JP4118028B2 - 位相雑音抑圧回路及び抑圧方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の受信装置において、位相雑音を抑圧することにより受信性能の劣化を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
OFDM方式の変調信号は、マルチパス妨害に強いことから、地上波のデジタル放送に利用されている。ところが、OFDM信号は、多数のサブキャリアを周波数多重しているため、位相雑音の影響を受けやすくなっている。特に、民生用のOFDM受信装置では、受信信号を最初に復調するチューナで用いられる局部発信器から発生する位相雑音により、ビット誤り率が劣化することが問題となる。
【0003】
位相雑音には2種類あり、1つは位相雑音の低域成分により発生するサブキャリアの位相変動であり、全サブキャリアが同角度で変動することからCPE(Common Phase Error)と称される。もう1つは各サブキャリア間の位相雑音が干渉し合うことにより発生するものであり、キャリアの信号対雑音比の比率が劣化することからICI(Inter Carrier Interference)と称される。
【0004】
CPEやICIは、位相雑音のスペクトラムと、サブキャリア同士の位相間隔に依存して変動する。例えば、位相雑音のスペクトラムで低域成分が大きい場合には、サブキャリア同士の位相間隔が狭くなるほど、言い換えれば、サブキャリアの数が増加するほど、急激にCPEやICIが増加し、受信信号のビット誤り率が劣化する。
【0005】
ところが、OFDM方式では、信号の構成上から、例えば、数千のサブキャリアを多重している。そのため、サブキャリアの位相雑音が干渉する位相雑音を起こしやすく、ICIの影響を受けやすいことから、受信信号のビット誤りが発生しやすくなっている。
【0006】
ここで、CPEについては、例えば、DVB−Tに規定されたCP(Continual Pilot)を利用することで、各サブキャリアからCPEを除去できることが知られている。
【0007】
また、ICIについては、例えば、特開平11−220451号公報には、有効シンボル間隔のキャリア位相差を検出し、これを用いて受信信号を位相補正することにより、複素ベースバンド信号中からCPEに加えてICIも抑圧する回路が示されている。
【0008】
以下、従来のOFDM受信装置における位相雑音を抑圧する回路について説明する。
【0009】
図8は、OFDM受信装置に用いられる位相雑音抑圧回路5xの構成を示すブロック図である。
【0010】
まず、OFDM方式の受信信号は、図示しないチューナで局部発振器からのローカル信号と混合されてからデジタル変換され、さらに複素ベースバンド信号S(m,n)に復調される。なお、複素ベースバンド信号S(m,n)については、図9を用いて後述する。位相雑音抑圧回路5xは、この複素ベースバンド信号S(m,n)に対し、位相雑音を抑圧するように補正処理を行う。
【0011】
位相雑音抑圧回路5xは、OFDM受信装置で用いられる複素ベースバンド信号を1有効シンボル期間(Tu)だけ遅延した遅延信号S(m,n)として出力するTu遅延部11と、Tu遅延部11で遅延された遅延信号S(m,n)と有効シンボル期間Tu(後述)中の複素ベースバンド信号S(m,n+Nu)の平均位相差θ(m)を求める平均位相差生成部12と、平均位相差θ(m)を有効シンボル期間Tu間隔の位相誤差とし、有効シンボル期間長(Tu長)毎に積分して直線補間を行ない、各複素ベースバンド信号S(m,n)における位相補正値θ(m,n)を生成とする位相補正値生成部13xと、位相補正値θ(m,n)から各複素ベースバンド信号S(m,n)における正弦成分の位相補正値sinθ(m,n)を生成する補正正弦成分生成部14と、位相補正値θ(m,n)から各複素ベースバンド信号S(m,n)における余弦成分の位相補正値cosθ(m,n)を生成する補正余弦成分生成部15と、位相補正正弦成分sinθ(m,n)の出力タイミング及び位相補正余弦成分cosθ(m,n)の出力タイミングに対して有効シンボル期間Tuの各サブキャリア位置に該当する各複素ベースバンド信号S(m,n)を一致させるように遅延を調整する遅延調整部16と、その遅延調整された複素ベースバンド信号S(m,n)の位相を正弦成分の位相補正値sinθ(m,n)及び余弦成分の位相補正値cosθ(m,n)を用いて、有効シンボル期間Tuの各サブキャリア位置に該当する各複素ベースバンド信号S(m,n)の位相補正演算を行なう位相補正部17とを有している。位相雑音抑圧回路5xは、上記構成により複素ベースバンド信号S(m,n)に対し、位相雑音を抑圧するように補正処理を行うことができる。
【0012】
ここで、OFDM受信装置で受信するOFDM信号の構成について説明する。図9は、1シンボルのOFDM信号の構成および、その信号の各部を処理する平均位相差生成部12と位相補正値生成部13xとを示す図である。
【0013】
OFDM信号では、有効シンボル期間Tuの最後の一部期間Tpの信号がコピーされて、前の有効シンボルとの間にガードインターバル期間Tgの信号として挿入される。従って、仮に雑音のない環境でOFTM信号を受信した場合には、ガードインターバル期間Tgの信号内容と、有効シンボル期間Tuの最後の一部期間Tpの信号内容とは、全く同じ信号となる。
【0014】
ここで、m番目に受信した1シンボル中の任意の点における複素ベースバンド信号をS(m,n)とし、ガードインターバル期間Tg中のサンプル数をNg、有効シンボル期間Tuのサンプル数をNuとする。
【0015】
