JP4120305B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)を能動素子とするアクティブマトリックス型の液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
TFTを能動素子とするアクティブマトリックス型の液晶表示素子は、液晶層を挟んで対向する第1と第2の一対の基板のうち、第1の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数のTFTと、各行の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各行のTFTにそれぞれゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各列のTFTにそれぞれデータ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられ、第2の基板の内面に対向電極が設けられた構成となっている。
【0003】
なお、前記一対の基板は、前記複数の画素電極がマトリックス状に配列した表示エリアを囲む枠状シール材を介して接合されており、前記液晶層は、前記一対の基板間の前記枠状シール材により囲まれた領域に、前記枠状シール材の一辺を部分的に欠落させて形成された液晶注入口から真空注入法により液晶を充填することにより形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記液晶表示素子の液晶層厚(画素部の液晶層厚)は、従来、4μm〜5μmに設定されていたが、最近では、液晶表示素子の応答速度を速くするために、液晶層厚を例えば1,5μm程度に小さくすることが望まれている。
【0005】
しかし、従来の液晶表示素子は、液晶層厚を小さくすると、一対の基板間に液晶を充填する際に、前記基板の内面上に付着している不純物が前記画素電極に対応する画素部内の一点に集まり、その部分に点状の表示欠陥を発生するという問題をもっている。
【0006】
この発明は、画素部内に不純物の集まりによる表示欠陥を発生させること無く液晶層厚を小さくし、良好な表示品質と高速応答性を得ることができる液晶表示素子を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示素子は、液晶層を挟んで対向する第1と第2の一対の基板のうち、第1の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各行の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各行の薄膜トランジスタにそれぞれゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各列の薄膜トランジスタにそれぞれデータ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられ、第2の基板の内面に対向電極が設けられ、前記第1と第2の基板間に、前記対向電極と前記複数の画素電極とがそれぞれ互いに対向する範囲で定められる領域であって、その領域の前記液晶層の層厚に相当するギャップが予め定められた値に設定された複数の画素部と、前記複数の画素部の間に位置し、前記画素部それぞれの周囲の画素部以外の領域に、各画素部の少なくとも一辺に沿い且つ互いに連続させて、前記画素部のギャップよりも大きい値の基板間ギャップに設定された画素間部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
この液晶表示素子は、前記第1と第2の基板間に、対向電極と前記複数の画素電極とがそれぞれ互いに対向する範囲で定められる領域であって、その領域の前記液晶層の層厚に相当するギャップが予め定められた値に設定された複数の画素部と、前記複数の画素部の間に位置し、前記画素部それぞれの周囲の画素部以外の領域に、各画素部の少なくとも一辺に沿い且つ互いに連続させて、前記画素部のギャップよりも大きい値の基板間ギャップに設定された画素間部が形成されているため、液晶層厚を小さくするために前記画素部のギャップを小さくしたときの一対の基板間への液晶充填時の液晶の流れを、前記画素部とその周囲の画素間部のうち、まずギャップの小さい画素部に液晶が満たされ、その後に、基板間ギャップの大きい画素間部に液晶が満たされるようにすることができる。
【0009】
