JP4128993B2 - 系統連系装置及びこれに含まれる整流性素子の異常の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば商用電源系統と自家発電系統とのように、それぞれ少なくとも1つの発電装置と多数の負荷を有する複数の電力系統を互に連系させる系統連系装置に関し、特に系統連系装置を構成する整流性素子の異常を検出することができる系統連系装置に関する。
電力会社等の商用電源系統から電力の供給を受けている工場等大口の需要家は、商用電源系統に故障が生じて電力の供給が止まっても、少なくとも重要な施設には電力を供給して操業が続けられるように、通常自家発電設備を持っている。自家発電設備による電力供給系統を自家発電系統という。商用電源系統と自家発電系統とは、「系統連系装置」によって接続されており、必要に応じて、商用電源系統及び自家発電系統の両方又はいずれか一方から工場等に電力が供給されるように構成されている。図11は従来の系統連系装置1の要部の回路図である。商用電源系統から需要家の施設内に引き込まれた商用電源線2は受電母線3に接続されている。この受電母線3には、多数の一般負荷にそれぞれ接続される多数の配電線4が接続されている。「一般負荷」とは、例えば商用電源が停電したときに電力の供給が断たれても、重大な結果にはならない負荷をいう。
自家発電装置6につながる母線5(以下、コジェネ母線5という)には、例えば自家発電容量の60〜70%を占める重要負荷に接続される配電線7が接続されている。「重要負荷」とは、もし電力の供給が断たれると重大な結果を招くので絶対に停電を避けたい負荷をいう。前記受電母線3とコジェネ母線5とは系統連系装置1によって相互に接続されている。図11に示す回路図は、単相又は三相の電力系統の1つの相の回路を示すものであり、単相であれば上記の回路が2つ、三相であれば3つ設けられている。系統連系装置1は、母線12aで受電母線3に接続され、母線12bでコジェネ母線5に接続されている。母線12a、12b間に整流性スイッチング素子である一対のサイリスタTH1、TH2及び一対のダイオードD1、D2で構成されるブリッジ回路と直流リアクトルDLが設けられている。サイリスタTH1、TH2は順方向で直列に接続され、接続点の交流端子AC1は前記母線12aに接続されている。ダイオードD1、D2は順方向で直列に接続され、接続点の交流端子AC2は前記母線12bに接続されている。サイリスタTH1のカソードとダイオードD1のカソードは直流端子DC1で接続され、サイリスタTH2のアノードとダイオードD2のアノードは直流端子DC2で接続されている。直流端子DC1とDC2間には直流リアクトルDLが接続されている。
このように構成された系統連系装置1において、定常時(正常時)には図示を省略した駆動回路によりサイリスタTH1、TH2のゲートに駆動信号が印加されて、サイリスタTH1及びTH2は導通し、矢印i1またはi2で示す経路で電流が流れて、商用電源線2及び自家発電装置6から受電母線3及びコジェネ母線5に電力が供給されている。直流リアクトルDLの電流減衰時定数を系統周波数の2.5倍以上に相当する時間に選ぶことによって、直流リアクトルDLに流れる電流は振幅がほぼ一定の直流電流となり、直流リアクトルDLのインピーダンスZは直流抵抗とほぼ等しくなっている。
商用電源系統に短絡、地絡、受電系の開放などの故障が発生し、商用電源線2からの供給電力が低下又は停止すると、コジェネ母線5側から受電母線3側に過電流が流れようとする。そのため直流リアクトルDLのインピーダンスZはその両端子間に流れる電流を一定に保持しようとして直ちに大きくなるので、両端子間の電圧は急上昇し、交流端子AC1、AC2間のインピーダンスが増大する。その結果、コジェネ母線5側から母線12b、12aを経て受電母線3側へ流れる電流が抑制され限流作用が生じる。その後の所定時間内に、図示を省略した短絡継電器や地絡継電器の動作により出力されるオフ信号がサイリスタTH1、TH2のゲートに印加されてサイリスタTH1、TH2は1周期以内の短時間でオフになる。その結果コジェネ母線5は確実に受電母線3から切り離される。これにより自家発電装置6が過負荷となることによる瞬時電圧低下を抑制して重要負荷を保護している。
前記従来の系統連系装置1において、サイリスタTH1、TH2やダイオードD1、D2(以下、これらの総称として、単に「素子」と記すことにする)が故障した場合の故障検出について説明する。素子に電流が流れなくなる「非導通故障」の場合には、通常直流リアクトルDLに流れるべき電流が流れなくなるので、従来の電流変成器や電圧変成器を用いて電流の状態を監視することによって検出することができる。これに対して、素子が常に導通したままの状態となり非導通にすることができない状態となる「導通故障」は検出することができない。これは、定常時の動作中、各素子はほとんど常時導通状態になされているので、正常な動作で導通しているのか、故障で導通しているのかを区別できないからである。
この導通故障を検出する従来の技術が特許文献1に示されている。この従来技術によると、正常時には直流リアクトルDLを流れる電流中には交流の半波毎、すなわち基本波周波数の2倍のリップル電流がわずかに含まれており、素子故障時には直流リアクトルDLを流れる電流が故障した素子でバイパスまたは遮断されるので、基本波周波数のリップル電流が生じることを利用している。このリップル電流は直流リアクトルDLの中に設けたサーチコイル9により直流リアクトルDLの磁界を検出することにより検出される。
特開平10−304556号公報
このサーチコイル9の直径は、直流リアクトルDLの直径の1/5程度の大きさにする必要がある。設置場所は直流リアクトルDLを流れる電流を高感度で検知できるように直流リアクトルDLの中に取り付ける必要がある。そのため直流リアクトルの構造が複雑になるとともに、系統連系装置1の小型化、軽量化が困難であった。本発明はサーチコイルを用いずに素子故障を検出できる小型、軽量、高速かつ低損失の系統連系装置を提供することを目的とする。
