JP4104766B2 - トンネル覆工体の載荷試験方法 - Google Patents

トンネル覆工体の載荷試験方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に、内水圧が加わるトンネル覆工体の載荷試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水路等として用いられるトンネルでは、そのトンネルを構成する複数のセグメントからなるトンネル覆工体に内水圧が加わるため、このような場合、このトンネル覆工体に事前に内水圧に相当する荷重を加え、セグメント同士の継手における目開きや段差等を計測する載荷試験が行われている。
ここで、このトンネル覆工体の載荷試験方法について説明する。
【0003】
(1)PC鋼線を用いた載荷試験方法
図9に示すように、この方法は、セグメント1を周方向へ接合した試験用リング2の外側に、リング状の反力壁3を設置し、試験用リング2の周方向に間隔をあけて定着させて外周方向へ突出させた複数のPC鋼棒4を、反力壁3にてそれぞれジャッキ5によって引っ張ることにより、試験用リング2に外周方向へ向かう荷重を加える方法である。
【0004】
(2)ストラットを用いた載荷試験方法
図10に示すように、この方法は、試験用リング2の内周側に、複数のストラット6を配設し、これらストラット6に設けられたジャッキ7によって、ストラット6の両端の押圧部8から試験用リング2の内周面を複数箇所にて外方へ押圧する方法である。
【0005】
(3)ジャッキを用いた載荷試験方法
図11に示すように、この方法は、試験用リング2の内周側に、リング状の反力壁9を設置し、この反力壁9と試験用リング2との間に、周方向へ間隔をあけて複数のジャッキ10を配設し、これらジャッキ10によって試験用リング2を、その内周面側から複数箇所にて外方へ押圧する方法である。
【0006】
(4)水圧パッドを用いた載荷試験方法
図12に示すように、この方法は、試験用リング2の内周側に、リング状の反力壁9を設置し、この反力壁9と試験用リング2との間に、周方向へ間隔をあけて複数の液圧パッド11を設置し、これら液圧パッド11へ液体を注入することにより、これら液圧パッド11によって試験用リング2を、その内周面側から複数箇所にて外方へ押圧する方法である。
【0007】
(5)ゴムチューブを用いた載荷試験方法
図13に示すように、この方法は、試験用リング2の内周側に、リング状の反力体12を設置し、この反力体12と試験用リング2との間に、周方向へわたって、リング状のゴムチューブ13を配設し、このゴムチューブ13へ液体を注入することにより、このゴムチューブ13によって試験用リング2を、その内周面全体にて外方へ押圧する方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の載荷試験方法には、次のような問題点があった。
(1)〜(4)の載荷試験方法は、いずれも、試験用リング2の内周面側の周方向へ間隔をあけた複数箇所での集中荷重であるので、実際に加わる水圧とかなりかけ離れた状態となってしまう。
つまり、実際のトンネルにおいて、内水圧が発生する場合には、等方等圧に荷重がかかるので、より現実に近い状況において試験用リング2全体の挙動を分析しようとする際には、上記集中荷重による載荷試験方法は不向きであった。
【0009】
これに対して、(5)に示す載荷試験方法は、試験用リング2の内周面全体に、比較的均一に載荷することができるが、この方法では、試験用リング2の内周面側にゴムチューブ13を接触させるので、試験用リング2の内周面側に、セグメント1同士の継ぎ目の目開き量や段差量等を計測する各種の計測装置を取り付けることができず、また、試験用リング2の内周面の観察も困難であるという問題があった。しかも、この方法の場合、ゴムチューブ13との摩擦により、セグメント1同士に目開きが生じにくくなり、実際の状態と異なってしまうという問題もあった。
【0010】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、内水圧が加わるトンネル覆工体の載荷試験を、極めて現実に近い状態にて、かつ容易に行うことができ、信頼性の高い計測データを得ることが可能なトンネル覆工体の載荷試験方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のトンネル覆工体の載荷試験方法は、内水圧が加わるトンネル覆工体の載荷試験方法であって、前記トンネル覆工体を構成する複数のセグメントを組み付けてなる試験用リングの内周側に、この試験用リングより小径の反力リングを間隔をあけて配設し、これら試験用リング及び反力用リングの隙間の両端部を、シートによって液密に密閉することにより、前記試験用リング及び反力用リングの隙間を注入空間とし、この注入空間内へ液体を注入することにより、前記試験用リングの内周面に前記液体の液圧を加えることを特徴としている。
