルを示す。
R,R1におけるシクロアルキルアルキルとはシクロアルキル部が前記炭素数3〜7個のシクロアルキルであり、アルキル部が炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)であるシクロアルキルアルキルであって、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロぺンチルエチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロぺンチルプロピル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルプロピル、シクロプロピルブチル、シクロぺンチルブチル、シクロヘキシルブチル、シクロヘプチルブチル、シクロプロピルヘキシル、シクロぺンチルヘキシル、シクロヘキシルヘキシル、シクロヘプチルヘキシル等があげられる。
R,R1におけるアラルキルとは、アルキル部として炭素数1〜4個のアルキルを有するものであって、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等のフェニルアルキルを示す。
R,R1における環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、アラルキルの置換基とは、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)、アルキル(R,R1におけるアルキルと同義)、アルコキシ(炭素数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシであって、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第2級ブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等を示す。)、アラルキル(R,R1におけるアラルキルと同義)、ハロアルキル(R,R1において示したアルキルに1〜5個のハロゲンが置換したものであり、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル等を示す。)、ニトロ、アミノ、シアノ、アジド等があげられる。
【0046】
RとR1が結合して隣接する窒素原子とともに環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含んでいてもよい複素環を形成する基としては、5〜6員環、これらの結合環が好適であり、具体的には1−ピロリジニル、ピぺリジノ、1−ピぺラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、1−イミダゾリル、2,3−ジヒドロチアゾール−3−イル等が例示される。また、置換基を有していてもよい窒素原子における置換基としてはアルキル、アラルキル、ハロアルキル等があげられる。ここで、アルキル、アラルキル、ハロアルキルはR,R1において示したものと同義である。
2におけるアルキルとはR,R1におけるアルキルと同義である。
【0047】
3,R4におけるハロゲン、アルキル、アルコキシ、アラルキルはR,R1において示したものと同義である。
3,R4におけるアシルとは炭素数2〜6個のアルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル等)、ベンゾイル、またはアルカノイル部が炭素数2〜4個のフェニルアルカノイル(フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、フェニルブチリル等)を示す。
3,R4におけるアルキルアミノとは、アルキル部に炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するアルキルアミノであって、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、第2級ブチルアミノ、第3級ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ等を示す。
3,R4におけるアシルアミノとは、アシルとして炭素数2〜6個のアルカノイル、ベンジル、またはアルカノイル部が炭素数2〜4個のフェニルアルカノイル等を有するアシルアミノであって、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、バレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアセチルアミノ、フェニルプロピオニルアミノ、フェニルブチリルアミノ等を示す。
3,R4におけるアルキルチオとは、アルキル部に炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するアルキルチオであって、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、第2級ブチルチオ、第3級ブチルチオ、ぺンチルチオ、ヘキシルチオ等を示す。
3,R4におけるアラルキルオキシとは、そのアルキル部に炭素数1〜4個のアルキルを有するアラルキルを有するものであって、ベンジルオキシ、1−フェニルエチルオキシ、2−フェニルエチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、4−フェニルブチルオキシ等を示す。
3,R4におけるアラルキルチオとは、そのアルキル部に炭素数1〜4個のアルキルを有するアラルキルを有するものであって、ベンジルチオ、1−フェニルエチルチオ、2−フェニルエチルチオ、3−フェニルプロピルチオ、4−フェニルブチルチオ等を示す。
3,R4におけるアルコキシカルボニルとは、アルコキシ部に炭素数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシを有するものであって、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、第2級ブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニル、ぺンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等を示す。
3,R4におけるアルキルカルバモイルとは、炭素数1〜4個のアルキルでモノまたはジ置換されたカルバモイルであって、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル等を示す。
【0048】
5におけるアルコキシとはR,R1におけるアルコキシと同義である。
5におけるアルコキシカルボニルオキシとは、アルコキシ部に炭素数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシを有するものであって、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、イソプロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ、イソブトキシカルボニルオキシ、第2級ブトキシカルボニルオキシ、第3級ブトキシカルボニルオキシ、ぺンチルオキシカルボニルオキシ、ヘキシルオキシカルボニルオキシ等を示す。
5におけるアルカノイルオキシとは、アルカノイル部に炭素数2〜6個のアルカノイルを有するものであって、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ等を示す。
5におけるアラルキルオキシカルボニルオキシとは、そのアルキル部に炭素数1〜4個のアルキルを有するアラルキルを有するものであって、ベンジルオキシカルボニルオキシ、1−フェニルエチルオキシカルボニルオキシ、2−フェニルエチルオキシカルボニルオキシ、3−フェニルプロピルオキシカルボニルオキシ、4−フェニルブチルオキシカルボニルオキシ等を示す。
6におけるアルキルはR,R1におけるアルキルと同義である。また、R8、R9におけるアルキルはR,R1におけるアルキルと同義であり、R8、R9におけるアラルキルはR,R1におけるアラルキルと同義である。
7におけるアルキルはR,R1におけるアルキルと同義であり、R7におけるアラルキルはR,R1におけるアラルキルと同義である。
6とR7が結合して環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含有していてもよい複素環を形成する基とは、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、イミダゾリン−2−イル、3,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル、3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル、1,3−オキサゾリン−2−イル、1,3−チアゾリン−2−イルまたはハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、フェニル、アラルキル等の置換基を有していてもよいベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル等があげられる。ここで、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アラルキルとはR,R1において示したものと同義である。
また、上記の置換基を有していてもよい窒素原子における置換基としては、アルキル、アラルキル、ハロアルキル等があげられる。ここで、アルキル、アラルキル、ハロアルキルとはR,R1において示したものと同義である。
【0049】
10、R11におけるヒドロキシアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルに1〜3個のヒドロキシが置換したものであり、たとえばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。R10、R11におけるアルキルはR,R1におけるアルキルと同義であり、R10、R11におけるハロアルキル、アルコキシカルボニルはR,R1において示したものと同義であり、R10、R11におけるアラルキルはR,R1におけるアラルキルと同義である。R10とR11が結合して形成するシクロアルキルもR,R1におけるシクロアルキルと同義である。
【0050】
LにおけるアルキルはR,R1におけるアルキルと同義である。
Lにおけるアミノアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルにアミノが置換したものであり、たとえばアミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、5−アミノペンチル、6−アミノヘキシル等が挙げられる。
Lにおけるモノ・ジアルキルアミノアルキルとは、炭素数1〜4個のアルキルでモノまたはジ置換されたアミノアルキルであって、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、ジプロピルアミノメチル、ブチルアミノメチル、ジブチルアミノメチル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジエチルアミノエチル等を示す。
Lにおけるカルバモイルアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルにカルバモイルが置換したものであり、たとえばカルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、1−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、4−カルバモイルブチル、5−カルバモイルペンチル、6−カルバモイルヘキシル等が挙げられる。
Lにおけるフタルイミドアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルにフタルイミドが置換したものであり、たとえばフタルイミドメチル、2−フタルイミドエチル、1−フタルイミドエチル、3−フタルイミドプロピル、4−フタルイミドブチル、5−フタルイミドペンチル、6−フタルイミドヘキシル等が挙げられる。
【0051】
BにおけるアルキルはR,R1におけるアルキルと同義である。
BにおけるアルコキシはR,R1におけるアルコキシと同義である。
BにおけるアラルキルはR,R1におけるアラルキルと同義である。
BにおけるアラルキルオキシはR3,R4におけるアラルキルオキシと同義である。
BにおけるアミノアルキルはLにおけるアミノアルキルと同義である。
BにおけるヒドロキシアルキルはR10、R11におけるヒドロキシアルキルと同義である。
Bにおけるアルカノイルオキシアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルに炭素数2〜6個のアルカノイル部を有するアルカノイルオキシが置換したものであって、たとえばアセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、バレリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、アセチルオキシエチル、プロピオニルオキシエチル、ブチリルオキシエチル、バレリルオキシエチル、ピバロイルオキシエチル等が挙げられる。
Bにおけるアルコキシカルボニルアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルに炭素数1〜6個のアルコキシ部を有するアルコキシカルボニルが置換したものであって、たとえばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、イソブトキシカルボニルメチル、第2級ブトキシカルボニルメチル、第3級ブトキシカルボニルメチル、ぺンチルオキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルエチル、プロポキシカルボニルエチル、イソプロポキシカルボニルエチル、ブトキシカルボニルエチル、イソブトキシカルボニルエチル、第2級ブトキシカルボニルエチル、第3級ブトキシカルボニルエチル、ぺンチルオキシカルボニルエチル、ヘキシルオキシカルボニルエチル等が挙げられる。
【0052】
1,Q2,Q3におけるハロゲンはR,R1におけるハロゲンと同義である。
1,Q2におけるアラルキルオキシはR3,R4におけるアラルキルオキシと同義である。
3におけるアルコキシはR,R1におけるアルコキシと同義である。
W,X,Yにおけるアルキレンとは炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキレンであって、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等を示す。
