JP4103016B2 - Inclined decel apparatus and ion beam forming method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造技術等に利用される高電流型イオン注入装置に直接使用して、高電流でエネルギー汚染のない超低エネルギーのイオンビームを発生させることを可能にするディセル装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン注入装置は、イオン源からB+ 及びP+ 等のイオンを生成してイオンビームを形成し、イオン注入室内に設けられた1つまたは複数のウエハにイオンを注入して半導体製品の製造を行うものである。
【0003】
イオン源室内で生成されてそこから放出されたイオンは、質量と電荷の差により質量分離され、そして加速されてイオンビームを形成する。このイオンビームは、イオンをウエハに注入するのに十分なエネルギーを有しており、ビーム径路に沿ってイオン注入室に向けられ、1つまたは複数のウエハに突入する。
【0004】
従来のイオン注入装置では、マスクや不活性化層を使用する選択注入でIC(集積回路)を製造することができる。この注入技術のための装置は、大きく、複雑で、高価であり、また、低いエネルギーでイオンを注入できるという点ではその能力が制限されている。
【0005】
集積回路の製造において、ウルトラ−シャロウ(Ultra shallow) 接合を形成するために、近い将来、高電流及び超低エネルギーのイオン注入が必要となる。それゆえ、商業的に利用される最新の高電流型イオン注入装置は、その作動レンジを1KeV(キロエレクトロンボルト)又は数百eV程度の低いエネルギーにまで拡張する必要がある。
【0006】
超低エネルギーで高電流を得るために、イオンビームは、通常、比較的高エネルギーでイオン源から引き出され、それから、質量分析され、さらにウエハに近い位置まで運ばれる。そこで、イオンビームは、必要とされる超低エネルギーに減速される。このイオンビームを減速(deceleration)するための装置は、ディセル(decel) と呼ばれている。この減速されたイオンビームは、その後、ウエハ等のターゲットにまで運ばれる。
【0007】
また、イオンビームを形成する荷電イオンは、いわゆる空間電荷力によって互いに反発し、この力は、低いエネルギーにおいてより強くなる。この空間電荷の力によって、イオンビームの横方向への拡がりは、
(√m/√q)×Iz2 /U3/2 (1)
に比例する。
【0008】
ここで、イオンビームは断面が円形状の均一なビームを想定している。m及びqは、イオンの質量と電荷、Iは、ビーム電流、Uは、ビームエネルギー、zは、イオンビームの通過距離である。明らかなように、イオンビームの移動距離が短いと、より大きな電流を得るのに好適である。
【0009】
そこで、高電流で超低エネルギービームを与える、現在の商業的なイオン注入装置を製造するために、ディセル装置を設けることが予想される。しかし、このディセル装置には、設計上の問題として重要な2つの技術的課題があると考えられている。
【0010】
第1の課題は、エネルギー汚染(energy contamination)に起因するものである。これは、イオンがディセル電極に到着する前に残余ガス分子と衝突し、一部のイオンが中性粒子となり、そして、ディセル電極を通過した後に、イオンのエネルギーは減じられるが、中性粒子のエネルギーはそのまま保持されて、高いエネルギーの中性粒子がイオンとともにウエハに到達することにより起こるエネルギー汚染のことである。また、ビーム電流を増加させるために、減速前のビームエネルギーを増加させる程、よりエネルギー汚染の害はひどくなる。従って、理想的には、減速機能だけでなく、分離機能を有するディセル装置が一番望ましい。しかしながら、そのようなディセル装置は、商業的な高電流型イオン注入装置にこれまで使用されていない。
【0011】
第2の課題は、超低エネルギービームの空間電荷力の急激な増加に起因するものである。イオンビームエネルギーが低くなると、空間電荷力が極端に大きくなり、荷電イオンが互いに反発し合う。このため、イオンビームのウエハまでの飛行距離が長くなると、イオンをウエハに到達させることが難しくなる。そこで、ディセル装置からウエハまでの距離を短くすることが必要であり、この距離の短縮は、大電流の超低エネルギービームを得るために非常に重要なことである。この第2の課題を解決するために、中性粒子をイオンビームから分離する分離装置を可能な限りコンパクトにすることが必要となる。
【0012】
また、高電流型イオン注入装置のビームエネルギーよりも、より高いビームエネルギーを必要とする中電流型イオン注入装置などにおいて、ディセルが使用されることがある。この中電流型イオン注入装置などに使用される従来のディセルは、イオンビームの進行方向に対して全て垂直に位置する開口を有する電極である。従って、中性粒子(neutrals)は、それを通過することができる。
【0013】
上述したように、分離機能を有する分離装置は、エネルギー汚染を除去するためにディセルの後段に設けられる。そこで中性粒子をイオンビームから分離するためには、一般的に、2種類の装置が用いられる。第1の装置は、横方向の電界がイオンビームを曲げ、かつ中性粒子に何ら影響を及ぼさない電気偏向装置である。イオンビームと中性粒子は、所定の移動距離を通過後、分離される。第2の装置は、イオンビームに進行方向に対して横向きの磁界によってイオンビームを曲げる磁石であり、これにより、イオンビームを中性粒子から分離する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の装置は、イオンビームの個々のイオンを広い領域に発散させてしまうので、長い距離に渡って超低エネルギービームを運ぶためには致命的な欠陥となり、我々の所望の目的に使用することができない。
【0015】
また、第2の装置である磁石は、通常、大きくてウエハまでの距離が長くなり、超低エネルギービームに使用するにはあまりにビームの飛行経路が長くなってしまう。
【0016】
また、超低エネルギーで高電流を得るための上述した概念は、高エネルギーの中性粒子に起因するいわゆるエネルギー汚染(energy contamination)が起こるために、商業的に利用可能な高電流型イオン注入装置には、現実にこれまで適用されていなかった。
【0017】
有害な中性粒子(neutrals)は、イオンと残留ガス分子の間の衝突によってディセル電極の前側領域で生じる。ここで発生した中性粒子は、ディセル電極を直進して通過し、ウエハに到達する。中性粒子は、減速されたイオンよりも高いエネルギーを有しているので、ウエハのより深い領域へと入り込むことになる。これがエネルギー汚染と呼ばれ、ディセル装置を使用する際の本質的な問題となる。
【0018】
エネルギー汚染は、イオンビームから中性粒子を分離することによって原則的に除去することが可能である。
【0019】
そこで、本発明は、イオンビームの減速及び中性粒子の分離を同時に達成することのできるイオンビームの形成方法及びそのための新しい傾斜ディセル装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、各請求項に記載の構成を有している。本発明の新しいディセル装置を、傾斜ディセル装置と呼ぶことにするが、それは、傾斜した複数のディセル電極がイオン注入装置におけるビーム径路の基軸に対して垂直に配置されていないからである。また、本明細書において用いる基軸とは、質量分析磁石からウエハに直線で到達するイオンビームの中心軸線を表わすものである。
【0021】
本発明は、現在の高電流型イオン注入装置に組み込んで使用できる傾斜ディセル装置の好ましい構造を開示する。この好ましい構造により、現在得ることができる電流よりも大きな電流で、エネルギー汚染のない超低エネルギーのイオンビームを得ることが可能である。傾斜ディセル装置は、簡素であり操作しやすいものである。
【0022】
本発明は、イオンビームの減速及び中性粒子の分離の両機能を有する全く新しいディセル装置を提供するものであり、本発明における傾斜ディセル装置の高エネルギー部の長さは、従来のディセル装置の長さと比較して僅かに長くなり、ウエハに至るまでの減速されたビームの飛行距離をより短くするのに適した構造を備えている。
