JP4126100B2 - 触媒寿命が延長されたスラリー炭化水素合成方法 - Google Patents
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- C10G2/00—Production of liquid hydrocarbon mixtures of undefined composition from oxides of carbon
- C10G2/30—Production of liquid hydrocarbon mixtures of undefined composition from oxides of carbon from carbon monoxide with hydrogen
Description
技術分野
本発明は、触媒寿命が延長された炭化水素合成方法に関する。さらに詳細には、本発明は50ppb未満である窒素含有触媒失活化学種を含有する合成ガス供給原料を使用することによって、触媒寿命が延長された担持型コバルト金属触媒を使用したスラリー触媒炭化水素合成方法に関する。
背景技術
スラリー炭化水素合成(HCS)は周知である。スラリーHCS方法では、H2とCOとの混合物を含む合成ガス(シンガス)が反応装置のスラリーに第3の相として泡立たせられる。反応装置の中では、スラリー液体は合成反応の炭化水素生成物を含み、分散され、懸濁された固形物は好適なフィッシャー−トロプシュ型の炭化水素合成触媒を含む。このような3相スラリーを有する反応装置は、米国特許第5,348,982号に開示されているように、「気泡塔(bubblecolumn)」と呼ばれることがある。スラリー反応装置が分散層(dispersed bed)またはスランプ床(slumped bed)として作動されるかどうかにかかわらず、スラリーの混合条件は、典型的にはプラグフローと逆混合の2つの理論的な混合条件の間のどこかにある。合成ガスから炭化水素を生成するために有用なフィッシャー−トロプシュ型の触媒は合成ガス供給原料中のある種の窒素含有化学種、特にHCNおよびNH3によって速やかにではあるが可逆的に失活されることも周知である。窒素(すなわち天然ガス)または窒素含有化合物(すなわち残油、石炭、頁岩、コークス、タールサンド等)を含有する炭化水素供給原料から生成される合成ガスは、反応スラリーを汚染し、触媒を失活するHCNおよびNH3を必ず含有する。HCS反応の副産物としてスラリー中に生成されるある種の含酸素化合物および炭素質化合物も速やかな失活の原因になると考えられている。このような触媒のHCNおよびNH3による失活は可逆的で、失活した触媒に水素または水素を含有するガス(再生ガス)を接触させることによって、触媒活性を回復する(再生する)ことができる。例えば、米国特許第5,260,239号;同第5,268,344号および同第5,283,216号に開示されているように、これらの化学種によるこのような触媒の失活は可逆的で、触媒活性は失活した触媒を水素に連続的または間欠的に接触させることによって回復させられる(触媒を再生する)。接触加水分解(米国特許第4,769,224号)および化学的洗浄(米国特許第5,068,254号)によって、合成ガスのHCNおよびNH3含量を約0.1ppm(100ppb)まで低下する方法が提案されているが、合成ガス中のHCNおよびNH3を合わせた合計が100vppbほど少量であっても、HCSスラリー中の担持型Co金属触媒の場合には、触媒半減期はわずかに4日になることが現在見いだされている。合成ガス中のHCNおよびNH3触媒毒の濃度を50ppb未満に低下すると、触媒半減期が延長し、触媒の再生の必要性が少なくなることが現在見いだされている。このような低い濃度を達成するための方法も見出されており、1995年8月8日、1996年4月23日および1997年2月7日にそれぞれ提出された米国同時係属特許出願番号第08/512,734号、同第08/636,425号および同第08/797,368号に開示されている。
本発明の概要