Yにおけるアルケニレンとは炭素数2〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルケニレンであって、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等を示す。
【0053】
RbにおけるアルキルとはR,R1におけるアルキルと同義である。
RbにおけるアラルキルとはR,R1におけるアラルキルと同義である。
RbにおけるアミノアルキルとはLにおけるアミノアルキルと同義である。
Rbにおけるモノ・ジアルキルアミノアルキルとはLにおけるモノ・ジアルキルアミノアルキルと同義である。
【0054】
Rcにおける含窒素複素環とは、単環の場合、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、トリアゾールを示し、縮合環の場合、ピロロピリジン(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン、1H−ピロロ〔3,2−b〕ピリジン、1H−ピロロ〔3,4−b〕ピリジン等)、ピラゾロピリジン(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン、1H−ピラゾロ〔4,3−b〕ピリジン等)、イミダゾピリジン(1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン等)、ピロロピリミジン(1H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、1H−ピロロ〔3,2−d〕ピリミジン、1H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン等)、ピラゾロピリミジン(1H−ピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、1H−ピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン等)、イミダゾピリミジン(イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1H−イミダゾ〔4,5−d〕ピリミジン等)、ピロロトリアジン(ピロロ〔1,2−a〕−1,3,5−トリアジン、ピロロ〔2,1−f〕−1,2,4−トリアジン)、ピラゾロトリアジン(ピラゾロ〔1,5−a〕−1,3,5−トリアジン等)、トリアゾロピリジン(1H−1,2,3−トリアゾロ〔4,5−b〕ピリジン等)、トリアゾロピリミジン(1,2,4−トリアゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリミジン、1H−1,2,3−トリアゾロ〔4,5−d〕ピリミジン等)、シンノリン、キナゾリン、キノリン、ピリドピリダジン(ピリド〔2,3−c〕ピリダジン等)、ピリドピラジン(ピリド〔2,3−b〕ピラジン等)、ピリドピリミジン(ピリド〔2,3−d〕ピリミジン、ピリド〔3,2−d〕ピリミジン等)、ピリミドピリミジン(ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン、ピリミド〔5,4−d〕ピリミジン等)、ピラジノピリミジン(ピラジノ〔2,3−d〕ピリミジン等)、ナフチリジン(1,8−ナフチリジン等)、テトラゾロピリミジン(テトラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン等)、チエノピリジン(チエノ〔2,3−b〕ピリジン等)、チエノピリミジン(チエノ〔2,3−d〕ピリミジン等)、チアゾロピリジン(チアゾロ〔4,5−b〕ピリジン、チアゾロ〔5,4−b〕ピリジン等)、チアゾロピリミジン(チアゾロ〔4,5−d〕ピリミジン、チアゾロ〔5,4−d〕ピリミジン等)、オキサゾロピリジン(オキサゾロ〔4,5−b〕ピリジン、オキサゾロ〔5,4−b〕ピリジン等)、オキサゾロピリミジン(オキサゾロ〔4,5−d〕ピリミジン、オキサゾロ〔5,4−d〕ピリミジン等)、フロピリジン(フロ〔2,3−b〕ピリジン、フロ〔3,2−b〕ピリジン等)、フロピリミジン(フロ〔2,3−d〕ピリミジン、フロ〔3,2−d〕ピリミジン等) 、2,3−ジヒドロピロロピリジン(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−b〕ピリジン等)、2,3−ジヒドロピロロピリミジン(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−d〕ピリミジン等)、5,6,7,8−テトラヒドロピリド〔2,3−d〕ピリミジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン等があげられ、これらの環が水素添加されている芳香族環を形成する場合、環中の炭素原子がカルボニルでもよく、たとえば2,3−ジヒドロ−2−オキソピロロピリジン、2,3−ジヒドロ−2,3−ジオキソピロロピリジン、7,8−ジヒドロ−7−オキソ−1,8−ナフチリジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−7−オキソ−1,8−ナフチリジン等も含まれる。
【0055】
また、これらの環はハロゲン、アルキル、アルコキシ、アラルキル、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ホルミル、アシル、アミノアルキル、モノまたはジアルキルアミノアルキル、アジド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、アルコキシアルキル(メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル等)、置換基を有していてもよいヒドラジノ等の置換基によって置換されていてもよい。
ここで、置換基を有していてもよいヒドラジノの置換基としては、アルキル、アラルキル、ニトロ、シアノ等があげられるが、アルキル、アラルキルはR,R1におけるアルキル、アラルキルと同義であり、たとえばメチルヒドラジノ、エチルヒドラジノ、ベンジルヒドラジノ等が例示される。
【0056】
本明細書中、一般式(II)の各記号の定義は次の通りである。
13,R14,R15,R16における炭素数1〜6個の直鎖もしくは枝分れを有するアルキルとは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル等を示す。
14,R15におけるアリールとは、フェニル、ナフチル等を示す。
14,R15におけるアラルキルとはR,R1におけるアラルキルと同義である。
13とR14が互いに直接結合した炭素数4個以下のアルキレンとはメチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン等を示す。
13とR14が互いに直接結合した炭素数4個以下のアルキレンに置換する炭素数1〜10個のアルキルとは、炭素数1〜10個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルであって、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等を示す。
13とR14が互いに直接結合したエチレン、トリメチレンである場合に置換する炭素数1〜6個のアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖もしくは枝分れを有するアルキルであって、R13におけるものと同義である。
【0057】
14とR15が直接もしくは酸素原子を介して結合し、隣接する窒素原子とともに形成する複素環とはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ホモピペリジノ、ホモモルホリノ等を示す。
17とR18における互いに直接結合して炭素数2〜4個のアルキレンとは、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン等を示す。
Alkにおける炭素数2〜6個のアルキレンとはエチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等を示す。
Alkにおける炭素数2〜6個のアルキレンの置換基である炭素数1〜6個のアルキル、炭素数1〜10個のアルキルとはR13のものと同義である。
Alkにおける炭素数2〜6個のアルキレンの置換基であるアリール、アラルキルとはR14のものと同義である。
【0058】
本発明のRhoキナーゼ阻害剤として使用される化合物として、例えば一般式(I)で示される化合物であって、具体的には、次の化合物を挙げることができる。
(1)4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(2)1−ベンジルオキシカルボニル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(3)1−ベンゾイル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(4)1−プロピル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(5)1−〔3−(2−(2−チエニルメチル)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(6)4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(7)1−ベンジル−4−(4−ピリジルカルバモイル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン
(8)3−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(9)1−ベンジル−3−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(10)1−(2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル)−4−(N−(2−ピリジル)−N−ベンジルカルバモイル)ピリジン
(11)1−ホルミル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(12)4−(3−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(13)1−イソプロピル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(14)1−メチル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(15)1−ヘキシル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(16)1−ベンジル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(17)1−(2−フェニルエチル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(18)1−(2−(4−メトキシフェニル)エチル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(19)1−(2−(4−メトキシフェニル)エチル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(20)1−(2−(4−クロロフェニル)エチル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
【0059】
(21)1−ジフェニルメチル−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(22)1−〔2−(4−(5−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロピリダジン−6−イル)フェニル)エチル〕−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(23)1−(4−(4,5−ジヒドロ−2−フリル)フェニル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(24)1−(2−ニトロフェニル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(25)1−(2−アミノフェニル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(26)1−ニコチノイル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(27)1−イソニコチノイル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(28)1−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(29)1−アセチル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(30)1−(3−(4−フルオロベンゾイル)プロピル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(31)1−(3−(4−フルオロベンゾイル)プロピル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(32)1−(1−(4−ヒドロキシベンゾイル)エチル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(33)1−(1−(4−ベンジルオキシベンゾイル)エチル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(34)1−(2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(35)1−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシブチル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(36)1−(1−メチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(37)1−シンナミル−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(38)1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(39)1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−4−(3−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(40)1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
