以下、本発明の実施形態を必要に応じて、図面を用いながら説明する。本発明の一実施例は、コピー禁止とされた情報の、一時記録に関するものであるが、その説明の前に本発明を適用するシステム全体から述べる。
図1は本発明で用いるシステム全体の実施形態を示すブロック図であって、放送で情報を送受信し、また記録再生する場合を例にとって示したものである。これには、本発明を適用した装置が含まれている。1は放送局などの情報提供局、2は中継局、3は受信装置、4は受信装置3に内蔵される第一の記録再生装置、5はディスプレイ、6は第二の記録再生装置である。なお、ここで放送などを記録する際は、これに付されたコピー制御情報に応じ、第一の記録再生装置4と第二の記録再生装置6の双方、あるいは、いずれか一方に記録することができる。また、第一の記録再生装置4は記録媒体としては、たとえばハードディスクなど取外しのできないものであって良い。ビデオディスク、ビデオテープなど取外しのできるものでも良いが、受信装置に内蔵する記録再生装置は、情報を比較的短い期間保存する場合に用いられることがあり、たとえば前記した一時記録を主な目的にする場合など、取外しのできないものでも使用できる。また、本実施形態では、第一の記録再生装置4は受信装置3に内蔵されるものとして以下の説明を行うが、これは必ずしも必要条件ではなく、受信装置3に外付けされるものとしても本発明は適用できる。
第二の記録再生装置6は、ここでは2個の記録再生部を有するものとして説明する。第一、第二の記録再生部61,62は、例えば前者がハードディスクを用い、後者が磁気テープ、光ディスクなど取外しのできるものを用いれば、各々の長所を生かした使い分けが可能であるが、これに限定するものではなく、双方とも光ディスクであったりしても良い。第一の記録再生装置4が複数の記録再生部を持っても良く、また双方が持っても良いが、ここでは代表的なものとして上記の例で説明する。
放送局など情報提供局1は、たとえば放送用衛星などの中継局2を介して、情報によって変調された信号電波を伝送する。勿論、それ以外のたとえばケーブルによる伝送、電話線による伝送、地上波放送による伝送などを用いても良い。受信側の受信装置3で受信されたこの信号電波は、後に述べるように、復調されて情報信号となった後、必要に応じ、第一の記録再生装置4ないし第二の記録再生装置6へ記録するに適した信号となって記録される。また、ディスプレイ5へ送られる。ここでユーザは、情報内容を直接視聴するこ
とができる。また、上記した第一の記録再生装置4、第二の記録再生装置6で再生された情報は、受信装置3を介してディスプレイ5へ与えられ、元の映像音声などの情報が視聴される。情報が予め記録された取外し可能な記録媒体、たとえばパッケージソフトが提供される時は、これを取付けた、たとえば第二の記録再生装置6での再生動作以降が行われる。なお、装置間の情報の授受はディジタル信号で行われることが多いが、たとえば受信装置3とディスプレイ5の間は、アナログ信号で接続することもある。
図2は、上記システムのうち、放送局などの情報提供局1の構成例を示すブロック図である。11はソース発生部、12はMPEG方式等で圧縮を行うエンコード回路、13はスクランブル回路、14は変調回路、15は送信アンテナ、16は管理情報付与回路、17は入力端子である。
カメラ、記録再生装置などから成るソース発生部11で発生した映像音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード回路12でデータ量の圧縮が施される。必要に応じてスクランブル回路13で、特定の視聴者のみが視聴可能となるように伝送暗号化される。変調回路14で伝送するに適した信号となるよう変調された後、送信アンテナ15から、たとえば放送用衛星などの中継局2に向けて電波として発射される。この際管理情報付与回路16では、前記したコピー制御情報を始め現在時刻等の情報を付加する。また入力端子17からは、先の図1では省略したが、たとえばリクエスト情報が電話回線などを介して入力される。これはビデオオンデマンドなど、視聴者のリクエストに応えて送出する情報を決定するシステムで活用される。
なお、実際には一つの電波には複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。簡単のため図2には記していないが、この場合、ソース発生部11とエンコード回路12の系統が複数個あり、エンコード回路12とスクランブル回路13との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス回路が置かれる。
図3は、図1のシステムにおける受信装置3の構成の一例を示すブロック図である。301はRF/IF変換回路、302は復調回路、303は誤り訂正回路、304は信号に施された伝送暗号を解除するデスクランブル回路、305は第一のデマルチプレクス回路、306は入出力端子、307は第二のデマルチプレクス回路、308はデコード回路、309,310は出力端子、311は受信装置3の全体を制御する制御回路、312は情報管理回路、313はコマンド入力回路、314は入力端子である。4は第一の記録再生装置であり、図1で記したように、受信装置3に内蔵されていても良い。図中、実線は映像音声など主となる情報の流れを、点線は各構成要素間の制御信号情報の流れを示す。
ここでまず、301から310の構成要素に関し、実線で示した映像音声などの情報の流れを説明する。RF/IF変換回路301には、たとえば放送用衛星などの中継局からの電波が入力される。ここでRF帯域の電波はIF帯域 (Intermediate Frequency) に周波数変換され、また受信チャネルに依存しない一定の帯域の信号となり、復調回路302で伝送のために施された変調操作が復調される。さらに誤り訂正回路303で、伝送途中で発生した符合の誤りが検出さらには訂正された後、デスクランブル回路304で伝送暗号の解除を行う。その後、第一および第二のデマルチプレクス回路305および307へ送られる。上記したとおり、特にディジタル放送の場合、一つのチャネルには複数の情報が、時分割、スペクトラム拡散などの方法で多重されることが多い。デマルチプレクス回路は、これから所望の情報だけを分離するものである。2つのデマルチプレクス回路を設ける理由は、いわゆる裏番組記録を可能にするのみならず、第一のデマルチプレクス回路305で、記録に値しない情報を除去するためである。すなわち、情報の中には天気予報、番組の放送予定などの付加情報が付されていることが多く、これは放送時点で見るなら良いが、記録して後日見るには値しないため、ここで除去することも可能にしている。
