JP4113990B2 - Anticancer agent-containing emulsion preparation and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学療法におけるドラッグデリバリーシステム(薬物送達システム;以下「DDS」という)において使用される抗癌剤含有乳化製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、癌の化学療法としては、静脈投与、粘膜下に注入する局所投与、動注投与等の種々の薬剤投与方法があり、これらは癌の種類と部位に応じて適宜使い分けされている。とりわけ動注投与による治療は、癌組織に向かう動脈に薬剤を注入するため、薬剤の大部分を癌組織に到達させることができる。例えば、図1に示すように、肝臓(1)の肝臓癌(2)の治療においては、右大腿動脈から分岐した肝動脈(3)の中に挿入されたカテーテル(4)を通じ、注射器(5)或いはインジェクターを用いて、水溶性抗癌剤とゼラチンスポンジを注入する肝動脈塞栓術が行われている。
【0003】
近年では、油性X線造影剤であるヨウ素化けし油脂肪酸エチルエステル (「Lipiodol Ultra-Fluide」ラボラトワール・ゲルベ社製;以下「リピオドール」という)が肝臓癌に対して特異的に沈着する性質を利用し、肝動脈塞栓術を用いて効率的に抗癌剤を肝臓癌に到達させる方法が実施されている。
【0004】
具体的には、油性高分子抗癌剤を上記リピオドールに懸濁させた製剤を使用する方法がある。この製剤は、熊本大学医学部で開発され(Konno T. et al, Jpn. Cancer Chemother., 9, 2005-2015(1982))、製造販売されているものである(「スマンクス(SMANCS)」山之内製薬(株))。
【0005】
他の一つとしては、長崎大学医学部で開発されたものであって(Kanematsu T. et al, J. Surg. Oncol., 25, 218-226(1984))、リピオドール、水溶性X線造影剤及び水溶性抗癌剤を乳化させた製剤である。
【0006】
しかしながら、前者の懸濁製剤は、抗癌剤が油性高分子であるため、これを所定の癌細胞へ到達させることが難しく、十分な薬効を得ることができない。しかも、現在認可されている水溶性抗癌剤を使用できないという欠点もある。
【0007】
後者の乳化製剤は、エマルション自体が不安定であるため、リピオドールと抗癌剤が分離し易く、分離した場合には抗癌剤が血流にのって癌組織から流失してしまうという欠点がある。
【0008】
ところで、粒径が均一な単分散エマルションを得る方法として、多孔質ガラス膜を用いる乳化方法(以下「膜乳化法」という)が提案された(特開平2−95433号)。この膜乳化法によれば、細孔径が異なる多孔質ガラス膜を利用することによって、0.3〜40μmの範囲において単分散W/O型エマルション及び単分散W/O/W型エマルションを製造することができる。
【0009】
そこで、本発明者は、膜乳化法を用い、動注療法において使用できる粒径30μmの単分散W/O/W型エマルション製剤を開発し、その臨床結果を報告した
(“Arterial-Injection Chemotherapy for Hepatocellular Carcinoma Using
Monodispersed Poppy-Seed Oil Microdroplets Containing File Aqueous
Vesicles of Epirubicin”, CANCER, 75, 1245(1995))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法による製剤は、特に癌組織(例えば肝臓癌等)に対する沈着性等が未だ不十分であり、それらの点についてさらに検討・改善する余地があった。
【0011】
従って、本発明は、特に癌組織に対する沈着性に優れた製剤を提供することを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の方法により得られるエマルションは、その特異な構造をもつゆえに癌組織に対して優れた沈着性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、下記の抗癌剤含有乳化製剤及びその製造方法に係るものである。
【0014】
1.W/O型エマルション製剤であって、
(a)水相が、浸透圧0.01〜7.0MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液であり、
(b)油相が、油脂類及び油性界面活性剤を含有しており、
(c)水相と油相の体積比が1:9〜1:0.2の範囲にあり、
(d)水相粒子の平均粒径が200μm以下であって、かつ、最大粒径が400μm以下であり、
(e)上記平均粒径の75%から150%の粒径をもつ水相粒子が全水相粒子の50容積%以上である
ことを特徴とする抗癌剤含有乳化製剤。
【0015】
2.浸透圧0.01〜7.0MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液からなる水相を、油性界面活性剤0.1〜10重量%を含む油相に分散させることにより、W/O型エマルションを得ることを特徴とする抗癌剤含有乳化製剤の製造方法。
【0016】
3.W/O/W型エマルション製剤であって、
(a)内水相が、浸透圧0.1〜3.5MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液であり、
(b)油相が、油脂類及び油性界面活性剤を含有しており、
(c)内水相と外水相の体積比が1:10〜1:0.1の範囲にあり、
(d)内水相と油相の体積比が1:9〜1:0.1の範囲にあり、
(e)W/O/W型エマルション粒子の平均粒径が40〜500μmである、
ことを特徴とする抗癌剤含有乳化製剤。
【0017】
4.W/O型エマルション製剤を、多孔質ガラス膜を介して、浸透圧0.1〜0.7MPaの外水相となる水相に圧入分散させることにより、W/O/W型エマルションからなる製剤を得る方法であって、
(a)W/O型エマルション製剤における水相の浸透圧を、外水相となる水相の浸透圧以上の値とし、
(b)得られたW/O/W型エマルションにおける内水相及び外水相の浸透圧を、生理食塩水の浸透圧を超える値とする
ことを特徴とする抗癌剤含有乳化製剤の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに説明する。なお、本明細書中では、原則的に各用語を次のようにそれぞれ記す。
【0019】
▲1▼ W/O型エマルション製剤(例えば図2(a))の場合、その粒子(6)を「水相粒子」、分散媒(7)を「油相」と記す。さらに、このエマルションを用いて製造したW/O/W型エマルション製剤(例えば図2(b))の場合、抗癌剤を含む水相粒子(8)を「内水相粒子」、これを油相で包含している油滴(9)を「W/O/W型エマルション粒子」、分散媒(10)を「外水相」と記す。また、W/O型エマルション製剤とW/O/W型エマルション製剤とを総称して「乳化型DDS製剤」と記す。
【0020】
▲2▼ 「単分散エマルション」は、基本的には上記平均粒径の75%から150%の粒径をもつ粒子が全粒子の50容積%以上であるものを示し、このような粒径分布をもたないエマルションを「多分散エマルション」と記す。
【0021】
▲3▼ W/O/W型エマルション製剤においてW/O/W型エマルション粒子が占める割合(容積%)を「充填率」と記す。
【0022】
まず、本発明に係るW/O型エマルションからなる抗癌剤含有乳化製剤について説明する。
【0023】
水相は、抗癌剤含有水溶液であり、その浸透圧は通常0.01〜7.0MPa程度の範囲内に調整されている。抗癌剤は、水溶性であれば特に制限されず、例えば白金錯化合物系、アントラキノン系、アントラサイクリン系等の各種の抗癌剤が使用でき、その他の市販ものも使用できる。抗癌剤の使用量は、癌組織の部位、大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。
【0024】
本発明では、抗癌剤以外にも、実質上人体に無害な化合物を添加することができる。例えば食塩のほか、ナトリウム塩(例えば、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム等)、カルシウム塩(例えば塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム等)の各種塩類、ブドウ糖、乳糖等の各種糖類を挙げることができる。さらに、グリセリン、D−マンニトール、アミノ酸等も使用することができる。
【0025】
水相の浸透圧は、癌組織の性質、部位、大きさ等に応じて上記範囲内で適宜設定すれば良い。例えば、エマルション粒子(水相粒子)を体内でさらに膨張させようとする場合には、生理食塩水の浸透圧を超える値、好ましくは生理食塩水の浸透圧の通常1.1〜5倍(0.75〜3.5MPa)程度に調節すれば良い。これにより、血液中にW/O型エマルション製剤を動注した後、血液中の水が水相粒子に移動する結果、血管の中で水相粒子が膨張する。膨張させる必要が特にない場合は、血液と同じ生理食塩水の浸透圧に設定すれば、そのままの粒径を維持することができる。上記浸透圧は、例えば抗癌剤、上記添加剤等の添加量によって調節できる。なお、本発明における生理食塩水の浸透圧は、約37℃における値を基準とする。
【0026】
油相中には、油脂類及び油性界面活性剤が含まれている。油脂類としては、薬理的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば大豆油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、メンジツ油、ヨード油、強ヨード油等を使用することができる。
【0027】
油性界面活性剤としては、薬理的に許容される限り特に制限されず、市販のものを使用できる。この中でもポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、特に酸化エチレン付加40モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(例えば、「HCO−40」日光ケミカルズ(株)製など)が生体に対する安全性がより高く、少ない濃度で安定性に優れたW/O型エマルション製剤及びW/O/W型エマルション製剤を調製できる点から好ましい。
【0028】
また、油性界面活性剤として、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(例えば、「CR−310」阪本薬品工業(株)製など)、デカグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(例えば、「CR−500」阪本薬品工業(株)製など)等のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル系の界面活性剤を使用しても安定なW/O型エマルション製剤及びW/O/W型エマルション製剤を調製することができる。
【0029】
油性界面活性剤の添加量は、用いる油脂類等に応じて適宜設定することができるが、通常0.1〜20重量%程度、好ましくは0.5〜10重量%とする。
【0030】
油相中にはさらに他の添加成分が含まれていても良い。例えば、抗癌剤、レシチン、コレステロール、ビタミンE等が挙げられる。抗癌剤としては、油溶性のものであれば特に制限されず、市販のものも使用することができる。例えば、抗癌剤ジノスタチンスチラマーを含有する上記スマンクス等を使用することができる。含有量は、用いる油脂類、油性界面活性剤等に応じて適宜定めることができる。
【0031】
上記の水相と油相の体積比は、通常1:9〜1:0.2程度、好ましくは1:9〜1:0.5とする。特に1:4〜1:0.5とすることがより好ましい。このような体積比とすることによって、エマルションの粘度を自由に調節することができ、優れた沈着性が得られる。また、抗癌剤の徐放速度を調節することもできる。水相の割合が大きすぎる場合には、粘度が非常に高くなり、動注自体が困難となるので好ましくない。水相の割合が少なすぎる場合には、抗癌剤の含有量が少なくなるため、所望の薬効が期待できない。
【0032】
水相粒子の平均粒径は、通常200μm以下であり、好ましくは0.5〜10μmである。また、水相粒子の最大粒径は、通常は400μm以下、好ましくは200μm以下である。なお、これらの粒径は、投与前における粒径である。