【0012】
このように、試験用リングの内周側に反力用リングを配設し、試験用リングと反力用リングとの隙間の両端部を、シートによって密閉して形成した注入空間へ液体を注入し、この液体の液圧を、試験用リングの内周面に作用させるので、内水圧が加わる実際のトンネルの覆工体に近い状況にて、試験用リングに均等に内圧を載荷させることができる。
これにより、内水圧がかかるトンネル覆工体における、セグメントの歪み、セグメント同士の継手における目開き、段差等の計測を極めて精度良く計測することができ、信頼性の高い計測データを得ることができる。
【0013】
また、液圧を調整することにより、極めて容易に、試験用リングへ加える内圧を調整することができる。
また、試験用リングの内周面側には、液体だけしか存在しないので、各種計測装置を、試験用リングの内周面に容易に設置することができる。
しかも、充填する液体として水等の透明なものを使用することにより、載荷時において、試験用リングの内周面を、防水カメラ等によって撮影して観察することができる。
さらには、試験用リングの外周面への液体の漏れ等を観察することができるので、漏水試験を兼用して行うことができる。
【0014】
請求項2記載のトンネル覆工体の載荷試験方法は、請求項1記載のトンネル覆工体の試験方法において、前記試験用リングの外周にPC鋼線を巻回し、該PC鋼線を緊張させることを特徴としている。
【0015】
つまり、試験用リングに軸力を加えることにより、内水圧が作用しているトンネル覆工体に、地圧による軸力が作用した状態を再現させることができる。
【0016】
請求項3記載のトンネル覆工体の載荷試験方法は、請求項1または請求項2記載のトンネル覆工体の載荷試験方法において、前記試験用リングを、外周側から圧縮することを特徴としている。
【0017】
このように、試験用リングに圧縮力を加えることにより、内水圧が作用しているトンネル覆工体に、地圧により曲げモーメントが作用した状態を再現させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトンネル覆工体の載荷試験方法の実施の形態例を図によって説明する。
図1及び図2において、符号21は、トンネル覆工体を構成する複数のセグメント22を組み付けて構成された試験用リングである。この試験用リング21を構成するセグメント22は、平面視六角形状に形成されたコンクリート製の円弧版からなるもので、これらセグメント22の各接合端面同士は、ボルト・ナット等によって接合されている。そして、この試験用リング21は、載荷試験装置23にセットされている。
【0019】
この載荷試験装置23は、試験用リング21の内周側に設置された、試験用リング21よりも小径の反力用リング24を有するもので、この反力用リング24も、複数のコンクリート製のセグメント25を組み付けることにより構成されている。
これら試験用リング21と反力用リング24とは、その上下端部が、密閉構造部材26によって閉塞されており、これにより、これら試験用リング21と反力用リング24との隙間は、その上下端部の開口部分が封鎖されて密閉にされている。
【0020】
そして、前記密閉構造部材26によって密閉された試験用リング21と反力用リング24との隙間は、試験用リング21へ内圧を作用させる液体Lが注入される注入空間Sとされている。
【0021】
次に、試験用リング21と反力用リング24との隙間の上下端部を密閉する密閉構造部材26について説明する。
なお、上下の密閉構造部材26は、同一構造であるので、ここでは、上部側の密閉構造部材26を図示して説明する。
図3に示すように、試験用リング21及び反力用リング24には、その端面に、周方向へ間隔をあけて複数のインサートナット31が埋め込まれて設けられている。
これらインサートナット31には、ボルト32がねじ込まれており、それぞれ試験用リング21及び反力用リング24の端面から突出されている。
【0022】
試験用リング21及び反力用リング24の隙間の端部には、周方向へわたってリング状に形成された液密シート(シート)33が設けられている。
この液密シート33としては、例えば、可撓性及び防水性を有する硬質ゴム等から形成されたシートをリング状に形成したものが用いられ、その内周側近傍及び外周側近傍には、周方向へ沿って複数の孔部34が、間隔をあけて形成されている。