本発明は、担持型コバルト金属触媒を使用し、短時間触媒半減期(short term catalyst half life)が少なくとも10日、好ましくは少なくとも30日、さらに好ましくは少なくとも40日以上であるスラリー炭化水素合成(HCS)方法に関連する。短時間触媒半減期は、触媒の可逆的な失活による触媒活性が新鮮な触媒の活性の50%であり、失活した触媒をH2を含む再生ガスに接触させることによってこの損失が実質的に回復される(触媒の再生)ことを意味する。触媒活性は、COの炭化水素への転化に関して定義される。従って、所定のHCS条件下において、新鮮な触媒が80モル%のCO転化を生ずる場合、合成原料ガス(合成ガス)供給中の可逆的失活作用を有する窒素含有化学種との接触の結果として、転化が40%に低下したとき触媒半減期が具体化される。可逆的失活作用を有する窒素含有化学種はHCN、NH3およびこれらの混合物を意味する。触媒が少なくとも100日、好ましくは少なくとも200日の長時間半減期(long term half life)を有することも本発明の方法の一実施態様である。時間にわたって生ずる再生しない触媒活性の損失もあることが見いだされており、これは、触媒をH2と接触させることによって回復させることができないが、再生によって回復させることができるものである。再生しないが、復活可能な(regenerable)触媒活性の損失が連続的に低下すると、結局触媒は長時間半減期時に新触媒のわずかに半分すなわち50%のCO転化活性を有し、この長時間の活性損失はH2またはH2を含有する再生ガスに触媒を接触させることによって回復させることができない(触媒活性を再生することができない)。従って、長時間半減期は、触媒が新触媒のわずかに半分の活性になるまでの時間であって、この活性損失は、可逆的ではあるが、失活した触媒をH2またはH2を含有するガスに接触させる再生方法によって回復されないことを意味する。むしろ、触媒をスラリーから分離し、触媒金属の酸化または焼成、再還元、および必要に応じて、COおよび/または合成ガス中での不動態化(passivation)を含む工程によって再生しなければならない。従って、本発明に関連した触媒活性の長時間損失は復活可能であるが、H2では再生しない。さらに、復活可能な活性の損失は、例えば触媒の交換を必要とする硫黄の毒作用による不可逆的な触媒活性の損失とは異なる。触媒を不活性化する窒素含有化学種HCN、NH3およびこれらの混合物の総量が50vppb(10億分の1容量分率)未満、好ましくは20vppb未満、よりさらに好ましくは10vppb未満である合成ガスを使用することによって、本発明を実施する際の比較的長い短時間触媒寿命と長時間触媒寿命が達成される。本発明を実施する際に有用なスラリーHCN触媒は、触媒活性を有するコバルト成分を、粒状無機耐火性酸化物キャリア(carrier)または担体に分散されて担持され、好ましくは厚さ約5〜200ミクロンの範囲の触媒活性を有する表面薄層として含む。触媒は200℃において少なくとも150hr-1、好ましくは少なくとも500hr-1、さらに好ましくは少なくとも1000hr-1の生産性を有することも好ましい。生産性は、単位時間あたりに触媒1容量あたりに転化されるCOの標準容量を意味する。さらに別の実施態様において、本発明の方法に使用する触媒は10モル%未満、好ましくは5モル%未満のメタン選択性を有する。これは、転化されるCOの10%未満がメタンに転化されることを意味する。一実施態様において、触媒は、好適な無機担体材料、好ましくは1種以上の耐火性金属酸化物を含む担体材料上に触媒的有効量のCoと、Re、Ru、Fe、Ni、Th、Zf、Hf、U、MgおよびLaの1種以上とを含む。特に、高分子量、主にパラフィン系液体炭化水素生成物が望ましいスラリーHCS方法を使用する場合には、Coを含有する触媒の好ましい担体はチタニアおよびチタニア−シリカ複合体を含む。有用な触媒およびそれらの調製法は周知であり、例示的であって限定するものではない例は、例えば米国特許第4,568,663号;同第4,663,305号;同第4,542,122号;同第4,621,072号および同第5,545,674号に見いだすことができ、米国特許第5,545,674号に開示されているものが特に好ましい。
本発明のHCSスラリー方法は、固形の粒状HCS触媒の存在下において、炭化水素スラリー液体中に触媒と気泡を含むスラリー中で、合成ガスから炭化水素を生成するのに有効な反応条件下で合成ガスを反応させるステップであって、10日より長い、好ましくは30日より長い、さらに好ましくは40日より長い短時間触媒半減期を達成し、長時間触媒半減期は100日より長い、好ましくは200日より長くするために、合成ガス中のHCN、NH3またはこれらの混合物の総量が50vppb未満、好ましくは20vppb未満、さらに好ましくは10vppb未満であるステップを含む。当業者は、合成ガス供給原料中のHCNおよびNH3触媒失活化学種の濃度の比較的わずかな差によって生じる触媒半減期の異常に大きな差を理解するであろう。