すると、平均位相差生成部12では、ガードインターバル期間Tgにおける複素ベースバンド信号S(m,n)と有効シンボル期間Tuにおける複素ベースバンド信号S(m,n+Nu)とからキャリアにおける平均化した位相差θ(m)を求めることになる。また、位相補正値生成部13xでは、平均位相差θ(m)に基づいて、有効シンボル期間(Tu)の各信号長毎に積分して直線補間を行ない、各複素ベースバンド信号S(m,n)における位相補正値θ(m,n)を生成する。次に、この位相補正値θ(m,n)を用いて、補正正弦成分生成部14及び補正余弦成分生成部15で、位相補正正弦成分sinθ(m,n)及び位相補正余弦成分cosθ(m,n)を生成する。さらに、その位相補正正弦成分sinθ(m,n)及び位相補正余弦成分cosθ(m,n)を用いて、位相補正部17で、有効シンボル期間Tuの各サブキャリア位置に該当する各複素ベースバンド信号S(m,n)に対して位相補正演算を行ない補正した各複素ベースバンド信号S'(m,n)を出力する。
【0016】
補正した有効シンボル期間Tuのキャリアである複素ベースバンド信号S'(m,n)は次の数式(1)のように表される。
【数1】
Figure 0004118028
【0017】
図10は、位相雑音抑圧回路5xにおける位相補正値生成部13xの構成の例を示すブロック図である。
位相補正値生成部13xは、平均化した位相差θ(m)を有効シンボル期間Tuのサンプル数Nuで除算して各複素ベースバンド信号S(m,n)毎の位相差Δθ(m)を出力する第1除算器21と、現在のn番目の位相差Δθ(m)を前回(n−1)番目の位相差Δθ(m)と加算して位相補正値θ(m,n)を出力する第1加算器22と、各複素ベースバンド信号S(m,n)における位相補正値θ(m,n)を1信号分だけ遅延させて第1加算器22に出力する第1遅延回路23とを備えている。
【0018】
位相補正値生成部13xでは、平均位相差生成部12により得られた平均位相差θ(m)に対して、第1除算器21により有効シンボル期間(Tu)の信号長で除算することにより、サブキャリア毎の位相変化値Δθ(m)を生成し、Tu遅延部11によりサブキャリア毎に遅延させた位相変化値Δθ(m)を第1加算器22で加算することにより積分し、サブキャリア毎の位相補正値θ(m,n)を生成する。従って、第1除算器21、第1加算器22、および、第1遅延回路23により、平均化した位相差θ(m)を積分する積分回路20が形成される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通信に用いられる伝送路が時間的に変動するフェージング伝送路である場合、特に、移動体によりOFDM波を受信する場合のように受信する位相の時間的変化が大きいフェージング伝送路のような伝送路においては、高域の周波数誤差成分を含む測定誤差、及び、直線補間によるサブキャリア単位での補正値と実際の位相差との誤差が大きいことから、上記した従来の位相雑音抑圧回路を用いて補正した場合、補正を行なうことにより逆に補正した各複素ベースバンド信号S'(m,n)に誤差を含んでしまうことから、バースト状の受信誤りが増えて受信信号のビット誤りを増大させてしまうという問題があった。
【0020】
また、OFDM波を受信する場合の伝送モードが異なることによって発生するガードインターバル期間Tgの違いにより、平均位相差θ(m)を求めるためのサンプル数Ngが少なくなる場合には、そのサンプル数Ngが少ないことによって、平均位相差生成部12で検出される平均位相差θ(m)の誤差が大きくなるという問題があった。
【0021】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、受信する位相の時間的変化が大きい伝送路においても受信信号のビット誤りを減少させることができ、ガードインターバル期間Tg中のサンプル数Ngが少ない場合でも平均位相差θ(m)の誤差が大きくならない位相雑音抑圧回路及び抑圧方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の位相雑音抑圧回路は、OFDM受信装置で用いられる複素ベースバンド信号を1有効シンボル期間(Nu)遅延した遅延信号として出力するTu遅延部と、複素ベースバンド信号と遅延信号との平均位相差を生成する平均位相差生成部と、平均位相差を積分して複素ベースバンド信号を補正するための位相補正値を生成する位相補正値生成部と、位相補正値から正弦成分の補正値を生成する補正正弦成分生成部と、位相補正値から余弦成分の補正値を生成する補正余弦成分生成部と、複素ベースバンド信号の出力タイミングが正弦成分の補正値及び余弦成分の補正値を出力するタイミングと一致するように遅延させるタイミングを調整する遅延調整部と、遅延調整された複素ベースバンド信号の位相を正弦成分及び余弦成分の補正値を用いて補正演算する位相補正部とを有して、複素ベースバンド信号中から位相雑音を抑圧する回路であって、位相補正値生成部は、入力する現シンボルの平均位相差に対して、遅延させた前シンボルの補正位相差を加算する加算器と、加算器の加算結果を2で除算して補正位相差として出力する除算器と、補正位相差を、前シンボルの平均位相差に代えて遅延させて、次のシンボルの平均位相差と加算させるために加算器に出力する遅延回路とからなる入力補正回路を備え、該入力補正回路で平均位相差を補正した補正位相差を積分することを特徴とする。
【0023】
また、請求項2に記載した本発明は、請求項1に記載の位相雑音抑圧回路において、入力補正回路は、除算器の代わりに、現シンボルの平均位相差に対して第1の係数を乗算する第1乗算器と、遅延回路で遅延させた前シンボルの補正位相差に対して第2の係数を乗算する第2乗算器とを備え、加算器は、第1乗算器と第2乗算器の乗算結果同士を加算して補正位相差を生成することを特徴とする。
【0024】
また、請求項3に記載した本発明は、請求項1または2に記載の位相雑音抑圧回路において、入力補正回路は、加算器から出力される補正位相差に対して、さらに第3の係数を乗算して第2の補正位相差を出力する第3乗算器を備えることを特徴とする。
【0025】
