JP4135787B2 - 車両のデータ記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運行管理データや車両の診断結果等のデータを記録する車両のデータ記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の運行管理データを記録する媒体として、特開平7−72043号公報の開示技術ではICカードを記録媒体にしたものがある。また、特開平7−150835号公報の開示技術では運転免許証にICメモリー機能をもたせたものなどが知られている。しかし、これらの技術では、電気的接点によって信号伝達を行うものでは接触不良による記録の不全や、持運びに不便なサイズであったり、また、非接触のICメモリーでは繊細で扱いが容易でなく、その回収に特別な配慮が必要あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、記録データが正確でかつ、小型で持運び及び扱いが容易な車両のデータ記録装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両のデータ記録装置は、エンジンキー1およびキーシリンダ2に装着され、そのキーシリンダ2に接続された前記エンジンキー1とキーシリンダ 2とを制御する制御装置3を設けて、車両の運行管理データや車両の診断結果等のデータを記録する車両のデータ記録装置において、前記エンジンキー1には、受電機能を有する受電装置11と、燃料噴射量、エンジン回転数、走行速度、積算走行距離、車両位置、車両の駆動系及び制御系に関するデータ及びエンジン性能に関する診断データを記録する記憶装置13と、その記憶装置13への入力データを所定形式に変換するデータ変換装置14と、そのデータ変換装置14とデータ交信するデータ入出力装置15とが装着され、前記キーシリンダ2には、前記エンジンキー1に電力を供給する送電装置21と、エンジンキー1とデータおよび信号を交信するデータ入出力装置22と、前記送電装置 21およびデータ入出力装置22に接続されたインタフェース24とが装着され、該インタフェース24を介してエンジンキー1にデータを記録させる制御装置3が車両側に搭載されており、前記エンジンキー1の受電装置11とキーシリンダ2の送電装置21とは電磁結合によって非接触に送電され、前記エンジンキー1のデータ入出力装置15と前記キーシリンダ2のデータ入出力装置22とは光結合によって交信されており、そして前記エンジンキー1は、キーシリンダ2に挿入されて記憶装置13の初期化を行い(S1)、キーシリンダ2からの動作モード信号を受信し(S2)、その動作モード信号が入力モードであれば(S3)データを受信してそのデータに欠落部があれば補完し、要修正部があれば修正して記憶装置13に記録し(S4、S5)、また前記動作モード信号が出力モードであれば(S7)キーシリンダ2が受信可能か否かの判断を行って(S8)可能であれば記憶装置13のデータを前記制御装置3、車載されたエンジン制御装置及び車載LANに送信する(S10)機能を有している。
また、前記キーシリンダ2は、初期化を行ってから(S30)、動作モードが送信か否か判断し(S31)、送信であればエンジンキー1に入力モードの動作モード信号を送り(S32)、エンジンキー1側が受信可能であればデータの送信を行い(S33、S34)、また前記動作モードの判断(S31)で送信でない場合は、エンジンキー1側が送信の動作モードであれば(S36)エンジンキー1に出力モードの動作モード信号を送り(S37)、データの受信を行う(S38)機能を有している。
【0005】
この発明による車両のデータ記録装置は、エンジンキー内に、車両側に搭載された制御装置からの制御で運行管理に必要なデータや各種装置の診断記録を記録させて、容易に回収できるようにしている。
【0006】
前記エンジンキーには、バッテリが内蔵された電圧安定装置が付設されていることが好ましい。
【0007】
これによれば、電圧が安定してデータが正確に記録される。また、バッテリ装着によって事故による送電停止でも、キー内の各装置が作動して、記録が採取される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の車両のデータ記録装置の実施の形態を説明する。図1に、符号KMで本発明全体を総称する車両のデータ記録装置のブロック構成を示す。この車両のデータ記録装置KMは、エンジンキー(以降、キーと略記する。)1と、キーシリンダ(以降、シリンダと略記する。)2と、制御装置3とで主要構成がされている。
