JP6952634B2 - トンネル覆工の変形修復方法 - Google Patents

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Description

この発明は、トンネル覆工の変形を修復するトンネル覆工の変形修復方法に関する。
トンネルは地質によっては、経年と共にトンネル覆工の背面地山が強度低下して破壊し、トンネル覆工に土圧として作用することがある。この土圧により、覆工にひび割れが発生したり徐々に側壁が内空側に押し出してくることがある。このような場合、程度によってはロックボルト工や内巻工によるトンネル覆工の補強を実施する。
従来のトンネルの内巻工法は、トンネルの内壁に型枠を設置してこの内壁と型枠との間の空間に補修用モルタルを充填している(例えば、特許文献1参照)。この従来のトンネル補修工法では、セメント系結合材として超微粒子セメントを使用し、細骨材の一部を人口軽量骨材砂で置換し、超微粒子セメントの一部をフライアッシュで置換した補修用モルタルを使用している。従来のロックボルト工法は、トンネル天井部又は側壁部に形成した孔にロックボルトを挿入するとともにこの孔に定着材を注入している(例えば、特許文献2参照)。この従来のロックボルト工法では、定着材としてセメントペースト又はセメントモルタルを使用している。
特開2008-184353号公報
特開平07-208097号公報
従来のトンネルの内巻工法や従来のロックボルト工法では、トンネル覆工の補強を実施しているが、どの程度の補強量が必要かの判断が難しく、補強工の設計が経験的な手法で行われることが一般的であった。また、従来のトンネルの内巻工法や従来のロックボルト工法では、建築限界に余裕の小さい鉄道トンネルの側壁が内空側に押し出されたときに、このトンネル限界の余裕を簡単に回復することができない。
この発明の課題は、建築限界余裕が小さいトンネルの建築限界余裕を簡単に回復することができるトンネル覆工の変形修復方法を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図6及び図8に示すように、トンネル覆工(T1)の変形を修復するトンネル覆工の変形修復方法であって、前記トンネル覆工の内面(TL,TR)からこのトンネル覆工の背面地山(GL,GR)にロックボルトを打設する打設工程(#210)と、前記背面地山に前記ロックボルト(33)を定着材(34)によって定着させる定着工程(#220)と、前記トンネル覆工の内面を前記背面地山に向かって変位させた状態で、このトンネル覆工をこの背面地山に固定する固定工程(#270)とを含み、前記固定工程は、前記トンネル覆工に前記ロックボルトを締結部材(35)によって締結する工程を含むことを特徴とするトンネル覆工の変形修復方法である。
この発明によると、トンネルの補強工の設計に有用なトンネル覆工の背面地山の剛性を簡単に評価することができる。また、この発明によると、建築限界余裕が小さいトンネルの建築限界余裕を簡単に回復することができる。
この発明の第1実施形態に係る背面地山の剛性評価装置を模式的に示す全体図である。 この発明の第1実施形態に係る背面地山の剛性評価装置を模式的に示す構成図である。 この発明の第1実施形態に係る背面地山の剛性評価方法を説明するための工程図である。 この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形修復装置の修復前の状態を模式的に示す全体図である。 この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形修復装置の修復中の状態を模式的に示す全体図である。 この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形形修復装置の修復後の状態を模式的に示す全体図である。 この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形修復装置を模式的に示す構成図である。 この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形修復方法を説明するための工程図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1に示す地山Gは、トンネルTを建設するときに掘削される地盤である。背面地山GL,GRは、トンネルTのトンネル覆工T1の外側で接する地盤である。背面地山GLは、トンネル覆工T1の左側の側壁TLの外側(背面側)で接する地盤であり、背面地山GRはトンネル覆工T1の右側の側壁TRの外側(背面側)で接する地盤である。
トンネルTは、地山Gを貫通して車両Vを通過させるために必要な空間を確保することを主目的として建設される固定構造物(土木構造物)である。図1に示すトンネルTは、山岳部の地山G内に山岳工法によって建設される山岳トンネルであり、単線の軌道Rを内包した区間を有する単線トンネルである。トンネルTは、コンクリートを主要材料として地山Gの内側に構築される抗土圧構造物であるトンネル覆工(内壁部)T1と、このトンネル覆工T1の上半分の半円部分を構成するアーチTAと、トンネル覆工T1の下半分の両側部分を構成する側壁TL,TRなどを備えている。
車両Vは、軌道Rに沿って走行する移動体である。車両Vは、例えば、電気車、気動車、客車又は貨車などの鉄道車両である。軌道Rは、車両Vが走行する通路(線路)である。路盤Bは、軌道Rを支持する基盤である。路盤Bは、軌道R上を車両Vが通過するときの荷重を支持する構造物である。