また、請求項4に記載した本発明は、請求項2または3に記載の位相雑音抑圧回路において、入力補正回路は、各乗算器で使用される係数を、受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報を用いて切替える係数切替え回路を備えることを特徴とする。
【0026】
また、請求項5に記載した本発明は、請求項2または3に記載の位相雑音抑圧回路において、入力補正回路は、各乗算器で使用される係数を、OFDM受信装置における誤り訂正処理から得られるパケット誤りの頻度情報を用いて変更する係数変更回路を備えることを特徴とする。
【0027】
また、請求項に記載した本発明の位相雑音抑圧方法は、OFDM受信装置の複素ベースバンド信号中から位相雑音を抑圧する方法であって、(a)OFDM受信装置で用いられる複素ベースバンド信号を1有効シンボル期間(Nu)遅延した遅延信号として出力するステップと、(b)複素ベースバンド信号と遅延信号との平均位相差を生成するステップと、(c)入力する現シンボルの平均位相差に対して、遅延させた前シンボルの補正位相差を加算するステップと、(d)加算結果を2で除算して補正位相差として出力するステップと、(e)補正位相差を、前シンボルの補正位相差に代えて、次のシンボルの平均位相差と加算させるために遅延させて出力するステップと、(f)補正位相差を積分して複素ベースバンド信号を補正するための位相補正値を生成するステップと、(g)位相補正値から正弦成分の補正値を生成するステップと、(h)位相補正値から余弦成分の補正値を生成するステップと、(i)複素ベースバンド信号の遅延信号の出力タイミングが、正弦成分の補正値及び余弦成分の補正値を出力するタイミングと一致するように遅延タイミングを調整するステップと、(j)遅延調整された複素ベースバンド信号の位相を正弦成分の補正値及び余弦成分の補正値を用いて補正演算するステップを有することを特徴とする。
【0028】
また、請求項に記載した本発明は、請求項に記載の位相雑音抑圧方法において、ステップ(d)に代えて、ステップ(b)で生成された現シンボルの平均位相差に対して第1の係数を乗算するステップ(p)を、ステップ(c)の前に実施し、ステップ(e)で遅延させた前シンボルの補正位相差に対して第2の係数を乗算するステップ(q)を、ステップ(f)の前に実施し、ステップ(c)では、入力する現シンボルの平均位相差に第1の係数を乗算した値と、遅延させた前シンボルの平均位相差に第2の係数を乗算した値を加算することにより補正位相差を生成することを特徴とする。
【0029】
また、請求項に記載した本発明は、請求項6または7に記載の位相雑音抑圧方法において、補正位相差に対して、さらに第3の係数を乗算して第2補正位相差として出力するステップ(r)を、ステップ(f)の前に実施し、ステップ(f)では、第2補正位相差を積分して位相補正値を生成することを特徴とする。
【0030】
また、請求項に記載した本発明は、請求項7または8に記載の位相雑音抑圧方法において、受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報を用いて第1〜第3の各係数の少なくとも1つを切替えるステップ(s)を、各係数に対応する各ステップ(p)、ステップ(q)、および、ステップ(r)の内の最初に実施されるステップの前に実施することを特徴とする。
【0031】
また、請求項10に記載した本発明は、請求項7または8に記載の位相雑音抑圧方法において、受信したOFDM信号を復調した後の誤り訂正処理時に得られるパケット誤りの頻度情報を用いて第1〜第3の各係数の少なくとも1つを変更するステップ(t)を、各係数に対応する各ステップ(p)、ステップ(q)、および、ステップ(r)の内の最初に実施されるステップの前に実施することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明が適用されるOFDM受信装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
アンテナで受信された入力信号は、チューナ1に入力して局部発振器2から出力されたローカル信号と混合されて中間周波数(IF)信号に変換される。チューナ1から出力されたIF信号は、アナログ/デジタル(A/D)変換回路3でデジタル信号に変換され、さらに、IQ復調回路4で複素ベースバンド信号に変換される。IQ復調回路4から出力された複素ベースバンド信号は、位相雑音抑圧回路5で位相が補正されて高速フーリエ変換(FFT)回路6に出力される。FFT回路6では、OFDM信号における1シンボル期間中の有効シンボル期間Tu(サンプル数Nu)の信号に対して時間領域から周波数領域への変換(FFT処理)を実施する。この処理により各サブキャリア毎の受信データを得ることができる。受信データはサブキャリア復調回路7で復調されて復調データがOFDM受信装置100から出力される。
【0034】
図2は本発明の実施の形態1にかかる位相雑音抑圧回路5aの構成を示すブロック図である。
なお、図2の位相雑音抑圧回路5aにおいて、図8に示した従来の位相雑音抑圧回路5xと同様な機能を有する部分には同じ番号を付与して、重複する説明を省略する。
【0035】
図2の位相補正値生成部13aは、入力する現シンボルの平均位相差θ(m)に対して、遅延させた前シンボルの補正位相差θ'(m-1)を加算する第2加算器31と、第2加算器31の加算結果を2で除算して補正位相差θ'(m)として出力する第2除算器32と、補正位相差θ'(m)を、前シンボルの補正位相差θ'(m-1)に代えて遅延させて、次のシンボルS(m+1,n)の平均位相差θ(m+1)と加算させるために第2加算器31に出力する第2遅延回路33とからなる入力補正回路30を積分回路20の前段に備えている。従って、位相補正値生成部13aは、入力補正回路30で平均位相差θ(m)を補正した補正位相差θ'(m)を積分回路20で積分する。図2の位相雑音抑圧回路5aにおける他の回路は、図8に示した従来の位相雑音抑圧回路5xと同様となる。