本発明の系統連系装置は、2つの電力系統間に設けられ、両系統の各相連系端子である2つの交流端子を、少なくとも2つの整流性素子を同方向に直列に接続して構成した2組の直列接続体のそれぞれの接続点に接続し、前記2組の直列接続体を前記整流性素子のすべてが同方向となるように並列に接続してブリッジ回路を構成し、前記並列に接続した2つの接続点間に直流リアクトルを接続した系統連系装置において、前記整流性素子としての発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子、前記バイポーラ半導体制御素子のそれぞれの放射光を検出して検出出力を出す光検出部、前記光検出部の検出出力に基づいて、前記バイポーラ半導体制御素子の故障を判定する検出回路、及び前記検出回路の出力に応じて前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離す遮断手段を有すると共に、前記検出回路は、少なくとも4つの整流性素子で構成された前記ブリッジ回路の、対向する整流性素子が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフし、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしているとき、前記ブリッジ回路を構成する各整流性素子が正常であると判定する信号を出力し、対向する整流性素子が前記半サイクル毎に同時にオン・オフせず、又は、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしないとき、前記ブリッジ回路を構成する整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定する信号を出力するゲート回路を有し、前記検出回路の上記ゲート回路から、前記整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定する信号が出力されると、上記遮断手段により前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離す
本発明によれば、発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子を整流性素子として用いるので、4つの整流性素子は通電電流に応じた放射光を出す。この放射光をそれぞれの光検出部で検出することにより、4つの検出出力が得られる。各整流性素子が正常なとき、この4つの検出出力は、2つの交流端子間を流れる電流に応じて「所定の変化」をする。各整流性素子の少なくとも1つに、電流が正逆両方向とも流れる「導通破壊」又は、正逆とも電流が流れない「非導通破壊」等の異常が生じると、前記4つの検出出力は前記「所定の変化」とは異なる変化をする。本発明では、ゲート回路を有する検出回路によって、検出出力の変化を検出し、前記所定の変化とは異なる変化が生じたときいずれかの整流性素子が異常であると判定する。すなわち、少なくとも4つの整流性素子で構成された前記ブリッジ回路の、対向する整流性素子が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフし、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしているとき、前記ブリッジ回路を構成する各整流性素子が正常であると判定される一方、対向する整流性素子が前記半サイクル毎に同時にオン・オフせず、又は、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしないとき、前記ブリッジ回路を構成する整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定される。これにより整流性素子の異常を1サイクル以内に検出することができる。異常と判定されたときは電力系統から系統連系装置を遮断し、異常の整流性素子の交換等の修理を行う。
本発明の系統連系装置の整流性素子の異常の検出方法は、以下に示す系統連系装置に適用するものである。この系統連系装置は、2つの電力系統間に設けられ、両系統の各相連系端子である2つの交流端子を、少なくとも2つの整流性素子を同方向に直列に接続して構成した2組の直列接続体のそれぞれの接続点に接続している。前記2組の直列接続体を前記整流性素子のすべてが同方向となるように並列に接続してブリッジ回路を構成し、前記並列に接続した2つの接続点間に接続した直流リアクトルを有する。前記整流性素子として発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子を有し、さらに前記バイポーラ半導体制御素子のそれぞれの放射光を検出して検出出力を出す光検出部、前記光検出部の検出出力に基づいて、前記バイポーラ半導体制御素子の故障を判定する検出回路、及び前記検出回路の出力に応じて前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離す遮断手段を有する。
前記検出方法では、少なくとも4つの整流性素子で構成された前記ブリッジ回路の、対向する整流性素子が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフし、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしているとき、前記ブリッジ回路を構成する各整流性素子が正常であると判定する。また前記検出方法では、対向する整流性素子が前記半サイクル毎に同時にオン・オフせず、又は、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしないとき、前記ブリッジ回路を構成する整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定し、前記検出回路の上記ゲート回路から、前記整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定する信号が出力されると、上記遮断手段により前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離す
本発明によれば、系統に短絡事故が発生すると、直流リアクトルの限流機能により短絡時の電流の増大を抑制する。前記検出方法によって、少なくとも4つの整流性素子で構成された前記ブリッジ回路の、対向する整流性素子が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフし、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしているとき、前記ブリッジ回路を構成する各整流性素子が正常であると判定される。また、対向する整流性素子が前記半サイクル毎に同時にオン・オフせず、又は、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしないとき、前記ブリッジ回路を構成する整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定される。これにより整流性素子の異常を1サイクル以内に検出することができる。
