JP4117536B2 - 列車在線検知システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車在線検知システムに係り、特に地上列車検知装置及び車上列車位置申告装置の双方を有してなる列車在線検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
平常時、列車はATC(自動列車制御装置)等の常用保安方式により運転されているが、ATCや線路等の故障の場合の運転方式として代用保安方式が設けられている。
【0003】
代用保安方式では、安全のため駅中間を1閉塞とし、駅中間に1列車のみの在線を認めている。従って、常用保安方式から代用保安方式に切り替える際には、駅中間の列車数が0であることを確認する必要がある。そのためには、代用保安方式施行中はもちろんのこと、常用保安方式施行中にも駅構内から駅中間へ出入する列車を連続して監視し、駅中間の列車在線数をカウントする必要がある。
【0004】
従来列車の在線を検知する方法として、列車の車軸数の検知を行う方法がある。これは、レールの近傍に車軸検知器を設置し、車軸検知器には予め列車の車軸数を入力しておき、列車が車軸検知器を通過するときに、車軸検知器が列車の車軸数を検知することにより列車の通過を検知するものである。
【0005】
また、特定区間の両端に列車を検知する装置を設置し、該特定区間の入口で列車の進入を検知し、該特定区間の出口で列車の出去を検知する、チェックイン・チェックアウト方式と呼ばれる在線検知方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、列車の車軸の通過の検知により在線位置を検知する方法では、情報システム規模が大きくなり、しかもフェイルセーフが必要である。さらに、この列車在線検知システムを設置するにあたり、コストのかかる車軸検知装置を新規に設置する必要がある。
【0007】
また、チェックイン・チェックアウト方式でも、列車在線検知システムを設置するにあたり、新規にコストのかかる列車検知装置を設置する必要がある。
【0008】
代用保安方式は使用頻度は低いものの、その設備は常時使用する設備と同様にメンテナンスを行う必要があるから、代用保安方式として用いる列車在線検知システムの設備は、維持コストの面からも、少ないほうがよい。
【0009】
本発明の目的は、多くの鉄道ですでに設置されている軌道回路を用いた地上列車検知装置、及び車上列車位置申告装置の双方を用い、低コストで、稼動率が高く、安全性の高い列車在線検知システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
地上側で列車を検知する装置として、連続した少なくとも2つの軌道回路(第2、第1の軌道回路)を設置するとともに、この軌道回路に接続された演算手段である論理部を設ける。また、列車に搭載された車上列車位置申告装置は、列車先頭部が位置する軌道回路を前記論理部に送信する。論理部は、前記2つの軌道回路から受信した各軌道回路の落下から扛上への変化、又は扛上から落下への変化の情報と前記車上列車位置申告装置から受信した列車先頭部が位置する軌道回路の情報に基づいて、前記2つの軌道回路間の境界を通過し、第1の軌道回路方向、もしくは第2の軌道回路方向へ進入した列車数を検知する。
【0011】
上記目的を達成する本発明の第1の手段は、地上側で列車を検知する装置として設けられる連続した少なくとも2つの軌道回路と、この軌道回路に接続された演算手段である論理部と、列車に搭載されてその列車先頭部が位置する軌道回路を前記論理部に送信する車上列車位置申告装置と、を含んでなる列車在線検知システムであって、前記論理部は、前記2つの軌道回路から受信した各軌道回路の落下から扛上への変化、又は扛上から落下への変化の情報と前記車上列車位置申告装置から受信した列車先頭部が位置する軌道回路の情報に基づいて、前記2つの軌道回路間の境界を通過した列車数を検知するよう構成されたものであることを特徴とする。
【0012】
