JP4136587B2 - Pneumatic tire - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の環状のビードと、そのビードで両端が巻き返されたカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強する複数のベルト層とを備える空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、空気入りタイヤの主流となっているラジアルタイヤは、一対の環状のビード間を補強し、複数のコードがタイヤ半径方向(子午線方向)に配列するカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強し、コードがタイヤ周方向に対し傾斜した複数のベルト層とを備えた構造が一般的である。また、カーカス層の両端部は、ビードにて外側に巻き返されており、その巻き返し部のコードについてもタイヤ半径方向に配列しているのが通常であった。
【0003】
そして、ビード部の剛性を高めて操縦安定性等を向上させる目的で、ビード周りのカーカス層に加えて、長繊維や短繊維で補強された補強層を設けた空気入りタイヤが、各種知られている。また、このような補強層を設けずに、カーカス層の巻き返し部のコードをタイヤ半径方向から傾斜させることにより、ビード部の剛性を高めた空気入りタイヤも知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
一方、車両が比較的荒れた路面を走行すると、車室内においてロードノイズと呼ばれる騒音が発生する。このロードノイズは、タイヤが関係する騒音の一つであり、路面の凹凸がタイヤへの入力となってタイヤが振動し、この振動が車軸、サスペンション、車体といった伝播経路をとって伝わり、最終的に車室内で騒音を引き起こす。この車室内騒音のうち、125Hz付近に発生する低周波ロードノイズは、タイヤの一次共振周波数に近く、その周波数と合致しロードノイズのピークとなるため、ノイズの低減が求められている。
【0005】
ところで、前記のカーカス層を形成する際、複数のコードを平行に配列したすだれ状の織物にトッピングゴムを被覆したカーカス用プライが一般的に使用されている。このトッピングゴムについては、カーカス用プライの全面で同じ種類のゴムを使用しており、一部の領域でゴムの種類を変えることは、通常、行われていなかった。但し、インナーライナを省略した空気入りタイヤにおいて、空気の不透過性とドラム耐久性とを両立させるべく、カーカス用プライの一部の領域でブチル系ゴムの配合量を変えた空気入りタイヤが知られている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−170807号公報(第1頁、図4)
【特許文献2】
特開平8−324213号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】
特開平9−58208号公報(第1頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように1種類のトッピングゴムを被覆したカーカス用プライでは、トッピングゴムの硬度を大きくすると、操縦安定性が増すものの、乗り心地性やロードノイズが悪化するという問題があった。逆にトッピングゴムの硬度を小さくすると、乗り心地性やロードノイズが向上するものの、操縦安定性が低下し、すなわち操縦安定性と居住性が二律背反する性能となっていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、乗り心地性やロードノイズなどの居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる空気入りタイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対の環状のビードと、そのビードで両端が巻き返されたカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強する複数のベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、最内周側のベルト層の外側端とタイヤ最大幅位置との間の領域のカーカス層が、領域内の硬度の平均値(Σ面積率×硬度)に基づいて、その平均値が最も硬度の高いJISA硬度で60〜80°のトッピングゴムで被覆された領域を有し、その他の領域は、JISA硬度で40〜70°のトッピングゴムで被覆されていることを特徴とする。
【0010】
上記において、前記カーカス層は3種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、前記ビードで巻き返された部分のカーカス層が、2番目に硬度の高いJISA硬度で52〜70°のトッピングゴムで被覆された領域を有し、その他の領域は、JISA硬度で40〜67°のトッピングゴムで被覆されていることが好ましい。
【0011】
また、前記カーカス層は4種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、タイヤ最大幅位置とビード下のタイヤ内周端との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いJISA硬度で47〜67°のトッピングゴムで被覆された領域を有し、その他(トレッドの下方に位置する)領域は、JISA硬度で40〜60°のトッピングゴムで被覆されていることが好ましい。
【0012】
[作用効果]
本発明によると、カーカス層が2種以上の硬度のトッピングゴムで被覆され、バットレス部付近に最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス領域を有するため、従来困難であった居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる。即ち、縦剛性にあまり寄与せず、前後剛性と横剛性に寄与し易いバットレス部付近に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス領域を設けることで、操縦安定性を向上させながら、ロードノイズの低減と乗り心地性の改善を行うことができる。
【0013】