第一のデマルチプレクス回路305の出力は、第一の記録再生装置4へ与えられ、必要に応じて、その記録媒体へ記録される。また入出力端子306へも与えられ、ここに接続される第二の記録再生装置6と信号の授受を行う。入出力端子306は双方向の端子であって、第二の記録再生装置6との間で、記録再生する情報などをたとえばディジタルデータで授受する。もちろん必ずしも一本の情報ラインが双方向となっていなくとも良く、複数の単方向ないし双方向の情報ラインで構成されていても良い。一般にはIEEE1394規格による接続が多く用いられる。さきの第二のデマルチプレクス回路307には、デスクランブル回路304から送られた情報、第一の記録再生装置4で再生された情報、あるいは、入出力端子306からの第二の記録再生装置6で再生された情報が接続されており、そのいずれか視聴したい情報が選択され、さらに所望の情報を分離する。次のデコード回路308では、伝送前に施された動画像のデータ圧縮がデコードされ、出力端子309を介して外部のディスプレイ5へ送られる。出力端子は309,310の二つを備え、一方をディジタル出力、他方をアナログ出力としても良い。
ディジタル放送には、走査線数が例えば1000本を越すHD(High Definition)情報と、500本前後のSD(Standard Definition)情報がある。これに応じて、前者をHD出力、後者をSD出力とすれば、HD対応のディスプレイには出力端子309の情報を、SD対応のディスプレイには、出力端子310の情報を供給すると良い。出力端子309,310の情報はディスプレイの入力次第で、ディジタル、アナログのいずれであっても良い。
次に点線で示した制御信号に関して述べる。制御回路311は、上記した301より305、307、308の各構成要素との間で制御信号の授受を行い、受信装置3の全体が所望の動作を行うように制御する。情報管理回路312は、制御回路311が制御を行う時の管理データを要求に応じて供給する。たとえば、ここには受信契約の情報が管理されている。ユーザが視聴したいチャネルを指定した時、この指定は入力端子314から入力され、コマンド入力回路313を介して制御回路311に送られる。制御回路311は情報管理回路312に、受信契約情報を要求する。ユーザが指定したチャネルと契約があると判断した場合、上記した各構成要素に制御信号を送り、該当チャネルの受信動作を指示する。また、情報管理回路312には、ユーザによるタイマ予約情報が管理されている。視聴を予約した時間になると、制御回路311は上記した各構成要素に制御信号を送り、受信動作を開始させる。
また、第一の記録再生装置4が受信装置3に内蔵されている場合には、入力端子314から入力されたユーザの指示に応じて記録再生の動作を行う。このため、コマンド入力回路313の出力が供給されている。この制御信号は、制御回路311から供給されるようにしても良い。
次に図4、図5を用いて、記録再生装置の記録再生動作を述べる。さきに示した第一の記録再生装置4と第二の記録再生装置6に内蔵する第一の記録再生部61、第二の記録再生部62は、基本的な回路ブロック構成は同様であって良く、その例をここに示している。アナログ記録方式を用いるものは、その構成が従来から汎く知られているので、図面を用いた説明は省略する。なお本発明は、例えば第二の記録再生部62がアナログ記録方式であるなど、記録方式が混在する場合にも適用可能である。
まず記録再生装置は、ディジタル伝送あるいは放送された圧縮ビットストリームをそのまま記録する、主には最近の、あるいは今後現れるディジタル記録方式によるものが相応しい。この場合、受信装置3と第二の記録再生装置6との情報の授受は、前記したとおりIEEE1394規格などによりディジタル方式で行うのが良い。またその記録媒体は、テープのみならず、ディジタルビデオディスクなどの取外し可能なディスク、ハードディスクなどの装置に内蔵されたディスクなど、様々なものが可能である。前記したように、第一の記録再生装置4はハードディスクを、第二の記録再生装置6は取外し可能なディスクを媒体とし、用途に応じて使い分けても良い。
図4は、記録再生装置の回路ブロック図である。特に記録媒体として、ディスクを用いるものに適している。41は記録回路、4101は記録する信号の入力端子、4102は半導体メモリなどの記憶手段、4103は暗号化回路、4104は暗号化キーの入力端子、4105は記録符号化回路、4106は記録媒体へ記録する信号の出力端子、4107は媒体検知回路、4108は制御検出回路、4109は記録制御回路、4110は制御信号の入出力端子、4111は制御信号の出力端子である。また、42は再生回路、4201は再生信号の入力端子、4202は再生復号回路、4203はブロック再生回路、4204は半導体メモリなどの記憶手段、4205は誤り訂正回路、4206は暗号復号回路、4207は暗号を復号するキーの入力端子、4208は信号出力回路、4209は受信機などへ再生信号を送る出力端子、4210は制御信号の検出回路、4211は時計、4212は再生制御回路、4213は制御信号の入出力端子、4214は制御信号の出力端子である。
図5は、記録再生装置の記録媒体の周辺を示すブロック図である。43は記録再生部、4301は入力端子、4302は記録増幅器、4303はハードディスク、ビデオディスク、ビデオテープなどの記録媒体を搭載した記録媒体ドライブ、4304は再生増幅器、4305は出力端子、4306は機構制御回路、4307は入力端子である。
