JP4114637B2 - 位置計測システム - Google Patents

位置計測システム Download PDF

Info

Publication number
JP4114637B2
JP4114637B2 JP2004159250A JP2004159250A JP4114637B2 JP 4114637 B2 JP4114637 B2 JP 4114637B2 JP 2004159250 A JP2004159250 A JP 2004159250A JP 2004159250 A JP2004159250 A JP 2004159250A JP 4114637 B2 JP4114637 B2 JP 4114637B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentric
real space
light source
measured
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004159250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005337966A (ja
Inventor
保次 瀬古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004159250A priority Critical patent/JP4114637B2/ja
Publication of JP2005337966A publication Critical patent/JP2005337966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4114637B2 publication Critical patent/JP4114637B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Description

本発明は、光や電波などの電磁波を利用して、対象物の3次元位置や向きを計測する位置計測システムに関するものである。
発光体の3次元位置を計測する手段としては、デジタルカメラ2台で発光体を撮影し、カメラ2台間の距離を基線とした三角測量の原理で発光体の座標を算出する方法がよく用いられる。しかし、この方法ではカメラが2台以上必要であり、コストが高くなり、かつ、各カメラの光軸と基線長の位置合わせが面倒である、という問題点がある。また、対象物をピントがボケないように焦点を合わせて撮影しなければならず、速くても1秒間に10回程度しか撮影できないという問題もある。言い換えると、高速で動く対象物の場合には、焦点合わせが間に合わず、位置計測ができない、あるいはピントがボケて位置精度や分解能が極端に悪くなるという問題が発生する。さらに計測できる位置精度が高くなく、高精度の位置計測ができない、などの問題がある。
一方、発光体の位置計測を高精度に行う方法として光干渉法がよく用いられる。代表的な光干渉法としては、レーザ光源から出た光をビームスプリッターなどを用いて2つに分割し、その一方を対象物に照射し、他方を参照光としてミラーに照射して元の光路に戻し、対象物からの反射光と参照光とを重ね合わせて干渉させる方法がある。波長以下の分解能で位置や変位を計測できるという特徴がある。干渉を用いた測定装置は、例えば特許文献1に記載されている。しかし、この方法ではビームスプリッターや反射ミラーなどの光学部品が必要で、部品数がおおく、かつコストが高いという問題がある。また、これらの部品の組立には高い位置精度が要求され、手間がかかりコストが高いという問題がある。また、自動焦点機構などが必要で、高速計測が困難などの欠点がある。さらに、レーザ光はスポット状あるいは線状に成形されて対象物に照射されるので、安全面での注意が必要である。
特開2000−171209公報
また、物の向きを計測する技術はあまり進んでいない。例えば、レーザポインターで指し示した箇所を計測する方法として、ビデオカメラでレーザポイントーの指示箇所を検出する方法があるが、この方法ではカメラが撮影している領域をレーザポインターが指し示した場合にしか計測できないという問題がある。また、レーザポインターが指し示した対象物の光反射率が低い場合には計測できない、などの問題がある。その他の方法としてジャイロ方式のポインターがある。これは角度センサーであるジャイロを利用してジャイロポインターの3次元的な回転移動量を測定し、その移動量を無線でコンピュータに送信し、カーソルを移動させるものである。しかし、この方法は、ジャイロポインターの回転移動量だけを計測するものであり、人間が実際にジャイロポインターで指し示すベクトル方向とカーソル位置とは全く関係がなく、指し示す位置が分かりづらいという問題がある。この他にも光や超音波を利用してポインターの3次元位置を計測してコンピュータへの入力手段とする方法が提案されているが、これらはいずれもポインターが指し示すベクトル方向が不明で、普段人間が自然に表現する「指や手の延長線上が指示点」という機能を実現できない。これは他者にとっては分かりづらいという問題を引き起こす。
また、以上のように位置や向きを簡易に精度良く計測できないために、室内に配置された物体の位置やサイズを簡易に精度良くコンピュータに入力することができない、などの問題がある。
発光体の3次元位置を高精度、高分解能で計測するには、自動焦点機構を持ったカメラが2台必要でコストが高い、あるいは焦点合わせに時間がかかるために計測の高速化が困難であった。また、光干渉法では、部品点数が多く、組み立てに高い位置精度が必要で、コストが高いという問題があった。また、一方で物の向きを簡易に高精度で計測する技術がない。また、室内に配置された物体などの位置や向きを簡易に精度良くコンピュータに入力できないなどの問題がある。
従って本発明の目的は、電磁波または光を利用した位置計測を単純な構成で低コストで行うことができ、またその結果をコンピュータに簡易に入力することができる位置計測システムを提供することにある。
上記目的は、電磁波発信源から放出された電磁波を球面収差の効果によりリング形状に集中するレンズ系と、前記リング形状に集中した電磁波を検出する受信デバイスと、前記受信デバイスが検出した情報から、前記電磁波発信源の3次元位置を算出する演算装置とを備えたリング型位置計測システムにおいて、前記電磁波発信源または前記受信デバイスが現実空間を規定する位置に配置されることにより、前記現実空間に対応した座標軸が決定され、それ以降に計測される電磁波発信源の3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されるリング型位置計測システムにより、達成される。これにより、位置計測を単純な構成で低コストで行うことができる。
ここで、前記現実空間は直方体空間であり、これを規定する位置は直方体の辺、面および角の少なくとも一つの位置とすることができる。前記電磁波発信源は前記受信デバイスに装着され、前記受信デバイスは前記現実空間を規定する位置に設置されうる。前記現実空間が部屋の場合、前記電磁波発信源が部屋の壁、天井、床、仕切り板および角の少なくとも一つに配置されることにより、前記部屋の寸法が計測され、それ以降に計測される電磁波発信源の位置が前記部屋の位置に対応した位置として計測されうる。前記電磁波は光とすることができ、この場合、前記電磁波発信源が光源であり、前記受信デバイスが受光デバイスであり、前記レンズ系が光学レンズ系とされる。
上記目的はまた、同心円模様を投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様の光を検出する同心円検出装置と、前記同心円検出装置が検出した信号から、前記同心円光源モジュールおよび前記同心円模様の中心位置の少なくとも一方の位置を演算する演算装置を備えた同心円型位置計測システムにおいて、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方が現実空間を規定する位置に配置されることにより、前記現実空間のに対応した座標軸が決定され、それ以降に計測される計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測される同心円型位置計測システムにより、達成される。これにより、位置計測を単純な構成で低コストで行うことができる。
ここで、前記同心円検出装置は前記空間を規定する位置に配置され、前記同心円模様の中心位置を前記同心円光源モジュールの指示点として計測することができる。前記同心円模様の中心点に可視光ビームを投影する装置を前記同心円光源モジュールに具備することができる。前記同心円光源モジュールが前記空間を規定する位置に配置され、前記同心円検出装置は前記同心円模様を検出することで、前記同心円検出装置自身の位置を計測することができる。前記同心円検出装置に前記同心円光源モジュールが搭載され、前記同心円光源モジュールが前記空間を規定する位置に配置されうる。前記同心円模様は例えば同心円干渉模様である。
本発明に係る3次元画像計測システムは、同心円模様を対象物に投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様を撮影する撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像から、対象物の距離画像を計測する演算装置を備え、前記同心円模様が現実空間を規定している面に投影され、前記面の距離画像が計測され、前記現実空間に対応した座標軸が決定され、それ以降に計測される計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測される。ここで、前記同心円光源モジュールは前記撮影装置に搭載され、前記撮影装置が現実空間のある固定された位置から前記現実空間を規定する面の距離画像を計測することができる。
本発明に係る計測システムは、上記リング型位置計測システム、上記同心円型位置計測システム、または上記3次元画像計測システムのうち、少なくとも一つの計測システムが現実空間を規定する位置に設置され、前記現実空間に対応する座標軸が決定され、前記3つの計測システムのうち少なくとも二つの計測システムがそれ以降に計測する計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測されるものである。このように複数の異なる計測システムを併用することにより、各システムからそれぞれ計測情報を得ることができ、また各計測情報を照らし合わせることができるので、現実空間内の物品の配置等をさらに詳しく分析することができる。
前記同心円型位置計測システムまたは前記3次元画像計測システムで使われる前記同心円光源モジュールは、前記リング型位置計測システムの光源となり、前記同心円光源モジュールの3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されうる。前記同心円型位置計測システムの同心円光源モジュールが投影する同心円模様が、前記3次元画像計測システムにより計測され、前記同心円光源モジュールまたは前記同心円模様の中心点の3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されうる。前記3次元画像計測システムの同心円光源モジュールが対象物に投影する同心円模様の一部が、前記同心円型位置計測システムにより計測され、前記同心円光源モジュールまたは前記同心円模様の中心点の3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されうる。前記同心円模様は例えば同心円干渉模様である。前記3次元画像計測システムの同心円光源モジュールが複数個あり、前記対象物に複数の同心円模様が投影され、前記複数の同心円光源モジュールの3次元位置が前記リング型位置計測システムまたは前記同心円型位置計測システムにより前記現実空間に対応した位置として計測されうる。さらに、前記光源または前記同心円光源モジュールが複数個あり、その各々が固有の変調信号でパルス発光し、前記受光デバイスまたは前記同心円検出装置がパルス発光の固有の変調信号を検出することにより、前記光源により形成された前記リング形状に集中した電磁波または光、または前記光源モジュールにより形成された同心円模様を識別して計測することができる。