【0023】
本発明の傾斜ディセル装置は、質量分析磁石とウエハとの間のビーム経路において、開口を有する複数のディセル電極を前記ビーム径路の基軸に垂直な軸に対して傾斜させるとともに、前記複数のディセル電極における前側電極の開口と後側電極の開口とを所定のオフセット距離だけ偏位させて配置し、
前記質量分析磁石を調整して、前記基軸から離れて位置する、前記前側電極の開口を通過するイオンビームが、前記複数のディセル電極のオン動作に応じて、前記基軸上に位置する、前記後側電極の開口を通過し、さらに前記ビーム経路の基軸上または基軸と平行にウエハに向かってイオンビームを進行させるディセルモードと、
前記複数のディセル電極をオフ状態にするとともに前記前側電極の位置を変更して前記基軸上に位置するよう構成した前記前側電極の開口を、イオンビームが通過するようにし、かつ前記前側電極の後方に位置する他のディセル電極を電界の影響を受けない零電界の空間に位置させ、前記前側電極の開口を通過したイオンビームを減速させないで前記基軸に沿って進行させるドリフトモードとを備え、
前記ディセルモードでは、前記複数のディセル電極にイオンビームが入射する位置での、前記基軸からのイオンビームのオフセット距離と、前記入射するイオンビームの前記基軸に対する偏向角を決定し、前記複数のディセル電極の間に形成される間隙に電界を発生させることによって、イオンビームを減速かつ同時に中性粒子をイオンビームから分離することを特徴としている。
【0024】
そして、さらなる好ましい構成によれば、少なくとも2組のディセル電極間の間隙と、抑制電極で構成されたドリフト空間の間隙を有しており、ディセル電極を通過するビーム移動を確実にしかつウエハまでビームを移動させるための集束力を与え、該集束力は、傾斜ディセル装置の設計段階で、後述する抑制比を変えて調節することが可能である。
【0025】
また、傾斜した複数のディセル電極の電極間の第1の間隙において、イオンビームを加速及び偏向させ、次に、イオンビームが、ビーム経路の基軸に近づく方向にドリフト空間の第2の間隙を進み、さらに、第3の間隙において、イオンビームを減速及び偏向させることにより、ビームのオフセット距離が修正されて、イオンビームが傾斜した複数のディセル電極を通過後にビーム径路の基軸に沿って平行に移動することができ、この場合、オフセット距離Dをゼロに修正することが可能となる。
【0026】
また、ディセル電極の前開口と後開口が所定のオフセット距離だけ偏位して配置されていることから、ディセル電極の前側電極の前で発生する中性粒子は、ディセル電極の後側電極の開口を通過することができず、さらに、抑制電極を構成する抑制ボックス内で発生する中性粒子は、ウエハに到達する前に最終的に壁に衝突してなくなる。その結果、中性粒子がウエハに衝突するのを排除して、エネルギー汚染を発生させない。
【0027】
さらに、本発明の構成によれば、傾斜したディセル電極の数が2つないし3つの場合において、中性粒子がディセル電極の各開口を通過できたとしても、イオンと中性粒子は確実に分離されており、中性粒子はウエハに到達する前に捕捉され、イオンのみがウエハに突入する。
【0028】
このように、本発明によれば、中性粒子は、イオンビームからほぼ完全に分離されるので、減速前のビームエネルギーと減速後のビームエネルギーとの比をディセル比と呼ぶことにすると、ディセル比をかなり大きくすることができる。例えば、ディセル比を3とすると、3KeVから1KeVのビームを作ることができ、ディセル比を6とすると、3KeVから0.5KeVのビームを作ることができ、ディセル比を8程度の高いものとすると、2KeVから0.25KeVを作ることができる。
【0029】
さらに、減速した超低エネルギービームの電流を増加させるために、ディセル電極内で減速する前に電流を増加させて、ディセル比が非常に大きくなるように構成することもできる。従って、新しい傾斜ディセル装置は、現在の高電流型イオン注入装置において、超低エネルギービームに大きな電流を確実に与えることができる。
【0030】
本発明の上記目的、優位性及び特徴は、本発明の好適な実施の形態を説明した詳細な説明及び図面に基いてより良く理解できるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明における第1の実施の形態を示す傾斜ディセル装置3を備えた高電流型イオン注入装置の概略図であり、傾斜ディセル装置3を複数のディセル電極17,18,19,20で表示している。イオン注入装置は、主として集積回路に用いられる半導体のシリコンウエハにイオンビームを衝突させてイオン注入を行うために使用されている。機械軸上に位置するイオンビーム11は、イオン源1から引出され、さらに、質量分析磁石2によっておよそ90°曲げられる。磁石2の水平方向の焦点にて、イオンビーム11は、質量分析磁石によって、ビームが、質量差による曲折度の差により方向を分けられ、そして、質量分析器に設けた質量分離孔を通過することによって必要なイオンのみに分離される。
【0032】
必要ならば、ビームサイズは、その焦点の水平投影面において小さいので、ディセル電極17〜20は、その焦点の位置に備えつけられる。これらの各ディセル電極の開口も質量分離孔として機能する。上記目的からして、本発明の傾斜ディセル装置3の前側電極17は、焦点位置にセットすることができる。
【0033】
図1では、これらのディセル電極は、2つの電極が対となって配置され、各対の電極は、基軸に垂直な軸に対してそれぞれ角度θ1 ,θ2 だけ傾斜している。また、各開口は、それぞれのディセル電極のほぼ中央に位置し、開口幅はオフセット距離にほぼ等しく、実施例における寸法は2cm程度である。一般に、ビームの断面は、楕円形で楕円の長手方向が開口の縦方向に対応している。したがって、電極の開口は、通常矩形状であり、その縦寸法が、イオンビーム断面の長手方向開口幅よりも大きくなっている。
【0034】
ディセル電極17〜20のオン−オフに応じて、イオンビームは減速したりされなかったりする。ディセル電極17〜20を通過した後、イオンビームは最終的にウエハ7に到達する。そのウエハ7の背面において、ディスクファラデーカップ8がイオンビームのサンプル電流を検出する。傾斜ディセル装置3とウエハ7の間には、多くの他の必要な装置が配置されている。
【0035】
図1に示すフラグファラデーカップ4は、ビームを調整しているときに、イオンビームの電流を測定する。電子反射器5は、プラズマシャワー6の影響を安定化させる。プラズマシャワー6は、ウエハの帯電を減少するための電子を供給する。もう1つの可動式ファラデーカップ9は、超低エネルギーイオンビームのビーム電流を測定するために、物理的に許容可能な範囲で、できるだけウエハに近接して取り付けられることが示唆されている。ファラデーカップ9は、減速された超低エネルギービームの調整を容易にし、さらに、大きな電流がウエハ7に到達できるようにしている。
【0036】
本発明に係る新しい傾斜ディセル装置3は、他の実施の形態においても同様に、複数の電極で構成されるものであり、少なくとも2つの電極を備えている。全ての電極は、分離及び減速(あるいは加速)の両方を実現するために、ビーム径路の基軸10に垂直な軸に対して傾いている。現在の商業的な高電流型イオン注入装置が、主作業モードであるドリフトモード(ディセルしないモード)で作動しているとき、本発明のディセル電極は、後述するように、適当な開口を有してフィールド・フリー空間に位置している。イオンビーム11の中心は、常に機械軸すなわちビーム経路の基軸10に沿って動く。イオンビームがディセルモードで作動しているとき、傾斜ディセル装置3の前方にある質量分析磁石2からウエハ7まで4つの開口の全てを通過することができる直線でないビーム軌道を形成するために、電極は、図1に示されるように調節される。
【0037】
従って、中性粒子は、最も後方のディセル電極20を通過することができず、さらにエネルギー汚染も全く生じない。各電極3の電位は、設計値に合わせられる。質量分析磁石2は、通常の設定よりも僅かに低い磁界強度で動作する。この質量分析磁石2の調整により、イオンビーム12は、機械軸10から所定のオフセット距離Dだけ離れた位置となりかつ磁石2の終端において、小さな偏向角δθを有するようになっている。
【0038】