まず、図4を用いて動作の説明を行う。記録回路41から述べる。入力端子4101からは、記録する情報が入力される。これは、さきの図3の第一のマルチプレクス回路305から供給されるものである。デスクランブル回路304で伝送暗号を復号した後の情報であるが、もちろん、これを復号せずに供給される場合も本発明の範疇にある。
第二の記録再生装置6の場合は、この情報はさらに入出力端子306を介して供給され、また、後に述べる再生回路42で再生した情報の出力端子4209の出力も、図3の入出力端子306へ与えられる。従って、第二の記録再生装置6では、4101と4209とを一つにし入出力端子としても良い。もちろん、これは必ずしも中の信号線が一本ということではなく、複数の単方向ないし双方向の信号線であって良い。IEEE1394規格で規定するものでも良い。
入力された情報は、一旦、記憶手段4102にブロック毎に蓄積される。これには、映像音声などのディジタル情報のほか、たとえば後述する図6(a)で示したような様々の制御情報が付されている。放送の場合、たとえば図2の管理情報付与回路16で付与されたものである。これは制御検出回路4108に与えられ、制御情報が検出される。後で詳しく述べるように、これを基に記録制御回路4109では、この信号を記録して良いか否か、記録する際に暗号化するか否かなどを判断し、その結果を暗号化回路4103と記録符号化回路4105へ送る。
一方、記憶手段4102の映像音声などの情報は、暗号化回路4103において、記録制御回路4109からの制御信号に従い、必要に応じて暗号化が行われる。暗号化は、たとえば入力端子4104からの情報に基づいて行われる。これは、装置の識別番号などのデバイスキー、ユーザの所持するICカードを装置に装着して読み取られた個人IDなどのユーザキー、あるいは記録する情報(コンテンツ)ごとに乱数的に発生させたコンテンツキーなどが用いられる。コピー制御情報が記録を禁止することを意味する Copy Never、一世代のみ記録を認可することを意味する Copy One Generation である場合などは、高いセキュリティを要求されるため、前記した条件付きの一時記録を行う場合には第三者に利用されないよう、暗号化して一時記録することがある。暗号化をプログラム(コンテンツ)単位で行った場合、同じコンテンツの中で、時間とともにキーを変え、たとえばセクタ単位でキーを変えても良い。
暗号化された情報は、記録符号化回路4105に与えられる。記録符号化回路4105では、記録制御回路4109からの制御情報に基づき、記録を行わない場合はここで情報を遮断し、記録を行う場合は使用する媒体に適した変調を施し出力端子4106へ出力する。
記録制御回路4109から記録符号化回路4105へは、コピー制御情報のほかに、時計4211から出力される記録時の現在時刻も与えられており、記録が可能な場合には、必要に応じてこれも同時に記録する。現在時刻は、受信した情報に含まれている場合はそれを用いてもよいし、また、受信した情報で時計4211を校正するようにしてもよい。
さらに、出力端子4106の情報信号は、図5に示した記録再生部43の入力端子4301へ与えられる。この信号は、レーザ発生素子や磁気ヘッドを駆動できるよう記録増幅器4302で増幅された後、記録媒体ドライブ4303で上記したような記録媒体へ記録される。4306は記録媒体ドライブ4303を駆動するモータなどの機構制御回路であって、入力端子4307からの制御信号で記録媒体を制御する。
なお、さきに示した図4の記録制御回路4109の出力は、出力端子4111に与えられている。必要に応じ、これを図5の入力端子4307へ与え、前記した一時記録を含め記録を禁止された情報が入力された時に、機構制御回路4306へ記録動作を停止するよう指示しても良い。また、図4の入出力端子4110では、外部の装置との制御信号の入出力を行う。たとえば、制御情報を制御検出回路4108で検出せずに、映像音声などのデータとは別に外部から与える方法もあり、この際に活用される。第二の記録再生装置6の場合は、IEEE1394規格に従って、入力端子4101、出力端子4209と共用することもできる。
たとえば90分を制限時間とした一時記録を行う時、特に記録媒体ドライブ4303の記録媒体がハードディスクである場合などは、一時記録を開始する際に、90分の記録に必要な容量だけ記録領域を確保してから始めると良い。90分を経過した後は、再生の有無に関らず情報を消去するのであるから、その一時記録の最初から上書きすると良い。90分間のデータ量は情報内容によって異なる場合がある。特にその途中で放送方式が切替り、たとえば標準精細から高精細へ切替るなどすると、予めデータ量の予想をすることは難しい。その場合は、該当する放送チャネルの最大伝送レートを前提として容量を確保すると良い。これらの制御も、さきの記録制御回路4109で行うことができる。
次に、記録した情報を再生する時の動作を説明する。図5の記録媒体ドライブ4303から再生された情報信号は、再生増幅器4304で後段での信号処理が可能なレベルまで増幅された後、出力端子4305へ出力される。入力端子4307には、図4の出力端子4214からの制御信号が入力され、機構制御回路4306を制御する。これは再生制御回路4212で生成したものである。さきの記録制御回路4109とこの再生制御回路4212は、実際には同一の半導体デバイス上にあるのが普通であり、この場合、4111と4214の出力端子は共通にできる。
図5の出力端子4305の情報信号は、図4の再生回路42の入力端子4201へ与えられる。これは再生復号回路4202に供給される。ここでは媒体に記録再生するために記録側で施した変調が復調され、波形を等化しクロックでデータを確定する。次にブロック再生回路4203で同期信号、ID信号などの検出を行い、これをもとに再生データは記憶手段4204の所定の位置に一旦格納される。誤り訂正回路4205は、格納されたデータより演算操作で、記録再生過程で発生した誤りを検出し正しい値に訂正する。誤り訂正後のデータは、暗号復号回路4206へ与えられる。これは、記録時にさきの暗号化回路4103で行われた記録暗号化を復号するためのものである。ここで、入力端子4207からの装置のデバイスキー、個人IDなどユーザキー、あるいはコンテンツキーなどによって復号が行われる。これが所定のものでなければ、正常な暗号の復号は行われず視聴することはできない。従って、記録した装置ないしユーザが視聴することは可能であるが、記録した媒体を他の装置ないしユーザが再生し、視聴することは極めて困難となる。なお、入力端子4207からの復号キーは、後に図6(b)で示す暗号化情報111から得たもの、あるいはここから暗号を復号して得たものであっても良い。
