JP4134352B2 - レール締結緩み等の検知装置及び検知方法 - Google Patents

レール締結緩み等の検知装置及び検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レール締結装置における締結ボルトの緩みやレールの摩耗量,軌道パッドの抜け,軌道上における特定個所の認識等をレーザ式の変位計を利用した距離センサーを用いて高速走行しながら連続的に行うことのできる検知装置及び検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道レールの締結装置としては、図5及び図6に示すように、板バネ1及び締結ボルト2を用いて行うものが一般的である。図に示す板バネ1は、一枚のバネをクリップ状に折り曲げて形成したものであり、図に示す板バネ1は、二枚のバネを重ねて用いるようにしたものである。
これらの板バネ1は、その中央部を締結ボルト2によって枕木3に圧着され、板バネ1の先端部1aでレール4の基部4aを押さえ付けてレール4の固定を行っている。
【0003】
このようなレール締結装置が、二本の各レール4のそれぞれの内側と外側との双方に配置されるものであることは当然である。而して、このようなレール締結装置にあって、図6の鎖線で示すように、締結ボルト2に緩みが発生すると、板バネ1の先端部1aがレール基部4aから浮き上がり、レール4が横ズレを起こしたり、レール4と枕木3との間に配設される隙間調整用の軌道パッド5が外れたりすることがあり、列車が脱線する等の重大事故に至る虞れがあるのでこのような事態は絶対に避けねばならず、定期的に締結ボルト2の緩みを検査することが行われていた。
【0004】
締結ボルト2の緩みの検査は、これまでは保守作業員が列車走行の少ない夜間にレール沿いに歩行しながらハンマー(図示せず)で締結装置を叩き、その衝撃音を聞いて判断したり、板バネ先端部1aのレール基部4aからの浮き上がり状態を目視で確認することで行っていた。
ところが、このような保守作業員による検査では、作業員の経験とカンに頼るところが多く、作業員によってバラツキが生じ、画一的且つ定量的に検査することが不可能であった。また特に夜間での作業が多いため、締結ボルト4の緩みを見落としたりすることがあった。更には、単位時間当たりの点検できる距離が保守作業員の能力の範囲内でしか行えず、極めて短く制限されるので非能率的でもあった。
【0005】
そこで、従来では、図7に示すように、レーザ式の変位計を用いたレール締結装置の緩みを検査する装置が開発されており、特開平6−298092号等によって公知である。この公知の緩み検出装置は、レール上を走行する台車の下面側にレーザ式の変位計を多数用いたセンサユニットを取り付け、レール上を走行しながら板バネ1までの距離を測定することにより自動的に締結ボルト2の緩みを検出するようにしたものである。
レーザ式の変位計は、各レール4の内側及び外側のそれぞれにおいて、板バネ1の締結ボルト2を挟んだ先端部1a側と基端部1b側とに、それぞれ二個のレーザ式の変位計6a及び6bと、6c及び6dとが配設されている。
【0006】
緩みの検出は、センサーユニットの基準点(センサヘッド)から板バネ1の基端部1b側までの距離Aを変位計6a及び6bで測定し、また同様にして基準点から板バネ1の先端部1aまでの距離Bを変位計6c及び6dで測定している。そして、測定した距離AとBとから、A−Bを算出し、差が許容範囲を越える場合を締結ボルト2の緩み有りと判断し、差が許容範囲内か若しくはゼロである場合を正常と判断としている。
【0007】
なお、距離Aと距離Bとをそれぞれ二個の変位計で測定するようにしたのは、センサユニットを搭載した台車が横揺れ(左右変位)を起こした場合には、図7で示すように変位計6aが板バネ1の曲面部を計測するようになり、測定誤りの原因となるので、これをバックアップするためにこのような場合でも変位計6bで距離Aが測定できるようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記公知の装置による検査方法では、台車の僅かの横揺れが発生した場合でも板バネ1の基端部1b側又は先端部1a側からレーザ光が外れる虞れがあり、正確な検査が行えなくなるので、これをバックアップするために基端部1b側と先端部1a側とにおいて、それぞれ二個の変位計を配設しなければならず、一本のレールについて八個の変位計が必要となり、左右二本のレールでは合計16個の変形が必要である。