本発明に係る位置管理システムは、前記位置計測システムと、前記位置計測システムが計測した位置情報を管理するコンピュータとを備え、前記位置計測システムを用いて計測されたある対象物の位置情報と前記対象物名と前記対象物の属性が前記コンピュータで管理されるものである。また、本システムは、前記コンピュータに接続された表示装置を備え、前記表示装置上に、前記位置計測システムが規定し、計測した現実空間に対応したデジタル空間が形成され、現実空間の前記対象物はその現実の位置に対応するようにデジタル空間の中に表示されうるものである。これにより現実空間、例えば部屋内の物体配置を計測して、その結果をそのまま簡易にコンピュータに入力し、管理することができ、また表示装置上に表示することができる。
ここで、前記表示装置上に表示されている対象物に対して、前記位置計測システムを用いて前記対象物に対応する現実空間の位置を指し示すことにより、現実空間の対象物とデジタル空間の対象物が対応付けられうる。また、実空間の前記対象物の位置またはサイズの範囲を計測する場合、前記同心円光源モジュールの指示点を利用することができる。
本発明に係る位置管理システムは、電磁波発信源より発信された電磁波からリング形状の電磁波集中領域を形成するレンズ系および前記レンズ系により形成された電磁波集中領域を検出する受信デバイスとを有するリングセンサーと、レーザ光源と同心円模様を形成するレンズの組み合わせからなる同心円ポインターと、物体に貼付された前記同心円ポインターから光を受けることにより電波を発信するICチップとを備える。前記同心円模様は例えば同心円干渉模様である。
ここで、前記リングセンサーは、前記ICチップから発信される電波を検出することができる。前記ICチップから発信される電波から情報を取得し、それを表示装置に表示することができる。前記表示装置は例えばメガネディスプレイとすることができる。
また本発明に係る位置管理システムは、電磁波発信源より発信された電磁波からリング形状の電磁波集中領域を形成するレンズ系および前記レンズ系により形成された電磁波集中領域を検出する受信デバイスとを有するリングセンサーと、前記リングセンサーに接続されたコンピュータと、前記コンピュータに接続された表示装置とを備え、前記リングセンサーで計測されたある対象物の位置情報が、前記対象物を示す項目と前記対象物の属性と共に前記コンピュータで管理され、前記位置情報と前記項目と前記属性が前記表示装置に表示されうるものである。
ここで、前記表示装置には前記対象物が存在する現実空間に対応するデジタル空間が作成され、その中に前記対象物を示す項目が前記位置情報に基づいて表示されうる。前記デジタル空間内に、前記対象物を示す項目がその位置情報と属性とに基づいて、現実空間を縮尺または拡大した形状で表示されうる。前記表示装置上に存在する対象物が、前記コンピュータに入力された現実空間の位置座標に基づいて配置されうる。前記対象物がネットワークに接続された電子機器であり、ネットワークIDを有し、前記コンピュータが前記電子機器の実空間内の位置座標とネットワーク上のネットワーク接続地図とを対比させて管理するができる。前記対象物はネットワークに接続された電子機器であり、ネットワークIDを有し、前記コンピュータが前記電子機器の現実空間内の位置座標とネットワーク上のネットワーク接続地図と、前記ネットワークIDから見つけ出した対象物の属性を対比させて管理することができる。前記ネットワークIDは例えばIPアドレスである。
また、上記位置管理システムは、現実空間に存在する対象物を示す項目と前記対象物の属性とその位置座標情報を有し、前記位置計測システムが計測する位置座標が前記位置座標情報に対応する場合には、前記コンピュータがすでに入力されているプログラムを実行することができる。さらに、位置計測される対象物が、ネットワークに接続された電子機器であり、前記コンピュータはネットワークを介して前記プログラムの内容を実行することができる。前記電子機器はIPアドレスを有し、前記コンピュータはIPアドレスを用いて前記プログラムの内容を実行することができる。前記コンピュータは前記プログラムの実行に際して、前記プログラムの内容が複数の場合には、前記位置計測のやり方を識別し、実行プログラム内容を選別して、実行することができる。前記対象物がネットワークに接続されているコンピュータ画面であり、すでに入力されている前記コンピュータ画面の位置座標に対応する値を前記位置計測システムが計測した場合には、前記位置計測システムはコンピュータのマウスの役割を果たし、前記コンピュータ画面の計測位置にカーソルを移動させることができる。前記位置計測システムは発信源の3次元位置から前記マウスの画面上の位置を算出し、かつ、前記発信源の3次元位置およびその動きから左クリックまたは右クリックを実行することができる。位置計測される対象物が制御装置により制御される電子機器であり、前記コンピュータは前記制御装置に信号を送信し、前記制御装置が前記電子機器を制御することができる。
本発明によれば、電磁波または光を利用した位置計測を単純な構成で低コストで行うことができ、またその結果をコンピュータに簡易に入力することができる位置計測システムを得ることができる。
以下、本発明に係る位置計測システムの実施例を説明するが、その前に、本位置計測システムに用いるリングセンサー、同心円ポインター(同心円光源モジュール)および同心円センサー(同心円検出器)について説明する。以下の説明では、電磁波発信源(光源)より発信された電磁波(光)からリング形状の電磁波(光)集中領域を形成するレンズ系と、これを検出する装置の組み合わせをリングセンサーと呼ぶ。また、レーザ光源と同心円模様例えば同心円干渉模様等を形成するレンズの組み合わせを同心円ポインターと呼び、同心円模様例えば同心円干渉模様等の検出装置を同心円センサーと呼ぶ。ここで同心円とは、ほぼ同心円を含み、さらには円や楕円だけではなくこれに類する形状を含むものである。
まず、リングセンサーの一例について説明する。本リングセンサーは電磁波発信源の位置を計測するものであるが、この電磁波は好ましくは波長が300nmないし1mであり、例えば光(紫外線、可視光、赤外線を含む)またはミリ波ないしマイクロ波帯の電波である。
図1は、リングセンサーの一例を示す概念図である。本例は、図示のように、例えば波長900nmの光(赤外線)を出射するLED光源1と、LED光源1から出射した光を入射するドーナツ状(リング状)入射窓3を有する球面収差の大きいレンズ(レンズ系)2と、その後方に設けられたイメージセンサ5と、このイメージセンサ5が撮影した光リング像(後述する)の信号を演算処理する演算装置7と、この演算装置により算出された光源1の位置座標を表示する表示装置8とを備える。イメージセンサ5の直ぐ前には、900nm近辺より長い波長の赤外線を透過する赤外線透過フィルタ9を設置し、LED光源1以外の光(ノイズ)を除外することが望ましい。光学レンズ2はレンズホルダ4により保持され、イメージセンサ5はイメージセンサホルダ6により保持される。イメージセンサ5は例えばCCDで構成することができる。
本例では、LED光源1の光をリング状入射窓3から入射させ球面収差の大きい光学レンズ2により集光して光集中領域(電磁波集中領域)であるリング形状の光の帯(光リング像)を形成し、この光リング像をイメージセンサ5で検出する。この検出信号を演算装置7で演算処理して光源1の位置計測を行う。ここで、リング形状とは、リングおよびリングの一部の形状およびその変形した形状を含むものとする。
図2は、リング状入射窓3を有するレンズ2の一例を示す図である。本図はレンズ2の光軸に沿った断面図を示す。このレンズ2は、図示のように、第1レンズ面の中心軸(光軸)周辺部に電磁波遮蔽部(光遮蔽部)20を有し、この光遮蔽部20を除く第1レンズ面21(図1のリング状入射窓3)から入射した光を第2レンズ面24から出射して、光源と反対側に光集中領域としての光リング像を形成する。そのため、第1レンズ面21に対向する第2レンズ面の中心軸から離れた位置に第1ミラー面22が配置され、また第2レンズ面24に対向する光遮蔽部20の位置に第2ミラー面23が配置される。この第1レンズ面21、第2レンズ面24および第2ミラー面23はそれぞれ凸形状を有し、第1ミラー面22は凹形状を有する。これにより、光源からの光は、最初に第1レンズ面21に入射し、次に第1ミラー面22で反射され、さらに第2ミラー面23で反射されて、第2レンズ面24から外部に出射される。
レンズ2は、例えば屈折率1.82の材料を用い、第1レンズ面が凸形状で曲率半径R22mm、第2レンズ面が凸形状でR65mm、第1ミラー面が凹形状でR65mm、第2ミラー面が凸形状でR60mmとした。また、光学レンズ2の厚さtは9.0mm、レンズ2の外径ΦDはΦ22mm、第2ミラー23の外径ΦAはΦ12mm、第2レンズ面24の外径ΦBすなわち第1ミラー面22の内径ΦBはΦ12mmとした。第2ミラー面23は凸形状であり、その中心点(光軸上)はレンズ前端面より0.3mm(図中のda)だけ後退している。また、第1レンズ面の厚さt1は2.12mm、第2レンズ面の厚さt2は0.94mmである。
このレンズ2の無限遠光源に対する近軸光線の焦点位置は光出射面である第2レンズ面の後ろ2.5mmのところにある。ここでいう近軸光線とは、第1レンズ面、第2レンズ面、第1ミラー面、第2ミラー面の全てが光軸近傍の光に対しても作用すると仮定して算出した焦点位置である。即ち、この焦点距離は、光軸近傍の光が仮想的第1レンズ面によって屈折され、次に仮想的第1ミラー面により反射され、次に実際の第2ミラー面に反射され、次に実際の第2レンズ面により屈折されて出射する、と想定して算出したものである。この焦点位置は第2レンズ面の後ろ2.5mmであるので、球面収差の大きい領域を通過する図2に示した実際のレンズ系では、光はこの焦点位置よりも光源よりに光軸を通過する。本例では第2レンズ面から0〜2mmの距離にイメージセンサ5を配置した。このレンズ2を用いて、実際にどのような光リング像が形成されるかを以下のシミュレーションで調べた。
図3はイメージセンサ5に形成されるリング像を示す図であり、(a)は光源がレンズ前端より1000mm離れた光軸上にある場合のもの、(b)は光源がレンズ前端より500mm離れた光軸上にある場合のものである。光軸をx軸、垂直方向をy軸、水平方向をz軸とすると、図3(a)、(b)の光源の位置座標は各々(1000,0,0)と(500,0,0)と表示される。図3(a)、(b)の横軸はイメージセンサのz方向(mm)、縦軸はイメージセンサのy方向(mm)をそれぞれ示す。
光源の位置計測はリングの位置とサイズで行う。光源位置は図3(a)、(b)に示すようにそれぞれ(1000,0,0)と(500,0,0)で、リングの中心位置はイメージセンサの原点(0,0)であるが、リングの外径はそれぞれΦ2.27mmからΦ2.57mmに拡大した。リング外径と光源距離の関係はあらかじめ分かっているので、リング外径が分かれば、逆に光源のx座標を測定することができるのは明らかである。
このリング像は、図2に示したリング状入射窓となる第1レンズ面21をレンズ中心から放射状にプロットした点を通過する光が形成する。ここで注意すべき点は、図3に示されたリング像は単純にリング状入射窓から入った光が縮小投影されてリング像を形成しているわけではなく、リング状入射窓から入った光がイメージセンサ上で折り返して重なり、これにより光リング像を形成していることである(図3では線が重なりあっているので、分かりにくい)。これを次にわかりやすく説明する。
図4は光リング像の形成について説明する図であり、(a)はレンズ系の正面図、(b)は光リング像の図である。図において、リング状入射窓3の内側は光遮蔽部20(裏側は第2ミラー面23)、その外側はレンズホルダ4である。ここで、レンズ2のリング状入射窓3を通過する光はリング状入射窓3の内周部25を通過する光から、その外周部26を通過する光までが含まれているが、イメージセンサ上に形成されるリング像の外周は、リング状入射窓3の外周部26付近を通過した光や内周部25付近を通過した光では形成されず、リング状入射窓3の中間部27付近を通過した光により形成される。即ち、図4(b)に示すように、リング状入射窓3を通過した光はイメージセンサ上で折り重なり合って光リング像を形成しているのである。このために、光リング像はその最外周部分に急峻な光強度ピークを持つことになり、イメージセンサ5でクリアなイメージとして撮影することができる。次に、光源を移動させたときの光リング像をシミュレーションにより調べた。
図5は、光源位置が光軸から大きく外れた場合の光リング像の一例を示す図である。本例は、光源を(1000,0,0)の位置からy軸に沿って上方に300mm移動させ、(1000,300,0)の位置とした場合のリング像をシミュレーションで調べたものである。本図の横軸はイメージセンサのz方向(mm)、縦軸はイメージセンサのy方向(mm)をそれぞれ示す。図示のように、光リング像は円から楕円に変形しているが、その楕円の中心位置、長軸および短軸の長さを測定することで光源の3次元位置を計測することができる。その測定原理を次に示す。