【0033】
また、本発明製剤の粒径分布は、上記の粒径範囲内にあれば特に制限されないが、上記平均粒径の75%から150%の粒径をもつ水相粒子が全水相粒子の50容積%以上であることが好ましい。すなわち、本発明では単分散エマルションであることが好ましい。
【0034】
特に、水相粒子の平均粒径の50%以下の粒径をもつ水相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつ水相粒子を実質的に含まず、かつ、上記平均粒径の 75%から150%の粒径をもつ水相粒子が全水相粒子の80容積%以上であることがより好ましい。この場合、水相粒子の平均粒径の50%以下の粒径をもつ水相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつ水相粒子は、本発明の効果を損なわない範囲内において含まれていても差し支えない。
【0035】
本発明W/O型エマルション製剤の製造方法は、浸透圧0.01〜7.0MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液からなる水相を、油性界面活性剤0.1〜10重量%を含む油相に分散させることにより、W/O型エマルションを得ることを特徴とする。分散させる方法は、特に制限されず、例えば攪拌、ホモジナイザー、超音乳化機等による公知の乳化方法に従えば良い。特に、上記水相を多孔質ガラスを介して上記油相に圧入分散させる膜乳化方法では、単分散性のより高いW/O型エマルション製剤が得られるという点で好ましい。
【0036】
本発明の製造方法では、水相として浸透圧0.01〜7.0MPa程度、好ましくは0.1〜3.5MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液を用いる。抗癌剤としては、前記の水溶性のものを使用することができる。また、油相としては油性界面活性剤0.1〜20重量%程度を含むものを用いる。油相は、例えば油脂類を用いて調製することができる。油性界面活性剤及び油脂類としては前記W/O型エマルション製剤と同様のものを使用することができる。
【0037】
油性界面活性剤の濃度は、その種類、水相/油相の体積比等に応じて上記範囲内で適宜設定することができる。また、添加方法も用途等に応じて適宜決定することができる。例えば、予め0.1〜10重量%の範囲に調整して安定なW/O型エマルションを得た後、さらに得られたW/O型エマルションに油性界面活性剤を全量が20重量%以下となる範囲内で追加すれば、得られたW/O型エマルション粒子(水性粒子)を効果的に膨張させることができる。また、膨張させない場合は、W/O型エマルションを得た時点における油性界面活性剤の濃度をそのまま維持すれば良い。このように、油性界面活性剤を追加することによってW/O型エマルション粒子の大きさ等を任意にコントロールすることができる。
【0038】
本発明では、特に多孔質ガラス膜を介してW/O型エマルション製剤を調製することが望ましい。この方法では、エマルションの安定性を維持しつつ油性界面活性剤の追加量を減らすことができ、この点において機械的乳化法に比してより有利である。また、膜乳化法によれば、0.5〜10μm程度の小さな水相粒子が確実に得られ、しかもこの範囲で粒径を自由にコントロールすることができる。また、機械的方法による場合と異なり乳化する際に熱が発生することもないため、熱に敏感な抗癌剤にも適用することができる。
【0039】
上記多孔質ガラス膜としては、公知のものが使用でき、例えばガラスのミクロ相分離を利用して製造されたものを好適に使用できる。具体的には、特許第1504002号に開示されたCaO−B2O3−SiO2−Al2O3系多孔質ガラス、特許第1518989号及び米国特許第4657875号に開示されたCaO−B2O3−SiO2−Al2O3−NaO2系多孔質ガラス、CaO−B2O3−SiO2−Al2O3−NaO2−MgO系多孔質ガラス、CaO−B2O3−SiO2−ZrO2系多孔質ガラス等が挙げられる。
【0040】
これらの多孔質ガラスの中でも、特に、相対累積細孔分布曲線において、細孔容積が全体の10%を占める時の細孔径を細孔容積が全体の90%を占める時の細孔径で除した値が実質的に1から1.5までの範囲内にあるミクロ多孔膜体を用いることが望ましい。このような膜は、特に細孔が均一であり、膜乳化に適している。
【0041】
また、圧入する際の圧力は、水相又は油相の組成等に応じて適宜定めることができるが、通常Pc>2γcosθ/r(但し、Pcは圧力、γは界面張力、θは接触角、rは多孔膜体細孔半径を示す。)なる圧力とすれば良い。
【0042】
本発明W/O/W型エマルション製剤は、その内水相が浸透圧0.1〜3.5MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液である。抗癌剤は、水溶性であれば特に制限されず、例えば白金錯化合物系、アントラキノン系、アントラサイクリン系等の各種のもの或いは市販のものが使用できる。抗癌剤の使用量は、癌組織の部位、大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。また、抗癌剤のほかにも、前記W/O型エマルション製剤の水相に添加されている成分が含まれていても良い。これら抗癌剤等の添加量によって内水相の浸透圧を調節することができる。
【0043】
油相には、油脂類及び油性界面活性剤が含まれている。これらは、前記W/O型エマルション製剤で用いるものと同様のものを使用することができる。油性界面活性剤の含有量は、通常0.1〜20重量%程度、好ましくは0.5〜10重量%とする。また、油相には、他の成分が含まれていても良く、例えば抗癌剤、レシチン、コレステロール、ビタミンE等が挙げられる。抗癌剤としては、油溶性のものであれば特に制限されず、前記と同様の油溶性抗癌剤を使用できる。
【0044】
外水相の組成としては、薬理的に許容されるものであれば特に制限はなく、例えば塩類、糖類等の水溶液を用いることができる。塩類、糖類等としては、前記W/O型エマルション製剤と同様のものを使用できる。これらの塩類、糖類等の濃度によって、浸透圧を調整することができる。
【0045】
また、外水相には、他の成分が含まれていても良い。例えば、必要に応じて水性界面活性剤を含有させることができる。水性界面活性剤は、人体に実質的に無害であれば特に制限されず、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤プルローニックF68(「ポロクサマー188」ミドリ十字(株)製)のほか、リゾレシチン、胆汁酸等の市販のものも使用できる。この中でもポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、特に酸化エチレン付加60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(例えば、「HCO−60」日光ケミカルズ(株)製など)が生体に対する安全性がより高く、少ない濃度で安定性に優れたW/O/W型エマルションを調製できる点でより好ましい。
【0046】
内水相と外水相の体積比は、通常1:10〜1:0.1程度、好ましくは1:5〜1:1の範囲である。また、内水相と油相の体積比は、通常1:9〜1:0.1程度、好ましくは1:9〜1:0.5の範囲である。これら体積比は、水相・油相の種類、癌組織の性質等に応じて適宜変更することができる。
【0047】
本発明W/O/W型エマルション粒子の平均粒径は、通常40〜500μm程度、好ましくは60〜200μmである。なお、これらの粒径は、投与前における粒径である。
【0048】
また、W/O/W型エマルション粒子の粒径分布は、上記の粒径範囲内にあれば特に制限されないが、上記平均粒径の75%から150%の粒径をもつW/O/W型エマルション粒子が全粒子の50容積%以上であることが好ましい。
【0049】
殊に、上記平均粒径の50%以下の粒径をもつW/O/W型エマルション粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつW/O/W型エマルション粒子を実質的に含まず、かつ、上記平均粒径の75%から150%の粒径をもつW/O/W型エマルション粒子が全粒子の80容積%以上であることが好ましい。この場合、上記平均粒径の50%以下の粒径をもつW/O/W型エマルション粒子及び上記平均粒径の200%以上の粒径をもつW/O/W型エマルション粒子は、本発明の効果を損なわない範囲内において含まれていても差し支えない。
【0050】
本発明のW/O/W型エマルション製剤は、W/O型エマルション製剤を、多孔質ガラス膜を介して、浸透圧0.1〜0.7MPaの外水相に圧入分散させることにより製造できる。
【0051】
このW/O型エマルション製剤としては、本発明W/O/W型エマルションを調製できる限り制限されないが、特に本発明に係る前記W/O型エマルション製剤を用いることが望ましい。また、W/O型エマルション製剤は、機械的乳化方法、膜乳化法等のいずれの乳化方法で得られたものも用いることができるが、特に膜乳化法で得られたものを用いるのが好ましい。
【0052】
本発明では、特に、W/O型エマルション製剤における水相の浸透圧を、外水相となる水相の浸透圧以上の値とし、かつ、得られたW/O/W型エマルションにおける内水相及び外水相の浸透圧を、生理食塩水の浸透圧を超える値とすることが望ましい。これにより、より沈着性に優れたW/O/W型エマルション製剤を得ることができる。上記の場合において、得られたW/O/W型エマルションの内水相及び外水相の浸透圧は、生理食塩水の浸透圧の通常1.1〜5倍(0.75〜3.5MPa)とすることがより好ましい。
【0053】
本発明W/O/W型エマルション製剤において、内水相及び外水相の浸透圧は、エマルション製剤の機能、体積比等に影響を与えるものであり、次の3つの場合に分けることができる。
【0054】
(a)内水相と外水相の浸透圧が生理食塩水のそれに等しい場合
動注後も内水相及びW/O/W型エマルションの粒径は実質的に変化しない。内水相と油相の体積比は通常1:9〜1:0.5程度、内水相と外水相の体積比は通常1:10〜1:2程度の範囲となり、充填率は通常60容積%以下である。
【0055】
(b)内水相と外水相の浸透圧が等しく、かつ、その浸透圧が生理食塩水の浸透圧を超える値に調整した場合
動注後に外水相は血液で置換され、内水相との間に浸透圧差が生じる。その結果、浸透圧が等しくなるように血液中の水が内水相に移動し、血管の中でエマルション粒子は膨張する。
【0056】
(c)外水相に対して内水相の浸透圧が高い条件下で膜乳化を行った場合
浸透圧差により、外水相から内水相に水が移動するため、油相及び外水相に対する内水相の体積比が増加し、充填率の高い単分散W/O/W型エマルション製剤を製造できる。
【0057】
この場合、水の移動が停止した時点で内水相と外水相の浸透圧が生理食塩水のそれと等しくなるように設計した場合には、動注後もW/O/W型エマルション粒子の粒径は変化しない。一方、水の移動が停止した時に内水相と外水相の浸透圧が生理食塩水のそれよりも高くなるように設計した場合には、動注後に血管の中でW/O/W型エマルション粒子が膨張する。
【0058】
特に、本発明において、上記(c)の場合は重要である。通常は、膜乳化法で単分散W/O/W型エマルション製剤を製造するためには、外水相を十分循環させることによって、生成したW/O/W型エマルション粒子を多孔質ガラスの膜面から離脱させる操作が不可欠である。ところが、充填率が高く、エマルションの粘度が上昇した場合には、循環による剪断力が低下して粒子の離脱が困難になり、エマルションは多分散化する。従って、一般に単分散W/O/W型エマルションの調製においては、充填率60容積%程度が限界である。一方、臨床試験の結果から、充填率60容積%を超えるエマルション製剤を動注投与した場合には、特に癌組織に対する沈着性が顕著となり、優れた薬効を得ることが可能となる。
【0059】
このため、本発明方法では、調製が比較的容易な充填率60容積%以下の単分散W/O/W型エマルションを予め製造し、次いで浸透圧差を利用して外水相の水を内水相に移動させ、W/O/W型エマルション粒子を膨張させることにより充填率を60容積%以上(好ましくは充填率60〜80容積%)にすることが望ましい。これによって、癌組織に対する沈着性がより優れたエマルション製剤を得ることができる。
