JP4118779B2 - 軸流タービン - Google Patents

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Description

本発明は、軸流タービン、特に蒸気タービン等の多段落の軸流タービンに関する。
翼列性能を決定付けるパラメータの一つとして、翼列ピッチ/翼コード比(以下t/Cと記載する)がある。tは翼列ピッチ、すなわち周方向に隣り合う翼同士の間隔であり、Cは翼コード長、つまり翼弦長さである。このt/Cには、翼列損失が最小となる最適値(t/C)optが存在し、通常、この(t/C)optを超えると、作動流体の流れが翼面から剥離し、急激に損失が増加する。(t/C)optは、翼面曲率形状や流れの条件にもよるが、一般に、約0.7〜0.9付近にあると言われる。この翼コード長に対する翼列ピッチの比(t/C)について言及したものとしては、例えば特許文献1等がある。
特開平5−187202号公報
一般的に、プラントによって作動流体の条件が異なるため、タービンに用いられる全ての翼に対し個々にt/Cを選定することは、タービン効率を向上させる上で非常に効果的である。しかしながら、例えば蒸気タービン等は、比較的段落数の少ない衝動型のものでも一般に20段程度の段落数を備えており、段落数が多い。各段落のタービン翼の翼長(翼高さ)はそれぞれ異なり、各タービンセクション(高圧、中圧、低圧)において下流側程長くなる。こうした蒸気タービン等に代表される多段落の軸流タービンを対象とした場合、全段落についてタービン翼のt/Cを個々に設計するには、性能や強度等の検討に多大な労力及び時間を要する。また、設計作業や製造工程においても、多種に及ぶ翼やそれぞれに関連するデータ類を管理するには多大なコストを要し、前述の如く全段落についてタービン翼のt/Cを設定することは、現実的には困難である。
本発明の目的は、設計に要する労力及び時間を軽減し、低コストで製作可能な軸流タービンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、タービンセクション内の段落を連続する複数の段落群に区分し、上流側の段落群に使用されるタービン翼の根元部の翼列ピッチ/翼コード比を、下流側段落群に使用されるタービン翼の根元部の翼列ピッチ/翼コード比よりも大きく設定する。
本発明によれば、設計や製作に要するコストを抑制しつつ、タービンセクション全体として効率向上を図ることができる。
以下に、本発明の軸流タービンの実施形態を図面を用いて説明する。
始めに、図1〜図7を用い、一般的なタービン動翼を例に本発明の原理を説明する。
図1は、タービン径方向外側から、つまり翼先端部側から見たタービン動翼モデルの平面図である。
この図1において、タービン動翼100は、タービン軸方向(言い換えれば作動流体の流れ方向)から見て、図示しない回転軸の外周部に放射状に複数取り付けられ、1段の動翼翼列を形成する。こうした動翼翼列において、周方向(図1中、上下方向)に隣り合うタービン動翼100同士の間隔、すなわち翼列ピッチをtとし、また翼弦長さ、つまり翼コード長をCとすると、翼コード長Cに対する翼列ピッチtの比(翼列ピッチ/翼コード比=t/C)は、翼列性能を決定付ける重要なパラメータの1つとなる。
図2は翼列ピッチ/翼コード比と作動流体のエネルギー損失との相関関係を表す図である。また、図3は図1に示した翼形の翼面圧力分布の模式図で、この図3では、横軸に翼の軸方向幅に対する前縁からの距離を、縦軸に前縁部における作動流体の圧力P01(=最大圧)に対する翼形各所の圧力比(無次元圧力)をとっている。
図2に示すように、t/Cには、エネルギー損失係数が最小となる最適値(t/C)optが存在し、通常、この(t/C)optを超えると、作動流体の剥離領域が発生若しくは拡大し、急激にエネルギー損失が増大する。図3で見た場合、最小圧力Pminとなる翼形の圧力最小位置Xpminから翼後縁に向かう逆圧力勾配が過大になると、境界層が逆圧力勾配に耐え切れず翼面から剥離する。t/Cと翼列損失との相関関係については、翼列翼形の直線翼列風洞試験や数値流体解析等で確認されており、翼面曲率形状や流れの条件にもよるが、一般に、0.7〜0.9付近に(t/C)optが存在するとされている。
