JP4139916B2 - 超音波照射方法及び超音波照射装置 - Google Patents

超音波照射方法及び超音波照射装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲の少なくとも一部に液体が存在する対象物に向けて超音波を照射する方法に関する。また、本発明は、設定される周波数情報に基づく周波数の超音波を対象物に照射することができる超音波照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、手術後の患者の生活の質(Quality Of Life :QOL)を向上することが望まれている。このような流れの中で、最小侵襲治療(Minimally Invasive Treatment:MIT)が注目されている。特に、体外から強力超音波等によって形成される衝撃波を結石に照射して無侵襲的に結石を破砕する体外衝撃波結石破砕術(Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy :ESWL)による結石破砕装置の検討は1980年代からなされ、医療の現場において実用化されている。腎臓結石、尿路結石及び胆石は、菜食主義者や途上国に患者数が少なく、先進国に患者が多いことを考えれば、動物性蛋白質摂取による現代病のひとつであると考えられる。結石の種類はシュウ酸カルシウムの2水和物もしくは1水和物による結石、燐酸カルシウム結石、感染結石、尿酸による結石、またはシスチン結石等がある。胆石には、コレステロール胆石、色素胆石(カルシウム化合物)等がある。このうち、カルシウム化合物による結石は結石全体の約90%を占め、これらカルシウム化合物を破砕することが結石破砕装置の大きな目標となる。また、破砕されにくいものとしては、最も硬い結石とされるシスチン結石や胆石があげられる。
【0003】
また、特開平8−131454号公報は、治療用超音波機器における超音波について、周波数変調させることが有効である旨を開示している。
【0004】
まず、特開平8−131454号公報において開示されている周波数変調について、以下に具体的に説明する。
【0005】
ピエゾ素子の厚さに固有の共振周波数f0でピエゾ素子を駆動し、その共振周波数f0で治療用超音波を発生させることは、電気信号/機械振動の変換効率の観点から最も好ましい。しかし、治療用超音波を共振周波数f0に固定したままで比較的長期間連続的に照射する場合、キャビテーション(気泡)がその波長に依存したサイズまで序々に成長する。
【0006】
従って、駆動信号の周波数fmを、共振周波数f0を中心として、f0−△f/2≦fm≦f0+△f/2の範囲でもって経時的に変化させることが提案される。なお、駆動信号の周波数と超音波発生源から発生される治療用超音波の周波数とは等価であり、「駆動信号」と「治療用超音波」とは互いに読み替えられ得る。
【0007】
図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)に、様々な種類の駆動信号の時間波形を示し、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)に、それぞれ対応する駆動信号の周波数(の時間変化)を示す。
【0008】
図14(a)の駆動信号は、その周波数が正弦的に変化するように発生される。図15(a)の駆動信号は、その周波数がステップ的に変化するように発生される。図16(a)の駆動信号は、その周波数が低周波(f0−△f/2)から高周波(f0+△f/2)に向かって一定勾配で連続的に変化するように発生される。図17(a)の駆動信号は、その周波数が共振周波数f0に固定されている期間と正弦的に変化する期間とが交互に生起するように発生される。
【0009】
特開平8−131454号公報に開示されている周波数の経時的な変化は、キャビテーションの成長を抑制し、成長したキャビテーションを分断し、成長過程のキャビテーションを衰退させ、これによって、キャビテーションによる治療上の悪影響を一掃することが意図されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
超音波によって発生したキャビテーションの影響は、まず、キャビテーション気泡から発生する大きな圧力によって生体内の組織もしくは細胞が損傷すること、2つ目に、発生したキャビテーション気泡が超音波を散乱し、目的とする領域に超音波エネルギを伝播する際の障害物となること、3つ目に、キャビテーション気泡の周辺において目的としない部位での温度上昇が起こってしまうこと、がある。
【0011】
現在実用化されているESWL機器は、高圧力の衝撃波(強力超音波を含む)を体内において広範囲に収束させているため、キャビテーション現象が体内の広い範囲で起きてしまい、意図しない部位において体内の組織もしくは細胞の損傷が起こっている。一方で、キャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群の崩壊による高圧力の発生は、結石自体の破砕に利用可能であると考えられるが、そのためには結石のごく近傍のみでキャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群を発生させて、これを崩壊させる技術が必要である。
【0012】
さらには、現在実用化されているESWL機器においては、破砕片が大きいため、治療後に尿道を通って体外に排出される際に、患者に苦痛をあたえるという問題もある。すなわち、破砕片をできるだけ細かくする技術が求められている。
【0013】
特開平8−131454号公報に記載された発明は、成長過程のキャビテーションを衰退させることに主眼がある。キャビテーションを超音波伝播部位から取り除くことによって、超音波を効果的に目的とする領域のみに収束させ、上記3つの問題を回避することを意図している。その結果、超音波が収束された目的の領域において効率的な温度上昇を得ることを可能にしている。
【0014】
しかしながら、結石破砕に超音波を利用する際には、成長したキャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群が崩壊することにより、結石が破砕される(ここで、気泡もしくは気泡群の崩壊とは、気泡もしくは気泡群が、周囲の圧力変動により爆縮する際に、気泡もしくは気泡群の中心部付近に高エネルギが集中し、圧力の非常に大きな衝撃波が発生する現象のことを指し、気泡もしくは気泡群が分裂または消滅してゆく過程を指すものではない)。すなわち、特開平8−131454号公報に記載された技術は、気泡もしくは気泡群を散逸させることが意図されており、結石の破砕を効率よく実施することとは相反する思想である、すなわち、当該技術を効率的な結石の破砕に利用することはできない。
【0015】
さらに、特開平8−131454号公報に記載された発明では、キャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群の発生領域についての考察が十分になされていない。キャビテーションは結石破砕を目的として発生及び成長させられるのであるから、結石の近傍においてのみ発生及び成長すれば十分である。一方、結石と離れた位置においてキャビテーションが発生及び成長することは、不所望の生体内の組織もしくは細胞を破壊、損傷するおそれを増大させてしまう。