【0036】
また、位相雑音抑圧回路5aの位相補正値生成部13aは、図10に示した従来の位相補正値生成部13xと同様に、積分回路20で、平均位相差θ(m)を有効シンボル期間Tu間隔の位相誤差とし、有効シンボル期間長(Tu長)毎に積分して直線補間を行ない、各複素ベースバンド信号S(m,n)における位相補正値θ'(m,n)を生成するが、その処理を実施する前に平均位相差θ(m)に対して入力補正を実施する。従って、本実施形態の位相補正値θ'(m,n)は、従来の位相補正値θ(m,n)とは異なり、補正正弦成分生成部14では、位相補正正弦成分sinθ'(m,n)が生成され、補正余弦成分生成部15では、位相補正余弦成分cosθ'(m,n)が生成される。また、位相補正部17では、位相補正正弦成分sinθ'(m,n)および位相補正余弦成分cosθ'(m,n)により、各複素ベースバンド信号S'(m,n)の位相補正演算が行なわれる。
【0037】
次に、本実施形態の位相補正値生成部13aの構成および動作についてさらに詳しく説明する。
図3は本発明の実施の形態1にかかる位相補正値生成部13aの構成を示すブロック図である。
【0038】
位相補正値生成部13aは、従来の位相補正値生成部13xと同様な、積分回路20の入力側となる前段に入力補正回路30を有している。入力補正回路30は、積分回路20の第1遅延回路と同様な第2遅延回路33と、第1加算器22と同様な第2加算器31と、第1除算器21の除数Nuが2に変わる第2除算器32とを備えている。
【0039】
入力補正回路30では、平均位相差θ(m)が第2加算器31に入力され、第2加算器31の出力が第2除算器32に入力され、第2除算器32の出力が積分回路20に入力されると共に、第2加算器31にも入力される構成になっている。
【0040】
位相補正値生成部13aでは、平均位相差生成部12により得られた平均位相差θ(m)に対して、第1遅延回路23により保持された前シンボルの補正位相差θ'(m-1)とが第2加算器31で加算され、その加算結果が第2除算器32により2で除算されることにより、現シンボルの補正位相差θ'(m)が生成される。
【0041】
また、本実施の形態の補正位相差θ'(m)は次の数式(2)のように表される。
【数2】
Figure 0004118028
【0042】
数式(2)では、例えば、今回の入力する現シンボルの平均位相差θ(m)が急激に変化する高周波成分を含んでいても、前回のシンボルの補正位相差θ'(m)との和を2で乗算して補正位相差θ'(m)を生成するので、高周波成分を抑圧できることがわかる。
【0043】
以上の構成及び動作を含むを本実施の形態では、OFDM受信装置の複素ベースバンド信号中から位相雑音を抑圧する方法は次のようになる。
(a)OFDM受信装置100で用いられる複素ベースバンド信号S(m,n+Nu)をTu遅延部11で1有効シンボル期間(Nu)だけ遅延した遅延信号S(m,n)として出力する。
(b)平均位相差生成部12で、(a)の複素ベースバンド信号S(m,n+Nu)と遅延信号S(m,n)との平均位相差θ(m)を生成する。
(c)入力補正回路30では、入力する現シンボルの平均位相差θ(m)に対して、第2遅延回路33で遅延された前シンボルの補正位相差θ'(m-1)を第2加算器31で加算する。
【0044】
(d)第2除算器32では、第2加算器31の加算結果を除算して補正位相差θ'(m)として出力する。
(e)第2遅延回路33では、入力する補正位相差θ'(m)を、前シンボルの補正位相差θ'(m-1)に代えて、次のシンボルの平均位相差θ(m+1)と加算させるために遅延させて出力する。
(f)積分回路20では、補正位相差θ'(m)を積分して複素ベースバンド信号S(m,n+Nu)を補正するための位相補正値θ'(m,n)を生成する。
【0045】
(g)補正正弦成分生成部14では、位相補正値θ'(m,n)から正弦成分の補正値sinθ'(m,n) を生成する。
(h)補正余弦成分生成部15では、位相補正値θ'(m,n)から余弦成分の補正値cosθ'(m,n)を生成する。
(i)遅延制御部16では、複素ベースバンド信号の遅延信号S(m,n)の出力タイミングが、正弦成分の補正値sinθ'(m,n)及び余弦成分の補正値cosθ'(m,n)を出力するタイミングと一致するように遅延タイミングを調整する。
(j)位相補正部17では、(i)で遅延調整された複素ベースバンド信号の位相を正弦成分の補正値sinθ'(m,n)及び余弦成分の補正値cosθ'(m,n)を用いて補正演算する。
【0046】
以上のように、本実施の形態では、入力補正回路30により今回の平均位相差θ(m)に対して前回のシンボルの補正結果をフィードバック形式で加算し、さらに2で除算することにより高域周波数成分を抑圧する一種のフィルタ構成を積分回路20の前段に追加したので、高域の周波数誤差成分を含む測定誤差、及び、直線補間によるサブキャリア単位での補正値と実際の位相差との補間誤差を低減することができる。
【0047】
従って、本実施の形態では、特に位相の時間的変化が大きい伝送路においても測定誤差及び及び補間誤差を大幅に低減することができるようになるので、従来より多くの伝送路において位相雑音を抑圧することができる。
【0048】
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2にかかる位相雑音抑圧回路中の位相補正値生成部13bの構成を示すブロック図である。実施の形態2の位相雑音抑圧回路全体のブロック図としては図2と同様である。実施の形態2では、位相補正値生成部13bの構成が実施の形態1とは異なる。
なお、図4の位相補正値生成部13bにおいて、図3に示した実施の形態1の位相補正値生成部13aと同様な機能を有する部分には同じ番号を付与して、重複する説明を省略する。