イオンビームがドリフトしかつディセル電極3の入口に到達すると、このオフセット距離Dは、偏向角δθにより増加している。全オフセット距離は、およそ2cm程度である質量分離孔より大きいか、少なくとも等しい程度の大きさが必要とされる。本発明の好ましい傾斜ディセル装置3は、4つのディセル電極を通過してこのオフセット距離を修正し、さらに同時にイオンビームを減速させる。ディセル通過後、減速されたイオンビームは、再び機械軸10に沿って動き、ウエハの表面に到達する。ディセルモードにおけるイオンビームの中心は、図1において符号12で示される。
【0039】
本発明は、中性粒子をイオンビームから分離するとともに、イオンビームを減速させる両方の機能を同時に達成するために、ディセル電極を傾けて配置することを提案する。図2は、そのような傾斜した一対の電極の原理を図示したものである。
【0040】
図2において、内部電界Eは、2つの電極13,14に対して垂直に作用する。両電極が同一の角度で傾斜されていると、電界は2つの分力Ex ,Ez が働くように作用する。分力Ez は、従来の減速電界である。この分力Ex により、イオンビームの進行方向は曲げられ、一方、中性粒子の移動方向(Ez の反対方向)は、真直ぐに保たれる。その結果として、イオンビームは減速されかつ中性粒子から分離される。
【0041】
2つの電極の電位差に応じて、イオンは、減速又は加速される。電極に設けられた開口15,16は、その開口から内部電界が漏れるので、電界の分布に影響を与える。しかし、本発明は、電極の大きさと比較してその開口が小さいものであるならば、イオンビームにおける電界の総合的作用は、明らかに変化しないと考えている。
【0042】
しかしながら、好ましいディセル装置には、図2に示すような2つの電極を有する傾斜ディセル電極の間に電子が加速されることを防止するために、2つの一対の電極の間に抑制電極を設けている。
【0043】
この抑制電極は、ディセル装置の設計を複雑にする。本発明は、この抑制機能と上記2つの機能、即ち、減速と分離とを兼ね備えた現実的なディセル装置を提供する。図3,図4は、4つの電極と各対の電極間に形成される3つの間隙(gap) を有する傾斜ディセル装置が、いかに動作するのかを示した図である。図3は、図1に示すイオン注入装置の全体構成において使用される傾斜ディセル装置3に対応している。
【0044】
すなわち、4つの電極は、二つの組に分けられる。第一組の2つの電極17,18は、機械軸10に対して角度θ1 傾斜して第1の間隙を形成する。第二組の2つの電極19,20は、機械軸10に対して角度θ2 傾斜して第3の間隙を形成する。第2,第3の電極18,19は抑制電極となっており、これらは同電位であるため、第一組、第二組の電極間は、第2の間隙として電界のないドリフト空間を形成する。
【0045】
説明を容易にするために、ここで、各電極の電位をビームエネルギーレベルで表現することにする。図3において、U1 及びU2 は、傾斜ディセル装置3を通過する前後のビームエネルギーを表わし、U1 は、ディセル電極17を通過する前のエネルギーレベルであり、U2 は、ディセル電極20を通過した後のエネルギーレベルである。Us は、抑制電極として作用するディセル電極18,19間でのビームエネルギーレベルである。これらのディセル電極に対して、通常、Us >U1 >U2 の関係が成り立つ。便宜上、U1 /U2 をディセル比、さらにUs /U1 を抑制比と定義する。
【0046】
イオンビームは、ディセル電極の開口にイオンビームが入射する位置において定められた偏向角δθとオフセット距離Dを有してディセル電極に進入する。図3において、偏向角δθは、入射するイオンビームの基軸10に対する角度であり、オフセット距離Dは、イオンビームがビーム経路の基軸10から離れた距離を示している。このイオンビームは、ディセル電極17に入射した後、ディセル電極18までの第1の間隙で、最初加速されて偏向する。それから、ディセル電極18,19間の第2の間隙におけるドリフト空間でドリフトしてイオンビームは、基軸10に接近し、ディセル電極19,20間の第3の間隙で減速され、基軸10に戻るように再び偏向される。この第1の実施形態では、最終的に、オフセット距離はゼロに調整されている。
【0047】
イオンビームにおける上記の最初のオフセット距離と偏向角は、質量分析磁石2を調整することによって与えられる。オフセット距離Dの一次近似値とディセルの入口での偏向角δθは、以下のように与えられる。
【0048】
δθ=δR/R (2)
D=δR(1+F/R)
ここで、Rは磁石2の曲率半径、Fは磁石からディセル電極17までの距離、Dはディセル電極で要求されるオフセット距離、δθは偏向角、δRは磁石の出口でのオフセット距離である(図1及び図3参照)。通常,RはDより非常に大きい値であるので、δθおよびδRは、かなり小さい値になり、磁石の性能に影響を及ぼさない。
【0049】
いわゆるスネル(Schnell)の法則によると、その角は、以下の相関関係がある。
√U1 sin(θ1 +δθ)=√Us sin(θ1 +δθ−φ) (3)
√Us sin(θ2 −φ)=√U2 sinθ2 (4)
この運動方程式を解くことによって、ビームオフセット距離の焦点に合わせたディセル電極位置を推測することが可能である。また、オフセット修正距離Dc が以下の数式で示される。
【0050】
【数1】
この数式は、Dc =Dが望ましい。ここで、L1 (第1の間隙),L2 (第3の間隙)は、前側及び後側のギャップ長さであり、Ls は、2つの抑制電極間のドリフト空間である第2の間隙である。また、φは、ビーム基軸に対して第2の間隙で曲げられたイオンビームの偏向角度である。
ディセル装置は、概略的には、
Ld 〜L1 +L2 +Ls (6)
で与えられ、ここでLd はディセル電極の長さである。
【0051】
上記の全てのパラメータを変換することによって、商業的な高電流型イオン注入装置に一番適合するものを決定することができる。
ディセル装置を機械的に単純化すると、θ1 ,θ2 ,及びDは、不変数とみなすことができ、さらに、ディセル電極は、ディセル比の広いレンジで作動すると考えれば、設計を単純化して、例えば、θ1 =30°、θ2 =15°とし、D=2cm,L1 =L2 =1cm,Ls =8cmとしたとき、現在の高電流型イオン注入装置において、Ld は約10cmとなる。
【0052】
また、
【表1】
は、上記設計値におけるいくつかのエネルギーレベルにおける作動パラメータを示す表である。各電極の傾斜角度は、固定されており、それぞれのオフセット修正距離Dc は、互いに接近している。イオン注入装置の性能は、機械軸から1または2mmだけのわずかなオフセットされただけでは影響を受けない。後側電極が接地電位(0電位)にあるとするならば、他の電極の電位を決定することができ、抑制電極の電位は、−(Us −U2 )であり、前側電極の電位は、−(U1 −U2 )である。
【0053】
図5は、電極の傾斜角度が固定されている場合における傾斜ディセル装置の一例の詳細なグラフであり、オフセット修正距離と、ディセル比の関数として変化する抑制比を示している。これから、ディセル比が3より大きい場合には、オフセット修正距離が、ほんの僅かなだけ変化することが明らかである。この結果は、機械的構造を変更することなく、ディセル比の広範囲に渡って、傾斜ディセル装置3が動作可能であることを意味している。したがって、傾斜ディセル装置3は機械的に簡易に作製することができる。
【0054】
空間電荷は、超低エネルギーのイオンビームの運動において、非常に大きな影響を与えるということが知られている。空間電荷の力に起因して、イオンビームの横方向への拡がりは、U-3/2の関数で与えられる。したがって、傾斜ディセル装置の第3の間隙の後方のビーム伝搬は、その設計研究における非常に重要な問題となる。
【0055】
電位差に起因して、傾斜ディセル装置3の第1と第3の2つの間隙は、また、横方向に集束する力もイオンビーム上に与えることになる。他の通常の電極のように、各間隙の電位差は、ビームの集束力の大きさを決定する。傾斜ディセル装置に関して、Us /U1 の抑制比は、集束力の大きさを変更する手段を提供する。注意深いシミュレーションによる設計研究及び必要なビーム試験研究によって、傾斜ディセルのオフセット修正及び横方向の集束の両方を満足する抑制比を選択することができる。
【0056】