合成ガス供給原料中のHCNおよびNH3の比較的わずかな差および極めて低い濃度が触媒半減期のこのような大きい差を生ずることは知られていなかった。触媒半減期が延長されると、触媒を再生させる必要性が減り、同時に水素の消費も減り、良好な生産性および液体炭化水素生成物の良好な選択性が維持される。本発明の方法は、スラリーHCS方法を用いて明らかにされており、スラリーHCS方法においては、合成ガスは炭化水素スラリー液体中に粒状触媒と気泡を含む3相HCSスラリーに泡立たされ、生産性とメタン生成に関する上記の要件を満たした触媒は、触媒活性を有するコバルト成分を触媒活性を有する表面薄層として粒状の無機耐火性酸化物キャリアまたは担体に分散され、担持されて含有される。本発明の触媒は、上記に参照した第‘674号特許に開示され、請求の範囲が主張されている種類のものである。
本発明を実施する際に有用な合成ガス中のHCNおよびNH3濃度の低下を達成するための数多くの方法が見いだされている。これらは、HCNからNH3へ接触加水分解し、次にNH3を溶かし出すために水で洗浄することを含み、必要に応じて、突破することがあるいかなるHCNおよびNH3をも吸着するために、1種以上の固形の、好ましくは酸性の吸着剤を含有する保護床(guard bed)を使用することを含む。この方法は、上記に参照した米国同時係属出願番号第08/797,368号に開示されている。別の方法は、合成ガス生成装置内に触媒失活作用を有する化学種を生成する窒素が天然ガス中に多く含まれないように、合成ガス供給原料として使用する天然ガスから窒素を深冷分離することを含む。この方法でも、合成ガス生成装置の上流で窒素が分解し、合成ガス中の触媒失活化学種の濃度を増加させるようであったら、合成ガス生成装置とHCS反応装置の間に固形の吸着層を配置する。スラリーHCS方法のさらに具体的な実施態様において、本発明は、炭化水素合成触媒の存在下において、炭化水素スラリー液体中に前記触媒と気泡を含むスラリー中で、前記合成ガスから炭化水素を生成するのに有効な反応条件において、H2とCOの混合物を含み、さらにHCN、NH3またはこれらの混合物を含む合成原料ガスを反応させるステップであって、前記触媒が粒状無機耐火性酸化物キャリアまたは担体上に触媒活性を有する表面薄膜として分散され、担持された触媒活性を有するコバルト成分を含み、少なくとも150hr-1の生産性と前記合成原料ガスからの5モル%未満のメタン生成を有し、前記ガス中に存在する前記HCN、前記NH3または前記これらの混合物の量が、少なくとも10日の短時間触媒半減期を達成するように、50vppb未満であるステップを含む。炭化水素スラリー液は、反応条件において液体である、HCS反応の炭化水素生成物を含み、炭化水素が生成され続けるかぎり、一部が連続的または間欠的にスラリーHCS反応装置から回収される。反応装置から回収された炭化水素の液体はC5+、主にパラフィン系炭化水素を含み、典型的には1種以上の転化操作によってより有用な生成物に品質向上されるか、またはそのままで販売される。上記に参照した従来技術に開示したように、HCS反応が進行すると、触媒は、合成ガス中に存在するHCN、NH3またはこれらの混合物によって活性を失い、そしてH2またはH2を含有するガスをスラリーに泡立たせ、触媒と接触させて、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に触媒活性を回復させることによって、さらに好ましくはCOの全てまたは少なくとも一部がスラリーから除去された後で、連続的または間欠的に再生されなければならない。
詳細な説明
フィッシャー−トロプシュのスラリーHCS方法では、H2とCOの混合物を含む合成ガスを反応性スラリー中に泡立たせて、触媒的に炭化水素、好ましくは液体の炭化水素に転化する。一酸化炭素に対する水素のモル比は広い場合には約0.5〜4の範囲であってもよいが、さらに典型的には約0.7〜2.75の範囲内であり、好ましくは約0.7〜2.5である。フィッシャー−トロプシュHCS反応の化学量論的なモル比は2.0であるが、当業者に周知の化学量論的な比ではない比を使用するのは多くの理由があるが、その考察は本発明の範囲外である。スラリーHCS方法では、COに対するH2のモル比は、典型的には約2.1/1である。スラリーHCS方法の条件は、触媒および望ましい生成物に応じて幾分変化する。