一方、さきの誤り訂正を施されたデータより、制御信号の検出回路4210で、たとえばコピー制御情報、記録時の時刻などが検出される。次に再生制御回路4212では、検出されたこれらの情報のほか、時計4211からの現在時刻などをもとに、再生出力の可否を判断し、信号出力回路4208の出力を制御する。あるいは、暗号復号回路4206を動作ないし停止させる。たとえば、再生し視聴する期間に時間制限があり、これが過ぎている場合などは、信号出力回路4208から少なくも正常に視聴できる情報は出力しないようにする。必要に応じて、出力端子4214から図5の入力端子4307へ制御情報を送り、記録媒体ドライブ4303自体の再生動作を停止しても良い。
再生した情報を出力することを認められた時は、この情報は出力端子4209へ与えられ、図1の受信装置3を介して、ディスプレイ5へ供給される。図2のエンコード回路12で施されたMPEGなどによるデータ量の圧縮操作は、受信装置3のデコード回路308で元に戻される。このため、ユーザは情報内容を視聴することができる。デコード回路308は、ディスプレイ5に内蔵されることもある。なお、コピー制御情報などがここまで述べたものと異なり、電子透かしとして映像情報中に埋め込まれているときには、再生時に、この電子透かしから検出した情報を使って同様の制御を行っても良い。
時計4211は、当然ながらある程度の正確さが要求される。ユーザの悪意で容易に変えられるものでは目的を果たさない。放送局などからの時間情報で制御のかかるものであることが望ましい。故意に時刻を変えた場合、以後は装置が動作しないようにしても良い。
入出力端子4213は、外部の装置と制御情報の授受を行うものである。たとえば再生した情報を、さらに外部の記録装置へ記録する場合などに活用される。入出力端子4110と4213とは共通化できる。また、第二の記録再生装置6においては、たとえばIEEE1394規格に従い、入力端子4101、出力端子4209の情報も含め一系統で授受し、あるいは赤外線などを用いて無線で授受することができる。また、これは2個の記録再生部61,62を持つのであるから、各々の入力端子4101、出力端子4209、入出力端子4110,4213を共通化し、図3の入出力端子306と接続して良い。
再生制御回路4212から記録符号化回路4105へ与えられる制御信号は、たとえば再生時の情報の消去を指示するものである。後に述べるように、視聴する制限時間を過ぎた情報を消去し、また、一度再生した情報を制限時間に関らず消去する場合に活用する。記録媒体がディスクである場合など、この制御信号に従い、記録符号化回路4105は情報として意味のない信号を発生し、媒体上に記録することで情報を消去する。あるいは、暗号化キーなどの暗号化情報を消去する。この場合、記録媒体は消去可能なものでなければならない。媒体検知回路4107はこのために設けられている。第二の記録再生装置6などのように、記録媒体が取外し可能である装置に有効である。いずれ消去することを条件に記録を認めた情報を記録する場合、CD−Rなど情報の消去が不可能な媒体が取付けられていれば、記録を行わないようにしている。
また、消去が不可能な媒体から情報を移動しようとした際に、再生動作を停止するようにしている。これらは、媒体検知回路4107から記録符号化回路4105、再生制御回路4212へ制御信号を送ることで実現される。以上が、図4と図5の基本的な動作説明である。
次に図6は、本実施形態における制御情報信号の一構成例を示すブロック図である。このうち図6(a)は、受信装置3で受信され、第一の記録再生装置4ないし第二の記録再生装置6へ入力され、記録側の制御検出回路4108で検出される制御情報を示す。図6(b)は、記録符号化回路4105において、図6(a)の制御情報を基に必要に応じて書替えられ、また内容を追加して記録媒体へ記録される制御情報を示す。パッケージソフトなどには図6(b)の制御情報が、予め記録されている。図6(b)のうちで、図6(a)の中の情報を基としたものには、同じ番号を付して対応させている。図6(b)の情報は、たとえばテープ媒体の場合、一つの記録トラックに一個記録されれば充分であるが、当然ながら映像音声などの情報データとは決まった関係で記録され、再生時容易に分離できるようになされる。
図6の内容を、必要に応じて図4の回路ブロック図と対比して述べながら、本発明の実施例における動作説明をする。図6(b)において、プログラム番号100は、その媒体で何番目のプログラムであるかを示す。セクタ情報101は、媒体へ記録するに際し、プログラムを所定の単位で分割したセクタの番号である。分割は、固定の単位、たとえば2kバイト単位に分割してもよいし、情報の一定単位、たとえば、エンコードする時の分割の単位でもよい。また、番号はプログラム内で付けてもよいし、記録媒体全体での通し番号でもよい。後述する記録時刻107b等の情報は、このセクタ単位で付加される。時間情報102は、その記録部分がそのプログラム開始後、どれだけ経ているかを示す。以上は情報を記録媒体へ記録するに際して、追加されたものである。
種類103bは、そのプログラムが販売されたものか、レンタルか、自作か、放送からかなどの属性情報を示す。これは図6(a)の103aで示したとおり、伝送する段階から付されていた場合には、これをそのまま記録しても良い。