【0060】
本発明の乳化型DDS製剤の投与方法は、癌組織に確実に到達させることができる限り特に制限はなく、例えば注射剤としてそのまま又は必要に応じて他の補液(ブドウ糖、アミノ酸等)とともに粘膜下の局所投与又は動脈内に投与することができる。特に、動注投与による方法が効果的であり、例えば図1に示すように肝臓癌(2)の治療においては右大腿動脈から分岐した肝動脈(3)の中に挿入するカテーテル(4)を通じて注射器等で投与することができる。また、投与する量は、製剤の性状(内容物)、患者の年齢、性別又は症状等に応じて適宜決定すれば良い。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0062】
(1)本発明W/O/W型エマルション製剤は、特定の粒径及び体積比(充填率)を有するため、肝臓癌、卵巣癌、乳癌、腎臓癌等の癌組織に対して優れた沈着性を発揮することができる。すなわち、癌組織に対する選択性に優れている。しかも、いったん沈着すれば、その徐放性により長期間にわたり抗癌作用を持続させることもできる。
【0063】
殊に、本発明製剤は、肝臓癌に対する沈着性に優れており、中でも外科的治療による除去が困難とされている多発性肝臓癌に有効であり、進行性末期の肝臓癌治療にも効果がある。すなわち、肝臓の局部に点在した癌組織のみにそれぞれ沈着して、それらを縮小乃至壊死させることができる。
【0064】
また、沈着性に優れていることから、抗癌剤が血流等にのって他の臓器に影響を与えることがなく、そのため副作用を軽減することもできる。また、放射線療法のように他の臓器の機能を損なわせるようなこともない。
【0065】
さらに、エマルションそのものが安定であるため、長期間放置しても分離等を起こさず、保存性に優れている。
【0066】
(2)本発明W/O型エマルション製剤も、特定の粒径及び体積比(充填率)を有するため、上記製剤と同様に癌組織に対する沈着性に優れている。特に、粘性の高い液状で動注する場合には、局部的に集中して発生した癌組織に一層確実に到達させることができる。
【0067】
また、血液と接触する界面積が小さいために抗癌剤の放出速度がより遅く、特に大量の抗癌剤を長期間にわたって投与する必要がある場合には有効である。
【0068】
さらに、上記製剤と同様に長期間放置しても油水分離したり或いは水相粒子どうしが結合して粒径分布が変化したりすることがなく、安定性にも優れている。
【0069】
(3)本発明乳化型DDS製剤は、例えば以下のような剤型の製剤とすることにより、さまざまな症状、治療方法等に適用することが可能となる。
【0070】
▲1▼ 水相に水溶性抗癌剤を溶解し、油相に油溶性抗癌剤を溶解して、両抗癌剤を併用した製剤
▲2▼ 2種以上の水溶性抗癌剤を水相或いは内水相に溶解した製剤
▲3▼ 薬効が失われるため混合使用できない水溶性抗癌剤を別々の水相或いは内水相に溶解してそれぞれの薬効を発揮し得る製剤
▲4▼ 解熱剤、抗生物質等の化学療法に用いられる薬剤を別々の水相或いは内水相に溶解してそれぞれの薬効を発揮し得る製剤など
(4)本発明製剤の投与のみで肝臓癌が完治した実例もあるように、危険を伴う外科的手術による切除等を必要とすることなく癌治療が可能となる結果、QOL(Quality of Life, 生活の質)の向上を図ることができる。
【0071】
【実施例】
製造例1
本発明W/O型エマルション製剤を調製した。
【0072】
抗癌剤としてアントラサイクリン系の塩酸エピルビシン(「Farmorubicin」ファルマシア社製)30mgを用い、0.45重量%の食塩水溶液3mlに上記抗癌剤を溶解したものを水相とした。
【0073】
一方、酸化エチレン付加40モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「HCO−40」日光ケミカルズ(株)製)を10重量%の濃度となるように前記「リピオドール」に溶解した10mlを油相とした。
【0074】
次いで、細孔径2.0μmの疎水性多孔質ガラス膜を用いて、上記水相を上記油相に分散させることにより、W/O型エマルションを得た。その水相粒子の粒径分布を図3(11)に示す。得られたW/O型エマルションの平均粒径は7.3μmであった。
【0075】
一方、上記と同じ水相及び油相を用いて、これらの混合物をホモジナイザー(「ULTRA-TURRAX」ユンク・クンネル社製)を使って調製したW/O型エマルションの水相粒子の粒径分布を図3(12)に示す。平均粒径は0.73μm、最大粒径6μmであった。
【0076】
なお、粒径分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布計(「SALD−2000」島津製作所製)により測定し、粒子体積Vpを粒径の対数logDpで微分したΔVp/ΔlogDpで表した。
【0077】
製造例2
製造例1においてホモジナイザーで製造したW/O型エマルションを多孔質ガラス膜を介して外水相に圧入分散して、W/O/W型エマルション製剤を調製した。
【0078】
多孔質ガラス膜としては、細孔径が異なる3種類を用いた。外水相には酸化エチレン付加60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「HCO−60」日光ケミカルズ(株)製)を0.5重量%含有した生理食塩水7mlを使用した。
【0079】
細孔径10.6μmの膜で得られたW/O/W型エマルションの平均粒径は 42.0μm、細孔径14.7μmの膜で得られたW/O/W型エマルションの平均粒径は62.1μm、及び細孔径16.0μmの膜で得られたW/O/W型エマルションの平均粒径は174.9μmであった。これらW/O/W型エマルションの粒径分布を図4(13)〜(15)にそれぞれ示す。また、細孔径10.6μmの膜で得られたエマルションの写真を図5に示す。いずれも単分散であり、内水相、油相及び外水相の体積比は、1:1.8:2.3であり、W/O/W型エマルションの充填率は55容積%であった。
【0080】
製造例3
抗癌剤として白金錯化合物系のカルボプラチン(「Paraplatin」ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社製)10mg及びアントラキノン系の塩酸ミトキサントロン(「Novantron」レダリー社製)10mgを用い、細孔径10.6μmの多孔質ガラス膜を用いて製造例2と同様の条件でそれぞれ膜乳化を行った。その結果 、製造例2の塩酸エピルビシンを使った場合(細孔径10.6μmの多孔質ガラス膜を用いた場合)とほとんど同じ平均粒径及び粒径分布を有する単分散W/O/W型エマルション製剤が得られた。
【0081】
製造例4
▲1▼内水相として塩酸エピルビシン90mgを純水3mlに溶解したもの(浸透圧1.1MPa:生理食塩水の1.5倍)、▲2▼油相として酸化エチレン付加40モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「HCO−40」日光ケミカルズ(株)製)を10重量%の濃度となるように前記「リピオドール」に溶解したもの5.5ml、▲3▼外水相として酸化エチレン付加60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「HCO−60」日光ケミカルズ(株)製)を0.5重量%含有した0.6重量%の食塩水溶液7ml(浸透圧0.48MPa:生理食塩水の2/3)を使用した。このうち、上記▲1▼及び▲2▼を用いて、製造例1と同様にしてW/O型エマルションを調製した。
【0082】
次いで、得られたW/O型エマルションを細孔径14.7μmの多孔質ガラス膜を用いて、上記▲3▼の外水相中に圧入して単分散W/O/W型エマルション製剤を製造した。但し、油相に対する油性界面活性剤の濃度は、乳化前が5重量%とし、W/O型エマルション調製後に追加して全量で10重量%とした。
【0083】
この結果、浸透圧差によって外水相から内水相へ水が移動し、内水相の粒子が膨張したため、W/O/W型エマルション粒子の粒径が大きくなった。調製直後に測定した平均粒径61.4μmの単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布と1日経過して平均粒径77.7μmにまで膨張したときの粒径分布とを比較して図6(16)(17)に示す。これによれば、W/O/W型エマルション製剤は単分散性が維持されたまま膨張していることがわかる。また、膨張に伴い外水相の容積が減少するため、内水相、油相及び外水相の体積比は、1:1.8:2.3から1:1.1:1.0に変化した。これに伴い、W/O/W型エマルション粒子の充填率は55容積%から67容積%に上昇した。
【0084】
製造例5
内水相として塩酸エピルビシン90mgを生理食塩水3mlに溶解したもの、外水相として0.1重量%の食塩水溶液を外水相として用いたほかは、製造例4と同様に膜乳化を行い、W/O/W型エマルションを調製した。この場合、内水相の浸透圧が生理食塩水の2.5倍と高く、逆に外水相は生理食塩水の1/9と低いため、W/O/W型エマルション粒子の充填率は55容積%から94容積%に上昇した。最密充填率74容積%をはるかに超えており、粘性が極めて高く、ほとんど流動性を示さないエマルション製剤を得た。内水相、油相及び外水相の体積比は1:0.6:0.1であることから、条件を変えることによって体積比を容易に調整できることがわかる。
【0085】
試験例1
製造例4で得られた単分散W/O/W型エマルション製剤を用い、肝動脈塞栓術による臨床試験を実施した。
【0086】
この製剤は、図7のコンピューター断層撮影(CT)の写真でも明らかなように、肝臓の中に複数存在する癌組織(矢印)に良好に沈着した。図7中、(a)が投与前の肝臓を示し、白い部分が正常な肝臓組織、黒い部分が癌組織を示す。(b)の白い部分はエマルション製剤(造影剤を含有する)が存在している部分を示す。図7(a)(b)より、エマルション製剤が癌組織の部分のみに沈着されていることがわかる。
【0087】
また、肝臓癌によって特異的に放出される酵素であるアルファ・フェトプロテイン(AFP)の血中濃度を測定すると、図8に示すように17人中15人の患者においてその濃度の減少が認められた。
【0088】
なお、一部においてAFP濃度が増加に転じる例もあるものの、こうした患者に対して再度上記製剤を動注した場合、再びAFP濃度が低下することが明らかになっている。
【0089】
正常値10ng/ml程度までAFPの濃度が低下した患者を手術し、切除した肝臓癌を観察した結果、癌組織は著しく縮小乃至壊死していることが判明した。
【0090】
これらの中で顕著な効果が認められた1つの症例を図9に示す。患者は66歳の男性であり、直径1〜10cmの癌が肝臓の広い領域にわたって多発していたため、手術による切除が不可能であった。そこで、本発明の単分散W/O/W型エマルション製剤を用いた動注療法を1994年8月及び9月の2回行った。その結果、治療前に400ng/mlから1100ng/mlまで急激に上昇したAFP濃度が動注後に著しく低下して2ヶ月後には正常値に戻り、またCT上からも肝臓癌が消失し、ほぼ完治した。図9中、黒丸印が測定したAFP濃度の値である。
【0091】
試験例2
1993年から1995年の3年間にわたって行った臨床試験の結果について、他の動注療法と比較して図10に示す。図10では、患者の生存率の推移として表した。生存率の算定はカプラン−マイヤー(Kaplan-Meier)法による。
【0092】
製造例4で得られた単分散W/O/W型エマルション製剤を用いた26例 (18)では、2年生存率が80%を示した。一方、ゼラチンスポンジに抗癌剤アドレアマイシン水溶液を含ませて動注した32例(19)では約10%であった。リピオドールとアドレアマイシン水溶液を混和して動注し、ゼラチンスポンジで肝動脈毛細血管を閉塞した39例でも2年生存率約40%であった。この結果より、本発明単分散W/O/W型エマルション製剤が優れた効果を発揮することがわかる。
【0093】
試験例3
臨床試験により、本発明の単分散W/O/W型エマルション製剤及び本発明範囲外の平均粒径をもつ単分散W/O/W型エマルション製剤の薬効について比較しながら調べた。
【0094】
これらの製剤はいずれも、▲1▼内水相として塩酸エピルビシン60mlを純水3mlに溶解したもの(浸透圧0.74MPa)、▲2▼油相として油性界面活性剤を10重量%含むリピオドール5ml、及び▲3▼外水相として「HCO−60」を1重量%含有した0.3重量%食塩水溶液7ml(浸透圧0.24MPa)を用いた。