図1及び図2に示す剛性評価システム1は、トンネル覆工T1の背面地山GL,GRの剛性を評価するシステムである。剛性評価システム1は、載荷装置2と、荷重検出装置3と、伸び検出装置4と、変位検出装置5L,5Rと、剛性評価装置6などを備えている。剛性評価システム1は、図1に示すトンネル覆工T1の側壁TL,TRに載荷装置2が作用させる荷重Fを荷重検出装置3によって検出し、載荷装置2の伸びu1(=u2+u3)を伸び検出装置4によって検出し、側壁TL,TRの変位u2,u3を変位検出装置5L,5Rによって検出して、背面地山GL,GRの剛性を剛性評価装置6によって評価する。
図1に示す載荷装置2は、トンネル覆工T1の側壁TL,TRに荷重Fを作用させる装置である。載荷装置2は、トンネル覆工T1の側壁TL,TRの内面から背面地山GL,GRに向かって荷重Fを作用させる。載荷装置2は、例えば、背面地山GL,GRに向かって側壁TLと側壁TRとを押し広げるように、これらの側壁TL,TRに略同時に荷重Fを作用させる。載荷装置2は、トンネルT内に着脱自在に設置されており、車両Vが通過しない時間帯にトンネルT内に設置され、車両Vが通過する時間帯ではトンネルT内から撤去される。載荷装置2は、荷重作用部2a,2bとジャッキ部2cなどを備えている。荷重作用部2a,2bは、側壁TL,TRの内面と密着して荷重Fを作用させる部分である。荷重作用部2a,2bは、側壁TL,TRの内面に押し付けられて面接触する載荷板を備えている。ジャッキ部2cは、伸長動作することによって荷重作用部2a,2bに荷重Fを伝達する部分である。ジャッキ部2cは、力点に小さな力を作用させることによって伸長動作して作用点に大きな力を作用させるてこ機構(倍力機構)を備えている。ジャッキ部2cは、荷重作用部2aと荷重作用部2bとを互いに離間する方向に駆動する油圧式又は機械式ジャッキである。載荷装置2は、使用者の操作によってジャッキ部2cが動作を開始及び停止する。
荷重検出装置3は、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が作用させる荷重Fを検出する装置である。荷重検出装置3は、例えば、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに作用する荷重Fの大きさに応じた電気信号を発生するロードセルのような荷重検出器である。荷重検出装置3は、荷重Fに応じた荷重検出信号(荷重情報)を剛性評価装置6に出力する。
伸び検出装置4は、載荷装置2の伸びu1を検出する装置である。伸び検出装置4は、載荷装置2のジャッキ部2cの伸びu1を検出する。伸び検出装置4は、例えば、載荷装置2のジャッキ部2cの伸長部に光を照射し、この伸長部で反射する反射光を受光することによって、このジャッキ部2cの伸びu1を測定する光学式変位センサのような変位計である。伸び検出装置4は、載荷装置2に着脱自在に装着されている。伸び検出装置4は、載荷装置2のジャッキ部2cの伸びu1に応じた伸び検出信号(伸び情報)を剛性評価装置6に出力する。
変位検出装置5L,5Rは、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRの変位u2,u3を検出する装置である。変位検出装置5Lは、トンネル覆工T1の左側の側壁TLの変位u2を検出し、変位検出装置5Rはトンネル覆工T1の右側の側壁TRの変位u3を検出する。変位検出装置5L,5Rは、トンネルT内の路盤Bに着脱自在に設置されている。変位検出装置5L,5Rは、例えば、載荷装置2の荷重作用部2a,2bに光を照射し、この荷重作用部2a,2bで反射する反射光を受光することによって、荷重作用部2a,2bの変位u2,u3を測定する光学式変位センサのような変位計である。変位検出装置5L,5Rは、トンネル覆工T1の側壁TL,TRの変位u2,u3に応じた変位検出信号(変位情報)を剛性評価装置6に出力する。
図1及び図2に示す剛性評価装置6は、トンネル覆工T1の背面地山GL,GRの剛性を評価する装置である。剛性評価装置6は、載荷装置2が作用させる荷重Fと、伸び検出装置4が検出する伸びu1と、変位検出装置5L,5Rが検出する変位u2,u3とに基づいて、背面地山GL,GRの剛性を評価する。剛性評価装置6は、図2に示すように、荷重情報入力部7と、荷重情報記憶部8と、伸び情報入力部9と、伸び情報記憶部10と、変位情報入力部11L,11Rと、変位情報記憶部12L,12Rと、剛性演算部13と、剛性情報記憶部14と、剛性評価部15と、評価結果情報記憶部16と、剛性評価プログラム記憶部17と、表示部18と、制御部19などを備えている。剛性評価装置6は、例えば、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、剛性評価プログラムに従って所定の処理を実行する。
図2に示す荷重情報入力部7は、荷重検出装置3が出力する荷重検出信号が入力する手段である。荷重情報入力部7は、荷重検出装置3が出力する荷重検出信号を制御部19に出力する。荷重情報入力部7は、例えば、荷重検出装置3から制御部19に荷重検出信号を入力させるインタフェース(I/F)回路などである。荷重情報記憶部8は、荷重情報入力部7が出力する荷重情報を記憶する手段である。荷重情報記憶部8は、例えば、トンネル覆工T1の側壁TL,TRに載荷装置2によって作用させた荷重Fを荷重情報として記憶するメモリなどである。
