JP4108665B2 - ハードディスク増設筐体 - Google Patents
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Description
このような構造を適用した場合、ハードディスクは引き出し状の薄型筐体の内部に設置されることになるので、ハードディスク増設筐体の前面側からハードディスクにアクセスして装着や交換等の作業を行うことは事実上不可能であり、これらの作業は、薄型筐体をラックから引き出した状態で上方から行われることになるが、2列目つまり後方に位置するハードディスクの装着や交換作業を行う際に手前側のハードディスクが邪魔になるという問題がある。
特許文献1のものでは、ハードディスクを1個宛てに保持するトレイをヒンジを介して薄型筐体の底面上に取り付け、このトレイを引き起こしてハードディスクの手前側を持ち上げた状態でハードディスクの装着もしくは交換作業を行うことで手前側に位置するハードディスクとの干渉を防止するようにしているが、装着可能なハードディスクの個数に応じたトレイやヒンジ等を設けなれればならず、ハードディスクが増えれば増えるほどハードディスク増設筐体の構造が複雑化し、故障因子や製造コストが増大するといった問題が残る。
特許文献2のものでは、筐体の背面に位置する後方カバーを着脱自在な構成とし、この後方カバーを取り外して後方に位置するハードディスクの装着あるいは交換作業を行うようにしているが、この後方カバーの着脱作業それ自体が煩わしく、また、従来では想定していない筐体背面側からのアクセスが必要となるので、ラックの設置位置にも工夫を要する。例えば、ラックの背面を室内の壁面に密接させて設置するといった従来可能であったラックの設置方法は、ハードディスクのメンテナンスを考慮した場合に問題が生じる。
しかも、この後方カバーにはハードディスクを冷却するための空冷ファンが設けられているので、後方カバーを取り外してハードディスクの装着あるいは交換作業を行っている間、別のハードディスクに対する空冷が行われなくなるといった弊害が生じる。
また、前部筐体は、後部筐体との対接面の一側に設けられたヒンジを介して後部筐体に接続されているので、後部筐体に対しての揺動的な姿勢変化が許容される。後部筐体にハードディスクを装着する際には、前部筐体を揺動させて後部筐体における前部筐体との対接面を開放し、この対接面に設けられた開口部からハードディスクを挿入して後部筐体に格納する。
このように、ラックやハードディスク増設筐体の前面側からのアクセスのみによって前部筐体および後部筐体に対するハードディスクの装着作業や交換作業を容易に行うことができ、しかも、特許文献1に見られるようなハードディスクを1個宛てに保持する複数のトレイやヒンジ構造を必要とせず、複数のハードディスクを収容する前部筐体を揺動させるためのヒンジ構造が基本的に1箇所で済むので、構造が簡素化されると共に故障因子も減少する。
また、跳ね上げられた前部筐体が重力によって不用意に原位置復帰して後部筐体と衝接するといった弊害は、後部筐体に対する前部筐体の揺動姿勢を保持するためのラッチ機構によって防止される。
ラッチ機構としては、ヒンジと一体化されたラチェット機構、あるいは、支点越えによるロックアップ機能を備えた2桿式のリンク機構等を始め、公知の技術手段が利用可能である。
前部筐体を左右方向に複数に分割して構成した場合においては前部筐体の数に応じた個数のヒンジ構造が必要となるが、前部筐体を左右方向に複数に分割して構成した場合であっても、各前部筐体が複数のハードディスクを収容するとした大前提があるので、何れにしても、ハードディスク増設筐体の構築に必要とされるヒンジの数は、相互干渉防止のためにハードディスクを単体で揺動させてハードディスクの装着あるいは交換作業を行うとした従来技術(例えば、特許文献1)に比べて遙かに少なくて済む。
また、相対的に前部筐体の重量が軽減化されるので、ヒンジの損傷といった問題の発生も未然に防止することができる。
前部筐体や後部筐体に対するハードディスクの装着や交換作業を行う際にハードディスク増設筐体から何らかの部材、例えば、空冷ファンを備えた後方カバーを取り外す必要はないので、後方カバー等を含め、空冷ファンを設置する箇所は全く問わない。
しかも、装着作業や交換作業の対象となるハードディスクを1個宛てに保持する複数のトレイやヒンジ構造等を必要とせず、複数のハードディスクを収容する前部筐体を一体的に揺動させるためのヒンジ構造を基本的に1箇所に要するのみであるので、機械的な構造およびコネクタ等に関する電気的な接続構造が簡素化され、故障因子が減少すると共に、製造コストも軽減化され得る。
ヒンジ4にラチェット機構を内蔵させてラッチ機構とする代わりに、支点越えによるロックアップ機能を備えた2桿式のリンク機構等を利用してラッチ機構としてもよく、この場合、2桿式のリンク機構の端部の一方を前部筐体2に枢着し、もう一方の端部を後部筐体3に枢着することになる。
その他にも各種のラッチ機構を転用することができるが、この種の技術は慣用技術に属するものであり、どのような構成を適用するかは設計上の事項に過ぎないので、具体的な説明は省略する。
但し、前部筐体2を図1に示されるような初期位置に保持した状態で前部筐体2の対接面2aと後部筐体3の対接面3aとが殆ど隙間なく密接するような構造を適用した場合においては、前部筐体2を図1に示されるような初期位置に保持した状態においては必ずしも空冷ファン11を回転させる必要はなく、例えば、空冷ファン10の回転で開口部7から送出される空気を前部筐体2に送り込んで前部筐体2の開口部6に挿入されたハードディスク5を冷却することも可能である。
ハードディスク5の交換に際しては古いハードディスク5の取り出しが必要になるが、その場合は、間隙Dに指を差し込んで古いハードディスク5を把持した状態で手前に引き抜けばよい。