図1において傾斜ディセル装置3の後段に置かれた可動式ファラデーカップ9は、物理的に許容される範囲内で可能な限りウエハ7に近設させて取り付けることが示唆されている。ファラデーカップ9から傾斜ディセル装置3までの距離は、長くなり、ファラデーカップ9からウエハ7までの距離が短くなる。このファラデーカップ9は、減速された超低エネルギービームにのみ働く。減速されたビームを調整しているとき、そのファラデーカップは機械軸10上に位置している。
【0057】
このファラーデカップ9の利点として、2つの面がある。第1には、作動中、オペレータは、ファラデーカップ9でのイオンビーム電流が最大となるように調整し、これによりオフセットは正しく修正され、イオンビームは機械軸10に沿って進ませることができる。第2には、輸送経路が短くなるので、大部分のイオンビームがウエハに到達できる。低エネルギーの伝搬は困難なため、距離が長くなるとビーム損失が大きくなる。調整後、ファラデーカップ9は機械軸10から引き離される。
【0058】
次に、図6において、本発明における第2の実施の形態としての傾斜ディセル装置100が示されている。機械的に単純構造にするために、2つの抑制電極は一緒に接続され、抑制ボックス22を形成している。このボックスは、その表面に多くの溝が形成されており、真空達成率、すなわち、真空室からの空気排出の容易性が改善されている。抑制ボックス22は、確実にその内部空間がフィールドフリー(零電界)である。
【0059】
この良好な傾斜ディセル装置100は、ディセルモード時の超低エネルギービームに動作するだけでなく、比較的高いエネルギービームに対して動作するドリフトモードにおいても、両立して動作可能である。この傾斜ディセル装置100の好ましい機械的構造は、図7aないし図7cに示されており、その好ましい形態において、3つの動作モードを有する。
【0060】
傾斜ディセル装置100は、前側電極21、抑制ボックス22及び後側電極23の3つの主要部を含んでいる。その長さは、所定の商業的な高電流型イオン注入装置に最適となるように決定される。ディセルモードで動作しているときの電極の位置は、図7aに示される。
【0061】
この前側電極21は、質量分析磁石2の焦点に位置している。前側電極21は、二つの開口を有し、1つは、ボロン用の開口25であり、他の1つは、リン用の開口24である。両開口24,25は、高電流型イオン注入装置に備わる開口と同様の作用を呈する。選択されたイオンのために設けられる開口の1つは、機械軸10から設計されたオフセット距離だけ離れた位置に置かれている。他の抑制ボックス22と後側電極23は、それらの設計位置に置かれている。終端に位置する後側電極23の開口28は、ちょうど機械軸10上に位置する。また、これら3つの部材は、すべて設計された電位に接続されている。
【0062】
前側電極21の前で発生した中性粒子は、前開口25と後開口28が対向していないために、後側電極23の開口28を通過することができない。抑制ボックス22内で発生したこれらの中性粒子は、最後の開口28を通過することができるが、これらは、ウエハ7に到達する前に最終的にイオンビーム経路の壁に衝突する。したがって、イオン注入装置に傾斜ディセル装置100を使用した場合、ウエハ等の加工物にイオン注入する際にエネルギー汚染が起こらない。
【0063】
イオンビームは、第3の間隙から実際に減速される。これは、ウエハまでのビームの移動距離が、従来のディセル装置の場合の移動距離と比較して、傾斜ディセル電極の長さの分だけ短くなることを意味している。したがって、このビームの移動距離が短くなることによって、ウエハまでの輸送中に失われるイオンビームが少なくなり、それだけウエハに到達するイオンが増加し、傾斜ディセル電極100によってビーム電流は、従来のディセルのビーム電流よりも高くなる。
【0064】
図7bのように、ボロン用のドリフトモードで動作しているときには、電位が0のターンオフ状態になる。それから前側電極のボロン用開口25は、機械軸10上に位置するように合わせられ、また、抑制ボックス22及び終端の後側電極23は、機械軸10から引き下げられている。このため、ボロンイオンのビームは、図7bに示すように、前側電極の開口25を通過し、他の電極の影響を受けないでウエハまで直進することが可能となる。リンイオンのビームを使用する場合には、前側電極21は、図7cに示されるように、軸10上にリン用開口24が位置するように再び調整される。このように、本発明の傾斜ディセル装置100は、高電流型イオン注入装置のドリフトモードにおいて、ビーム経路の基軸上に所定のイオンを通過させる前側電極の開口を合わせるように調整できるので、傾斜ディセル電極は、ドリフトモードの操作に何ら悪影響を与えることがない。
【0065】
次に、図8および図9において、本発明における第3の実施の形態としての傾斜ディセル装置200が示されている。図8は、偏向角δθで、ディセル電極を通過するイオンビームの進行状態を示す原理図であり、図9は、このためのディセル電極30〜32の配置構造とイオンビームの進路を示している。この実施形態において、傾斜ディセル装置200は、傾斜する3つのディセル電極で構成され、前側電極30、抑制電極31、後側電極32からなる。各電極は、それぞれイオンビームが通過する開口33,34,35を有している。前側電極30は、機械軸(基軸)に垂直な軸に対してθ1 傾斜し、また後側電極32はθ2 傾斜している。
【0066】
図8において、質量分析磁石を通過したイオンビームは、偏向磁石によって、機械軸10から偏向角δθだけ偏向した方向に進む。このイオンビームは、3つのディセル電極30〜32の開口を通過して、イオンと中性粒子が分離される。イオンは、各ディセル電極によってその進行方向が屈曲させられて、後側電極32の開口から出るとき、イオンビームのオフセット距離Dが完全に修正されずに、機械軸10から所定距離d1 だけ離れて機械軸と平行に進む。このため、第3の形態においては、上述したオフセット距離Dをゼロに修正する第1,第2の実施形態とは異なっている。
【0067】
このように、オフセット距離Dをd1 に修正する場合でも、イオンと中性粒子は分離される。すなわち、イオンは、機械軸10から所定の距離だけ離れた状態でウエハ表面に衝突し、一方、中性粒子は、ディセル電極の影響を受けることなく開口を通過してまっすぐに進むが、ウエハに近い距離にあるスクラッパー(scraper) 50によって、その進行が妨げられている。本形態では、中性粒子を捕捉するスクラッパー50は、機械軸10に直交した位置に配置されているが、ディセル電極32を通過した中性粒子がウエハに到達できないように配置すれば良い。図8において、このスクレーパ50に衝突する中性粒子と、ウエハ7に衝突する前にスクラッパーの延長線上を通過するイオンとの距離は、d2 だけ離れており、イオンは中性粒子と完全に分離してウエハ7に衝突する。
【0068】
次に、図10および図11において、本発明における第4の実施の形態としての傾斜ディセル装置300が示されている。この形態では、ディセル電極が2つであり、ディセル電極40,41の各開口42,43をイオンと中性粒子は共に通過する。これらの電極は、機械軸10に垂直な軸に対してθ傾斜している。この場合も、イオンはディセル電極40,41によって減速されて開口内を屈曲して進み、中性粒子は、影響されずに直進する。このために、イオンと中性粒子は分離され、そして中性粒子はスクラッパー50によって捕捉されてしまうが、イオンはウエハ7に到達できる。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明の傾斜ディセル装置は、簡単なディセル電極の構造で、イオンビームの減速及び分離の両方を同時に兼ね備えているので、イオン注入装置を小型化し、かつエネルギー汚染を防止することができる。
【0070】
また、この傾斜ディセル装置は、ディセル電極の長さ及び配置により、ウエハまでのビームの移動距離を短くし、さらにディセル比を飛躍的に大きくすることができるので、超低エネルギービームに対して大電流を供給することができる。さらに、傾斜ディセル装置自体も、操作が容易な機械的構造であるために単純化されている。
【0071】
また、この傾斜ディセル装置は、ディセルモード以外に、高電流イオン注入装置のドリフトモードにおいても使用でき、完全に両立モードに対して適用できる。そのとき、ドリフトモードの操作に何ら影響を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る傾斜ディセル装置が設けられる高電流型イオン注入装置の概略図である。