【0049】
位相補正値生成部13bの構成は、実施の形態1の位相補正値生成部13aの構成と次の点で異なっている。
入力補正回路40は、実施の形態1の第2除算器32の代わりに、現シンボルの平均位相差θ(m)に対して第1の係数k(m)を乗算する第1乗算器41と、第2遅延回路43で遅延させた前シンボルの補正位相差θ'(m-1)に対して第2の係数k(m-1)を乗算する第2乗算器44とを備え、さらに、第2加算器42は、第1乗算器41と第2乗算器44の乗算結果同士を加算して補正位相差θ'(m)を生成する構成になっている。その他の構成については、実施の形態1の位相補正値生成部13aの構成と同様である。
【0050】
位相補正値生成部13bでは、図2の平均位相差生成部12から出力された現シンボルの平均位相差θ(m)に対して、第1乗算器41により平均位相差θ(m)に係数k(m)を乗算したものと、第2遅延回路43により遅延させた前シンボルの補正位相差θ'(m-1)に係数k(m-1)を乗算したものとを、第2加算器42で加算することにより、現シンボルの補正位相差θ'(m)を生成する。また、第2遅延回路43では、入力する補正位相差θ'(m)を、前シンボルの補正位相差θ'(m-1)に代えて、次のシンボルの平均位相差θ(m+1)と加算させるために遅延させて出力する。
【0051】
以上の構成の動作を、実施の形態1の各ステップを利用して違いを説明すると、以下のようになる。
(1)ステップ(d)を実施しない。
(2)ステップ(d)に代えて、ステップ(b)で生成された現シンボルの平均位相差θ(m)に対して第1の係数k(m)を乗算するステップ(p)を、ステップ(c)の前に実施する。
(3)ステップ(e)で遅延させた前シンボルの補正位相差θ'(m-1)に対して第2の係数k(m-1)を乗算するステップ(q)を、前記ステップ(f)の前に実施する。
(4)ステップ(c)では、入力する現シンボルの前記平均位相差に第1の係数k(m)を乗算した値と、遅延させた前シンボルの前記平均位相差に第2の係数k(m-1)を乗算した値を加算することにより補正位相差θ'(m-1)を生成する。
【0052】
また、本実施の形態の補正位相差θ'(m)は次の数式(3)のように表される。
【数3】
Figure 0004118028
【0053】
数式(3)では、例えば、今回の入力する現シンボルの平均位相差θ(m)が急激に変化する高周波成分を含んでいる場合でも、平均位相差θ(m)に第1の係数k(m)を乗算した値と、前回のシンボルの補正位相差θ'(m)に第2の係数k(m-1)を乗算した値を加算して補正位相差θ'(m)を生成するので、第1の係数k(m)および第2の係数k(m-1)をフィルタ構成に適応させて設定することにより、効率よく高周波成分を抑圧できることがわかる。
【0054】
以上のように本実施の形態2では、平均位相差θ(m)に対してフィードバック形式のフィルタ構成に最適な係数を用いることにより、ターゲットとなる伝送路及び使用される伝送モードに対応した補正位相差θ'(m)を生成することができるので、実施の形態1よりもさらに位相雑音を抑圧することができる。
【0055】
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3にかかる位相雑音抑圧回路中の位相補正値生成部13cの構成を示すブロック図である。実施の形態3の位相雑音抑圧回路全体のブロック図としては図2と同様である。実施の形態3では、位相補正値生成部13cの構成が実施の形態1および実施の形態2とは異なる。
なお、図5の位相補正値生成部13cにおいて、図4に示した実施の形態2の位相補正値生成部13bと同様な機能を有する部分には同じ番号を付与して、重複する説明を省略する。
【0056】
位相補正値生成部13cの構成は、実施の形態2の位相補正値生成部13bの構成と次の点で異なっている。
入力補正回路50は、第2加算器52から出力される補正位相差θ'(m)に対して、さらに第3の係数k'(m)を乗算して第2の補正位相差θ"(m)を出力する第3乗算器55を備える構成になっている。その他の構成については、実施の形態2の位相補正値生成部13bの構成と同様である。
【0057】
以上の構成の動作を、実施の形態1の各ステップを利用して違いを説明すると、以下のようになる。
(5)補正位相差θ'(m)に対して、さらに第3の係数k'(m)を乗算して第2補正位相差θ"(m)として出力するステップ(r)を、ステップ(f)の前に実施する。
(6)ステップ(f)では、第2補正位相差θ"(m)を積分して位相補正値θ'(m,n)を生成する。
【0058】
また、本実施の形態の補正位相差θ"(m)は次の数式(4)のように表される。
【数4】
Figure 0004118028
【0059】
数式(4)では、例えば、今回の入力する現シンボルの平均位相差θ(m)が急激に変化する高周波成分を含んでいる場合でも、平均位相差θ(m)に第1の係数k(m)を乗算した値と、前回のシンボルの補正位相差θ'(m)に第2の係数k(m-1)を乗算した値を加算して補正位相差θ'(m)に対し、さらに第3の係数k'(m)を乗算して第2補正位相差θ"(m)生成するので、第1の係数k(m)、第2の係数k(m-1)および第3の係数k'(m)をフィルタ構成に適応させて設定することにより、いっそう効率よく高周波成分を抑圧できることがわかる。
【0060】
以上のように本実施の形態3では、平均位相差θ(m)に対して最適な第1の係数k(m)および第2の係数k(m-1)を用いたフィードバック形式のフィルタ構成に、さらに第3の係数k'(m)のゲインを掛けることにより、第2補正位相差θ"(m)のレベルを補正位相差θ'(m)よりも下げることができるので、例えば、位相雑音を大きく含む伝送路において、補間誤差によるバースト誤りの増大を軽減することができる。
【0061】
実施の形態4.