【0016】
すなわち、特開平8−131454号公報に記載された発明が意図しているところによると、キャビテーションによる生体内の組織もしくは細胞の破壊、損傷は回避されるものの、キャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群が崩壊するときに集中する高エネルギを効率良く利用することができない。キャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群の崩壊時の高エネルギを効率良く利用するためには、特開平8−131454号公報に記載された発明のようなキャビテーションを衰退させる技術を用いずに、治療部位のみで局所的にキャビテーション気泡もしくはキャビテーション気泡群を発生及び成長させ、かつその部位においてのみ効果的にキャビテーション気泡及びキャビテーション気泡群の崩壊を起こさせるような技術が必要となる。
【0017】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、周囲の少なくとも一部に液体が存在する対象物に向けて超音波を照射することによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる方法または装置を提供することを目的とする。なお、本発明は、結石破砕以外にも、現在存在する結石破砕装置においては破砕が困難とされている胆石の破砕に利用され得る。その他にも、本発明は、幅広い用途において利用され得る。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超音波を周囲の少なくとも一部に液体が存在する対象物に向けて照射することによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与する方法であって、高周波数の超音波を対象物に向けて照射して、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の限定的な領域中にキャビテーション気泡(以下気泡)もしくはキャビテーション気泡群(以下気泡群)を発生及び成長させる第1工程と、前記第1工程のあとに、低周波数の超音波を対象物に向けて照射して、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与する第2工程と、を備えたことを特徴とする超音波照射方法である。
【0019】
本発明によれば、高周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させた後、低周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させるため、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる。すなわち、当該対象物に極めて効率よくエネルギを付与することができる。
【0020】
要約すれば、特開平8−131454号公報に記載された発明が、キャビテーションを衰退させることを意図していたのに対して、本発明は、キャビテーションを空間的に非常に狭い領域に集中させ、キャビテーション崩壊時の高エネルギを効果的に利用して、効率的な高エネルギ集中を実現させるものである。
【0021】
あるいは、本発明は、超音波を周囲の少なくとも一部に液体が存在する対象物に向けて、照射することによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与する方法であって、高周波数の超音波を対象物に向けて照射する第1工程と、前記第1工程の後に、低周波数の超音波を対象物に向けて照射する第2工程と、を備え、第1工程において照射される超音波の周波数は100kHz以上であり、第2工程において照射される超音波の周波数は、第1工程において照射される高周波数の超音波の周波数の2分の1以下であることを特徴とする超音波照射方法である。
【0022】
本発明によれば、100kHz以上の高周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させることができる。そして、その後、高周波数の超音波の周波数の2分の1以下の低周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることができる。これにより、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる。
【0023】
好ましくは、前記第1工程における高周波数の超音波の周波数は1MHz以上で10MHz以下であり、前記第2工程における低周波数の超音波の周波数は、第1工程において照射される高周波数の超音波の周波数の2分の1以下である。
【0024】
この場合、1MHz以上で10MHz以下の高周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の、限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させることができる。そして、その後、高周波数の超音波の周波数の2分の1以下の低周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることができる。これにより、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる。超音波の波長は周波数が高いほど短くなり、それに伴い超音波の形成する焦点領域が狭くなる。すなわち、気泡もしくは気泡群を発生及び成長させる高周波数の超音波の周波数を高くすることにより、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中で、気泡もしくは気泡群が発生する領域を、さらに狭くすることができる。これにより、当該対象物に対して局所的に高エネルギを付与する領域を、さらに狭くすることができる。
【0025】
好ましくは、前記第2工程は、前記第1工程の後に、実質的に連続して実施される。
【0026】
超音波の照射は、対象物近傍で超音波が収束するような態様で行われることが好ましい。収束する超音波の発生源としては、たとえば凹面圧電素子が利用され得る。
【0027】
また、好ましくは、第1工程において気泡もしくは気泡群が発生する領域は、対象物の周縁からの距離が1mm以下の領域である。このような対象物の近傍領域に局所的に気泡もしくは気泡群が形成される場合、対象物へのエネルギ付与がより一層効率的に実施され得る。
【0028】
また、好ましくは、前記第2工程の後に、超音波を対象物に向けて照射しないインターバル工程をさらに備える。インターバル工程は、第2工程において共振、崩壊した気泡もしくは気泡群を一旦消散させるための沈静化工程である。インターバル工程においては、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波を照射してもよい。これによって発生する音響流を用いることによって、当該対象物の周辺に存在する気泡もしくは気泡群の消散を促進することができ得る。さらには、当該対象物の破片もしくは当該対象物から除去された異物を、当該対象物周縁から流し去る効果を促進させ得る。
【0029】