【0060】
(41)1−(2−フェニルエチル)−4−〔N−(2−ピリジル)−N−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル〕ピペリジン
(42)1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(43)1−(3−クロロフェニル)カルバモイル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(44)4−〔N−(2−ピリジル)−N−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル〕ピペリジン
(45)1−メチル−4−(4−ピリジルカルバモイル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン
(46)1−ニコチノイル−3−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(47)1−〔2−(4−フルオロベンゾイル)エチル〕−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(48)1−(6−クロロ−2−メチルイミダゾ〔1,2−a〕ピリジン−3−カルボニル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(49)1−(4−ニトロベンジル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(50)1−ヘキシル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(51)1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−クロロ−4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(52)4−(2−クロロ−4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(53)1−(2−クロロニコチノイル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(54)3−(2−クロロ−4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(55)1−(4−フタルイミドブチル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(56)1−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシシンナモイル)−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(57)1−カルバモイルメチル−4−(4−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(58)1−ベンジルオキシカルボニル−4−(5−ニトロ−2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(59)4−(5−ニトロ−2−ピリジルカルバモイル)ピペリジン
(60)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
【0061】
(61)トランス−4−アミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(62)トランス−4−ホルムアミドメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(63)トランス−4−ジメチルアミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(64)N−ベンジリデン−トランス−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキシルメチルアミン
(65)トランス−4−ベンジルアミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(66)トランス−4−イソプロピルアミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(67)トランス−4−ニコチノイルアミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(68)トランス−4−シクロヘキシルアミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(69)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミド−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(70)トランス−4−アミノ−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(71)トランス−4−(1−アミノエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(72)トランス−4−アミノメチル−シス−2−メチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(73)(+)−トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミドプロピル)−1−シクロヘキサンカルボン酸
(74)(+)−トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミドプロピル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(75)(−)−トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミドプロピル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(76)(+)−トランス−4−(1−アミノプロピル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(77)(−)−トランス−4−(1−アミノプロピル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(78)(−)−トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミドエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(79)(+)−トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミドエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
【0062】
(80)(+)−トランス−4−(1−アミノエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(81)(−)−トランス−4−(1−アミノエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(82)トランス−4−(4−クロロベンゾイル)アミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(83)トランス−4−アミノメチル−1−(2−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(84)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチル−1−(2−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(85)トランス−4−メチルアミノメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(86)トランス−4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)メチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(87)トランス−4−アミノメチル−1−(3−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(88)トランス−4−アミノメチル−1−〔(3−ヒドロキシ−2−ピリジル)カルバモイル〕シクロヘキサン
(89)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチル−1−(3−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(90)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチル−1−〔(3−ベンジルオキシ−2−ピリジル)カルバモイル〕シクロヘキサン
(91)トランス−4−フタルイミドメチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(92)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチル−1−(3−メチル−4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(93)トランス−4−アミノメチル−1−(3−メチル−4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(94)4−(トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチルシクロヘキシルカルボニル)アミノ−2,6−ジメチルピリジン−N−オキシド
(95)4−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニル)アミノ−2,6−ジメチルピリジン−N−オキシド
(96)トランス−4−アミノメチル−1−(2−メチル−4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(97)トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミドエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(98)トランス−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(99)トランス−4−(2−アミノエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(100)トランス−4−(2−アミノ−1−メチルエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
【0063】
(101)トランス−4−(1−アミノプロピル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(102)トランス−4−アミノメチル−トランス−1−メチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(103)トランス−4−ベンジルアミノメチル−シス−2−メチル−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(104)トランス−4−(1−ベンジルオキシカルボキサミド−1−メチルエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(105)トランス−4−ベンジルオキシカルボキサミドメチル−1−(N−メチル−4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(106)トランス−4−(1−アセタミド−1−メチルエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン
(107)トランス−N−(6−アミノ−4−ピリミジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(108)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(109)(+)−トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(110)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(111)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(112)(+)−トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(113)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(114)(+)−トランス−N−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(115)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(116)(+)−トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(117)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン−4−イル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(118)トランス−N−(4−ピリミジニル)−4−アミノメチルシクロへキサンカルボキサミド
(119)トランス−N−(3−アミノ−4−ピリジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(120)トランス−N−(7H−イミダゾ〔4,5−d〕ピリミジン−6−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
【0064】