図6は本発明の実施の形態4にかかる位相雑音抑圧回路中の位相補正値生成部13dの構成を示すブロック図である。実施の形態4の位相雑音抑圧回路全体のブロック図としては図2と同様である。実施の形態4では、位相補正値生成部13dの構成が実施の形態1〜実施の形態3とは異なる。
なお、図6の位相補正値生成部13dにおいても、図5に示した実施の形態3の位相補正値生成部13cと同様な機能を有する部分には同じ番号を付与して、重複する説明を省略する。
【0062】
位相補正値生成部13dの構成は、実施の形態3の位相補正値生成部13cの構成と次の点で異なっている。
入力補正回路60は、第1乗算器61、第2乗算器、および、第3乗算器で使用される各係数k(m)、k(m-1)、k'(m)を、受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報MODEを用いて切替える係数切替え回路66を備える構成になっている。その他の構成については、実施の形態3の位相補正値生成部13cの構成と同様である。
【0063】
受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報MODEとは、OFDM(直交周波数分割多重)信号を送信する際に用いられる変調モードや伝送モードについての情報である。
すなわち、本実施の形態4の位相補正値生成部13dでは、実施の形態3の位相補正値生成部13cにおいて使用される係数k(m)、k(m-1)、k'(m)について、伝送モード情報MODEによりその値を切替えることができる。
【0064】
以上の構成の動作を、実施の形態1の各ステップを利用して違いを説明すると、以下のようになる。
(7)受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報MODEを用いて第1〜第3の各係数k(m)、k(m-1)、k'(m)の少なくとも1つを切替えるステップ(s)を、各係数k(m)、k(m-1)、k'(m)に対応する各ステップ(p)、ステップ(q)、および、ステップ(r)の内の最初に実施されるステップの前に実施する。
【0065】
以上のように本実施の形態4では、伝送されるOFDM信号の変調モードや伝送モード等の伝送モード情報MODEにより、平均位相差θ(m)に対して最適な係数k(m)、k(m-1)、k'(m)を切替えて補正できるので、OFDM波を受信する場合の伝送モードが異なることによって発生するガードインターバル期間の違いにより、平均位相差を求めるためのサンプル数が少なくなる場合であっても、そのサンプル数が少ないことによって、平均位相差生成部で検出される平均位相差の誤差が大きくならなくなり、補正誤差によるバースト誤りの増大を低減することができる。
【0066】
実施の形態5.
図7は本発明の実施の形態5にかかる位相雑音抑圧回路中の位相補正値生成部13eの構成を示すブロック図である。実施の形態5の位相雑音抑圧回路全体のブロック図としては図2と同様である。実施の形態5では、位相補正値生成部13eの構成が実施の形態1〜実施の形態4とは異なる。
なお、図7の位相補正値生成部13eにおいても、図6に示した実施の形態4の位相補正値生成部13dと同様な機能を有する部分には同じ番号を付与して、重複する説明を省略する。
【0067】
位相補正値生成部13eの構成は、実施の形態4の位相補正値生成部13dの構成と次の点で異なっている。
入力補正回路70は、第1乗算器61、第2乗算器、および、第3乗算器で使用される各係数k(m)、k(m-1)、k'(m)を、OFDM受信装置100における後段の誤り訂正処理から得られるパケット誤りの頻度情報ERRを用いて変更する係数変更回路76を備える構成になっている。その他の構成については、実施の形態4の位相補正値生成部13dの構成と同様である。
【0068】
すなわち、本実施の形態5では、位相補正信号S'(m,n)を用いて複素ベースバンド信号S(m,n+Nu)等を復調し、復調信号に対して後段の誤り訂正部で誤り訂正処理を実施するが、その際に、誤り訂正部より検出されるパケット誤りの頻度情報ERRを監視し、その頻度情報ERRを用いて、入力補正回路70で使用される係数k(m)、k(m-1)、k'(m)の最適値を検出して変更することができる。最適値とは、使用する伝送路においての最適な係数である。
【0069】
以上の構成の動作を、実施の形態1の各ステップを利用して違いを説明すると、以下のようになる。
(8)受信したOFDM信号を復調した後の誤り訂正処理時に得られるパケット誤りの頻度情報ERRを用いて第1〜第3の各係数k(m)、k(m-1)、k'(m)の少なくとも1つを変更するステップ(t)を、各係数k(m)、k(m-1)、k'(m)に対応する各ステップ(p)、ステップ(q)、および、ステップ(r)の内の最初に実施されるステップの前に実施する。
【0070】
以上のように本実施の形態5では、パケット誤りの頻度情報ERRにより平均位相差θ(m)に対して最適な係数k(m)、k(m-1)、k'(m)を変更して補正できるので、OFDM波を受信する場合の伝送モードが異なることによって発生するガードインターバル期間の違いにより、平均位相差を求めるためのサンプル数が少なくなる場合であっても、そのサンプル数が少ないことによって、平均位相差生成部で検出される平均位相差の誤差が大きくならなくなり、補正誤差によるバースト誤りの増大を低減することができる。
【0071】
なお、上記した実施形態の説明で用いた回路部、回路素子や回路ブロック等の区分は、説明しやすいように便宜上から実施したものであり、その複数の区分を一体として構成しても良く、あるいは、その一つの区分をさらに複数の回路等の区分に分割して構成しても良く、また、あるいは、その各区分を上記実施の形態とは異なるが同様な機能を有するものにより構成しても良い。また、上記した実施形態中の各区分は、ハードウエアによる構成に限らず、例えば、その区分の機能をソフトウェアにより実現しても良い。
【0072】
【発明の効果】