また、図4は、タービン動翼における翼長方向の位置(高さ位置)とt/Cとの関係を表した図である。
前述したように、実際のタービン動翼は、回転軸に対し軸方向から見て放射状に取り付けられるため、翼先端に行くにつれて翼列ピッチtが拡大する。そのため、t/Cは、翼根元部から翼先端部に向かって増大し、翼先端部付近で最大となる。図4に示すように、タービン動翼のt/Cは、一般に、翼先端部付近のt/C(以下(t/C)tipと記載する)がほぼ(t/C)optとなるように設定される。但し、剥離限界直前が最も翼形損失が小さく、そのときのt/Cは(t/C)optに近いものと一般的に考えられるが、前述したように、(t/C)optを超えると急激に剥離損失が増大するため、設計条件と実機運転状態の偏差を考慮し、実際には、翼先端部の(t/C)を(t/C)optよりは若干小さい値とする場合が多い。
上記のように、翼先端部付近のt/Cが、ほぼ(t/C)optとなるように翼形が設定されると、結果的に、通常、翼根元部のt/C(以下(t/C)rootと記載する)は、(t/C)optから最も離れた値(最小値)となる。この(t/C)rootは、翼本数の設定に直接関係してくるが、そればかりでなく、翼根元部の翼列性能にも大きな影響を及ぼす。したがって、翼高さ方向に亘る全体的な値が(t/C)optに少しでも近づくよう、(t/C)rootを増大させることが、翼性能向上、ひいてはタービンセクション(後述)全体の効率を向上させる上で重要である。なお、実際の翼根元及び翼先端部には応力集中等を避けるためフィレットと呼ばれるR加工が施されている場合がある。したがって、以下において、翼根元部及び翼先端部とは、そのフィレット部を除いた部分を指すこととする。
ここで、例えば蒸気タービン等では、低圧タービンの最終段付近の一般にキャンベル翼と称される動翼を除けば、t/Cで翼形を分類した場合、各タービンセクションに使用されるタービン動翼の種類は一般に1種類である。但し、大きさが異なっても、互いに相似関係にある翼同士は、同一種類とみなす。翼の相似拡大又は相似縮小率は主に段落毎の強度等の設計条件によって定まる。なお、タービンセクションの動翼は、各段落で翼長が異なるが、通常、全て最終段に合わせた長さで設計され、それよりも上流側の段落で使用するものは、翼先端部をカットして各段落に応じた長さに形成されることが多い。こうして先端部をカットした翼は、厳密には最終段の翼と相似関係にないが、ここでは、これらの翼も同一形状とみなす。したがって、翼根元断面の形状が、翼コード長を合わせたときに互いに一致すれば、同一種類の翼と考えて良い。
例として、同一のタービン動翼を複数作成し、使用する段落に合わせて先端部をカットした場合のタービン動翼のt/Cを図5に示す。
この図5において、各段落の翼は、最も翼長が長いタービン動翼(最終段動翼等)を予め包含するように設計される。この場合、最長の翼長をBH(III)とすると、その先端部の翼列ピッチ/翼コード比(t/C)IIItipが、(t/C)opt付近に設定されている。それよりも上流側の任意の2つの段落で使用する翼の長さが、例えばBH(II),BH(I)(BH(II)>BH(I))である場合、これらの翼は、翼長BH(III)の翼を、翼根元部からの距離がそれぞれBH(II),BH(I)のところで先端部をカットして設計される。こうして(t/C)optとなっている翼先端部をカットするため、これら翼長BH(II),BH(I)の翼には、(t/C)optとなる部分が存在しないことになる。
つまり、各段落の翼は、それぞれ(t/C)rootが同一で、翼長がBH(I),BH(II),BH(III)である段落の翼先端部の翼列ピッチ/翼コード比をそれぞれ(t/C)Itip,(t/C)IItip,(t/C)IIItipとすると、図5に示すように、(t/C)Itip<(t/C)IItip<(t/C)IIItipという関係になる。その結果、(t/C)Itip及び(t/C)IItipは、最適値(t/C)optから遠ざかり、(t/C)IIItipが(t/C)optとなるように設計された翼長BH(III)の翼に比べ空力性能は相対的に低下する。