伸び情報入力部9は、伸び検出装置4が出力する伸び検出信号が入力する手段である。伸び情報入力部9は、伸び検出装置4が出力する伸び検出信号を制御部19に出力する。伸び情報入力部9は、例えば、伸び検出装置4から制御部19に伸び検出信号を入力させるインタフェース(I/F)回路などである。伸び情報記憶部10は、伸び情報入力部9が出力する伸び情報を記憶する手段である。伸び情報記憶部10は、例えば、載荷装置2のジャッキ部2cの伸びu1を伸び情報として記憶するメモリなどである。
変位情報入力部11L,11Rは、変位検出装置5L,5Rが出力する変位検出信号が入力する手段である。変位情報入力部11L,11Rは、変位検出装置5L,5Rが出力する変位検出信号を制御部19に出力する。変位情報入力部11L,11Rは、例えば、変位検出装置5L,5Rから制御部19に変位検出信号を入力させるインタフェース(I/F)回路などである。変位情報記憶部12L,12Rは、変位情報入力部11L,11Rが出力する変位情報を記憶する手段である。変位情報記憶部12L,12Rは、例えば、載荷装置2の荷重作用部2a,2bの変位u2,u3を変位情報として記憶するメモリなどである。
剛性演算部13は、背面地山GL,GRの剛性を演算する手段である。剛性演算部13は、荷重検出装置3、伸び検出装置4及び変位検出装置5L,5Rの検出結果に基づいて、背面地山GL,GRの剛性を演算する。剛性演算部13は、荷重検出装置3が検出する荷重Fと、伸び検出装置4が検出する伸びu1と、変位検出装置5L,5Rが検出する変位u2,u3とに基づいて、背面地山GL,GRの剛性を演算する。剛性演算部13は、例えば、背面地山GLの剛性F/u2を演算するとともに、背面地山GL,GRの剛性F/u3を演算する。剛性演算部13は、演算後の背面地山GL,GRの剛性を剛性信号(剛性情報)として制御部19に出力する。剛性情報記憶部14は、剛性演算部13が演算した背面地山GL,GRの剛性を記憶する手段である。剛性情報記憶部14は、例えば、剛性演算部13が出力する剛性情報を荷重情報、伸び情報及び変位情報と対応させて記憶するメモリなどである。
剛性評価部15は、トンネル覆工T1の内面から背面地山GL,GRに向かて荷重Fを作用させたときに、トンネル覆工T1の内面の変位u2,u3とこの荷重Fとに基づいて、この背面地山GL,GRの剛性を評価する手段である。剛性評価部15は、荷重検出装置3の検出結果と変位検出装置5L,5Rの検出結果とに基づいて、背面地山GL,GRの剛性を評価する。剛性評価部15は、例えば、背面地山GL,GRの剛性が所定値以下であるときにはこの背面地山GL,GRの強度が不足していると評価し、背面地山GL,GRの剛性が所定値を超えるときにはこの背面地山GL,GRに強度があると評価する。剛性評価部15は、評価後の背面地山GL,GRの剛性の有無を評価結果信号(評価結果情報)として制御部19に出力する。評価結果情報記憶部16は、剛性評価部15の評価結果を記憶する手段である。評価結果情報記憶部16は、例えば、剛性評価部15が出力する評価結果情報を記憶するメモリなどである。
剛性評価プログラム記憶部17は、トンネル覆工T1の背面地山GL,GRの剛性を評価するための剛性評価プログラムを記憶する手段である。剛性評価プログラム記憶部17は、情報記録媒体から読み取った剛性評価プログラム又は電気通信回線を通じて取り込まれた剛性評価プログラムなどを記憶する。
表示部18は、剛性評価装置6に関する種々の情報を表示する手段である。表示部18は、例えば、荷重情報記憶部8が記憶する荷重情報、伸び情報記憶部10が記憶する伸び情報、変位情報記憶部12L,12Rが記憶する変位情報、剛性情報記憶部14が記憶する剛性情報、及び評価結果情報記憶部16が記憶する評価結果情報などを表示画面上に表示する。
制御部19は、剛性評価装置6に関する種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部19は、剛性評価プログラム記憶部17から剛性評価プログラムを読み出してこの剛性評価プログラムに従って所定の剛性評価処理を実行する。制御部19は、例えば、荷重情報入力部7が出力する荷重情報の記憶を荷重情報記憶部8に指令したり、荷重情報記憶部8から荷重情報を読み出して剛性演算部13に出力したり、伸び情報入力部9が出力する伸び情報の記憶を伸び情報記憶部10に指令したり、伸び情報記憶部10から伸び情報を読み出して剛性演算部13に出力したり、変位情報入力部11L,11Rが出力する変位情報の記憶を変位情報記憶部12L,12Rに指令したり、変位情報記憶部12L,12Rから変位情報を読み出して剛性演算部13に出力したり、背面地山GL,GRの剛性の演算を剛性演算部13に指令したり、剛性演算部13が出力する剛性情報の記憶を剛性情報記憶部14に指令したり、剛性情報記憶部14から剛性情報を読み出して剛性評価部15に出力したり、背面地山GL,GRの剛性の評価を剛性評価部15に指令したり、剛性評価部15が出力する評価結果情報の記憶を評価結果情報記憶部16に指令したり、表示部18に種々の情報の表示を指令したりする。制御部19には、荷重情報入力部7、荷重情報記憶部8、伸び情報入力部9、伸び情報記憶部10、変位情報入力部11L,11R、変位情報記憶部12L,12R、剛性演算部13、剛性情報記憶部14、剛性評価部15、評価結果情報記憶部16、剛性評価プログラム記憶部17及び表示部18が相互に通信可能に接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る背面地山の剛性評価方法について説明する。
以下では、制御部19の動作を中心として説明する。