(121)トランス−N−(3H−1,2,3−トリアゾロ〔4,5−d〕ピリミジン−7−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(122)トランス−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(123)トランス−N−(1H−5−ピラゾリル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(124)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(125)トランス−N−(4−ピリダジニル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(126)トランス−N−(7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(127)トランス−N−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(128)トランス−N−(チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(129)トランス−N−(5−メチル−1,2,4−トリアゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(130)トランス−N−(3−シアノ−5−メチルピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(131)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(132)トランス−N−(2−(1−ピロリジニル)−4−ピリジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(133)トランス−N−(2,6−ジアミノ−4−ピリミジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(134)(+)−トランス−N−(7−メチル−1,8−ナフチリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(135)トランス−N−(1−ベンジルオキシメチルピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(136)(+)−トランス−N−(1−メチルピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(137)トランス−N−ベンジル−N−(2−ベンジルアミノ−4−ピリジル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(138)トランス−N−(2−アジド−4−ピリジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(139)トランス−N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(140)トランス−N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【0065】
(141−1)トランス−N−(2−カルボキシ−4-ピリジル)−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(141−2)(R)−(+)−トランス−N−(3−ブロモ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(142)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(143)トランス−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(144)トランス−N−(4−ピリジル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(145)トランス−N−(1−メチルピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(グアニジノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(146)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(2−イミダゾリン−2−イル)アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(147)トランス−N−(1−ベンジルオキシメチルピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(148)トランス−N−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(149)トランス−N−(1−ベンジルオキシメチル−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(2−イミダゾリン−2−イル)アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(150)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(3−ベンジルグアニジノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(151)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(3−フェニルグアニジノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(152)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(3−プロピルグアニジノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(153)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(3−オクチルグアニジノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(154)トランス−N−(1−ベンジルオキシメチルピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(2−ベンジル−3−エチルグアニジノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド
(155)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(イミダゾール−2−イル)アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(156)トランス−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(チアゾール−2−イル)アミノメチルシクロヘキサンカルボキサミド
(157)(R)−(+)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(158)N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
(159)N−(4−ピリジル)−4−アミノメチル−2−ベンジルオキシベンズアミド
(160)N−(4−ピリジル)−4−アミノメチル−2−エトキシベンズアミド
【0066】
(161)(R)−(−)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−3−ニトロベンズアミド
(162)(R)−(−)−N−(4−ピリジル)−3−アミノ−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(163)(R)−(+)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−3−クロロベンズアミド
(164)N−(4−ピリジル)−3−アミノメチルベンズアミド
(165)(R)−(+)−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(166)(R)−(+)−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(167)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチルベンズアミド
(168)N−(4−ピリジル)−4−グアニジノメチルベンズアミド
(169)(R)−(+)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−3−フルオロベンズアミド
(170)N−(4−ピリジル)−4−アミノメチルベンズアミド
(171)N−(4−ピリジル)−4−アミノメチル−2−ヒドロキシベンズアミド
(172)N−(4−ピリジル)−4−(2−アミノエチル)ベンズアミド
(173)N−(4−ピリジル)−4−アミノメチル−3−ニトロベンズアミド
(174)N−(4−ピリジル)−3−アミノ−4−アミノメチルベンズアミド
(175)(S)−(−)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(176)(S)−(−)−N−(4−ピリジル)−2−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(177)(R)−(+)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−2−クロロベンズアミド
(178)(R)−(+)−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−(3−プロピルグアニジノ)エチル)ベンズアミド
(179)(R)−(−)−N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)−3−アジドベンズアミド
(180)(R)−(+)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−2−ニトロベンズアミド
【0067】
(181)(R)−(−)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−3−エトキシベンズアミド
(182)(R)−(+)−N−(3−ヨード−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド
(183)(R)−(+)−N−(3−ヨード−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)−3−アジドベンズアミド
(184)(R)−(−)−N−(4−ピリジル)−4−(1−アミノエチル)−3−ヒドロキシベンズアミド
(185)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノメチル−3−ニトロベンズアミド
(186)(R)−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−グアニジノエチル)−3−ニトロベンズアミド
(187)(R)−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)−2−ニトロベンズアミド
(188)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−グアニジノベンズアミド
(189)(R)−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)−3−ニトロベンズアミド
(190)(R)−N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−グアニジノエチル)ベンズアミド
(191)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノ−2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド
(192)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−アミノメチル−3−ニトロベンズアミド
(193)N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド
(194)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド
(195)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−1−アミノアセチル−4−ピペリジンカルボキサミド
(196)N−(1−メトキシメチル−1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド
(197)N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド
(198)N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド
(199)N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−1−アミジノ−4−ピペリジンカルボキサミド
(200)N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミド
【0068】
(201)N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−1−ベンジル−4−ピペリジンカルボキサミド
(202)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド
(203)N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミド
好ましくは、化合物(80)、(109)、(110)、(112)、(115)、(142)、(143)、(144)、(145)、(153)、(157)、(163)、(165)、(166)および(179)が挙げられる。
【0069】
また、本発明のRhoキナーゼ阻害剤として使用される化合物として、例えば一般式(II)で示される化合物であって、具体的には、次の化合物を挙げることができる。
(204)1−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(205)1−(5−イソキノリンスルホニル)−2−メチルホモピペラジン
(206)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−メチルホモピペラジン
(207)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−メチルホモピペラジン
(208)1−(5−イソキノリンスルホニル)−2,3−ジメチルホモピペラジン