【0023】
そして、この液密シート33の孔部34を、前記ボルト32へ挿通させることにより、この液密シート33が、試験用リング21及び反力用リング24の端面に配設されている。
この液密シート33は、試験用リング21の内周側近傍部分に、周方向へわたって弛ませた弛み部35が形成されている。
【0024】
この液密シート33の外方には、周方向へ沿って複数の押さえ板36が配設されている。これら押さえ板36は、一端側が幅広とされた平面視台形に形成されたもので、幅広側の端部が外周側となるように配設されている。また、これら押さえ板36には、外周側の端部近傍に、挿通孔37が形成されており、この挿通孔37に、試験用リング21のインサート31にねじ込まれたボルト32が挿通されている。
そして、この状態にて、ボルト32にナット38を螺合させることにより、押さえ板36が試験用リング21の端面に固定されている。
【0025】
反力用リング24の端面には、リング状に形成された保持板41が設けられている。この保持板41は、取付板部42と保持片部43とから構成されたもので、取付板部42の外側に、保持片部43を有し、この保持片部43が、取付板部42の外周側へ突出されている。
【0026】
取付板部42には、周方向に沿って複数の取り付け孔44が形成されており、これら取り付け孔44に、反力用リング24のインサート31にねじ込まれたボルト32が挿通されている。
そして、この状態にて、ボルト32にナット45を螺合させることにより、保持板41が反力用リング24の端面に固定されている。
【0027】
また、このように、反力用リング24の端面に保持板41を固定すると、この保持板41の保持片部43が、試験用リング21の端面に固定された押さえ板36の端部を外側から保持するようになっている。
また、試験用リング21及び反力用リング24の端面には、液密シート33の配設箇所にブチルゴム等のシール材46が塗布されている。
【0028】
そして、試験用リング21及び反力用リング24のそれぞれの端面にて、ボルト32へナット38、45を螺合させることにより押さえ板36及び保持板41を取り付けると、試験用リング21の端面と押さえ板36との間及び反力用リング24の端面と保持板41の取付板部42との間にて、液密シート33が挟持される。
また、このとき、液密シート33と試験用リング21及び反力用リング24の端面との間は、前記シール材46によって確実にシールされる。
これにより、これら試験用リング21と反力用リング24との隙間の上下端部は、液密シート33によって確実に液密的に密閉される。
【0029】
また、載荷試験装置23には、周方向に間隔をあけた複数箇所に、軸方向拘束治具51が設けられている。
図4に示すように、この軸方向拘束治具51は、正面視U字状に形成された鋼板からなるもので、その両端近傍には、一対の孔部52が形成されている。
そして、この軸方向拘束治具51の一端側の孔部52には、反力用リング24の端面のボルト32が挿通され、さらに、ボルト32に螺合されたナット53によって締結固定されている。
【0030】
また、この軸方向拘束治具51と押さえ板36との間には、拘束板54が設けられている。
この拘束板54には、複数の孔部55が形成されており、これら孔部55には、試験用リング21のボルト32及びボルト32に締結固定されたナット38が配設されている。
なお、この拘束板54と軸方向拘束治具51との間には、テフロンシートが設けられており、このテフロンシートによってこれらの摩擦が低減されるようになっている。
【0031】
軸方向拘束治具51の他端に形成された孔部52には、PC鋼線56が挿通されている。このPC鋼線56には、その両端部に、締め付けナット57が締結固定されており、これら締め付けナット57を締め付けることにより、PC鋼線56が緊張されている。
つまり、この締め付けナット57を締め付けて、PC鋼線56を緊張させることにより、軸方向拘束治具51によって拘束板54を介して試験用リング21を構成するセグメント22が軸方向へ挟持されて拘束されるようになっている。
【0032】
上記のように載荷試験装置23に組み込まれた試験用リング21には、その外周側に、軸力導入装置61が設けられている。
この軸力導入装置61は、試験用リング21の外周側における対向位置に設けられた軸力導入ブロック62と、両端部がそれぞれ対向位置に設けられた軸力導入ブロック62に定着されて、試験用リング21の外周をそれぞれ半周ずつ巻回する軸力導入PC鋼線63とを有している。
【0033】