このように測定センサーとしての変位計の設置数が多くなると、その分だけ製作コストが高くなり、またこれらの変位計から得られたデータの処理が複雑化するという欠点があった。
【0009】
また前記公知の装置による検査方法では、台車の下面側に搭載されたセンサユニットのセンサヘッドの位置を基準点とするために、レール4が摩耗した場合や軌道パッド5が抜けていた場合であっても測定した距離A及びBが同じ寸法だけ増減するので、これらのレール摩耗及び軌道パッドの抜け落ち等を検出することは不可能であった。
【0010】
更に、前記公知の装置では、レーザ式の変位計は板バネ1までの距離A及びBを測定するためにしか用いられておらず、またこれ以外の機能を有するものでもないため、締結ボルト2の緩みを検出した場合にその位置を特定するための信号は、軌道上に配設した別個の識別子とこれを判断する識別装置によらねばならず、この識別装置との協同によってしか位置を特定できないという欠点があった。これは、レール締結装置の緩みを検査する必要のある区間を認識する場合やレール締結装置の種類が異なる区間であることを認識する場合も同じである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、レーザ式変位計を利用した距離センサーの設置数を少なくし、またこれらのセンサーを利用して締結ボルトの緩み以外にも測定位置の特定やレール摩耗の検知及び軌道パッドの抜け等をも検知することのできる装置及び方法を提供せんとするものである。
【0012】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、レール上を走行する台車の下面側に固定した取付基台に配置される装置であって、レール締結装置における締結ボルトの頭部までの距離を測定するレーザ式の変位計を用いたボルトセンサーと、レール頭頂面までの距離を測定するレーザ式の変位計を用いたレールセンサーと、演算部と、判断部と、出力部とを備え、前記ボルトセンサーから得られた測定値と前記レールセンサーから得られた測定値との差Xを求める機能、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値を算出する機能、前記平均値を基準値X 0 とし、当該基準値X 0 と新たに求めた上記差Xとの差分X 0 −Xが許容範囲内であるかどうかを判断することによりレール締結ボルトの緩みを検知する機能、上記基準値X 0 と上記差Xの設計値とを比較することによりレール摩耗を検知する機能、及び、上記基準値X 0 と新たに求めた上記差Xとの差分X 0 −Xを軌道パッドの厚み寸法と比較することにより軌道パッドの抜けを検知する機能を有することを特徴とするレール締結緩み等の検知装置である。
【0013】
また本発明が採用した請求項2の手段は、前記請求項1に記載された装置によって、締結ボルト頭部までの距離とレール頭頂面までの距離との差Xを求め、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値から算出した基準値X0と、新たな締結ボルトについて求めた上記差Xとの差分X0−Xの値が許容範囲を越えて大きい場合にはレール締結ボルトの緩みであると判断するようにしたことを特徴とするレール締結装置の緩み検知方法である。
【0014】
更に、本発明が採用した請求項3の手段は、前記請求項1に記載された装置によって、締結ボルト頭部までの距離とレール頭頂面までの距離との差Xを求め、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値から算出した基準値X0と、上記差Xの設計値とを比較し、上記基準値X0が設計値と比べて許容範囲より小さい場合にはレール摩耗であると判断するようにしたことを特徴とするレール摩耗の検知方法である。
【0015】
更にまた、本発明が採用した請求項4の手段は、前記請求項1に記載された装置によって、締結ボルト頭部までの距離とレール頭頂面までの距離との差Xを求め、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値から算出した基準値X0と、新たな締結ボルトについて求めた上記差Xとの差分X0−Xの値が、レール内外両方の締結ボルトについて共に軌道パッドの厚み寸法に相当する場合には、レール基部の底部に敷くパッドの抜けであると判断するようにしたことを特徴とする軌道パッドの抜け検知方法である。