【図2】イオンビームの減速及び中性粒子の分離を同時に実現するために、傾斜して配置した2つのディセル電極の原理を説明する図である。
【図3】4つの電極と3つの間隙を有する構造からなる本発明の第1の実施形態を示す傾斜ディセル装置の動作を説明するための図である。
【図4】図3における傾斜ディセル装置の構成を示す模式図である。
【図5】オフセット距離とディセル比の関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る第2の実施形態を示す3つのディセル電極を備える傾斜ディセル装置の構成を示す模式図である。
【図7】図6における本発明の傾斜ディセル装置における3つの動作モードを示し、(a) は、ディセルモード、(b) は、ボロンイオンビームのドリフトモード、(c) は、リンイオンビームのドリフトモード、における各ディセルの動作を説明するための図である。
【図8】本発明に係る第3の実施形態を示す3つのディセル電極を備える傾斜ディセル装置の動作を説明するための図である。
【図9】図8における傾斜ディセル装置の構成を示す模式図である。
【図10】本発明に係る第4の実施形態を示す2つのディセル電極を備える傾斜ディセル装置の動作を説明するための図である。
【図11】図10における傾斜ディセル装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 イオン源
2 質量分析磁石
3 ディセル電極
4 フラグファラデーカップ
7 ウエハ
9 ファラデーカップ
10 機械軸(基軸)
11 ドリフトモードのイオンビーム
12 ディセルモードのイオンビーム
17,18,19,20 ディセル電極
21 前側電極
22 抑制ボックス
23 後側電極
24,25,27,28 開口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a decel apparatus and a method thereof capable of generating an ultra-low energy ion beam free from energy contamination and directly used in a high current ion implantation apparatus used in semiconductor manufacturing technology and the like. About.
[0002]
[Prior art]
The ion implantation apparatus generates ions such as B + and P + from an ion source to generate an ion beam.TheA semiconductor product is manufactured by implanting ions into one or a plurality of wafers formed and provided in an ion implantation chamber.
[0003]
Ions generated in and released from the ion source chamber are mass separated by the difference between mass and charge and are accelerated to form an ion beam. The ion beam has sufficient energy to implant ions into the wafer and is directed along the beam path into the ion implantation chamber and enters one or more wafers.
[0004]
In a conventional ion implantation apparatus, an IC (integrated circuit) can be manufactured by selective implantation using a mask or an inactive layer. The apparatus for this implantation technique is large, complex, expensive, and has limited capabilities in that it can implant ions with low energy.
[0005]
In the fabrication of integrated circuits, high current and ultra-low energy ion implantation will be required in the near future to form an Ultra-shallow junction. Therefore, the latest high current ion implanters used commercially need to extend their operating range to energies as low as 1 KeV (kiloelectron volts) or several hundred eV.
[0006]
In order to obtain a high current at ultra-low energy, the ion beam is typically extracted from the ion source with relatively high energy, then mass analyzed and transported to a location closer to the wafer. The ion beam is then decelerated to the required ultra-low energy. An apparatus for decelerating the ion beam is called decel. The decelerated ion beam is then conveyed to a target such as a wafer.
[0007]
Also, the charged ions that form the ion beam repel each other by so-called space charge forces, which become stronger at lower energies. Due to the force of this space charge, the lateral spread of the ion beam is
(√m / √q) × Iz2 / U3/2 (1)
Is proportional to
[0008]
Here, the ion beam is assumed to be a uniform beam having a circular cross section. m and q are ion masses and charges, I is a beam current, U is a beam energy, and z is a passing distance of the ion beam. As is apparent, a shorter moving distance of the ion beam is suitable for obtaining a larger current.
[0009]
Thus, it is anticipated that a decel device will be provided to produce current commercial ion implanters that provide ultra-low energy beams at high currents. However, it is considered that this decel apparatus has two technical problems that are important as design problems.