図3に示す剛性評価方法#100は、トンネル覆工T1の背面地山GL,GRの剛性を評価する方法である。剛性評価方法#100は、載荷工程#110と、荷重検出工程#120と、伸び検出工程#130と、変位検出工程#140と、剛性演算工程#150と、剛性評価工程#160と、表示工程#170などを含む。
図3に示す載荷工程#110において、トンネル覆工T1の側壁TL,TRの内面から背面地山GL,GRに向かって荷重Fを作用させる。図1に示すように、トンネル覆工T1の側壁TLに荷重作用部2aを押し付け、側壁TRに荷重作用部2bを押し付けると、側壁TLと側壁TRとの間に載荷装置2が挟み込まれて、トンネルT内に載荷装置2が設置される。この状態で、載荷装置2を使用者が操作してジャッキ部2cに伸長動作を開始させると、ジャッキ部2cから荷重作用部2a,2bに荷重Fが伝達される。その結果、背面地山GLに向かって側壁TLを荷重作用部2aが押し出すとともに、背面地山GRに向かって側壁TRを荷重作用部2bが押し出して、載荷装置2が側壁TL,TRに荷重Fを載荷して側壁TL,TRを押し広げる。
荷重検出工程#120において、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに作用させる荷重Fを検出する。載荷装置2のジャッキ部2cの伸びu1を徐々に大きくして、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させると、荷重作用部2a,2bが側壁TL,TRに作用させる荷重Fを荷重検出装置3が検出する。その結果、剛性評価装置6の荷重情報入力部7を通じて制御部19に荷重検出装置3が荷重情報を出力し、この荷重情報を制御部19が荷重情報記憶部8に出力し、この荷重情報が荷重情報記憶部8に記録される。
伸び検出工程#130において、載荷装置2の伸びu1を検出する。トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させると、ジャッキ部2cが伸長動作し、伸び検出装置4がジャッキ部2cの伸びu1を検出する。その結果、剛性評価装置6の伸び情報入力部9を通じて制御部19に伸び検出装置4が伸び情報を出力し、この伸び情報を制御部19が伸び情報記憶部10に出力し、この伸び情報が伸び情報記憶部10に記録される。
変位検出工程#140において、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRの変位u2,u3を検出する。トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させると、側壁TLと側壁TRとの間の間隔が広がり、変位検出装置5L,5Rが側壁TL,TRの変位u2,u3を検出する。その結果、剛性評価装置6の変位情報入力部11L,11Rを通じて制御部19に変位検出装置5L,5Rが変位情報を出力し、この変位情報を制御部19が変位情報記憶部12L,12Rに出力し、この変位情報が変位情報記憶部12L,12Rに記録される。
剛性演算工程#150において、背面地山GL,GRの剛性を演算する。荷重情報記憶部8、伸び情報記憶部10及び変位情報記憶部12L,12Rから荷重情報、伸び情報及び変位情報を制御部19が読み出してこれらの情報を剛性演算部13に出力する。背面地山GL,GRの剛性の演算を剛性演算部13に制御部19が指令すると、荷重F、伸びu1及び変位u2,u3に基づいて剛性演算部13が背面地山GL,GRの剛性を演算する。剛性演算部13が剛性情報を制御部19に出力すると、この剛性情報を剛性情報記憶部14に制御部19が出力し、剛性情報記憶部14に剛性情報が記録される。
剛性評価工程#160において、トンネル覆工T1の内面から背面地山GL,GRに向かって荷重Fを作用させたときに、このトンネル覆工T1の内面の変位u2,u3とこの荷重Fとに基づいて、この背面地山GL,GRの剛性を評価する。剛性評価工程#160では、荷重検出工程#120における検出結果と変位検出工程#140における検出結果とに基づいて、背面地山GL,GRの剛性を評価する。剛性情報記憶部14から剛性情報を制御部19が読み出してこの剛性情報を剛性評価部15に出力するとともに、背面地山GL,GRの剛性の評価を剛性評価部15に制御部19が指令すると、剛性評価部15が背面地山GL,GRの剛性を評価する。その結果、背面地山GL,GRの剛性の有無を剛性評価部15が評価し、剛性評価部15が評価結果情報を制御部19に出力すると、この評価結果情報を評価結果情報記憶部16に制御部19が出力し、評価結果情報記憶部16に評価結果情報が記録される。
表示工程#170において、剛性評価装置6に関する種々の情報を表示する。評価結果情報記憶部16から評価結果情報を制御部19が読み出して、この評価結果情報を制御部19が表示部18に出力し、この評価結果情報の表示を表示部18に制御部19が指令する。その結果、背面地山GL,GRの剛性の有無を表示部18が表示画面上に表示する。背面地山GL,GRの剛性を評価した後に、載荷装置2、荷重検出装置3、伸び検出装置4及び変位検出装置5L,5Rがトンネル覆工T1内から撤去される。
この発明の第1実施形態に係る背面地山の剛性評価装置とその剛性評価方法には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、トンネル覆工T1の内面から背面地山GL,GRに向かって荷重Fを作用させたときに、このトンネル覆工T1の内面の変位u2,u3とこの荷重Fとに基づいて、この背面地山GL,GRの剛性を剛性評価部15が評価する。このため、役立つ背面地山GL,GRの剛性に関するデータを蓄積して、トンネル覆工T1の補強工の設計に役立てることができる。また、トンネル覆工T1の補強工の設計に有用な調査法を提示することができるとともに、剛性を評価するための新たな指標を提示することができる。さらに、この剛性の評価方法による結果と一般的に得られる地山物性との相関を把握することができる。