前記カーカス層は3種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、前記ビードで巻き返された部分のカーカス層が、2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有する場合、3種以上の硬度にするためより細かい硬度の選定を行うことができ、巻き返された部分の硬度を高めることで、より確実に居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立できるようになる。
【0014】
前記カーカス層は4種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、タイヤ最大幅位置とビード下のタイヤ内周端との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有する場合、4種以上の硬度にするためより細かい硬度の選定を行うことができ、相対的にベルト下の硬度が低くなることで、エンベロープ効果によって居住性が向上し、更に確実に居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図である。
【0016】
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、一対の環状のビード1aと、そのビード1aで両端が巻き返されたカーカス層10と、トレッドの下方に位置するカーカス層11aをタガ効果で補強する複数のベルト層6とを備える。なお、空気入りタイヤは、赤道線CLで対称又は略対称な断面構造になっている。本実施形態ではカーカス層10が1層で構成されている例を示す。
【0017】
ビード1aは、通常の空気入りタイヤと同様のものが何れも採用でき、例えばビードワイヤーを所定の断面形状で複数回巻いて作製することができる。ビードワイヤーとしては鋼線等が使用され、ゴムとの接着性を高めるべく、通常、表面処理や接着処理等がなされている。
【0018】
ビード部1のビード1aのタイヤ外周側にはビードフィラー1bが配設され、ビードフィラー1bの硬度(加硫後)は、JISA硬度で85〜95°が好ましい。ビードフィラー1bの高さH1は、低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性の改善効果とを両立させる上で、タイヤ断面高さHの20〜50%の高さであることが好ましく、40〜50%の高さであることがより好ましい。
【0019】
カーカス層10は、ビード1a間の本体部11と、ビード1aで巻き返された部分である巻き返し部12で構成される。本実施形態では、カーカス層10のコードとタイヤ周方向とのなすコード角は85〜90°である例を示す。カーカス層10を構成するコードとしては、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等の有機繊維、又はスチール等が挙げられる。
【0020】
ベルト層6は、上層6bと下層6aとの2層構成のものが例示できるが、各層を構成するコードのタイヤ赤道線CLに対する角度は10〜35°が好ましい。また、上層6bの上面に更に周方向にコードを配置した繊維補強層7を設けてもよい。ベルト層6を構成するコード材は、スチールや芳香族ポリアミド等の有機繊維など、従来よりベルト層6に用いられる材料がいずれも使用できる。
【0021】
本発明において、前記カーカス層10は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されており、好ましくは3種以上の硬度のトッピングゴム、より好ましくは4種以上の硬度のトッピングゴムによってコードが被覆されている場合である。本実施形態では、カーカス層10のコードが4種の硬度のトッピングゴムで被覆されている例を示す。
【0022】
本発明では、最内周側のベルト層である下層6aの外側端P1と、子午線断面におけるタイヤ最大幅Wの高さに相当するタイヤ最大幅位置P2との間の領域のカーカス層10が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C1を有する。カーカス層C1が占める領域は、外側端P1とタイヤ最大幅位置P2との間の領域のうち、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。これが50%未満であると、前後剛性と横剛性の向上効果が不十分となる傾向がある。
【0023】
カーカス層C1を被覆するトッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で60〜80°が好ましい。また、カーカス層C1はその領域内においてトッピングゴムの硬度が多少異なっていてもよく、その場合、硬度の平均値(Σ面積率×硬度)に基づいて、その平均値が最も高い硬度となるように、カーカス層C1を配設する。
【0024】
本発明では、ビード1aで巻き返されたカーカス層10の巻き返し部12が、2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C2を有するのが好ましい。カーカス層C2が占める領域は、巻き返し部12のうち、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。本発明において、カーカス層10の巻き返し部12と本体部11との境界は、ビード下のタイヤ内周端P3とする。
【0025】
カーカス層C2を被覆するトッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で52〜70°が好ましい。カーカス層C2はその領域内においてトッピングゴムの硬度が多少異なっていてもよく、その場合も、硬度の平均値に基づいて、2番目に高い硬度となるように、カーカス層C2を配設する(カーカス層C3も同様)。
【0026】
本発明では、タイヤ最大幅位置P2とビード下のタイヤ内周端P3との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C3を有するのが好ましい。カーカス層C3が占める領域は、タイヤ最大幅位置P2とタイヤ内周端P3との間の領域のうち、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。カーカス層C3を被覆するトッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で47〜67°が好ましい。
【0027】