好ましくは、インターバル工程の継続時間は、前記第2工程後に残存気泡が溶解及び拡散するのに十分な時間である。例えば、インターバル工程の継続時間は、100μ秒以上である。
【0030】
そして、好適には、前記第1工程、前記第2工程及び前記インターバル工程が、当該順序で周期的に繰り返し実施される。これにより、対象物の近傍の局所領域において、気泡の発生、成長、共振、崩壊及び消散(沈静化)のサイクルが繰り返され、対象物への高効率なエネルギ付与が繰り返される。
【0031】
なお、第1工程及び第2工程の継続時間は、例えば約100μ秒である。これは、1MHzの超音波100波程度に相当する時間である。第1工程及び第2工程の継続時間は、実際の気泡形成状態等を検出することによって決定されてもよい。気泡形成状態は、例えば発生音の状態から検出され得る。
【0032】
具体的には、対象物が人間以外の動物の生体内に存在するカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかである場合、第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物を破砕する工程であり得る。
【0033】
あるいは、対象物に異物が付着している場合、第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物から異物を剥離もしくは除去させる工程であり得る。
【0034】
あるいは、第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物の特性を変化させる工程であり得る。
【0035】
あるいは、第2工程は、人間以外の動物の生体内に局所的に高エネルギを付与し、生体内の組織もしくは細胞に熱的変性をおこさせる工程であり得る。
【0036】
また、本発明は、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、を備え、前期周波数制御は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間における高周波数は、100kHz以上であり、第2の所定時間における低周波数は第1の所定時間における高周波数の2分の1以下であることを特徴とする超音波照射装置である。
【0037】
本発明によれば、100kHz以上の高周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させることができる。そして、その後、高周波数の超音波の周波数の2分の1以下の低周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることができる。これにより、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる。すなわち、当該対象物に極めて効率よくエネルギを付与することができる。
【0038】
好ましくは、前記の第1の所定時間における高周波数は1MHz以上で10MHz以下であり、前記の第2の所定時間における低周波数は第1の所定時間における高周波数の超音波の周波数の2分の1以下である。
【0039】
この場合、1MHz以上で10MHz以下の高周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の、限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させることができる。そして、その後、高周波数の超音波の周波数の2分の1以下の低周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることができる。これにより、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる。超音波の波長は周波数が高いほど短くなり、それに伴い超音波の形成する焦点領域が狭くなる。すなわち、気泡もしくは気泡群を発生及び成長させる高周波数の超音波の周波数を高くすることにより、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中で、気泡もしくは気泡群が発生する領域を、さらに狭くすることができる。これにより、当該対象物に対して局所的に高エネルギを付与する領域を、さらに狭くすることができる。
【0040】
あるいは、本発明は、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、を備え、前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第2の所定時間の後の第3の所定時間の間、超音波を照射しない、もしくは、気泡もしくは気泡群の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波を照射する、ようになっていることを特徴とする超音波照射装置である。
【0041】
本発明によれば、高周波数の超音波を周囲の少なくとも一部に液体が存在する対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させることができる。そして、その後、低周波数の超音波を対象物に向けて照射することによって、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることができる。更に、その後の第3の所定時間の間、超音波を照射しないことにより、共振、崩壊した気泡もしくは気泡群を一旦消散させることができる。もしくは、第3の所定時間においては、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波を照射してもよい。これによって発生する音響流を用いることによって、当該対象物の周辺に存在する気泡もしくは気泡群の消散を促進することができ得る。さらには、当該対象物の破片もしくは当該対象物から除去された異物を、当該対象物周縁から流し去る効果を促進させ得る。これにより、当該対象物に局所的に高エネルギを付与することができる一方、対象物の周囲の物体が気泡もしくは気泡群の崩壊によって損傷することを防止することができる。
【0042】
好ましくは、第3の所定時間は、前記第2の所定時間後に残存気泡が溶解及び拡散するのに十分な時間である。例えば、第3の所定時間は、100μ秒以上である。
【0043】
また、好ましくは、超音波照射装置は、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の第1照射工程と、それに続く第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の第2照射工程と、それに続く第3の所定時間に亘る超音波を照射しない、もしくは、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波のみを照射する、インターバル工程と、からなるサイクルを繰り返し実施するようになっている。これにより、対象物の近傍の局所領域において、気泡もしくは気泡群の発生、成長、共振、崩壊及び消散(沈静化)のサイクルが繰り返され、対象物への高効率なエネルギ付与が繰り返される。
【0044】