図6は、光源とレンズ系と光リング像の関係の一例を示す図である。いま、図のように、イメージセンサ5上の光リング像の中心位置を(y0,z0)とし、イメージセンサの光軸上の位置をx0とすると、光リング像の中心点の3次元位置は(x0,y0,z0)と表すことができる。光源1は概ねレンズ系2の中心点(xL,yL,zL)と光リング像の中心点(x0,y0,z0)を結ぶ直線上に存在するので、光源1の座標を(x,y,z)とすると、次の式(1)のように表すことが出来る。
Figure 0004114637
ここで、mは、光源1からレンズ系2の中心点までの距離が、レンズ系2の中心点からイメージセンサ5上の光リング像の中心点までの距離の何倍であるかを表す値であり、距離を表す係数と考えることができる。そしてこのmがリング像の長軸と短軸の長さから求められることがわかっているので、光源1の3次元座標を求めることができる。
なお、本例では、上述のように、LED光源1以外の光を除去する赤外線透過フィルタ9をイメージセンサ5の前に設置したが、赤外線透過フィルタ9は、レンズ系2の前面や後面などに取り付けても、ノイズ光を除去することができる。
本例は次のような効果を有する。まず、本システムは、レンズ系にミラーを利用しているので、大きな球面収差が得られ、数m程度の遠距離にある光源の位置を計測することができる。あるいは、これより近距離にある光源の位置を高精度に測定することができる。また、形成された光リング像がイメージセンサ上の多数の画素により撮像されるため、従来の画素ピッチより高分解能での位置計測が可能になる。また、レンズ面にミラーを形成しているので、レンズ1個のサイズでも比較的長い光路長を得ることができ、レンズ系を小型化できる。
また、レンズの第2ミラー面をリング状入射窓の形成に利用しているので、部品点数が少なくてすみ、レンズ系を小型、軽量にすることができる。レンズ面、ミラー面および光遮断部を1枚のレンズに形成しているので、これらの部品の組み立て、および位置合わせ作業が不要で、レンズ系を高性能、低コストにすることができる。イメージセンサに形成される光リング像の外周は、リング状入射窓の中間あたりを通過した光が重畳して形成されるので、常にクリアなリング像となり、高精度の位置計測ができる。
さらに、イメージセンサに形成される光リング像の外周が、リング状入射窓の中間あたりを通過した光が重畳して形成されるので、リング像はリング状入射窓の形状精度やバラつきに左右されず、レンズ精度で決定される。従って高精度計測が可能になる。また、イメージセンサに形成される光リング像は光源位置に左右されずに、クリアな輪郭を持つので、焦点合わせ機構なしに位置計測を行うことができる。従って、焦点合わせの時間が不要で高速計測ができる。また、焦点合わせ機構が不要なので、小型、低コスト、高信頼性のシステムを得ることができる。
図7は、リングセンサーの他の例を示す概念図である。本例では、2個の光源位置を、1個の半球レンズを用いて同時に3次元位置計測する例について説明する。本例は、2つの光源(電磁波発信源)1a、1bが、それぞれ光照射用光源(電磁波発生装置)12で発生した光(電磁波)を反射する金属球体からなる。まず、本例では、図示のように、光照射用光源12を用いて、光を反射する金属球体1a、1bに光を照射する。光照射用光源12には波長900nmの光を発生するLED素子を用いた。光を反射する金属球体1a、1bは各々点光源のように振舞うので、本発明の位置計測に適する。
この金属球体1a,1bで反射した光は、赤外線透過フィルタ9を通過し、半球レンズ2に入射する。半球レンズ2は、その第1レンズ面の光軸周辺部に光遮蔽部20を有し、その周囲にリング状入射窓3を有する。レンズ2の後方にはイメージセンサ5が設けられており、このイメージセンサ5が撮影した光リング像の信号を演算装置7で演算処理し、この演算装置により算出された光源1の位置座標を表示装置8で表示する。
半球レンズ2は屈折率1.51で、曲率半径Rは10mmの形状のものを利用した。半球レンズ2はその平坦面(第1レンズ面)を前面とした。リング状入射窓3は入射面に設けられた遮光板(光遮蔽部)20(外径Φ4mm)によりその内径が決められている。リング状入射窓3の外径Φは6mmとした。
この半球レンズ2の無限遠光源に対する近軸光線の焦点位置は、半球レンズ出射面の後方19.5mmにある。この半球レンズは球面収差が大きいので、上記リング状入射窓3(Φ4mm〜Φ6mm)から入った光の集束位置は、折り返しリング像を形成するためには、上記近軸光線の焦点位置よりもかなりレンズ寄りとなる。ここではイメージセンサ5を半球レンズ2の後方5mmのところに設置した。
図8は、図7の2つの光源により形成された光リング像の一例を示す図である。図において、横軸はイメージセンサのz方向(mm)、縦軸はイメージセンサのy方向(mm)をそれぞれ示す。本例では、1つの金属球体(光源)1aは位置座標(1000,0,0)に配置し、もう1つの金属球体(光源)1bは位置座標(1000,200,100)に配置した。本例においては、図8に示されるように、二つの光リング像がオーバーラップしているが、両リング像は細いため中空であり、各々を簡単に識別することができる。各々のリング像の外径と中心位置から、各々の金属球体(光源)1a,1bの3次元位置を計測することができる。
本例によれば、レンズ系にリング状入射窓を設けることで、複数の光源を同時に計測することが容易となる。また、本例では、位置計測の対象は電磁波の発生装置そのものではなく、電磁波を反射する小さい反射部材とすることができる。したがって、この小さい反射部材を物体に貼り付けることにより、様々な物体の3次元位置を簡易に計測することができるようになる。
図9(a)はリングセンサーのさらに他の例を示す概念図、(b)はアンテナアレイの概念図である。本例では、電磁波としてミリ波の電波を用い、その電波の受信機としてアンテナアレイを用いる例を示す。本例は、図示のように、例えば周波数60GHzのミリ波(波長5mm)を放射する電波発信源(発信機)1cと、電波発信源1cから放射されたミリ波を入射するドーナツ状(リング状)入射窓3cを有する電波レンズ2cと、その後方に設けられたアンテナアレイ5cと、このアンテナアレイ5cが受信した電磁波のリング(電波リング)の信号を演算処理する演算装置7と、この演算装置により算出された電波発信源1cの位置座標を表示する表示装置8とを備える。
電波レンズ2cは、図示のように、第1レンズ面の中心軸周辺部に電磁波遮蔽部(電波遮蔽部)20cを有し、この電波遮蔽部20cを除く第1レンズ面21c(リング状入射窓3c)から入射した電波により、電波発信源と反対側に電波集中領域としての電波リングを形成する。そのため、第1レンズ面21に対向する第2レンズ面の中心軸から離れた位置に第1ミラー面22cが配置され、また電波遮蔽部20cの位置に第2ミラー面23cが配置される。本例では、電波レンズ2cの第2ミラー面23cと対向する面にアンテナアレイ5cが設けられる。
電波レンズ2cは、例えば誘電体で構成される。誘電体の材料としては、例えばテフロン(登録商標)(屈折率1.35)を用いる。電波レンズ2cに設けられる反射ミラー22cと23cは例えばアルミニウムで形成される。電波リングは電波レンズ2cの後面に設置されたアンテナアレイ5cにより検出される。このアンテナアレイ5cは、図9(b)に示すように、平面アンテナ5dを2次元平面に配列したものを利用することができる。本例では、平面アンテナ5dは電波レンズ2cの材料であるテフロン中に埋め込む構造とした。平面アンテナ5dは、電波の波長をλとした場合、λ以上のピッチ望むらくは2λ以上のピッチで配列する。これにより、各アンテナは独立した電波を検出しやすくなる。アンテナアレイ5cを電波レンズ2cの誘電体中に埋め込むことにより、波長λがその屈折率分の一に小さくなるので、アンテナ5dの配列ピッチを縮小でき、アンテナアレイ5cを小型化することができる。本例の場合、電波の波長は5mm/1.35、すなわち約3.7mmとなる。ミリ波の発信源(電波発信源)1cの3次元位置は、これまでの例と同様に、電波リングの位置とサイズから計測することができる。
本例によれば、ミリ波は光に比較して物体の透過率が高いので、計測対象物とレンズ系の間に、人や物体が存在しても3次元位置計測を行うことができる。また、電波のアンテナアレイを電波レンズに埋め込むことにより、アンテナアレイのサイズを小さくすることができる。本例では、電波としてミリ波(波長1mmないし1cm)を利用したが、ミリ波より波長の長いマイクロ波(波長1cmないし10cm)、あるいは極超短波(波長10cmないし1m)であっても同様に位置計測ができる。本例では、2つのミラーを第1および第2レンズ面に有するレンズを用いたが、図9に示すようなレンズ系であっても同様に位置計測ができる。
次に、同心円ポインターおよび同心円センサーを説明する。ここで、同心円ポインターとはレーザ光源と同心円模様例えば同心円干渉模様等を形成するレンズの組み合わせをいい、同心円センサーとは同心円模様例えば同心円干渉模様等の検出装置をいう。
図10(a)、(b)は、レンズの上半分を通過した光と下半分を通過した光が同心円干渉模様を形成する同心円ポインターの一例を示す図である。
本例では、図10(a)に示すように、光軸に窪みのある光軸対象のリング形状レンズ1−3を用いる。図10(b)において、レンズ1−3はレンズの断面図を示し、レンズ1−3uはレンズを光源方向から見た正面図を示すものである。ここで、レンズ外径は3mmとした。光軸上の平面におけるレンズの入射面はx=0.5*(y―1.5)1.5(単位はmm)の非球面で構成されている。ここで、xは光軸で光の進行方向を正とし、yは光軸に垂直な半径方向の軸である。レンズ1−3の光出射面は平面とした。レンズ素材の屈折率は1.51とした。
レーザ光源52から放射された光はコリメータレンズ51cを介して光学レンズ1−3に入射する。光軸より上側を通過した光は対象物60に光線軌跡2−3−1を経由して照射される。同様に、光軸より下側を通過した光は対象物60に光線軌跡2−3−2を経由して照射される。対象物60上の同一点(干渉点)55に到達した光は、同一光源より発されたレーザ光であるので干渉する。このように、一つの光源から放出されたレーザ光は光軸上平面において仮想的に2点の光源52−1、52−2から放出されたレーザ光であるように、対象物に投影される。本例では、点光源の光をコリメータレンズを用いて平行光とし、これを上記レンズに入射させているが、平行光は、無限遠の光源と考えることができ、この無限遠の光源を上記レンズにより、仮想的に2点の光源としている。
このレンズ1−3に半導体レーザ52から出射した光をコリメータレンズ51cで平行光として入射させた場合にどのような干渉模様が形成されるかをシミュレーションにより調べた。半導体レーザの光は一般にガウシアン分布の強度分布を持つので、ここではレンズ外径3mmの外径部を通過する光の強度は、レンズ中心部(光軸)を通過する光の強度の3.4%にまで減少する、としてシミュレーションを行った。その結果、4m先の対象物に約直径4mの同心円干渉模様が形成されることが分かった。その干渉パタンの一部分を図11に示す。図11には円中心から1500mm〜1510mm離れた位置の同心円干渉模様が示されている。このグラフでは、ちょうど0.5mmピッチで同心円ができることが確認できる。
図12は、光学レンズの上側半分を通過した光同士で干渉を起こす同心円ポインターの一例を示す図である。図12に示した光学レンズ1−2は光軸部分と最外周部分が光軸に垂直な面を有している。レーザ光源52から出射されたレーザ光はコリメータレンズ51cで平行にされ、レンズ1−2に入射する。光軸部を通過した光はそのまま直進するが、光軸より少し上側の領域を通過する光はレンズにより屈折され、下側に進行する。光がさらに上側の領域を通過するに従い、より大きく屈折されるが、ある点で最も強く屈折した後は再び光軸に平行な光線に戻っていく。そして、最外周部を通過する光は光軸と平行に進行する。このような光の挙動を起こさせるレンズでは、図12に示すように、対象物の同一点55に到達する光が存在し、干渉を起こす。本レンズは光軸対称の形状を有しているので、干渉模様は光軸を中心とした同心円の形状となる。
次に、同心円センサーの一例について説明する。