請求項1及び6の本発明では、入力補正回路により今回の平均位相差に対して前回のシンボルの補正結果をフィードバック形式で加算し、さらに2で除算することにより高域周波数成分を抑圧する一種のフィルタ構成を積分回路の前段に追加しているので、高域の周波数誤差成分を含む測定誤差、及び、直線補間によるサブキャリア単位での補正値と実際の位相差との補間誤差を低減することができる。
特に、位相の時間的変化(変動)が大きいフェージング伝送路においても高域の周波数誤差成分を含む測定誤差及び補間誤差を大幅に低減することができ、補正信号がバースト状の受信誤りを増大させる原因を低減することができ、従来より多くの伝送路において位相雑音を抑圧することができる。
【0073】
請求項2及びの本発明では、平均位相差に対してフィードバック形式のフィルタ構成に最適な係数を用いることにより、ターゲットとなる伝送路及び使用される伝送モードに対応した補正位相差を生成することができるので、さらに位相雑音を抑圧することができる。
【0074】
請求項3及びの本発明では、平均位相差に対して最適な第1の係数、第2の係数を用いたフィードバック形式のフィルタ構成に、さらに第3の係数のゲインを掛けることにより、第2補正位相差のレベルを補正位相差よりも下げることができるので、例えば、位相雑音を大きく含む伝送路において、補間誤差によるバースト誤りの増大を軽減することができる。
【0075】
請求項4及びの本発明では、伝送されるOFDM信号の変調モードや伝送モード等の伝送モード情報により、平均位相差に対して最適な係数を切替えて補正できるので、伝送路により適した補正位相差を検出することができ、位相雑音をより抑圧した補正信号を得ることができることから、補正誤差によるバースト誤りの増大を低減することができると共に、OFDM波を受信する場合の伝送モードが異なることによって発生するガードインターバル期間の違いにより、平均位相差を求めるためのサンプル数が少なくなる場合であっても、そのサンプル数が少ないことによって、平均位相差生成部で検出される平均位相差の誤差が大きくならなくなる。
【0076】
請求項5及び10の本発明では、パケット誤りの頻度情報により平均位相差に対して最適な係数を変更して補正できるので、伝送路により適した補正位相差を検出することができ、位相雑音をより抑圧した補正信号を得ることができることから、補正誤差によるバースト誤りの増大を低減することができると共に、OFDM波を受信する場合の伝送モードが異なることによって発生するガードインターバル期間の違いにより、平均位相差を求めるためのサンプル数が少なくなる場合であっても、そのサンプル数が少ないことによって、平均位相差生成部で検出される平均位相差の誤差が大きくならなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の位相雑音抑圧回路の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2の位相補正値生成部13aの構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態2にかかる位相補正値生成部13bの構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態3にかかる位相補正値生成部13cの構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態4にかかる位相補正値生成部13dの構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態5にかかる位相補正値生成部13eの構成を示すブロック図である。
【図8】 従来の位相雑音抑圧回路の構成を示すブロック図である。
【図9】 送信されるOFDM信号の構成および図8の回路との対応を示す図である。
【図10】 従来の位相補正値生成部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 チューナ、 2 局部発振器、 3 アナログ/デジタル(A/D)コンバータ、 4 IQ復調回路、 5、5x、5a 位相雑音抑圧回路、 6 高速フーリエ変換(FFT)回路、 7 サブキャリア復調回路、 11 Tu遅延部、 12 平均位相差生成部、 13x、13a、13b、13c、13d、13e 位相補正値生成部、 14 補正正弦成分生成部、 15 補正余弦成分生成部、 16 遅延調整部、 17 位相補正部、 20 積分回路、 21 第1除算器、 22 第1加算器、 23 第1遅延回路、 30、40、50、60、70 入力補正回路、 31、42、52、62、72 第2加算器、 32 第2除算器、 33、43、53、63、73 第2遅延回路、41、51、61、71 第1乗算器、 44、54、64、74 第2乗算器、 55、65、75 第3乗算器、 66 係数切替え回路、 76 係数変更回路、 100 OFDM(直交周波数分割多重)受信装置、 S(m,n) 複素ベースバンド信号、 Ng ガードインターバル期間のキャリア(サンプル)数、 Nu 有効シンボル期間のキャリア数、 θ(m) 平均位相差、 sinθ(m,n) 補正正弦成分、 cosθ(m,n) 補正余弦成分、 Δθ(m) キャリア毎の位相変化値、 km 第1の係数、 k(m-1) 第2の係数、 k'(m) 第3の係数、 MODE 伝送モード情報、 ERR パケット誤りの頻度情報。

Claims (10)

  1. OFDM受信装置で用いられる複素ベースバンド信号を1有効シンボル期間(Nu)遅延した遅延信号として出力するTu遅延部と、前記複素ベースバンド信号と前記遅延信号との平均位相差を生成する平均位相差生成部と、前記平均位相差を積分して前記複素ベースバンド信号を補正するための位相補正値を生成する位相補正値生成部と、前記位相補正値から正弦成分の補正値を生成する補正正弦成分生成部と、前記位相補正値から余弦成分の補正値を生成する補正余弦成分生成部と、前記複素ベースバンド信号の出力タイミングが前記正弦成分の補正値及び前記余弦成分の補正値を出力するタイミングと一致するように遅延させるタイミングを調整する遅延調整部と、前記遅延調整された複素ベースバンド信号の位相を前記正弦成分及び前記余弦成分の補正値を用いて補正演算する位相補正部とを有して、複素ベースバンド信号中から位相雑音を抑圧する回路であって、