カーカス層C1〜C3以外の部分は、カーカス層C3より低い硬度のトッピングゴムで被覆されていることが好ましい。具体的には、当該トッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で40〜60°が好ましい。本発明では、このような低硬度のトッピングゴムで被覆したカーカス層C4を、トレッドの下方に位置するカーカス層11aに使用するのが好ましい。
【0028】
また、本実施形態では、図1に示すように、ビード周りにおいてカーカス層10の外側を補強するチェーハー21が設けられ、カーカス層10の内側を補強するフリッパー22が設けられている。これらはゴムの硬度を高めたものや長繊維又は短繊維で補強されたものが使用できる。
【0029】
上記の点以外は、通常のラジアルタイヤと略同じ構造を有している。即ち、図1に示すように、通常のタイヤと同様にカーカス層10の外側にはサイドウォールゴム2a、内側にはインナーライナゴム3が配置され、ベルト層6の外側にはトレッドゴム4等が配置され、トレッドゴム4の外周面には所定のパターンが形成される。
【0030】
上記のゴム層等の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴムはカーボンブラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。
【0031】
本発明の空気入りタイヤは、各部でトッピングゴムの硬度が異なるカーカス用プライを使用すること以外は、通常の空気入りタイヤと同様の製造方法で製造できる。上記のカーカス用プライは円筒状に成型され、例えばビードの配設後、チューブ状エアバッグが挿入され、内圧によりドーナツ状にシェーピングされた後、ベルト層が常法により形成される。
【0032】
各部でトッピングゴムの硬度が異なるカーカス用プライを製造する方法としては、例えば複数のコードを平行に配列したすだれ状の織物に、カレンダーロールやプレス装置を用いて、両面から未加硫ゴムシートを積層してトッピングゴムを被覆する際、硬度が部分的に異なる未加硫ゴムシートを使用する方法などが挙げられる。
【0033】
カーカス用プライの厚みは、0.5〜1.0mmが好ましい。また、コードの打ち込み数は、従来のラジアルタイヤと同様に40〜70本/5cmが好ましい。
【0034】
ゴムの硬度を変える方法としては、従来公知の方法が何れも使用でき、例えばカーボンブラック等の補強材の種類や配合比を変える方法、加硫剤の配合比を変える方法などが挙げられる。
【0035】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0036】
(1)前述の実施形態では、カーカス層が1層で構成される例を示したが、本発明では、2層以上のカーカス層10を設けてもよい。その場合も、下層6aの外側端P1とタイヤ最大幅位置P2との間の領域のカーカス層10が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C1を有するようにする。このとき、各層におけるカーカス層C1の領域は、各層で同じでも、異なっていてもよい。また、その他の領域についても、前述と同様にカーカス層C2〜C3の領域を配設すればよい。
【0037】
(2)前述の実施形態では、カーカス層のコードが4種の硬度のトッピングゴムで被覆されている例を示したが、2種の硬度のトッピングゴムで被覆されていてもよい。その場合、カーカス層の構造は、センターから端辺へと2分割〜5分割の構造とすることができる。
【0038】
2分割構造の場合は、センターからベルト端付近までを低硬度とし、その外側を高硬度とすればよい。3分割構造の場合は、センターからベルト端付近までを低硬度とし、巻き返し端からタイヤ最大幅位置までの適当な位置を低硬度とし、その中間を高硬度とすればよい。4分割構造の場合は、センターからベルト端付近までを低硬度とし、タイヤ最大幅位置からビード下のタイヤ内周端までの領域を低硬度とし、その中間を高硬度とすると共に、ビード下のタイヤ内周端から巻き返し端の領域を高硬度にすればよい。4分割構造の場合は、更に巻き返し端付近に低硬度の領域を配設すればよい。
【0039】
(3)また、本発明は、カーカス層のコードが3種の硬度のトッピングゴムで被覆されていてもよい。その場合、前述した図1に示すカーカス層C3の領域を、カーカス層C4の領域と同じ硬度のトッピングゴムで被覆したり、あるいはカーカス層C3の領域を、カーカス層C2の領域と同じ硬度のトッピングゴムで被覆したりすればよい。
【0040】
(4)前述の実施形態では、カーカス層の巻き返し部のコード角が85〜90°である例を示したが、本発明では、図2に示すように、カーカス層10の巻き返し部12のコード角を傾斜させてもよい。これにより、ビード部付近の横剛性及び前後剛性を高めることができ、より確実に居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立できるようになる。この場合、巻き返し部12のコードとタイヤ周方向とのなすコード角は60〜85°が好ましい。
【0041】
一方、最内周側のベルト層の外側端とタイヤ最大幅位置との間の領域のカーカス層のコード角を傾斜させても上記と同様の効果が得られる。その場合もカーカス層のコードとタイヤ周方向とのなすコード角は60〜85°が好ましい。
【0042】
(5)前述の実施形態では、カーカス層の巻き返し部の巻き返し端が、タイヤ最大幅位置の付近に配置される例を示したが、巻き返し部の巻き返し端をより高い位置まで延長して、巻き返し端がベルト層の端部とカーカス層とに挟持されるようにしてもよい。その場合は、巻き返し部のうち、タイヤ最大幅位置より高い領域は、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層とするのが好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性の測定と性能評価は下記のようにして行った。
【0044】
(1)前後剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態で、前後方向の力を加えて、前後方向の力−前後たわみの関係を測定したグラフに基づき、、荷重負荷(510Kg)の0.3倍に相当する前後方向の力を、その力が作用した時の前後たわみで除して算出した。
【0045】
(2)横剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態で、横方向の力を加えて、横方向の力−横たわみの関係を測定したグラフに基づき、、荷重負荷(510Kg)の0.3倍に相当する横方向の力を、その力が作用した時の横たわみで除して算出した。