具体的には、本発明は、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、を備え、前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、生体内に存在するカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかの周囲の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物を破砕することを特徴とする超音波照射装置である。
【0045】
あるいは、本発明は、異物が付着した対象物が投入され得る液体収容室と、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を液体収容室の内部に向けて発生する超音波発生源と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、を備え、前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、異物が付着した対象物の周囲の液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物から異物を剥離もしくは除去することを特徴とする超音波照射装置である。
【0046】
あるいは、本発明は、内部に対象物が固定され得る液体収容室と、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を液体収容室の内部に向けて発生する超音波発生源と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、を備え、前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、対象物の周囲の液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物の特性を変化させることを特徴とする超音波照射装置である。
【0047】
あるいは、本発明は、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、を備え、前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の照射によって、生体内に存在する組織もしくは細胞の限定的な領域に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、生体内の組織もしくは細胞の限定的な領域に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物に熱的変性を起こすことを特徴とする超音波照射装置である。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0049】
まず、図1は、気泡がクラウド状に形成された場合について、当該気泡の周囲に適用される圧力波に対する当該気泡内に生じる最大圧力の周波数特性を示すシミュレーション結果である。
【0050】
当該シミュレーションは、凹面の気泡発生アクチュエータが振動周波数3MHzで振動し、焦点において収束する収束音場において形成される気泡群(気泡クラウド)を想定した。焦点領域においては超音波は収束し、大きな負圧により水は引き裂かれキャビテーション現象による気泡群が液体中に発生する。発生した気泡群中の個々の気泡は、3MHzを共振周波数とする気泡径まで成長すると仮定した。具体的には、気泡クラウドの半径が0.75mm、各気泡の半径が1.0μm、ボイド率(流体全体の体積に対する気泡の体積率)は0.1%、初期周囲圧力が101.3kPa、初期温度が293Kである。また、気泡の周囲に適用される圧力波は正弦波とし、振幅は10kPa、50kPa、100kPaの3種類とした。
【0051】
図1に示すように、気泡クラウドの周囲圧力を上昇させると、気泡内最大圧力は急激に上昇し、また、高圧に達する周波数帯域も広くなる。具体的には、100kPaの振幅を有する110kHzの圧力波に対する最大圧力は500MPaとなっている。
【0052】
すなわち、気泡群は単一の気泡としての共振周波数ではなく、気泡群としての共振周波数である110kHzで共振することになる。一方、気泡発生アクチュエータの振動周波数である3MHz(単一の気泡の共振周波数)に対しては、気泡内圧力は実質的に全く増大していないことが解る。
【0053】
すなわち、局所的に気泡群を発生させるためには高周波数の超音波を利用することが好ましいが、高周波数の超音波を照射し続けても、生成された気泡群によってエネルギは散乱され、気泡群の共振及び崩壊は起こらない。
【0054】
本件発明者は、図1の結果に基づいて、最初に高周波数(100kHz以上)の超音波を利用して局所的に気泡群を発生させ、続いて低周波数(高周波数の超音波の2分の1以下)の超音波を利用して気泡群を共振させ崩壊させることによって高エネルギを発生させる、というプロセスが実現可能であることを知見した。
【0055】
図2は、本件発明者が知見したプロセスの概略を示す図である。当該プロセスでは、まず図2(a)に示すように、高周波数(短波長)の超音波を利用して、対象物(図2の場合、球形物)の近傍の局所的領域に気泡もしくは気泡群を発生させ成長させる。続いて図2(b)に示すように、低周波数(長波長)の超音波を利用して、対象物の近傍に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させ、当該崩壊に伴って発散されるエネルギを対象物に付与して、例えば当該対象物を破砕する。
【0056】
図3は、実際に製造された超音波照射装置を示す概略ブロック図である。図3に示す超音波照射装置1は、超音波発生源10と、解析システム20と、循環システム30と、カメラシステム40と、を備えている。
【0057】
超音波発生源10は、ファンクションジェネレータ11と、超音波用アンプ12と、ピエゾトランスデューサ13と、を有している。ファンクションジェネレータ11は、解析システム20のPC(パーソナルコンピュータ)21に接続されており、PC21によって編集される波形を出力するようになっている。
【0058】
より具体的には、PC21にて使用される波形編集ソフトは、Agilent BenchLink Arb である。当該ソフトを用いれば、正弦波、方形波、三角波、それらの波形同士の和、差、積をとった波形の作成が可能である。一方、ファンクションジェネレータ11は、Agilent 社の任意波形ジェネレータ33120Aである。
【0059】
図4は、ピエゾトランスデューサ13の外観を示す図である。図4に示すピエゾトランスデューサ13は、凹面圧電素子として富士セラミクス製のC−213材(PZT)を使用しており、曲率半径は80mm、開口半径は40mm(Fnumber=1.0)であり、固有振動数は500kHzである。凹面圧電素子の電極は銀電極で、当該電極が超音波用アンプ12を介してファンクションジェネレータ11に接続されている。
【0060】
このような凹面圧電素子が、アルミ製の中空フランジに接着されて、ピエゾトランスデューサ13が構成されている。ピエゾトランスデューサ13全体での共振周波数は534kHzである。したがって、ピエゾ素子の特性上、534kHz×(2n+1)(nは整数)の周波数を有する超音波を、高次のモードとして比較的大きな振幅をもってして発生させることができる。使用したピエゾトランスデューサの(2n+1)倍のモードにあたる周波数は、ピエゾトランスデューサからの出力を実測することによって、3倍のモードの周波数は1.632MHz、5倍のモードの周波数は2.726MHz、7倍のモードの周波数は3.815MHz、が得られている。