そして、前記基板の内面上の不純物は、基板間を流れる液晶流の先端に付着して液晶の流れ方向に運ばれ、前記画素部とその周囲の画素間部のうち、液晶が遅れて満たされる部分、つまり周囲から液晶が流入する部分に集まるが、この発明の液晶表示素子では、液晶が上記のような流れで基板間に充填されるため、前記不純物は、前記画素間部に集まる。
【0010】
そのため、この液晶表示素子によれば、画素部内に不純物の集まりによる表示欠陥を発生させること無く液晶層厚を小さくすることができ、したがって、良好な表示品質と高速応答性を得ることができる。
【0011】
このように、この発明の液晶表示素子は、前記第1と第2の基板間に、前記対向電極と前記複数の画素電極とがそれぞれ互いに対向する範囲で定められる領域であって、その領域の前記液晶層の層厚に相当するギャップが予め定められた値に設定された複数の画素部と、前記複数の画素部の間に位置し、前記画素部それぞれの周囲の画素部以外の領域に、各画素部の少なくとも一辺に沿い且つ互いに連続させて、前記画素部のギャップよりも大きい値の基板間ギャップに設定された画素間部が形成されているので、前記画素部内に不純物の集まりによる表示欠陥を発生させること無く液晶層厚を小さくし、良好な表示品質と高速応答性を得るようにしたものである。
【0012】
この液晶表示素子において、前記画素間部の基板間ギャップは、前記ゲート配線及びデータ配線に対応する部分を含んで前記画素部のギャップよりも大きく設定するのが望ましい。
【0013】
また、この液晶表示素子において、前記画素部と画素間部の基板間ギャップは、前記第1と第2の一方の基板の内面に、複数の画素部にそれぞれ対応する形状に形成され、前記画素部のギャップを前記画素間部の基板間ギャップより小さくするためのギャップ調整膜を設けることにより、前記画素部と画素間部とのギャップ差を前記ギャップ調整膜の膜厚によって任意に設定することができる。
【0014】
その場合、前記ギャップ調整膜は、複数の画素部にそれぞれ対応する形状に形成された無色の透明膜、あるいはカラーフィルタからなり、前記カラーフィルタ上には対向電極が形成されることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施例を示す液晶表示素子の一部切開平面図、図2は前記液晶表示素子のシール部の拡大断面図、図3は前記液晶表示素子の画素部とTFT部の拡大断面図、図4は前記液晶表示素子のゲート配線部の拡大断面図、図5は前記液晶表示素子のデータ配線部の拡大断面図である。
【0016】
なお、この液晶表示素子は、フィールドシーケンシャル液晶表示装置に用いられるものであり、カラーフィルタは備えていない。
【0017】
この液晶表示素子は、TFT(薄膜トランジスタ)をアクティブ素子とするアクティブマトリックス型液晶表示素子であり、液晶層20を挟んで対向する第1と第2の一対の基板1,2のうち、第1の基板、例えば光の入射側(図2〜図5において下側)である後側の基板(以下、後基板と言う)1の第2の基板2に対向する内面に、表示エリア内に行方向及び列方向にマトリックス状に配列させて形成された複数の透明な画素電極3と、前記複数の画素電極3にそれぞれ接続された複数のTFT4と、各行の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各行のTFT4にそれぞれゲート信号を供給する複数のゲート配線10と、各列の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各列のTFT4にそれぞれデータ信号を供給する複数のデータ配線11とが設けられている。
【0018】
前記TFT4は、図3に示したように、後基板1の基板面に形成されたゲート電極5と、このゲート電極5の上に形成されたゲート絶縁膜6と、前記ゲート絶縁膜6の上に前記ゲート電極5と対向させて形成されたi型半導体膜7と、前記i型半導体膜7の両側部の上に図示しないn型半導体膜を介して形成されたソース電極8およびドレイン電極9とからなっている。
【0019】
なお、前記TFT4のゲート絶縁膜6は、後基板1の内面全体にわたって形成されており、このゲート絶縁膜6の上に前記複数の画素電極3が形成され、これらの画素電極3に、その画素電極に対応するTFT4のソース電極8が接続されている。
【0020】
また、前記複数のゲート配線10とゲート配線11のうち、ゲート配線10は、前記後基板1の基板面に前記TFT4のゲート電極5と一体に形成され、前記ゲート絶縁膜6により覆われている。
【0021】
一方、ゲート配線11は、前記ゲート絶縁膜6の上に形成されており、前記TFT4のドレイン電極9につながっている。