(209)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3,3−ジメチルホモピペラジン
(210)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−エチルホモピペラジン
(211)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−プロピルホモピペラジン
(212)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−イソブチルホモピペラジン
(213)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−フェニルホモピペラジン
(214)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−ベンジルホモピペラジン
(215)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−エチルホモピペラジン
(216)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−プロピルホモピペラジン
(217)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−ブチルホモピペラジン
(218)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−ペンチルホモピペラジン
(219)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−ヘキシルホモピペラジン
(220)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−フェニルホモピペラジン
【0070】
(221)1−(5−イソキノリンスルホニル)−6−ベンジルホモピペラジン
(222)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−メチルホモピペラジン
(223)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−エチルホモピペラジン
(224)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−プロピルホモピペラジン
(225)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−ブチルホモピペラジン
(226)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−ヘキシルホモピペラジン
(227)N−(2−アミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(228)N−(4−アミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(229)N−(2−アミノ−1−メチルエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(230)N−(2−アミノ−1−メチルペンチル)−1−クロロ−5−イソキノリン
(231)N−(3−アミノ−2−メチルブチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(232)N−(3−ジ−n−ブチルアミノプロピル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(233)N−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(234)N−(2−グアニジノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(235)N−(2−グアニジノブチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(236)N−(2−グアニジノ−1−メチルエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(237)N−(2−グアニジノメチルペンチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(238)N−(2−グアニジノ−3−メチルブチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(239)N−(3−グアニジノ−2−メチルプロピル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(240)N−(4−グアニジノ−3−メチルブチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
【0071】
(241)2−メチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(242)2−エチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(243)2−イソブチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(244)2,5−ジメチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(245)1−メチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(246)1−アミジノ−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(247)1−アミジノ−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(248)1−アミジノ−3−メチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(249)1−アミジノ−2,5−ジメチル−4−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(250)N−(2−アミノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(251)N−(4−アミノブチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(252)N−(2−アミノ−1−メチルエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(253)N−(2−アミノ−1−メチルヘプチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(254)N−(3−アミノ−2−メチルブチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(255)N−〔3−(N,N−ジブチルアミノ)プロピル〕−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(256)N−〔2−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)エチル〕−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(257)N−(2−グアニジノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(258)N−(4−グアニジノブチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(259)N−(2−グアニジノ−1−メチルエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(260)N−(1−グアニジノメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
【0072】
(261)N−(2−グアニジノ−3−メチルブチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(262)N−(3−グアニジノ−2−メチルプロピル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(263)N−(4−グアニジノ−3−メチルブチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(264)2−メチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(265)2−エチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(266)2−イソブチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(267)2,5−ジメチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(268)1−メチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(269)1−アミジノ−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(270)1−アミジノ−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(271)1−アミジノ−3−メチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(272)1−アミジノ−2,5−ジメチル−4−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(273)N−(2−メチルアミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(274)N−(2−エチルアミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(275)N−(2−プロピルアミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(276)N−(2−ブチルアミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(277)N−(2−ヘキシルアミノエチル)−1−クロロ−5−イソキノリンスルホンアミド
(278)1−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(279)1−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(280)N−(2−メチルアミノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
【0073】
(281)N−(2−エチルアミノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(282)N−(2−プロピルアミノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(283)N−(2−ブチルアミノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(284)N−(2−ヘキシルアミノエチル)−1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホンアミド
(285)1−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(286)1−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(287)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−メチルピペラジン
(288)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−n−ヘキシルピペラジン
(289)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−シンナミルピペラジン
(290)1−(5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(291)N−(2−アミノエチル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(292)N−(4−アミノブチル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(293)N−(3−ジ−n−ブチルアミノプロピル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(294)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−メチルピペラジン
(295)1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−イソブチルピペラジン
(296)1−(5−イソキノリンスルホニル)−2,5−ジメチルピペラジン
(297)N−(3−グアニジノ−2−フェニルプロピル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(298)N−(6−グアニジノ−1−メチルヘプチル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(299)2−〔2−(5−イソキノリンスルホンアミド)エチルアミノ〕−2−イミダゾリン
(300)2−アミジノ−1−(5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
【0074】
(301)4−アミジノ−2,5−ジメチル−1−(5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(302)4−アミジノ−1−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(303)4−(N1,N2−ジメチルアミジノ)−1−(5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(304)4−アミジノ−3−ブチル−1−(5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン
(305)4−ヘキシル−1−(5−イソキノリンスルホニル)エチレンジアミン