本発明によれば、系統連系装置のブリッジ回路を構成する半導体素子に光バイポーラ半導体制御装置を用いることにより、各半導体素子を流れる電流を光により検出することができる。光による検出出力を所定の閾値により論理レベル「1」又は「0」に変換し、ゲート回路を有する検出回路で処理することにより、半導体素子の異常である「導通破壊」及び「非導通破壊」を判定することができる。半導体素子の異常を検出するために直流リアクトルに検出コイル等を設ける必要がないので構造が簡単である。
本発明の系統連系装置の好適な実施例を図1から図10を参照して説明する。
<<第1実施例>>
本発明の第1実施例の系統連系装置を図1から図8を参照して説明する。各図において、図11に示す従来例と共通の要素には同じ符号を付している。
図1は本実施例の系統連系装置100の要部の回路図である。商用電源系統から需要家の施設内に引き込まれた商用電源線2は受電母線3に接続され、この受電母線3には、多数の一般負荷にそれぞれ接続される多数の配電線4が接続されている。「一般負荷」とは、例えば商用電源が停電したときに電力の供給が断たれても、重大な結果にはならない負荷をいう。また自家発電装置6につながる母線(以下、コジェネ母線5という)には、例えば自家発電容量の60〜70%を占める重要負荷に接続される配電線7が接続されている。「重要負荷」とは、もし電力の供給が断たれると重大な結果を招くので絶対に停電を避けたい負荷をいう。前記受電母線3とコジェネ母線5とは系統連系装置100によって相互に接続されている。
系統連系装置100は受電母線3とコジェネ母線5間を接続する母線12a、12bを有している。母線12a、12b間には、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)等の整流性素子である一対のサイリスタTH101、TH102と一対のダイオードD101、D102で構成されたブリッジ回路、及びブリッジ回路に接続された直流リアクトルDLが設けられている。サイリスタTH101、TH102は順方向で直列に接続されて直列接続体を構成し、接続点の交流端子AC1は前記母線12aに接続されている。ダイオードD101、D102は順方向で直列に接続されて直列接続体を構成し、接続点の交流端子AC2は前記母線12bに接続されている。サイリスタTH101のカソードとダイオードD101のカソードは接続点の直流端子DC1で接続され、サイリスタTH102のアノードとダイオードD102のアノードは接続点の直流端子DC2で接続されている。直流端子DC1とDC2間には直流リアクトルDLが接続されている。
本発明の系統連系装置100のブリッジ回路を構成するサイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102は、いずれもワイドギャップ半導体を用いた発光性のパワー半導体素子である。以下、本発明の系統連系装置100に用いるワイドギャップ半導体素子について説明する。
ワイドギャップ半導体は、炭化珪素(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)、ダイヤモンドなどが知られている。ワイドギャップ半導体材料は、シリコン(Si)の半導体材料に比べて絶縁破壊電界と熱伝導率が高く、高い温度でも動作するという優れた物理的特性を有している。このため、ワイドギャップ半導体材料で形成したワイドギャップ半導体素子は高耐電圧かつ低損失であり、半導体素子で発生する損失が少ない。また発生した熱を放散しやすく、かなり高い温度で使用できることから、可制御電流が大きく、大電流を制御するパワー半導体素子に適している。
ワイドギャップ半導体素子において、接合を形成しているn型層とp型層のいずれか一方にキャリアの再結合センター(電子と正孔とが再結合して消滅する過程を促進させる不純物原子や複数不純物原子の複合体が存在する場所)を形成すると、接合を通って電流を流したとき光を発する発光性ワイドギャップ半導体素子を得ることができる。例えばワイドギャップ半導体材料を用いて発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子を構成し電極の一部に光の放射窓を設けると、そこから光を放射させることができる。この光を受光素子で検出して、得られた検出出力から、バイポーラ半導体制御素子の通電電流の値やその変化を検出することができる。放射光の強さはバイポーラ半導体制御素子を流れる電流にほぼ比例するので、直線性のよい光電変換特性を有する受光素子を用いると、受光素子の検出出力は、バイポーラ半導体制御素子を流れる電流に比例する。なお、所望の放射光を得るために必要な数以上に再結合センターの数を多くしすぎると、電子や正孔の再結合のために半導体素子のオン電圧が高くなり電力損失が大きくなる。従って、再結合センターを形成する不純物原子等のドープ量を適正にする必要がある。またドープする領域を半導体層の一部に限定するのが望ましい。例えば再結合センターを光の放射窓近傍の半導体層の領域に限定して設けることもその一方法である。
受光素子としては、Si半導体受光素子、ワイドギャップ半導体受光素子、光導電素子等を用いることができる。受光素子は、例えば一辺が数mm、厚さが1mm程度の略正方形の平板状である。この受光素子を発光性ワイドギャップのバイポーラ半導体制御素子と組み合わせてパッケージ内に設けることにより「光バイポーラ半導体制御装置」が構成される。
図1に示す本実施例の系統連系装置100では、発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子である、サイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102のそれぞれに受光素子102a、102b、102c、102dが組み合わされて矢印101a、101b、101c、101dで示す放射光を検出する光バイポーラ半導体制御装置110a、110b、110c、110dが構成されている。
図2は、サイリスタTH101に相当する光バイポーラ半導体制御素子201と、受光素子102aに相当する受光素子202とを有する光バイポーラ半導体制御装置110aの構成を示すパッケージ200の断面図である。光バイポーラ半導体制御装置110bも光バイポーラ半導体制御装置110aと同じ構成を有する。
図2において、光バイポーラ半導体制御装置110aのパッケージ200内の受光素子202と光バイポーラ半導体制御素子201とは電気的に絶縁されており、受光素子202の受光部202Bを光バイポーラ半導体制御素子201の光放射部である光放射窓219に対向させている。光バイポーラ半導体制御素子201はGTOサイリスタであり、例えば耐電圧は6kV、電流容量は200Aである。