前記論理部は、列車数を検知するに当って、次のような条件を用いる。前記連続する2つの軌道回路を列車進行方向上流側から第2、第1の軌道回路とし、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が扛上から落下に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であり、かつ、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在し、かつ、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない場合、第1の軌道回路方向の在線数を増加する(第1の軌道回路方向の在線カウントアップ条件)。また、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が落下から扛上に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であり、かつ、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在し、かつ、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない場合、第1の軌道回路方向の在線数を減少する(第1の軌道回路方向の在線カウントダウン条件)。
【0013】
前記論理部は、第1の軌道回路方向の在線カウントアップ条件が満たされたら、第1の軌道回路方向の在線数を1増加し、第1の軌道回路方向の在線カウントダウン条件が満たされたら、第1の軌道回路方向の在線数を1減少する。
【0014】
同様の方法にて第2の軌道回路方向の在線数の検知も可能であり、第1の軌道回路方向、及び、第2の軌道回路方向のどちらか一方もしくは双方の在線数を検知することができる。
【0015】
上記目的を達成する本発明の第2の手段は、上記第1の手段において、前記論理部は、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が扛上から落下に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であることを条件とし、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない、及び、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在する、のうち、いずれか一方、もしくは、双方を満たす場合は、異常検知として、論理部は不正に列車が第1の軌道回路方向に進入している旨の警報を出力するとともに第1の軌道回路方向の在線数を1増加し、また、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が落下から扛上に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であることを条件とし、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在する、及び、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない、のうち、いずれか一方、もしくは、双方を満たす場合は、異常検知として、論理部は不正に列車が第1の軌道回路方向から進出している旨の警報を出力するとともに、第1の軌道回路方向の在線数の減算は行わないように構成されていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、列車が位置申告を行わない場合、もしくは、位置申告が異常な場合においても、第1の軌道回路方向の在線数を安全側に検知可能であり、同様の方法にて第2の軌道回路方向の在線数を安全側に検知可能であり、第1の軌道回路方向、及び、第2の軌道回路方向のどちらか一方もしくは双方の在線数を安全側に検知する。
【0017】
上記目的を達成する本発明の第3の手段は、上記第1もしくは第2の手段による地上列車在線検知装置を、特定区間の各端部に夫々設置し、上記第1もしくは第2の手段による列車在線検知システムを複数用いることを特徴とする。この構成により、複数箇所の列車在線検知システム夫々の該特定区間方向の列車在線数を足し合せ、該特定区間の列車在線数を知ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、図面を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。図1に本発明の第1の実施の形態の列車在線検知システムの構成を示す。図示の列車在線検知システムは、軌道上に構成された軌道回路1及び軌道回路2と、軌道回路1及び軌道回路2に信号回線5で接続された演算手段である論理部20と、列車10上に搭載され、前記論理部20と通信可能な車上列車位置申告装置(図示せず)と、を含んで構成されている。
【0019】
論理部20は、軌道回路1、軌道回路2の2本の軌道が列車の車軸によって短絡されることにより、各軌道回路における列車の存在を軌道回路の落下として把握する。各軌道回路は、それぞれ1列車しか入れない長さとする。軌道回路1、軌道回路2で地上列車在線検知装置を形成する。