(306)N−(4−グアニジノブチル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(307)N−(2−グアニジノエチル)−5−イソキノリンスルホンアミド
(308)1−(5−イソキノリンスルホニル)−2−メチルピペラジン
好ましくは、化合物(204)および(308)が挙げられる。
【0075】
また、本発明のRhoキナーゼ阻害剤として使用される化合物は製薬上許容される酸付加塩でも良く、その酸とは塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸等の有機酸が挙げられる。また、カルボキシル基を有する化合物は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属との塩、リジン等のアミノ酸との塩とすることもできる。さらに、それらの1水和物、2水和物、1/2水和物、1/3水和物、1/4水和物、2/3水和物、3/2水和物等も本発明に含まれる。
【0076】
一般式(I)で示される化合物は、特開昭62−89679号、特開平3−218356号、特開平5−194401号、特開平6−41080号およびWO95/28387号等に記載されている方法により合成することができる。
また、一般式(II)で示される化合物は、特開昭57−156463号、特開昭57−200366号、特開昭58−121278号、特開昭58−121279号、特開昭59−93054号、特開昭60−81168号、特開昭61−152658号、特開昭61−227581号、特開昭62−103066号およびUSP−4678783等に記載されている方法により合成することができる。
【0077】
一般式(I)のうち、Raが式(c)で、RcがRc’である化合物、すなわち一般式(III)
【0078】
【化19】
Figure 0004141177
【0079】
〔式中、Rc’は前記のRcのうちピリジン以外の置換基を有していてもよい含窒素複素環を示し、他の記号は前記と同義である。〕
により表されるアミド化合物は新規化合物であり、以下の方法により合成することができる。
方法1
一般式(IV)
Rc’−NH−Rb (IV)
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物と一般式(V)
【0080】
【化20】
Figure 0004141177
【0081】
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物またはその反応性誘導体と反応させることにより製造できる。カルボン酸化合物の反応性誘導体とは、酸ハライド、エステル、酸無水物、混合酸無水物等が挙げられる。
この反応は、反応に不活性な溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、エタノール等)の存在下に攪拌することによって有利に行うことができる。反応過程中に遊離する水、アルコールまたは酸を、当該分野において公知の方法(共沸蒸留、錯体化、塩生成等の方法)に従って反応混合物から除去する。
方法2
一般式(III)の化合物のうちLが水素以外の置換基を有する化合物は、Lが水素である化合物を当該分野において公知のN−アルキル化またはN−アシル化法に従い、一般式(VI)
1−M (VI)
(式中、L1は前記のLのうち水素以外の置換基を示し、Mは反応性原子を示す。)
で表される化合物と反応させることにより製造できる。
方法3
一般式(III)の化合物のうちLがアルキルまたは式(i)である置換基を有する化合物は、Lが水素である化合物と、一般式(VII)
2=C=O (VII)
(式中、L2は還元的アミノ化反応によりアルキルまたは式(i)で表される基に導き得る基を示す。)
で表される化合物と還元的アミノ化反応によって製造できる。
方法4
一般式(III)の化合物のうちLが式(l)
【0082】
【化21】
Figure 0004141177
【0083】
(式中、Q1は前記と同義であり、W1は置換基W中、2−ヒドロキシトリメチレンを示す。)
である化合物は、一般式(III)のLが水素である化合物と一般式(VIII)
【0084】
【化22】
Figure 0004141177
【0085】
(式中、Q1は前記と同義である。)
で表される化合物を反応させることによって製造できる。
反応は、反応に影響をおよぼさない適当な溶媒、たとえば、アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、脂肪族または脂環式ケトン(2−プロパノン、2−ブタノン、シクロヘキサン等)中にて有利におこなうことができる。さらに、アルカリ金属炭酸塩または水素炭酸塩等の適当な塩基の添加により反応速度を高めることができる。反応温度はいくぶん昇温下で、好ましくは反応混合物の還流温度で行われる。
方法5
一般式(III)の化合物のうちLが水素である化合物は一般式(III−a)
【0086】
【化23】
Figure 0004141177
【0087】
(式中、B1は前記の置換基B中、アルコキシ、アラルキルオキシを示し、他の記号は前記と同義である。)
で表される化合物から製造できる。
化合物(III−a)中、B1がアルコキシである化合物の場合は、反応に影響を与えない適当な有機溶媒、たとえばアルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、エーテル(テトラヒドロフラン等)中、適当な塩基、たとえばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩(水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)の存在下において、攪拌および必要に応じて加熱することによって、Lが水素である一般式(III)の化合物を製造できる。
また、化合物(III−a)中、B1がアラルキルオキシである化合物である場合は、反応に影響を与えない適当な有機溶媒中で、パラジウム炭素等の適当な触媒の存在下に、水素源として水素、ヒドラジン、ぎ酸、ぎ酸アンモニウム等を利用して、常温下または必要なら加圧下において還元的分解反応を行うことによっても製造される。
さらに、化合物(III−a)を5〜35%、好ましくは15〜30%の酢酸中、臭化水素の存在下において攪拌することにより、転化させることもできる。
また、一般式(III−b)
【0088】
【化24】
Figure 0004141177
【0089】
(式中、Y1は前記の置換基Y中、メチレンを示し、他の記号は前記と同義である。)で表される化合物を、反応に影響を与えない適当な有機溶媒中、水素下で適当な触媒、たとえばパラジウム炭素等の存在下において攪拌する接触水素添加分解反応によっても、Lが水素である一般式(III)の化合物を製造できる。
かくして得られる一般式(III)の化合物は、再結晶、クロマトグラフィー等、それ自体公知の方法により、反応混合物から分離、精製することができる。
さらに、一般式(III)の化合物は常法に従い、医薬上許容される塩を形成することができる。塩を形成するのに用いられる酸とは、塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸等の有機酸、リジン等のアミノ酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属から適宜選択することができる。また、これらの酸付加塩は、常法に従って、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリとの反応によって対応する遊離塩基に変換される。さらに、第4級アンモニウム塩にすることもできる。
一般式(III)の化合物には光学異性体、そのラセミ体またはシス−トランス異性体が存在しうるが、本発明はこれらすべてを包含するものであり、これらの異性体は常法により単離するか、各異性体原料を用いることによって製造することができる。
【0090】
本発明のRhoキナーゼ阻害剤を医薬として、特に、高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘息治療薬、末梢循環障害治療薬、早産予防薬、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、避妊薬、消化管感染予防薬、抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬として使用する場合は、一般的な医薬製剤として調製される。たとえば、本発明のRhoキナーゼ阻害剤を製剤上許容しうる担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤等)と混合して得られる医薬組成物または錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、眼軟膏等の製剤として経口または非経口に適した形態で処方される。
【0091】
固体製剤とする場合は、添加剤、たとえば、ショ糖、乳糖、セルロース糖、D−マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トランガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール、炭酸水素ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が用いられる。さらに、錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、たとえば糖衣錠、腸溶性コーティング錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることができる。
【0092】
半固体製剤とする場合は、動植物性油脂(オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマシ油等)、鉱物性油脂(ワセリン、白色ワセリン、固形パラフィン等)、ロウ類(ホホバ油、カルナバロウ、ミツロウ等)、部分合成もしくは全合成グリセリン脂肪酸エステル(ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等)等が用いられる。これらの市販品の例としては、ウイテプゾール(ダイナミッドノーベル社製)、ファーマゾール(日本油脂社製)等が挙げられる。
【0093】
液体製剤とする場合は、添加剤、たとえば塩化ナトリウム、グルコース、ソルビトール、グリセリン、オリーブ油、プロピレングリコール、エチルアルコール等が挙げられる。特に注射剤とする場合は、無菌の水溶液、たとえば生理食塩水、等張液、油性液、たとえばゴマ油、大豆油が用いられる。また、必要により適当な懸濁化剤、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、非イオン性界面活性剤、溶解補助剤、たとえば安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。さらに、点眼剤とする場合は水性液剤または水溶液が用いられ、特に、無菌の注射用水溶液があげられる。この点眼用液剤には緩衝剤(刺激軽減のためホウ酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤、炭酸塩緩衝剤等が好ましい)、等張化剤、溶解補助剤、保存剤、粘稠剤、キレート剤、pH調整剤(pHは通常約6〜8.5に調整することが好ましい)、芳香剤のような各種添加剤を適宜添加してもよい。
これらの製剤の有効成分の量は製剤の0.1〜100重量%であり、適当には1〜50重量%である。投与量は患者の症状、体重、年令等により変わりうるが、通常経口投与の場合、成人一日当たり1〜500mg程度であり、これを一回または数回に分けて投与するのが好ましい。
【0094】
【実施例】
以下に、実施例、製剤処方例および薬理作用を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の一般式(III)で表される新規な化合物の合成方法を実施例によって説明する。
【0095】
実施例1
(a)4−アミノ−1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン3gとジイソプロピルエチルアミン2.16gのアセトニトリル40ml溶液に、N−ベンジルオキシカルボニルイソニペコチルクロリド5gを加え室温にて2時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。水洗、乾燥後、減圧下濃縮して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジンカルボキサミド6.3gを得た。
PMR(CDCl3):1.67(9H,s),1.79(2H,m),1.95(2H,m),2.53(1H,m),2.89(2H,m),4.29(2H,m),5.15(2H,s),6.48(1H,d,J=4.4Hz),7.36(5H,m),7.59(1H,br),7.61(1H,d,J=4.4Hz),7.99(1H,d,J=5.4Hz),8.43(1H,d,J=5.4Hz)
(b)N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジンカルボキサミド2gをメタノール30mlに溶解し、この溶液に10%水酸化パラジウム炭素0.5gを加え、水素添加反応(常圧)を行った。反応終了後、触媒を濾過し、濾液を減圧下濃縮することによりN−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド1.2gを得た。
PMR(DMSO−d6):1.59(9H,s),1.83(2H,m),2.01(2H,m),2.89(2H,m),3.01(1H,m),3.32(2H,m),7.19(1H,d,J=4.4Hz),7.68(1H,d,J=4.4Hz),7.97(1H,d,J=5.4Hz),8.24(1H,d,J=5.4Hz),8.81(1H,br),10.45(1H,s)
(c)N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド1gに、ぎ酸10mlを加え室温にて2時間攪拌した。1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和後、クロロホルムで抽出した。水洗、乾燥後、減圧下濃縮して得られる結晶を15%塩酸−メタノール溶液5mlに溶解した。このものを濃縮して得られる結晶をエタノール−酢酸エチルより再結晶することにより融点273℃(分解)のN−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド1塩酸塩1水和物650mgを得た。
PMR(DMSO−d6):1.52(2H,m),1.69(2H,m),2.51(2H,m),2.70(1H,m),2.97(2H,m),3.32(1H,br),6.79(1H,d,J=3.4Hz),7.31(1H,d,J=3.4Hz),7.79(1H,d,J=5.4Hz),8.04(1H,d,J=5.4Hz),9.82(1H,s),11.54(1H,br)