図13は、同心円干渉模様を形成するレンズと半導体レーザ光源を光源モジュールとして用い、このモジュールが指し示す指示点を計測する図である。本例は、レーザ光源(半導体レーザ)52、コリメータレンズ51cおよび同心円干渉模様を形成するリング形状レンズ1−3を有する光源モジュール3と、表示装置100と、同心円干渉模様を検出する検出装置(例えばイメージセンサ)61と、検出した干渉模様のデータを演算処理する演算装置62とを備える。
光源モジュール53は、波長850nmの半導体レーザ52と同心円干渉模様を形成するリング形状レンズ1−3とを含む。レンズ外径は3mmとした。光軸上の平面におけるレンズの入射面はx=0.5*(y―1.5)*√(y―1.5)(単位はmm)の非球面で構成されている。ここで、xは光軸で光の進行方向を正とし、yは光軸に垂直な半径方向の軸である。レンズ1−3の光出射面は平面とした。レンズ素材の屈折率は1.51とした。このレンズ1−3に半導体レーザ52から出射した光をコリメータレンズ51cで平行光として入射させた。
この光源モジュールをポインターなどとして利用する場合には、前記レンズ1−3の光軸の延長線上にある同心円干渉模様の中心点が指示点となる。表示装置100の角に検出装置61を設置し、同心円干渉模様55の一部を検出させた。検出装置61には850nmより長波長の光のみを通過させる赤外線フィルターを取り付けた。これにより、室内灯などのノイズとなる光を遮断した。検出装置61には同心円干渉模様の一部分である円弧が多数投影された。この円弧の画像を演算装置62により、画像処理し、同心円中心を算出した。円弧から同心円中心を求める方法を、図14に示す。円弧から任意の3点5−1,5−2,5−3をとり、2本の線分を決める。数学の定理より、その各々の線分の垂直2等分線の交点が円中心5−0となる。この円中心が光源モジュール53の指示点となる。円弧の任意の3点は、検出装置が検出した全ての円弧情報から抽出することができるので、その点数を多くすればするほど、ノイズ成分がキャンセルされ高い位置精度で中心点を求めることができる。
上記のように、表示装置100に検出装置61を取り付けて、同心円干渉模様を検出し、演算装置62で光源モジュール53が指し示した位置を算出した。この位置にカーソルを移動させる信号を演算装置62から表示装置100に送信することで、光源モジュール53はポインター装置として利用することができる。
上記の例では、検出装置は1個しか利用していないが、複数個取り付けることができる。この場合には、同心円の外径が小さくても、検出装置で同心円を検出することができるようになる。
図15は、表示装置の対角線の位置にそれぞれ検出装置を取り付けて、表示装置のサイズを自動的に検出して、ポインターで指し示した点にカーソルを移動させる例を示す図である。本例では、図15に示すように、画面の対角線の角の位置に検出装置61−1と61−2を取り付ける。表示装置100は長方形をしているので、左上に取り付けた検出装置61−1と、右下に取り付けた検出装置61−2により、表示装置の縦横サイズを規定することができる。即ち、表示装置の表示部画面を検出装置61−1と61−2の配置により簡易に特定することができる。
また、表示装置100がコンピュータに接続されている場合には、光源モジュールをポインターとして用いることにより、カーソルをポインターの指示点に移動させることができる。また、ポインターにはマウスの左クリックや右クリックに相当するスイッチをつけることで、手書き入力により画面に書き込んだりすることができる。また、マウスのようにコンピュータ画面を自在に操作することができる。
図16は、平面に投影された等間隔の干渉模様から光源モジュールの3次元位置を計測する例を示す図である。
まず、光源モジュールには、前面円錐面/後面凹面の光学レンズを搭載した。その仕様は、直径Φ6mm、円錐高さ1.4mm、円錐頂点と凹面中心の厚さ2mm、凹面の曲率半径8mm、屈折率1.6である。レーザ光源(波長780nm)と円錐頂点との距離は2.5mmとした。レンズ凹面中心から投影平面までの距離を1mとした場合に、投影平面に形成される同心円干渉模様は円中心から外周部に至るまで、そのピッチがほぼ同じ0.67mmであることが分かった。即ち、光源の光軸と平面が垂直であれば、干渉模様のピッチは平面内ではどこでも同じになることが判明した。また、この干渉模様のピッチは距離に比例することも分かった。従って、検出装置が検出した同心円の曲率から同心円中心を算出でき、次に、同心円のピッチから、光源モジュールまでの光軸上の距離を計算することができる。
また、平面が光源モジュールの光軸に対して傾いている場合には、多重楕円の間隔の変化から平面の傾き角度を算出することができる。平面の傾き角度が分かれば、上記と同様に光源モジュールまでの距離を求めることができる。
本計測方法を応用すると、例えば、光源モジュールをポインターとして利用してプレゼンテーションを行っている人の動作とポインティング箇所を効果的に計測することができる。プレゼンテーションの表示画面の近くに検出装置を設置し、ポインターが指し示した箇所とポインターそのものの位置を連続的に記録する。これはプレゼンテーターの動きや行動と同時に、プレゼンテーション資料のポイント箇所とを同時に記録することになり、プレゼンテーションの要約やリプレイに有効な計測方法となる。
図17は、光源モジュールをポインターとして利用し、対象物のサイズを計測する例を示す図である。本例では、図17に示すように、干渉模様の検出器である検出装置61が部屋の天井の角に複数台取り付けてある。部屋の中には、壁側に窓291やテレビ292があり、天井には2つの照明293、294が設置されている。例えば、ポインターの指示点が窓291の寸法と同じになるように窓をポインターにより丸で取り囲む。丸の上下左右の位置を窓291の寸法とすることで、四角い窓の寸法とその場所を簡易に計測することができる。同様にテレビ292の寸法と位置を簡易に計測することができる。また、天上には同じような照明が2台設置してあるが、これらの位置と寸法も同様にポインターで囲むことにより簡易に計測することができる。
上記では、対象物を丸で囲むことにより、位置やサイズを計測したが、窓のようにサイズが長方形となっている場合には対角の2点をポインティングすることによりそのサイズと位置を計測することもできる。また、テレビやラジオなどの寸法も対角の2点をポイントすることにより簡易に計測することができる
図18は、検出装置の方向と位置を検出する例を示す図である。本例では、図18に示すように、天井に光源モジュール3−aと3−bを距離Lだけ離して設置し、床面へ同心円干渉模様5−aと5−bを投影する。干渉模様の中心5−a−0と5−b−0も距離L離れて投影される。また、これらの干渉模様は約半分の領域で重なるようにし、交互にパルス発光させて投影した。これにより干渉模様が検出器の上で重なりあって識別が複雑になることを避けた。同心円5−aの中心5−a−0を便宜的に各々(0,0)とし、同心円5−bの中心5−b−0を(0,L)と設定する。
図18において、イメージセンサなどの検出装置61の中心位置を61−0とすると、検出装置は干渉模様5−aと5−bを検出することにより、検出装置の中心61−0から同心円中心5−a−0と5−b−0へのベクトルRaRbを算出することができる。各々のベクトルの長さはRaとRbである。したがって、検出装置61−0は原点から半径Raの位置に存在することが分かり、位置座標は曲座標では(Ra,t)で表される。ここで角度tは、図19に示すように、x軸(ベクトル)となす角度である。このtが求まれば、検出装置61の位置座標が決定される。
Rb^2=Ra^2+L^2−2*Ra*L*cos(t) (2)
この式から、cos(t)を求めることができる。
また、距離RaやRbの誤差が大きいと予想される場合には、図19に示すように、明確に計測できる角度t0を利用するのがよい。即ち、
L^2=Ra^2+Rb^2−2*Ra*Rb*cos(t0) (3)
を用いて、不明確な値の精度を高めることができる。その後で、角度tを求めて、検出装置の位置座標を得ることができる。
本例では、光源モジュールを識別する方法として、同心円干渉模様を検出する検出装置に通常の画像撮影速度よりも速く光信号を受光できる受光素子を設置する方法がある。本例の検出装置は2次元配列した受光素子アレイ321を備える。高速の受光素子322としては、アバランシェフォトダイオードなどを利用することができる。通常検出装置が撮影する画像情報は1秒間に30フレームであることが多いが、半導体レーザを用いた光源では、1秒間に100万回程度パルス発光させることができる。このパルス発光のパターンを検出装置が識別できれば、多数の光源モジュールを識別して、位置計測することができる。
図20は、光源モジュールを建物の天井に多数個取り付け、人を所望の位置に誘導する例を示す図である。本例では、図20に示すように、建物の天井に取り付けた光源モジュールから各部屋(Room A−F)に通ずる廊下(Hall way)の床に投影された干渉模様(5−11、5−12、・・・・5−32)を表している。2個の干渉模様が同じ床面に投影されるように光源モジュールが配置されている。各光源モジュールにはID番号5−11、5−12、・・・・5−32が設定されており、各光源モジュールはID番号に対応して異なるパルス発光パターンで発光させる。例えば、パルスONを1、OFFを0として、光源モジュール5−11は8ビット(00000001)で繰り返し発光する。光源モジュール5−12は8ビット(00000010)で繰り返し発光する。同様に光源モジュール5−15は8ビット(00000101)で繰り返し発光する。このようにパルス発光パターンを光源モジュールIDに対応させることで、検出装置は光源モジュールを識別することができる。8ビットであれば、256個の発光モジュールを識別できる。
以下、本発明に係る位置計測システムの実施例を説明する。
図21は、部屋の寸法と対象物の位置を計測するための位置計測システムの実施例を示す図である。本実施例は、部屋の寸法を簡易にコンピュータに入力し、かつ、部屋内の物体配置をそのまま簡易にコンピュータに入力することができるようにしたものである。本実施例では、図21に示すように、部屋100の8つの角にLED光源101を搭載したリングセンサー102−1〜102−8が設置されている。ここでリングセンサーは、前述のとおり、光源の光からリング形状の光集中領域を形成するレンズと、これを検出する装置を組み合わせたものである。リングセンサー102はコンピュータ(PC)110と接続されており、入力された寸法や位置を表示装置111で表示できるようにされている。リングセンサー102には画角90度の光源位置を計測できる半球レンズを用いたので、自分以外の全てのLED光源の位置を計測することができる。これにより、先ず部屋のサイズを正確にコンピュータ110に入力することができる。これを部屋100の壁に掛けた表示装置111に縮小して表示する。
次にLED光源101を手に持ち、机120の幅と奥行きのサイズの楕円を描き、リングセンサー102でその寸法と部屋内での位置を入力する。複数のリングセンサー102がLED光源101の軌跡を計測しているので、これらを平均して位置精度を高める。次に、机120の高さを同様にして入力する。
このように本実施例は、リングセンサーを用いたリング型位置計測システムであり、光源が現実空間を規定する位置に配置されることにより、現実空間のサイズと座標軸が決定され、それ以降に計測される光源の3次元位置が現実空間に対応した位置として計測される。現実空間が直方体空間の場合、現実空間を規定する位置は直方体の辺、面および角の少なくとも一つの位置である。例えば、現実空間が部屋の場合、光源が部屋の壁、天井、床、仕切り板、および角の少なくとも一つに配置されることにより、部屋の寸法が計測され、それ以降に計測される光源の位置が部屋の位置に対応した位置として計測される。現実空間がその他の形状の空間の場合、現実空間を規定する位置はその空間の形状に従って定められる。
本実施例では、LED光源付きリングセンサーを部屋の8つの角に設置したが、これはLED光源を移動させて机の位置を計測している時に、人や物体により遮光されて計測できなくなることを防ぐためである。
部屋の寸法を計測するためだけなら、設置するLED光源を、図22(a)に示すように、4箇所においてその位置を計測すればよい。天井の3点101−1、101−2、101−3が天井面のサイズと傾きを決定し、壁面の3点101−1、101−3、101−4が壁面のサイズと傾きを決定する。当然のことながら、LED光源は固定しておいてもよいし、あるいは部屋の寸法を計測する時だけ部屋の角などに持っていき、計測した後は取り外しても良い。