【0046】
(3)縦剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態から、圧縮試験気により垂直方向の力を加えて、荷重負荷の+10%と−10%を負荷したときのタイヤの撓みを測定し、負荷量を撓み量で除して算出した。
【0047】
(4)操縦安定性
実施例等で得られたサイズ205/55R16 89Vの空気入りタイヤを空気圧220kPaにてリム組み(リム:6.5J)して実車(2000ccクラスの国産セダン)に装着した。この実車により、ドライ時のテストコースにおいて、パネラーによる実車フィーリングテスト(直進、レーンチェンジ、ハンドリング走行安定性)を実施し、その結果を従来品を100とする指数で評価した。この値が大きいほど、操縦安定性が優れている。
【0048】
(5)乗り心地性
操縦安定性と同じく実車により、ドライ時のテストコースにおいて、パネラーによる実車フィーリングテスト(良路走行性、不整路面走行性、ハーシュネス)を実施し、その結果を、従来品を100とする指数で評価した。この値が大きいほど、乗心地が優れている。
【0049】
(6)ロードノイズ
操縦安定性の評価と同じ実車により、時速60kmでテストコース(粗面路)を惰行しながら走行し、運転席窓側の耳位置に取り付けたマイクで周波数125Hzでの騒音(低周波ロードノイズ)のレベルを測定した。
【0050】
実施例1
コードとしてレーヨン(1840dtex,伸度2%時の応力69N/本)を使用したすだれ状物に、JISA硬度がセンターから両端へと所定の間隔で50°→70°→57°→62°と変化(4分割構造)するトッピングゴムの未加硫ゴムシート(厚み0.2mm)を両側から挟み込んで、打ち込み数48本/5cmのカーカス用プライを作製した。
【0051】
このカーカス用プライと、ビードフィラー形成部材(加硫後のJISA硬度92°、三角形断面の底辺8mm、高さ45mm)とを用いて、コード角90°でビードで外側に巻き返したカーカス層を形成し、他の部分は通常のラジアルタイヤと同様にして、図1に示すようなタイヤサイズ205/55R16 89Vの空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度50°→70°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度70°→57°の境界は、タイヤ最大幅位置より10mm高く位置し、硬度57°→62°の境界は、ビード下のタイヤ内周端に位置していた。
【0052】
実施例2
実施例1において、JISA硬度がセンターから両端へと所定の間隔で50°→70°→60°と変化(3分割構造)するトッピングゴムの未加硫ゴムシートを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度50°→70°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度70°→60°の境界は、タイヤ最大幅位置に位置していた。
【0053】
実施例3
実施例1において、センターに近い部分のトッピングゴムの硬度を50°から60°に変えること以外は、全て実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度60°→70°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度70°→57°の境界は、タイヤ最大幅位置より10mm高く位置し、硬度57°→62°の境界は、ビード下のタイヤ内周端に位置していた。
【0054】
比較例1(従来品)
実施例1において、トッピングゴムの硬度が60°で均一なカーカス用プライを使用し、通常のラジアルタイヤと同様にして、同じタイヤサイズの空気入りタイヤを試作した。
【0055】
比較例2
実施例1において、JISA硬度がセンターから両端へと所定の間隔で70°→50°→62°→57°と変化(4分割構造)するトッピングゴムの未加硫ゴムシートを用いること以外は、全て実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度70°→50°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度50°→62°の境界は、タイヤ最大幅位置より10mm高く位置し、硬度62°→57°の境界は、ビード下のタイヤ内周端に位置していた。
【0056】
以上の空気入りタイヤを用いて、前記評価を行った結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
表1の結果が示すように、本発明によると、乗り心地性やロードノイズなどの居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる。これに対し、トッピングゴムの硬度の大小関係が一部逆転した比較例2では、乗り心地性やロードノイズなどの居住性と操縦安定性とが何れも悪化した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図
【図2】本発明の空気入りタイヤの他の例のカーカス層を模式的に示す側面図
【符号の説明】
1a ビード
6 ベルト層
6a 下層(最内周側のベルト層)
10 カーカス層
11 カーカス層の本体部
12 カーカス層の巻き返し部
C1 最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層
C2 2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層
C3 3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層
P1 ベルト層の外側端
P2 タイヤ最大幅位置
P3 ビード下のタイヤ内周端[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic tire including a pair of annular beads, a carcass layer whose ends are rolled back by the bead, and a plurality of belt layers that reinforce the carcass layer positioned below the tread with a tagging effect.