[0010]
The first problem is due to energy contamination. This is because ions collide with the residual gas molecules before they reach the decel electrode, some ions become neutral particles, and after passing through the decel electrode, the energy of the ions is reduced, but the neutral particles Energy contamination is caused by high energy neutral particles reaching the wafer together with ions while maintaining energy. In addition, as the beam current is increased to increase the beam current, the harm of energy contamination becomes more serious. Therefore, ideally, a decel device having not only a deceleration function but also a separation function is most desirable. However, such decel devices have not been used in commercial high current ion implanters.
[0011]
The second problem is caused by a rapid increase in space charge force of the ultra-low energy beam. When the ion beam energy is lowered, the space charge force becomes extremely large and charged ions repel each other. For this reason, when the flight distance of the ion beam to the wafer becomes long, it becomes difficult to cause ions to reach the wafer. Therefore, it is necessary to shorten the distance from the decel apparatus to the wafer, and this shortening of the distance is very important in order to obtain an ultra-low energy beam with a large current. In order to solve this second problem, it is necessary to make the separation device for separating the neutral particles from the ion beam as compact as possible.
[0012]
In addition, a decel may be used in a medium current ion implanter that requires higher beam energy than that of a high current ion implanter. The conventional decel used in this medium current ion implantation apparatus or the like is an electrode having an opening that is positioned perpendicular to the traveling direction of the ion beam. Thus, neutral particles can pass through it.
[0013]
As described above, the separation device having the separation function is provided in the subsequent stage of the decel in order to remove energy contamination. Therefore, in order to separate the neutral particles from the ion beam, two types of apparatuses are generally used. The first device is an electrical deflection device in which the transverse electric field bends the ion beam and has no effect on the neutral particles. The ion beam and neutral particles are separated after passing a predetermined movement distance. The second apparatus is a magnet that bends the ion beam by a magnetic field transverse to the traveling direction of the ion beam, thereby separating the ion beam from the neutral particles.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
However, the first device diverges individual ions of the ion beam over a large area, which is a fatal defect for carrying ultra-low energy beams over long distances, and for our desired purpose. Cannot be used.
[0015]
In addition, the magnet as the second device is usually large and has a long distance to the wafer, so that the beam flight path becomes too long for use with an ultra-low energy beam.
[0016]
In addition, the above-described concept for obtaining a high current at ultra-low energy is based on the so-called energy contamination caused by high-energy neutral particles, so that a commercially available high-current ion implanter is available. Has never been applied to reality in the past.
[0017]
Harmful neutrals are generated in the front region of the decel electrode by collisions between ions and residual gas molecules. The neutral particles generated here pass straight through the decel electrode and reach the wafer. Neutral particles have higher energy than the decelerated ions, so they will enter deeper regions of the wafer. This is called energy contamination and becomes an essential problem when using the decel device.
[0018]
Energy contamination can in principle be removed by separating neutral particles from the ion beam.
[0019]
Therefore, an object of the present invention is to provide an ion beam forming method and a new tilted decel apparatus for the ion beam forming method that can simultaneously achieve deceleration of the ion beam and separation of neutral particles.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention has the structure described in each claim. The new decel device of the present invention will be referred to as a tilted decel device, which is tilted.pluralDiceLEThis is because the poles are not arranged perpendicular to the base axis of the beam path in the ion implanter.In addition, the basic axis used in this specification represents the central axis of the ion beam that reaches the wafer in a straight line from the mass analysis magnet.
[0021]
The present invention discloses a preferred structure of a tilted decel apparatus that can be used by incorporating it into current high current ion implanters. With this preferred structure, it is possible to obtain an ultra-low energy ion beam free of energy contamination at a current larger than that currently available. The inclined decelerating device is simple and easy to operate.
[0022]
The present invention provides a completely new decel device having both functions of ion beam deceleration and neutral particle separation. The length of the high energy portion of the tilt decel device in the present invention is the same as that of the conventional decel device. It is slightly longer than the length and has a structure suitable for shortening the flight distance of the decelerated beam to the wafer.
[0023]
The tilted decel apparatus according to the present invention tilts a plurality of decel electrodes having openings in a beam path between a mass analyzing magnet and a wafer with respect to an axis perpendicular to a base axis of the beam path, and the plurality of decel electrodesDeviation of the opening of the front electrode and the opening of the rear electrode by a predetermined offset distancePlace and
Adjust the mass spectrometry magnet to move away from the base axisLocatedAn ion beam passing through the opening of the front electrode is on the base axis in response to an ON operation of the plurality of decel electrodes.Located in the aboveRear electrodeOpeningFurther, a decel mode in which the ion beam travels toward the wafer on or parallel to the base axis of the beam path, and
And turning off the plurality of decel electrodesThe opening of the front electrode configured to be positioned on the base axis by changing the position of the front electrode is an ion beam.To pass,AndA drift mode in which another decel electrode positioned behind the front electrode is positioned in a zero electric field space that is not affected by an electric field, and an ion beam that has passed through the opening of the front electrode travels along the base axis without being decelerated. And
In the decel mode,An offset distance of the ion beam from the base axis at a position where the ion beam is incident on the plurality of decel electrodes and a deflection angle of the incident ion beam with respect to the base axis are determined and formed between the plurality of decel electrodes. By decelerating the ion beam and simultaneously separating neutral particles from the ion beam by generating an electric field in the gapDoIt is characterized by that.
[0024]
According to a further preferred configuration, there is a gap between at least two sets of decel electrodes and a gap in the drift space composed of suppression electrodes, which ensures beam movement through the decel electrodes and the beam to the wafer. It is possible to adjust the focusing force by changing a suppression ratio, which will be described later, at the design stage of the inclined decel device.
[0025]
Also inclinedpluralIn the first gap between the electrodes of the decel electrode, the ion beam isAcceleration and deflectionNext, the ion beam travels through the second gap in the drift space in a direction approaching the base axis of the beam path, and further decelerates the ion beam in the third gap.And deflectionThe beam offset distance was corrected and the ion beam was tiltedpluralAfter passing through the decel electrode, it can be moved in parallel along the base axis of the beam path, and in this case, the offset distance D can be corrected to zero.
[0026]
In addition, since the front opening and the rear opening of the decel electrode are arranged to be deviated by a predetermined offset distance, neutral particles generated in front of the front electrode of the decel electrode are Further, the neutral particles generated in the suppression box that constitutes the suppression electrode finally do not collide with the wall before reaching the wafer. As a result, the neutral particles are prevented from colliding with the wafer, and energy contamination is not generated.
[0027]
Furthermore, according to the configuration of the present invention, in the case where the number of inclined decel electrodes is two to three, even if neutral particles can pass through the openings of the decel electrodes, ions and neutral particles are reliably separated. The neutral particles are captured before reaching the wafer, and only ions enter the wafer.
[0028]
Thus, according to the present invention, the neutral particles are almost completely separated from the ion beam. Therefore, if the ratio between the beam energy before deceleration and the beam energy after deceleration is referred to as the decel ratio, The ratio can be quite large. For example, if the decel ratio is 3, a beam from 3 KeV to 1 KeV can be produced, and if the decel ratio is 6, a beam from 3 KeV to 0.5 KeV can be produced, and the decel ratio is as high as about 8. 0.25 KeV can be made from 2 KeV.
[0029]
Furthermore, in order to increase the current of the decelerated ultra-low energy beam, the current can be increased before decelerating in the decel electrode so that the decel ratio becomes very large. Therefore, the new tilted decel device can reliably apply a large current to the ultra-low energy beam in the current high current ion implanter.