【0095】
本発明の単分散W/O/W型エマルション製剤としては、細孔径14.7μmの多孔質ガラス膜を使用して製造例4と同様にして製造した平均粒径70μmの単分散エマルション(本発明製剤1)、及び細孔径10.6μmの多孔質ガラス膜を使用して製造例4と同様にして製造した平均粒径40μmの単分散エマルション(本発明製剤2)を用いた。これに対し、比較のために細孔径3.2μmの多孔質ガラス膜を使用した以外は製造例4と同様にして製造した平均粒径10μmの単分散エマルション(比較製剤)を用いた。
【0096】
各製剤を原発性肝臓癌患者に経カテーテル動注投与し、1週間後のAFP血中濃度の変化を調べた。本発明製剤1を投与した患者は35名、本発明製剤2を投与した患者は18名、比較製剤を投与した患者は2名とした。なお、製剤投与前のAPF血中濃度は個人差があり、約20〜30000ng/mlの間に分布していたため、平均値と標準偏差で比較した。得られた結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
表1の結果からも明らかなように、本発明製剤1ではAPF血中濃度を大幅に低下させることができ、また数値の有意水準も低いことから、高い信頼性を有することがわかる。本発明製剤2では、本発明製剤1ほどでないがAPF濃度を低下させることができた。これに対し、比較製剤では、ほとんど癌組織に沈着しておらず、その薬効が得られないことがわかる。
【0098】
試験例4
試験例3と同じ本発明製剤1及び本発明製剤2を用い、APF血中濃度が1000ng/mlを超える重篤患者(正常値は10ng/ml以下)に対して、試験例3と同様の臨床試験を行い、製剤投与1週間後の治療効果を調べた。その結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
表2の結果より、本発明製剤1を投与した患者のほとんどは、APF血中濃度が半減しており、製剤の薬効が明瞭であった。一方、本発明製剤2を投与した患者については、若干であるが治療効果が認められた。これより、本発明W/O/W型エマルション製剤において、平均粒径40μm以上で有効な沈着性が得られることがわかる。
【0100】
この試験において、本発明の製剤が肝臓に良く沈着していることを示す1つの例として図11を示す。図11は、肝臓癌の患者に本発明製剤を投与した後、7日間のグルタミン酸・オキザロ酢酸トランスファーゼ(GOT)、グルタミン酸・ピルビン酸トランスファーゼ(GPT)及び総ビリルビン(T−Bil)の血中濃度を表している。
【0101】
本発明製剤1では、動注投与直後に数値が著しく増加し、やがて投与前の数値に落ち着く傾向が見られた(図11(24)〜(26))。一方、本発明製剤2では、動注投与後もGOT、GTP及びT−Bilはほとんど変化しなかった(図11(21)〜(23))。これは、本発明製剤1においては、本発明製剤2よりも肝臓に多く沈着し、一時的にGOT、GTP及びT−Bilが増加し、その後に正常組織から製剤が除かれるために徐々に各数値が低下したものと考えられる。
【0102】
試験例5
ホモジナイザーを用いて調製した平均粒径0.7μm、最大粒径3μmのW/O型エマルション製剤を使用し、臨床試験を行った。この製剤は、水相として塩酸エピルビシン60mgを純水3mlに溶解したもの(浸透圧0.74MPa)、油相として油性界面活性剤が5重量%含有するリピオドール5mlから構成される。
【0103】
患者は56歳の男性であり、1回目には試験例3の本発明製剤2、2回目には試験例3の本発明製剤1を投与してもほとんど製剤粒子の沈着が観察されなかった特異な例である。上記W/O型エマルション製剤を投与した後、当初は1500ng/mlあったAPF血中濃度が1週間後には1000ng/ml、2週間後には750ng/mlにまで低下させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】肝動脈塞栓術における動注投与方法の一例を示す図である。
【図2】エマルション製剤の概念図である。
【図3】W/O型エマルション製剤の粒径分布を示す図である。
【図4】単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布を示す図である。
【図5】単分散W/O/W型エマルション製剤の粒子構造を示す図である。
【図6】単分散W/O/W型エマルション製剤粒子が膨張する状態を示す図である。
【図7】肝臓癌組織における生物の形態を示す図である。
【図8】単分散W/O/W型エマルション製剤動注後のAFP血中濃度の経時的変化を示す図である。
【図9】単分散W/O/W型エマルション製剤の動注療法によるAFP血中濃度の経時的変化を示す図である。
【図10】臨床試験による肝臓癌患者の生存率を示す図である。
【図11】本発明製剤1及び2の肝臓組織に対する沈着性を示す図である。
【符号の説明】
1 肝臓
2 肝臓癌
3 肝動脈
4 カテーテル
5 注射器
6 内水相粒子
7 油相
8 内水相粒子
9 W/O/W型エマルション粒子
10 外水相
11 単分散W/O型エマルション製剤の粒径分布
12 ホモジナイザーで調製したW/O型エマルション製剤の粒径分布
13 細孔径10.6μmの膜で調製した単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布
14 細孔径14.7μmの膜で調製した単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布
15 細孔径16.0μmの膜で調製した単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布
16 調製直後に測定した単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布
17 膨張した単分散W/O/W型エマルション製剤の粒径分布
18 単分散W/O/W型エマルション製剤を動注した患者の生存率
19 ゼラチンスポンジにアドレアマイシン水溶液を含ませて動注した患者の生存率
20 リピオドールとアドレアマイシン水溶液を混和して動注し、ゼラチンスポンジで肝動脈毛細血管を閉塞した患者の生存率
21 本発明製剤2を動注投与した後のGOT変化
22 本発明製剤2を動注投与した後のGPT変化
23 本発明製剤2を動注投与した後のT−Bil変化
24 本発明製剤1を動注投与した後のGOT変化
25 本発明製剤1を動注投与した後のGPT変化
26 本発明製剤1を動注投与した後のT−Bil変化[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an anticancer agent-containing emulsion preparation used in a drug delivery system (drug delivery system; hereinafter referred to as “DDS”) in chemotherapy and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In general, cancer chemotherapy includes various drug administration methods such as intravenous administration, local administration injected submucosally, and intraarterial injection, and these are appropriately used depending on the type and site of cancer. In particular, treatment by intra-arterial administration injects a drug into an artery directed to the cancer tissue, so that most of the drug can reach the cancer tissue. For example, as shown in FIG. 1, in the treatment of liver cancer (2) of the liver (1), a syringe (5) is passed through a catheter (4) inserted into the hepatic artery (3) branched from the right femoral artery. ) Or hepatic artery embolization in which a water-soluble anticancer agent and a gelatin sponge are injected using an injector.
[0003]
In recent years, the oily X-ray contrast agent, iodized coconut oil fatty acid ethyl ester (“Lipiodol Ultra-Fluide”, manufactured by Laboratoire Gerve; hereinafter referred to as “Lipiodol”) has the property of depositing specifically against liver cancer. A method of efficiently using an hepatic artery embolization to make an anticancer agent reach liver cancer has been implemented.
[0004]
Specifically, there is a method of using a preparation in which an oily polymer anticancer agent is suspended in the above lipiodol. This formulation was developed by Kumamoto University School of Medicine (Konno T. et al, Jpn. Cancer Chemother., 9, 2005-2015 (1982)) and manufactured and sold ("SMANCS" Yamanouchi Pharmaceutical). (stock)).
[0005]
The other was developed at Nagasaki University School of Medicine (Kanematsu T. et al, J. Surg. Oncol., 25, 218-226 (1984)), Lipiodol, a water-soluble X-ray contrast agent. And a preparation in which a water-soluble anticancer agent is emulsified.
[0006]
However, in the former suspension preparation, since the anticancer agent is an oily polymer, it is difficult to reach a predetermined cancer cell, and a sufficient medicinal effect cannot be obtained. In addition, there is a drawback in that currently approved water-soluble anticancer agents cannot be used.
[0007]
Since the emulsion itself is unstable, the latter emulsified preparation has a drawback that lipiodol and anticancer agent are easily separated, and if separated, the anticancer agent flows into the bloodstream and is washed away from the cancer tissue.