【0016】
本発明が採用した請求項5の手段は、特定個所枕木におけるレール締結装置の締結ボルトに、頭部の高さを通常の締結ボルトの高さよりも高くした位置検出用ボルトを用いると共に、当該位置検出用ボルトを特定の配置パターンに配置して識別子とし前記請求項1に記載された装置によって、該識別子を検知することにより、検知位置が特定個所であることを認識するようにしたことを特徴とする軌道における特定個所の検知方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。
図1〜図4は本発明の一実施の形態に係るものであり、図1は装置の全体を示すブロック図、図2は同装置によって測定された波形図、図3は位置検出用の締結用ボルトを示す縦断面図、図4は同平面図であるこの実施の形態にあっては、レール4上を走行する台車の下面側にセンサユニットとしての取付基台(いずれも図示せず)を固定し、該取付基台にレーザ式の変位計を利用した距離センサーを配設している。この構成は図に示す従来の装置と同じである。
【0018】
而して、この実施の形態では、前記距離センサーを、センサーヘッドからレール4の頭頂面までの距離を測定するレールセンサー7と、同様にセンサーヘッドから締結ボルト2の頭部までの距離を測定するボルトセンサー8a及び8bとを一セットとして配置している。ボルトセンサー8aは、レール4の外側のレール締結装置に係るものであり、ボルトセンサー8bはレール4の内側のレール締結装置に係るものである。これらの一組のレールセンサー7と、ボルトセンサー8a及び8bとは、左右の各レール4それぞれに対し設けられており、装置全体としては合計六個の距離センサーが取り付けられることになる。これは、従来の十六個のものに比較して十個の距離センサーの数を減らすことが可能である。
【0019】
各距離センサー7及び8a,8bによって測定された距離信号は、センサアンプによって増幅される。増幅された信号は、アナログ信号であり、A/D変換器によってデジタル信号に変換され、記憶部へ記憶される。そして、所定の演算が行われ、締結ボルト2の緩みであることやレール4の摩耗であること、更には軌道パッド5の抜けであること、更には測定位置の認識等の判断がなされ、出力されるようになっている。
【0020】
また本実施の形態にあっては、図3及び図4に示すように、締結ボルト2よりもボルト頭部の高さが所定寸法だけ高く設定された位置検出用ボルト9を数本の枕木3に連続して配設し、これを位置の特定や測定区間の開始及び終了を示す識別子として利用するようにしている。
【0021】
次に、この実施の形態に係る装置の動作態様及びこれらの判断手法について説明する。保守点検作業に際し、台車を対象となる軌道間へ導入し、先ず、各レール締結装置の締結ボルト2の高さを検出するためのボルトセンサー8a及び8bを駆動させる。ボルトセンサー8a及び8bは、レーザ光をアナログ信号として連続して出力しており、その反射光を受光して目的物までの距離を算出するようになっている。図2は、ボルトセンサー8a及び8bによって得られた測定信号を示すものである。この測定結果から明らかなように、締結ボルト2の高さはmm単位で測定することが可能であり、極めて正確なものである。
【0022】
而して、左右のレール4,4のそれぞれの内外のレール締結装置の締結ボルト2までの距離Hを測定することにより、台車が指示された測定区間へ到達すると、図3及び図4に示す識別子としての位置検出用ボルト9を検出する。この位置検出用ボルト9を検知したときの信号を“1”とし、通常の締結ボルト2を検知したときの信号を“0”として認識すると、一本の枕木3において、十五通りの配置パターンを構成することができる。二本の枕木では225通りとなり、三本の枕木では3375通りとなる。
【0023】
従って、これらの位置検出用ボルト9の配置パターンによって、測定開始点や測定終了点、分岐器による測定を中断するポイントであることの表示、分岐器により中断した測定を再開するポイントであることの表示、更には測定対象となるレール締結装置のキロ程表示等の情報を伝達することが可能である。キロ程表示は、枕木100本ごと等の所定の間隔ごとに行い、その間は締結ボルト2の検知数をカウントする等して表示すればよい。
【0024】
台車が、測定区間へ到達したことを前記位置検出用ボルト9の配置パターンによって検知した後は、センサーヘッドからレール4の頭頂面までの距離hを測定するレールセンサー7をも駆動させ、締結ボルト2の緩み等を検知する。