[0002]
[Prior art]
Currently, radial tires, which are the mainstream of pneumatic tires, reinforce a space between a pair of annular beads, and a carcass layer in which a plurality of cords are arranged in the tire radial direction (meridian direction), and a carcass located below the tread. A structure including a plurality of belt layers in which the layers are reinforced by the hoop effect and the cords are inclined with respect to the tire circumferential direction is common. Further, both end portions of the carcass layer are wound back to the outside by beads, and the cords of the wound portions are usually arranged in the tire radial direction.
[0003]
Various types of pneumatic tires are known in which a reinforcing layer reinforced with long fibers or short fibers is provided in addition to the carcass layer around the bead for the purpose of improving the handling stability by increasing the rigidity of the bead portion. ing. There is also known a pneumatic tire in which the rigidity of the bead portion is increased by inclining the cord of the winding portion of the carcass layer from the tire radial direction without providing such a reinforcing layer (for example, Patent Document 1). And Patent Document 2).
[0004]
On the other hand, when the vehicle travels on a relatively rough road surface, noise called road noise is generated in the passenger compartment. This road noise is one of the noises related to tires, and the tires vibrate due to the road surface unevenness being input to the tires, and this vibration is transmitted along the propagation path such as the axle, suspension, and vehicle body, and finally Cause noise in the passenger compartment. Of this vehicle interior noise, low-frequency road noise generated in the vicinity of 125 Hz is close to the primary resonance frequency of the tire and coincides with that frequency, resulting in a road noise peak. Therefore, noise reduction is required.
[0005]
By the way, when the carcass layer is formed, a carcass ply in which a top fabric is covered with an interdigital fabric in which a plurality of cords are arranged in parallel is generally used. As for the topping rubber, the same type of rubber is used on the entire surface of the carcass ply, and changing the type of rubber in a part of the area has not been usually performed. However, in a pneumatic tire that omits the inner liner, a pneumatic tire is known in which the amount of butyl rubber is changed in a part of the carcass ply in order to achieve both air impermeability and drum durability. (See Patent Document 3).
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-11-170807 (first page, FIG. 4)
[Patent Document 2]
JP-A-8-324213 (first page, FIG. 1)
[Patent Document 3]
JP-A-9-58208 (first page, FIG. 2)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the carcass ply coated with one kind of topping rubber as described above, there is a problem that, when the hardness of the topping rubber is increased, the driving stability is increased, but the ride comfort and road noise are deteriorated. Conversely, when the hardness of the topping rubber is reduced, the ride comfort and road noise are improved, but the steering stability is lowered, that is, the steering stability and the habitability are contradictory.
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a pneumatic tire that can achieve both an improvement effect of comfortability such as ride comfort and road noise and an improvement effect of steering stability.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The above object can be achieved by the present invention as described below.
That is, the pneumatic tire of the present invention includes a pair of annular beads, a carcass layer whose ends are rolled back by the beads, and a plurality of belt layers that reinforce the carcass layer located below the tread by a tagging effect. In the pneumatic tire provided, the carcass layer is coated with a topping rubber of two or more kinds of hardness, and the carcass layer in a region between the outer end of the innermost belt layer and the tire maximum width position Is based on the average value of hardness in the region (Σ area ratio × hardness), the average value of which has a region covered with 60-80 ° topping rubber with the highest hardness of JISA , and other regions Is characterized by being covered with a topping rubber having a JISA hardness of 40 to 70 ° .
[0010]
In the above, the carcass layer is coated with a topping rubber having three or more kinds of hardness, and the portion of the carcass layer wound back by the bead has a second highest hardness of 52 to 70 ° in JISA hardness. It is preferable that the other region is covered with a topping rubber having a JIS hardness of 40 to 67 ° .
[0011]
The carcass layer is covered with a cord with a topping rubber having four or more kinds of hardness, and the carcass layer in the region between the tire maximum width position and the tire inner peripheral edge under the bead has the third hardness. It has a region covered with a topping rubber having a high JISA hardness of 47 to 67 °, and the other region (located below the tread) is preferably covered with a topping rubber having a JISA hardness of 40 to 60 °. .
[0012]
[Function and effect]
According to the present invention, the carcass layer is covered with a topping rubber having two or more kinds of hardness, and the carcass region covered with the topping rubber having the highest hardness is provided in the vicinity of the buttress portion. And improving the steering stability. In other words, by providing a carcass region covered with high hardness topping rubber in the vicinity of the buttress part that does not contribute much to the longitudinal rigidity and easily contributes to the longitudinal rigidity and the lateral rigidity, while improving steering stability, road noise is reduced. Reduction and ride comfort can be improved.