【0061】
ピエゾトランスデューサ13から照射される超音波は、アクリル製の水槽31に張られた水中を伝わり、凹面圧電素子の表面から80mmの焦点位置にて収束する。アクリル製の水槽は、200mm×200mm×550mmの直方体の後方を45度の角度で切り取った形状をしており、超音波が壁面において反射して焦点付近の音場を乱すことを防いでいる。
【0062】
アクリル水中に張られた水は、図3に示すように、純水装置32、デガッサ33の順に循環されて、好適な純水度、脱気度を維持している。脱気度は、DOメータ36(堀場製作所製OM−10)にて監視される。
【0063】
カメラシステム40は、最小5nsの露光時間、5nsのインターフレームで撮影が可能な超高速カメラ41を有している。
【0064】
図3の超音波照射装置の他の特徴については、本件発明者の一人である吉澤晋氏の修士論文「収束超音波の医療応用」の第7章に詳細に記載されているので、当該文献を引用することによって、ここでの記載を省略する。なお、当該修士論文「収束超音波の医療応用」の内容は、ここでの引用によって本願明細書の記載の一部に組み入れられる。
【0065】
さて、図3に示す超音波照射装置を用いて、モデル結石としての球状対象物(水槽31内の超音波の焦点位置近傍にセットされる)に対して534kHzの超音波を照射した場合の気泡の形成状態について、超高速カメラ41で撮像された画像群を図5に示す。
【0066】
図5に示すように、534kHzの超音波が照射され続ける場合、大型の気泡が群を成して球状対象物の手前側の比較的広範囲に亘って形成される。球状対象物から遠い領域で成長して崩壊する気泡群のエネルギは、球状対象物に十分に伝達されないため、エネルギ的な損失となる。特に、生体内の結石破砕を目的としている場合には、結石から離れた場所での気泡の崩壊は、結石とは無関係の生体内の組織もしくは細胞を損傷させることにつながる。
【0067】
一方、モデル結石としての球状対象物に対してピエゾトランスデューサの7倍のモードである3.815MHzの超音波を照射した場合の気泡の形成状態について、超高速カメラ41で撮像された画像群を図6に示す。
【0068】
図6に示すように、3.815MHzの超音波が照射され続ける場合、細かい気泡からなる気泡群が球状対象物の手前側の比較的狭い範囲にのみ形成される。この場合、対象物の周縁から手前側1mmまでの領域にのみ、気泡群が形成される。このような気泡群は、3.815MHzの超音波の照射が継続されても、崩壊することが無い。従って、当然に、球状対象物にエネルギは伝達されない。
【0069】
次に、本発明方法の一実施の形態に従って、モデル結石としての球状対象物に対してピエゾトランスデューサの7倍の振動モードである3.815kHzの超音波を175波照射した後に、545kHzの超音波(545kHzの超音波は3.815MHzの7分の1である。実際のピエゾトランスデューサの共振周波数は534kHzであるが、実験の簡便のために545kHzを使用している。また、534kHzの周波数及び545kHzの周波数で得られる焦点における超音波の圧力振幅はほぼ等しいことを確認している。)を照射した場合の気泡群の形成状態について、超高速カメラ41で撮像された画像群を図7に示す。5コマ目と6コマ目との間で、超音波周波数は3.815MHzから545kHzに切り替わっている。
【0070】
図7に示すように、本実施の形態の場合、細かい気泡からなる気泡群が球状対象物の手前側の比較的狭い範囲にのみ発生及び成長させられた後、当該気泡群が共振して崩壊し、球状対象物に十分に高エネルギを付与することができる。
【0071】
ここで、本件発明者は、高周波数の超音波の照射と低周波数の超音波の照射とを繰り返し実施することが、対象物に対するエネルギ付与を連続的に行うために好適であることを知見した。
【0072】
高周波数の超音波の照射と低周波数の超音波の照射とを繰り返し実施する場合の2つの具体的態様を、図8及び図9に示す。
【0073】
図8に示す場合、3.815MHzの正弦波形175波の照射の後(第1工程)、約50μ秒のインターバルを設け、その後に545kHzの正弦波形5波の照射を行う(第2工程)という制御サイクルである(第2工程の後には、約100m秒のインターバルが存在する(バースト周波数が10Hz))。
【0074】
図9に示す場合、3.815MHzの正弦波形175波の照射の後、連続して545kHzの正弦波形5波の照射を行い、その後に約100m秒のインターバルが設けられた制御サイクルである。
【0075】
図8及び図9の各制御サイクルに従って、モデル結石の破砕実験を行った。ここで用いたモデル結石とは、アルミナからなるESWL機器の性能試験に用いられるモデル結石であり、φ13mm程度である。
【0076】
なお、図8及び図9のいずれの場合も、バースト周波数は10Hz(すなわちインターバル工程の時間が約100m秒)である。また、図8及び図9のいずれの場合も、各制御サイクルが30分間連続して繰り返された。
【0077】
図8の制御サイクルが利用された場合の破砕結果が、図10に示されている。一方、図9の制御サイクルが利用された場合の破砕結果が、図11に示されている。
【0078】
図10に示すように、第1工程と第2工程との間に50μ秒という長いインターバルが設けられる場合、第1工程で生成された気泡もしくは気泡群が消散してしまって、本発明の意図する効果が十分に得られない。
【0079】
一方、図11に示すように、第1工程と第2工程とが連続に実施され、第2工程の後にインターバルが設けられる場合、第1工程で発生及び成長させられた気泡もしくは気泡群が第2工程にて共振し崩壊して極めて効率的にモデル結石を破砕する一方、第2工程後の100m秒のインターバル工程において気泡もしくは気泡群が沈静化されるため、結石モデルの局所的な破壊を継続することができる。
【0080】
なお、3.815MHzの正弦波形175波の照射の後に約100m秒のインターバル工程が設けられた制御サイクルを用いた場合(第2工程が実施されない制御サイクルの場合)、モデル結石は全く破砕されなかった。
【0081】
また、本件発明者による他の実験結果から、第2工程後に気泡を沈静化させるために必要なインターバル時間は、100μ秒以上が好ましいことが知見された。
【0082】
また、超音波による圧力の強度が比較的小さい場合に、気泡の発生及び成長が誘発されないことを説明するグラフを図12に示す。これは3MHzの超音波がピエゾトランスデューサから30波発生させられたときの水中における焦点の、超音波による圧力振幅(マイナスピークからプラスピークまでの値)をハイドロフォン50によって測定したものである。図12のグラフの横軸は、気泡もしくは気泡群が発生しておらずさらには超音波の波形が歪まない領域での同じ条件における圧力振幅であり、超音波の出力に比例している。縦軸は、ピエゾトランスデューサ13の幾何学焦点におけるハイドロフォン50によって測定された圧力振幅である。図12において超音波出力(横軸に対応)を大きくしてゆくと、焦点における超音波の圧力振幅の値(縦軸に対応)が、約6.8MPaを閾値としてグラフが直線から外れ、焦点における圧力振幅は約7MPaで飽和してしまっている。これは、キャビテーション現象によって気泡もしくは気泡群が発生し、圧力振幅がそれ以上上昇し得ないことを示している。すなわち、この圧力振幅の閾値(今の場合約7MHz)を超えない超音波であれば、気泡もしくは気泡群は発生しない。