軸力導入PC鋼線63には、軸力導入ブロック62での定着端の内の一方側にロードセル64が設けられている。また、ロードセル64が設けられた定着端の内の一方には、センターホールジャッキ65が設けられており、これらセンターホールジャッキ65によって、軸力導入PC鋼線63を緊張させることができるようになっている。
【0034】
なお、それぞれの軸力導入ブロック62と試験用リング21との間には、テフロンシートが設けられて、互いの摩擦が低減されている。
【0035】
また、試験用リング21の外周側には、一対の曲げモーメント導入装置71が設けられている。
これら曲げモーメント導入装置71は、試験用リング21を介して、互いに対向させて設けられた一対の曲げモーメント導入装置ブロック72と、試験用リング21の上下に配設されて、両端部が曲げモーメント導入装置ブロック72に定着された一対の曲げモーメント導入PC鋼線73とを有しており、曲げモーメント導入装置ブロック72に設けられた当接部74が、試験用リング21の外周面に当接するようになっている。
【0036】
また、一方側の曲げモーメント導入装置ブロック72には、曲げモーメント導入PC鋼線73の定着端に、ロードセル75及びセンターホールジャッキ76が設けられている。
そして、このセンターホールジャッキ76によって、曲げモーメント導入PC鋼線73を緊張させることができるようになっており、このように、センターホールジャッキ76によって曲げモーメント導入PC鋼線73を緊張させることにより、曲げモーメント導入装置ブロック72の当接部74によって試験用リング21が挟持されて圧縮されるようになっている。
なお、一対の曲げモーメント導入装置71は、それぞれの曲げモーメント導入PC鋼線73が互いに直交するように配設されている。
【0037】
また、図2において、符号77は、それぞれスライド支承であり、これらスライド支承77によって試験用リング21、反力用リング24及び曲げモーメント導入装置71が、設置面に対してスライド可能に支持されている。
【0038】
また、試験用リング21には、各種の計測装置が設けられている。
ここで、この試験用リング21を計測する計測装置について説明する。
【0039】
図5に示すものは、歪み計測装置81である。この歪み計測装置81は、試験用リング21を構成するセグメント22の内面側に、試験用リング21の軸方向及び周方向へそれぞれ配設された変位ゲージ82からなるもので、これら変位ゲージ82によって、セグメント22の歪みを検出するようになっている。
【0040】
図6に示すものは、継手段差計測装置91である。この継手段差計測装置91は、試験用リング21の内周面側におけるセグメント22同士の継ぎ目に設けられたもので、一方のセグメント22側にセンサ92が固定され、このセンサ92の検出片93の端部が、他方のセグメントに固定されている。つまり、セグメント22同士の継ぎ目に段差が生じると、検出片93が変位し、センサ92によって検出されるようになっている。
【0041】
図7に示すものは、目開き計測装置101である。この目開き計測装置101は、試験用リング21の内周面側におけるセグメント22同士の継ぎ目に設けられたもので、両端が、それぞれのセグメント22に固定された湾曲板102と、この湾曲板102の湾曲面に沿って設けられた変位ゲージ103とを有しており、セグメント22同士の継ぎ目に目開きが生じて湾曲板102の曲率が変化すると、変位ゲージ103がその曲率の変化を検出し、その検出結果に基づいて、目開き量を計測することができるようになっている。
【0042】
図8に示すものは、絶対変位量計測装置111である。この絶対変位量計測装置は、センサ部112と、このセンサ部112から突出された検出棒113とを有しており、この検出棒113の端部が、試験用リング21の外周面に当接するように設置されている。
そして、試験用リング21が径方向へ変位して検出棒113の突出量が変化した際に、センサ部112が、検出棒113の突出量の変化を検出し、その検出結果に基づいて、試験用リング21の径方向への変位量を計測することができるようになっている。
なお、この絶対変位量計測装置111を、試験用リング21の内周側に設け、この試験用リング21の内周面の変位を計測するようにしても良い。
【0043】
また、必要に応じて、試験用リング21と反力用リング24との間の注入空間Sには、試験用リング21の内面を撮影する防水カメラが設けられる。また、反力用リング24に、窓を設け、この窓から試験用リング21の内面を目視にて観察することができるようにしても良い。
【0044】