【0020】
車上列車位置申告装置は、列車の先頭部がどの軌道回路に位置しているかを検知し、結果を前記論理部20へ、申告(無線送信)する。車上列車位置申告装置が正確な位置を申告できるよう、地上列車在線検知装置の各軌道回路に列車位置補正装置(例えばトランスポンダ)を設置するようにしてもよい。尚、地上列車在線検知装置上での列車の分割及び併合は無いものとする。
【0021】
図示されていない車上位置申告装置を備えた列車10が図1の左から右へ走行する場合を考える。説明のため、図2の(a)〜(f)を用いる。図2の(a)〜(f)は時間の経過とともに列車10が(a)〜(f)のように、左から右へ走行することを示している。図2の(a)〜(f)における地上列車在線検知装置は図1と同じであるため説明を省略する。尚、図2では論理部20は図示が省略されている。
【0022】
以下の説明において、列車が左から右に進行するとき、右方在線数とは、地上列車在線検知装置を左から右方向に通過して対象とする線路区間(地上列車在線検知装置より右側の線路区間)に進入した列車の累計数をいい、左方在線数とは地上列車在線検知装置を左から右方向に通過して対象とする線路区間(地上列車在線検知装置より左側の線路区間)から出ていった(出去した)列車の累計数をいう。したがって、列車が左から右に進行するとき、右方在線数は常に正の整数でカウントアップ(正数で絶対値増加)され、左方在線数は常に負の整数でカウントダウン(負数で絶対値増加)される。
【0023】
まず、右方在線カウントアップ条件を、軌道回路1,2が同一の進路の設定状態で、軌道回路1が扛上(車軸による短絡が生じていない状態)から落下(車軸による短絡が生じている状態)に変化した時点において、軌道回路2が落下状態であり、かつ、軌道回路1を位置申告する車上位置申告装置が存在し、かつ、軌道回路2を位置申告する車上位置申告装置が存在しない場合とする。
【0024】
この右方在線カウントアップ条件により、列車が地上列車在線検知装置の右方(軌道回路1)へ進入したと論理部20は判断し、右方在線数を1増加する。但し、軌道回路1,2が同一の進路の設定状態で、軌道回路1が扛上から落下に変化した時点において、軌道回路2が落下状態であることを条件とし、軌道回路1を位置申告する車上位置申告装置が存在しない、及び、軌道回路2を位置申告する車上位置申告装置が存在する、のうち、いずれか一方、もしくは、双方を満たす場合は、異常検知として、論理部20は不正に列車が右方に進入している旨の警報を出力し、右方在線数を1増加する。すなわち、右方在線数は0から始まって1、2と、大きくなっていく。尚、軌道回路1が扛上から落下に変化した時点から軌道回路1を位置申告する車上位置申告装置が存在するまでは、車上位置申告装置の位置申告遅れのため、ある程度の時間が必要な場合があることを考慮しておく必要がある。
【0025】
左方在線カウントダウン条件を、軌道回路1、2が同一の進路の設定状態で、軌道回路2が落下から扛上に変化した時点において、軌道回路1が落下状態であり、かつ、軌道回路1を位置申告する車上位置申告装置が存在し、かつ、軌道回路2を位置申告する車上位置申告装置が存在しない場合とする。
【0026】
この左方在線カウントダウン条件により、列車が地上列車在線検知装置の左方(軌道回路2)から出去したと論理部は判断し、左方在線数を1減少する。すなわち、左方在線数は0から始まって−1、−2と、小さくなっていく。但し、軌道回路1、2が同一の進路の設定状態で、軌道回路2が落下から扛上に変化した時点において、軌道回路1が落下状態であることを条件とし、軌道回路2を位置申告する車上位置申告装置が存在する、及び、軌道回路1を位置申告する車上位置申告装置が存在しない、のうち、いずれか一方、もしくは、双方を満たす場合は、異常検知として、論理部20は不正に列車が左方から出去している旨の警報を出力し、左方在線数の減算は行わない。尚、軌道回路2が落下から扛上に変化した時点から軌道回路1を位置申告する車上位置申告装置が存在するまでは、車上位置申告装置位置申告遅れのため、ある程度の時間が必要な場合があることを考慮しておく必要がある。
【0027】
上述のように、論理部20は、車上位置申告装置から受信する列車先頭部の位置(先頭部が位置する軌道回路番号)と、軌道回路から受信する各軌道回路の落下、扛上の情報に基づき、前記在線カウントダウン条件、在線カウントアップ条件を参照して左方在線数のカウントダウン及び右方在線数のカウントアップを行う。
【0028】