次に、図6(a)におけるコピー制御104aは、その情報を媒体に記録して良いか否かを示す。Copy Never(コピー禁止)、Copy One Generation(一世代のみコピー認可)、Copy Free(コピー認可)のうちいずれかを、情報の作成者など著作権者が選択して決めるものである。放送では、さきの図2の管理情報付与回路16で与えられることが多い。図6(b)におけるコピー制御104bは、この104aの情報を基に記録に際し必要に応じて、図4の記録符号化回路4105でこれを書替えたものである。104aが Copy Free を示す場合は、そのまま記録して良い。Copy One Generation を示す場合は、原則として Copy No more (Copy One Generationで一回コピーされたもので、これ以上はコピー禁止)と書替えて記録する。なお、後記する一時記録が許されていれば、Copy One Generation のままか、もしくはCopy No More と書替えるか、いずれかで一時記録される。104aが Copy Never を示す場合は、原則としては記録できないが、一時記録が許されていれば Copy never のままで記録する。情報ソフトが記録媒体で与えられる場合は、その権利者が作成時に記録する。すなわち、Copy Never,Copy One Generation,Copy No More,Copy Freeといった計4つの状態があるので、2ビットの情報で伝送できる。Copy Never は(1,1)、Copy One Generation は(1,0)、Copy No More は(0,1)、Copy free は(0,0)などとする。
APS105aは、アナログ記録機器へのコピー制御情報(APS; Analogue Protection System)であり、例えば特開昭61−288582号公報に記されているような、アナログ映像信号への擬似シンクパルスの追加等によりコピーの可否を制御する。そのままAPS105bとして記録しても良い。
Pause106aは、コピー制御情報104aが Copy Never を示すときに、前記した一時記録をして良いか否かを示す。一時記録とは、放送をある時間だけ休止したに等しい働きをするため、Pause機能とよばれる。たとえば、一時記録を認めるならば“0”、禁止するなら“1”などとすれば1ビットで伝送できる。これにより、一時記録の可否を著作権者側で管理できるようになる。また、一時記録を認める意味のないパッケージソフト(記録済ソフト)では、これを“1”と設定すれば不正な利用を幇助する恐れがなくなる。さらに、一時記録をして良い場合(“0”)で一時記録を実行する際、記録媒体に記録するPause106bの情報を、一時記録を禁止する“1”に書替えるか、またはこの情報を再生し出力する時に、“1”に書替えて出力する。これにより、その後の一時記録は一切禁止されることになり、複数の記録機での一時記録を繰返すことにより情報が永く記録媒体に残ることを阻止できる。
さらに、Copy One Generation の情報にも一時記録を認め、このビットを活用して、一時記録の可否を制御しても良い。これが一時記録を認めない“1”の場合は、コピー制御情報を Copy No More と書換えて記録する。一時記録を認める“0”の場合は、コピー制御情報を Copy One Generation のままで記録するか、またはCopy No More と書換えて記録したうえで、再生し出力する際に、制限時間内であれば、Copy One Generation と、図4の信号出力回路4208などで書換えて出力する。
いずれの場合でも、一時記録を認める“0”である時は、これを“1”と、図4の記録符号化回路4105などで書換えて記録すると良い。制限時間内に、他の装置へ繰返して一時記録される問題が解消できる。さきのコピー制御104a,104bと、Pause106a,106bは図6のなかで、本発明において最も重要な要素の一つである。
時刻107aは、たとえば、図2の管理情報付与回路16で与えられた放送時の現在時刻である。これをそのまま記録時刻107bとして記録しても良く、また図4の時計4211を校正して、これを記録しても良い。この記録は、たとえばセクタ単位で行われる。たとえばコピー制御情報を Copy Never とされた情報の一時記録は、再生し視聴できる時間の制限があるが、この管理を行う上では時刻107a,107bが重要である。
放送方式108aは、HD情報(HD;High Definition;高精細)、SD情報(SD;Standard Definition;標準精細)など、その情報が用いている放送方式を示す。これをそのまま108bとして記録しても良い。
Pause時間109aは、本発明においてユーザの使い勝手を向上するためのものである。Pause時間とは、Copy Never の情報の場合、一時記録した後再生し視聴できる制限時間を意味する。これは一般には90分ないし120分と短いため、ユーザにとって不便な場合がある。そこで、Pause時間109aとして例えば3ビットを付してやれば、各種の時間設定ができる。(“001”は90分、“010”は一日、“011”は一週間、“100”は一ヶ月、“101”は半年、“110”は一年、“111”は無制限などとする)。これにより、著作権者などの管理のもと、Pause時間の短さに由来するユーザの不便を解消できるという効果がある。これをそのまま109bとして記録しても良い。
なお、 Copy One Generation の情報にも一時記録を認める場合にも、このビットを活用しても良い。一時記録した後、この期間はコピー制御情報104bを Copy One Generation のままとし、制限時間を経過した後、Copy No More と書換えるようにする。あるいは、コピー制御情報104bを Copy No More と書換えて記録し、制限時間内に再生した際は、これを Copy One Generation と、図4の信号出力回路4208などで書換えて出力する。
なお、このPause時間は上記の場合、3ビットの情報として伝送され、記録再生されるだけであるから、そのままではユーザが内容を知ることはできない。たとえば図3のデコード回路308に文字加算機能を付し、ディスプレイ5に表示される映像に、図8に示すようなPause時間の表示を出すと良い。これは制御回路311からの指示によっても可能である。勿論、再生する情報に対して同様の表示を行っても良い。