締結ボルト2の緩みは、ボルトセンサー8a及び8bから得られた距離信号のそれぞれにおいて行われる。今、ボルトセンサー8bの場合を一つの例として説明すると、ボルトセンサー8bによって得られたセンサーヘッドから締結ボルト2の頭部までの距離をHとし、センサーヘッドからレール4の頭頂面までの距離をhとし、その差X=H−hを演算部で求める。
【0025】
このようにして順次、距離の差Xを求め、所定の複数個の締結ボルト2を測定した距離の差Xの平均値を求めてこれを基準値Xoとする。そして、基準値Xoと実際に測定した値Xとを判断部で比較し、Xo−Xが所定の許容範囲内であれば締結ボルト2の高さは設計通りであり、“正常”であると判断する。また許容範囲外であれば締結ボルト2の“緩み”であると判断する。これらの結果は、前記した位置の特定を示すキロ程表示等と共に例えばプリンタ出力され、記録される。
【0026】
なお、数個の締結ボルト2を測定した値の平均値を基準値とし、これと測定した値とを比較するようにしたのは、軌道の各要素が設計通りであれば、前記差Xを設計した値と比較することだけでも判断が可能であるが、実際にはレール4の摩耗や軌道パッド5の種類の異なる厚みの変化やレール締結装置を構成する部材の公差並びに組立公差等により各レール締結装置ごとにH及びhの値が微妙に異なるものであり、これらの影響を最も少なくして高精度の検査が行えるように配慮したものである。
【0027】
またレール頭頂面までの距離hと、締結ボルト頭部までの距離Hとを比較して判断するようにしたのは、台車が走行したときの上下方向の変位の影響をなくすようにするためである。営業列車の場合は、台車軸バネ及び空気バネによる上下方向の変位幅が数十mmあるのに対し、締結ボルト2の緩み量はせいぜい3mmである。従って、台車の上下変位の影響を受けないようにすることは必須である。このことに鑑み、本実施の形態では、台車の上下変位があってもレール頭頂面までの距離hと締結ボルト頭部までの距離Hとの差が一定であることに着目し、正確な測定が行えるようにしている。
【0028】
また前述のようにして得られた締結ボルト2の“緩み”が、広範囲で連続するとレール支持力が低下し、車両が脱線する可能性があるので、測定結果である“緩み”が連続性を有する場合には、その程度をランク分けして出力表示することも可能である。
更に、前述のようにして得られた基準値Xの値が、設計値よりも極端に小さい場合は、レール4が摩耗したためであり、判断部はレール摩耗であることを出力する。
【0029】
一方、軌道パッド5が抜けた場合には、該当するレール4が台車の荷重によって枕木3の上面へ当接するまで下がり、その結果、レール4の内外両方のレール締結装置において、締結ボルト2までの距離Hの値が共に同じ寸法だけ小さくなる。
従って、この小さくなった寸法が、軌道パッド5の厚み寸法(12mm以下)分であれば、判断部は軌道パッド5の抜けであると判断してこれを出力する。
【0030】
このようにして得られた出力を記録した内容は、保守点検作業員に手渡され、保守点検作業員はその記録された締結ボルト2の緩みやレール摩耗、軌道パッド抜け等の作業内容と、位置を特定する表示とから該当個所を特定し、その欠陥の保守を行う。
なお、上述した測定は、レーザ式の変位計を利用しており、200Km/hを越える高速走行の場合であっても連続した測定が可能であり、効率の良い作業が行える。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にあっては、台車の下面側へ取り付けたレーザ式変位計を利用したレールセンサーとボルトセンサーとの合計六個の距離センサーによってレール頭頂面までの距離と、締結ボルト頭部までの距離を測定することにより、締結ボルトの緩みと、レール摩耗量と、軌道パッドの抜けとを検知することが可能である。しかも、従来装置に比較して距離センサーの設置数を大幅に低減することが可能であり、製作コストの低減や信号処理の複雑化等を回避することが可能である。
【0032】
また同時に締結ボルトを特定個所の表示や作業区間の開始及び終了等の識別子としても利用することが可能であり、一つの装置でレール諸元の欠陥検出と、位置等の特定とを行うことができ、便利である。
【0033】