アノード端子214Aを有する金属ベース203の中央部に光バイポーラ半導体制御素子201のアノード電極231が固定されている。アノード電極231の上に、図4を用いて詳細に説明する各半導体層37が設けられている。金属ベース203に取付けられる金属製のキャップ204の内面には絶縁板202Dを介して受光素子202が、受光部202Bを光バイポーラ半導体制御素子201の光放射窓219に向けて取り付けられている。金属ベース203は、2つの孔217、218を有しており、孔217からカソード端子213Aが導出され、穴218からゲート端子216が導出されている。アノード端子214A、ゲート端子216及びカソード端子213Aはともに長さが約3cmである。キャップ204は2つの孔210、211を有しており、孔210から受光素子202のアノード端子202Aが導出され、孔211からカソード端子209Bが導出されている。孔210、211、217、218はいずれも既知の気密封止材17Aで気密に封止されている。
パッケージ200内において、光バイポーラ半導体制御素子201のカソード電極220は電源容量を大きくするため2本の導線214B、214Cで、カソード端子213Aに接続されている。光バイポーラ半導体制御素子201のゲート電極216Aは導線215でゲート端子216に接続されている。導線214B、214Cの数は電流値に応じて増減すればよい。受光素子202のアノード電極207Aは導線206でアノード端子202Aに接続され、カソード電極209Aは導線228でカソード端子209Bに接続されている。光バイポーラ半導体制御素子201と受光素子202は絶縁板202Dによって電気的に絶縁されている。光バイポーラ半導体制御素子201の光放射窓219と受光素子202の受光部202Bとの間の距離は約1cmであり、光放射窓219から矢印1Aで示すように光が放射され受光素子202の受光部202Bで受光される。図2の構成で、光放射窓219と受光部202Bとの間に光ファイバー243を設けて、光放射窓219から出る光を点線で示す光ファイバー234で受光部202Bに導いてもよい。
受光素子202を光バイポーラ半導体制御素子201のパッケージ200内に内蔵したことによるパッケージ200の容積の増加は、耐圧6kV級の素子で約3cm3程度であり、重量の増加も100グラム程度である。光バイポーラ半導体制御素子201の総合伝達効率は、光バイポーラ半導体制御素子201の発光効率、光が受光素子202に集光される集光効率、及び受光素子202に集光された光が電気に変換される光電変換効率の積で表される。この総合伝達効率は、半導体材料により大きく変化するが、0.005〜2%の範囲にある。例えば0.1%とすると、光バイポーラ半導体制御素子201に流れる電流が500Aのとき、受光素子202に発生する光電流は0.5A程度である。短絡事故などにより電流が例えば1000Aに増加しても、受光素子202に発生する光電流は1A程度である。受光素子202には通常20〜30V以下の電圧を印加するので、受光素子202で発生する電力損失は20〜30W程度である。
受光素子202の光電流は光バイポーラ半導体制御素子201を流れる電流に比例して増減するので、この電流が緩やかに変化する場合でも検出できる。
本発明の他の実施の形態としては、発光性ワイドギャップ半導体材料を用いた光バイポーラ半導体制御素子201の光を光ファイバー(図示省略)を介してパッケージ外の受光素子202で検出する方法がある。例えば光バイポーラ半導体制御素子201のパッケージ200を貫通して光ファイバーを設け、光ファイバーの入射端を光バイポーラ半導体制御素子201の光放射窓219に対向するように取り付ける。パッケージ200の外部にある光ファイバーの出射端に受光素子202を取り付ける。この構成では前記の効果に加えて、光バイポーラ半導体制御素子201と受光素子202間の距離が大きくなるので絶縁耐圧を大幅に高くすることができる。
シリコンフォトダイオードの受光素子202は1辺が3mmの正方形であり、厚さは約0.5mmである。前記のように、シリコンフォトダイオードの受光素子202が小型であるので、光バイポーラ半導体制御装置のパッケージ200の大きさは比較的小さい。この光バイポーラ半導体制御装置のパッケージ200を、耐電圧6kV、電流容量200AのSiC−GTOサイリスタと比較すると、パッケージ200の方が重量で約100グラム重く、容積が数パーセント大きい。図2に示す光バイポーラ半導体制御素子201では、アノード電極220の導線を取り付けるためのパッドの一部を除去して光放射窓219を設けているので、発光効率は比較的低い。また光放射窓219と受光素子202の受光部202Bとの間を約1cm離しているので集光効率が低い。従って異常時に通電電流が例えば200Aから瞬間的に1000Aに増加したとき、受光素子202の光電流は120mA程度に増加するが、受光素子202の印加電圧が例えば10Vのとき、電力損失は約1.2Wであり極めて低い値といえる。
本実施例に用いる光バイポーラ半導体制御素子201などの、発光性のワイドギャップバイポーラ半導体制御素子の構成について、以下に詳しく説明する。従来のGTOなどのバイポーラ半導体制御素子では、オン電圧を低くして低損失にするために、接合を形成しているp型又はn型の半導体層内にキャリヤの再結合を生じる再結合センターをできるだけ含まないように構成している。すなわち各半導体層に再結合センターをできるだけ含まないようにしている。これに対して、本発明に用いる発光性のワイドギャップバイポーラ半導体制御素子では、前記従来のバイポーラ半導体制御素子とは逆に、バイポーラ半導体制御素子を形成する複数の半導体層の少なくとも1つの層を、ある程度の再結合センターが存在するように構成している。再結合センターは、少なくとも1つのSiC半導体層にアルミニウムと窒素の原子をドープすることにより得られる。このようにすると、アルミニウム原子が作る不純物レベルに捕獲された正孔と、窒素原子が作る不純物レベルに捕獲された電子が再結合することにより光が発生する。半導体層に多数のアルミニウム原子と窒素原子をドープして多数の再結合センターを形成すると放射光の強さは大きくなる。しかし、再結合により、電子や正孔の流れが阻害されるので、バイポーラ半導体制御素子のオン抵抗が高くなり、従ってオン電圧も高くなる。その結果、光バイポーラ半導体制御素子の電力損失も大きくなる。