【0012】
キー1は、図2に示すように、変形平円板状のヘッド部10と、平板状の挿入部11とで外形形状が形成されている。ヘッド部10には、車両走行に関する基本データ例えば、燃料供給量、エンジン回転速度、車両走行速度、積算走行距離、車両位置等及び車両、エンジン等の診断データを入力し、記録し、データ整理し、出力する、等の各種機能装置が装着されている。これらの各種機能は、受電機能を有する受電装置11、データの記憶装置13、データを所定の形式に変換させるデータ変換装置14、信号及びデータを交信させるデータ入出力装置15等で構成されている。受電装置11は、シリンダ2側から供給される電力を受電するよう構成されている。受電、給電の方式は、非接触形の電磁結合等であってもよい。記憶装置13は、前記車両走行に関するデータ、車両の駆動、制動系に関する診断データ及びエンジン性能に関する診断データ等の記憶装置であって通常は記憶容量が2Mバイト程度の極小チップでよい。データ変換装置14は、記憶装置13に送るデータを出力送信し易い、また、演算しやすい形式に変換し管理するよう構成されている。データ入出力装置15は、データ変換装置14とシリンダ2との間にあって、データ、命令等の交信をする任意公知の装置で、シリンダ2側とは非接触形の光結合等による交信でもよい。
【0013】
また、受電装置11は電線11aを介して記憶装置13に、記憶装置13は電線13aを介してデータ変換装置14に、データ変換装置14は電線14aを介してデータ入出力装置にそれぞれが接続されている。
【0014】
シリンダ2は、通常のシリンダ機能であるエンジン始動、アクセサリ作動、作動停止等の機能を選択するように内蔵された明示しない回転部に、図3に示すように、キー1の挿入部20が嵌合するスリット23が設けられている。その他に本発明固有の、送電装置21と、データ入出力装置22と、インタフェース24、とが装着されている。
【0015】
送電装置21は、前記受電送置11と対になって、キー1側に作動電力を供給するよう構成されている。データ入出力装置22は、データ入出力装置15と対になって交信するよう構成されている。インタフェース24は、送電装置21及びデータ入出力装置22と、別個所に装着された制御装置3との間を線21a及び線22aを介して接続され、送電装置21には一方通行で命令指示を、データ入出装置22とは交信するよう構成されている。
【0016】
制御装置3は、固有のパソコン機能を備え、線31を介してインタフェース24に接続され、インタフェース24を介してキー1に交信しながら各種データを記録させる制御機能を有している。その各種データは、制御装置3に別に接続された例えばエンジン制御装置や車両全体を情報結合するいわゆる車載LAN等からデータを収集できるように情報結合されている。
【0017】
上記構成の車両のデータ記録装置KMの作用をキー1については図4に、シリンダ2側については図5に示すフローチャートによって説明する。
【0018】
まず、図4のキー1の作用については、キー1がシリンダ2に挿入されたところからフローチャートをスタートさせる。ステップS1においては、記憶装置13内の過去の不要記録データ消去し、新しく記憶させる記録の日時、記録の内容例えば、走行データまたは、診断データ等別の認識符号記入等の初期化(イニシャライズ)を行う。ステップS2では、キー1がシリンダ2に挿入され、走行記録の採取であればエンジンが運転状態の動作モードにあることをデータ入出力装置15を介して受信する。動作モードであることを受信していれば、ステップS3に行く。受信が未了であれば待機する。ステップS3では、受信した動作モードが、データ入力モードか否かを判定する。データ入力モードYESであれば、ステップS4に行く。NOであれば、ステップS7に行く。
【0019】
ステップS4では、データ入出力装置15、データ入出力装置22、インタフェース24及び制御装置3を介してシリンダ2側から受信する。ステップS5では、受信データの修正例えば、データ欠落部の補完、修正等をして記憶装置13に入力する。ステップS6では、データ入力が終了したかを判定する。終了していれば、ステップS2に戻って次の入力を待つ。データ入力が未終了であれば、ステップS4に戻ってデータの受信を継続する。