また、リングセンサーの光軸を壁面などに垂直に設置する場合には、図22(b)に示すように、3箇所102−1、102−2、102−3に設置するだけでよい。壁2面と天井面が規定されることにより直方体が決定される。特に同心円センサーの場合には通常、受光面が壁面に平行になる(光軸が壁面に垂直になる)ので、壁面に3個取り付けて、部屋中央の一点に同心円ポインターを設置して計測することで、部屋サイズを入力することができる。
図23は、部屋内の実物の配置を簡易に管理コンピュータ内に構築するための位置計測システムの実施例を示す図である。本実施例では、図23に示すように、部屋内にリングセンサー102と同心円センサー104を適当に配置し、部屋寸法を入力する。各リングセンサー102および同心円センサー104は図示しないが管理コンピュータに接続されている。次に管理コンピュータの中に、部屋内に配置されている実物の寸法と位置を入力するが、入力するさまざまな物体の3次元形状データとその概観の情報が位置情報管理リストとして管理コンピュータ内にあらかじめ入力されている。
位置情報管理リストの一例を図24に示す。この位置情報管理リストには、各項目毎に、サイズ、中心位置、向き、属性、実行プログラムが入力されている。例えば、ノートPCの画面を投影表示するプロジェクター画面120−1の寸法と位置を入力する場合には、まず項目欄の「プロジェクター画面」をクリックし、その項目の寸法や位置が入力できるモードに入る。この状態で同心円ポインター103で実際のプロジェクタ画面120−1の対角線の角を正確にポイントして、その寸法と部屋内位置を入力する。管理コンピュータは自動的に予め入力してある典型的なプロジェクタ画面120−1を今計測した寸法に修正し、その部屋内位置に基づいて、管理コンピュータの部屋内に配置する。
同心円ポインター103で実際の物体を指し示した箇所が人間の目ではっきりとわかるようにするために、同心円ポンター103の光軸に沿って可視光レーザビームが投影されるように、同心円ポインターにレーザポインターを装着した。これにより、自分が指示した点を明確に目視できるようにした。このような方法で、実際の部屋にある物体を次々と管理コンピュータに入力することで、実際の部屋の様子を簡易に管理コンピュータ内に構築することができる。
このように本実施例は、同心円ポインターおよび同心円センサーを用いた同心円型位置計測システムであり、同心円ポンターおよび同心円センサーの少なくとも一方が現実空間を規定する位置に配置されることにより、現実空間のサイズと座標軸が決定され、それ以降に計測される計測結果が現実空間に対応した位置として計測される。同心円センサーは同心円干渉模様の中心位置を同心円ポンターの指示点として計測する。
さらに、図24に示した位置情報管理リストを用いて、同心円ポインターで指し示した対象物を制御することができる。例えば、照明120−2の位置をポインターで指し示すと、その位置座標が管理コンピュータに入力され、各項目の位置座標と比較される。そうすると、その測定位置は照明120−2−2の位置に相当することが判明する。照明の実行プログラム欄には「電源オンオフ」が設定されている。コンピュータはこの実行プログラムを実行する。即ち、管理コンピュータは照明120−2−2の制御装置にネットワークを介して信号を送信し、照明がオンの場合はオフに、オフの場合はオンに電源が切り替える。このように、同心円ポインターを用いて照明120−2−2のオンオフを簡易に制御することができる。
これにより、位置計測システムを用いて計測されたある対象物の位置情報と対象物名と対象物の属性が前記コンピュータで管理され、その位置情報と対象物名と属性を表示装置上にデータとして表示することができる。表示装置上には、位置計測システムが規定し、計測した現実空間に対応したデジタル空間が形成され、現実空間の対象物はその現実の位置に対応するようにデジタル空間の中に表示される。また、表示装置上に表示されている対象物に対して、位置計測システムを用いて対象物に対応する現実空間の位置を指し示すことにより、現実空間の対象物とデジタル空間の対象物が対応付けられる。対象物の実空間で存在する位置またはサイズの範囲を計測する場合、位置計測システムを用いて対象物を取り囲むことでその位置またはサイズの範囲を計測することができる。また、対象物の実空間で存在する位置またはサイズの範囲を計測する場合、同心円ポインターの指示点を利用することができる。
また、項目「プロジェクター画面120−1」の実行プログラムは「電源オンオフ、カーソル」となっている。カーソルというのはPCのマウスカーソルのことで、カーソル移動をポインターで行うことを意味することにした。例えば、電源がオンの状態で3秒以上ポインター位置が静止していれば、電源をオフにし、それ以外の情報はカーソルの移動情報と捉える、などをプログラムする。あるいは、同心円ポインターの指示点がプロジェクター画面上で×を描くと電源がオフする、などと設定することもできる。このように同心円ポインターの動きを実行プログラムの内容と関連させることで様々なプログラムを実行させることができる。
また、同心円ポインターにマウスの右クリックや左クリックを取り付けて、その信号を無線送信する装置を取り付けてもよいことは言うまでもない。
以上のようにして、同心円ポインターを利用して電源オンオフやカーソル移動などを自由に設定することができる。
また、上記ではコンピュータはネットワークを介して制御装置に信号を送信しているが、ネットワークをインターネットとし、そのIPアドレスにより、コンピュータは制御装置を見つけ出して制御信号を送信することができる。
また、上記ではコンピュータはネットワークを介して制御装置に信号を送信しているが、電子機器によっては制御装置を必要とせず、電子機器が制御装置を含んでいる場合がある。例えば、テレビのリモコン操作では、テレビに制御装置が内蔵されているので、制御装置に信号を送信するというよりは、テレビに信号を送信する、ということになる。
また、図24に表示されている「エアコン」の実行プログラムは「温度設定、オンオフ」となっており、実行するプログラムの内容が複数にわたっている。この場合、同心円ポインターを押すと電源のオンオフとし、同心円ポインターを上方に上げる動作で設定温度をあげ、同心円ポインターを下方に下げる動作で設定温度を下げる、などのようにすることができる。即ち、人間の動作に対応して制御することができる。
また、上記ではコンピュータはネットワークを介して制御装置に信号を送信しているが、ネットワークを介さず、コンピュータを直接に電子機器に接続し、制御信号を送ることもできる。この場合にはコンピュータである必要はなく、信号処理チップのような物でコンピュータの役割を代行することができる。
以上のように、対象物はネットワークに接続された電子機器とすることができ、これはネットワークIDとしてのIPアドレスを有し、またコンピュータは前記電子機器の実空間内の位置座標とネットワーク上のネットワーク接続地図とを対比させて管理することができ、さらに前記IPアドレスから見つけ出した対象物の属性を対比させて管理することができる。
図25は、同心円ポインターの位置をリングセンサーで検出し、同心円ポインターの指示点を同心円センサーで計測するための位置計測システムの実施例を示す図である。本実施例では、図25に示すように、壁面などの対象物120に同心円センサー104とリングセンサー102を設置した。リングセンサーは点光源であればどのようなどのような性質の光であっても、その位置を検出することができる。例えば、半導体レーザ光源はコヒーレント光で干渉する性質を示すが、リングセンサーはレーザ光であってもLED光と同様にその3次元位置を計測することができる。また、同心円干渉模様を形成するレーザ光源であっても、リングセンサーは問題なく光源の3次元位置を計測できる。同心円干渉模様のピッチが広すぎて、リングセンサーが光を検出しない場合を除いて、リングセンサーは同心円ポインターの3次元位置を計測することができる。同心円干渉模様とリングセンサーのレンズとの位置関係によっては、リングセンサーが検出する光リングは破線である場合があるが、これは動画像処理により問題なく円抽出できることが分かっている。
以上のように、同心円ポインターの3次元位置をリングセンサーを用いて、正確に計測することができるので、リングセンサーと同心円センサーを併用することにより、同心円ポインターの3次元位置と同心円ポインターの指示点を計測することができる。
同心円ポインターが等間隔の同心円干渉模様を形成する場合には、リングセンサーなしで同心円センサーだけで同心円ポインターの3次元位置を計測することができるが、この場合にはレンズの設計が容易でない、レンズ面の精度が高く、コストが高いなどの問題がある。本実施例のようにリングセンサーを用いれば、間隔がランダムな同心円干渉模様から同心円ポインターの3次元位置を計測できるので、それほど面精度の高くないレンズを利用できる、また、そのコストが低くなるという効果がでる。
図26は、部屋内において人の顔が向いている方向と、人の顔の位置を正確に計測するための位置計測システムの実施例を示す図である。本実施例では、図26に示すように、部屋100には物体としてテレビ120−1、窓120−2、時計120−3などが配置されている。壁には同心円センサー104が設置されている。天井の角にはリングセンサー102が配置されている。部屋100の中にいる人130は顔の向きと一致するように同心円ポインター103を頭に取り付けている(または同心円ポインターを取り付けた帽子をかぶっている)。
同心円センサー104は同心円ポインターから発される同心円干渉模様の一部を検出するので、その同心円中心である人130の顔の向きを正確に知ることができる。例えば、最初に窓120−2を見た後、直ぐに時計120−3の針を30秒見ていたなどを計測することができる。このように顔の向きのデータを連続して保存することにより、人130が時間とともにどのような方向を向いたかを知ることができる。
また、リングセンサー102は光源である同心円ポインター103の3次元位置を正確に計測することができるので、人130が部屋のどの位置にいたかを正確に知ることができる。例えば、同心円ポインターの位置が部屋中央で171cmの高さにあったが、次の瞬間に120cmになったとすると、人130はその場でかがみこんだか椅子に座ったなどと予想することができる。
また、同心円センサーが計測した顔の向きのデータと、リングセンサーが計測した3次元情報を照らし合わせると、人の行動をさらに詳しく分析することができる。部屋のどの位置から何処を見たかの情報を精度良くとることができる。
また、同心円センサーを利用した顔の向きの計測は、視線計測メガネなどと併用することができる。視線計測は眼球のむいている方向を計測するが、何処を見ているかを知るためには顔の向きを知ることが必要になる。顔の向きを計測する方法として、同心円ポインターと同心円センサーを利用した技術を利用できることはいうまでもない。
このように本実施例は、リング型位置計測システムと同心円型位置計測システムを併用したものであり、リングセンサーおよび同心円センサーが現実空間を規定する位置に配置されることにより、現実空間のサイズと座標軸が決定され、それ以降に計測される同心円型位置計測の結果とリング型位置計測の結果が、現実空間の位置に対応した位置として計測される。
また、本実施例では人が部屋内でどの方向を向いていたり、どの位置にいたかを計測する例を説明したが、本技術は、例えば、スーパーマーケットで多数の買い物客に対しても適用することができる。買い物客が利用するカートに同心円ポインターを設置すると、多人数の買い物客がどの位置から何を何秒間見たか、などの情報を得ることができる。この情報を元に買い物客の動向を分析し、品物の陳列などに反映することができることは言うまでもない。
多人数の人が同心円ポインターを利用する場合には、同心円ポインターは識別可能なパルスパターンでパルス発光させことなどが必要となる。同心円センサーにパルスパターンの識別センサーを取り付けて、どの同心円ポインターの光を受けているかを検出する。
本実施例では、人の位置計測の方法として、リングセンサーを利用したが、図19に示すように、天井に多数の同心円ポンターを設置し、同心円センサーを人が携帯して自らの位置を知ることができることは言うまでもない。