担持型コバルト成分を含む触媒を使用するスラリーHCS方法において、主にC5+パラフィン、好ましくはC10+パラフィン(例えばC5+−C200)を生成するのに有効な典型的な条件は、例えば約320〜600°F、80〜600psiおよび触媒の容量あたりの単位時間あたりのガス状COとH2の混合物(0℃、1atm)の標準容量として表した100〜40,000V/hr/Vの範囲のそれぞれ温度、圧力および時間あたりガス容積移動速度(hourly gas space velocity)を含む。スラリー触媒の再生の温度および圧力条件は炭化水素合成の条件と同様であり、従来技術に開示されている。合成ガスは、高温の炭素を含有するコークスまたは石炭などの材料を上記と接触させることを含む種々の手段によって生成することができ、またはメタンを含む供給材料から生成することができる。メタンを含む供給材料は、簡便性、清潔性のため、およびそれは処理して廃棄しなければならない灰分を大量に出さないので、好ましい。メタンを含有するガス供給材料は、天然ガスから、または石炭、タール、液体の炭化水素等を燃焼することによって得られ、合成ガス生成装置に供給される。部分酸化、水蒸気改質またはこれらの組み合わせによってメタンから合成ガスを生成する方法は、例えば、米国特許第4,888,131号に開示されているように周知である。例えば米国特許第4,888,131号および同第5,160,456号に開示されているように、流動床合成ガス生成装置(FBSG)中でメタンを触媒作用によって部分的に酸化し、水蒸気改質することが好ましい。メタンの原料にかかわらず、窒素または窒素を含有する化合物が合成ガス生成装置に供給されるメタンを含有するガス中に存在し、その一部は合成ガス生成中にNH3およびHCNに転化される。これらはフィッシャー−トロプシュのHCS触媒、特に触媒作用を有する金属としてのコバルトを含む触媒を失活させる。従来技術が教示するように、これらの化学種による失活は可逆的であり、触媒は水素と接触させることによって再生させることができる。可逆的に失活した触媒の触媒活性のこの再生は触媒の再生と呼ばれ、例えば上記に参照した第5,260,239号;第5,268,344号および第5,283,216号特許に開示されている。短時間またはH2再生可能な触媒半減期が少なくとも10日、好ましくは少なくとも30日、さらに好ましくは少なくとも40日であり、長時間触媒半減期が少なくとも100日、好ましくは少なくとも200日であるように、HCS反応装置に供給される合成ガス中に存在するHCNとNH3を合わせた量が50vppb未満、好ましくは20vppb未満、さらに好ましくは10vppb未満でない場合には、Coを含有するスラリーHCS触媒の短時間および長時間触媒半減期は許容できないほど短くなることも見いだされている。上記のように、反応性HCSスラリー中に、米国特許第5,545,674号に開示され、請求の範囲が主張されている種類のCo金属を含有するHCS触媒を用いると、合成ガス中に存在するHCNとNH3の合計総量が100vppbであることにより、触媒は半減期がわずかに4日になってしまう。半減期は、触媒体の総活性が4日で50%低下することを意味する。50%の活性量は全体として許容できない。それは、CO転化率に関して測定した、触媒(および同時に反応装置)の生産性が、4日後にあるべきもののわずか50%しかないことを意味する。少なくとも90%の生産性レベルが望ましい。これは、循環式または回分式再生において、活性レベルを約90%以上に維持するために、1日の1/4の間反応装置をラインからはずし、その間に反応装置中の触媒を水素で再生させる。実際には、合成ガスを排出し、水素または水素を含有する触媒再生ガスを導入し、次いでHCS反応を再開するのにかかる時間のために、反応装置は1日の1/4以上ラインからはずされている。これにより、再生を行っても、反応装置の炭化水素生成は連続して25%損失する。さらに、触媒が一定の条件で失活すると、転化レベルが低下し、液体の炭化水素の生成量が低下し、メタンの生成量がわずかに増加する。または、反応装置の温度を上昇させることによって、触媒の失活にかかわらず、転化を比較的一定に維持することができるが、これにより、メタンの生成量が比較的かなり増加し、結果として液体の生成物の生成量が低下する。合成ガス中のHCNとNH3を合わせた量が約20vppbでは、触媒半減期は20日である。これは、上記の場合と同じ時間および水素化を使用して、ほぼ4日ごとに触媒を再生しなければならないことを意味し、平均の生成量損失はわずかに約6%である。約40〜50vppbでは、平均の生成量損失は約15%である。合わせた量が約10〜12vppbでは、触媒半減期は約40日で、触媒は8日ごとに1日の1/4の間再生しなければならず、生産性の損失はわずかに約3%である。HCNとNH3を合わせた量が約13〜17vppbである場合には、触媒半減期は約30日である。スラリーHCS方法の場合には、スラリー中の触媒は、反応装置をラインに接続したままで、米国特許第5,260,239号および同第5,268,344号に開示されている方法を使用して、連続的に再生することができる。にもかかわらず、触媒半減期がわずか4日の場合は、半減期が20日の場合よりも5倍多い量の水素再生ガスを消費し、半減期が40日の場合に必要な量の10倍消費する。