[0008]
By the way, as a method for obtaining a monodisperse emulsion having a uniform particle size, an emulsification method using a porous glass membrane (hereinafter referred to as “membrane emulsification method”) has been proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 2-95433). According to this membrane emulsification method, monodisperse W / O emulsions and monodisperse W / O / W emulsions are produced in the range of 0.3 to 40 μm by using porous glass membranes having different pore sizes. be able to.
[0009]
Therefore, the present inventor has developed a monodispersed W / O / W emulsion preparation having a particle size of 30 μm that can be used in intraarterial injection therapy using a membrane emulsification method, and reported the clinical results.
(“Arterial-Injection Chemotherapy for Hepatocellular Carcinoma Using
Monodispersed Poppy-Seed Oil Microdroplets Containing File Aqueous
Vesicles of Epirubicin ”, CANCER, 75, 1245 (1995)).
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, the preparation by the above method is still insufficient in the deposition property on cancer tissues (for example, liver cancer etc.), and there is room for further examination and improvement on these points.
[0011]
Therefore, the main object of the present invention is to provide a preparation particularly excellent in deposition properties against cancer tissue.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the above-mentioned problems of the prior art, the present inventor has shown that an emulsion obtained by a specific method exhibits excellent deposition properties on cancer tissue because of its unique structure. The headline and the present invention were completed.
[0013]
That is, the present invention relates to the following anticancer agent-containing emulsion preparation and a method for producing the same.
[0014]
1. W / O type emulsion preparation,
(A) The aqueous phase is an anticancer agent-containing aqueous solution adjusted to an osmotic pressure of 0.01 to 7.0 MPa,
(B) The oil phase contains fats and oils and an oily surfactant,
(C) the volume ratio of water phase to oil phase is in the range of 1: 9 to 1: 0.2;
(D) The average particle size of the water phase particles is 200 μm or less, and the maximum particle size is 400 μm or less,
(E) Water phase particles having a particle size of 75% to 150% of the average particle size are 50% by volume or more of the total water phase particles.
An anticancer agent-containing emulsion preparation characterized by the above.
[0015]
2. By dispersing an aqueous phase composed of an aqueous solution containing an anticancer agent adjusted to an osmotic pressure of 0.01 to 7.0 MPa in an oil phase containing 0.1 to 10% by weight of an oily surfactant, a W / O emulsion A process for producing an emulsion preparation containing an anticancer agent,
[0016]
3. W / O / W type emulsion preparation,
(A) The inner aqueous phase is an anticancer agent-containing aqueous solution adjusted to an osmotic pressure of 0.1 to 3.5 MPa,
(B) The oil phase contains fats and oils and an oily surfactant,
(C) the volume ratio of the inner aqueous phase to the outer aqueous phase is in the range of 1:10 to 1: 0.1;
(D) the volume ratio of the inner aqueous phase to the oil phase is in the range of 1: 9 to 1: 0.1;
(E) The average particle size of the W / O / W emulsion particles is 40 to 500 μm.
An anticancer agent-containing emulsion preparation characterized by the above.
[0017]
4). A formulation comprising a W / O / W type emulsion by press-fitting and dispersing the W / O type emulsion formulation into an aqueous phase that becomes an osmotic pressure of 0.1 to 0.7 MPa through a porous glass membrane. A method of obtaining
(A) The osmotic pressure of the aqueous phase in the W / O emulsion preparation is set to a value equal to or higher than the osmotic pressure of the aqueous phase serving as the outer aqueous phase,
(B) The osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase in the obtained W / O / W emulsion is set to a value exceeding the osmotic pressure of physiological saline.
The manufacturing method of the emulsion formulation containing an anticancer agent characterized by the above-mentioned.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described together with embodiments thereof. In addition, in this specification, each term is described in principle as follows.
[0019]
(1) In the case of a W / O type emulsion preparation (for example, FIG. 2 (a)), the particles (6) are referred to as “aqueous phase particles”, and the dispersion medium (7) is referred to as “oil phase”. Further, in the case of a W / O / W type emulsion preparation (for example, FIG. 2 (b)) produced using this emulsion, the aqueous phase particles (8) containing the anticancer agent are referred to as “inner aqueous phase particles”, and this is the oil phase. The included oil droplets (9) are referred to as “W / O / W type emulsion particles”, and the dispersion medium (10) is referred to as “external water phase”. In addition, the W / O emulsion preparation and the W / O / W emulsion preparation are collectively referred to as “emulsion DDS preparation”.
[0020]
(2) “Monodispersed emulsion” basically indicates that particles having a particle size of 75% to 150% of the average particle size are 50% by volume or more of all particles, and such particle size distribution. Emulsions having no are referred to as “polydisperse emulsions”.
[0021]
(3) The ratio (volume%) occupied by W / O / W emulsion particles in the W / O / W emulsion formulation is referred to as “filling rate”.
[0022]
First, the anticancer agent-containing emulsion preparation comprising the W / O emulsion according to the present invention will be described.
[0023]
The aqueous phase is an anticancer agent-containing aqueous solution, and its osmotic pressure is usually adjusted within a range of about 0.01 to 7.0 MPa. The anticancer agent is not particularly limited as long as it is water-soluble, and various anticancer agents such as platinum complex compounds, anthraquinones, and anthracyclines can be used, and other commercially available products can also be used. What is necessary is just to set the usage-amount of an anticancer agent suitably according to the site | part, size, etc. of a cancer tissue.
[0024]
In the present invention, in addition to the anticancer agent, a compound that is substantially harmless to the human body can be added. For example, in addition to sodium chloride, sodium salts (eg, sodium citrate, sodium salicylate, sodium bicarbonate, sodium dextran sulfate, etc.), various salts of calcium salts (eg, calcium chloride, calcium gluconate, etc.), and various sugars such as glucose and lactose Can be mentioned. Furthermore, glycerin, D-mannitol, amino acids and the like can also be used.
[0025]
The osmotic pressure of the aqueous phase may be appropriately set within the above range according to the nature, site, size, etc. of the cancer tissue. For example, when emulsion particles (water phase particles) are to be further expanded in the body, the value exceeds the osmotic pressure of physiological saline, preferably 1.1 to 5 times (0) normally the osmotic pressure of physiological saline. .75 to 3.5 MPa). As a result, after the W / O emulsion preparation is infused into the blood, the water phase blood expands in the blood vessel as a result of the water in the blood moving to the water phase particles. If there is no particular need to inflate, the same particle size can be maintained by setting the osmotic pressure of the same physiological saline as blood. The osmotic pressure can be adjusted by, for example, the amount of an anticancer agent or the additive added. The osmotic pressure of physiological saline in the present invention is based on a value at about 37 ° C.
[0026]
The oil phase contains fats and oils and an oily surfactant. The fats and oils are not particularly limited as long as they are pharmacologically acceptable, and examples thereof include soybean oil, olive oil, sesame oil, camellia oil, rapeseed oil, corn oil, peanut oil, menziz oil, iodo oil, and strong iodine oil. Can be used.
[0027]
The oily surfactant is not particularly limited as long as it is pharmacologically acceptable, and a commercially available product can be used. Among these, polyoxyethylene hydrogenated castor oil is preferable, and polyoxyethylene hydrogenated castor oil with 40 mol of ethylene oxide added (for example, “HCO-40” manufactured by Nikko Chemicals Co., Ltd.) has higher safety and less safety for living bodies. This is preferable from the viewpoint that a W / O emulsion preparation and a W / O / W emulsion preparation excellent in stability at a concentration can be prepared.
[0028]
Moreover, tetraglycerin condensed ricinoleic acid ester (for example, “CR-310” manufactured by Sakamoto Pharmaceutical Co., Ltd.), decaglycerin condensed ricinoleic acid ester (for example, “CR-500” Sakamoto Pharmaceutical Co., Ltd.) Stable W / O emulsion preparations and W / O / W emulsion preparations can be prepared using polyglycerin-condensed ricinoleate-based surfactants such as those manufactured by the same company.
[0029]
The addition amount of the oily surfactant can be appropriately set according to the fats and oils to be used, but is usually about 0.1 to 20% by weight, preferably 0.5 to 10% by weight.
[0030]
The oil phase may further contain other additive components. For example, anticancer agents, lecithin, cholesterol, vitamin E and the like can be mentioned. The anticancer agent is not particularly limited as long as it is oil-soluble, and commercially available products can also be used. For example, the above-mentioned SMANX containing the anticancer drug dinostatin styramer can be used. The content can be appropriately determined according to the fats and oils used, the oily surfactant, and the like.
[0031]
The volume ratio of the water phase to the oil phase is usually about 1: 9 to 1: 0.2, preferably 1: 9 to 1: 0.5. In particular, the ratio is more preferably 1: 4 to 1: 0.5. By setting it as such a volume ratio, the viscosity of an emulsion can be adjusted freely and the outstanding deposition property is obtained. In addition, the sustained release rate of the anticancer agent can be adjusted. When the proportion of the aqueous phase is too large, the viscosity becomes very high and the arterial injection itself becomes difficult, which is not preferable. When the proportion of the aqueous phase is too small, the content of the anticancer agent is reduced, so that a desired medicinal effect cannot be expected.
[0032]
The average particle diameter of the water phase particles is usually 200 μm or less, preferably 0.5 to 10 μm. The maximum particle size of the water phase particles is usually 400 μm or less, preferably 200 μm or less. These particle sizes are those before administration.
[0033]
Further, the particle size distribution of the preparation of the present invention is not particularly limited as long as it is within the above particle size range, but water phase particles having a particle size of 75% to 150% of the average particle size are 50% of the total water phase particles. It is preferable that it is volume% or more. That is, in the present invention, a monodispersed emulsion is preferable.
[0034]
In particular, water phase particles having a particle size of 50% or less of the average particle size of water phase particles and water phase particles having a particle size of 200% or more of the average particle size are substantially not included, and the above average particle size More preferably, the water phase particles having a particle size of 75% to 150% are 80% by volume or more of the total water phase particles. In this case, the water phase particles having a particle size of 50% or less of the average particle size of the water phase particles and the water phase particles having a particle size of 200% or more of the average particle size are within the range not impairing the effects of the present invention. It can be included.