図27は、電波を発信する発信源の位置情報と内容情報をリングセンサーで検出し、現実の世界にメタ情報を付加するための位置計測システムの実施例を示す図である。本実施例では、各々の本の背表紙にそのドキュメント内容を示す200ビット程度のパルス信号の電波を発信するICチップ150を貼り付けておく。ICチップは特定の光を受けることにより、パルス電波を発信するものとした。この場合には同心円ポインターの発する850nmの光に対してのみ反応するようにした。具体的には850nmより長波長の光のみを透過するフィルターを太陽電池の表面に取り付け、この起電力をICチップの電力源とした。パルス電波は200ビットの信号とし、2の200乗個の情報を識別できる信号とした。部屋内に設置されたリングセンサー102はICチップ150の発した情報を識別できるようにしてあるので、ICチップの3次元位置情報とICチップの内容情報を同時に計測することができる。
部屋100内にいる人130は、波長850nmの同心円ポインター103を頭に取り付けている。同心円ポインターから放出された光はその方向に存在するICチップ同心円センサーが受光する。同心円センサーは顔の向きを同定し、その方向のにあるICチップから発された情報だけをその実物位置に対応するようにメガネディスプレイ141に表示した。その表示の様子を図28に示す。ここではICチップから噴出しが出て、本タイトル、筆者名、要約が表示されるようにした。これにより人130は何処にどのような情報の本があるかを認識することができる。
本実施例では、同心円ポインターの干渉模様の光を、ICチップの電力供給源としたが、一般的なRFIDに用いられている電波供給でも良いことは言うまでもない。その場合には同心円ポインター以外に電波供給装置を携帯することになる。
ICチップの電力供給源として電波を用いる場合には、ICチップは本の背表紙のように表面に出ている必要はなく、本の中に隠れていてもよいことは言うまでもない。電波は本などを透過して起電力供給をすることができるからである。
また、ICチップは電力供給源を人が携帯する必要はなく、電池や一般的なコンセント電源あるいは照明の光や太陽とすることができるのは言うまでもない。その場合には、これらのICチップは常時あるいは定期的に信号を発信しているが、同心円ポインターの指示点および指示点周辺の情報のみがメガネディスプレイに表示されることになる。
本実施例では、メガネディスプレイ141を人が装着しているが、表示装置であれば何でもよく、ヘッドマウントディスプレイやPDAやノートPCでもよいことは言うまでもない。この場合には実施例1または実施例2で説明した現実の状況をコンピュータ内に構築して、その中で上記のメタ情報を表示するのが、人が認識し易くてもよい。
本実施例では、本を例にして、そのメタ情報を表示する方法を説明したが、メタ情報の表示対象は何でもよく、紙ドキュメント、ビデオ、CD、DVDなどの媒体(メディア)、なににでも応用できることはいうまでもない。
本実施例では、対象物に同心円模様を投影し、部屋の領域と座標軸を決定する方法を説明する。
距離画像を用いて直方体の部屋を規定する方法として、3面が交差する角160−1とその対角にある160−2の距離画像を取得する方法を図29を用いて説明する。角160−1と角160−2を結ぶ直線上の一点に距離画像計測システム105を設置し、先ず角160−1付近の距離画像を計測して、3面の形を計測する。次に同じ位置から角160−2付近の距離画像を計測して、3面の形を計測する。床面は共通しているので、この面が一致するように距離画像を対角線を中心として回転させ接合すると、直方体の部屋の領域と座標軸を決定することができる。
また、このような方法で部屋の領域と座標軸を決定した後で、距離画像計測システムを対象物の方向に回転させ、対象物の距離画像を計測することで、部屋位置に対応した距離画像を計測することができる。ただし、この場合には対象物に向けて距離画像計測システムをxyz軸方向に何度回転させたかを記録しておく必要がある。
距離画像計測システム105は、上述した位置計測システムにより実現することができる。これは、例えば、同心円模様を対象物に投影する同心円光源モジュールと、同心円模様を撮影する撮影装置と、撮影装置が撮影した画像から、対象物の距離画像を計測する演算装置を備えた3次元画像計測システムにより実現することができる。このシステムでは、同心円模様が現実空間を規定している面、辺および角の少なくとも一つに投影され、この面、辺および角の少なくとも一つの距離画像が計測され、前記現実空間に対応した座標軸が決定され、それ以降に計測される計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測される。この場合、同心円光源モジュールは撮影装置に搭載することができ、この撮影装置が現実空間のある固定された位置から前記現実空間を規定する面、辺および角の少なくとも一つの距離画像を計測することができる。
本実施例では、光源の3次元位置を計測する位置計測システムと、同心円模様を投影する同心円光源モジュールが指し示す位置を計測する位置計測システムと同心円模様を投影する同心円光源モジュールを搭載した距離画像計測システムを、一つの部屋で同時に使用する実施例を図30により説明する。
部屋100には、光源の光をリング状に集光し、光源位置を計測するリングセンサー102と同心円干渉模様を検出する同心円センサー104が設置されている。実施例1に示した方法で部屋の領域と座標軸を決定した。
次に、距離画像計測システム105により壁に掛けられた彫刻120−4の距離画像を撮影した。その方法を次に説明する。本実施例では、距離画像計測システム105は、デジタルカメラ106と同心円光源モジュール103−2とを備える。デジタルカメラ106は、イメージセンサと演算装置(例えば、コンピュータで構成される)を有する。図示のように、デジタルカメラ106には同心円光源モジュール(同心円ポインター)103−2が1個搭載されている。同心円光源モジュール103−2を発光させて同心円模様を壁に掛けられた彫刻120−4に投影し、各々のイメージをデジタルカメラ106で撮影する。デジタルカメラ106により撮影された彫刻の像には、同心円中心とそこから広がる同心円模様が連続して撮影された。この撮影データはデジタルカメラ106の演算装置で演算処理される。即ち、どの同心円模様の同心円中心から何番目であるかを数えることができる。
同心円中心の番号を数えることは、円錐を決定する次式
y^2+z^2=(ax)^2 (4)
のaを決定することを意味する。ここで、xは光源モジュールから同心円中心までの距離で、y軸z軸はxに垂直な平面を構成する直交軸である。aは同心円番号により決定される係数である。
一方、デジタルカメラの各画素Piが決定する光入射方向を表す直線Lは次式で表される。
Figure 0004114637
ただし、画素Piの3次元座標が(xpi、ypi、zpi)である。また、デジタルカメラのレンズの主点の3次元位置が(xl、yl、zl)である。従って、mlが判明すれは、点Pの座標(x、y、z)が判明する。式(5)を式(4)に代入することによりmlの解が得られる。mlは一般には2次方程式の解であるので、2つ存在するが、正であることと、カメラからの距離が大体1m〜10m程度の範囲であることを入れると一つの解が得られる。以上の手順で、彫刻120−4の距離画像を取得することができる。
距離画像を計測する際に、同心円光源モジュールを発光したが、同心円模様は対象物である彫刻120−4以外に広がっているので、その一部を、部屋100に設置された同心円センサー104でも計測できる。従って、同心円光源モジュールの投影する同心円模様の中心が部屋の何処に位置しているかを計測することができる。よって、壁に掛けられた彫刻120−4の表面形状を部屋の位置とともに計測することができる。
また、同時に、距離画像を計測する際に発光した同心円光源モジュールの光を、リングセンサー102でも検出することができる。これにより、距離画像計測システムの3次元位置を計測することができる。
以上の実施例では、光源の3次元位置を計測する位置計測システムと、同心円模様を投影する同心円光源モジュールが指し示す位置を計測する位置計測システムと同心円模様を投影する同心円光源モジュールを搭載した距離画像計測システムを、一つの部屋で同時に使用する実施例を示したが、これら3つの計測システムのうち、2つだけを利用して、部屋に対応した計測を行えることは言うまでもない。
以上の実施例では、同心円模様を形成する方法として、光干渉を用いたが、プロジェクターなどで同心円模様を投影しても同様にして位置計測ができることは言うまでもない。
本発明は、光や電波などの電磁波を利用して、対象物の3次元位置や向きを計測する位置計測システムに関するものであり、産業上の利用可能性を有している。
リングセンサーの一例を示す概念図である。 リング状入射窓3を有するレンズ2の一例を示す図である。 イメージセンサ5に形成されるリング像を示す図であり、(a)は光源がレンズ前端より1000mm離れた光軸上にある場合のもの、(b)は光源がレンズ前端より500mm離れた光軸上にある場合のものである。 光リング像の形成について説明する図であり、(a)はレンズ系の正面図、(b)は光リング像の図である。 光源位置が光軸から大きく外れた場合の光リング像の一例を示す図である。 光源とレンズ系と光リング像の関係の一例を示す図である。 リングセンサーの他の例を示す概念図である。 図7の2つの光源により形成された光リング像の一例を示す図である。 (a)はリングセンサーのさらに他の例を示す概念図、(b)はアンテナアレイの概念図である。 (a)、(b)は、レンズの上半分を通過した光と下半分を通過した光が同心円干渉模様を形成する同心円ポインターの一例を示す図である。 図10の光学レンズ系により形成される干渉模様のシミュレーション結果を示す図である。 光学レンズの上側半分を通過した光同士で干渉を起こす同心円ポインターの一例を示す図である。 同心円干渉模様を形成するレンズと半導体レーザ光源を光源モジュールとして用い、このモジュールが指し示す指示点を計測する図である。 同心円干渉模様の同心円中心を算出する方法を示す図である。 表示装置の対角線の位置にそれぞれ検出装置を取り付けて、表示装置のサイズを自動的に検出して、ポインターで指し示した点にカーソルを移動させる例を示す図である。 平面に投影された等間隔の干渉模様から光源モジュールの3次元位置を計測する例を示す図である。 光源モジュールをポインターとして利用し、対象物のサイズを計測する実施例を示す図である。 光源モジュールとこれにより投影された同心円干渉模様の配置を示した図である。 検出装置の方向と位置を検出する例を示す図である。 光源モジュールを建物の天井に多数個取り付け、人を所望の位置に誘導する例を示す図である。 部屋の寸法と対象物の位置を計測するための位置計測システムの実施例を示す図である。 部屋の寸法を計測する方法を示す図である。 部屋内の実物の配置を簡易に管理コンピュータ内に構築するための位置計測システムの実施例を示す図である。 対象物の位置情報管理リストの一例を示す図である。 同心円ポインターの3次元位置をリングセンサーで検出し、同心円ポインターの指示点を同心円センサーで検出する方法を示す図である。 部屋内において人の顔が向いている方向と、人の顔の位置を正確に計測するための位置計測システムの実施例を示す図である。 電波を発信する発信源の位置情報と内容情報をリングセンサーで検出し、現実の世界にメタ情報を付加するための位置計測システムの実施例を示す図である。 メガネディスプレイに表示されるICチップの発信した情報を示す図である。 部屋の領域を既定する方法を示す図である。 部屋に対応した距離画像を計測する方法と、3つの計測方法を同時に利用して計測を行う方法を示す図である。
符号の説明
100 部屋
101 LED光源
102−1〜102−8 リングセンサー
103 同心円ポインター
104 同心円センサー
105 距離画像計測システム
106 デジタルカメラ
110 コンピュータ(PC)
111 表示装置
120 机
120−1 テレビ
120−2 窓
120−3 時計
120−4 彫刻像
141 メガネディスプレイ
150 ICチップ
160 空間を規定する位置

Claims (29)

  1. 電磁波発信源から放出された電磁波を球面収差の効果によりリング形状に集中するレンズ系と、前記リング形状に集中した電磁波を検出する受信デバイスと、前記受信デバイスが検出した情報から、前記電磁波発信源の3次元位置を計測する演算装置とを備えたリング型位置計測システムにおいて、前記レンズ系が、第1レンズ面の中心軸周辺部に電磁波遮蔽部を有し、前記電磁波遮蔽部を除く第1レンズ面から入射した前記電磁波を第2レンズ面から出射するものであり、
    前記第1レンズ面に対向する前記第2レンズ面の中心軸から離れた位置に配置された第1ミラー面と、前記第2レンズ面に対向する前記電磁波遮蔽部の位置に配置された第2ミラー面とを備え、前記第1レンズ面、第2レンズ面および第2ミラー面がそれぞれ凸形状を有し、前記第1ミラー面が凹形状を有すること、または、