図2では、列車10が軌道上を左から右へ走行する場合であるが、右から左へ走行する場合も同様の理論によって、左方在線数のカウントアップ、及び右方在線数のカウントダウンを行うことができる。また、右方もしくは左方在線数をクリアする機能を論理部に持たせる必要がある。
【0029】
図3の(a)〜(g)は、時間の経過とともに図示されていない車上位置申告装置を備えた列車10が(a)〜(g)のように走行する状態を示す図、すなわち、地上列車検知装置上で左から右へ走行中の列車10が、途中(図3の(e))で進行方向を変え、右から左に走行することを示す図である。
カウントアップ、カウントダウン条件により、図3の(c)で右方在線数が1増加し、図3の(d)で左方在線数が1減少し、図3の(f)で左方在線数が1増加し、図3の(g)で右方在線数が1減少する。すなわち、地上列車検知装置上で列車の進行方向が変わった場合でも、在線数を検知できる。
【0030】
列車10が自列車位置申告を正常に行わない場合には、図3の(c)にて不正右方進入の警報を出力し、右方在線数を1増加する。図3の(d)にては不正左方出去の警報を出力するが左方在線数の減少は行わない。図3の(f)では、不正左方進入の警報を出力し、左方在線数を1増加する。図3の(g)にては、不正右方出去の警報を出力するが右方在線数は減少させない。したがって、右方在線数、左方在線数ともに安全側に検知可能である。
【0031】
列車が左から右に進行する進路設定の時、右方在線数を監視(カウント)する場合には、常時監視するのは軌道回路1のみ、左方在線数をカウントする場合には、常時監視するのは軌道回路2のみでよい。常時監視の軌道回路が落下変化した場合にカウントアップ条件をチェックする。常時監視の軌道回路の落下時には、地上列車検知装置の2軌道回路の進路の設定状態を監視し、常時監視の軌道回路が扛上変化した場合にカウントダウン条件をチェックする。
【0032】
また、本実施の形態では、右方列車在線数及び左方列車在線数を検知することになっているが、右方在線カウントアップ数、右方在線カウントダウン数、左方在線カウントアップ数、左方在線カウントダウン数を別個にカウントすることも可能である。
【0033】
本実施の形態の列車在線検知システムは、地上列車検知装置の右方及び左方在線数を検知することが可能であるが、当然、右方もしくは左方の内、いずれか一方のみの列車在線数を検知することも可能である。
【0034】
本実施の形態によれば、多くの鉄道ですでに設置されている軌道回路を用いた地上列車検知装置、及び車上列車位置申告装置の双方を用い、低コストで、ある軌道回路2から、それに隣接する軌道回路1に移動した列車の数を計数できる。また、車上列車位置申告装置が動作しない場合でも、在線数を安全側に計数することができるから、安全性も高い。
(第2の実施の形態)
図4は、特定区間の列車在線数を知るために、2つの列車検知装置を組合せて用いた本発明の第2の実施の形態を表す概略図である。本実施の形態は、軌道回路1、2からなる地上列車検知装置Aと、軌道回路3、4からなる地上列車検知装置Bと、軌道回路1、2及び軌道回路3、4に信号線5,6で接続された論理部20と、列車10に搭載された図示されていない車上列車位置申告装置と、を含んで構成されている。
【0035】
地上列車検知装置Aは列車進行方向上流側のA駅構内に属し、地上列車検知装置BはA駅に列車進行方向下流側で隣接するB駅の構内に属する。A駅構内とB駅構内の間が駅中間である。つまり、列車進行方向上流側から、軌道回路2、軌道回路1、駅中間、軌道回路4、軌道回路3の順に配置されている。
【0036】
本実施の形態では、論理部20は地上列車検知装置Aから得られる情報と列車10に搭載された図示されていない車上列車位置申告装置からの信号に基づいて右方在線数(軌道回路2から軌道回路1に進入した列車の数)を検知し、地上列車検知装置Bから得られる情報と列車10に搭載された図示されていない車上列車位置申告装置からの信号に基づいて左方在線数(軌道回路4から軌道回路3へ出ていった列車の数)を検知する。論理部20は検知した右方在線数と左方在線数を足し合せることによって、駅中間及び軌道回路1、4からなる線路区間の在線数(以下、駅中間在線数という)を知ることができる。
地上列車検知装置Aを含む列車検知システムの右方在線数(軌道回路2から軌道回路1に進入した列車の数)と、軌道回路3、4からなる地上列車検知装置Bを含む列車検知システムの左方在線数(軌道回路4から軌道回路3へ出ていった列車の数)を足し合せることによって、駅中間及び軌道回路1、4からなる線路区間の在線数(以下、駅中間在線数という)を知ることができる。
【0037】