【0083】
また、図13は、約3MHzの周波数をもつ比較的弱い圧力振幅をもつ超音波がピエゾトランスデューサから発生させられたときの焦点付近の様子を、高速度カメラ41で撮影した写真である。写真中の濃淡の線は3MHzの超音波によるものである。これによれば、このとき適用された比較的弱い圧力振幅の超音波であれば、気泡もしくは気泡群は発生していないことがわかる。すなわち、比較的弱い圧力振幅をもつ超音波を第2工程後に対象物に対して照射することによって、超音波により発生する音響流を用いることができ、結石の周囲に残る気泡もしくは気泡群の消散を促進させることができ得る。さらには、前記第2工程で破砕された結石の破砕片を結石の周辺から流し去る効果を促進することができ得る。
【0084】
以上の実施の形態は、結石を破砕することについて説明されたが、本発明方法は、対象物が人間以外の動物の生体内に存在する結石等のカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれか、である場合に適用可能であり、第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物を破砕する工程であり得る。
【0085】
この場合、当該方法を実現するための装置は、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源(例えばファンクションジェネレータ11)と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部(例えばPC21)と、を備える。そして、周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、人間以外の動物の生体内に存在するカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかの周囲の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該対象物の周囲に発生されていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物のいずれか、に局所的に高エネルギを付与して当該対象物を破砕することを特徴とする。このような装置は、対象物が人間の生体内に存在する結石等のカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかである場合にも利用可能である。
【0086】
あるいは、本発明方法は、異物が付着している対象物に適用可能であり、第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物から異物を剥離もしくは除去する工程であり得る。
【0087】
この場合、当該方法を実現するための装置は、異物が付着した対象物が投入され得る液体収容室と、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を液体収容室の内部に向けて発生する超音波発生源(例えばファンクションジェネレータ11)と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部(例えばPC21)と、を備える。そして、周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、異物が付着した対象物の周囲の液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物から異物を剥離もしくは除去することを特徴とする。
【0088】
これによれば、いわゆる超音波洗浄処理が、極めて高効率に実現され得る。
【0089】
あるいは、第2工程は、対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物の特性を変化させる工程であり得る。
【0090】
この場合、当該方法を実現するための装置は、内部に対象物が固定され得る液体収容室と、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を液体収容室の内部に向けて発生する超音波発生源(例えばファンクションジェネレータ11)と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部(例えばPC21)と、を備える。そして、周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、対象物の周囲の液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物の特性を変化させることを特徴とする。
【0091】
これによれば、いわゆるキャビテーションピーニング処理が、極めて高効率に実現され得る。
【0092】
あるいは、第2工程は、対象物に局所的に高エネルギを付与して生体内の組織もしくは細胞に熱的変性を起こさせる工程であり得る。
【0093】
この場合、当該方法を実現するための装置は、設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源(例えばファンクションジェネレータ11)と、超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部(例えばPC21)と、を備える。そして、周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、生体内に存在する組織もしくは細胞の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、生体内に存在する組織もしくは細胞の限定的な領域中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物に熱的変性を起こさせることを特徴としている。
【0094】
これによれば、いわゆる温熱凝固療法もしくは加熱凝固療法が、極めて高効率に実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラウド状に形成された気泡群についての周囲圧力波に対する気泡内最大圧力の周波数応答のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図2】本発明方法の一実施の形態を示す概略図である。
【図3】本発明装置の一実施の形態を示す概略ブロック図である。
【図4】ピエゾトランスデューサの外観を示す図である。
【図5】534kHzの低周波数の超音波を照射し続けた場合の気泡群の形成状態を示す画像群である。
【図6】3.815MHzの高周波数の超音波を照射し続けた場合の気泡群の形成状態を示す画像群である。
【図7】545kHzの低周波数の超音波を照射した後に、3.815MHzの高低超音波を照射した場合の気泡群の形成状態を示す画像群である。
【図8】高超音波の超音波の照射と低周波数の超音波の照射との間にインターバルが設けられた場合の制御サイクルについて説明する図である。