更に、本発明に係る装置では、レーザ式変位計を利用した距離センサーによる測定であるため、保守点検作業専用の車両以外にも新幹線や在来線の営業車両へ搭載して検知することも可能であり、保守点検作業員がレールに沿って巡回検査を行う従来の場合に比較して極めて効率的な検査が可能である。
更にまた、作業員の経験やカンによる場合に比較して画一的且つ定量的な検査を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る装置の全体を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るボルトセンサーの測定結果を示す図面である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る位置検出用ボルトを示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る位置検出用ボルトの配置パターンを示す平面図である。
【図5】一般的なレール締結装置を示す縦断面図である。
【図6】一般的なレール締結装置が緩んだ状態を示す縦断面図である。
【図7】従来公知の装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…板バネ 1a…板バネ先端部
1b…板バネ基端部 2…締結ボルト
3…枕木 4…レール
4a…レール基部 5…道パッド

Claims (5)

  1. レール上を走行する台車の下面側に固定した取付基台に配置される装置であって、レール締結装置における締結ボルトの頭部までの距離を測定するレーザ式の変位計を用いたボルトセンサーと、レール頭頂面までの距離を測定するレーザ式の変位計を用いたレールセンサーと、演算部と、判断部と、出力部とを備え、前記ボルトセンサーから得られた測定値と前記レールセンサーから得られた測定値との差Xを求める機能、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値を算出する機能、前記平均値を基準値X 0 とし、当該基準値X 0 と新たに求めた上記差Xとの差分X 0 −Xが許容範囲内であるかどうかを判断することによりレール締結ボルトの緩みを検知する機能、上記基準値X 0 と上記差Xの設計値とを比較することによりレール摩耗を検知する機能、及び、上記基準値X 0 と新たに求めた上記差Xとの差分X 0 −Xを軌道パッドの厚み寸法と比較することにより軌道パッドの抜けを検知する機能を有することを特徴とするレール締結緩み等の検知装置。
  2. 前記請求項1に記載された装置によって、締結ボルト頭部までの距離とレール頭頂面までの距離との差Xを求め、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値から算出した基準値X0と、新たな締結ボルトについて求めた上記差Xとの差分X0−Xの値が許容範囲を越えて大きい場合にはレール締結ボルトの緩みであると判断するようにしたことを特徴とするレール締結装置の緩み検知方法。
  3. 前記請求項1に記載された装置によって、締結ボルト頭部までの距離とレール頭頂面までの距離との差Xを求め、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値から算出した基準値X0と、上記差Xの設計値とを比較し、上記基準値X0が設計値と比べて許容範囲より小さい場合にはレール摩耗であると判断するようにしたことを特徴とするレール摩耗の検知方法。
  4. 前記請求項1に記載された装置によって、締結ボルト頭部までの距離とレール頭頂面までの距離との差Xを求め、所定の複数個のレール締結装置について求めた上記差Xの平均値から算出した基準値X0と、新たな締結ボルトについて求めた上記差Xとの差分X0−Xの値が、レール内外両方の締結ボルトについて共に軌道パッドの厚み寸法に相当する場合には、レール基部の底部に敷くパッドの抜けであると判断するようにしたことを特徴とする軌道パッドの抜け検知方法。
  5. 特定個所の枕木におけるレール締結装置の締結ボルトに、頭部の高さを通常の締結ボルトの高さよりも高くした位置検出用ボルトを用いると共に、当該位置検出用ボルトを特定の配置パターンに配置して識別子とし、前記請求項1に記載された装置によって、該識別子を検知することにより、検知位置が特定個所であることを認識するようにしたことを特徴とする軌道における特定個所の検知方法。
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