そこで、放射光の強さとオン抵抗の大きさを、実用性を考慮しつつ望ましい値に設定する必要がある。本実施例の発光性のワイドギャップバイポーラ半導体制御素子の材料であるSiCでは、ドープするアルミニウム原子及び窒素原子のそれぞれの数を1×1015〜1×1019atom/cm3の範囲にするのが望ましい。SiCの場合は、アルミニウムはp型不純物として働き、窒素はn型不純物として働く。そこで再結合センターを有する半導体層がp型の場合は、アルミニウムを窒素より多くドープする必要がある。例えばアルミニウムを1×1021atom/cm3程度まで増加させても良い。また再結合センターを有する半導体層がn型の場合は、窒素をアルミニウムより多くドープする必要がある。例えば窒素を1×1021atom/cm3程度まで増加させても良い。
本実施例に用いている発光性のワイドギャップ半導体による光バイポーラ半導体制御素子201の詳細な構造を図3、及び図4を用いて説明する。図3は図2における光バイポーラ半導体制御素子201の平面図であり、図4は図3の一部のIV-IV断面図である。図2の光バイポーラ半導体制御素子201は図3のII-II断面を示している。
図3及び図4において、光バイポーラ半導体制御素子201は、カソード電極231に厚さ約100μmのnE型層232を形成し、その上に厚さ約70μmのpB型層233を形成している。pB型層233の上に再結合センターを有する厚さ約3μmのnB型層234を形成する。nB型層234の図において両端部にそれぞれゲート電極216Aを形成する。nB型層234には、アルミニウム原子を3.5×1017atom/cm3及び窒素原子を8×1017atom/cm3の濃度でドープしている。nB型層234の中央部にpE型層235を形成し、その上にアノード電極220を設けている。このように構成した光バイポーラ半導体制御素子201のカソード電極231とアノード電極220間に、例えば100A/cm2の電流密度で通電したとき、オン電圧は5.2Vと比較的低い値であった。またこの通電状態での放射光の強さは約16ミリワット(mW)であり、放射光の波長は約470ナノメータ(nm)であった。図3に示すように、光バイポーラ半導体制御素子201は、その外周領域に電界を緩和するための既知のターミネーション領域237が形成されている。光放射窓219の周囲はアノード電極220で取り囲まれており、光放射窓に対向するアノード電極220のないpE型層を電流が十分流れるようにしている。
次に図1を参照して、光検出部111a、111b、111c、111dについて説明する。図において、光検出部111a〜111dは実質的に同じ構成を有するので、代表として光検出部111aについて説明する。光検出部111aの受光素子102aには、抵抗103a及び直流電源104aが直列に接続されている。抵抗103aには、その両端の電圧を検出する電圧プローブ105aが接続されている。電圧プローブ105aは、抵抗103aの両端の電圧を検出し、検出出力を検出回路14に入力する。受光素子102bにも、受光素子102aにおけるものと同様の構成の、抵抗103b、直流電源104b及び電圧プローブ105bが設けられており、電圧プローブ105bは検出出力を検出回路14に出力する。光バイポーラ半導体制御素子であるサイリスタTH101の放射光が受光素子102aに入射すると、直流電源104aから抵抗103aを経て受光素子102aに直流電流が流れる。そのため抵抗102aの両端に電圧が発生し、この電圧が電圧プローブ105aにより検出される。
図1の系統連系装置100の光バイポーラ半導体制御素子のダイオードD101、D102は発光性のダイオードである。発光性のダイオードは、図2のバイポーラ半導体素子201にゲート電極216Aを設けない構成とすることにより得られる。
ダイオードD101に電流が流れると、光を放射し、その放射光は受光素子102cに入射する。受光素子102cが放射光を受けると直流電源104cから抵抗103cを経て受光素子102cに電流が流れ、抵抗103cの両端の電圧が電圧プローブ105cにより検出される。電圧プローブ105cの検出出力は検出回路14に入力される。ダイオードD102においても前記ダイオードD101と同様の動作をし、電圧プローブ105dの検出出力は検出回路14に入力される。
図1、図5、図6、図7及び図8を参照して本実施例の系統連系装置の動作を説明する。図1に示す系統連系装置100に故障がなく正常に動作しており(正常時という)、かつ受電母線3及びコジェネ母線5に異常がないとき(定常時という)、系統連系装置100を流れる電流について図7を参照して説明する。図7は理解を容易にするために、系統連系装置100のサイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102のみを示す略図であり、正弦波の波形131〜136は各部を流れる電流の変化を示す。波形132及び135は、母線12a、12bを流れる電流を示し、電力の供給状態に応じて、母線12aから母線12bに電力が供給されるか、又は母線12bから母線12aに電力が供給されている。
波形131及び133は、それぞれサイリスタTH101及びTH102を流れる電流を母線12aを零レベルとして示し、波形131は正の脈流であり、波形133は負の脈流である。同様にして波形134及び136は、それぞれダイオードD101及びD102を流れる電流を母線12bを零レベルとして示し、波形134は負の脈流であり、波形136は正の脈流である。波形132及び135で示す電流によって、直流リアクトルDLには点線の矢印128及び129で示す一定方向の電流(直流)が流れる。直流リアクトルDLに直流電流が流れるため、直流リアクトルDLのインピーダンスの交流成分ωL(=2πfL;fは周波数、Lは直流リアクトルDLのインダクタンス)は零となり、母線12a、12bから見た伝達インピーダンスはほぼ零となる。直流リアクトルDLの放電時定数τ(=L/R;Rは、直流リアクトルの直流抵抗と、サイリスタ及びダイオードの内部抵抗との和)を交流の周期の2.5倍以上の十分長い値にすると、直流リアクトルDLを流れる電流はほぼ一定の直流電流となる。
次に母線12aに短絡事故が発生した場合の系統連系装置の動作について説明する。短絡事故により母線12bから母線12aに急速に電力が供給され直流リアクトルDLの電流が急増する。しかし放電時定数τによって直流リアクトルDLの電流の増大が抑制されるので、電流の急増によりサイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102の電流が過大になるのを防止できる。
