JP4123577B2 - 焼結機幅方向の原料通気性一定化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結機の装入ホッパ−の分割ゲ−トまたは装入シュ−トの原料付着等によって生じる原料層上部の凹部を埋め、パレット幅方向の通気性のバラツキを無くすための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
焼結原料を装入シュ−ト→ゲ−ト→ロ−ルフィ−ダを介してパレットに装入する際、その幅方向において原料装入高さ換言すれば、幅方向における装入量を一定に維持することはバラツキの少ない品質の焼結鉱を製造するために重要である。ところが、前記ゲ−トが全幅一体型の場合は、装入シュ−トの原料レベル分布、ゲ−ト等の機器の原料付着状況によりパレット幅方向における原料装入量を一定に保つことができなくなることが多い。これを改善するため、現在においては、前記ゲ−トを幅方向に複数分割し、分割ゲ−ト毎にその開度を調節する所謂、分割ゲ−ト型が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の分割ゲ−トを採用した原料装入においても、分割ゲ−トまたは装入シュ−トに原料が付着する。そのため、パレット幅方向における原料付着位置に相当する原料装入量が少なくなり、図4に示すようにパレットの原料層上部に溝6が生じる。このため幅方向における原料層の通気性にバラツキを生じ、焼結鉱の品質が低下し、焼結歩留りが低下するという問題がある。
【0004】
本発明は、前記原因によって生じる原料層上部の溝を埋め平滑な表面を形成し、焼結幅方向の原料層の通気性を均一にする装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を、以下の装置により達成する。
【0006】
第1の装置は、焼結機の装入シュ−トと点火炉との間でかつ焼結原料層上に設けられ、パレットの幅方向に延設された軸を有するスクリュ−式原料掻き寄せ羽根と、該原料掻き寄せ羽根の上下動装置と、前記原料掻き寄せ羽根の回転数変更装置とからなり、前記原料掻き寄せ羽根は、羽根の傾斜が反対で、それぞれ反対方向に原料を掻き寄せる、軸の位置を焼結機機長方向にずらした二つからなる焼結機幅方向の原料通気性一定化装置である。
【0008】
第2の装置は、第1の装置に、さらに、前記原料掻き寄せ羽根と装入シュ−トの間で、かつ、焼結原料層上に設けた往復動型レベル計の測定値により前記原料掻き寄せ羽根の上下動を制御する手段を追加したものである。
【0009】
「作用」
原料を装入シュ−ト→分割ゲ−ト→ロ−ルフィ−ダ→シュ−トを介してパレットに装入する過程で原料層上部に形成される溝に対して、スクリュ−式原料掻き寄せ羽根はその軸を回転することにより原料をパレット幅方向に平行に移動し、その途中に溝があれば移動させた原料によりその溝を埋める働きをする。原料の掻き寄せ方向は、羽根の巻き方により決定されるが、溝の位置によっては、第1の原料掻き寄せ羽根では溝を埋められない場合も発生するが、第2の原料掻き寄せ羽根を第1のものよりパレット進行方向にずらして設置し、さらに、第1のものとは反対の巻き方とすることで第1の原料掻き寄せ羽根で埋められず残った溝を第2の原料掻き寄せ羽根で完全に無くすことができる。
【0010】
また、装入シュ−トと第1の原料掻き寄せ羽根との間に、パレット幅方向において往復動するレベル計を設置して、一定周期毎にパレット全幅の原料層層厚を求めて、その値に基づいて第1と第2の原料掻き寄せ羽根の上下動(原料層表面からの高さ)を制御することにより、原料層に押圧をかけることなく溝を完全に無くすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
【0012】
図1は、本発明装置を設置した焼結機の装入部の斜視図、図2は本発明に係るスクリュ−式原料掻き寄せ羽根の原料の掻き寄せ方向を示した平面図、図3は、本発明装置の正面図(図2のB−B矢視図)である。
【0013】