図6(b)において、ユーザ識別110は、記録時と同じ装置あるいはユーザでしか再生できなくするなどのために、ユーザ固有のコードを用いる際に記録する。暗号化情報111は、暗号化して記録された情報を再生し、暗号を復号する際に使われる。情報そのもののデータ量が多い時は、コード番号を記録しておき、再生装置で予め記憶された対応する情報を引き出して使うようにしても良い。図4における暗号化回路4103での暗号化キー、ないし、それをさらにデバイスキーで暗号化したものを、ここに入れても良い。ユーザ識別110、暗号化情報111は、記録する際に追加されるものである。
以上は必要に応じ映像のフレーム毎、或いは決まった量のデータ毎など比較的細かい時間間隔で記録される。図6で示した制御情報信号の構成は一例であり、構成、媒体上での記録位置、頻度など様々なものが適用可能である。また本発明において、その内容は全てが必須ではなく、いくつかが省略されていても良い。順番がこれに限定されないことは勿論である。
図7は記録媒体上での制御情報信号と、映像音声などの情報データとの記録位置を、模式的に描いたものである。同図で(a)はテープ媒体に適したものである。この場合、制御信号のブロックはたとえば記録トラック毎にあることが望まれる。したがって、トラック毎に映像音声などの情報に、たとえば先行してそのヘッダー部などに制御情報のブロックが配置される。(b)はディジタルビデオディスクなどに適したものである。この場合、ある情報量のセクタ毎にあることが望まれる。従って、セクタ毎そのヘッダー部などに配置される。(c)はハードディスクなどに適したものである。この場合、映像音声などの情報と制御情報とはディスク上で離れた位置に記録し、起動時は短時間の内に全体の制御情報を読み取れるようにすると良い。
Copy Never とされた情報は、一時記録を開始した後、許された制限時間(図6のPause時間)を経過した後は、再生の有無に係わらず視聴できなくなる。この場合、その時点の放送をディスプレイに映出しても良いが、制限時間を経過する前に、自動的に一時記録したものを最初から再生し映出しても良い。この時、やはり文字表示を行い、ユーザに再生することを知らせると良い。ユーザが視聴を忘れることを防止できる効果がある。ハードディスクを用いた装置などは、記録と再生を同時に行うことができるので、再生しながら、その時点の放送も引続き一時記録でき、許されたPause時間以上の放送時間を要すプログラムも、全て時間をシフトして視聴できる。
許されたPause時間を過ぎる時に再生を開始したのでは、再生中に一旦停止することができなくなる。強いて停止すれば、直ちに制限時間切れとなり、再生できなくなる。そこでユーザの選択により、Pause時間を過ぎる前に自動的に再生を開始しても良い。たとえば、90分のPause時間に対し、一時記録開始後、30分、ないし60分経過後に、再生を自動的に開始できるようにする。
ここまで、図6(a)のPause106aは、コピー制御情報104aが Copy Never を示すときに、前記した一時記録をして良いか否かを示す場合を述べた。この情報はさらに進んで、コピー制御情報が Copy One Generation を示す時にも活用することができる。すなわち、Copy One Generation の情報も一時記録を認めることがある。たとえば90分の制限時間を設定して記録した後、この期間はコピー制御情報104bを Copy One Generation のままとし、制限時間を経過した後、Copy No More と書替えるようにする。あるいは、コピー制御情報104bを Copy No More と書替えて記録し、制限時間内に再生した際は、これを Copy One Generation と、図4の信号出力回路4208などで書替えて出力する。
この場合も、制限時間内に複数の装置間で一時記録を繰返せば、永い間、Copy One Generation のまま残ってしまう。そこで、さきのPause106a,106bのビットを、ここでも一時記録をして良いか否かを示すものとして利用する。同じ情報のコピー制御情報が、同時に Copy Never, Copy One Generation の双方にはならないので利用可能である。
これが一時記録を認めない“1”の場合は“1”のままで記録し、またコピー制御情報を Copy No More と書替えて記録することで、上記した一時記録の繰り返しを阻止できる。
一時記録を認める“0”の場合は、これを“1”と書替えて記録するか、または“0”のままで記録し、再生し出力する際に“1”と書替える。コピー制御情報は Copy One Generation のままで記録するか、またはCopy No More と書替えて記録したうえで、再生し出力する際に、上記した制限時間内であれば、Copy One Generation と書替えて出力する。これにより、制限時間内で一世代のみのコピーを許すという Copy One Generation の情報の一時記録を、その繰り返しを阻止したうえで実現できる。
さらには、Pause時間109a,109bも利用して、Copy One Generation のままで記録媒体に留まる制限時間を選べるようにしても良い。このようにすれば、制限時間の短さによるユーザの不便を解消できる。なお、Copy One Generation の情報は、これを記録する際に、複数台の装置へ同時に記録することを認めることが多い。この場合、ディジタル情報を供給するバスへ、実際に接続できる装置の数だけ記録を作ることができる。
次に、図1の情報提供局1から送信された際に、図6(a)のコピー制御情報104aが Copy One Generation である場合について、本実施形態の動作を説明する。この場合は、製作者によってPause106aが規定され、一時記録を認める場合は例えば“0”、認めない場合は“1”とする。
これを受信装置3に内蔵される第一の記録再生装置4に一時記録する場合を考える。Pause106aが“1”であるならば、一時記録は行われない。