【0020】
一方、ステップS3でデータ入力モードでないと判定されたNOの場合は、ステップS7に行って、データ出力モードか否かを判定し、データ出力モードであればステップS8に行く。NOであれば、ステップS2に戻って待機する。ステップS8では、シリンダ2側がデータ受信可能か否かを判定する。即ちシリンダ2側からデータ受信可能信号が発信されたか否かを判定する。シリンダ側がデータ受信できない場合は、待機する。受信可能の場合は、ステップS9に行く。
【0021】
ステップS9では、記憶装置13からデータの読み出しをする。ステップS10では、データの送信をする。ここで、データの再度の送信要求がある場合は、所定の方法によって再送信に応じる。ステップS11では、データの出力が終了したかを判定する。終了していれば、ステップS2に戻る。未終了であれば、読み出しを継続する。
【0022】
このように、ステップS4〜ステップS6ではキー1にデータを記録させ、ステップS7〜ステップS11ではキー1から記録したデータを出力させて制御装置3及びその他エンジン制御装置や車載LAN等に入力させている。
【0023】
次ぎに、図5のフローチャートによってシリンダ側の作用を説明する。ステップS30において、所定の初期化を行う。即ち、データ入出力装置22、インタフェース24、制御装置3の不用記録データ消去、新しく記憶させる記録の日時、記録の内容例えば、走行データまたは、診断データ等別の認識符号記入等を前記キー1の初期化にあわせて行う。ステップS31では、シリンダ2側の動作モードは送信状態にあるかを判定する。送信状態にあれば、ステップS32行き、NOであればステップS36に行く。
【0024】
ステップS32では、キー1にデータ入力モード信号信号を送信し、キー1に入力データ受信の準備をさせる。ステップS33では、キー1がデータ受信が可能か、を判定する。受信不能状態であれば、受信可能状態になるまで待機する。受信可能のYESであれば、ステップS34においてデータの送信をする。そしてデータ再送信の要求があれば、要求に応えてデータを再送信する。ステップS35では、データ送信が終了したかを判定する。終了YESであれば、ステップS31に戻って次のデータ送信を待機する。
【0025】
一方、ステップS31でシリンダ側の動作モードが送信状態になく、ステップS36を選択した場合は、このステップS36でキー1側が送信の動作モードにあるかを判定する。送信の動作モードにあれば、ステップS37に行く。送信の動作モードにない場合は、ステップS40に行ってキー1側に待機状態の待機モード信号を送信し、ステップS31に戻って次のデータ送信を待機する。キー1側にはステップ2、3、7を循環して待機させるようにする。
【0026】
ステップS37では、キー1側にデータ出力状態のデータ出力モード信号を送信する。次いで、ステップS38で、キー1側からの送信データを受信する。この際、データ欠落部の補完、修正等をして受信する。ステップS39では、データ受信が終了したかを判定する。終了YESであれば、ステップS31に戻って次のデータ送信を待機する。
【0027】
このように、ステップS32〜ステップS35ではキー1にデータを送信して記録させ、ステップS36〜ステップS39ではキー1からシリンダ2側にデータを出力させている。
【0028】
上記のシリンダ2側の作用は、制御装置3を中心にしてインタフェース24を介してキー1側への作動電力の送電、記憶装置への送、受信等を行う。
【0029】
このように、キー1とシリンダ2の作動が連係をとりながら、キー1に必要データを記録させ、また出力させるよう作用する。
【0030】
図6は、キーの別形態で、キーA1内の各装置に要する電力を安定にする機能を付設して、キーA1への送電停止対応及び電圧安定を保証させるようにしている。即ち、受電装置A11と記憶装置A13との間に、電圧安定装置A12を介装させている。一般に車両側に搭載される制御装置3には他目的の制御装置も含めて電圧安定手段が設けられているが、この電圧安定装置A1によってキー1内での作動確保のために電圧低下または変動を抑制している。また、電圧安定装置A12内に、バッテリBaを装着させている。これによって、何らかの不測の給電停止状態にも対応できるようにしている。なお、図6における受電装置A11、記憶装置A13、データ変換装置A14、データ入出力装置A15、等は、前記実施形態の装置と実質的に同じである。また、シリンダ2との作用は全く同じである。