    前記位相補正値生成部は、入力する現シンボルの前記平均位相差に対して、遅延させた前シンボルの補正位相差を加算する加算器と、
    前記加算器の加算結果を2で除算して補正位相差として出力する除算器と、
    前記補正位相差を、前記前シンボルの前記平均位相差に代えて遅延させて、次のシンボルの平均位相差と加算させるために前記加算器に出力する遅延回路と、
    からなる入力補正回路を備え、
    該入力補正回路で平均位相差を補正した補正位相差を積分することを特徴とする位相雑音抑圧回路。
  2. 前記入力補正回路は、前記除算器の代わりに、
    現シンボルの前記平均位相差に対して第1の係数を乗算する第1乗算器と、
    前記遅延回路で遅延させた前シンボルの前記補正位相差に対して第2の係数を乗算する第2乗算器とを備え、
    前記加算器は、第1乗算器と第2乗算器の乗算結果同士を加算して補正位相差を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相雑音抑圧回路。
  3. 前記入力補正回路は、前記加算器から出力される前記補正位相差に対して、さらに第3の係数を乗算して第2の補正位相差を出力する第3乗算器を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の位相雑音抑圧回路。
  4. 前記入力補正回路は、前記各乗算器で使用される係数を、受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報を用いて切替える係数切替え回路を備える
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の位相雑音抑圧回路。
  5. 前記入力補正回路は、前記各乗算器で使用される係数を、前記OFDM受信装置における誤り訂正処理から得られるパケット誤りの頻度情報を用いて変更する係数変更回路を備える
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の位相雑音抑圧回路。
  6. OFDM受信装置の複素ベースバンド信号中から位相雑音を抑圧する方法であって、
    (a)OFDM受信装置で用いられる複素ベースバンド信号を1有効シンボル期間(Nu)遅延した遅延信号として出力するステップと、
    (b)前記複素ベースバンド信号と前記遅延信号との平均位相差を生成するステップと、
    (c)入力する現シンボルの前記平均位相差に対して、遅延させた前シンボルの補正位相差を加算するステップと、
    (d)前記加算結果を2で除算して補正位相差として出力するステップと、
    (e)前記補正位相差を、前記前シンボルの前記補正位相差に代えて、次のシンボルの平均位相差と加算させるために遅延させて出力するステップと、
    (f)前記補正位相差を積分して前記複素ベースバンド信号を補正するための位相補正値を生成するステップと、
    (g)前記位相補正値から正弦成分の補正値を生成するステップと、
    (h)前記位相補正値から余弦成分の補正値を生成するステップと、
    (i)前記複素ベースバンド信号の遅延信号の出力タイミングが、前記正弦成分の補正値及び前記余弦成分の補正値を出力するタイミングと一致するように遅延タイミングを調整するステップと、
    (j)前記遅延調整された複素ベースバンド信号の位相を前記正弦成分の補正値及び前記余弦成分の補正値を用いて補正演算するステップ
    を有することを特徴とする位相雑音抑圧方法。
  7. 前記ステップ(d)に代えて、
    前記ステップ(b)で生成された現シンボルの前記平均位相差に対して第1の係数を乗算するステップ(p)を、前記ステップ(c)の前に実施し、
    前記ステップ(e)で遅延させた前シンボルの前記補正位相差に対して第2の係数を乗算するステップ(q)を、前記ステップ(f)の前に実施し、
    前記ステップ(c)では、入力する現シンボルの前記平均位相差に第1の係数を乗算した値と、遅延させた前シンボルの前記平均位相差に第2の係数を乗算した値を加算することにより補正位相差を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の位相雑音抑圧方法。
  8. 前記補正位相差に対して、さらに第3の係数を乗算して第2補正位相差として出力するステップ(r)を、前記ステップ(f)の前に実施し、
    前記ステップ(f)では、前記第2補正位相差を積分して位相補正値を生成する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の位相雑音抑圧方法。
  9. 受信したOFDM信号から抽出された伝送モード情報を用いて前記第1〜第3の各係数の少なくとも1つを切替えるステップ(s)を、前記各係数に対応する前記各ステップ(p)、ステップ(q)、および、ステップ(r)の内の最初に実施されるステップの前に実施する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の位相雑音抑圧方法。
  10. 受信したOFDM信号を復調した後の誤り訂正処理時に得られるパケット誤りの頻度情報を用いて前記第1〜第3の各係数の少なくとも1つを変更するステップ(t)を、前記各係数に対応する前記各ステップ(p)、ステップ(q)、および、ステップ(r)の内の最初に実施されるステップの前に実施する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の位相雑音抑圧方法。
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