【0022】
さらに、この後基板1の内面には、前記複数のTFT4と前記複数のデータ配線11を覆って、前記複数の画素電極3に対応する複数の開口を有する格子膜状のオーバーコート絶縁膜12が設けられている。
【0023】
なお、前記後基板1は、その一端縁と一側縁とにそれぞれ、前基板2の外方に突出する張出し部を有しており、前記複数のゲート配線10の一端は、前記一端縁の張出し部に導出され、前記複数のデータ配線11の一端は、前記一側縁の張出し部に導出されている。
【0024】
そして、前記複数のゲート配線10の導出端と前記複数のデータ配線11の導出端にはそれぞれ駆動回路接続用の端子部が形成されており、前記データ配線10の端子部は、その上のゲート絶縁膜6及びオーバーコート絶縁膜12に開口を形成することにより露出され、前記データ配線11の端子部は、その上のオーバーコート絶縁膜12に開口を形成することにより露出されている。
【0025】
さらに、この後基板1の液晶層20と接する面には、前記複数の画素電極3を覆って配向膜13が設けられている。
【0026】
一方、第2の基板、つまり光の出射側(図2〜図5において上側)である前側の基板(以下、前基板と言う)2の前記後基板1に対向する内面には、その基板面に、前記複数の画素電極3に対応する複数の画素部を除く領域に対応させて遮光膜14が形成されるとともに、前記画素部にそれぞれ対応させてギャップ調整膜17が設けられており、前記遮光膜14とギャップ調整膜17を覆って、前記複数の画素電極3に対向する一枚膜状の透明な対向電極15が設けられており、さらに、液晶層20と接する面に、前記対向電極15を覆って配向膜16が設けられている。なお、前記遮光膜13は、前基板2の基板面に被着された酸化クロム膜とその上に積層されたクロム膜とからなっている。
【0027】
すなわち、この前基板2の内面には、前記複数の画素部がマトリックス状に配列している表示エリア内に、前記複数の画素部にそれぞれ対応させて、前記後基板1と前基板2の間のギャップ、つまり配向膜13,16の膜面間の間隔のうち、前記複数の画素部のギャップd1と、前記複数の画素部の間の、前記画素部の周囲に位置する画素部以外の画素間部の基板間ギャップd2とを互いに異ならせるための無色の透明膜からなるギャップ調整膜17が設けられており、前記対向電極15の複数の画素電極3に対向する部分は、前記ギャップ調整膜17の上に形成されている。
【0028】
前記ギャップ調整膜17は、例えば、前記遮光膜13が形成された前基板2の基板面に感光性の透明樹脂を塗布し、その塗布膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングした後に硬化させることにより形成されたものであり、その厚さは、前記画素部のギャップd1よりも大きく設定されている。
【0029】
また、この前基板2の前記表示エリアも内面には、前記画素間部に対応させて、前記画素部の液晶層厚を規定するための複数のスペーサ18(図3参照)が予め定められたピッチで設けられている。
【0030】
このスペーサ18は、前基板2の内面上に樹脂材料を塗布し、その樹脂膜をパターニングすることにより形成されたものであり、この実施例では、前記スペーサ18を、前記遮光膜14と対向電極15との積層膜の上に、前記後基板1の複数のTFT4にそれぞれ対応させて形成し、前基板2の最も内面の配向膜16を前記スペーサ18を覆って形成している。
【0031】
そして、前記後基板1と前基板2は、前基板2の内面に設けられた前記複数のスペーサ18を、このスペーサ18を覆う配向膜16を介して後基板1の複数のTFT4に対応する部分の配向膜13面に当接させることにより、両基板1,2の基板面間の間隔d0を、前記複数の画素部のギャップd1が予め定められた液晶層厚と同じになるように調整され、その状態で、前記表示エリアを囲む枠状シール材17を介して接合されている。
【0032】
なお、前記遮光膜14と対向電極15は、その外周縁が、後述する枠状シール材19によるシール部の外周よりも僅かに内側に位置する外形に形成されており、前記配向膜13,16は、前記シール部よりも内側の領域の略全域にわたって形成されている。
【0033】
また、図では省略しているが、前記前基板2の内面に設けられた対向電極15には、前記シール材19によるシール部または前記シール部の外側に導出されたクロス接続部が形成され、前記後基板1の内面には、前記対向電極15のクロス接続部に対応するクロス電極と、このクロス電極から前記張出し部に導出された対向電極用端子とが設けられており、前記対向電極15のクロス接続部は、前記シール部またはその外側に設けられた導電性クロス材により前記クロス電極に接続されている。