これが“0”であるならば、一時記録が可能である。この時、Pause106bは“1”と書替えて一時記録する。また、コピー制御情報104bは Copy One Generation のまま一時記録する。あるいは、コピー制御情報104bを記録符号化回路4105で Copy No More と書替えて一時記録し、再生時に記録時刻107bとPause時間109bから判断して、制限時間内であればCopy One Generation と書替えて出力する。Pause106bの書替えにより、制限時間内での一時記録の繰返しにより、長い間 Copy One Generation のまま留まることを防止できる。
なお、コピー制御情報104bを Copy One Generation のまま一時記録した場合は、例えば再生時に上記した制限時間を過ぎている時には、信号出力回路4208で Copy No More と書替えて出力する。以上述べた方法で、Copy One Generation とされた情報の一時記録が実現できる。
また第一の記録再生装置4に、一時記録ではない通常の記録を行う場合を考える。この時、記録符号化回路4105でコピー制御情報104bを Copy No More と書替え、Pause106bを“1”として媒体へ記録する。
以上のように第一の記録再生装置4で記録し、また再生された情報を、2つの記録再生部61,62を有する第二の記録再生装置6へ供給する場合を考える。
まずこの段階で第一の記録再生装置4での、一時記録の制限時間内であれば、受信装置3で最初に受信した時と同様に、Copy One Generation としての扱いを行え、記録をすることができる。但し、Pause106bは“1”となっているので、一時記録を行うことはできない。一時記録は、情報を第一の記録再生装置4を介さずに受信装置3から直接受け、Pause106aが“0”であった場合にのみ可能である。
記録を行う際に、記録符号化回路4105でコピー制御情報104bは Copy No More と書替えられ、これ以上のコピーは取れないようにされる。これで、元々のCopy One Generation(一世代のみコピー認可)とする意図が達成できる。
この場合、前記したように2個(一般にn個)の記録再生部を有する装置を認証限界の最大62台集めて接続すると、コピー媒体が最大124個(一般に62×n個)発生する問題がある。これでは著作権者に新たな不利益を生む。本実施形態では、これを解決するために次のようにする。
一つは、第二の記録再生装置6は複数の記録再生部を持つのであるが、Copy One Generation である情報を記録する時は、いずれか一つの記録再生部のみに記録するように構成することである。いずれを選ぶかは、ユーザに選択させても良く、また装置側で選んでも良い。
または、ソース側装置(この場合は第一の記録再生装置4)からみて、接続し認証するシンク側装置(この場合は第二の記録再生装置6)の数を、例えば従来の半分の31台に制限することである。これは、再生制御回路4212のソフトウェア上の操作で容易に実現でき、シンク側装置がn=2個の記録再生部を持つものだけであるならば有効である。しかし、n=3個以上の記録再生部をもつ装置が含まれれば、62個以上の記録媒体が作成され、逆に、n=1個の記録再生部だけの装置を接続した場合は、31個の記録媒体しか作成できなくなる。
すなわち、接続し認証するシンク側装置の数がm台に制限し、シンク側装置で記録できる記録再生部(媒体)の数をn個に制限すれば、コピーの数を最大m×n個に制限することができる。
そこで、他の実施形態では、接続した装置との認証を行なう動作において、ソース側装置が、接続されたシンク側装置の記録再生部の数を把握する方法を用いる。認証とは、複数の装置をケーブルなどで接続した際に、まずシンク側装置からソース側装置へキー情報を送ることで開始される。このキー情報は、シンク側装置が、例えば前記したコピー制御情報に従って動作する装置であることを、ソース側装置へ知らせる働きをする。このキー情報により、ソース側装置がシンク側装置へ情報を与えて良いと判断すれば認証が成立し、装置間でコピー並びに以下で述べる移動などの動作が行われる。従って、認証が成立しなければ、その装置間でこれらの動作を行うことはできない。
シンク側装置からソース側装置へ送るキー情報に、シンク側装置の持つ記録再生部の数を示すコード、ないしその時点で記録媒体を取付けてある記録再生部の数を示すコードを加え、この数をソース側装置で累計する。例えば制限数62を越した場合、これ以上シンク側装置が増えて認証のキー情報を送ったとしても、ソース側装置は認証の成立を拒否する。このようにすれば、制限数を越した数の記録媒体が作成される問題を解消できる。
なお、シンク側装置の記録再生部のうち、そのいくつかが記録した情報を誤って失った時のバックアップを目的とするならば、その分は上記した累計数に含めない方法もある。
他の方法として、2個の記録再生部61,62の一方は、媒体として取外ししないハードディスクを用い、他方は取外しできる磁気テープ、光ディスクなどの媒体を用いる場合に、特に有効な方法をあげる。これは、従来どおり62台までシンク側装置を接続し、各装置の2個の記録再生部に記録する。期待したとおりに記録を完了した後すぐに、あるいは記録を完了して取外しできる媒体を取外した際に、ハードディスク側に記録された情報を再生不能化する。つまり、記録符号化回路4105は情報として意味のない符号を発生させて、ハードディスクの該当箇所へ記録し、実質的に情報を再生利用できない程度に、少なくもその一部を、あるいは全部を再生不能化する。これにより、取外しできる媒体側での記録失敗をおこした際のバックアップを、ハードディスク側でとりながら、最終的に残る媒体の数は、従来どおり62個までに制限し、著作権者、製作者、ユーザのいずれにも不利益を与えずに、問題を解決できる。
なお、ハードディスク上に記録した情報が特定用途に限定され、例えば記録した情報を誤って失った時のバックアップを目的とするならば、再生不能化せずに残すことも考えられる。