[0030]
The above objects, advantages and features of the present invention will be better understood on the basis of the detailed description and drawings illustrating the preferred embodiments of the present invention.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic diagram of a high current ion implantation apparatus including a tilted
[0032]
If necessary, since the beam size is small in the horizontal projection plane of the focal point, the
[0033]
In FIG. 1, these decel electrodes are arranged in pairs of two electrodes, and each pair of electrodes has an angle θ relative to an axis perpendicular to the base axis.1 , Θ2 Just tilted. In addition, each opening is located approximately at the center of each decel electrode, the opening width is substantially equal to the offset distance, and the dimension in the embodiment is about 2 cm. In general, the cross section of the beam is elliptical, and the longitudinal direction of the ellipse corresponds to the longitudinal direction of the opening. Therefore, the opening of the electrode is usually rectangular, and its vertical dimension is larger than the longitudinal opening width of the cross section of the ion beam.
[0034]
The ion beam may or may not be decelerated according to the on / off state of the decel electrodes 17-20. After passing through the
[0035]
The
[0036]
Similarly, in the other embodiments, the new
[0037]
Therefore, neutral particles cannot pass through the
[0038]
When the ion beam drifts and reaches the entrance of the
[0039]
The present invention proposes that the decel electrode is disposed at an angle in order to achieve both functions of separating neutral particles from the ion beam and decelerating the ion beam at the same time. FIG. 2 illustrates the principle of such a pair of inclined electrodes.
[0040]
In FIG. 2, the internal electric field E acts perpendicularly to the two
[0041]
Depending on the potential difference between the two electrodes, the ions are decelerated or accelerated. Since the internal electric field leaks from the
[0042]
However, in the preferred decel apparatus, a suppression electrode is provided between two pairs of electrodes in order to prevent electrons from being accelerated between the inclined decel electrodes having two electrodes as shown in FIG. Yes.
[0043]
This suppression electrode complicates the design of the decel device. The present invention provides a practical decel device having both this suppression function and the above two functions, ie, deceleration and separation. FIGS. 3 and 4 are diagrams showing how a tilted decel device having three gaps formed between four electrodes and each pair of electrodes operates. FIG. 3 corresponds to the tilted
[0044]
That is, the four electrodes are divided into two sets. The first set of two
[0045]
For ease of explanation, the potential of each electrode will be expressed by a beam energy level. In FIG. 3, U1 And U2 Represents the beam energy before and after passing through the
[0046]
The ion beam enters the decel electrode with a deflection angle δθ and an offset distance D determined at the position where the ion beam enters the aperture of the decel electrode. In FIG. 3, the deflection angle δθ is an angle with respect to the
[0047]
The initial offset distance and deflection angle in the ion beam are given by adjusting the
[0048]
δθ = δR / R (2)
D = δR (1 + F / R)
Here, R is the radius of curvature of the
[0049]
According to the so-called Snell's law, the angles have the following correlation:
√U1 sin (θ1 + Δθ) = √U sin (θ1 + Δθ−φ) (3)
√Us sin (θ2 -Φ) = √U2 sinθ2 (4)
By solving this equation of motion, it is possible to estimate the position of the decel electrode aligned with the focal point of the beam offset distance. The offset correction distance Dc is expressed by the following formula.
[0050]
[Expression 1]
In this formula, it is desirable that Dc = D. Where L1 (First gap), L2 (Third gap) is the gap length of the front side and the rear side, and Ls is the second gap which is a drift space between the two suppression electrodes. Φ is the deflection angle of the ion beam bent at the second gap with respect to the beam base axis.
The decelerating device is roughly
Ld to L1 + L2 + Ls (6)
Where Ld is the length of the decel electrode.
[0051]
By converting all of the above parameters, the best fit for a commercial high current ion implanter can be determined.
When the decelering device is mechanically simplified, θ1 , Θ2 , And D can be considered invariant, and further, assuming that the decel electrodes operate in a wide range of decel ratios, simplify the design, eg, θ1 = 30 °, θ2 = 15 °, D = 2cm, L1 = L2 = 1 cm and Ls = 8 cm, Ld is about 10 cm in the current high current ion implantation system.
[0052]
Also,
[Table 1]
These are tables showing operating parameters at several energy levels at the above design values. The inclination angle of each electrode is fixed, and the respective offset correction distances Dc are close to each other. The performance of the ion implanter is not affected by a slight offset of 1 or 2 mm from the machine axis. If the rear electrode is at ground potential (0 potential), the potential of the other electrode can be determined and the potential of the suppression electrode is-(Us -U2 ) And the potential of the front electrode is-(U1 -U2 ).
[0053]
FIG. 5 is a detailed graph of an example of a tilted decel apparatus when the electrode tilt angle is fixed, showing the offset correction distance and the suppression ratio that varies as a function of the decel ratio. From this it is clear that when the decel ratio is greater than 3, the offset correction distance changes only slightly. This result means that the tilted
[0054]
It is known that space charge has a very large influence on the motion of an ultra-low energy ion beam. Due to space charge forces, the lateral spread of the ion beam is U-3/2Is given by the function Therefore, beam propagation behind the third gap of the tilted decel apparatus is a very important issue in the design study.
[0055]
Due to the potential difference, the first and third gaps of the tilted
[0056]
In FIG. 1, it is suggested that the movable Faraday cup 9 placed at the rear stage of the
[0057]
There are two aspects to this Faraday cup 9. First, during operation, the operator adjusts the ion beam current at the Faraday cup 9 to a maximum so that the offset is corrected correctly and the ion beam can be advanced along the
[0058]
Next, FIG. 6 shows an
[0059]
This good tilted
[0060]
The
[0061]
The
[0062]
The neutral particles generated in front of the
[0063]
The ion beam is actually decelerated from the third gap. This means that the moving distance of the beam to the wafer becomes shorter by the length of the inclined decel electrode compared to the moving distance in the case of the conventional decel apparatus. Therefore, by shortening the moving distance of this beam, the ion beam lost during transportation to the wafer is reduced, and the number of ions reaching the wafer is increased accordingly. It becomes higher than the beam current.
[0064]
When operating in the drift mode for boron as shown in FIG. 7b, the potential is turned off. Then, the
[0065]
Next, FIGS. 8 and 9 show an
[0066]
In FIG. 8, the ion beam that has passed through the mass analysis magnet travels in a direction deflected by the deflection angle δθ from the
[0067]
Thus, the offset distance D is set to d1 Even in the case of correction, the ions and neutral particles are separated. That is, the ions collide with the wafer surface at a predetermined distance from the
[0068]
Next, in FIG. 10 and FIG. 11, an
[0069]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, the tilted decelerating device of the present invention has a simple decelerating electrode structure and combines both the deceleration and separation of the ion beam at the same time. Contamination can be prevented.
[0070]
In addition, this tilted decel device can shorten the distance of beam travel to the wafer and greatly increase the decel ratio due to the length and arrangement of the decel electrodes. A current can be supplied. Furthermore, the tilting decelerator itself is simplified because it is a mechanical structure that is easy to operate.