従来技術の方法は、合成原料ガス中のHCN含量を0.01容量%すなわち100vppbまで低下させるために、触媒作用による加水分解と化学的な洗浄を含むが、合成ガス中のHCNは100vppbであっても許容できないほど高い量である。さらに、アルカリ洗浄およびアルカリ性の硫酸第一鉄によるHCNの除去は、合成ガス中に存在する他の酸性材料、特にCO2によって妨害される。化学物質を含有する水での洗浄は、工程の複雑さ、経費のかかる化学物質の消費および廃棄物の破棄の必要性によってさらに不利益となる。また、NH3は水溶性であるが、妥当なレベルの触媒半減期を達成するのに必要な50vppb未満、好ましくは20vppb未満、さらに好ましくは10vppm未満の低いレベルまでHCNを除去することができるほど十分にHCNは水に溶解しない。化学的洗浄方法はHCNをこれらのレベルまで除去するほどの選択肢ではない。いくつかの従来技術の触媒転化方法は、過剰量の触媒容量および/または高い処理温度を必要とする比較的活性の低い触媒を使用している。他の方法は、硫黄を排出し、下流でHCS触媒を不可逆的に失活する硫化物触媒を使用している。HCNとNH3を除去するために吸着を主に使用する、または吸着だけを使用する方法は、HCNとNH3を合わせた濃度を望ましいレベルに低下させるのに有用な操作時間を達成するために、実施できないほど大量の吸着剤を必要とする。上記に参照している同時係属特許出願に開示されている方法は、許容可能な触媒半減期に必要な低いレベルのHCNおよびNH3を達成するのに好ましい。
本発明の実施によるスラリーHCS方法では、転換または非転換条件において、好ましくは水性ガス転換反応がほとんどまたは全く生じない非転換条件において、特に触媒金属がCo、Ruまたはこれらの混合物を含む場合に、H2とCOの混合物をフィッシャー−トロプシュ型のHCS触媒と接触させることによって、液体および気体の炭化水素生成物が生成される。好適なフィッシャー−トロプシュ反応型の触媒は、例えばFe、Ni、Co、RuおよびReなどの1種以上の第VIII族触媒金属を含む。触媒金属が粒状の無機耐火性酸化物担体または担体に分散され、担持された触媒活性を有するコバルト成分を含有し、触媒活性を有する層の総厚さが約5〜200ミクロンの範囲である触媒が本発明を実施する際に特に好ましい。これらの値より大きい径の担持粒子は、金属がこの範囲ほど厚みのない薄い表面層として定着する。この範囲の上限より小さい支持粒子は、触媒金属は粒子全体が均一に定着することができるか、または(より)薄い表面層として付着することができる。パラフィン系、C5+炭化水素生成物が好ましく、好ましくはC5+炭化水素の50%より多くがパラフィンである。好ましくは、触媒は200℃において150hr-1を越える生産性を有し、10%未満のメタン選択性を示す。さらに詳細には、上記したように、触媒は触媒的に有効な量のCoと、Re、Ru、Fe、Ni、Th、Zr、Hf、U、MgおよびLaの1種以上を好適な無機担体材料、好ましくは1種以上の耐火性金属酸化物を含む担体材料上に含む。Coを含有する触媒に好適な担体は、特に高分子量、主にC5+パラフィン系液体炭化水素生成物が望ましい場合には、チタニアおよびチタニア−シリカ複合体を含む。有用な触媒およそれらを調製する方法は周知であり、例示的であるが限定的ではない例は、例えば米国特許第4,568,663号;同第4,663,305号;同第4,542,122号;同第4,621,072号および同第5,545,674号に見いだすことができ、米国特許第5,545,674号に開示されているものが特に好ましい。