(2) この第1実施形態では、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が作用させる荷重Fを検出する荷重検出装置3の検出結果と、このトンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRの変位を検出する変位検出装置5L,5Rの検出結果とに基づいて、この背面地山GL,GRの剛性を剛性評価部15が評価する。このため、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに荷重を作用させて左右の側壁TL,TRを押し広げたときの荷重Fと側壁TL,TRの変位u2,u3とを測定するだけで、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRの背面地山GL,GRの剛性を簡単に求めることができる。
(第2実施形態)
以下では、図1及び図2に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図4〜図6に示す建築限界Lは、構造物の構築が制限される軌道R上の限界である。建築限界Lは、車両Vの全ての部分に構造物が接触してはならず、かつ、構造物の全ての部分が入ってはならない軌道R上に確保された空間の境界線である。建築限界余裕ΔLは、トンネル覆工T1の内面と建築限界Lとの間の隙間である。建築限界余裕ΔLは、例えば、背面地山GL,GRの剛性が低下してトンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRが押し出されたときに、左右の側壁TL,TR間の距離(図4に示す側壁間隔W)が狭くなって、この建築限界余裕ΔLが小さくなる。
図4〜図7に示す変形修復システム21は、トンネル覆工T1の変形を修復するシステムである。変形修復システム21は、図4〜図7に示す載荷装置2と、伸び検出装置4と、変位検出装置5L,5Rと、判定装置22と、図5及び図6に示す変形修復装置30などを備えている。変形修復システム21は、図4〜図6に示すように、側壁TL,TRの変位u2,u3を変位検出装置5L,5Rによって検出するとともに、載荷装置2の伸びu1を伸び検出装置4によって検出し、建築限界余裕ΔLが大きくなる位置まで側壁TL,TRを載荷装置2によって押し広げた後に、変形修復装置30によってトンネル覆工T1を背面地山GL,GRに固定する。
図4〜図7に示す判定装置22は、建築限界余裕ΔLが大きくなる位置まで側壁TL,TRが変位したか否かを判定する装置である。判定装置22は、変位検出装置5L,5Rの検出結果と伸び検出装置4の検出結果とに基づいて、建築限界余裕ΔLが大きくなる位置まで側壁TL,TRが変位したか否かを判定する。判定装置22は、トンネル覆工T1の側壁TL,TR間の距離である側壁間隔(測定値)Wを演算し、建築限界余裕ΔLが大きくなる側壁間隔(設定値)W0に側壁間隔Wが達したか否かを判定する。判定装置22は、図7に示すように、伸び情報入力部9と、変位情報入力部11L,11Rと、側壁間隔測定部23と、側壁間隔設定部24と、側壁間隔情報記憶部25と、建築限界余裕判定部26と、判定プログラム記憶部27と、表示部28などを備えている。判定装置22は、例えば、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、判定プログラムに従って所定の処理を実行する。
図7に示す側壁間隔測定部23は、トンネル覆工T1の側壁間隔Wを測定する手段である。側壁間隔測定部23は、変位検出装置5L,5Rが検出する変位u2,u3と、伸び検出装置4が検出する伸びu1とに基づいて、図4に示すトンネル覆工T1の側壁間隔Wを測定する。側壁間隔測定部23は、載荷装置2が側壁TL,TRに荷重Fを作用させて側壁TL,TRが変位している間、側壁間隔Wの測定を継続する。側壁間隔測定部23は、演算後の側壁間隔(測定値)Wを側壁間隔測定信号(側壁間隔測定情報)として制御部29に出力する。
側壁間隔設定部24は、建築限界余裕ΔLの大きい側壁間隔W0を設定する手段である。側壁間隔設定部24は、図5及び図6に示すように、建築限界余裕ΔLの大きいトンネル覆工T1に修復するときに、この修復後の側壁間隔(目標側壁間隔)W0を設定する。側壁間隔設定部24は、例えば、使用者の手動操作によって側壁間隔W0を入力する入力装置又は補助入力装置などである。側壁間隔設定部24は、側壁間隔(設定値(目標値))W0を側壁間隔設定信号(側壁間隔設定情報)として制御部29に出力する。側壁間隔情報記憶部25は、側壁間隔設定部24が設定した側壁間隔設定情報を記憶する手段である。側壁間隔情報記憶部25は、例えば、側壁間隔設定部24が出力する側壁間隔設定情報を記憶するメモリなどである。
建築限界余裕判定部26は、建築限界余裕ΔLの大小を判定する手段である。建築限界余裕判定部26は、側壁間隔測定部23が測定する側壁間隔Wと側壁間隔設定部24が設定する側壁間隔W0とに基づいて、トンネル覆工T1の建築限界余裕ΔLの大小を判定する。建築限界余裕判定部26は、側壁間隔W0と側壁間隔Wとを比較し、側壁間隔Wが側壁間隔W0に達したときには、トンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLが大きいと判定し、側壁間隔Wが側壁間隔W0に達していないときには、トンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLが小さいと判定する。建築限界余裕判定部26は、判定後の建築限界余裕ΔLの大小を判定結果信号(判定結果情報)として制御部29に出力する。