【0034】
そして、液晶層20は、前記シール材19の一辺を部分的に欠落させて形成された液晶注入口21から前記一対の基板1,2間の前記シール材19で囲まれた領域に真空注入法によって液晶を充填することにより形成されており、前記液晶注入口21は、前記液晶の注入後に封止樹脂22により封止されている。
【0035】
なお、この液晶表示素子は、例えばTN(ツイステッドネマティック)型のものであり、前記液晶層20の液晶分子は、前記基板1,2間において実質的に90度のツイスト角でツイスト配向している。
【0036】
すなわち、この液晶表示素子は、前記前基板2の内面の画素間部を除く領域に、前記複数の画素部にそれぞれ対応させて、後基板1と前基板2の間(配向膜13,16の膜面間)のギャップのうち、前記複数の画素部のギャップd1と、前記画素間部の基板間ギャップd2とを互いに異ならせるためのギャップ調整膜17を設けることにより、前記複数の画素部のギャップd1を前記スペーサ18により規定される予め定められた液晶層厚に応じた値に設定し、前記画素間部の基板間ギャップd2を前記画素部のギャップd1よりも大きく設定したものである。
【0037】
前記画素部のギャップd1は、例えば1.5μmに設定されており、前記画素間部の基板間ギャップd2は、前記画素部のギャップd1の1.5〜2.5倍、つまり2.25〜3.75μmの範囲になるように設定されている。
【0038】
なお、ここで言う画素間部の基板間ギャップd2は、画素電極3とゲート配線10及びデータ配線11との間の部分のギャップであり、前記ゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分のギャップは、前記ゲート配線10及びデータ配線11と画素電極3との間の部分のギャップd2よりも前記ゲート配線10またはデータ配線11の膜厚分だけ小さい。
【0039】
ただし、前記ゲート配線10の膜厚は0.2〜0.3μm、前記データ配線11の膜厚は0.4〜0.5μmであり、したがって、前記ゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分のギャップも、前記画素部のギャップd1の1.5〜2.5倍またはそれに近い値である。
【0040】
また、前記画素部のギャップd1は、両基板1,2の基板面間の間隔d0から、ゲート絶縁膜6と画素電極3及び対向電極15と配向膜13,16とギャップ調整膜17の膜厚を差し引いた値であり、前記画素間部の基板間ギャップ(画素電極3とゲート配線10及びデータ配線11との間の部分のギャップ)d2は、前記両基板1,2の基板面間の間隔d0から、ゲート絶縁膜6とオーバーコート絶縁膜12と遮光膜14と対向電極15と配向膜13,16の膜厚を差し引いた値である。
【0041】
前記ゲート絶縁膜6の膜厚は0.2〜0.3μm、画素電極3の膜厚は0.04〜0.06μm、オーバーコート絶縁膜12の膜厚は0.15〜0.25μm、遮光膜14の膜厚は0.17〜0.19μm、対向電極15の膜厚は0.12〜0.16μmであり、配向膜13,16の膜厚はいずれも0.04〜0.06μmである。
【0042】
したがって、前記画素部のギャップd1を1.5μmにする場合、例えば前記画素間部の基板間ギャップ(画素電極3とゲート配線10及びデータ配線11との間の部分のギャップ)d2を画素部のギャップd1の1.5倍の2.25μmにするときは、前記ギャップ調整膜17を、1.03〜1.13μmの膜厚に形成すればよく、また、前記画素間部の基板間ギャップd2を画素部のギャップd1の2.5倍の3.75μmにするときは、前記ギャップ調整膜17を、2.37〜2.63μmの膜厚に形成すればよい。
【0043】
この液晶表示素子は、前記複数の画素部の間の画素間部の基板間ギャップd2を前記画素部のギャップd1よりも大きく設定しているため、液晶層厚を小さくするために前記画素部のギャップd1を小さくしたときの一対の基板1,2間への液晶充填時の液晶の流れを、前記画素部とその周囲の画素間部のうち、まず基板間ギャップd1の小さい画素部に液晶が満たされ、その後に、基板間ギャップd2の大きい画素間部に液晶が満たされるようにすることができる。
【0044】
そして、前記基板1,2の内面上に付着している不純物(図示せず)は、基板1,2間を流れる液晶流の先端に付着して液晶の流れ方向に運ばれ、前記画素部とその周囲の画素間部のうち、液晶の流入が遅れた部分、つまり周囲から液晶が流入する部分に集まるが、この液晶表示素子では、液晶が上記のような流れで基板1,2間に充填されるため、前記不純物前記画素間部に集まる。
【0045】
図6はこの実施例の液晶表示素子の液晶充填時の液晶の流れを模式的に示す図、図7は従来の液晶表示素子の画素部のギャップを小さくしたときの液晶液晶充填時の液晶の流れを模式的に示す図であり、いずれの図でも、液晶LCが流入した領域に平行斜線を施している。
【0046】
まず、従来の液晶表示素子の液晶充填時の液晶の流れを説明すると、従来の液晶表示素子は、画素電極が形成された基板の画素間にソース配線とドレイ配線が配置され、これらのソース配線とドレイ配線は画素電極より厚い膜厚で形成されているため、画素部のギャップよりも画素間部の基板間ギャップが小さい。
【0047】
そして、従来の液晶表示素子でも、前記画素部のギャップが4μm〜5μmと大きい場合は、前記画素間部の基板間ギャップも充分に大きいため、液晶注入口から注入された液晶が、前記画素部と画素間部の両方に略均等に流れ広がりながら基板間の枠状シール材で囲まれた領域に充填されるが、従来の液晶表示素子の画素部のギャップを1.5μm程度に小さくした場合は、液晶の流れに毛細管現象による差が生じ、前記画素部と画素間部とのうち、基板間ギャップが小さい画素間部に液晶が先行して流入する。
【0048】
すなわち、従来の液晶表示素子の画素部のギャップを小さくした場合は、液晶注入口から注入された液晶LCが、まず図7(a)のように画素間部Bに流入して図7(b)のように前記画素間部Bの全周が液晶LCで満たされ、その液晶LCが図7(c)〜(e)のように画素部Aにその周囲から流入し、最終的に前記画素部Aの全域に満たされる。
【0049】
そのため、従来の液晶表示素子は、応答速度を速くするために液晶層厚を小さくすると、基板間への液晶の充填時に、液晶流の先端に付着して運ばれた不純物が、画素部A内の液晶が最も遅れて満たされた部分に集まり、その部分に図7(e)に示したように高濃度の不純物含有部Pができて、点状の表示欠陥を発生する。
【0050】
それに対し、上記実施例の液晶表示素子は、画素部の周囲の画素間部の基板間ギャップd2が前記画素部のギャップd1よりも大きいため、液晶注入口21から注入された液晶LCが図6(a)のように画素部Aの端縁に到達すると、その液晶LCが、毛細管現象により図6(b)のように前記画素部Aに先行して流入し、図6(b)〜(e)のように、まず前記画素部Aの全域に液晶LCが満たされ、それを追いかけるようにして、画素間部Bが、前記画素部Aからその周囲に溢れ出した液晶LC及び前記画素間部Bを流れてきた液晶LCにより満たされる。
【0051】
そのため、この液晶表示素子では、前記画素部Aの周囲の画素間部Bのうち、液晶LCが最も遅れて満たされた部分に、液晶流の先端に付着して運ばれた不純物が集まり、その部分に、図6(c)に示したように高濃度の不純物含有部Pができる。
【0052】
なお、前記画素間部Bのうち、ゲート配線10とデータ配線11とが交差している配線交差部に対応する部分の基板間ギャップは、前記ゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分の基板間ギャップよりも小さいため、前記画素間部Bを流れてきた液晶LCが前記配線交差部の端縁に到達すると、その液晶LCが、図6(b)に示したように、前記配線交差部に対応する部分に先行して流入する。
【0053】
また、前記画素部Aからその周囲に溢れ出した液晶LCは、図6(b)に示したように、前記画素間部Bのゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分に沿ってその長さ方向に流れ広がる。
【0054】
したがって、前記画素間部Bの液晶LCが最も遅れて満たされる部分は、ほとんどの場合、前記配線交差部の両側部であり、その部分に高濃度の不純物含有部Pができる。
【0055】
そのため、この液晶表示素子によれば、画素部内に不純物の集まりによる表示欠陥を発生させること無く液晶層厚を小さくすることができ、したがって、良好な表示品質と高速応答性を得ることができる。
【0056】
なお、この液晶表示素子は、前基板2の内面に、複数の画素部を除く領域に対応する遮光膜14を有しているため、前記画素間部B内に不純物が集まっても、それが表示品質に影響することは無い。
【0057】
また、この実施例では、上述したように、前記画素間部Bの基板間ギャップ(画素電極3とゲート配線10及びデータ配線11との間の部分のギャップ)d2を、前記画素部Aの基板間ギャップd1の1.5〜2.5倍に設定しているため、注入された液晶LCを、画素間部Bよりも充分に先行させて前記画素部Aに流入させることができる。