[0035]
The method for producing a W / O emulsion preparation of the present invention comprises 0.1 to 10% by weight of an oily surfactant, an aqueous phase composed of an anticancer agent-containing aqueous solution adjusted to an osmotic pressure of 0.01 to 7.0 MPa. A W / O type emulsion is obtained by dispersing in an oil phase. The method for dispersing is not particularly limited, and may be a known emulsification method using, for example, stirring, a homogenizer, a supersonic emulsifier, or the like. In particular, the membrane emulsification method in which the aqueous phase is press-fitted and dispersed in the oil phase through a porous glass is preferable in that a W / O emulsion preparation having higher monodispersibility can be obtained.
[0036]
In the production method of the present invention, an anticancer agent-containing aqueous solution adjusted to an osmotic pressure of about 0.01 to 7.0 MPa, preferably 0.1 to 3.5 MPa is used as the aqueous phase. As the anticancer agent, the above water-soluble ones can be used. Moreover, what contains about 0.1-20 weight% of oil-based surfactant is used as an oil phase. The oil phase can be prepared using, for example, fats and oils. As the oily surfactant and fats and oils, those similar to the W / O emulsion preparation can be used.
[0037]
The concentration of the oily surfactant can be appropriately set within the above range according to the type, the volume ratio of the aqueous phase / oil phase, and the like. Moreover, the addition method can also be suitably determined according to a use etc. For example, after adjusting in the range of 0.1 to 10% by weight in advance to obtain a stable W / O type emulsion, the total amount of oily surfactant is 20% by weight or less in the obtained W / O type emulsion. If added within the range, the obtained W / O type emulsion particles (aqueous particles) can be effectively expanded. Moreover, when not expanding, what is necessary is just to maintain the density | concentration of the oil-based surfactant at the time of obtaining a W / O type | mold emulsion as it is. Thus, the size of the W / O emulsion particles can be arbitrarily controlled by adding an oily surfactant.
[0038]
In the present invention, it is particularly desirable to prepare a W / O emulsion preparation through a porous glass membrane. This method can reduce the additional amount of oily surfactant while maintaining the stability of the emulsion, and is more advantageous in this respect than the mechanical emulsification method. Further, according to the membrane emulsification method, small aqueous phase particles of about 0.5 to 10 μm can be obtained reliably, and the particle size can be freely controlled within this range. In addition, unlike the mechanical method, heat is not generated during emulsification, so that it can also be applied to heat-sensitive anticancer agents.
[0039]
A well-known thing can be used as said porous glass membrane, For example, what was manufactured using the micro phase separation of glass can be used conveniently. Specifically, CaO-B disclosed in Japanese Patent No. 1504002 2 O Three -SiO 2 -Al 2 O Three -Based porous glass, CaO-B disclosed in Japanese Patent No. 1518989 and US Pat. No. 4,657,875 2 O Three -SiO 2 -Al 2 O Three -NaO 2 Porous glass, CaO-B 2 O Three -SiO 2 -Al 2 O Three -NaO 2 -MgO-based porous glass, CaO-B 2 O Three -SiO 2 -ZrO 2 Based porous glass and the like.
[0040]
Among these porous glasses, in particular, in the relative cumulative pore distribution curve, the pore diameter when the pore volume accounts for 10% of the whole is divided by the pore diameter when the pore volume accounts for 90% of the whole. It is desirable to use a microporous membrane having a value substantially in the range of 1 to 1.5. Such a membrane has particularly uniform pores and is suitable for membrane emulsification.
[0041]
Further, the pressure at the time of press-fitting can be appropriately determined according to the composition of the water phase or the oil phase, etc., but usually Pc> 2γcos θ / r (where Pc is the pressure, γ is the interfacial tension, θ is the contact angle, r represents the pore radius of the porous membrane body).
[0042]
The W / O / W emulsion preparation of the present invention is an anticancer agent-containing aqueous solution whose inner aqueous phase is adjusted to a range of osmotic pressure of 0.1 to 3.5 MPa. The anticancer agent is not particularly limited as long as it is water-soluble, and various types such as platinum complex compounds, anthraquinones, anthracyclines, and the like can be used. What is necessary is just to set the usage-amount of an anticancer agent suitably according to the site | part, size, etc. of a cancer tissue. In addition to the anticancer agent, a component added to the aqueous phase of the W / O emulsion preparation may be included. The osmotic pressure of the inner aqueous phase can be adjusted by the addition amount of these anticancer agents and the like.
[0043]
The oil phase contains fats and oils and an oily surfactant. These may be the same as those used in the W / O emulsion preparation. The content of the oily surfactant is usually about 0.1 to 20% by weight, preferably 0.5 to 10% by weight. In addition, the oil phase may contain other components such as anticancer agents, lecithin, cholesterol, vitamin E and the like. The anticancer agent is not particularly limited as long as it is oil-soluble, and the same oil-soluble anticancer agent as described above can be used.
[0044]
The composition of the outer water phase is not particularly limited as long as it is pharmacologically acceptable, and for example, an aqueous solution of salts, saccharides and the like can be used. As the salts, saccharides and the like, the same ones as in the W / O emulsion preparation can be used. The osmotic pressure can be adjusted by the concentration of these salts, saccharides and the like.
[0045]
Further, the outer water phase may contain other components. For example, an aqueous surfactant can be contained as necessary. The aqueous surfactant is not particularly limited as long as it is substantially harmless to the human body. For example, polyoxyethylene hydrogenated castor oil, block polymer type nonionic surfactant Pluronic F68 (“POLOXAMAR 188” manufactured by Midori Cross Co., Ltd.) In addition, commercially available products such as lysolecithin and bile acids can also be used. Among these, polyoxyethylene hydrogenated castor oil is preferable, and polyoxyethylene hydrogenated castor oil with 60 mol of ethylene oxide added (for example, “HCO-60” manufactured by Nikko Chemicals Co., Ltd.) has higher safety and less safety for living bodies. It is more preferable in that a W / O / W type emulsion excellent in stability at a concentration can be prepared.
[0046]
The volume ratio of the inner aqueous phase to the outer aqueous phase is usually about 1:10 to 1: 0.1, preferably 1: 5 to 1: 1. The volume ratio of the inner aqueous phase to the oil phase is usually about 1: 9 to 1: 0.1, preferably 1: 9 to 1: 0.5. These volume ratios can be appropriately changed according to the type of water phase / oil phase, the nature of the cancer tissue, and the like.
[0047]
The average particle size of the W / O / W emulsion particles of the present invention is usually about 40 to 500 μm, preferably 60 to 200 μm. These particle sizes are those before administration.
[0048]
The particle size distribution of the W / O / W emulsion particles is not particularly limited as long as it is within the above particle size range, but W / O / W having a particle size of 75% to 150% of the average particle size. The type emulsion particles are preferably 50% by volume or more of all particles.
[0049]
In particular, W / O / W type emulsion particles having a particle size of 50% or less of the average particle size and W / O / W type emulsion particles having a particle size of 200% or more of the average particle size are substantially included. In addition, it is preferable that W / O / W type emulsion particles having a particle size of 75% to 150% of the average particle size are 80% by volume or more of the total particles. In this case, the W / O / W emulsion particles having a particle size of 50% or less of the average particle size and the W / O / W emulsion particles having a particle size of 200% or more of the average particle size are the present invention. It may be included within a range that does not impair the effect.
[0050]
The W / O / W type emulsion preparation of the present invention can be produced by press-dispersing the W / O type emulsion preparation into an external water phase having an osmotic pressure of 0.1 to 0.7 MPa through a porous glass membrane. .
[0051]
The W / O emulsion preparation is not limited as long as the W / O / W emulsion of the present invention can be prepared, but it is particularly desirable to use the W / O emulsion preparation according to the present invention. In addition, as the W / O type emulsion preparation, those obtained by any emulsification method such as mechanical emulsification method and membrane emulsification method can be used, but it is particularly preferable to use those obtained by membrane emulsification method. .
[0052]
In the present invention, in particular, the osmotic pressure of the aqueous phase in the W / O emulsion preparation is set to a value equal to or higher than the osmotic pressure of the aqueous phase serving as the outer aqueous phase, and the internal water in the obtained W / O / W emulsion It is desirable that the osmotic pressure of the phase and the external water phase be a value that exceeds the osmotic pressure of physiological saline. Thereby, the W / O / W type emulsion formulation which was more excellent in deposition property can be obtained. In the above case, the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase of the obtained W / O / W emulsion is usually 1.1 to 5 times the osmotic pressure of physiological saline (0.75 to 3.5 MPa). ) Is more preferable.
[0053]
In the W / O / W type emulsion preparation of the present invention, the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase affects the function, volume ratio, etc. of the emulsion preparation, and can be divided into the following three cases. .
[0054]
(A) When the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase is equal to that of physiological saline
The particle size of the inner aqueous phase and the W / O / W type emulsion is not substantially changed even after the intraarterial injection. The volume ratio of the inner water phase to the oil phase is usually about 1: 9 to 1: 0.5, the volume ratio of the inner water phase to the outer water phase is usually about 1:10 to 1: 2, and the filling rate is usually 60% by volume or less.
[0055]
(B) When the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase are equal and the osmotic pressure is adjusted to a value exceeding the osmotic pressure of physiological saline
After the intraarterial injection, the outer aqueous phase is replaced with blood, and an osmotic pressure difference is generated between the inner aqueous phase and the inner aqueous phase. As a result, the water in the blood moves to the inner aqueous phase so that the osmotic pressure becomes equal, and the emulsion particles expand in the blood vessel.
[0056]
(C) When membrane emulsification is performed under conditions where the osmotic pressure of the inner aqueous phase is higher than that of the outer aqueous phase
Due to the osmotic pressure difference, water moves from the outer aqueous phase to the inner aqueous phase, so the volume ratio of the inner aqueous phase to the oil phase and the outer aqueous phase increases, and a monodisperse W / O / W emulsion formulation with a high filling rate is obtained. Can be manufactured.
[0057]
In this case, when the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase is designed to be equal to that of physiological saline when the movement of water stops, the W / O / W type emulsion particles will remain after the infusion. The particle size does not change. On the other hand, when it is designed so that the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase is higher than that of physiological saline when the movement of water stops, the W / O / W type in the blood vessel after the arterial injection The emulsion particles expand.
[0058]
In particular, the case (c) is important in the present invention. Usually, in order to produce a monodispersed W / O / W emulsion formulation by a membrane emulsification method, the generated W / O / W emulsion particles are made into a porous glass membrane by sufficiently circulating the outer aqueous phase. It is essential to remove it from the surface. However, when the filling rate is high and the viscosity of the emulsion is increased, the shearing force due to the circulation is lowered, making it difficult to separate the particles, and the emulsion is polydispersed. Therefore, in general, in the preparation of a monodispersed W / O / W type emulsion, a filling rate of about 60% by volume is the limit. On the other hand, from the results of clinical trials, when an emulsion formulation having a filling rate of more than 60% by volume is administered by intraarterial injection, the deposition properties particularly on cancer tissues become remarkable, and an excellent medicinal effect can be obtained.