図8の(a)はサイリスタTH101を流れる電流を表し、同(b)はサイリスタTH102を流れる電流を表す実測による波形図であり、それぞれの縦軸は電流を示し、横軸は時刻を示す。図8(a)及び(b)は、時刻80ms(ミリ秒)から120msまでは、短絡事故発生前の定常状態の電流を示し、時刻120で短絡事故が発生し、その後の時刻180msまでの電流の変化を示す。
定常状態の時刻80msから120msまでは、サイリスタTH101とTH102には、値が同じで位相が逆の交流電流が流れている。
時刻120msで短絡事故が発生すると、サイリスタTH101とTH102の電流は共に増大してゆき、短絡事故発生から20ms後(50Hzの電源において1サイクル)の時刻140msでは電流値は定常時の約3倍になる。更に40ms後の時刻160msでは電流値は定常時の約4.5倍になるが、それ以上増大することはない。以上のようにして直流リアクトルDLを有する系統連系装置は短絡時の電流の大幅な増大を抑制する限流機能を有する。限流後の所定時間内に、図示を省略した短絡継電器や地絡継電器の動作により出力されるオフ信号がサイリスタTH101、TH102のゲートに印加されてサイリスタTH101、TH102は1周期以内の短時間でオフになる。その結果コジェネ母線5は確実に受電母線3から切り離され、自家発電装置6が過負荷となることによる瞬時電圧低下を抑制して重要負荷は保護される。図8ではサイリスタTH101及びTH102の電流変化のみを示しているが、ダイオードD101の電流はサイリスタTH102と同じであり、ダイオードD102の電流はサイリスタTH101と同じである。
サイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102は「光バイポーラ半導体素子」であるので、これらに電流が流れると、電流値に比例した光を発する。その光はそれぞれの受光素子102a、102b、102c、102dで受光され、光の強さに応じた検出電圧がそれぞれの電圧プローブ105a、105b、105c、105dに印加される。各電圧プローブ105a〜105dでは、検出電圧が所定の閾値より大きいとき論理レベル「1」の検出信号を出力し、前記閾値以下のときは論理レベル「0」の検出信号を出力する。電圧プローブ105a〜105dの検出信号は検出回路14に印加される。
検出回路14の構成を図5に示す。検出回路14は第1ゲート回路120と第2ゲート回路121を有している。第1ゲート回路120の出力と第2ゲート回路121の出力はアンドゲート回路122に入力され、アンドゲート回路122の出力は制御装置15に入力される。
検出回路14は、整流性素子であるサイリスタTH101、TH102、及びダイオードD101、D102で構成されるブリッジ回路の対向する整流性素子、例えばサイリスタTH101とダイオードD102、又はサイリスタTH102とダイオードD101、が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフしていることを検出する「第1の検出」を行う。また前記ブリッジ回路の隣り合う整流性素子、例えばサイリスタTH101とダイオードD101、サイリスタTH101とサイリスタTH102、ダイオードD101とダイオードD102、又はサイリスタTH102とダイオードD102、が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしていることを検出する「第2の検出」を行う。検出回路14は、前記第1及び第2の検出が共に行われたとき、各整流性素子は正常であると判定する。また検出回路14は、前記第1及び第2の検出のいずれかが行われなかったとき、各整流性素子のいずれかが異常であると判定する。
第1ゲート回路120は、2つの2入力アンドゲート120a及び120bと、1つの2入力エクスクルーシブオアゲート120cを有している。アンドゲート120aには電圧プローブ105a及び105dの検出信号が入力される(以下、検出信号105a、105dという)。アンドゲート120bには電圧プローブ105b及び105cの検出信号が入力される(以下、検出信号105b、105cという)。アンドゲート120a及び120bの出力は、エクスクルーシブオアゲート120cにそれぞれ入力されている。
第2ゲート回路121は2つの2入力エクスクルーシブノアゲート121a及び121bと、1つのアンドゲート121cを有する。エクスクルーシブノアゲート121aに検出信号105a及び105dが入力され、エクスクルーシブノアゲート121bに検出信号105b及び105cが入力される。エクスクルーシブノアゲート121a及び121bの出力はアンドゲート121cに入力される。エクスクルーシブオアゲート120c及びアンドゲート121cの出力は2入力アンドゲート122に入力される。
系統連系装置が正常で(正常時)かつ受電母線3及びコジェネ母線5に異常がないとき(定常時)の検出回路14及び制御装置15の動作について説明する。系統連系装置100の正常時には、検出信号105a、105dが「1」のとき検出信号105b、105cは「0」であり、商用電源線2及び自家発電装置6の周波数(例えば50Hz又は60Hz)で「1」と「0」を交互に繰り返している。第1ゲート回路120では、アンドゲート120a、120bの出力はそれぞれ「1」、「0」又は「0」、「1」となり、エクスクルーシブオアゲート120cの出力は常に「1」となる。
第2ゲート回路121では、エクスクルーシブノアゲート121a及び121bの出力は常に「1」であり、従ってアンドゲート121cの出力も常に「1」となる。アンドゲート122には「1」、「1」が入力され、出力は「1」となる。出力「1」は制御装置15に入力される。制御装置15では「1」が入力されているときは制御出力を出さない。
図6の(a)及び(b)を参照して、系統連系装置のサイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102のいずれかが故障した場合について説明する。故障には、電流が正逆両方向に流れる「導通破壊」と、正逆とも電流が流れない「非導通破壊」がある。
図6の(a)は、サイリスタTH101が、「導通破壊」に陥った場合の電流の流路を示す略図である。サイリスタTH101が導通破壊に陥ったため交流の正及び負のサイクルの電流はともにサイリスタTH101を通り、ある程度のインピーダンスを有する直流リアクトルDLを経てサイリスタTH102を流れる電流は大幅に減少するか流れなくなる。その結果、サイリスタTH101を交流が全波に渡って流れ、検出出力105aは常時「1」となる。また検出出力105bは常時「0」となる。ダイオードD101、D102は正常に動作しているので最初の半サイクルでは、それぞれの検出出力105c、105dは、検出出力105dが「1」であれば検出出力105cは「0」となり、検出出力105dが「0」であれば検出出力105cは「1」となる。従って検出出力105a、105d、105b、105cの出力の組合せは「1」「1」「0」「0」と「1」「0」「0」「1」の2通りとなる。