1は焼結機のパレット、2はパレット1に載っている原料層である。原料は装入ホッパ−3に一旦貯蔵された後、ロ−ルフィ−ダ4を回転させることにより装入シュ−ト5を経てパレット1に装入される。この過程で、パレット幅方向に均一に原料を供給するためにロ−ルフィ−ダ4の原料切り出し部に設けられている分割ゲ−トへの原料付着、または装入シュ−ト5への付着が発生すると、原料層2に他の部分より原料層が薄い原料層凹部6が生じる。
【0014】
焼結機の装入シュ−ト5と点火炉10との間には、この原料層凹部6を無くするために、原料層上にパレット幅方向に延設された軸を有する第1のスクリュ−式原料掻き寄せ体8が設置されており、軸を回転させることにより原料層の表層の原料を軸方向(原料層の幅方向)に掻き寄せる。この過程で、図5に示すように、原料層の凹部6の大部分が埋め戻されるが、一部に残存凹部23が残る。また、第1のスクリュ−式原料掻き寄せ体8は、原料移動方向側のパレット1端部に凸部7を形成する。
【0015】
本発明では、前記の残存凹部23および凸部7を解消するために、下流側に第2のスクリュ−式原料掻き寄せ体9を設けている。これは、第1のスクリュ−式原料掻き寄せ体8とは反対方向に原料を掻き寄せる掻き寄せ羽根を有する。この第2のスクリュ−式原料掻き寄せ体9により、残存凹部23と凸部7は、埋め戻されまたは均されて図6に示すように、原料層2の表面は平らになる。
【0016】
また、装入シュ−ト5と第1のスクリュ−式原料掻き寄せ体8との間にパレット幅方向に往復動するレベル計26を設置している。このレベル計26で、一定時間毎にパレット1幅全体の原料層厚を測定する。そして、この測定値に基づいて前記第1と第2のスクリュ−式原料掻き寄せ体8,9の上下動量を制御する。これにより、原料層に押圧をかけることなく完全に溝を無くすることができる。
【0017】
図2に示すように、原料の掻き寄せは、軸8aと螺旋羽根8bによりなる第1のスクリュ−式原料掻き寄せ体8の軸8aを矢印イの方向に回転させることにより、表層の原料は矢印ロの方向に掻き寄せられ、その過程で原料凹部6の大部分は埋め戻されるが、前述のように残存凹部23が残り、また凸部7ができる。これらは、下流に設けた第2のスクリュ−式原料掻き寄せ体9により、表層原料が矢印ハの方向に掻き寄せられる。この結果、残存凹部23は完全に埋め戻される。
【0018】
次に、駆動系を含めてスクリュ−式原料掻き寄せ体の構成について説明する。スクリュ−式原料掻き寄せ体8,9は、前記したようにその掻き寄せ羽根の傾斜が反対になっているだけであるから、スクリュ−式原料掻き寄せ体8を例にして説明する。
【0019】
図3に示すように、原料掻き寄せ体8は、回転軸8aと螺旋羽根8bで構成されている。この回転軸8aは、その左右端が支持フレ−ム19の左右の下端に設けられた軸受け12、12に軸支されている。回転軸8aの左端は軸受け12の左側に突出しており、その軸端に従動スプロケットホイ−ル13が取付けられている。また、支持フレ−ム19の左側面に駆動部取付け台20が取付けられている。この駆動部取付け台20に回転数変更装置付き電動機15が取付けられており、その出力軸には駆動スプロケットホイ−ル14が取付けられている。従動スプロケットホイ−ル13と駆動スプロケットホイ−ル14にチェ−ン16が巻き掛けられている。前記回転数変更装置付き電動機15を駆動することにより原料掻き寄せ羽根8bを回転させることができる。一方、支持フレ−ム19の上方に梁21が設けられている。梁21の左右にスクリュ−ロッド式の上下動装置17が取付けられており、この上下動装置17のスクリュ−ロッド18が支持フレ−ム19を吊持している。この上下動装置17のスクリュ−ロッド18を正逆回転させることにより支持フレ−ム19に軸支された原料掻き寄せ体8を原料表面に対して隔離、接近させることができる。
【0020】
原料層の凹部を理想的に埋め戻すには、スクリュ−式原料掻き寄せ体8、9の上下動を制御する必要がある。この方法を図7,8を用いて説明する。スクリュ−式原料掻き寄せ体の螺旋羽根31は、原料層2に及ぼす仕事を考える際には、軸32に沿って矢印ホの方向に連続して平行移動する円盤31と見なすことができる。そして、前記円盤31の間隔と直径は、螺旋羽根の間隔と直径と同一と考えられる。その円盤の移動速度Vは、数1によって表わされる。