何れの場合も、ハードディスク増設筐体1やラックの前面側からのアクセスのみでハードディスク5の着脱を行うことができ、ハードディスク増設筐体1をラックから取り外す必要はない。
前記と同様、ハードディスク5の取り出しは、間隙Dに指を差し込んで古いハードディスク5を把持して手前に引き抜くことで達成される。
前部筐体2はヒンジ4のラチェット機構によって後部筐体3に対する揺動姿勢を保持されているので、前部筐体2が重力加重によって不用意に原位置復帰して後部筐体3と衝接したり、ユーザが前部筐体2と後部筐体3の間で指を挟むといった問題が発生することはない。
そして、必要数のハードディスク5の装着あるいは交換作業を行った後、ヒンジ4のラチェット機構を解除し、前部筐体2を図1に示されるような初期位置に復帰させて作業を終了する。
この場合も、ハードディスク増設筐体1やラックの前面側からのアクセスのみでハードディスク5の着脱を行うことができ、ハードディスク増設筐体1をラックから取り外す必要はない。
つまり、ラックのスライダに直接的に固定されるのは後部筐体3の部分のみとなるが、重量の嵩む電源ユニット8は後部筐体3の後方に配備されているので、前部筐体2を揺動させた状態においても、ハードディスク増設筐体1の安定性(バランス)を確保することができる。
また、空冷ファンは、前部筐体17,18,後部筐体19毎に独立して設置されている。
この場合、前部筐体は水平面内で揺動することになるので、前部筐体が自重によって初期位置に向けて落下するといった心配はなく、ヒンジ4のラッチ機構は必ずしも必要ではない。
2 前部筐体
2a 前部筐体側の対接面
2b 前部筐体の手前側の面
3 後部筐体
3a 後部筐体における前部筐体との対接面(後部筐体の手前側の面)
4 ヒンジ(ラチェット機構付き)
5 ハードディスク
6,7 開口部
8 電源ユニット
9 コネクタ
10,11 空冷ファン
12 後方カバー
13,14,15 隔壁
16 ハードディスク増設筐体
17,18 前部筐体
19 後部筐体
20,21,22 開口部
D 間隙
Claims (6)
- ラックに搭載される箱型のハードディスク増設筐体であって、前記筐体が、ラック搭載状態において手前側に位置する前部筐体と、その後方に位置する後部筐体とによって構成され、前記前部筐体と前記後部筐体との対接面の一側がヒンジを介して接続されると共に、前記前部筐体の手前側の面、および、前記後部筐体における前部筐体との対接面の各々に、複数のハードディスクを挿入し格納するための開口部を設けたことを特徴とするハードディスク増設筐体。
- 前記ヒンジが前記対接面の上端部に設けられると共に、前記後部筐体に対する前記前部筐体の揺動姿勢を保持するためのラッチ機構が併設されていることを特徴とする請求項1記載のハードディスク増設筐体。
- 前記ヒンジが前記対接面の側端部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のハードディスク増設筐体。
- 前記前部筐体が左右方向に複数に分割して構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のハードディスク増設筐体。
- ハードディスクに駆動電力を供給する電源ユニットが前記後部筐体側に配備されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4の何れか一項に記載のハードディスク増設筐体。
- 前記前部筐体および前記後部筐体の各々に空冷ファンが配備されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5の何れか一項に記載のハードディスク増設筐体。
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006114070A JP2006114070A (ja) | 2006-04-27 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9727079B2 (en) | 2014-09-18 | 2017-08-08 | Western Digital Technologies, Inc. | Chassis input/output (I/O) module for use in front region of mass storage chassis assembly |
US10849249B1 (en) | 2020-01-30 | 2020-11-24 | Hewlett Packard Enterprise Development Lp | Expandable electronics storage chassis |
-
2004
- 2004-10-12 JP JP2004297067A patent/JP4108665B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9727079B2 (en) | 2014-09-18 | 2017-08-08 | Western Digital Technologies, Inc. | Chassis input/output (I/O) module for use in front region of mass storage chassis assembly |
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JP2006114070A (ja) | 2006-04-27 |
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