【0031】
【発明の効果】
本発明の作用効果を、以下に列挙する。
(1) 本発明の車両のデータ記録装置では、車両に固有のエンジンキー内に運行管理に必要なデータや各種診断記録を記録させて、扱い易く従って回収し解析し易くしている。
(2) エンジンキーにバッテリが内蔵された電圧安定装置を付設させれば、電圧変動による送、受信の誤りを防止できる。
(3) 送電装置と受電送置を電磁結合にすれば、非接触送電され端子接触不良による送電の断切や電圧変動、ノイズ混入等が防止できる。
(4) エンジンキー側の入出力装置とキーシリンダ側の入出力装置とを光結合にすれば、ノイズ混入、静電気による交信の誤りの防止でき、かつ、多量のデータ交信ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す車両のデータ記録装置のブロック構成図。
【図2】図1のキーを示すブロック構成図。
【図3】図1のシリンダ及び制御装置を示すブロック構成図。
【図4】本発明のキーの作用を示すフローチャート図。
【図5】本発明のシリンダの作用を示すフローチャート図。
【図6】別の発明を示すキーのブロック構成図。
【符号の説明】
KM・・車両のデータ記録装置
1・・・キー
2・・・シリンダ
3・・・制御装置
10・・ヘッド部
11・・受電装置
11a、13a、14a・・信号線
13・・記憶装置
14・・データ変換装置
15・・データ入出力装置
20・・挿入部
21・・送電装置
21a、22a・・信号線
22・・データ入出力装置
23・・スリット
24・・インタフェース
31・・信号線
Claims (2)
- エンジンキー(1)およびキーシリンダ(2)に装着され、そのキーシリンダ(2)に接続された前記エンジンキー(1)とキーシリンダ (2)とを制御する制御装置(3)を設けて、車両の運行管理データや車両の診断結果等のデータを記録する車両のデータ記録装置において、前記エンジンキー(1)には、受電機能を有する受電装置(11)と、燃料噴射量、エンジン回転数、走行速度、積算走行距離、車両位置、車両の駆動系及び制御系に関するデータ及びエンジン性能に関する診断データを記録する記憶装置(13)と、その記憶装置(13)への入力データを所定形式に変換するデータ変換装置 (14)と、そのデータ変換装置 (14)とデータ交信するデータ入出力装置 (15)とが装着され、前記キーシリンダ (2)には、前記エンジンキー(1)に電力を供給する送電装置 (21)と、エンジンキー(1)とデータおよび信号を交信するデータ入出力装置 (22)と、前記送電装置(21)およびデータ入出力装置(22)に接続されたインタフェース(24)とが装着され、該インタフェース(24)を介してエンジンキー(1)にデータを記録させる制御装置(3)が車両側に搭載されており、前記エンジンキー(1)の受電装置 (11)とキーシリンダ (2)の送電装置 (21)とは電磁結合によって非接触に送電され、前記エンジンキー(1)のデータ入出力装置(15)と前記キーシリンダ (2)のデータ入出力装置 (22)とは光結合によって交信されており、そして前記エンジンキー(1)は、キーシリンダ(2)に挿入されて記憶装置(13)の初期化を行い、キーシリンダ(2)からの動作モード信号を受信し、その動作モード信号が入力モードであればデータを受信してそのデータに欠落部があれば補完し、要修正部があれば修正して記憶装置(13)に記録し、また前記動作モード信号が出力モードであればキーシリンダ(2)が受信可能か否かの判断を行って可能であれば記憶装置(13)のデータを前記制御装置(3)、車載されたエンジン制御装置及び車載LANに送信する機能を有し、前記キーシリンダ (2)は、初期化を行ってから、動作モードが送信か否か判断し、送信であればエンジンキー(1)に入力モードの動作モード信号を送り、エンジンキー(1)側が受信可能であればデータの送信を行い、また前記動作モードの判断で送信でない場合は、エンジンキー(1)側が送信の動作モードであればエンジンキー(1)に出力モードの動作モード信号を送り、データの受信を行う機能を有していることを特徴とする車両のデータ記録装置。
- 前記エンジンキー(A1)にバッテリ(Ba)が内蔵された電圧安定装置(A12)が付設された請求項 1の車両のデータ記録装置。
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