図4を左から右へ走行する列車10は、先頭部が軌道回路1に差しかかったら軌道回路1が扛上から落下に変化し、右方在線カウントアップ条件が満たされ、右方在線数(この場合、駅中間在線数)が1増加する。さらに列車が走行し、駅中間を経て軌道回路4を抜けると、軌道回路4が落下から扛上に変化し、左方在線カウントダウン条件を満たし、左方在線数(この場合、駅中間在線数)が1減少する。このようにして、駅中間在線数をカウントすることができる。
【0038】
上記の方法により、駅中間の列車検知装置の有無に関わらず、論理部20は駅中間在線数を知ることができる。例えば、通常は、駅構内、駅中間の双方共に、軌道回路により列車検知を行い、さらに本発明の列車検知システムを併用する。この時、何らかの原因により、駅中間の軌道回路が使用できなくなった場合でも、本実施の形態の列車在線検知システムにより、駅中間在線数を知ることができ、列車を安全に運行することができ、稼働率が上がる。
【0039】
ところで、駅中間の在線数を知るためには、図4において左から右へ走行する列車の場合、軌道回路1の右端を通過した時点で駅中間の在線数を1増加することが理想であるが、駅中間に列車検知装置が存在せず、かつ、列車が自列車位置を申告していない場合には、列車が軌道回路1の右端を通過し、駅中間に進行したことを確認できない。しかし、軌道回路1及び軌道回路4は駅中間の両端に位置するため、駅構内から駅中間へ列車が進出、もしくは駅中間から駅構内へ列車が進入する際には、必ず、軌道回路1もしくは軌道回路4を通過する。従って、駅中間在線数に軌道回路1及び軌道回路4を含めても構わない。
【0040】
なお、図4に示した実施の形態では、軌道回路1,2及び軌道回路3,4のいずれも論理部20に接続され、各軌道回路状態は全て論理部20に入力されるようになっているが、軌道回路1,2に接続された論理部Aと軌道回路3,4に接続された論理部Bを別々に設け、各独立した列車在線検知システムA,Bとしてもよい。この場合、列車在線検知システムAで右方在線数を検知し、列車在線検知システムBで左方在線数を検知し、論理部A若しくは論理部Bで、左方在線数と右方在線数を合計する構成としてもよい。あるいは論理部Aと論理部Bに接続された論理部Cを別に設け、左方在線数と右方在線数を論理部Cで合計する構成としてもよい。地上列車検知装置Aを含む列車検知システムの右方在線数(軌道回路2から軌道回路1に進入した列車の数)と、軌道回路3、4からなる地上列車検知装置Bを含む列車検知システムの左方在線数(軌道回路4から軌道回路3へ出ていった列車の数)を足し合せることによって、駅中間及び軌道回路1、4からなる線路区間の在線数(以下、駅中間在線数という)を知ることができる。
【0041】
本実施の形態によれば、駅中間の列車検知装置の有無に関わらず、駅中間在線数を知ることができ、列車を安全に運行することができ、稼働率が向上する効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の列車在線検知システムによれば、車上列車位置申告装置と地上列車在線検知装置の二重構成となるため、車上列車位置申告装置と地上列車在線検知装置の何れか一方が稼動していない場合にも安全側に在線検知可能であり、安全性と稼働率の向上した列車在線検知システムとなる。また、特定区間の両端に前述のような地上列車在線検知装置を設置することにより、その特定区間に地上列車在線検知装置が無い場合でも、特定区間の列車在線数を知ることが可能となる。さらに、既存の地上列車在線検知装置及び既存の車上位置申告装置がある場合には、それらを用いることにより列車在線検知システム専用の設備を持たずに済むため、安価に列車在線検知システムを構築する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る在線検知システムを示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施の形態において、地上列車検知装置上を列車が一方向に走行する場合の時間経過に伴う列車位置の変化を示す概略図である。
【図3】図1に示す実施の形態において、地上列車検知装置上にて列車の進行方向が変わった場合の時間経過に伴う列車位置の変化を示す概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る列車在線検知システムの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1〜4 軌道回路
5,6 信号線
10 列車
20 論理部
Claims (4)