    前記第1レンズ面が平坦面で前記第2レンズ面が球面の半球レンズを有すること、
    前記電磁波発信源または前記受信デバイスが、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる位置に配置されること、並びに、
    前記演算装置が、前記電磁波発信源または前記受信デバイスの配置された位置に基づいて前記現実空間のサイズを計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する電磁波発信源の3次元位置を前記計測した現実空間に対応した位置として計測することを特徴とするリング型位置計測システム。
  2. 前記現実空間が直方体空間であり、これを規定する位置が直方体の辺、面および角の少なくとも一つの位置であることを特徴とする請求項1に記載のリング型位置計測システム。
  3. 前記電磁波発信源が前記受信デバイスに装着され、前記受信デバイスが前記現実空間を規定する位置に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載のリング型位置計測システム。
  4. 前記現実空間が部屋であり、前記電磁波発信源が部屋の壁、天井、床、仕切り板および角の少なくとも一つに3つ以上配置されることにより、前記部屋の寸法が計測され、それ以降に計測される電磁波発信源の位置が前記部屋の位置に対応した位置として計測されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリング型位置計測システム。
  5. 前記電磁波が光であり、前記電磁波発信源が光源であり、前記受信デバイスが受光デバイスであり、前記レンズ系が光学レンズ系であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリング型位置計測システム。
  6. 請求項5に記載のリング型位置計測システム、
    同心円模様を投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様の光を検出する同心円検出装置と、前記同心円検出装置が検出した信号から、前記同心円光源モジュールおよび前記同心円模様の中心位置の少なくとも一方の位置を計測する演算装置を備えた同心円型位置計測システムにおいて、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方が、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる位置に配置されること、並びに、前記演算装置が、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方の配置された位置に基づいて前記現実空間のサイズを計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する計測結果を前記計測した現実空間に対応した位置として計測する同心円型位置計測システム、および
    同心円模様を対象物に投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様を撮影する撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像から、対象物の距離画像を計測する演算装置を備えた3次元画像計測システムにおいて、前記同心円模様が、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる面に投影され、前記演算装置が、前記現実空間の前記面の距離画像を計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する計測結果を前記計測した現実空間に対応した位置として計測する3次元画像計測システム
    のうち、少なくとも一つの計測システムが現実空間を規定する位置に設置され、前記現実空間に対応する座標軸が決定され、前記3つの計測システムのうち少なくとも二つの計測システムがそれ以降に計測する計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測される計測システムであって、
    前記同心円型位置計測システムまたは前記3次元画像計測システムで使われる前記同心円光源モジュールが、前記リング型位置計測システムの光源となり、前記同心円光源モジュールの3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されることを特徴とする計測システム。
  7. 請求項5に記載のリング型位置計測システム、
    同心円模様を投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様の光を検出する同心円検出装置と、前記同心円検出装置が検出した信号から、前記同心円光源モジュールおよび前記同心円模様の中心位置の少なくとも一方の位置を計測する演算装置を備えた同心円型位置計測システムにおいて、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方が、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる位置に配置されること、並びに、前記演算装置が、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方の配置された位置に基づいて前記現実空間のサイズを計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する計測結果を前記計測した現実空間に対応した位置として計測する同心円型位置計測システム、および
    同心円模様を対象物に投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様を撮影する撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像から、対象物の距離画像を計測する演算装置を備えた3次元画像計測システムにおいて、前記同心円模様が、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる面に投影され、前記演算装置が、前記現実空間の前記面の距離画像を計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する計測結果を前記計測した現実空間に対応した位置として計測する3次元画像計測システム
    のうち、少なくとも一つの計測システムが現実空間を規定する位置に設置され、前記現実空間に対応する座標軸が決定され、前記3つの計測システムのうち少なくとも二つの計測システムがそれ以降に計測する計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測される計測システムであって、
    前記同心円型位置計測システムの同心円光源モジュールが投影する同心円模様が、前記3次元画像計測システムにより計測され、前記同心円光源モジュールまたは前記同心円模様の中心点の3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されることを特徴とする計測システム。
  8. 請求項5に記載のリング型位置計測システム、
    同心円模様を投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様の光を検出する同心円検出装置と、前記同心円検出装置が検出した信号から、前記同心円光源モジュールおよび前記同心円模様の中心位置の少なくとも一方の位置を計測する演算装置を備えた同心円型位置計測システムにおいて、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方が、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる位置に配置されること、並びに、前記演算装置が、前記同心円光源モジュールおよび同心円検出装置の少なくとも一方の配置された位置に基づいて前記現実空間のサイズを計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する計測結果を前記計測した現実空間に対応した位置として計測する同心円型位置計測システム、および
    同心円模様を対象物に投影する同心円光源モジュールと、前記同心円模様を撮影する撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像から、対象物の距離画像を計測する演算装置を備えた3次元画像計測システムにおいて、前記同心円模様が、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる面に投影され、前記演算装置が、前記現実空間の前記面の距離画像を計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する計測結果を前記計測した現実空間に対応した位置として計測する3次元画像計測システム
    のうち、少なくとも一つの計測システムが現実空間を規定する位置に設置され、前記現実空間に対応する座標軸が決定され、前記3つの計測システムのうち少なくとも二つの計測システムがそれ以降に計測する計測結果が前記現実空間に対応した位置として計測される計測システムであって、
    前記3次元画像計測システムの同心円光源モジュールが対象物に投影する同心円模様の一部が、前記同心円型位置計測システムにより計測され、前記同心円光源モジュールまたは前記同心円模様の中心点の3次元位置が前記現実空間に対応した位置として計測されることを特徴とする計測システム。
  9. 前記同心円模様が同心円干渉模様であることを特徴とする請求項またはに記載の計測システム。
  10. 前記3次元画像計測システムの同心円光源モジュールが複数個あり、前記対象物に複数の同心円模様が投影され、前記複数の同心円光源モジュールの3次元位置が前記リング型位置計測システムまたは前記同心円型位置計測システムにより前記現実空間に対応した位置として計測されることを特徴とする請求項のいずれかに記載の計測システム。
  11. 電磁波発信源より発信された電磁波からリング形状の電磁波集中領域を形成するレンズ系および前記レンズ系により形成された電磁波集中領域を検出する受信デバイスを有するリングセンサーと、レーザ光源と同心円模様を形成するレンズの組み合わせからなる同心円ポインターと、前記同心円ポインターから光を受けることにより電波を発信する、物体に貼付されたICチップとを備え、前記受信デバイスが検出した情報から、前記電磁波発信源の3次元位置を計測する演算装置とを備えたリング型位置計測システムにおいて、前記レンズ系が、第1レンズ面の中心軸周辺部に電磁波遮蔽部を有し、前記電磁波遮蔽部を除く第1レンズ面から入射した前記電磁波を第2レンズ面から出射するものであり、
    前記第1レンズ面に対向する前記第2レンズ面の中心軸から離れた位置に配置された第1ミラー面と、前記第2レンズ面に対向する前記電磁波遮蔽部の位置に配置された第2ミラー面とを備え、前記第1レンズ面、第2レンズ面および第2ミラー面がそれぞれ凸形状を有し、前記第1ミラー面が凹形状を有すること、または、
    前記第1レンズ面が平坦面で前記第2レンズ面が球面の半球レンズを有すること、
    前記電磁波発信源または前記受信デバイスが、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる位置に配置されること、並びに、
    前記演算装置が、前記電磁波発信源または前記受信デバイスの配置された位置に基づいて前記現実空間のサイズを計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測する電磁波発信源の3次元位置を前記計測した現実空間に対応した位置として計測することを特徴とする位置管理システム。
  12. 前記同心円模様が同心円干渉模様であることを特徴とする請求項11に記載の位置管理システム。
  13. 前記リングセンサーが、前記ICチップから発信される電波を検出することを備えたことを特徴とする請求項11または12に記載の位置管理システム。
  14. 前記ICチップから発信される電波から情報を取得し、それを表示装置に表示することを特徴とする請求項13に記載の位置管理システム。