上記載荷試験装置23によって試験用リング21の載荷試験を行う場合は、反力用リング24に設けられた図示しない注入口から密閉構造部材26によって封鎖された試験用リング21と反力用リング24との隙間からなる注入空間Sへ所定の液圧にて液体Lを注入する。
【0045】
このようにすると、この注入空間Sに注入された液体Lの液圧によって試験用リング21に内水圧が作用した状態、つまり、載荷状態となる。
この状態において、前述した各種の計測装置による計測、カメラあるいは目視による観測を行う。
【0046】
また、試験用リング24に軸力を作用させる場合は、軸力導入装置61の一方の軸力導入ブロック62に設けられたセンターホールジャッキ65によって、軸力導入PC鋼線63を緊張させる。
このようにすると、試験用リング21が軸力導入PC鋼線63によって締め付けられ、これにより、試験用リング21には、軸力が導入されることとなる。
なお、軸力の導入量は、各軸力導入ブロック62に設けられたロードセル64によって調節する。
【0047】
さらに、試験用リング21を圧縮して曲げモーメントを作用させる場合は、一対の曲げモーメント導入装置71の内の一方の曲げモーメント導入装置71の曲げモーメント導入装置ブロック72に設けられたセンターホールジャッキ76によって、曲げモーメント導入PC鋼線73を緊張させる。
このようにすると、試験用リング21が、一方の曲げモーメント導入装置71の曲げモーメント導入装置ブロック72によって挟持されて圧縮され、これにより、試験用リング21には、曲げモーメントが導入されることとなる。
【0048】
なお、曲げモーメントの導入量は、ロードセル75によって調節する。また、他の方向の曲げモーメントを導入する場合は、他方の曲げモーメント導入装置71のセンターホールジャッキ76によって曲げモーメント導入PC鋼線73を緊張させることにより行う。
【0049】
以上、説明したように、上記の載荷試験方法によれば、試験用リング21の内周側に反力用リング24を配設し、試験用リング21と反力用リング24との隙間の両端部を、液密シート33によって密閉して形成した注入空間Sへ液体Lを注入し、この液体Lの液圧を、試験用リング21の内周面に作用させるので、内水圧が加わる実際のトンネルの覆工体に近い状況にて、試験用リング21に均等に内圧を載荷させることができる。
【0050】
これにより、内水圧がかかるトンネル覆工体における、セグメントの歪み、セグメント同士の継手における目開き、段差等の計測を極めて精度良く計測することができ、信頼性の高い計測データを得ることができる。
また、液圧を調整することにより、極めて容易に、試験用リング21へ加える内圧を調整することができる。
【0051】
また、試験用リング21の内周面側には、液体Lだけしか存在しないので、各種計測装置を、試験用リング21の内周面に容易に設置することができる。
しかも、充填する液体Lとして水等の透明なものを使用することにより、載荷時において、試験用リング21の内周面を、防水カメラ等によって撮影して観察することができる。
さらには、試験用リング21の外周面への液体Lの漏れ等を観察することができるので、漏水試験を兼用して行うことができる。
【0052】
しかも、試験用リング21に、軸力導入装置61によって、軸力を加えることにより、内水圧が作用しているトンネル覆工体に、地圧による軸力が作用した状態を再現させることができる。
【0053】
さらには、試験用リング21に、曲げモーメント導入装置71によって、圧縮力を加えることにより、内水圧が作用しているトンネル覆工体に、地圧により曲げモーメントが作用した状態を再現させることができる。
【0054】
なお、上記の例では、トンネル覆工体の試験試料として、平面視六角形のセグメント22を組み立ててなる試験用リング21を用いたが、この試験用リング21を構成するセグメント22としては、六角形に限らず、矩形状であっても良いことは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のトンネル覆工体の載荷試験方法によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1記載のトンネル覆工体の載荷試験方法によれば、試験用リングの内周側に反力用リングを配設し、試験用リングと反力用リングとの隙間の両端部を、シートによって密閉して形成した注入空間へ液体を注入し、この液体の液圧を、試験用リングの内周面に作用させるので、内水圧が加わる実際のトンネルの覆工体に近い状況にて、試験用リングに均等に内圧を載荷させることができる。