【0096】
実施例2
(a)N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド0.6g、フェネチルブロミド390mg、炭酸カリウム290mgのジメチルホルムアミド10ml溶液を80℃にて2時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。水洗、乾燥後、減圧下濃縮して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド550mgを得た。
PMR(DMSO−d6):1.59(9H,s),1.66(2H,m),1.80(2H,m),1.98(2H,m),2.50(2H,m),2.56(1H,m),2.74(2H,m),3.01(2H,m),7.05(1H,d,J=4.4Hz),7.23(5H,m),7.68(1H,d,J=4.4Hz),7.97(1H,J=5.4Hz),8.23(1H,d,J=5.4Hz),10.03(1H,s)
(b)N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド550mgに、ぎ酸5mlを加え室温にて2時間攪拌した。1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和後、クロロホルムで抽出した。水洗、乾燥後、減圧下濃縮して得られる結晶を15%塩酸−メタノール溶液1mlに溶解した。このものを濃縮して得られる結晶をエタノール−酢酸エチルより再結晶することにより融点272℃(分解)のN−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩1/4水和物250mgを得た。
PMR(DMSO−d6/TMS):2.00−2.19(4H,m),2.93−3.41(7H,m),3.63−3.68(2H,m),7.22−7.37(5H,m),7.50(1H,d,J=2.0Hz),7.56(1H,t,J=2.0Hz),8.25(1H,d,J=6.8Hz),8.33(1H,d,J=6.8Hz),10.86(1H,br),11.36(1H,s),12.77(1H,br)
【0097】
実施例3
(a)N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド500mg、ベンジルブロミド370mg、炭酸カリウム300mgのジメチルホルムアミド10ml溶液を80℃にて4時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。水洗、乾燥後、減圧下濃縮して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−にて精製し、N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−ベンジル−4−ピペリジンカルボキサミド300mgを得た。
PMR(CDCl3):1.65(9H,s),1.91(4H,m),2.04(2H,m),2.35(1H,m),2.97(2H,m),3.51(2H,s),6.44(1H,d,J=3.9Hz),7.30(5H,m),7.49(1H,br),7.57(1H,d,J=3.9Hz),7.99(1H,d,J=5.4Hz),8.41(1H,d,J=5.4Hz)
(b)N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−ベンジル−4−ピペリジンカルボキサミド300mgに、ぎ酸4mlを加え室温にて1時間攪拌した。1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和後、クロロホルムで抽出した。水洗、乾燥後、減圧下濃縮して得られる結晶を15%塩酸−メタノール溶液1mlに溶解した。このものを濃縮して得られる結晶をエタノール−酢酸エチルより再結晶することにより融点260℃(分解)のN−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1−ベンジル−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩1水和物120mgを得た。
PMR(DMSO−d6/TMS):2.00−2.15(4H,m),2.92−2.98(2H,m),3.13−3.19(1H,m),3.36−3.43(2H,m),4.32(2H,s),7.55(1H,br),7.63(2H,m),8.20(1H,d,J=6.4Hz),8.31(1H,d,J=6.4Hz),10.76(1H,br),11.25(1H,br),12.69(1H,br)
上記実施例と同様にして以下の化合物を得ることができる。
【0098】
実施例4
N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩3/2水和物、融点277℃(分解)
実施例5
N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−1−アミノアセチル−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩1/2水和物、融点264℃(分解)
実施例6
N−(1−メトキシメチル−1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド1水和物、融点240〜241℃
実施例7
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩3/2水和物、融点235℃(分解)
実施例8
N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−1−アミジノ−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩5/4水和物、融点246℃(分解)
実施例9
N−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩、融点276℃(分解)
実施例10
N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩水和物、融点259〜261℃(分解)
実施例11
N−(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−4−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミド2塩酸塩1/2水和物、融点240〜244℃(分解)
【0099】
以下、本発明の医薬の製剤の調製方法を製剤処方例により説明する。
製剤処方例1:錠剤
Figure 0004141177
本発明化合物、乳糖、トウモロコシデンプンおよび結晶セルロースを混合し、ポリビニルピロリドンK30糊液を用いて練合し、20メッシュの篩を通して造粒した。50℃で2時間乾燥した後、24メッシュの篩を通し、タルクおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、直径7mmの杵を用いて、1錠120mgの錠剤を製した。
【0100】
製剤処方例2:カプセル剤
Figure 0004141177
本発明化合物、乳糖、トウモロコシデンプンおよび結晶セルロースを混合し、ポリビニルピロリドンK30糊液を用いて練合し、20メッシュの篩を通して造粒した。50℃で2時間乾燥した後、24メッシュの篩を通し、タルクおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、硬カプセル(4号)に充填し、120mgのカプセル剤を製した。
【0101】
以下、本発明の医薬の薬理作用を実験例により説明する。
実験例1:Rhoキナーゼ阻害作用(ウシ胸部大動脈Rhoキナーゼの阻害作用)
Rhoキナーゼはウシ胸部大動脈より以下の通り部分精製した。大動脈をミンチ後、9倍量の50mMトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)(pH=7.4)、1mMジチオスレイトール、1mM EGTA、1mM EDTA、100μM p−アミジノフェニルメチルスルホニルフルオリド、5μME−64、5μMロイペプチン、5μMペプスタチンAとともにホモジナイズし、その後、遠心分離(10,000×g、30分間)により上清を得た。次に上清をヒドロキシアパタイトカラムに吸着させた。カラムは、0.2Mリン酸バッファー(pH=6.8)で洗浄した。Rhoキナーゼ標品は0.4Mリン酸バッファー(pH=6.8)を用いて溶出させた。Rhoキナーゼのアッセイは以下の通り行った。
50mM Tris、1mM EDTA、5mM MgCl2、50μg/mlヒストン、10μM GTPγS、100μg/ml Rho、2μM 〔32P〕ATP、上記のようにして調製したRhoキナーゼ 3μlおよび被験化合物を含む反応液(全量50μl)を30℃、5分間反応させた。反応は25%トリクロル酢酸(TCA)溶液1mlを添加することにより終了させ、4℃、30分間静置した。その後、メンブランフィルター(HAWPタイプ、ミリポア社)でろ過し、フィルターの放射能を液体シンチレーションカウンターで計測した。被験化合物の阻害作用は被験化合物非添加(Control)の放射能との比較により次式により算出した。その結果を第1表に示す。
【0102】
【数1】
Figure 0004141177
【0103】
【表1】
Figure 0004141177
【0104】
実験例2:Rhoキナーゼ阻害作用(ヒト血小板Rhoキナーゼ(p160ROCK)の阻害作用)
ヒト血小板p160ROCKはIshizakiらの方法(Ishizaki T ら, The EMBO J., 15(8), 1885-1893, 1996)により単離した。
キナーゼアッセイは、50mM Hepes−NaOH(pH=7.4)、10mM MgCl2、5mM MnCl2、2mMジチオスレイトール、0.02% Brij35、1μM 〔γ−32P〕ATP、330μg/mlヒストン、Ishizakiらの方法により単離したp160ROCK 2μlおよび被検化合物を含む反応液(全量30μl)を30℃、20分インキュベートした後、溶液を1/3量の4×レムリサンプルバッファーと混合し、5分間煮沸した後、SDS−PAGEにかけた。ゲルをクマシーブリリアントブルーで染色し、乾燥後ヒストンのバンドを切り出し、放射活性を測定した。被検化合物の評価は実験例1と同様に行い、50%の阻害作用を示す各被検化合物の濃度をIC50(μM)として算出した。その結果を第2表に示す。
【0105】
【表2】
Figure 0004141177
【0106】
実験例3:Rhoキナーゼ阻害作用(p160ROCKおよびROCKIIの阻害作用)
p160ROCK(Ishizaki T ら, The EMBO J., 15(8), 1885-1893, 1996)およびROCKII(Nakagawa O ら, FEBS Lett. 392 189-193, 1996) の酵素標品は以下の方法により得た。COS細胞を3.5cmシャーレに播き、一晩培養した後リポフェクタミンを用いて、p160ROCKおよびROCKIIの発現ベクター(pCAG−myc−p160ROCKおよびpCAG−myc−ROCKII;Ishizaki Tら, The EMBO J., 15(8), 1885-1893, 1996 およびNakagawa Oら, FEBS Lett. 392 189-193, 1996を参照)をトランスフェクションした。20時間培養後、氷冷したPBSで細胞を一回洗浄後、リシスバッファー(20mM Tris−HCl(pH=7.5)、1mM EDTA、1mM EGTA、5mM MgCl2、25mM NaF、10mM βグリセロホスフェート、5mMピロホスフェートナトリウム、0.2mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、2mMジチオスレイトール、0.2mMバナジン酸ナトリウム、0.05%TritonX−100、0.1μM calyculinA)を用いて、氷上で20分間細胞を溶解させた。ライセートを10,000×gで10分間遠心分離し、上清を回収した。上清に9E10抗mycエピトープ抗体(Ishizaki Tら, The EMBO J., 15(8), 1885-1893, 1996 を参照)を加え、2時間振とうした。その後、プロテインG−セファロースを加えさらに2時間振とうした。その後、懸濁液を1,000×gで5分間遠心分離し、結果として得られたペレットをリシスバッファーで3回洗浄し、さらにキナーゼバッファー(50mM Hepes−NaOH(pH=7.4)、10mM MgCl2、5mM MnCl2、2mM ジチオスレイトール、0.02% Brij35)で一回洗浄後、キナーゼバッファーに懸濁し、酵素標品とした。キナーゼアッセイは実験例2に示した方法と同様に行い、ヒト血小板Rhoキナーゼ(p160ROCK)に代えて、本実験例で得た酵素標品を用いて測定した。50%の阻害作用を示す各被検化合物の濃度をIC50(μM)として算出した。その結果を第3表に示す。
【0107】
【表3】
Figure 0004141177
【0108】
実験例4:血管弛緩作用
雄性ウサギ(体重1.9〜3.0kg)をペントバルビタールナトリウム麻酔後、脱血死させ、胸部大動脈を摘出した。幅約2mmのリング状標本を作成し、37℃のクレブス−ヘンゼライト液(NaCl 117mM;KCl 4.7mM;CaCl2 2.5mM;MgSO4 1.2mM;NaHCO3 24.8mM;KH2PO4 1.2mM;グルコース 11.0mM)を満たした容量40mlのマグヌス管内に2gの負荷で懸垂した。マグヌス管内は常時、混合ガス(95%酸素+5%炭酸ガス)を通気した。標本の張力は等尺性トランスデューサー(TB−611T、日本光電)で測定した。標本をフェニレフリン(10-6M)で収縮させ、収縮が一定した後、被験化合物を累積的に添加し、弛緩反応を観察した。被験化合物の弛緩反応はフェニレフリン収縮を100%とし、その50%の弛緩をさせる濃度をIC50(μM)として算出した。その結果を第4表に示す。
【0109】
実験例5:モルモット摘出気管標本のアセチルコリンによる収縮に対する効果
雄性ハートレー系モルモット(体重260〜390g)にペントバルビタールナトリウム100mg/kgを腹腔内投与して麻酔後、脱血死させ、気管を摘出した。気管の腹側軟骨を切り開き、幅3mmで靱帯の部分を切断し、標本を作成した。標本は37℃のクレブス−ヘンゼライト液(NaCl 117mM;KCl 4.7mM;CaCl2 2.5mM;MgSO4 1.2mM;NaHCO3 24.8mM;KH2PO4 1.2mM;グルコース 11.0mM)を満たした容量40mlのマグヌス管内に1gの負荷で懸垂した。マグヌス管内は常時、混合ガス(95%酸素+5%炭酸ガス)を通気した。標本の張力は等尺性トランスデューサー(TB−611T、日本光電)を用いてレコーダー(Ti−102、東海医理科)に記載した。標本をアセチルコリン(10-6M)で収縮させ、収縮が一定した後、被験化合物を累積的に添加し、弛緩反応を観察した。被験化合物の弛緩反応はパパベリン(10-4M)の最大反応を100%とし、その50%の弛緩反応を示す濃度をIC50(μM)として算出した。その結果を第4表に示す。