本発明によるHCS方法によって生成される炭化水素は、典型的には、C5+炭化水素の全てまたは一部を分別および/または転化することによってより有用な生成物に品質向上される。転化は、炭化水素の少なくとも一部の分子構造を変更し、非触媒的な処理(例えば水蒸気分解)および画分を好適な触媒に接触させる接触処理(例えば接触分解)を含む1種以上の操作を意味する。水素が反応物質として存在する場合には、このような処理ステップは、典型的には水素化転化(hydroconversion)と呼ばれ、例えば水素化異性化、水素化分解、水素化脱蝋、水素化精製を含み、より過酷な条件の水素化精製は水素処理法と呼ばれ、パラフィンが豊富な炭化水素を含む炭化水素供給原料の水素化転化について文献において周知な条件で全て実施される。転化によって生成されるより有用な生成物の例示的であって、限定的でない例は合成用原油、液体燃料、オレフィン、溶媒、潤滑油、産業用の油または医療用の油、ワックス質炭化水素、窒素および酸素を含有する化合物等の1種以上を含む。液体燃料は自動車のガソリン、ディーゼル燃料、ジェット燃料およびケロシンの1種以上を含むが、潤滑油は、例えば自動車のオイル、ジェットオイル、タービンオイルおよび機械加工油を含む。産業用油は搾井流体、農業用油、熱媒体流体等を含む。
上記の本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明を実施する際に種々の他の実施態様および改良を加えられることは明らかであり、容易に当業者によって実施できることが理解されるべきである。従って、本明細書に添付の請求の範囲が上記の正確な説明に限定されることは意図されておらず、むしろ、本発明が関する当業者に同等なものとして扱われると思われる特徴および実施態様の全てを含む、本発明に存在する特許性のある新規性の特徴の全てを含むものとして請求の範囲は考えられることが意図されている。
Claims (10)
- HCN、NH3またはこれらの混合物を含有するH2およびCOを含む合成ガス混合物から液体炭化水素を生成するためのスラリー炭化水素合成方法であって、該方法は、炭化水素スラリー液体中に炭化水素合成触媒と気泡とを含むスラリー中の該触媒の存在下に、該合成ガスから炭化水素を生成するのに有効な反応条件下で該ガスを反応させ、かつ下記(イ)〜(ニ)を満足することを特徴とするスラリー炭化水素合成方法。
(イ)該炭化水素の少なくとも一部は、該反応条件液体である
(ロ)該スラリー液体は、該液体炭化水素を含有する
(ハ)該触媒は、少なくとも150hr-1の生産性を有し、粒状無機耐火性酸化物担体上に触媒活性コバルト成分を含有する
(ニ)該合成ガス中のHCN、NH 3 またはこれらの混合物の該合計量は、50vppb未満である - 該反応により製造される該炭化水素液体は、C5+炭化水素を含むことを特徴とする請求の範囲1記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 該触媒の該触媒活性コバルト成分は、無機耐火性酸化物担体上に分散されて担持されることを特徴とする請求の範囲2記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 該触媒は、5モル%未満のメタン選択性を有することを特徴とする請求の範囲3記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 該触媒活性コバルト成分は、該担体上に厚さ2−200ミクロンの層として存在することを特徴とする請求の範囲4記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 合成ガス中の該HCN、NH3またはこれらの混合物の該合計量は、20vppb未満であることを特徴とする請求の範囲4記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 該触媒は、少なくとも100日の長時間半減期と少なくとも30日の短時間半減期を有することを特徴とする請求の範囲6記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 該C5+炭化水素は、主にパラフィンを含むことを特徴とする請求の範囲7記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 該C5+炭化水素の少なくとも一部は、1種以上の転化操作によって、より有用な生成物に品質向上されることを特徴とする請求の範囲1記載のスラリー炭化水素合成方法。
- 合成ガス中の該HCN、NH3またはこれらの混合物の該合計量は、少なくとも40日の短時間触媒半減期を達成するために、10vppb未満であることを特徴とする請求の範囲9記載のスラリー炭化水素合成方法。
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