判定プログラム記憶部27は、建築限界余裕ΔLの有無を評価するための判定プログラムを記憶する手段である。判定プログラム記憶部27は、情報記録媒体から読み取った判定プログラム又は電気通信回線を通じて取り込まれた判定プログラムなどを記憶する。
表示部28は、判定装置22に関する種々の情報を表示する手段である。表示部28は、例えば、伸び情報入力部9が出力する伸び情報、変位情報入力部11L,11Rが出力する変位情報、側壁間隔測定部23が測定する側壁間隔測定情報、側壁間隔設定部24が設定する側壁間隔設定情報、及び建築限界余裕判定部26が出力する判定結果情報などを表示画面上に表示する。
制御部29は、判定装置22に関する種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部29は、判定プログラム記憶部27から判定プログラムを読み出してこの判定プログラムに従って所定の判定処理を実行する。制御部29は、例えば、伸び情報入力部9が出力する伸び情報を側壁間隔測定部23に出力したり、変位情報入力部11L,11Rが出力する変位情報を側壁間隔測定部23に出力したり、側壁間隔測定部23に側壁間隔Wの測定を指令したり、側壁間隔測定部23が出力する側壁間隔測定情報を建築限界余裕判定部26に出力したり、側壁間隔設定部24が出力する側壁間隔設定情報の記憶を側壁間隔情報記憶部25に指令したり、側壁間隔情報記憶部25から側壁間隔設定情報を読み出して建築限界余裕判定部26に出力したり、トンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLの大小の判定を建築限界余裕判定部26に指令したり、建築限界余裕判定部26が出力する判定結果情報の表示を表示部28に指令したりする。制御部29には、伸び情報入力部9と、変位情報入力部11L,11Rと、側壁間隔測定部23と、側壁間隔設定部24、側壁間隔情報記憶部25、建築限界余裕判定部26、判定プログラム記憶部27及び表示部28が相互に通信可能に接続されている。
図5及び図6に示す変形修復装置30は、トンネル覆工T1の変形を修復する装置である。変形修復装置30は、図6に示すように、建築限界余裕ΔLの大きい側壁間隔W0まで回復されたトンネル覆工T1の側壁TL,TRを背面地山GL,GRに縫い付けて固定する。変形修復装置30は、図5及び図6に示すように、固定部31などを備えている。
固定部31は、トンネル覆工T1の内面をこのトンネル覆工T1の背面地山GL,GRに向かって変位させた状態で、このトンネル覆工T1をこの背面地山GL,GRに固定する手段である。固定部31は、図5及び図6に示すロックボルト穴32と、ロックボルト33と、定着材34と、図6に示す締結部材35などを備えている。ロックボルト穴32は、ロックボルト33を挿入する部分である。ロックボルト穴32は、トンネル覆工T1の内面側からこのトンネル覆工T1を貫通して背面地山GL,GRに向かって所定の深さで穿孔されている。
ロックボルト33は、地山Gを支持する部材である。ロックボルト33は、背面地山GL,GRの安定を確保しつつこの背面地山GL,GRの変形を抑制することを目的として設置される構造物である。ロックボルト33は、トンネル覆工T1の内面から背面地山GL,GRに向かって打設される。ロックボルト33は、一方の端部(先端部)がロックボルト穴32に挿入されており、他方の端部(後端部)がトンネル覆工T1の内空側に突出している。ロックボルト33は、このロックボルト33の後端側にこの定着材34によって固定されない所定長さの自由長部33aを備えている。
定着材34は、背面地山GL,GRにロックボルト33を定着させる部材である。定着材34は、ロックボルト穴32とロックボルト33との間の隙間に注入されている。定着材34は、例えば、セメントペースト又はセメントモルタルなどのようなセメントを結合材とするセメント系定着材である。
図6に示す締結部材35は、トンネル覆工T1にロックボルト33を締結する部材である。締結部材35は、締結部材35は、ロックボルト33の雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部を有するナット35aと、トンネル覆工T1の内面とナット35aとの間に挟み込まれる座金35bなどを備えている。締結部材35は、ロックボルト33の打設し定着材34の硬化後に、このロックボルト33に最適な締付力で締結される。
次に、この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形修復方法について説明する。
以下では、制御部29の動作を中心として説明する。
図8に示す変形修復方法#200は、トンネル覆工T1の変形を修復する方法である。変形修復方法#200は、打設工程#210と、定着工程#220と、載荷工程#230と、に美検出工程#240と、変位検出工程#250と、建築限界余裕判定工程#260と、固定工程#270などを含む。
打設工程#210において、トンネル覆工T1の内面から背面地山GL,GRにロックボルト33を打設する。図5に示すように、トンネル覆工T1の側壁TL,TRの内面から背面地山GL,GRに向かってロックボルト穴32を所定深さで削岩機によって削孔し、トンネル覆工T1の側壁TL,TRの内面からロックボルト穴32にロックボルト33を作業者が挿入して、ロックボルト33が打設される。
定着工程#220において、背面地山GL,GRにロックボルト33を定着させる。ロックボルト穴32の内周面とロックボルト33の外周面との間の隙間に定着材34を作業者が注入し、事前に定着材34を固化させることによってロックボルト33の先端部のみが背面地山GL,GRに固定される。
載荷工程#230において、トンネル覆工T1の側壁TL,TRの内面から背面地山GL,GRに向かって荷重Fを作用させる。定着材34が固化した後に、載荷装置2がトンネル覆工T1を拡大させる。図5に示すように、トンネル覆工T1の側壁TLに荷重作用部2aを密着させ側壁TRに荷重作用部2bを密着させると、側壁TLと側壁TRとの間に載荷装置2が挟み込まれて、トンネルT内に載荷装置2が設置される。この状態で、載荷装置2を使用者が操作してジャッキ部2cに伸長動作を開始させると、背面地山GLに向かって側壁TLを荷重作用部2aが押し出すとともに、背面地山GRに向かって側壁TRを荷重作用部2bが押し出して、載荷装置2が側壁TL,TRを押し広げる。
伸び検出工程#240において、載荷装置2の伸びu1を検出する。トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させると、ジャッキ部2cが伸長動作し、伸び検出装置4がジャッキ部2cの伸びu1を検出する。その結果、判定装置22の伸び情報入力部9を通じて制御部29に伸び検出装置4が伸び情報を出力し、この伸び情報を制御部29が側壁間隔測定部23に出力する。
変位検出工程#250において、トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRの変位u2,u3を検出する。トンネル覆工T1の左右の側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させると、側壁TLと側壁TRとの間の間隔が広がり、変位検出装置5L,5Rが側壁TL,TRの変位u2,u3を検出する。その結果、判定装置22の変位情報入力部11L,11Rを通じて制御部29に変位検出装置5L,5Rが変位情報を出力し、この変位情報を制御部29が側壁間隔測定部23に出力する。
建築限界余裕判定工程#260において、建築限界余裕ΔLの有無を判定する。図4に示す側壁間隔Wの測定を側壁間隔測定部23に制御部29が指令すると、伸び検出装置4が出力する伸び情報と、変位検出装置5L,5Rが出力する変位情報とに基づいて、側壁間隔測定部23が側壁間隔Wの測定を開始する。その結果、側壁間隔測定部23が側壁間隔測定情報を制御部29に出力し、この側壁間隔測定情報を建築限界余裕判定部26に制御部29が出力する。
図4に示すように、トンネル覆工T1の断面形状が変形して、このトンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLが小さいときには、このトンネル覆工T1の断面形状を回復させて、このトンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLを大きくする必要がある。図5に示すように、建築限界余裕ΔLの大きい側壁間隔W0が側壁間隔設定部24によって設定されると、この側壁間隔設定部24が出力する側壁間隔設定情報を側壁間隔情報記憶部25に制御部29が出力し、この側壁間隔情報記憶部25が側壁間隔情報記憶部25に記録される。
建築限界余裕ΔLの大小の判定を建築限界余裕判定部26に制御部29が指令すると、側壁間隔設定部24が設定する側壁間隔設定情報を側壁間隔情報記憶部25から制御部29が読み出して、この側壁間隔設定情報を建築限界余裕判定部26に制御部29が出力する。その結果、側壁間隔測定部23が測定した側壁間隔Wと、側壁間隔設定部24が設定した側壁間隔W0とに基づいて、建築限界余裕判定部26が建築限界余裕ΔLの大小を判定する。側壁間隔Wが側壁間隔W0に達したと建築限界余裕判定部26が判定したときには、建築限界余裕ΔLが大きいため固定工程#270に進む。一方、側壁間隔Wが側壁間隔W0に達していないと建築限界余裕判定部26が判定したときには、建築限界余裕ΔLが小さいため載荷工程#230に戻る。その結果、図5に示すように、側壁間隔Wが側壁間隔W0に達するまで側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させて、伸び検出装置4及び変位検出装置5L,5Rが検出動作を継続し、側壁間隔測定部23が測定動作を継続する。
固定工程#270において、トンネル覆工T1の内面をこのトンネル覆工T1の背面地山GL,GRに向かって変位させた状態で、このトンネル覆工T1をこの背面地山GL,GRに固定する。固定工程#270では、トンネル覆工T1にロックボルト33を締結部材35によって締結する。建築限界余裕ΔLが大きいと建築限界余裕判定部26が判定して、建築限界余裕判定部26が判定結果情報を制御部29に出力すると、判定結果の表示を制御部29が表示部28に指令する。このため、判定結果を表示部28が表示画面上に表示し、載荷装置2を使用者が操作してジャッキ部2cの伸長動作を停止させる。その結果、図6に示すように、側壁TL,TRに載荷装置2が荷重Fを作用させて、建築限界余裕ΔLがある側壁間隔W0まで側壁TL,TRを拡大させた状態で、ロックボルト33が側壁TL,TRに締結部材35によって締結される。側壁TL,TRから突出するロックボルト33に座金35bを装着するとともに、このロックボルト33にナット35aを装着して、適当な締付力によってナット35aをロックボルト33に締結するとロックボルト33の頭部が固定される。その結果、トンネル覆工T1の形状が修復されて、トンネル覆工T1の建築限界余裕ΔLが回復する。背面地山GL,GRにトンネル覆工T1を固定した後に、載荷装置2、伸び検出装置4及び変位検出装置5L,5Rがトンネル覆工T1内から撤去される。