【0110】
【表4】
Figure 0004141177
【0111】
実験例6:末梢血流量増加作用
雄性SDラット(体重200〜300g)にストレプトゾトシン(STZ、65mg/kg)を静脈内投与し、糖尿病ラットを作成した。一カ月後、STZ誘発糖尿病ラットをペントバルビタールで麻酔し、後肢皮膚血流量をレーザー血流計(ALF21R、アドバンス)で測定した。被験化合物を頸動脈に留置したカテーテルを介し静脈内に投与し、皮膚血流量増加作用を観察した。被験化合物の血流量増加作用は、投与前血流量からの増加率で表した。その結果を第5表に示す。
【0112】
【表5】
Figure 0004141177
【0113】
実験例7:VLA(very late antigen)インテグリン活性化抑制作用
VLAインテグリンの活性化の指標として、ホルボールエステルによるCEM細胞(ヒトT細胞性株化細胞)とVLAインテグリンのリガンドであるフィブロネクチンとの接着誘導を測定した。この接着誘導に対する被験化合物の抑制作用は以下の方法に従い測定した。
CEM細胞を0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)、10mM HEPES、2mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、60μg/ml硫酸カナマイシン、1.5mg/ml炭酸水素ナトリウムを含むRPMI1640培地(以下、培養液と称する)で洗浄後、これに懸濁して以後の実験に用いた。ヒトフィブロネクチンでコートした96穴プレートの各穴にCEM細胞(5×104)と培養液に溶解した被験化合物(最終濃度1〜100μM)を加え100μlとし、37℃で1時間静置した。次にPMA(phorbol 12-myristate 13-acetate, TPA;最終濃度10ng/ml)と被験化合物を加え200μlとし、37℃で30分間静置した。各穴を37℃の培養液200μlで2回洗浄した後、プレートに接着した細胞のLDH(ラクテートデヒドロゲナーゼ)活性を測定することにより細胞の接着量を測定した。上記の方法によって得られた結果から、接着誘導に対する被験化合物の抑制作用を以下の式から求めた。その結果を第6表に示す。
接着誘導抑制作用(%)=(a−b)/(a−c)×100
a=PMAを添加した場合の接着した細胞数
b=被験化合物とPMAを添加した場合の接着した細胞数
c=無刺激で接着した細胞数
【0114】
【表6】
Figure 0004141177
【0115】
実験例8:骨吸収抑制作用(in vitro)
マウス大腿骨を用いたin vitroにおける骨吸収抑制作用は以下の方法に従い測定した。
3〜6週齢の雄性ICRマウスの大腿骨を無菌的に摘出し、10%熱不活性化ウシ胎児血清、ペニシリンGカルシウム100単位/ml、硫酸カナマイシン60μgおよび0.15%炭酸水素ナトリウムを含むハムF12培地(以下、培養液と称する)にて、骨髄腔を洗浄した後、骨に付着する柔組織をよく取り除いて培養に用いた。被験化合物は一旦ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、10mg/mlの溶液を調製し、これを培養液で1000倍に希釈し、10μg/mlの溶液を得た。被験化合物をそれぞれ第7表に記載の濃度で添加した培養液1.2mlを用いて、ICRマウス大腿骨を24穴プレートにて6日間、5%炭酸ガス、95%空気の条件下にて培養を行い、培養終了後に培養上清を回収し、培養上清中に浮遊したカルシウム量を、オルトクレゾールフタレインを用いるキレート法により定量した。被験化合物の骨吸収抑制作用は、被験化合物未添加の場合の大腿骨の培養を対照として、以下の式により求めた。
【0116】
【数2】
Figure 0004141177
【0117】
なお、本実験は各群4例で実施した。また、対照群には、被験化合物を添加した場合と同量のDMSOのみを加えて培養を行った。その結果を第7表に示す。
【0118】
実験例9:マウス同種リンパ球混合反応に対する抑制作用
マウス同種リンパ球混合反応(以下、マウス同種MLRと称する)は、反応細胞としてBALB/cマウスの脾細胞を、刺激細胞としてC57BL/6マウスの脾細胞をマイトマイシンC処理したものを用い、両者を等比で混合培養することによって行った。
反応細胞の調製は以下の方法で行った。5〜6週齢のBALB/cマウスより脾臓を摘出し、熱不活性化ウシ胎児血清(以下、FBSと称する)を5%添加したRPMI1640培地(硫酸カナマイシン60μg/ml、ペニシリンGカリウム100単位/ml、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホネート10mM、0.1%炭酸水素ナトリウム、L−グルタミン2mM含有)を用いて、脾細胞の単細胞浮遊液を得た。溶血処理後、10-4M 2−メルカプトエタノールおよび10%FBSを含むRPMI1640培地を用いて、107細胞/mlに調製し、反応細胞浮遊液として用いた。
上述した方法により調製した反応細胞浮遊液50μl、刺激細胞浮遊液50μlおよび10%FBSを含むRPMI1640培地を用いて調製した被験化合物100μlとを、96穴プレートに加え、37℃で5%炭酸ガス、95%空気の条件下で4日間培養を行った。
リンパ球幼若化反応の測定は、以下に示す3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)を用いる色素定量法を用いた。
培養終了後、各穴の上清100μlを除去し、5mg/mlMTT溶液を20μlずつ各穴に添加し、4時間、37℃で培養した。その後、10%ドデシル硫酸ナトリウムを含む0.01規定塩酸溶液100μlを加え、一晩37℃で培養し、形成された紫色のホルマザンの結晶を溶解させ、マイクロプレート吸光光度計を用いて550nmにおける吸光度を測定し、マウス同種MLRのリンパ球幼若化反応の指標とした。マウス同種MLRの抑制は以下の式により抑制率を算出することにより評価した。その結果を第7表に示す。
【0119】
【数3】
Figure 0004141177
【0120】
【表7】
Figure 0004141177
【0121】
実験例10:SK−Mel−28メラノーマに対する細胞増殖抑制作用
ヒトSK−Mel−28メラノーマ104個および被験化合物を100μlの10%FBSを含むRPMI1640培地に懸濁し、96穴プレートにて、37℃、5%炭酸ガス下で72時間培養した。培養後、10μlのMTT(5mg/ml)を各穴に添加し、さらに4時間、37℃、5%炭酸ガス下で培養した後、10%ドデシル硫酸ナトリウム、0.01規定塩酸溶液を10μlずつ各穴に加えた。一晩放置後、マイクロプレートリーダーを用いて570nmにおける吸光度を測定し、以下の式により抑制率(% cytotoxicity)を算出した。その結果を第8表に示す。
なお、ヒト培養腫瘍細胞に対する細胞毒性作用は、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)を用いた色素法(Carmichaelら, Cancer Res., 47, 936-942, 1987:Mosman, J. Immunol. Methods, 65, 55-63, 1983) により確認した。
また、被験化合物はジメチルスルホキシドに溶解の後、RPMI1640培地により希釈して用い、最終のジメチルスルホキシド濃度は0.25%以下となるよう調製した。
【0122】
【数4】
Figure 0004141177
【0123】
【表8】
Figure 0004141177
【0124】
実験例11:血管新生阻害作用
血管新生阻害作用は血管内皮細胞による管腔形成抑制作用を指標として評価した。具体的には、正常ヒトさい帯血管内皮細胞(倉敷紡績株式会社)をE−GMUV培地に5.5×104個/mlとなるように懸濁し、その400μlをマトリゲルプレート(EHS sarcoma由来の再構成基底膜、コラボレイティブ社)上に添加した。その後、被験化合物(1mM溶液)を4μl添加し、37℃、5%炭酸ガス下で18時間培養した。培養終了後、一定面積当たりの管腔数を顕微鏡下にて計測した。管腔数は管腔形成を阻害することにより増大するため、被験化合物の評価には、この管腔数をコントロールと比較することにより行った。その結果を第9表に示す。
【0125】
【表9】
Figure 0004141177
【0126】
実験例12:血管平滑筋細胞増殖抑制作用
ラット大動脈からの平滑筋細胞(SMC:smooth muscle cell) の分離および培養はRossのexplant法(Ross, R. and Glomset, J. A., N. Engl. J. Med., 295, 369-420, 1976)により行った。雄性ウイスターラット(10週齢)を頸動脈切断により屠殺後、胸部大動脈を摘出した。外膜周囲の脂肪組織の除去および内膜剥離操作を行った後、細断し、10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEM培地中、37℃、5%炭酸ガス下で培養した。7日後、out−growthした細胞をトリプシン処理により剥離し、リン酸緩衝溶液(PBS:phosphate-buffered saline)で洗浄した後、80cm2の培養フラスコ中、10%FBS含有DMEM培地を用いて培養した。培養2継代目の細胞を10%FBS含有DMEM培地に5×104個/mlとなるように懸濁した後、96穴ウェルコラーゲンコートプレートの1穴あたり100μlを分注し、37℃、5%炭酸ガスの条件下で1日培養した。被験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)に適宜希釈し、96穴ウェルプレートに加えた。培地中におけるDMSOの濃度は1%になるようにした。48時間後にMTT溶液(5mg/ml)を10μl加え、さらに4時間後、10%ドデシル硫酸ナトリウム−0.01規定塩酸を50μl加え、翌日、イムノリーダーで570nmの吸光度を測定した。被験化合物のSMC増殖抑制作用は下記式から抑制率を算出した。その結果を第10表に示す。
【0127】
【数5】
Figure 0004141177
【0128】
【表10】
Figure 0004141177
【0129】
実験例13:急性毒性
ddY系マウスに化合物109.2HCl、化合物143.2HCl.H2O をそれぞれ腹腔内投与して5日間観察したところ、30mg/kgの腹腔内投与で死亡例は見られなかった。
【0130】
【発明の効果】
上記製剤処方例および薬理実験より、一般式(I)および一般式(II)の化合物は強いRhoキナーゼ阻害作用を有する。また、これらのRhoキナーゼ阻害剤は血管弛緩作用、気管弛緩作用、末梢血流量増加作用、細胞接着誘導抑制作用、腫瘍細胞転移抑制作用、骨吸収抑制作用、マウス同種MLR抑制活性、腫瘍細胞増殖抑制作用、血管新生阻害作用、血管平滑筋細胞増殖抑制作用およびその他の諸作用を有することから、医薬として、特に、高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘息治療薬、末梢循環障害治療薬、早産予防薬、動脈硬化症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾患治療薬、抗AIDS薬、避妊薬、消化管感染予防薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療薬、脳機能改善薬として有用である。
また、本発明のRhoキナーゼ阻害剤は強いRhoキナーゼ阻害活性を有することからRhoおよびRhoキナーゼに関与する研究の試薬やこれらの関与する疾患の診断薬としても有用である。
本出願は、日本で出願された平成8年特許願第212409号を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (3)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004141177
    〔式中、Raは式
    Figure 0004141177
    〔式(a)および(b)中、Rは水素、アルキルまたは環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはアラルキルを示すか、あるいは式
    Figure 0004141177
    (式中、R6は水素、アルキルまたは式:−NR89(ここで、R8,R9は同一または異なって水素、アルキル、アラルキルまたはフェニルを示す。)を示し、R7は水素、アルキル、アラルキル、フェニル、ニトロまたはシアノを示す。
    または、R6とR7は結合して環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含有していてもよい複素環を形成する基を示す。)を示す。
    1は水素、アルキルまたは環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはアラルキルを示す。
    または、RとR1は結合して隣接する窒素原子とともに環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含んでいてもよい複素環を形成する基を示す。
    2は水素またはアルキルを示す。
    3,R4は同一または異なって水素、アルキル、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ、シアノ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アラルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイルまたはアジドを示す。
    Aは式
    Figure 0004141177
    (式中、R10,R11は同一または異なって水素、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルを示す。または、R10とR11は結合してシクロアルキルを形成する基を示す。l,m,nはそれぞれ0または1〜3の整数を示す。)を示す。
    bは水素、アルキル、アラルキル、アミノアルキルまたはモノ・ジアルキルアミノアルキルを示す。
    Rcは置換基を有していてもよい含窒素複素環を示す。〕
    により表されるアミド化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する、抗癌薬
  2. 一般式(I)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する免疫抑制薬。
  3. 一般式(I)の化合物、その異性体および/またはその製薬上許容されうる酸付加塩を含有する骨粗鬆症治療薬。
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