【図9】高超音波の超音波の照射及び低周波数の超音波の照射の後にインターバルが設けられた場合の制御サイクルについて説明する図である。
【図10】図8による制御サイクルが適用されて破砕された結石モデルを示す概略図である。
【図11】図9による制御サイクルが適用されて破砕された結石モデルを示す概略図である。
【図12】比較的弱い超音波によって気泡もしくは気泡群が発生しないことを説明するグラフである。
【図13】比較的弱い超音波によって気泡もしくは気泡群が発生しないこと示す高速度カメラ写真である。
【図14】周波数変調された駆動信号の時間波形及び周波数の経時的な変化の従来例を示す図である。
【図15】周波数変調された駆動信号の時間波形及び周波数の経時的な変化の従来例を示す図である。
【図16】周波数変調された駆動信号の時間波形及び周波数の経時的な変化の従来例を示す図である。
【図17】周波数変調された駆動信号の時間波形及び周波数の経時的な変化の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 超音波製造装置
10 超音波発生源
11 ファンクションジェネレータ
12 超音波用アンプ
13 ピエゾトランスデューサ13
20 解析システム
21 パーソナルコンピュータ(PC)
30 循環システム
31 水槽
32 純水装置
33 デガッサ
40 カメラシステム
41 超高速カメラ
50 ハイドロフォン

Claims (20)

  1. 超音波を周囲の少なくとも一部に液体が存在する人間以外の動物の生体内の対象物に向けて照射することによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与する方法であって、
    高周波数の超音波を対象物に向けて照射して、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させる第1工程と、
    前記第1工程の後に、低周波数の超音波を対象物に向けて照射して、当該対象物の周囲の少なくとも一部に存在する液体中に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該対象物に局所的に高エネルギを付与する第2工程と、
    前記第2工程の後に、超音波を対象物に向けて照射しない、あるいは、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波のみを照射するインターバル工程と、
    を備え
    前記第1工程、前記第2工程及び前記インターバル工程が、当該順序で周期的に繰り返し実施される
    ことを特徴とする超音波照射方法。
  2. 超音波を周囲の少なくとも一部に液体が存在する人間以外の動物の生体内の対象物に向けて照射することによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与する方法であって、
    高周波数の超音波を対象物に向けて照射する第1工程と、
    前記第1工程の後に、低周波数の超音波を対象物に向けて照射する第2工程と、
    前記第2工程の後に、超音波を対象物に向けて照射しない、あるいは、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波のみを照射するインターバル工程と、
    を備え、
    第1工程において照射される超音波の周波数は、100kHz以上であり、
    第2工程において照射される超音波の周波数は、第1工程において照射される超音波の周波数の2分の1以下であり、
    前記第1工程、前記第2工程及び前記インターバル工程が、当該順序で周期的に繰り返し実施される
    ことを特徴とする超音波照射方法。
  3. 第1工程において照射される超音波の周波数は、1MHz以上で10MHz以下であり、
    第2工程において照射される超音波の周波数は、第1工程において照射される超音波の周波数の2分の1以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波照射方法。
  4. 前記第2工程は、前記第1工程の後に、実質的に連続して実施される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波照射方法。
  5. 第1工程において気泡もしくは気泡群が発生及び成長する領域は、対象物の周縁からの距離が1mm以下の領域に制御され得る
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の超音波照射方法。
  6. インターバル工程の継続時間は、前記第2工程後に残存気泡が溶解及び拡散するのに十分な時間である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波照射方法。
  7. インターバル工程の継続時間は、100μ秒以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波照射方法。
  8. 対象物は、人間以外の動物の生体内に存在するカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかであり、
    第2工程は当該対象物に局所的に高エネルギを付与して、当該対象物を破砕する工程である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波照射方法。
  9. 対象物には、異物が付着しており、
    第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して、当該対象物から異物を剥離もしくは除去する工程である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波照射方法。
  10. 第2工程は、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して、当該対象物の特性を変化させる工程である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波照射方法。
  11. 対象物は、人間以外の動物の生体内に存在する組織もしくは細胞のいずれかであり、
    第2工程は当該対象物に局所的に高エネルギを付与して、当該対象物に熱的変性を起こす
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波照射方法。
  12. 設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を発生する超音波発生源と、
    超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、
    を備え、
    前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、
    第2の所定時間の後の第3の所定時間の間、対象物に超音波を照射しないことが可能であるか、あるいは、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波のみを照射することが可能であり、