最初の半サイクルでは、出力「1」「1」「0」「0」となり、アンドゲート120aは「1」、アンドゲート120bは「0」を出力し、エクスクルーシブオアゲート120cは「1」を出力する。またエクスクルーシブノアゲート121aは「1」、エクスクルーシブノアゲート121bは「1」を出力し、アンドゲート121cは「1」を出力する。従ってアンドゲート122は「1」を出力するので、この半サイクルでは故障を判別することはできない。次の半サイクルで出力「1」「0」「0」「1」の組合せになり、アンドゲート120aは「0」、アンドゲート120bも「0」を出力し、エクスクルーシブオアゲート120cは「0」を出力する。またエクスクルーシブノアゲート121a、121bとも「0」を出力し、アンドゲート121cも「0」を出力するため、アンドゲート122は故障を示す「0」を出力する。このようにして1サイクル以内で故障を判別することができる。
次に非導通破壊の場合を説明する。図6の(b)に示すようにTH101が非導通破壊したとすると、検出出力105a、105dは常に「0」となる。この時検出出力105b、105cは正常に動作しているのでそれぞれ「1」「0」となり、検出出力105bが「1」ならば検出出力105cも「1」となり、検出出力105bが「0」ならば検出出力105cも「0」となる。従って検出出力105a、105d、105c、105bの出力の組合せは「0」「0」「1」「1」と「0」「0」「0」「0」の2通りとなる。
最初の半サイクルでは出力「0」」「0」「1」「1」となり、アンドゲート120aは「0」、アンドゲート120bは「1」を出力し、エクスクルーシブオアゲート120cは「1」を出力する。エクスクルーシブノアゲート121aは「1」、エクスクルーシブノアゲート121bは「1」を出力するので、アンドゲート121cは「1」を出力し、アンドゲート122は「1」を出力する。従ってこの半サイクルでは故障を判別することはできない。次の半サイクルで出力「0」「0」「0」「0」の組合せになり、アンドゲート120aは「0」、アンドゲート120bも「0」を出力し、エクスクルーシブオアゲート120cは「0」を出力する。またエクスクルーシブノアゲート121a、121bは「1」を出力し、アンドゲート121cは「1」を出力する。従ってアンドゲート122は故障を示す「0」を出力する。このようにして1サイクル以内で故障を判別することができる。
アンドゲート122の出力は制御装置15に入力される。制御装置15にアンドゲート122から出力「0」が入力されると制御装置15から遮断手段である遮断器13に遮断信号が出され、遮断器13は母線12aを受電母線3から遮断する。これにより、系統連系装置100のブリッジ回路を構成するサイリスタTH101、TH102及びダイオードD101、D102等のいずれかの整流性素子の故障を判定することができる。
<<第2実施例>>
本発明の第2実施例の系統連系装置を図9を参照して説明する。第2実施例の系統連系装置140は、ブリッジを構成する4つのスイッチング素子がサイリスタTH101、TH102、TH103、TH104によって構成されている。サイリスタTH101及び102は前記第1実施例の系統連系装置と同様のものであり、それぞれの受光素子102a及び102bも同様のものである。サイリスタTH103及びTH104もサイリスタTH101及びTH102と同様のものであり、サイリスタTH103及びTH104にも、前記第1実施例におけるものと同じ光検出部102c及び102dがそれぞれ組み合わされている。
本実施例の系統連系装置140ではブリッジを構成する4つの素子が、制御可能なサイリスタTH101〜TH104であるので以下の利点がある。
例えば図1の系統連系装置でサイリスタTH101またはTH102が導通故障(素子が常に導通したままの状態となる故障)した状態で受電母線3に短絡や地絡が発生すると直流リアクトルDLによる限流が行われず遮断器13が働いて受電母線3をコジェネ母線5から切り離すまでの間の短時間は系統連系装置を電流が流れることがある。
本実施例の系統連系装置では受電母線3に短絡や地絡が発生したときは、4つのサイリスタTH101〜TH104をすべてオフにすることにより、受電母線3とコジェネ母線5とを高速かつ確実に切り離すことができる。従ってコジェネ母線5に接続されている装置への悪影響を回避することができる。
<<第3実施例>>
図10は本発明の第3実施例の系統連系装置150の回路図である。本実施例の系統連系装置150では、ブリッジを構成する4つの半導体素子として発光性のダイオードD101、D102、D103、D104を用いており、それ以外の構成は図9に示す前記第2実施例の系統連系装置と同様である。ダイオードD101〜D104はサイリスタのような制御機能を有しないが、構成が簡単で安価であるので、系統連系装置のコスト低減を図ることができる。
以上、本発明の系統連系装置の実施例について説明したが、本発明はさらに多くの適用範囲あるいは派生構造をカバーするものである。例えば、ワイドギャップ半導体材料を用いた発光性のダイオードやサイリスタの代わりにGTOやエミッタスイッチサイリスタや静電誘導サイリスタ等の他の発光性のワイドギャップ半導体バイポーラ制御素子を用いてもよく、またSi基板の上に積層された複数のワイドギャップ半導体層で形成された発光性のバイポーラ制御素子を用いてもよい。前記サイリスタやGTOは、Siやワイドギャップ半導体材料で形成されたMOSFET等のユニポーラ素子と、ワイドギャップ半導体材料で形成されたバイポーラ制御素子を組み合わせた発光性のハイブリッド素子でもよい。例えばワイドギャップ半導体材料を用いたバイポーラトランジスタのエミッタとコレクタ間に、スイッチ素子としてSi−MOSFETを接続したハイブリッド構成の素子等を用いてもよい。ワイドギャップ半導体材料としてはSiCのほかに窒化ガリウム(GaN)を用いてもよい。受光素子はSiホトダイオードの他にホトトランジスタやCdS光導電素子を用いてもよく、SiCホトダイオード等のワイドギャップ半導体材料を用いた受光素子を用いてもよい。
ブリッジを構成する整流性素子にシリコンのバイポーラ半導体素子を用いてもよい。この場合には、シリコンのバイポーラ半導体素子に並列に、ホトカプラと抵抗の直列接続体を接続し、ホトカプラの出力を検出回路14に入力すればよい。