これにより、内水圧がかかるトンネル覆工体における、セグメントの歪み、セグメント同士の継手における目開き、段差等の計測を極めて精度良く計測することができ、信頼性の高い計測データを得ることができる。
【0056】
また、液圧を調整することにより、極めて容易に、試験用リングへ加える内圧を調整することができる。
また、試験用リングの内周面側には、液体だけしか存在しないので、各種計測装置を、試験用リングの内周面に容易に設置することができる。
しかも、充填する液体として水等の透明なものを使用することにより、載荷時において、試験用リングの内周面を、防水カメラ等によって撮影して観察することができる。
さらには、試験用リングの外周面への液体の漏れ等を観察することができるので、漏水試験を兼用して行うことができる。
【0057】
請求項2記載のトンネル覆工体の載荷試験方法によれば、試験用リングに軸力を加えることにより、内水圧が作用しているトンネル覆工体に、地圧による軸力が作用した状態を再現させることができる。
【0058】
請求項3記載のトンネル覆工体の載荷試験方法によれば、試験用リングに圧縮力を加えることにより、内水圧が作用しているトンネル覆工体に、地圧により曲げモーメントが作用した状態を再現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リングが組み込まれた試験装置の一部を断面視した平面図である。
【図2】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リングが組み込まれた試験装置の一部を断面視した側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リング及び反力用リングの端部の構造を説明する断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リング及び反力用リングの端部の構造を説明する断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リングに設けられた歪み計測装置における平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リングに設けられた継手段差計測装置の設置個所における断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リングに設けられた目開き計測装置の設置個所における断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験用リングに設けられた絶対変位量計測装置の設置個所における断面図である。
【図9】 従来のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験装置の概略平面図である。
【図10】 従来のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験装置の概略平面図である。
【図11】 従来のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験装置の概略平面図である。
【図12】 従来のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験装置の概略平面図である。
【図13】 従来のトンネル覆工体の載荷試験方法を説明する試験装置の概略平面図である。
【符号の説明】
21 試験用リング
22 セグメント
24 反力用リング
33 液密シート(シート)
L 液体
S 注入空間

Claims (3)

  1. 内水圧が加わるトンネル覆工体の載荷試験方法であって、
    前記トンネル覆工体を構成する複数のセグメントを組み付けてなる試験用リングの内周側に、この試験用リングより小径の反力リングを間隔をあけて配設し、
    これら試験用リング及び反力用リングの隙間の両端部を、シートによって液密に密閉することにより、前記試験用リング及び反力用リングの隙間を注入空間とし、
    この注入空間内へ液体を注入することにより、前記試験用リングの内周面に前記液体の液圧を加えることを特徴とするトンネル覆工体の載荷試験方法。
  2. 前記試験用リングの外周にPC鋼線を巻回し、該PC鋼線を緊張させることを特徴とする請求項1記載のトンネル覆工体の載荷試験方法。
  3. 前記試験用リングを、外周側から圧縮することを特徴とする請求項1または請求項2記載のトンネル覆工体の載荷試験方法。
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