[0059]
Therefore, in the method of the present invention, a monodispersed W / O / W type emulsion having a filling rate of 60% by volume or less that is relatively easy to prepare is manufactured in advance, and then the water in the outer aqueous phase is converted into the inner water by utilizing the osmotic pressure difference. It is desirable that the filling rate be 60% by volume or more (preferably the filling rate is 60 to 80% by volume) by moving to the phase and expanding the W / O / W type emulsion particles. This makes it possible to obtain an emulsion formulation with better deposition properties on cancer tissue.
[0060]
The administration method of the emulsified DDS preparation of the present invention is not particularly limited as long as it can surely reach the cancer tissue. For example, as an injection, it is submucosa as it is or together with other replacement fluids (glucose, amino acids, etc.). Can be administered topically or intraarterially. In particular, the intraarterial administration method is effective. For example, as shown in FIG. 1, in the treatment of liver cancer (2), a catheter (4) inserted into the hepatic artery (3) branched from the right femoral artery is used. It can be administered with a syringe or the like. The dose to be administered may be appropriately determined according to the properties (contents) of the preparation, the age, sex or symptoms of the patient.
[0061]
【The invention's effect】
According to the present invention, the following effects can be obtained.
[0062]
(1) The W / O / W emulsion preparation of the present invention has a specific particle size and volume ratio (filling rate), and therefore is excellent in deposition on cancer tissues such as liver cancer, ovarian cancer, breast cancer, and kidney cancer. Can demonstrate its sexuality. That is, it has excellent selectivity for cancer tissue. Moreover, once deposited, the anticancer action can be sustained for a long period of time due to its sustained release.
[0063]
In particular, the preparation of the present invention is excellent in the ability to deposit liver cancer, and is particularly effective for multiple liver cancer, which is considered difficult to remove by surgical treatment, and is also effective for treating advanced end-stage liver cancer. is there. That is, they can be deposited only on cancer tissues scattered in the local area of the liver and reduced or necrotized.
[0064]
Moreover, since it is excellent in deposition property, an anticancer agent does not affect other organs on the bloodstream or the like, and therefore, side effects can be reduced. Moreover, the function of other organs is not impaired like radiation therapy.
[0065]
Furthermore, since the emulsion itself is stable, it does not cause separation even when left for a long period of time, and is excellent in storage stability.
[0066]
(2) Since the W / O emulsion preparation of the present invention also has a specific particle size and volume ratio (filling rate), it is excellent in deposition properties against cancer tissue as in the above preparation. In particular, in the case of injecting in a highly viscous liquid state, it is possible to reach a cancer tissue that is locally concentrated and more reliably reached.
[0067]
Moreover, since the interface area in contact with blood is small, the release rate of the anticancer agent is slower, which is particularly effective when a large amount of anticancer agent needs to be administered over a long period of time.
[0068]
Furthermore, even if it is left for a long period of time in the same manner as in the above preparation, it does not undergo oil-water separation or the aqueous phase particles are bonded to each other so that the particle size distribution does not change and is excellent in stability.
[0069]
(3) The emulsified DDS preparation of the present invention can be applied to various symptoms, treatment methods and the like by preparing a preparation having the following dosage form, for example.
[0070]
(1) A formulation in which a water-soluble anticancer agent is dissolved in an aqueous phase, an oil-soluble anticancer agent is dissolved in an oil phase, and both anticancer agents are used in combination.
(2) A preparation in which two or more water-soluble anticancer agents are dissolved in an aqueous phase or an inner aqueous phase
(3) Preparations that can exhibit their respective medicinal effects by dissolving water-soluble anticancer agents that cannot be used because they lose their medicinal properties in separate aqueous or internal aqueous phases.
(4) Drugs that can be used for chemotherapy, such as antipyretic drugs and antibiotics, by dissolving them in separate aqueous or internal aqueous phases.
(4) As shown in some cases in which liver cancer is completely cured only by administration of the preparation of the present invention, the result of QOL (Quality of Life, Quality of life) can be improved.
[0071]
【Example】
Production Example 1
The W / O emulsion preparation of the present invention was prepared.
[0072]
30 mg of anthracycline epirubicin hydrochloride (“Farmorubicin” manufactured by Pharmacia) was used as an anticancer agent, and the above anticancer agent dissolved in 3 ml of a 0.45 wt% saline solution was used as the aqueous phase.
[0073]
On the other hand, 40 ml of polyoxyethylene hydrogenated castor oil ("HCO-40" manufactured by Nikko Chemicals Co., Ltd.) with 40 mol of ethylene oxide added was dissolved in the above-mentioned "Lipiodol" so as to have a concentration of 10% by weight as the oil phase. .
[0074]
Subsequently, the water phase was dispersed in the oil phase using a hydrophobic porous glass membrane having a pore diameter of 2.0 μm to obtain a W / O type emulsion. The particle size distribution of the water phase particles is shown in FIG. The average particle size of the obtained W / O type emulsion was 7.3 μm.
[0075]
On the other hand, using the same aqueous phase and oil phase as described above, the particle size distribution of the aqueous phase particles of the W / O type emulsion prepared using a homogenizer ("ULTRA-TURRAX" manufactured by Yunk Kunnel) of these mixtures was determined. As shown in FIG. The average particle size was 0.73 μm and the maximum particle size was 6 μm.
[0076]
The particle size distribution was measured by a laser diffraction / scattering particle size distribution meter (“SALD-2000” manufactured by Shimadzu Corporation), and expressed as ΔVp / ΔlogDp obtained by differentiating the particle volume Vp by logarithm logDp of the particle size.
[0077]
Production Example 2
The W / O type emulsion produced by the homogenizer in Production Example 1 was press-fitted and dispersed in the outer aqueous phase through a porous glass membrane to prepare a W / O / W type emulsion preparation.
[0078]
As the porous glass membrane, three types having different pore diameters were used. As the outer aqueous phase, 7 ml of physiological saline containing 0.5% by weight of polyoxyethylene hydrogenated castor oil (“HCO-60” manufactured by Nikko Chemicals Co., Ltd.) with 60 mol of ethylene oxide added was used.
[0079]
The average particle size of the W / O / W emulsion obtained with the membrane having a pore size of 10.6 μm is 42.0 μm, and the average particle size of the W / O / W emulsion obtained with the membrane having a pore size of 14.7 μm is The average particle size of the W / O / W emulsion obtained with a membrane having a size of 62.1 μm and a pore size of 16.0 μm was 174.9 μm. The particle size distributions of these W / O / W emulsions are shown in FIGS. 4 (13) to (15), respectively. Moreover, the photograph of the emulsion obtained by the film | membrane with a pore diameter of 10.6 micrometers is shown in FIG. All were monodispersed, the volume ratio of the inner aqueous phase, the oil phase and the outer aqueous phase was 1: 1.8: 2.3, and the filling ratio of the W / O / W emulsion was 55% by volume. It was.
[0080]
Production Example 3
Porous glass with a pore size of 10.6 μm using platinum complex carboplatin (“Paraplatin” Bristol-Myers Squibb) 10 mg and anthraquinone mitoxantrone hydrochloride (“Novantron” Ledery) 10 mg as anticancer agents Using the membrane, membrane emulsification was performed under the same conditions as in Production Example 2. As a result, a monodispersed W / O / W emulsion having an average particle size and particle size distribution almost the same as when using Epirubicin hydrochloride of Production Example 2 (when using a porous glass membrane with a pore size of 10.6 μm). A formulation was obtained.
[0081]
Production Example 4
(1) 90 mg of epirubicin hydrochloride dissolved in 3 ml of pure water as the inner aqueous phase (osmotic pressure 1.1 MPa: 1.5 times physiological saline), (2) 40 mol of polyoxyethylene with ethylene oxide added as the oil phase 5.5 ml of hydrogenated castor oil ("HCO-40" manufactured by Nikko Chemicals Co., Ltd.) dissolved in "Lipiodol" to a concentration of 10% by weight, (3) 60 moles of ethylene oxide added as an external water phase Of polyoxyethylene hydrogenated castor oil (“HCO-60” manufactured by Nikko Chemicals Co., Ltd.) 7% of a 0.6 wt% saline solution containing 0.5 wt% (osmotic pressure 0.48 MPa: 2% of physiological saline) 3) was used. Among these, a W / O type emulsion was prepared in the same manner as in Production Example 1 using the above (1) and (2).
[0082]
Subsequently, the obtained W / O emulsion was press-fitted into the outer water phase of the above (3) using a porous glass membrane having a pore diameter of 14.7 μm to produce a monodispersed W / O / W emulsion formulation. did. However, the concentration of the oily surfactant with respect to the oil phase was 5% by weight before emulsification, and was added after the preparation of the W / O type emulsion to 10% by weight.
[0083]
As a result, water moved from the outer aqueous phase to the inner aqueous phase due to the osmotic pressure difference, and the particles of the inner aqueous phase expanded, so that the particle size of the W / O / W type emulsion particles increased. Comparison of the particle size distribution of a monodisperse W / O / W emulsion formulation with an average particle size of 61.4 μm measured immediately after preparation and the particle size distribution when expanded to an average particle size of 77.7 μm after 1 day 6 (16) and (17). According to this, it can be seen that the W / O / W type emulsion preparation swells while the monodispersibility is maintained. Further, since the volume of the outer water phase decreases with expansion, the volume ratio of the inner water phase, the oil phase, and the outer water phase is changed from 1: 1.8: 2.3 to 1: 1.1: 1.0. changed. Accordingly, the filling rate of W / O / W type emulsion particles increased from 55% by volume to 67% by volume.
[0084]
Production Example 5
Membrane emulsification was carried out in the same manner as in Production Example 4, except that 90 mg of epirubicin hydrochloride dissolved in 3 ml of physiological saline as the inner aqueous phase, and 0.1 wt% saline solution as the outer aqueous phase was used as the outer aqueous phase. A W / O / W type emulsion was prepared. In this case, the osmotic pressure of the inner aqueous phase is as high as 2.5 times the physiological saline, and conversely the outer aqueous phase is as low as 1/9 of the physiological saline. Therefore, the filling rate of the W / O / W type emulsion particles is The volume increased from 55% to 94% by volume. An emulsion preparation having a close packing ratio exceeding 74% by volume and having extremely high viscosity and almost no fluidity was obtained. Since the volume ratio of the inner water phase, the oil phase, and the outer water phase is 1: 0.6: 0.1, it can be seen that the volume ratio can be easily adjusted by changing the conditions.