上記のように設計される一般的な動翼では、最終段落の動翼先端位置で(t/C)optを選定するため、最終段落の翼長が長くなるほど各段落の翼の(t/C)rootが相対的に小さくなり、その分、空力性能は低下する傾向にある。また、翼長が短い上流側の段落の翼程、先端部のカット量が大きく、(t/C)tipと(t/C)optとのずれが拡大し、空力性能が低下する。このことは、言い換えれば、翼根元部付近のt/Cと(t/C)optのずれを最小にすることで、すなわち(t/C)rootを可能な限り大きくすることで、翼列性能を向上させることができるということである。なお、(t/C)rootについては翼本数が整数であるので厳密には各段落で多少差異が生じるが、その差は無視して考える。
図6は、全段落数がnのタービンセクションにおいて、全段落のタービン動翼のt/Cを(t/C)tipがほぼ(t/C)optとなるように設定したときの各段落のタービン動翼の(t/C)rootを示す図である。
この図6に示すように、全段落についてタービン動翼の翼形を(t/C)tipがほぼ(t/C)optとなるように設定すると、上流側の段落程タービン動翼の翼長が短くなるため、(t/C)rootは、上流側の段落程大きくなる。そのため、図5の例とは異なり、各段落について、翼長方向各所におけるt/Cを可能な範囲で(t/C)optに近付けることが可能となる。
このように、タービンセクション中の全段落の翼に対し個々にt/Cを選定することは、タービン効率を向上させる上で非常に効果的である。しかしながら、例えば蒸気タービン等は、比較的段落数の少ない衝動型のものでもタービン全体で一般に20段程度あり段落数が多い。この蒸気タービン等に代表されるような多段落の軸流タービンを対象とした場合、各タービンセクションの全段落についてタービン動翼のt/Cを個々に設計することは、性能や強度等の検討に多大な労力及び時間を要する。また、設計作業や製造工程においても、多種に及ぶ翼やそれぞれに関連するデータ類を管理するには多大なコストを要し、前述の如く個々の段落毎にタービン動翼のt/Cを設定していくことは、現実的には困難である。
以下に図7〜図12を用いて説明する本発明のタービン動翼の一実施形態は、以上の事柄を考慮しながらも、対象のタービンセクション中で最も効率が良くなるように、翼形を最適化するものである。
図7は、本発明の軸流タービンの適用対象の1つである蒸気タービンプラントの一例の主要構成要素の模式図である。
この図7に示した蒸気タービンプラントは、高圧タービンセクション1と、中圧タービンセクション2と、低圧タービンセクション3の3つのタービンセクションを備えている。これらタービンセクション1〜3の回転軸(図示せず)は、連結軸4〜6を介して発電機7と一体に連結されている。また、特に限定する意図ではないが、本例では、低圧タービンセクション3として、いわゆる複流排気型のものを例示しており、この低圧タービンセクション3に対し、中央部付近から蒸気が供給されると、流入した蒸気が分流され、それぞれタービン仕事をした後に両端の出口から排気されるようになっている。
なお、本願明細書で言うタービンセクションとは、これら高圧タービンセクション1、中圧タービンセクション2、低圧タービンセクション3等、分割された単体のタービンのことを意味する。本発明のタービン動翼は、こうしたタービンセクション内の回転軸に取り付けられる。
図示した蒸気タービンプラントにおいて、ポンプ(図示せず)で昇圧された給水は、ボイラ8で加熱されて高温高圧の過熱蒸気9として高圧タービンセクション1に供給される。高圧タービンセクション1で仕事をした蒸気は、低温再熱蒸気10としてボイラ8に戻り、ここで再度加熱されて高温再熱蒸気11として中圧タービンセクション2に供給される。さらに、中圧タービンセクション2で仕事をした蒸気は、連絡管12を介して低圧タービンセクション3に供給される。複流排気の低圧タービンセクション3で仕事をした蒸気13は、復水器14へと導かれ、再び以上のように各タービンセクション1〜3に循環供給される。
そして、このようにして蒸気の流体エネルギーを各タービンセクション1〜3の回転軸の回転エネルギーに変換し、この回転エネルギーを発電機7に伝達することによって、電気エネルギーを得る。
図8は、発電プラントの任意のタービンセクション、例えば図7に示した蒸気タービンプラントの高圧タービンセクション1等について、各段落とそこに使用されるタービン動翼の(t/C)rootとの関係を模式的に表した図である。但し、この図8において、対象のタービンセクションの全段落数は、(K+M+N)段落であるとする。K,M,Nはいずれも整数である。なお、段落とは、軸方向に隣接する1組の静翼翼列及び動翼翼列からなるものである。
まず、本発明においては、図8に示すように、タービンセクションの段落を、初段から最終段にかけて複数の段落群にグループ分けする。図8では、第1段(初段)から第K段までの合計K段落の段落群であるグループI、続く第(K+1)段から第(K+M)段までの合計M段落の段落群であるグループII、及び、第(K+M+1)段から第(K+M+N)段までの合計N段落の段落群であるグループIIIの3グループに区分する場合を例示している。
図9は、グループI〜IIIで使用されるタービン動翼のt/Cと翼長方向位置との関係を表す図である。
この図9において、グループI内の最終段落のタービン動翼における翼長方向位置(高さ位置)とt/Cとの関係は、線分Aにより表される。グループI内の各段落で使用されるタービン動翼は、まず、該タービン動翼が割り当てられたグループIの最終段落の翼長BH(I)に合わせて設計され、その翼先端部の(t/C)が(t/C)optとなるように設計される。そしてその後、翼根元部から使用される段落で必要な長さだけを残し、先端部を切り落として所望の長さに形成される。したがって、グループI内においては、あるタービン動翼の翼根元部の翼列ピッチ/翼コード比(t/C)Irootは、該タービン動翼が割り当てられたこのグループI内の他のタービン動翼の(t/C)rootにほぼ等しい。また、このグループI内の各段落で使用されるタービン動翼の翼長は、0〜BH(I)の範囲内の値となり、(t/C)tipは、線分Aを基準線として各々の翼長に対応する値となる。例えば、グループI内の最終段落のタービン動翼は、翼長がBH(I)であるため、(t/C)tipが(t/C)optである。
同様に、グループII(グループIII)内の最終段落のタービン動翼における翼長方向位置(高さ位置)とt/Cとの関係は、線分B(又は線分C)により表される。グループII(又はグループIII)内の各段落で使用されるタービン動翼も、まず、該タービン動翼がそれぞれ割り当てられたグループII(又はグループIII)の最終段落の翼長BH(II)(又は翼長BH(III))に合わせて設計され、その翼先端部の(t/C)が(t/C)optとなるように設計される。そしてその後、翼根元部から使用される段落で必要な長さだけを残し、先端部を切り落として所望の長さに形成される。したがって、グループII(又はグループIII)内においても、ある翼の翼根元部の翼列ピッチ/翼コード比(t/C)IIroot(又は(t/C)IIIroot)は、該タービン動翼が割り当てられたこのグループII(又はグループIII)内の他のタービン動翼の(t/C)rootとほぼ等しい。また、グループII(又はグループIII)内の各段落で使用されるタービン動翼の翼長は、BH(I)〜BH(II)(又はBH(II)〜BH(III))の範囲内の値となり、(t/C)tipは、線分B(又は線分C)を基準線として各々の翼長に対応する値となる。勿論、グループII(又はグループIII)内の最終段落のタービン動翼は、翼長がBH(II)(又はBH(III))であり、(t/C)tipが(t/C)optにほぼ等しい。このように、各グループI〜III内の最終段落のタービン動翼の(t/C)tipはほぼ同一であり、(t/C)optにほぼ等しい。上述の線分A〜Cに代表されるt/Cと翼長方向位置との関係は、本明細書中の図面では全て直線で表されているが、必ずしも直線である必要はなく、t/Cは翼長方向位置に対し、単調増加であれば良く、曲線でも良い。
上記のように、それぞれの最終段落のタービン動翼の翼先端部に(t/C)optを設定したことによって、グループI〜IIIで使用されるタービン動翼の群は、(t/C)rootが異なっており、(t/C)rootの大小関係は、下流側の段落群に比して上流側の段落群が大きく設定され、本例では、(t/C)Iroot>(t/C)IIroot>(t/C)IIIrootとなる。仮に、本実施形態のように、タービンセクション内の段落をグループ分けせず、従来のようにタービンセクションの最終段落に合わせた翼長の翼先端部に(t/C)optを設定し、使用する段落に応じて翼先端部をカットして所望の長さに形成する場合、各段落に使用されるタービン動翼の(t/C)tipは、図9の線分Cを基準線として各々の翼長に対応する値となり、上流側の段落のタービン動翼の(t/C)tipは、(t/C)optよりも著しく小さな値となる。これは段落数が多いタービンセクションほど顕著となる。また、(t/C)rootは、各段落のタービン動翼とも、図9に示した(t/C)IIIrootとほぼ同一の値となる。
ここで、図8には、従来例として、各段落のタービン動翼を、最終段落に合わせて形成された動翼の翼先端部をカットすることによって所望の翼長となるように形成した例を点線で示したが、この場合、タービンセクション内における全ての段落のタービン動翼の(t/C)rootがほぼ同一である。この従来例と比較して分かるように、本実施形態は、グループIIIに区分された段落のタービン動翼については(t/C)rootが従来例とほぼ同一となるが、グループII、グループIと上流側のグループになるほど、タービン動翼の(t/C)rootが、従来例に比べて大きくなる。つまり、グループIII内のタービン動翼は、従来例における対応の段落に使用されるタービン動翼と、翼長方向の各所の(t/C)がほぼ一致するので翼性能的には変わらないが、翼長がそれ以下のグループI,II内で使用されるタービン動翼では、従来例における対応のタービン動翼と比較して、翼長方向各所の(t/C)が大きく、翼単体として全体的な(t/C)が(t/C)optに近い値となる。
なお、図8では、横軸に段落をとったが、段落と使用するタービン動翼の翼長は対応するので、図10のように翼長を横軸にとっても、各段落の(t/C)rootは、図8と同様に表せる。
図11は、図8及び図10のようにグループ分けした本実施形態の場合における各グループのタービン動翼の根元部のエネルギー損失を模式的に表した図である。
この図11に示すように、上記のようにグループI〜IIIにグループ分けし、各グループの最終段落の翼先端部がほぼ(t/C)optとなるようにタービン動翼を形成したことによって、グループ毎にタービン動翼の(t/C)rootが異なり、上流側の翼長の短いグループほど、(t/C)rootが(t/C)optに近い値となる。すなわち、本実施形態においては、上流側のグループI,IIに区分された1つ1つのタービン動翼について、翼長全長に亘る全体的なt/Cを、従来例の場合よりも(t/C)optに近付けることができる。図8に図示した従来例の場合、タービンセクション内の全てのタービン動翼の(t/C)rootが、図11における(t/C)IIIrootとほぼ同一の値となるが、本実施形態においては、それよりもグループI,IIに区分されたタービン動翼のエネルギー損失が低減することができるので、その分、タービンセクション全体の翼形損失を低減することができ、タービン効率を向上させることができる。
以上のように、各タービンセクション内を複数にグループ化し、そのグループ単位でt/Cを最適化した翼を適用することにより、タービンセクション全体としてタービン効率を向上させることができ、なおかつ全ての段落についてタービン動翼のt/Cを最適化する場合に比し、設計や製作に要するコストを抑制することができる。
なお、以上においては、一つのタービンセクション内を3つのグループに分けた場合を説明したが、3グループに限定されず、複数(2以上の整数)のグループに区分してグループ単位でタービン動翼のt/Cを最適化すれば、上記した効果が得られる。ただ、グループ数の最適値は、様々な条件、例えば顧客の要求項目(価格及び性能等)や蒸気条件、段落数等といったタービン仕様等により異なるため、一概に決定することは難しい。そこで、グループ数の増大にかかるコストやそれにより得られる効果等とのバランスを考慮に入れてグループ数を選択する例を、次に例示する。
図12は、設計や製作にかかるコスト及びタービン損失とタービンセクション内のグループ数(使用する動翼の種類)との関係を模式化して表した図である。
この図12に示すように、タービン損失は、グループ数増加に伴い始めは大きく改善するが、その後はさらにグループ数を増やしても改善効果の増大幅は徐々に減少する。それに対し、コストは、当然ながらグループ数が増えるほど増大する。したがって、図12において必要なコストと得られる損失改善の効果とのバランスを考慮すれば、損失改善効果が大きく得られる範囲、例えば3〜5グループ付近が効果的と考えられる。