[0013]
The carcass layer is covered with a cord with a topping rubber of three or more types of hardness, and the carcass layer of the portion rolled back with the bead has a region covered with the second highest hardness topping rubber More than 3 types of hardness can be selected, and finer hardness can be selected. By increasing the hardness of the part that has been rewound, both the comfort improvement effect and the steering stability improvement effect can be achieved more reliably. become able to.
[0014]
The carcass layer is coated with a topping rubber having four or more kinds of hardness, and the carcass layer in the region between the tire maximum width position and the tire inner periphery under the bead is the third hardest topping. In the case of having a region covered with rubber, it is possible to select a finer hardness in order to obtain four or more types of hardness, and because the hardness under the belt is relatively low, the comfortability is improved by the envelope effect. In addition, it is possible to more reliably achieve both the improvement effect of the comfortability and the improvement effect of the handling stability.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a partial sectional view showing an example of the pneumatic tire of the present invention.
[0016]
As shown in FIG. 1, the pneumatic tire according to the present invention includes a pair of
[0017]
As the
[0018]
A
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
In the present invention, the
[0022]
In the present invention, the
[0023]
The hardness (after vulcanization) of the topping rubber covering the carcass layer C1 is preferably 60-80 ° in terms of JISA hardness. Further, the hardness of the topping rubber in the region of the carcass layer C1 may be slightly different. In this case, the average value is the highest based on the average value of hardness (Σ area ratio × hardness). Next, the carcass layer C1 is disposed.
[0024]
In the present invention, it is preferable that the
[0025]
The hardness (after vulcanization) of the topping rubber covering the carcass layer C2 is preferably 52 to 70 ° in terms of JISA hardness. The carcass layer C2 may have a slightly different hardness in the topping rubber within the region, and in this case, the carcass layer C2 is disposed so as to have the second highest hardness based on the average value of the hardness ( The same applies to the carcass layer C3).
[0026]
In the present invention, it is preferable that the carcass layer in the region between the tire maximum width position P2 and the tire inner peripheral end P3 under the bead has the carcass layer C3 covered with the third highest hardness topping rubber. The region occupied by the carcass layer C3 is preferably 50% or more, more preferably 60% or more, of the region between the tire maximum width position P2 and the tire inner peripheral end P3. The hardness (after vulcanization) of the topping rubber covering the carcass layer C3 is preferably 47 to 67 ° in terms of JISA hardness.
[0027]
The portions other than the carcass layers C1 to C3 are preferably covered with a topping rubber having a hardness lower than that of the carcass layer C3. Specifically, the hardness (after vulcanization) of the topping rubber is preferably 40 to 60 ° in terms of JISA hardness. In the present invention, it is preferable to use the carcass layer C4 covered with such a low hardness topping rubber for the
[0028]
In the present embodiment, as shown in FIG. 1, a
[0029]
Except for the above points, the tire has substantially the same structure as a normal radial tire. That is, as shown in FIG. 1, a
[0030]
Examples of the raw rubber for the rubber layer include natural rubber, styrene butadiene rubber (SBR), butadiene rubber (BR), isoprene rubber (IR), and butyl rubber (IIR). These rubbers are reinforced with fillers such as carbon black and silica, and a vulcanizing agent, a vulcanization accelerator, a plasticizer, an antiaging agent, and the like are appropriately blended.
[0031]
The pneumatic tire of the present invention can be manufactured by the same manufacturing method as that of a normal pneumatic tire, except that carcass plies having different topping rubber hardness are used in each part. The carcass ply is formed into a cylindrical shape. For example, after a bead is disposed, a tubular airbag is inserted and shaped into a donut shape by internal pressure, and then a belt layer is formed by a conventional method.
[0032]
As a method of manufacturing a carcass ply having different topping rubber hardnesses in each part, for example, an unvulcanized rubber sheet is formed on both sides using a calender roll or a press device on a comb-like fabric in which a plurality of cords are arranged in parallel. A method of using unvulcanized rubber sheets having partially different hardness when laminating and covering the topping rubber may be mentioned.
[0033]
The thickness of the carcass ply is preferably 0.5 to 1.0 mm. Further, the number of cords to be driven is preferably 40 to 70/5 cm as in the case of a conventional radial tire.
[0034]
As a method for changing the hardness of the rubber, any conventionally known method can be used. Examples thereof include a method for changing the type and mixing ratio of a reinforcing material such as carbon black, and a method for changing the mixing ratio of the vulcanizing agent.