通常はアクセスできず、記録した情報を失った時の修復のみにしか使用されないように機能が限定されていれば、実質的なコピー数を増やすことにはならず、かつ、記録した情報の信頼性を向上させることができる。
上記説明では、簡単のために、1個の記録媒体に1個のディジタル情報を記録することを前提とした。1個の記録媒体に複数個のディジタル情報が記録される場合には、記録媒体単位ではなく、ディジタル情報を単位として記録を制限することが可能である。たとえば、いずれか1個の記録媒体だけが、同じ2個のディジタル情報を記録するならば、記録できる記録媒体数は1個減って、61個とする。これもシンク側装置からソース側装置へ、記録するディジタル情報の数を知らせることで、管理できる。但し、同じ記録媒体へ同じディジタル情報を複数個記録する目的は、多くの場合、前記したように、情報を誤って失った場合のバックアップである。そこで、この場合もディジタル情報単位ではなく、記録媒体単位で記録を制限するようにしても良い。
最後に、“移動”ないし“move”と称する動作モードについて述べる。これは、コピー制御情報が Copy One Generation であった情報が記録されて、Copy No More となり、あるいは、一時記録された後、上記した制限時間を過ぎ Copy No More として出力されるようになってから、適用されるものである。Copy No More であっても、記録した媒体を増やすことがなければ、媒体を変更したとしても、著作権者などへ不利益を与えることはない。ユーザにとっては、たとえば最初ハードディスクへ記録したものを、テープへ移動して保管する手段を与えられ、使い勝手が向上する。
この移動を行うための条件は、次のとおりである。(1)新たな媒体へ記録した際に、元の媒体の情報の全体ないし一部を消去するなどして、元の媒体からは、少なくも実用レベルの品質の情報を再生出力することが出来ないようにすること。(2)移動する先の装置は1台に限られること。
これらの条件のうち(1)は、たとえばディスク媒体の場合、さきの記録符号化回路4105で、情報として意味のない符号を発生させ、たとえば暗号化情報111に上書きするなどすれば、目的を達成できる。(2)は移動元となる装置と、移動先となる装置との間で、キーの交換などによる認証を行い、これが2台の装置の間だけで1対1で成立するようにすれば良い。このようにすれば、移動先となる装置以外にもバスが接続されていたとしても、そこへ記録される恐れはなく、記録した媒体が増加することはない。
移動に際しては、移動先の装置で記録できるようにするために、移動元の装置から出力されるコピー制御情報は、Copy One Generation と書替えられる場合もある。この時、本来の Copy One Generation とは異なり、複数台の装置に記録されることを阻止せねばならない。上記したような認証を行えば、これを満足することができる。
しかし、図1で示した例では、移動先として接続された第二の記録再生装置6には2個の記録再生部があるので、たとえこの1台の記録再生装置に移動したとしても、記録した媒体が2個存在する問題がある。ソース装置との間の認証は、筐体上の接続端子を切り口とするため、認証方法の改良では解決しない。
これを解決する方法の一つは、今後開発される通称ダブルデッキでは、移動に際して、いずれか一方の記録再生部のみでしか記録できないようにすることである。これは、ユーザにいずれの装置を使用するか選択させる方法と、装置側で選択設定する方法とがある。
他の方法として、前記した例と同様に、2個の記録再生部61,62の一方が媒体として取外ししないハードディスクを用い、他方が磁気テープ、光ディスクなど取外しできる媒体を用いる場合に、特に有効な方法をあげる。これは移動の場合も、2個の記録再生部とも情報を与えて記録し、期待したとおりに記録を完了した後すぐに、あるいは、記録を完了して取外しできる媒体を取外した際に、ハードディスク側の情報を再生不能化する。つまり、記録符号化回路4105で情報として意味のない符号を発生させてハードディスク上の該当箇所へ記録し、実質的に情報を再生利用できない程度に、少なくもその一部を、あるいは全部を再生不能化する。これにより、取外しできる媒体側での記録失敗をおこした際のバックアップをハードディスク側でとりながら、最終的に残る媒体の数は、1個のみに制限し、“移動”本来の動作を実現できる。
なお、上記した移動を行った際は、ソース側である第一の記録再生装置4の該当情報は、例えば記録符号化回路4105を用いて再生不能化される。
さらに、ハードディスク側で記録した情報が特定用途に限定され、例えば記録した情報を誤って失った時のバックアップを目的とするならば、再生不能化せずに残すことも考えられる。
ここまで、ハードディスクは装置から取外されない記録媒体として述べてきた。しかしながら、これを故意に取外して他の装置へ装着し、他の装置で情報を再生される恐れがある。この場合、上記したような再生不能化を施す前に取外されると、著作権者の預かり知らないところで情報が流用されることになる。
そこで、ハードディスクへ記録する情報は、記録装置固有のデバイスキーを用いて暗号化して記録すると良い。このようにすれば、これを取外して他の装置へ装着しても、暗号を解読するためのデバイスキーを入手できず、再生して使用することはできない。このための暗号化は、やはり暗号化回路4103で行う。
1・・・・・・放送局などの情報提供局16・・・・・管理情報付与回路104a,104b・・・コピー制御105a,105b・・・APS106a,106b・・・Pause109a,109b・・・Pause時間2・・・・・・中継局3・・・・・・受信装置4・・・・・・第一の記録再生装置41・・・・・記録回路4108・・・制御検出回路4109・・・記録制御回路42・・・・・再生回路4208・・・信号出力回路4210・・・制御検出回路4212・・・再生制御回路43・・・・・記録再生部5・・・・・・ディスプレイ6・・・・・・第二の記録再生装置61・・・・・第一の記録再生部62・・・・・第二の記録再生部