本発明は系統連系装置の故障の検出に利用可能である。
本発明の第1実施例の系統連系装置の回路図 本発明のパワー半導体素子回路に用いる、バイポーラ半導体制御素子と受光素子を含む光バイポーラ半導体制御装置のパッケージの断面図 本発明の第1実施例に用いるバイポーラ半導体制御素子の上面図 図3のIV-IV断面図 検出回路の回路図 本発明の第1実施例の系統連系装置における素子破壊時の動作を示す略図であり、(a)は導通破壊時、(b)は非導通破壊時の電流経路を示す図 本発明の第1実施例の系統連系装置の定常運転時の電流を示す略図 (a)及び(b)は本発明の第1実施例の系統連系装置のサイリスタの電流を示す波形図 本発明の第2実施例の系統連系装置の回路図 本発明の第3実施例の系統連系装置の回路図 従来の系統連系装置の構成を示す回路図
符号の説明
1、100、140、150 系統連系装置
2 商用電源線
3 受電母線
4 配電線
5 コジェネ母線
6 自家発電装置
7 配電線
12 母線
101a、101b、101c、101d 放射光
102a、102b、102c、102d 受光素子
103a、103b、103c、103d 抵抗
104a、104b、104c、104d 直流電源
105a、105b、105c、105d 電圧プローブ
201 光バイポーラ半導体制御素子
202 受光素子
202A アノード端子
209A カソード電極
209B カソード端子
213A カソード端子
214A アノード端子
216 ゲート端子
231 アノード電極
232、234 n型層
233、235 p型層
237 ターミネーション領域
243 光ファイバ
200 パッケージ

Claims (5)

  1. 2つの電力系統間に設けられ、両系統の各相連系端子である2つの交流端子を、少なくとも2つの整流性素子を同方向に直列に接続して構成した2組の直列接続体のそれぞれの接続点に接続し、前記2組の直列接続体を前記整流性素子のすべてが同方向となるように並列に接続してブリッジ回路を構成し、前記並列に接続した2つの接続点間に直流リアクトルを接続した系統連系装置において、
    前記整流性素子としての発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子、
    前記バイポーラ半導体制御素子のそれぞれの放射光を検出して検出出力を出す光検出部、
    前記光検出部の検出出力に基づいて、前記バイポーラ半導体制御素子の故障を判定する検出回路、及び
    前記検出回路の出力に応じて前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離す遮断手段
    を有すると共に、
    前記検出回路は、少なくとも4つの整流性素子で構成された前記ブリッジ回路の、対向する整流性素子が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフし、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしているとき、前記ブリッジ回路を構成する各整流性素子が正常であると判定する信号を出力し、
    対向する整流性素子が前記半サイクル毎に同時にオン・オフせず、又は、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしないとき、前記ブリッジ回路を構成する整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定する信号を出力するゲート回路を有し、
    前記検出回路の上記ゲート回路から、前記整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定する信号が出力されると、上記遮断手段により前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離すことを特徴とする系統連系装置。
  2. 前記発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子が、サイリスタである請求項1記載の系統連系装置。
  3. 前記発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子が、ダイオードである請求項1記載の系統連系装置。
  4. 前記発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子と前記光検出部の受光素子とが、1つのパッケージ内に収納されていることを特徴とする請求項1記載の系統連系装置。
  5. 2つの電力系統間に設けられ、両系統の各相連系端子である2つの交流端子を、少なくとも2つの整流性素子を同方向に直列に接続して構成した2組の直列接続体のそれぞれの接続点に接続し、前記2組の直列接続体を前記整流性素子のすべてが同方向となるように並列に接続してブリッジ回路を構成し、前記並列に接続した2つの接続点間に接続した直流リアクトル、
    前記整流性素子としての発光性ワイドギャップ半導体のバイポーラ半導体制御素子、
    前記バイポーラ半導体制御素子のそれぞれの放射光を検出して検出出力を出す光検出部、
    前記光検出部の検出出力に基づいて、前記バイポーラ半導体制御素子の故障を判定する検出回路、及び
    前記検出回路の出力に応じて前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離す遮断手段
    を有する系統連系装置において、
    前記検出回路は、少なくとも4つの整流性素子で構成された前記ブリッジ回路の、対向する整流性素子が交流電流の半サイクル毎に同時にオン・オフし、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしているとき、前記ブリッジ回路を構成する各整流性素子が正常であると判定し、
    対向する整流性素子が前記半サイクル毎に同時にオン・オフせず、又は、隣り合う整流性素子が前記半サイクル毎に交互にオン・オフしないとき、前記ブリッジ回路を構成する整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定し、
    前記検出回路の上記ゲート回路から、前記整流性素子の少なくとも1つが異常であると判定する信号が出力されると、上記遮断手段により前記系統連系装置を前記2つの電力系統の少なくとも一方から切り離すことを特徴とする、整流性素子の異常の検出方法。
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