また、以上においては、高圧タービンセクションを本発明の適用対象とした例を説明したが、その他のタービンセクション、例えば中圧タービンセクションや低圧タービンセクション等に対しても、本発明は適用可能である。また、本発明は、多段落(例えば8段以上)のタービンに適用するとより効果的であるが、それ以下の段落数のタービンに適用することも勿論可能である。また、蒸気タービンに限定されず、例えばガスタービン等、その他の軸流タービンにも本発明は適用可能である。さらには、動翼のスタッキング方法についても本発明の適用対象として特別な限定はなく、例えば、いわゆるストレート翼や、ねじれ翼、タンジェンシャルリーン翼、アクシャルリーン翼等といった三次元設計翼等にも本発明は適用可能である。また、本発明は、いわゆる衝動型タービンや低反動型タービンに適用すると特に効果的であるが、いわゆる反動型のタービンに対しても適用可能である。さらに、静止体である静翼に関しては、半径方向の翼列ピッチtの増大に伴い、翼コード長Cを増加させ、翼長方向の各所についてt/Cを最適値に設定することもできるが、本発明は、静翼に対して適用することもできる。これらの場合も、同様の効果が得られる。
翼先端部側から見たタービン動翼モデルの平面図である。 翼列ピッチ/翼コード比と作動流体のエネルギー損失との相関関係を表す図である。 図1に示した翼形の翼面圧力分布の模式図である。 タービン動翼における翼長方向の位置とt/Cとの関係を表した図である。 全段落について同一のタービン動翼を複数作成し、使用する段落に合わせて先端部をカットした場合のタービン動翼のt/Cを示す図である。 全段落数がnのタービンセクションにおいて、全段落のタービン動翼のt/Cを(t/C)tipがほぼ(t/C)optとなるように設定したときの各段落のタービン動翼の(t/C)rootを示す図である。 本発明の軸流タービンの適用対象の1つである蒸気タービンプラントの一例の主要構成要素の模式図である。 本発明の軸流タービンの一実施形態において、タービンセクションの各段落とそこに使用されるタービン動翼の(t/C)rootとの関係を模式的に表した図である。 本発明の軸流タービンの一実施形態において、各段落群で使用されるタービン動翼のt/Cと翼長方向位置との関係を表す図である。 本発明の軸流タービンの一実施形態において、各タービン動翼の翼長と(t/C)rootとの関係を模式的に表した図である。 本発明の軸流タービンの一実施形態における各段落群のタービン動翼の根元部のエネルギー損失を模式的に表した図である。 設計や製作にかかるコスト及びタービン損失とタービンセクション内の段落群数との関係を模式化して表した図である。
符号の説明
1 高圧タービン(タービン)
2 中圧タービン(タービン)
3 低圧タービン(タービン)
100 タービン動翼(タービン翼)
t 翼列ピッチ
C 翼コード長

Claims (2)

  1. タービン軸方向に複数の段落を備えた軸流タービンにおいて、
    前記段落を連続する複数の段落群にグループ分けし、
    前記複数の段落群内のそれぞれの最終段落のタービン翼の先端部の翼列ピッチ/翼コード比を翼列損失がほぼ最小となる値に設定し、
    各段落のタービン翼の設計を当該タービン翼が属する段落群の最終段落のタービン翼と共通化して、最終段落以外の段落のタービン翼を同じ段落群の最終段落のタービン翼と同一設計の翼の根元部から各々の段落で必要な長さ部分の形状とし、
    同一段落内における各段落のタービン翼の根元部の翼列ピッチ/翼コード比をほぼ等しく設定し、
    上流側の段落群に使用されるタービン翼の根元部の翼列ピッチ/翼コード比を下流側段落群に使用されるタービン翼の根元部の翼列ピッチ/翼コード比よりも大きく設定した
    ことを特徴とする軸流タービン。
  2. 請求項1記載の軸流タービンにおいて、前記タービン翼は、該タービン翼が使用される段落に適した翼長となるように、該タービン翼が割り当てられた前記段落群内の最終段落に合わせた翼長に形成されたタービン翼の先端部を切り落として形成されることを特徴とする軸流タービン。
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