この発明の第2実施形態に係るトンネル覆工の変形修復装置とその変形修復方法には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、トンネル覆工T1の内面をこのトンネル覆工T1の背面地山GL,GRに向かって変位させた状態で、このトンネル覆工T1をこの背面地山GL,GRに固定部31が固定する。このため、建築限界余裕ΔLの小さいトンネル覆工T1の内空断面の形状を修復することによって、このトンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLを簡単に回復させることができる。例えば、トンネル覆工T1をジャッキ部2cにより変位を与えた上で、ロックボルト33によってトンネル覆工T1を安定した地山Gに縫い付けて、ジャッキ部2cを取り外すことで建築限界余裕ΔLの小さいトンネルTの建築限界余裕ΔLを回復させることができる。
(2) この第2実施形態では、トンネル覆工T1の内面から背面地山GL,GRにロックボルト33を打設し、背面地山GL,GRにロックボルト33を定着材34が定着させ、トンネル覆工T1にロックボルト33を締結部材35が締結する。このため、修復後のトンネル覆工T1を背面地山GL,GRに縫い付けて、トンネル覆工T1内の建築限界余裕ΔLを大きくして建築限界余裕ΔLを回復させることができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、トンネルTが鉄道の交通用トンネルである場合を例に挙げて説明したが、鉄道の交通用トンネルにこの発明を限定するものではない。例えば、道路、地下鉄道、地下駐車場又は運河などの他の交通用トンネルや、上水道、水力発電用又は灌漑用の用水路用トンネルや、下水道、ガス、電力線、通信線又は共同溝などの公共事業用トンネルや、地下貯蔵施設、地下工場、地域冷暖房用、地下街又は地下発電所などの他のトンネルについても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、トンネルTが山岳トンネルである場合を例に挙げて説明したが、都市部の地盤中に建設される都市トンネルや、海、河川又は湖沼などの水底に建設される水底トンネルなどについても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、トンネルT内の軌道Rが単線である単線トンネルである場合を例に挙げて説明したが、トンネルT内の軌道Rが複線である複線トンネルである場合についても、この発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、トンネル覆工T1の側壁TL,TRに載荷装置2によって荷重Fを作用させる場合を例に挙げて説明したが、トンネル覆工T1の側壁TL,TRのいずれか一方のみに載荷装置2によって荷重Fを作用させる場合についても、この発明を適用することができる。また、この第2実施形態では、荷重Fを作用させる前にロックボルト穴32に定着材34を充填する場合を例に挙げて説明したが、荷重Fを作用させた後にロックボルト穴32に定着材34を充填する場合についても、この発明を適用することができる。さらに、この第2実施形態では、載荷装置2と判定装置22とを独立させている場合を例に挙げて説明したが、判定装置22の判定結果に基づいて載荷装置2の動作を制御する場合についても、この発明を適用することができる。例えば、建築限界余裕ΔLが大きいと建築限界余裕判定部26が判定したときには、載荷装置2のジャッキ部2cに伸長動作の停止を指令し、建築限界余裕ΔLが小さいと建築限界余裕判定部26が判定したときには、載荷装置2のジャッキ部2cに伸長動作継続を指令することができる。
1 剛性評価システム
2 載荷装置
2a,2b 荷重作用部
2c ジャッキ部
3 荷重検出装置
4 伸び検出装置
5L,5R 変位検出装置
6 剛性評価装置
13 剛性演算部
15 剛性評価部
19 制御部
21 変形修復システム
22 判定装置
23 側壁間隔測定部
24 側壁間隔設定部
26 建築限界余裕判定部
29 制御部
30 変形修復装置
31 固定部
32 ロックボルト穴
33 ロックボルト
34 定着材
35 締結部材
G 地山
L,GR 背面地山
T トンネル
L,TR 側壁(壁面(内面))
V 車両
R 軌道
B 路盤
F 荷重
1 伸び
2,u3 変位
L 建築限界
ΔL 建築限界余裕
W 側壁間隔(測定値)
0 側壁間隔(設定値)

Claims (1)

  1. トンネル覆工の変形を修復するトンネル覆工の変形修復方法であって、
    前記トンネル覆工の内面からこのトンネル覆工の背面地山にロックボルトを打設する打設工程と、
    前記背面地山に前記ロックボルトを定着材によって定着させる定着工程と、
    前記トンネル覆工の内面を前記背面地山に向かって変位させた状態で、このトンネル覆工をこの背面地山に固定する固定工程とを含み、
    前記固定工程は、前記トンネル覆工に前記ロックボルトを締結部材によって締結する工程を含むこと、
    を特徴とするトンネル覆工の変形修復方法。
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