【0058】
しかも、この実施例では、前記画素間部Bの基板間ギャップd2を、ゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分を含んで前記画素部のギャップd1よりも大きく設定しているため、液晶充填時の液晶LCの流れをより確実に、まず画素部Aに液晶LCが満たされ、その後に画素間部Bに液晶が満たされるようにすることができる。
【0059】
なお、この液晶表示素子は、画素部の液晶層厚を小さくして応答速度を速くすることができるため、フィールドシーケンシャル液晶表示装置に好適であるが、白黒画像を表示する液晶表示装置に用いることもできる。
【0060】
さらに、上記実施例では、画素部のギャップd1と画素間部の基板間ギャップd2とを互いに異ならせるためのギャップ調整膜17を、無色の透明膜としているが、前記ギャップ調整膜17はカラーフィルタでもよく、その場合は、複数の色、例えば赤、緑、青の3色のギャップ調整膜(カラーフィルタ)を交互に並べて形成することにより、フルカラー画像等のカラー画像を表示することができる。
【0061】
また、上記実施例では、画素間部の基板間ギャップd2を、画素部のギャップd1の1.5〜2.5倍にしているが、前記画素間部の基板間ギャップd2は、前記画素部のギャップd1よりも大きければよい。
【0062】
ただし、前記画素間部の基板間ギャップd2は、上述したように前記画素部のギャップd1の1.5〜2.5倍、例えば前記画素部のギャップd1を1.5μmとする場合で2.25〜3.75μmの範囲が好ましく、前記前記画素間部の基板間ギャップd2をこの範囲にすることにより、注入された液晶を、画素部よりも充分に先行させて画素間部に流入させることができるとともに、前記画素部のギャップd1と前記画素間部の基板間ギャップd2とを互いに異ならせるためのギャップ調整膜17の形成を容易にし、しかもその膜面の平坦度を高くすることができる。
【0063】
また、上記実施例では、前記画素間部の基板間ギャップd2を、ゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分を含んで前記画素部のギャップd1よりも大きくしているが、前記複数の画素部の間の、前記画素部の周囲に位置する前記画素部以外の画素間部のうち、少なくとも前記画素部の一辺に位置する画素間部の基板間ギャップd2が前記画素部のギャップd1よりも大きく設定されていれば、液晶充填時の液晶の流れを、まず画素部に液晶が満たされ、その後に画素間部に液晶が満たされるようにすることができるため、前記画素間部のうち、前記ゲート配線10及びデータ配線11に対応する部分の基板間ギャップは、必ずしも前記画素部のギャップd1よりも大きくなくてもよい。
【0064】
さらに、上記実施例では、前記ギャップ調整膜17を前基板2の内面に形成しているが、このギャップ調整膜17は、後基板1の内面に形成してもよく、また、前記ギャップ調整膜17を省略し、一対の基板1,2の一方の基板面の画素間部に対応する部分を凹入させて、前記画素間部の基板間ギャップを画素部のギャップよりも大きくしてもよい。
【0065】
また、この発明は、TN型の液晶表示素子に限らず、STN(スーパーツイステッドネマティック)型液晶表示素子、液晶分子を一方向にホモジニアス配向させたホモジニアス配向型液晶表示素子、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子等にも適用することができる。
【0066】
【発明の効果】
この発明の液晶表示素子は、前記第1と第2の基板間に、前記対向電極と前記複数の画素電極とがそれぞれ互いに対向する範囲で定められる領域であって、その領域の前記液晶層の層厚に相当するギャップが予め定められた値に設定された複数の画素部と、前記複数の画素部の間に位置し、前記画素部それぞれの周囲の画素部以外の領域に、各画素部の少なくとも一辺に沿い且つ互いに連続させて、前記画素部のギャップよりも大きい値の基板間ギャップに設定された画素間部が形成されたものであるため、液晶充填時の液晶の流れを、まず前記画素部に液晶が満たされ、その後に画素間部に液晶が満たされるようにすることができ、したがって、前記画素部内に不純物の集まりによる表示欠陥を発生させること無く液晶層厚を小さくし、良好な表示品質と高速応答性を得ることができる。
【0067】
この液晶表示素子において、前記画素間部の基板間ギャップは、前記ゲート配線及びデータ配線に対応する部分を含んで前記画素部のギャップよりも大きく設定するのが望ましく、このようにすることにより、液晶充填時の液晶の流れをより確実に、まず画素部に液晶が満たされ、その後に画素間部に液晶が満たされるようにすることができる。
【0068】
また、この液晶表示素子において、前記画素部のギャップと、前記複数の画素部の間に位置し、前記画素部それぞれの周囲の画素部以外の領域に、各画素部の少なくとも一辺に沿い且つ互いに連続させて設けた前記画素部のギャップよりも大きい値の画素間部の基板間ギャップは、前記第1と第2の一方の基板の内面に、複数の画素部にそれぞれ対応する形状に形成され、前記画素部のギャップを前記画素間部の基板間ギャップより小さくするためのギャップ調整膜を設けることにより、前記画素部と画素間部とのギャップ差を前記ギャップ調整膜の膜厚によって任意に設定することができる。
【0069】
その場合、前記ギャップ調整膜は、複数の画素部にそれぞれ対応する形状に形成された無色の透明膜、あるいはカラーフィルタが好ましく、前記ギャップ調整膜を無色の透明膜とすることにより、フィールドシーケンシャル液晶表示装置に好適な液晶表示素子を得、前記ギャップ調整膜をカラーフィルタとすることにより、カラー画像を表示する液晶表示素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示素子の一部切開平面図。
【図2】前記液晶表示素子のシール部の拡大断面図。
【図3】前記液晶表示素子の画素部とTFT部の拡大断面図。
【図4】前記液晶表示素子のゲート配線部の拡大断面図。
【図5】前記液晶表示素子のデータ配線部の拡大断面図。
【図6】前記液晶表示素子の液晶充填時の液晶の流れを模式的に示す図。
【図7】従来の液晶表示素子の画素部のギャップを小さくしたときの液晶液晶充填時の液晶の流れを模式的に示す図。
【符号の説明】
1,2…基板
3…画素電極
4…TFT
5…ゲート電極
6…ゲート絶縁膜
7…i型半導体膜
8…ソース電極
9…ドレイン電極
10…ゲート配線
11…データ配線
12…オーバーコート絶縁膜
13…配向膜
14…遮光膜
15…対向電極
15…スペーサ支持部
16…配向膜
17…ギャップ調整膜
18…スペーサ
19…シール材
20…液晶層
Claims (4)
- 液晶層を挟んで対向する第1と第2の一対の基板のうち、第1の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各行の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各行の薄膜トランジスタにそれぞれゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列の画素電極群に沿わせてその側方に形成され、各列の薄膜トランジスタにそれぞれデータ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられ、第2の基板の内面に対向電極が設けられ、前記第1と第2の基板間に、前記対向電極と前記複数の画素電極とがそれぞれ互いに対向する範囲で定められる領域であって、その領域の前記液晶層の層厚に相当するギャップが予め定められた値に設定された複数の画素部と、前記複数の画素部の間に位置し、前記画素部それぞれの周囲の画素部以外の領域に、各画素部の少なくとも一辺に沿い且つ互いに連続させて、前記画素部のギャップよりも大きい値の基板間ギャップに設定された画素間部が形成されていることを特徴とする液晶表示素子。
- 画素間部の基板間ギャップは、ゲート配線及びデータ配線に対応する部分を含んで画素部のギャップよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 第1と第2の基板の一方の内面に、複数の画素部にそれぞれ対応する形状に形成され、前記画素部のギャップを前記画素間部の基板間ギャップより小さくするための無色の透明膜からなるギャップ調整膜が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
- 第1と第2の基板の一方の内面に、複数の画素部にそれぞれ対応する形状に形成され、前記画素部のギャップを前記画素間部の基板間ギャップより小さくするためのカラーフィルタからなるギャップ調整膜と、前記ギャップ調整膜上に対向電極とを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
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