    第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の第1照射工程と、それに続く第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の第2照射工程と、それに続く請求項13乃至15のいずれかに記載の第3の所定時間に亘る工程と、からなるサイクルを繰り返し実施するようになっている
    ことを特徴とする超音波照射装置。
  13. 第3の所定時間は、前記第2の所定時間後に残存気泡が溶解及び拡散するのに十分な時間である
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波照射装置。
  14. 第3の所定時間は、100μ秒以上である
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波照射装置。
  15. 第1工程において照射される超音波の周波数は、100kHz以上であり、
    第2工程において照射される超音波の周波数は、第1工程において照射される超音波の周波数の2分の1以下である
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波照射装置。
  16. 第1工程において照射される超音波の周波数は、1MHz以上で10MHz以下であり、
    第2工程において照射される超音波の周波数は、第1工程において照射される超音波の周波数の2分の1以下である
    ことを特徴とする請求項15に記載の超音波照射装置。
  17. 第1の所定時間に亘る高周波数の照射によって、生体内に存在するカルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかの周囲の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、
    第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、当該カルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかの周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって当該カルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかに局所的に高エネルギを付与して当該カルシウム化合物、燐酸マグネシウム化合物、燐酸アンモニウム化合物、尿酸の結晶、アミノ酸の結晶、コレステロールの結晶のいずれかを破砕する
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波照射装置。
  18. 異物が付着した対象物が投入され得る液体収容室と、
    設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を液体収容室の内部に向けて発生する超音波発生源と、
    超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、
    を備え、
    前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間において低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、
    第2の所定時間の後の第3の所定時間の間、対象物に超音波を照射しないことが可能であるか、あるいは、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波のみを照射することが可能であり、
    第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の照射によって、異物が付着した対象物の周囲に存在する液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、
    第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、異物が付着した対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物から異物を剥離もしくは除去し、
    第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の第1照射工程と、それに続く第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の第2照射工程と、それに続く請求項13乃至15のいずれかに記載の第3の所定時間に亘る工程と、からなるサイクルを繰り返し実施するようになっている
    ことを特徴とする超音波照射装置。
  19. 内部に対象物が固定され得る液体収容室と、
    設定される周波数情報に基づいて、当該周波数情報に対応する周波数の超音波を液体収容室の内部に向けて発生する超音波発生源と、
    超音波発生源に周波数情報を設定するための周波数制御部と、
    を備え、
    前記周波数制御部は、第1の所定時間において高周波数が継続し、それに続く第2の所定時間においての低周波数が継続する、という周波数情報を超音波発生源に設定するようになっており、
    第2の所定時間の後の第3の所定時間の間、対象物に超音波を照射しないことが可能であるか、あるいは、気泡の発生及び成長を誘発しない程度の強度の超音波のみを照射することが可能であり、
    第1の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、対象物の周囲の液体の限定的な領域中に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、
    第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、対象物の周囲に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与して当該対象物の特性を変化させ
    第1の所定時間に亘る高周波数の超音波の第1照射工程と、それに続く第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の第2照射工程と、それに続く請求項13乃至15のいずれかに記載の第3の所定時間に亘る工程と、からなるサイクルを繰り返し実施するようになっている
    ことを特徴とする超音波照射装置。
  20. 第1の所定時間に亘る高周波数の照射によって、生体内に存在する組織もしくは細胞の限定的な領域に気泡もしくは気泡群を発生及び成長させ、
    第2の所定時間に亘る低周波数の超音波の照射によって、生体内に存在する組織もしくは細胞の限定的な領域に発生及び成長させられていた気泡もしくは気泡群を共振させ崩壊させることによって、当該対象物に局所的に高エネルギを付与し当該対象物に熱的変性を起こす
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波照射装置。
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