[0035]
[Other Embodiments]
Hereinafter, other embodiments of the present invention will be described.
[0036]
(1) In the above-described embodiment, an example in which the carcass layer is composed of one layer has been described. However, in the present invention, two or more carcass layers 10 may be provided. Also in this case, the
[0037]
(2) In the above-described embodiment, an example is shown in which the cord of the carcass layer is coated with topping rubber having four types of hardness, but it may be coated with topping rubber having two types of hardness. In that case, the structure of the carcass layer can be a structure of 2 to 5 divisions from the center to the edge.
[0038]
In the case of a two-part structure, the hardness from the center to the vicinity of the belt end may be low and the outside may be high. In the case of a three-part structure, the hardness from the center to the vicinity of the belt end may be low hardness, the appropriate position from the rewind end to the tire maximum width position may be low hardness, and the middle may be high hardness. In the case of the 4-part structure, the hardness from the center to the vicinity of the belt end is low hardness, the region from the tire maximum width position to the tire inner peripheral edge under the bead is low hardness, the middle is high hardness, What is necessary is just to make the area | region from a tire inner peripheral end to the rewinding end high hardness. In the case of a four-part structure, a low-hardness region may be further disposed near the winding end.
[0039]
(3) Further, in the present invention, the cord of the carcass layer may be covered with topping rubbers having three kinds of hardness. In that case, the region of the carcass layer C3 shown in FIG. 1 is covered with a topping rubber having the same hardness as the region of the carcass layer C4, or the region of the carcass layer C3 is topped with the same hardness as the region of the carcass layer C2. It may be covered with rubber.
[0040]
(4) In the above-described embodiment, an example in which the cord angle of the winding portion of the carcass layer is 85 to 90 ° is shown. However, in the present invention, the cord of the winding
[0041]
On the other hand, the same effect as described above can be obtained by inclining the cord angle of the carcass layer in the region between the outer end of the innermost belt layer and the tire maximum width position. Also in this case, the cord angle formed by the cord of the carcass layer and the tire circumferential direction is preferably 60 to 85 °.
[0042]
(5) In the above-described embodiment, the example in which the winding end of the winding portion of the carcass layer is arranged in the vicinity of the tire maximum width position has been shown, but the winding end of the winding portion is extended to a higher position. The end may be sandwiched between the end of the belt layer and the carcass layer. In that case, it is preferable that a region higher than the tire maximum width position in the turned-up portion is a carcass layer covered with a topping rubber having the highest hardness.
[0043]
【Example】
Examples and the like specifically showing the configuration and effects of the present invention will be described below. In addition, the measurement of physical properties and performance evaluation in Examples and the like were performed as follows.
[0044]
(1) A load load (510 kg) based on a graph in which the relationship between the force in the front-rear direction and the deflection in the front-rear direction is measured by applying a force in the front-rear direction in a state where the air pressure of the front-rear rigid tire is 210 KPa and the load load is 510 kg. The force in the front-rear direction corresponding to 0.3 times the value is divided by the front-rear deflection when the force is applied.
[0045]
(2) Based on a graph in which the lateral force-lateral deflection relationship was measured by applying a lateral force in a state where the air pressure of the lateral rigid tire was 210 KPa and the load load was 510 Kg, the load load (510 Kg) The lateral force corresponding to 0.3 times the value was calculated by dividing by the lateral deflection when the force was applied.
[0046]
(3) From a state where the air pressure of the longitudinally rigid tire is 210 KPa and the load load is 510 Kg, applying a force in the vertical direction by the compression test air, the deflection of the tire when + 10% and −10% of the load load is applied. Measured and calculated by dividing the amount of load by the amount of deflection.
[0047]
(4) Steering stability Pneumatic tires of size 205 / 55R16 89V obtained in the working example and the like were mounted on an actual vehicle (2000cc class domestic sedan) with a rim assembly (rim: 6.5J) at an air pressure of 220 kPa. With this actual vehicle, an actual vehicle feeling test (straight ahead, lane change, handling stability) was conducted on the test course when dry, and the result was evaluated with an index where the conventional product was 100. The larger this value, the better the steering stability.
[0048]
(5) Ride comfort As with the handling stability, the actual vehicle feeling test (good road driving performance, rough road driving performance, harshness) was performed by the panelists on the dry test course, and the results were compared with the conventional products. Was evaluated with an index of 100. The larger this value, the better the riding comfort.
[0049]
(6) Road noise Using the same vehicle as the evaluation of steering stability, run on a test course (rough surface) at a speed of 60 km / h and run at a frequency of 125 Hz with a microphone attached to the ear position on the driver's seat side. Frequency road noise) level was measured.