【0021】
【数1】
【0022】
次に、円盤31を原料層2に食い込ませたときの円盤通過後の原料表面形状を考える。図8に示すように、今回の円盤位置を42とすると、上流の原料層は回転軸32に向かってそれと直交する方向にパレットスピ−ドで移動してくる。このため、前回の円盤位置43、前々回に円盤位置44が原料層を通過した跡が原料表層に残される。その跡の山と谷のずれにより一定間隔の畝45が形成される。
【0023】
パレット進行方向に沿った今回の円盤位置と前回の円盤位置の距離Lは、数2で表わされる。
【0024】
【数2】
【0025】
また、畝45の高さ(山谷の高低差)xは数3で与えられる。
【0026】
【数3】
【0027】
数3から、畝の高低差xは、円盤の軸方向の間隔Dに関係なく、パレットスピ−ドPSが小さいほど、回転数Fが大きいほど、また円盤の半径Rが大きいほど小さくなることが分かる。例えば、PS:3500mm/min,回転数F:60rpm、円盤の半径R:300mmのとき、畝の高さxは、1.42mmとなる。従って、操業条件の制約を受けない回転数Fを十分大きく設定すれば、畝の高さを十分小さくすることが可能であり、その条件下ではスクリュ−式原料掻き寄せ体通過後の原料層は平面と言える状態になる。
【0028】
よって、往復動型超音波レベル計26により測定した平均原料層厚が時間tの関数であれば、往復動型超音波レベル計26とスクリュ−式原料掻き寄せ体8,9の距離を考慮し、所定の時間差をもって掻き寄せ体8,9の螺旋羽根8b,9bの下端位置を上下動装置17でh(t)に合わせるように自動調整すれば、常に平滑な原料層を維持することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているから、分割ゲ−ト等への原料付着によって生じる原料層上部の溝を埋め、原料層の幅方向の通気性を常に均一にすることができる。これにより、焼結鉱の歩留りの向上および、品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を設置した焼結機の装入部の斜視図である。
【図2】本発明に係るスクリュ−式原料掻き寄せ羽根の原料の掻き寄せ方向を示した平面図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図3のC−C断面図である。
【図6】図3のD−D断面図である。
【図7】スクリュ−式掻き寄せ羽根の原料層の均し作用を説明する斜視図である。
【図8】掻き寄せ羽根通過後の畝の高さを求めるための図である。
【符号の説明】
1 パレット
2 原料層
6 溝
7 凸部
7a,7b 螺旋羽根
8、9 スクリュ−式原料掻き寄せ体
8a 軸
8b 螺旋羽根
12 軸受け
13,14 スプロケットホイ−ル
15 回転数変更装置付き電動機
16 チェ−ン
17 上下動装置
18 スクリュ−ロッド
19 支持フレ−ム
23 残存凹部
Claims (2)
- 焼結機の装入シュ−トと点火炉との間でかつ焼結原料層上に設けられ、パレットの幅方向に延設された軸を有するスクリュ−式原料掻き寄せ羽根と、該原料掻き寄せ羽根の上下動装置と、前記原料掻き寄せ羽根の回転数変更装置とからなり、前記原料掻き寄せ羽根は、羽根の傾斜が反対で、それぞれ反対方向に原料を掻き寄せる、軸の位置を焼結機機長方向にずらした二つからなる焼結機幅方向の原料通気性一定化装置。
- さらに、前記原料掻き寄せ羽根と装入シュ−トの間で、かつ、焼結原料層上に設けた往復動型レベル計の測定値により前記原料掻き寄せ羽根の上下動を制御する請求項1記載の焼結機幅方向の原料通気性一定化装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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