[0085]
Test example 1
Using the monodispersed W / O / W emulsion preparation obtained in Production Example 4, a clinical trial by hepatic artery embolization was performed.
[0086]
As is apparent from the computer tomography (CT) photograph of FIG. 7, this preparation was well deposited in cancer tissues (arrows) present in plural in the liver. In FIG. 7, (a) shows the liver before administration, the white part shows normal liver tissue, and the black part shows cancer tissue. The white part of (b) shows the part in which the emulsion preparation (contains a contrast agent) is present. 7 (a) and 7 (b), it can be seen that the emulsion preparation is deposited only in the cancer tissue portion.
[0087]
Further, when the blood concentration of alpha fetoprotein (AFP), an enzyme specifically released by liver cancer, was measured, a decrease in the concentration was observed in 15 out of 17 patients as shown in FIG. .
[0088]
Although there are cases where the AFP concentration starts to increase in some cases, it has been clarified that when the above preparation is administered again to such patients, the AFP concentration decreases again.
[0089]
As a result of operating a patient whose AFP concentration had decreased to a normal value of about 10 ng / ml and observing the resected liver cancer, it was found that the cancer tissue was significantly reduced or necrotic.
[0090]
One case in which a remarkable effect was recognized among these is shown in FIG. The patient was a 66-year-old male, and cancers with a diameter of 1 to 10 cm were frequent over a wide area of the liver, so that surgical resection was impossible. Therefore, intraarterial infusion therapy using the monodispersed W / O / W emulsion formulation of the present invention was performed twice in August and September 1994. As a result, the AFP concentration that suddenly increased from 400 ng / ml to 1100 ng / ml before the treatment decreased markedly after arterial injection and returned to normal after 2 months, and the liver cancer disappeared from CT and almost completely recovered. did. In FIG. 9, the black circles indicate the measured AFP density values.
[0091]
Test example 2
The results of a clinical trial conducted over 3 years from 1993 to 1995 are shown in FIG. 10 in comparison with other arterial injection therapy. In FIG. 10, it represented as transition of the survival rate of a patient. The survival rate is calculated by the Kaplan-Meier method.
[0092]
In 26 cases (18) using the monodispersed W / O / W emulsion preparation obtained in Production Example 4, the 2-year survival rate was 80%. On the other hand, it was about 10% in 32 cases (19) in which gelatin sponge was infused with an anticancer drug adreamycin aqueous solution. Even in 39 cases in which hepatic artery capillaries were occluded with gelatin sponge and mixed with lipiodol and adreamycin aqueous solution, the 2-year survival rate was about 40%. This result shows that the monodispersed W / O / W emulsion preparation of the present invention exhibits excellent effects.
[0093]
Test example 3
The clinical efficacy of the monodispersed W / O / W emulsion formulation of the present invention and the monodispersed W / O / W emulsion formulation having an average particle size outside the range of the present invention were examined by comparison in clinical trials.
[0094]
All of these preparations are: (1) 60 ml of epirubicin hydrochloride dissolved in 3 ml of pure water as an internal aqueous phase (osmotic pressure 0.74 MPa), and (2) 5 ml of lipiodol containing 10% by weight of an oily surfactant as an oil phase. And (3) 7 ml of a 0.3 wt% saline solution containing 1 wt% of “HCO-60” (osmotic pressure 0.24 MPa) was used as the outer aqueous phase.
[0095]
As the monodispersed W / O / W emulsion preparation of the present invention, a monodispersed emulsion having an average particle diameter of 70 μm produced in the same manner as in Production Example 4 using a porous glass membrane having a pore diameter of 14.7 μm (present invention) A monodisperse emulsion (present invention preparation 2) having an average particle diameter of 40 μm produced in the same manner as in Production Example 4 using a preparation 1) and a porous glass membrane having a pore diameter of 10.6 μm was used. On the other hand, for comparison, a monodispersed emulsion (comparative preparation) having an average particle diameter of 10 μm produced in the same manner as in Production Example 4 was used except that a porous glass membrane having a pore diameter of 3.2 μm was used.
[0096]
Each preparation was administered by intracatheter intraarterial injection to patients with primary liver cancer, and changes in AFP blood concentration after 1 week were examined. There were 35 patients who received the
[0097]
[Table 1]
As is apparent from the results in Table 1, it can be seen that the
[0098]
Test example 4
Using the
[0099]
[Table 2]
From the results shown in Table 2, most of the patients to which the
[0100]
FIG. 11 shows one example showing that the preparation of the present invention is well deposited in the liver in this test. FIG. 11 shows the blood of glutamate / oxaloacetate transferase (GOT), glutamate / pyruvate transferase (GPT) and total bilirubin (T-Bil) for 7 days after the preparation of the present invention was administered to a patient with liver cancer. Represents the concentration.
[0101]
In the
[0102]
Test Example 5
A clinical trial was conducted using a W / O emulsion preparation having an average particle size of 0.7 μm and a maximum particle size of 3 μm prepared using a homogenizer. This preparation is composed of 60 mg of epirubicin hydrochloride dissolved in 3 ml of pure water (osmotic pressure 0.74 MPa) as an aqueous phase and 5 ml of lipiodol containing 5% by weight of an oily surfactant as an oil phase.
[0103]
The patient was a 56-year-old male. The first time, the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an example of an arterial administration method in hepatic artery embolization.
FIG. 2 is a conceptual diagram of an emulsion preparation.
FIG. 3 is a graph showing the particle size distribution of a W / O emulsion preparation.
FIG. 4 is a graph showing the particle size distribution of a monodispersed W / O / W emulsion formulation.
FIG. 5 is a view showing the particle structure of a monodispersed W / O / W emulsion formulation.
FIG. 6 is a view showing a state where monodispersed W / O / W emulsion preparation particles are expanded.
FIG. 7 is a view showing the form of a living organism in liver cancer tissue.
FIG. 8 is a graph showing changes in AFP blood concentration over time after intra-arterial injection of a monodispersed W / O / W emulsion formulation.
FIG. 9 is a graph showing changes in AFP blood concentration over time due to intraarterial injection therapy of a monodisperse W / O / W emulsion formulation.
FIG. 10 is a graph showing the survival rate of liver cancer patients in clinical trials.
FIG. 11 is a graph showing the deposition properties of the
[Explanation of symbols]
1 Liver
2 Liver cancer
3 Hepatic artery
4 Catheter
5 Syringes
6 Internal water phase particles
7 Oil phase
8 Inner water phase particles
9 W / O / W emulsion particles
10 Outside water phase
11 Particle size distribution of monodisperse W / O emulsion formulation
12 Particle size distribution of W / O emulsion prepared by homogenizer
13 Particle size distribution of monodisperse W / O / W emulsion preparations prepared with membranes with a pore size of 10.6 μm
14 Particle size distribution of monodisperse W / O / W emulsion preparations prepared with a membrane having a pore size of 14.7 μm
15 Particle size distribution of monodisperse W / O / W emulsion preparations prepared with a membrane having a pore size of 16.0 μm
16 Particle size distribution of monodisperse W / O / W emulsion formulation measured immediately after preparation
17 Particle size distribution of expanded monodisperse W / O / W emulsion formulations
18 Survival rate of patients with monodispersed W / O / W emulsion formulation
19 Survival rate of patients infused with gelatin sponge aqueous solution containing adreamycin
20 Survival rate of patients in whom hepatic artery capillaries were occluded with gelatin sponge by mixing lipiodol and adriamycin aqueous solution
21 Changes in GOT after intraarterial administration of
22 Changes in GPT after intraarterial administration of
23 T-Bil change after intraarterial administration of
24 Changes in GOT after intraperitoneal administration of
25 Changes in GPT after intraarterial administration of the
26 T-Bil change after intraperitoneal administration of
Claims (5)
(a)内水相が、浸透圧0.1〜3.5MPaの範囲に調整された抗癌剤含有水溶液であり、
(b)油相が、油脂類及び油性界面活性剤を含有しており、前記油性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、
(c)内水相と外水相の体積比が1:10〜1:0.1の範囲にあり、
(d)内水相と油相の体積比が1:9〜1:0.1の範囲にあり、
(e)W/O/W型エマルション粒子の平均粒径が40〜500μmである、ことを特徴とする、肝臓癌を治療するための抗癌剤含有乳化製剤。W / O / W type emulsion preparation,
(A) The inner aqueous phase is an anticancer agent-containing aqueous solution adjusted to an osmotic pressure of 0.1 to 3.5 MPa,
(B) The oil phase contains fats and oils and an oily surfactant, and the oily surfactant is selected from the group consisting of polyoxyethylene hydrogenated castor oil and polyglycerin condensed ricinoleate surfactants At least one kind,
(C) the volume ratio of the inner aqueous phase to the outer aqueous phase is in the range of 1:10 to 1: 0.1;
(D) the volume ratio of the inner aqueous phase to the oil phase is in the range of 1: 9 to 1: 0.1;
(E) An anticancer agent-containing emulsion preparation for treating liver cancer, wherein the W / O / W type emulsion particles have an average particle size of 40 to 500 μm.
W/O型エマルション製剤を、多孔質ガラス膜を介して、浸透圧0.1〜0.7MPaの外水相となる水相に圧入分散させることにより、W/O/W型エマルションからなる製剤を得る方法であって、(a)W/O型エマルション製剤における水相の浸透圧を、外水相となる水相の浸透圧以上の値とし、(b)W/O/W型エマルションにおける内水相及び外水相の浸透圧を、生理食塩水の浸透圧を超える値とすることを特徴とする抗癌剤含有乳化製剤の製造方法。 A method for producing an anticancer agent-containing emulsion preparation according to claim 1 ,
A formulation comprising a W / O / W type emulsion by press-fitting and dispersing the W / O type emulsion formulation into an aqueous phase that becomes an osmotic pressure of 0.1 to 0.7 MPa through a porous glass membrane. (A) the osmotic pressure of the aqueous phase in the W / O type emulsion preparation is set to a value equal to or higher than the osmotic pressure of the aqueous phase to be the outer aqueous phase, and (b) in the W / O / W type emulsion A method for producing an anticancer agent-containing emulsion preparation, wherein the osmotic pressure of the inner aqueous phase and the outer aqueous phase is set to a value exceeding the osmotic pressure of physiological saline.
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