[0050]
Example 1
In a comb-like material using rayon (1840 dtex, stress 2N elongation: 69 N / cord) as the cord, the JISA hardness changes from the center to both ends at 50 ° → 70 ° → 57 ° → 62 ° at predetermined intervals. An unvulcanized rubber sheet (thickness 0.2 mm) of a topping rubber to be (quarterly divided) was sandwiched from both sides to prepare a carcass ply with a driving number of 48/5 cm.
[0051]
Using this carcass ply and a bead filler forming member (JISA hardness 92 ° after vulcanization, triangle base 8 mm, height 45 mm), a carcass layer wound outward with a bead at a cord angle of 90 ° is formed. A pneumatic tire having a tire size of 205 / 55R16 89V as shown in FIG. 1 was prototyped in the same manner as a normal radial tire in other portions. The boundary of hardness 50 ° → 70 ° of the carcass layer of the obtained pneumatic tire is located at the outer end of the innermost belt layer, and the boundary of hardness 70 ° → 57 ° is 10 mm from the tire maximum width position. The boundary of hardness 57 ° → 62 ° was located at the inner peripheral edge of the tire under the bead.
[0052]
Example 2
In Example 1, except that the unvulcanized rubber sheet of topping rubber in which the JISA hardness changes from the center to both ends at 50 ° → 70 ° → 60 ° at predetermined intervals (three-part structure) was used. A pneumatic tire was manufactured in the same manner as in Example 1. The boundary of the hardness 50 ° → 70 ° of the carcass layer of the obtained pneumatic tire is located at the outer end of the innermost belt layer, and the boundary of the hardness 70 ° → 60 ° is located at the maximum tire width position. Was.
[0053]
Example 3
A pneumatic tire was prototyped in the same manner as in Example 1 except that the hardness of the topping rubber near the center in Example 1 was changed from 50 ° to 60 °. The boundary of the hardness 60 ° → 70 ° of the carcass layer of the obtained pneumatic tire is located at the outer end of the innermost belt layer, and the boundary of the hardness 70 ° → 57 ° is 10 mm from the maximum tire width position. The boundary of hardness 57 ° → 62 ° was located at the inner peripheral edge of the tire under the bead.
[0054]
Comparative example 1 (conventional product)
In Example 1, a pneumatic tire having the same tire size was prototyped in the same manner as a normal radial tire using a uniform carcass ply with a topping rubber hardness of 60 °.
[0055]
Comparative Example 2
In Example 1, except for using an unvulcanized rubber sheet of topping rubber in which the JISA hardness changes from the center to both ends at a predetermined interval of 70 ° → 50 ° → 62 ° → 57 ° (four-part structure), Pneumatic tires were all manufactured in the same manner as in Example 1. The boundary of the hardness 70 ° → 50 ° of the carcass layer of the obtained pneumatic tire is located at the outer end of the innermost belt layer, and the boundary of the hardness 50 ° → 62 ° is 10 mm from the maximum tire width position. The boundary between the hardness and the hardness of 62 ° → 57 ° was located at the inner peripheral edge of the tire under the bead.
[0056]
Table 1 shows the results of the evaluation using the above pneumatic tires.
[0057]
[Table 1]
As shown in the results of Table 1, according to the present invention, it is possible to achieve both an improvement effect of comfortability such as riding comfort and road noise and an improvement effect of steering stability. On the other hand, in Comparative Example 2 in which the magnitude relationship of the hardness of the topping rubber was partially reversed, the comfortability and handling stability such as riding comfort and road noise were all deteriorated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view showing an example of a pneumatic tire of the present invention. FIG. 2 is a side view schematically showing a carcass layer of another example of the pneumatic tire of the present invention.
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記カーカス層は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、最内周側のベルト層の外側端とタイヤ最大幅位置との間の領域のカーカス層が、領域内の硬度の平均値(Σ面積率×硬度)に基づいて、その平均値が最も硬度の高いJISA硬度で60〜80°のトッピングゴムで被覆された領域を有し、その他の領域は、JISA硬度で40〜70°のトッピングゴムで被覆されていることを特徴とする空気入りタイヤ。In a pneumatic tire comprising a pair of annular beads, a carcass layer whose ends are rolled back by the bead, and a plurality of belt layers that reinforce the carcass layer located below the tread by a tagging effect,
The carcass layer is coated with a topping rubber having two or more kinds of hardness, and the carcass layer in the region between the outermost end of the belt layer on the innermost peripheral side and the tire maximum width position has a hardness in the region. Based on the average value (Σ area ratio × hardness), the average value has the highest hardness of the JIS hardness of 60 to 80 ° covered with the topping rubber, and the other area has the JIS hardness of 40 A pneumatic tire characterized by being coated with a topping rubber of ˜70 ° .
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