- 地上側で列車を検知する地上列車在線検知装置として設けられる連続した少なくとも2つの軌道回路と、この軌道回路に接続された演算手段である論理部と、列車に搭載されてその列車先頭部が位置する軌道回路を前記論理部に送信する車上列車位置申告装置と、を含んでなる列車在線検知システムであって、前記論理部は、前記2つの軌道回路から受信した各軌道回路の落下から扛上への変化、又は扛上から落下への変化の情報と前記車上列車位置申告装置から受信した列車先頭部が位置する軌道回路の情報に基づいて、前記2つの軌道回路間の境界を通過した列車数を検知するよう構成されたものであることを特徴とする列車在線検知システム。
- 請求項1記載の列車在線検知システムにおいて、前記論理部は、前記連続する2つの軌道回路を列車進行方向上流側から第2、第1の軌道回路とし、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が扛上から落下に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であり、かつ、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在し、かつ、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない場合、第1の軌道回路方向の在線数を増加し、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が落下から扛上に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であり、かつ、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在し、かつ、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない場合、第1の軌道回路方向の在線数を減少するよう構成されていることを特徴とする列車在線検知システム。
- 請求項2記載の列車在線検知システムにおいて、前記論理部は、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が扛上から落下に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であることを条件とし、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない、及び、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在する、のうち、いずれか一方、もしくは、双方を満たす場合は、異常検知として、不正に列車が第1の軌道回路方向に進入している旨の警報を出力するとともに第1の軌道回路方向の在線数を1増加し、また、第1及び第2の軌道回路が同一の進路の設定状態で、第1の軌道回路が落下から扛上に変化した時点において、第2の軌道回路が落下状態であることを条件とし、第1の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在する、及び、第2の軌道回路を位置申告する車上位置申告装置が存在しない、のうち、いずれか一方、もしくは、双方を満たす場合は、異常検知として、不正に列車が第1の軌道回路方向から出去している旨の警報を出力するとともに、第1の軌道回路方向の在線数の減算は行わないように構成されていることを特徴とする列車在線検知システム。
- 特定線路区間の列車進行方向上流側端部に設けられた地上列車在線検知装置を含んで成る列車在線検知システムAと、前記特定線路区間の列車進行方向下流側端部に設けられた地上列車在線検知装置を含んで成る列車在線検知システムBと、列車に搭載されてその列車先頭部が位置する軌道回路を前記列車在線検知システムA,Bに送信する車上列車位置申告装置と、を含んでなる列車在線検知システムであって、前記列車在線検知システムA,Bは、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の列車在線検知システムであり、前記列車在線検知システムAは前記特定線路区間に進入した列車の数を検知し、前記列車在線検知システムBは前記特定線路区間から出去した列車の数を検知するよう構成され、列車在線検知システムA,Bのいずれかの論理部が、前記列車在線検知システムAで検知された列車の数と前記列車在線検知システムBで検知された列車の数を合計して前記特定線路区間の列車在線数を算出、出力するように構成されていることを特徴とする列車在線検知システム。
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