[0071]
In addition to the decel mode, this tilted decel apparatus can be used in the drift mode of a high current ion implantation apparatus, and can be completely applied to the compatible mode. At that time, there is no influence on the operation of the drift mode.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a high-current ion implantation apparatus provided with a tilted decel device according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining the principle of two decel electrodes arranged at an angle in order to simultaneously realize ion beam deceleration and neutral particle separation;
FIG. 3 is a diagram for explaining the operation of the inclined decel device showing the first embodiment of the present invention having a structure having four electrodes and three gaps;
4 is a schematic diagram showing the configuration of the inclined decel device in FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is a graph showing the relationship between offset distance and decel ratio.
FIG. 6 is a schematic diagram showing a configuration of an inclined decel device having three decel electrodes showing a second embodiment according to the present invention.
7 shows three operation modes in the tilted decel device of the present invention shown in FIG. 6, wherein (a) is a decel mode, (b) is a drift mode of a boron ion beam, and (c) is a phosphorous ion beam. It is a figure for demonstrating operation | movement of each decel in drift mode.
FIG. 8 is a diagram for explaining the operation of a tilted decel apparatus having three decel electrodes showing a third embodiment according to the present invention.
9 is a schematic diagram showing a configuration of the inclined decel device in FIG. 8. FIG.
FIG. 10 is a diagram for explaining the operation of a tilted decel apparatus having two decel electrodes showing a fourth embodiment according to the present invention.
11 is a schematic diagram showing a configuration of the inclined decel device in FIG.
[Explanation of symbols]
1 Ion source
2 Mass spectrometry magnet
3 Decel electrode
4 Flag Faraday Cup
7 Wafer
9 Faraday Cup
10 Machine shaft (base shaft)
11 Drift mode ion beam
12 ion beam in decel mode
17, 18, 19, 20 Decel electrode
21 Front electrode
22 Suppression box
23 Rear electrode
24, 25, 27, 28 opening
Claims (9)
前記質量分析磁石を調整して、前記基軸から離れて位置する、前記前側電極の開口を通過するイオンビームが、前記複数のディセル電極のオン動作に応じて、前記基軸上に位置する、前記後側電極の開口を通過し、さらに前記ビーム経路の基軸上または基軸と平行にウエハに向かってイオンビームを進行させるディセルモードと、
前記複数のディセル電極をオフ状態にするとともに、前記前側電極の位置を変更して前記基軸上に位置するよう構成した前記前側電極の開口を、イオンビームが通過するようにし、かつ前記前側電極の後方に位置する他のディセル電極を電界の影響を受けない零電界の空間に位置させ、前記前側電極の開口を通過したイオンビームを減速させないで前記基軸に沿って進行させるドリフトモードとを備え、
前記ディセルモードでは、前記複数のディセル電極にイオンビームが入射する位置での、前記基軸からのイオンビームのオフセット距離と、前記入射するイオンビームの前記基軸に対する偏向角を決定し、前記複数のディセル電極の間に形成される間隙に電界を発生させることによって、イオンビームを減速かつ同時に中性粒子をイオンビームから分離することを特徴とする両立モードの傾斜ディセル装置。In the beam path between the mass analysis magnet and the wafer, the plurality of decel electrodes having openings are inclined with respect to an axis perpendicular to the base axis of the beam path, and the openings and rear sides of the front electrodes in the plurality of decel electrodes Displace the electrode opening with a predetermined offset distance ,
An ion beam passing through the opening of the front electrode , which is positioned away from the base axis by adjusting the mass spectrometry magnet, is positioned on the base axis in accordance with the ON operation of the plurality of decel electrodes. A decel mode in which the ion beam travels toward the wafer through the opening of the side electrode and further on or parallel to the base axis of the beam path;
The plurality of decel electrodes are turned off, the position of the front electrode is changed, the opening of the front electrode configured to be positioned on the base axis is allowed to pass through the ion beam , and the front electrode A drift mode in which another decel electrode positioned behind is positioned in a zero electric field space that is not affected by an electric field, and the ion beam that has passed through the opening of the front electrode proceeds along the base axis without being decelerated, and
In the decel mode, an offset distance of the ion beam from the base axis at a position where the ion beam is incident on the plurality of decel electrodes and a deflection angle of the incident ion beam with respect to the base axis are determined, by generating an electric field in the gap formed between the decel electrode, tilting decel device compatibility mode and separating the deceleration and at the same time neutral ion beam from the ion beam.
前記質量分析磁石から放出されるイオンビームを、前記ビーム経路の基軸に対して所定の偏向角とオフセット距離で前記複数のディセル電極の前側電極の開口に入射させ、
前記複数のディセル電極のディセルモードの動作時に、前記基軸から離れて位置する、前記前側電極の開口を通過するイオンビームが、前記複数のディセル電極のオン動作に応じて、前記基軸上に位置する、前記後側電極の開口を通過し、さらに前記ビーム経路の基軸上または基軸と平行にウエハに向かってイオンビームを進行させ、
一方、前記複数のディセル電極がオフ状態にされるドリフトモードの動作時に、前記前側電極の位置を変更して前記基軸上に位置するよう構成した前記前側電極の開口を、イオンビームが通過するようにし、かつ前記前側電極の後方に位置する他のディセル電極を電界の影響を受けない零電界の空間に位置させ、前記前側電極の開口を通過したイオンビームをを減速させないで前記基軸に沿ってイオンビームを進行させ、
前記ディセルモードの動作時に、前記複数のディセル電極を通過するイオンビームのイオンと中性粒子を分離し、前記分離した中性粒子をウエハに到達する前に捕捉させ、イオンのみをウエハに衝突させるように、前記傾斜した複数のディセル電極を通過したイオンビームが前記基軸に沿う方向に移動する、各工程を有することを特徴とするイオンビームの形成方法。In the beam path between the mass analysis magnet and the wafer, the plurality of decel electrodes having openings are inclined with respect to an axis perpendicular to the base axis of the beam path, and the openings and rear sides of the front electrodes in the plurality of decel electrodes Displace the electrode opening with a predetermined offset distance ,
The ion beam emitted from the mass analysis magnet is incident on the front electrode openings of the plurality of decel electrodes at a predetermined deflection angle and offset distance with respect to the base axis of the beam path,
During operation of the plurality of decel electrodes in the decel mode, an ion beam passing through the opening of the front electrode , which is positioned away from the base axis, is positioned on the base axis according to the on operation of the plurality of decel electrodes. to pass through the opening of the rear electrode, and further wherein towards the base shaft or on base shaft parallel to the wafer in the beam path to proceed an ion beam,
On the other hand, during the drift mode operation in which the plurality of decel electrodes are turned off , the ion beam passes through the opening of the front electrode configured to be positioned on the base axis by changing the position of the front electrode. to, and the other decel electrode positioned behind the front electrode is located in the space null field which is not affected by the electric field, along the base shaft without slowing the ion beam having passed through the opening of the front electrode Advancing the ion beam,
During the decel mode operation , ions and neutral particles of the ion beam passing through the plurality of decel electrodes are separated, and the separated neutral particles are captured before reaching the wafer, and only the ions collide with the wafer. The ion beam forming method characterized by comprising the steps of moving the ion beam that has passed through the plurality of inclined decel electrodes in a direction along the base axis.
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