  15. 前記表示装置がメガネディスプレイであることを特徴とする請求項14に記載の位置管理システム。
  16. 電磁波発信源より発信された電磁波からリング形状の電磁波集中領域を形成するレンズ系および前記レンズ系により形成された電磁波集中領域を検出する受信デバイスを有するリングセンサーと、前記受信デバイスが検出した情報から、前記電磁波発信源の3次元位置を計測する前記リングセンサーに接続されたコンピュータと、前記コンピュータに接続された表示装置とを備え、前記レンズ系が、第1レンズ面の中心軸周辺部に電磁波遮蔽部を有し、前記電磁波遮蔽部を除く第1レンズ面から入射した前記電磁波を第2レンズ面から出射するものであり、
    前記第1レンズ面に対向する前記第2レンズ面の中心軸から離れた位置に配置された第1ミラー面と、前記第2レンズ面に対向する前記電磁波遮蔽部の位置に配置された第2ミラー面とを備え、前記第1レンズ面、第2レンズ面および第2ミラー面がそれぞれ凸形状を有し、前記第1ミラー面が凹形状を有すること、または、
    前記第1レンズ面が平坦面で前記第2レンズ面が球面の半球レンズを有すること、
    前記電磁波発信源または前記受信デバイスが、計測が行われる現実空間のサイズを計測できる位置に配置されること、並びに、
    前記コンピュータが、前記電磁波発信源または前記受信デバイスの配置された位置に基づいて前記現実空間のサイズを計測し前記現実空間に対応した座標軸を決定し、それ以降に計測するある対象物の位置情報を前記計測した現実空間に対応した位置として、前記対象物を示す項目と前記対象物の属性と共に管理し、前記位置情報と前記項目と前記属性を前記表示装置に表示しうることを特徴とする位置管理システム。
  17. 前記表示装置には前記対象物が存在する現実空間に対応するデジタル空間が作成され、その中に前記対象物を示す項目が前記位置情報に基づいて表示されることを特徴とする請求項16に記載の位置管理システム。
  18. 前記デジタル空間内に、前記対象物を示す項目がその位置情報と属性とに基づいて、現実空間を縮尺または拡大した形状で表示されることを特徴とする請求項17に記載の位置管理システム。
  19. 前記表示装置上に存在する対象物が、前記コンピュータに入力された現実空間の位置座標に基づいて配置されることを特徴とする請求項16に記載の位置管理システム。
  20. 前記対象物がネットワークに接続された電子機器であり、ネットワークIDを有し、前記コンピュータが前記電子機器の実空間内の位置座標とネットワーク上のネットワーク接続地図とを対比させて管理することを特徴とする請求項16に記載の位置管理システム。
  21. 前記対象物がネットワークに接続された電子機器であり、ネットワークIDを有し、前記コンピュータが前記電子機器の現実空間内の位置座標とネットワーク上のネットワーク接続地図と、前記ネットワークIDから見つけ出した対象物の属性を対比させて管理することを特徴とする請求項16に記載の位置管理システム。
  22. 前記ネットワークIDがIPアドレスであることを特徴とする請求項20または21に記載の位置管理システム。
  23. 請求項11または16に記載の位置管理システムにおいて、
    前記位置管理システムは現実空間に存在する対象物を示す項目と前記対象物の属性とその位置座標情報を有し、前記位置計測システムが計測する位置座標が前記位置座標情報に対応する場合には、前記コンピュータがすでに入力されているプログラムを実行することを特徴とする位置管理システム。
  24. 請求項23に記載の位置管理システムにおいて、
    位置計測される対象物が、ネットワークに接続された電子機器であり、前記コンピュータはネットワークを介して前記プログラムの内容を実行することを特徴とする位置管理システム。
  25. 請求項24に記載の位置管理システムにおいて、
    前記電子機器はIPアドレスを有し、前記コンピュータはIPアドレスを用いて前記プログラムの内容を実行することを特徴とする位置管理システム。
  26. 請求項2325のいずれかに記載の位置管理システムにおいて、
    前記コンピュータは前記プログラムの実行に際して、前記プログラムの内容が複数の場合には、前記位置計測のやり方を識別し、実行プログラム内容を選別して、実行することを特徴とする位置管理システム。
  27. 請求項2326のいずれかに記載の位置管理システムにおいて、
    前記対象物がネットワークに接続されているコンピュータ画面であり、すでに入力されている前記コンピュータ画面の位置座標に対応する値を前記位置計測システムが計測した場合には、前記位置計測システムはコンピュータのマウスの役割を果たし、前記コンピュータ画面の計測位置にカーソルを移動させることを特徴とする位置管理システム。
  28. 請求項27に記載の位置管理システムにおいて、
    前記位置計測システムは発信源の3次元位置から前記マウスの画面上の位置を算出し、かつ、前記発信源の3次元位置およびその動きから左クリックまたは右クリックを実行することを特徴と位置管理システム。
  29. 請求項23に記載の位置管理システムにおいて、
    位置計測される対象物が制御装置により制御される電子機器であり、前記コンピュータは前記制御装置に信号を送信し、前記制御装置が前記電子機器を制御することを特徴とする位置管理システム。
JP2004159250A 2004-05-28 2004-05-28 位置計測システム Expired - Fee Related JP4114637B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004159250A JP4114637B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 位置計測システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004159250A JP4114637B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 位置計測システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005337966A JP2005337966A (ja) 2005-12-08
JP4114637B2 true JP4114637B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=35491703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004159250A Expired - Fee Related JP4114637B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 位置計測システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4114637B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4918830B2 (ja) * 2006-08-31 2012-04-18 富士ゼロックス株式会社 位置計測システム
US9495386B2 (en) 2008-03-05 2016-11-15 Ebay Inc. Identification of items depicted in images
US10936650B2 (en) 2008-03-05 2021-03-02 Ebay Inc. Method and apparatus for image recognition services
US9164577B2 (en) 2009-12-22 2015-10-20 Ebay Inc. Augmented reality system, method, and apparatus for displaying an item image in a contextual environment
US9449342B2 (en) * 2011-10-27 2016-09-20 Ebay Inc. System and method for visualization of items in an environment using augmented reality
US9240059B2 (en) 2011-12-29 2016-01-19 Ebay Inc. Personal augmented reality
US10846766B2 (en) 2012-06-29 2020-11-24 Ebay Inc. Contextual menus based on image recognition

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005337966A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7009713B2 (en) Optical position measuring system using an interference pattern
US8471812B2 (en) Pointing and identification device
US8971565B2 (en) Human interface electronic device
US5686942A (en) Remote computer input system which detects point source on operator
US10949027B2 (en) Interactive virtual display
JP2005331784A (ja) 光学レンズ系およびこれを用いた位置計測システム
CN110998223B (zh) 用于确定至少一个对像的位置的检测器
US8933912B2 (en) Touch sensitive user interface with three dimensional input sensor
JP5212991B2 (ja) 空中映像インタラクション装置及びそのプログラム
JP5461470B2 (ja) 近接度検出器
CN102591488B (zh) 改进的输入设备和相关联的方法
US20150253428A1 (en) Determining positional information for an object in space
JPH08506193A (ja) ペンの視覚的検出のための拡散支援による位置標定用装置および方法
JP2014517361A (ja) カメラ式マルチタッチ相互作用装置、システム及び方法
JP2009037620A (ja) 三次元バーチャルインプットとシミュレートの装置
CN105593786A (zh) 对象位置确定
JP2005233842A (ja) 位置計測システム
JPWO2018216619A1 (ja) 非接触入力装置
JP4114637B2 (ja) 位置計測システム
JP2019074933A (ja) 非接触入力装置
JP2006268582A (ja) ジェスチャによる情報機器の制御方法および制御システム
JP2007327966A (ja) 光源モジュールおよびこれを用いた位置計測システム
Balaji et al. RetroSphere: Self-Contained Passive 3D Controller Tracking for Augmented Reality
CN107743628A (zh) Led面发光的结构化光
TW201617814A (zh) 光學式觸控裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060818

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060818

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20060914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080325

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080407

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140425

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees