JP4102724B2 - Mesfetおよびその製造方法 - Google Patents

Mesfetおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4102724B2
JP4102724B2 JP2003284022A JP2003284022A JP4102724B2 JP 4102724 B2 JP4102724 B2 JP 4102724B2 JP 2003284022 A JP2003284022 A JP 2003284022A JP 2003284022 A JP2003284022 A JP 2003284022A JP 4102724 B2 JP4102724 B2 JP 4102724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
mesfet
gate
semiconductor
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003284022A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005051165A (ja
Inventor
トワイナム ジョン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003284022A priority Critical patent/JP4102724B2/ja
Publication of JP2005051165A publication Critical patent/JP2005051165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4102724B2 publication Critical patent/JP4102724B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)

Description

この発明はMESFET(MEtal-Semiconductor Field Effect Transistor;金属−半導体型電界効果トランジスタ)およびその製造方法に関する。MESFETは、典型的にはHFET(Heterostructure Field Effect Transistor;ヘテロ構造電界効果トランジスタ)である。
従来、MESFETの一種として、図6に示すような断面構造を有するHFETが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このHFETでは、サファイア基板21の上に、厚さ20nmのアンドープAlNからなるバッファ層22、厚さ3μmのアンドープGaNからなるチャネル層23、厚さ25nmのアンドープAl0.3Ga0.7Nからなるバリア層(兼ショットキ層)24が順次形成され、その上に、Ti/Al/Ni/Auソースオーミック電極25、Pt/Auゲートショットキ電極26、および、Ti/Al/Ni/Auドレインオーミック電極27が形成されている。このHFETはチャネル層23の材料に着目してGaN系HFETと呼ばれる。この従来のGaN系HFETでは、これらソースオーミック電極とゲートショットキ電極とドレインオーミック電極がバリア層(兼ショットキ層)24上の同一平面上に並んでいる(コプレーナ(coplanar)構造)。
GaN材料自体では電子の最高速度が2.9×107cm/sと非常に速いので、GaN系HFETにおけるゲート電極の下の有効電子速度も速いことが期待される。しかし、実際には、従来のGaN系HFETではゲート電極の下の有効電子速度がこの最高速度に比較して非常に遅い。このため、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が低く、性能が悪くなってしまう。その理由は以下の通りである。
例えば、GaN系ではなく、通常のGaAs系HFETの場合には、ドレイン印加電圧がある程度高くなればドレイン電流が飽和する。電流が飽和する主な理由は、チャネルにある電子の速度が飽和するからである。すなわち、ドレイン電流が飽和した時チャネル内にある電子の速度は、GaAs中の電子の最高速度である1.7×107cm/sに達する。
GaN系HFETの場合にも同様に、ドレイン印加電圧がある程度高くなればドレイン電流が飽和する。しかし、GaN系の場合に電流が飽和する主な理由は、GaAs系とは異なり、ドレイン電圧によってチャネルのドレイン側が空乏化しピンチオフすることである。このドレイン電圧によるピンチオフを以下では「セルフピンチオフ」と呼ぶ。セルフピンチオフが原因でゲート下のチャネルにある電子が最高速度まで達することが出来ずに、有効電子速度が遅くなる。従って、従来のGaN系HFETはDC(直流)性能およびRF(高周波)性能がGaAs系HFETに比較して悪かった。
従来のGaN系HFETにおいて、セルフピンチオフを防ぐためには、チャネルの上のバリア層であるAlGaN層24を厚くしてピンチオフ電圧Vpをより高くすればよい。しかし、従来の構造では、この層の厚さdが厚すぎると短チャネル効果が発生してデバイスの性能が悪くなるので、あまり厚くできない。短チャネル効果が発生しないためには下記のよく知られている条件を満たす必要がある。
d<Lg/π …(1)
ここでLgはゲート長である。この式(1)から分かるように、AlGaNバリア層24の厚さdに対するゲートショットキ電極26の長さLgの比がπ以下になれば、短チャネル効果が発生する。短チャネル効果が発生すれば、HFETのチャネル荷電はゲート印加電圧で制御できにくくなる。
エス・シー・ビナーリ(S.C.Binari)ら著、「AlGaN/GaN高電子移動度トランジスタにおけるトラップ効果およびマイクロ波パワー性能(Trapping Effects and Microwave Power Performance in AlGaN/GaN HEMTs)、アイ・トリプルイー・トランスアクション・エレクトロン・デバイセズ(IEEE Transaction Electron Devices)、2001年、vol.48、no.3、p.465−471
そこで、この発明の課題は、短チャネル効果が抑制され、かつピンチオフ電圧(Vp)が高い高性能のMESFETおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のMESFETは、
基板の上にチャネル層を最上層として含む第1半導体層を備え、上記第1半導体層の上に上記チャネル層とは組成が異なる第2半導体層を備え、上記第2半導体層の上にソースオーミック電極、ゲートショットキ電極、およびドレインオーミック電極を備えたMESFETにおいて、
上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に挟まれた部分は、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分よりも厚い半導体リッジ部を構成しており、
上記MESFETのゲート長をLg、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に相当する部分の厚さをd1、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分の厚さをd2とするとき、
π×d1 > Lg > π×d2
なる条件を満たすことを特徴とする。
この発明のMESFETでは、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に挟まれた部分は、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側(すなわちソース側とドレイン側)に相当する部分よりも厚い半導体リッジ部を構成している。これをゲートリッジ(Gate Ridge)構造と呼ぶ。
このゲートリッジ構造によって、ゲート容量Cgが従来のMESFETより小さくなり、ピンチオフ電圧Vpが高くなる。ピンチオフ電圧Vpが高いので、より高いソース・ドレイン間電圧が印加されてもセルフピンチオフ効果が発生せず、チャネルの電界がより高くなって、有効電子速度が速くなる。有効電子速度が速くなれば、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなる。
また、ゲート印加電圧によるゲート電界が主に半導体リッジ部の中に閉じ込められるので、短チャネル効果が発生しない。ゲート電界が閉じ込められる理由は、半導体リッジ部の誘電率とその両外側に存在する空気の誘電率との差が大きいことによる。
このように、ゲートリッジ構造を用いることによって、短チャネル効果を抑えながらMESFETのピンチオフ電圧(Vp)を高めることができる。したがって、高性能が得られる。
また、このMESFETは、
Lg > π×d2 …(2)
なる条件を満たすので、短チャネル効果の発生が確実に防止される。しかも、
π×d1 > Lg …(3)
なる条件を満たすので、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなり、さらに高性能になる。
一実施形態のMESFETは、上記チャネル層と上記第2半導体層との界面がヘテロ接合を形成していることを特徴とする。
この一実施形態のMESFETは、HFET(へテロ構造電界効果トランジスタ)を構成することができる。
一実施形態のMESFETは、上記第2半導体層が、上記ソースオーミック電極の直下から上記ドレインオーミック電極の直下まで延在するバリア層と、このバリア層と組成が異なり、上記半導体リッジ部をなすように上記ゲートショットキ電極の直下のみに設けられたショットキ層との2層からなることを特徴とする。
この一実施形態のMESFETによれば、バリア層とショットキ層とがそれぞれ最適の材料で構成され得る。したがって、上記ソースオーミック電極やドレインオーミック電極と上記バリア層との間のコンタクト抵抗を低くできる。
一実施形態のMESFETは、上記半導体リッジ部のゲート長方向の寸法は上記ゲートショットキ電極長と同じであるか、又はゲートショットキ電極長より短いことを特徴とする。
この一実施形態のMESFETでは、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなり、高性能になる。
一実施形態のMESFETでは、上記チャネル層を含む第1半導体層の材料がIII−N半導体であるのが望ましい。
一実施形態のMESFETでは、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分に、上記半導体リッジ部とは離間して別の半導体リッジ部を有することを特徴とする。
なお、上記「別の半導体リッジ部」はゲートショットキ電極が乗らないものである。
この一実施形態のMESFETでは、上記「別の半導体リッジ部」がパシベーション効果を奏する。したがって、上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分が全域薄厚である場合に比して、素子が安定に動作し、信頼性が高まる。
この発明のMESFETの製造方法は
基板の上にチャネル層を最上層として含む第1半導体層を備え、上記第1半導体層の上に上記チャネル層とは組成が異なる第2半導体層を備え、上記第2半導体層の上にソースオーミック電極、ゲートショットキ電極、およびドレインオーミック電極を備え、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に挟まれた部分は、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分よりも厚い半導体リッジ部を構成しているMESFETを製造するMESFETの製造方法であって、
上記第2半導体層として、上記チャネル層に接するバリア層と、このバリア層と選択的にエッチング可能な材料からなるショットキ層との2層を形成し、
上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分をエッチングして薄くする工程で、上記バリア層をエッチストッパ層として上記ショットキ層を除去することを特徴とする。
この一実施形態のMESFETの製造方法では、上記バリア層をエッチストッパ層として用いるので、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分をエッチングして薄くする工程で、工程管理が容易になる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明のMESFETの一実施形態であるAlGaN/GaN系HFETの断面構造を示している。
このHFETは、サファイア基板11上に第1半導体層として、厚さ50nmのアンドープAlNバッファ層12と、厚さ2μmのアンドープGaNチャネル層13とを、この順に備えている。さらに、このチャネル層13上に、第2半導体層として、最厚部で厚さ50nmのアンドープAl0.2Ga0.8N層19を備えている。この第2半導体層19には、表面側から深さ30nmの凹部20a,20b,20c,20dが形成され、この結果、これらの凹部の底に相当する部分(厚さ20nm)14に比して相対的に30nmだけ厚くなった半導体リッジ部19a,15,19bが形成されている。中央の半導体リッジ部15上にはWN/Auゲートショットキ電極17が形成されている。また、両端の凹部20a,20dの底にはそれぞれTi/Al/Pt/Auソースオーミック電極16,Ti/Al/Pt/Auドレインオーミック電極18が形成されている。
この例では、機能面から、第2半導体層19のうちソースオーミック電極16直下からドレインオーミック電極18直下まで延在する厚さ20nmの層状部分をアンドープAl0.2Ga0.8Nバリア層(符号14を用いる。)と呼ぶ。また、中央の半導体リッジ部15をショットキ層(符号15を用いる。)と呼ぶ。バリア層14とショットキ層15とは同じ組成(アンドープAl0.2Ga0.8N)であり、実質的には連続した一つの層からなっている。このHFETをチャネル層13、バリア層14の材料に着目して適宜AlGaN/GaN系HFETと呼ぶ。
このHFETの製造方法は概略以下のとおりである。
サファイア基板11上に、厚さ50nmのアンドープAlNバッファ層12と、厚さ2μmのアンドープGaNチャネル層13と、厚さ50nmのアンドープAl0.2Ga0.8N第2半導体層19(バリア層14およびショットキ層15の材料となる。)とを、それぞれ実質的に均一な厚さでこの順に成長する。結晶成長方法としてはMBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシャル成長)又はMOCVD(Metal Oraganic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長)が有効である。
次に、最も上の第2半導体層19のうちソース電極とドレイン電極を形成すべき領域にそれぞれ、表面側から深さ30nmの凹部20a,20dを所定のパターン寸法をもつように形成する。この凹部20a,20dの形成にはウェットエッチング又はドライエッチングを用いることができる。凹部20a,20dの底、つまりバリア層14上に、それぞれTi/Al/Pt/Auソースオーミック電極16,Ti/Al/Pt/Auドレインオーミック電極18を形成して、コンタクト抵抗が低くなるよう熱処理する。ソース電極16とドレイン電極18を薄厚のバリア層14上に設けているので、コンタクト抵抗を低くすることができる。
次に、ゲートショットキ電極17を所定のゲート長を持つように形成する。
最後に、ゲートショットキ電極17をマスクとして使って、第2半導体層19のうちゲートショットキ電極17の両外側に相当する部分20b,20cを、表面側から深さ30nmだけドライエッチングして薄くして、ゲートショットキ電極17の直下に半導体リッジ部15を形成する。このようにすればゲートショットキ電極17に対して半導体リッジ部15がセルフアライン(self-aligned)に形成される。したがって、作製された素子の寸法精度が高まる。これにより、素子が安定に動作し、信頼性が高まる。
また、半導体リッジ部15の形成と同時に、凹部20a,20b間に半導体リッジ部19aが形成され、凹部20c,20d間に半導体リッジ部19bが形成される。これらの半導体リッジ部19a,19b上には、ゲートショットキ電極が設けられることはない。これらの半導体リッジ部19a,19bは、特にソース-ドレイン間のゲート電圧によって制御されない部分に対して、パシベーション効果を奏する。したがって、第2半導体層19のうちゲートショットキ電極17の両外側に相当する部分が全域薄厚である場合に比して、素子が安定に動作し、信頼性が高まる。
図2は上記HFETのゲートリッジ構造、つまり半導体リッジ部15とその近傍を拡大して示している。
ゲートショットキ電極17の下部17bは一定のゲート長Lg(=0.15μm)を有している。なお、ゲート長Lgは、ゲート電極17と半導体リッジ部15とが接触する範囲で定められる。ゲートショットキ電極17の上部17aは丸い形状になっている。
半導体リッジ部15のゲート長方向の長さはゲート電極長Lgと同じで、0.15μmになっている。バリア層14とショットキ層15の厚さの和、すなわちゲート電極17からGaN層13までの距離d1は50nmである。バリア層14の厚さd2は20nmである。
このゲートリッジ構造によって、ゲート容量Cgが従来のMESFETより小さくなり、ピンチオフ電圧Vpが高くなる。ピンチオフ電圧Vpが高いので、より高いソース・ドレイン間電圧が印加されてもセルフピンチオフ効果が発生せず、チャネルの電界がより高くなって、有効電子速度が速くなる。有効電子速度が速くなれば、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなる。
また、図2中に示すように、ゲート印加電圧によるゲート電界(電界の向きを矢印410で示す。)が主に半導体リッジ部15の中に閉じ込められるので、短チャネル効果が発生しない。ゲート電界が閉じ込められる理由は、半導体リッジ部15の誘電率とその両外側20b,20cに存在する空気の誘電率との差が大きいことによる。
具体的には、この例では、Lg=0.15μm、d2=20nmであるから、
Lg > π×d2 …(2)
なる条件を満たす。したがって、短チャネル効果の発生が確実に防止される。しかも、この例では、d1=50nmであるから、
π×d1 > Lg …(3)
なる条件を満たす。したがって、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなり、さらに高性能になる。なお、この式(3)の条件を満たさない場合はゲートリッジ構造が無くても短チャネル効果が起こらない。
このように、ゲートリッジ構造を用いることによって、短チャネル効果を抑えながらMESFETのピンチオフ電圧(Vp)を高めることができる。したがって、高性能が得られる。
半導体リッジ部15がSiNのような絶縁膜によって覆われていてもよい。この場合にも、半導体リッジ部15の誘電率とSiNの誘電率との差がまだ十分大きいので、ゲート電界が有効に半導体リッジ部15内に閉じ込められる。したがって、短チャネル効果の発生が防止される。
HFETの動作電流密度が低い場合はチャネルのシート荷電濃度(sheet charge density)が低くて、Vpが比較的に低い。このような場合はVpを高める必要性が特にあって、本発明が特に有効である。たとえば、図1のようなAlGaN/GaN系HFETの場合は、AlGaN層14のAl混晶比が少ないとチャネルのシート荷電濃度が低くて、本発明が特に有効である。更に、AlGaN層14のAl混晶比が少ないと結晶のストレーン(歪)が低いので、品質が良くて厚いAlGaN層を容易に成長できる。
本発明のHFETはデバイスの動作電圧が高くて、かつ動作電流密度が低い状態なら最も有効である。この理由でAlGaN/GaN系HFETの場合はAlGaN層のAl混晶比が0.2以下なら本発明が特に有効であって、Al混晶比が0.15以下なら本発明が最も有効である。Al混晶比が低すぎるとチャネルのシート荷電濃度(sheet charge density)が低くなり、電子の移動度低くなる。このため、Al混晶比は0.05以上であるのが好ましい。
図5は本発明のAlGaN/GaN系HFETにおけるfT対d1についての計算結果を表している。既述のように、fTは電流利得遮断周波数であり、d1はゲート電極17からGaNチャネル層13までの距離である。ゲート長Lgは0.15μmとしている。従来のHFET(同様にLg=0.15μmとする。)の場合は、最も上のAlGaN層の厚みが47.7nm以上なら短チャネル効果が発生するので、図中に示すようにAlGaN層の厚みは47.7nmが限界である。そのため、従来のHFETのfTの限界は240GHzである。一方、本発明のHFETでは、d1=80nmというように厚くなっても問題なく動作し、fTは290GHz以上にも達する。
(実施の形態2)
図3は本発明のMESFETの別の実施形態であるAlGaN/GaN系HFETの断面構造を示している。
このHFETは、サファイア基板51上に第1半導体層として、厚さ50nmのアンドープAlNバッファ層52と、厚さ2μmのアンドープGaNチャネル層53とを、この順に備えている。さらに、このチャネル層53上に、第2半導体層として、厚さ10nmのアンドープAlNバリア層54と、半導体リッジ部をなす厚さ40nmのアンドープAl0.2Ga0.8Nショットキ層55を備えている。半導体リッジ部(ショットキ層)55上にはWN/Auゲートショットキ電極57が形成されている。また、バリア層54の表面には、半導体リッジ部55から両側に離間した位置に、それぞれTi/Al/Pt/Auソースオーミック電極56,Ti/Al/Pt/Auドレインオーミック電極58が形成されている。
この実施形態のHFETが図1のHFETと異なるのは、主に、バリア層54とショットキ層55とを組成が異なる半導体層で形成している点、また、半導体リッジ部(ショットキ層)55をゲート直下のみに設けている点である。
この実施形態のHFETでは、図1のHFETと同様に、半導体リッジ部55のゲート長方向の長さはゲート電極長Lgと同じで、0.15μmになっている。チャネルの位置はAlN層54とGaN層53の界面の近くで、GaN層53側にある。d1の距離はゲートリッジ層55の厚さとAlN層54の厚さを足した距離である。(つまり、d1=40nm+10nm=50nm)。d2の距離はAlN層54の厚さ(10nm)と同じである。
このHFETを製造する場合、図1のHFETを作製する場合と同様に、チャネル層53までを形成する。チャネル層53上に、第2半導体層として、厚さ10nmのアンドープAlN層54と、厚さ40nmのアンドープAl0.2Ga0.8N層55とを順次実質的に均一な厚さで堆積し、ゲートショットキ電極57を形成した後、半導体リッジ部を形成するためにAl0.2Ga0.8N層55のうちゲートショットキ電極57の両外側に相当する部分をエッチングして除去する。このとき、AlN層54は選択エッチングプロセスのためのエッチングストッパ層(etch-stopper layer)として働く。したがって、工程管理が容易になる。その後、バリア層54の表面で、半導体リッジ部55から両側に離間した位置に、それぞれTi/Al/Pt/Auソースオーミック電極56,Ti/Al/Pt/Auドレインオーミック電極58を形成する。
このようにすればゲートショットキ電極57に対して半導体リッジ部55がセルフアライン(self-aligned)に形成される。したがって、作製された素子の寸法精度が高まる。これにより、素子が安定に動作し、信頼性が高まる。また、オーミック電極56,58の直下にAlGaNが残らないので、コンタクト抵抗を低くできる。
この実施形態のHFETでは、図1のHFETと同様に、ゲートリッジ構造によってゲート容量Cgが従来のMESFETより小さくなり、ピンチオフ電圧Vpが高くなる。ピンチオフ電圧Vpが高いので、より高いソース・ドレイン間電圧が印加されてもセルフピンチオフ効果が発生せず、チャネルの電界がより高くなって、有効電子速度が速くなる。有効電子速度が速くなれば、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなる。また、ゲート印加電圧によるゲート電界が主に半導体リッジ部の中に閉じ込められるので、短チャネル効果が発生しない。したがって、短チャネル効果を抑えながらMESFETのピンチオフ電圧(Vp)を高めることができ、高性能が得られる。
(実施の形態3)
図4は本発明のMESFETのさらに別の実施形態であるAlGaN/GaN系HFETの断面構造を示している。
このHFETは、サファイア基板61上に第1半導体層として、厚さ50nmのアンドープAlNバッファ層62と、厚さ2μmのアンドープGaNチャネル層63とを、この順に備えている。さらに、このチャネル層63上に、第2半導体層69として、厚さ40nmのアンドープAl0.15Ga0.85Nバリア層64と、半導体リッジ部をなす厚さ20nmのアンドープAl0.15Ga0.85Nショットキ層65とを備えている。図1のHFETにおけるのと同様に、バリア層64とショットキ層65とは同じ組成(アンドープAl0.2Ga0.8N)であり、実質的には連続した一つの層からなっている。半導体リッジ部(ショットキ層)65上にはPt/Auゲートショットキ電極67が形成されている。また、バリア層64の表面には、半導体リッジ部65から両側に離間した位置に、それぞれTi/Al/Pt/Auソースオーミック電極66,Ti/Al/Pt/Auドレインオーミック電極68が形成されている。バリア層64のうち電極66,68が設けられていない領域はSiNパシベーション膜70で覆われている。
この実施形態のHFETが図1のHFETと異なるのは、主に、ゲートショットキ電極67を上部67aと下部67bからなる断面T字状に形成している点、また、半導体リッジ部(ショットキ層)55をゲート直下のみに設けている点である。
この実施形態のHFETでは、半導体リッジ部65のゲート長方向の長さはゲートショットキ電極67の下部67bの長さより短いので、この場合は「ゲート長」が半導体リッジ部65の長さと同じになる。ゲート長Lgは0.15μmである。d1の距離は60nm、d2の距離は40nmである。
半導体の表面にはSiNからなるパシベーション膜70が付いているが、SiNの誘電率はAlGaNからなる半導体リッジ部65の誘電率よりかなり低いので、ゲート電界が有効に半導体リッジ部65内に閉じ込められる。したがって、短チャネル効果の発生が防止される。
このHFETの製造方法は概略下記のとおりである。
サファイア基板61に、厚さ50nmのアンドープAlNバッファ層62と、厚さ2μmのアンドープGaNチャネル層63と、厚さ60nmのアンドープAl0.2Ga0.8N第2半導体層69(バリア層64およびショットキ層65の材料となる。)とを、それぞれ実質的に均一な厚さでこの順に成長する。結晶成長方法としてはMBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシャル成長)又はMOCVD(Metal Oraganic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長)が有効である。
次に、最も上の第2半導体層69のうち中央部を残してその両側を表面側から深さ20nmだけエッチングして、半導体リッジ部(ショットキ層)65を形成する。この半導体リッジ部65の形成にはウェットエッチング又はドライエッチングを用いることができる。
次に、半導体リッジ部65の直上に、公知の手法により断面T字状のPt/Auゲートショットキ電極67を形成する。このとき、ゲート長方向に関して、ゲートショットキ電極67の下部67bの寸法は半導体リッジ部65の寸法よりも大きくする。ゲート電極67の寸法が半導体リッジ部65の寸法より大きいのでアライメントが容易である。
次に、バリア層14の表面で、半導体リッジ部65から離間した両側の位置に、ソース電極66とドレイン電極68を形成する。そして、コンタクト抵抗が低くなるように熱処理する。
次に、SiNパシベーション膜70を全域に形成して、SiN膜70のうち各電極66,67,68上に存する部分をエッチングして除去する。
なお、本実施形態では半導体リッジ部65を形成後、その上にゲートショットキ電極67を形成したが、これに限られるものではない。第2半導体層69を加工する前にゲートショットキ電極67をパターン加工して、そのゲートショットキ電極67をマスクとして使って第2半導体層69をウェットエッチングして、半導体リッジ部65を形成してもよい。ウエットエッチングの際に、半導体リッジ部65の長さがゲートショットキ電極67の長さより短くなる。
この実施形態のHFETでは、図1のHFETと同様に、ゲートリッジ構造によってゲート容量Cgが従来のMESFETより小さくなり、ピンチオフ電圧Vpが高くなる。ピンチオフ電圧Vpが高いので、より高いソース・ドレイン間電圧が印加されてもセルフピンチオフ効果が発生せず、チャネルの電界がより高くなって、有効電子速度が速くなる。有効電子速度が速くなれば、HFETの電流利得遮断周波数(fT)が高くなる。また、ゲート印加電圧によるゲート電界が主に半導体リッジ部の中に閉じ込められるので、短チャネル効果が発生しない。したがって、短チャネル効果を抑えながらMESFETのピンチオフ電圧(Vp)を高めることができ、高性能が得られる。
上記の各実施形態は半導体リッジ部をエッチングで形成したが、エッチング以外の方法も可能である。例えば、結晶の再成長で半導体リッジ部(ゲートリッジ)を形成するのも可能である。
本発明はIII−N系(GaN,AlGaN,InGaN、等)のHFETに特に有効である。しかし、これ以外のFET(例えば、III−N系のホモジャンクションMESFET、III−As系のFET,III−P系のFET)にもある程度有効である。
この発明の一実施形態のMESFETの構造を示す図である。 図1のMESFETにおいて半導体リッジ部にゲート電界が閉じ込める効果を模式的に示す図である。 この発明の別の実施形態のMESFETの構造を示す図である。 この発明のさらに別の実施形態のMESFETの構造を示す図である。 図1のMESFETにおける、ゲート長Lg=0.15μmの場合の、電流利得遮断周波数fTとゲート電極からチャネル層までの距離d1との関係を示す図である。 従来のGaN系HFETの構造を示す図である。
符号の説明
11,51,61 サファイア基板
12,52,62 アンドープAlNバッファ層
13,53,63 アンドープGaNチャネル層
14 アンドープAl0.2Ga0.8Nバリア層
15 アンドープAl0.2Ga0.8Nショットキ層
17,57 WN/Auゲートショットキ電極
54 アンドープAlNバリア層
55 アンドープAl0.2Ga0.8Nショットキ層
64 アンドープAl0.15Ga0.85Nバリア層
65 アンドープAl0.15Ga0.85Nショットキ層
67 Pt/Auゲートショットキ電極

Claims (6)

  1. 基板の上にチャネル層を最上層として含む第1半導体層を備え、上記第1半導体層の上に上記チャネル層とは組成が異なる第2半導体層を備え、上記第2半導体層の上にソースオーミック電極、ゲートショットキ電極、およびドレインオーミック電極を備えたMESFETにおいて、
    上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に挟まれた部分は、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分よりも厚い半導体リッジ部を構成しており、
    上記MESFETのゲート長をLg、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に相当する部分の厚さをd1、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分の厚さをd2とするとき、
    π×d1 > Lg > π×d2
    なる条件を満たすことを特徴とするMESFET。
  2. 請求項1に記載のMESFETにおいて、
    上記チャネル層と上記第2半導体層との界面がヘテロ接合を形成していることを特徴とするMESFET。
  3. 請求項1に記載のMESFETにおいて、
    上記第2半導体層が、上記ソースオーミック電極の直下から上記ドレインオーミック電極の直下まで延在するバリア層と、このバリア層と組成が異なり、上記半導体リッジ部をなすように上記ゲートショットキ電極の直下のみに設けられたショットキ層との2層からなることを特徴とするMESFET。
  4. 請求項1に記載のMESFETにおいて、
    上記半導体リッジ部のゲート長方向の寸法は上記ゲートショットキ電極長と同じであるか、又はゲートショットキ電極長より短いことを特徴とするMESFET。
  5. 請求項1に記載のMESFETにおいて、
    上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分に、上記半導体リッジ部とは離間して別の半導体リッジ部を有することを特徴とするMESFET。
  6. 基板の上にチャネル層を最上層として含む第1半導体層を備え、上記第1半導体層の上に上記チャネル層とは組成が異なる第2半導体層を備え、上記第2半導体層の上にソースオーミック電極、ゲートショットキ電極、およびドレインオーミック電極を備え、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極と上記チャネル層との間に挟まれた部分は、上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分よりも厚い半導体リッジ部を構成しているMESFETを製造するMESFETの製造方法であって
    上記第2半導体層として、上記チャネル層に接するバリア層と、このバリア層と選択的にエッチング可能な材料からなるショットキ層との2層を形成し、
    上記第2半導体層のうち上記ゲートショットキ電極の両外側に相当する部分をエッチングして薄くする工程で、上記バリア層をエッチストッパ層として上記ショットキ層を除去することを特徴とするMESFETの製造方法。
JP2003284022A 2003-07-31 2003-07-31 Mesfetおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP4102724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003284022A JP4102724B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 Mesfetおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003284022A JP4102724B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 Mesfetおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005051165A JP2005051165A (ja) 2005-02-24
JP4102724B2 true JP4102724B2 (ja) 2008-06-18

Family

ID=34268748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003284022A Expired - Lifetime JP4102724B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 Mesfetおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4102724B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005203544A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Mitsubishi Electric Corp 窒化物半導体装置とその製造方法
JP2007149794A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電界効果トランジスタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005051165A (ja) 2005-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10109713B2 (en) Fabrication of single or multiple gate field plates
US7750369B2 (en) Nitride semiconductor device
US7910955B2 (en) Semiconductor device having MIS structure and its manufacture method
US7759699B2 (en) III-nitride enhancement mode devices
US6271547B1 (en) Double recessed transistor with resistive layer
JP5217157B2 (ja) 電界効果トランジスタおよびその製造方法
US6797994B1 (en) Double recessed transistor
US7800116B2 (en) Group III-nitride semiconductor device with a cap layer
US8405125B2 (en) Semiconductor device and method for producing the same
US12062715B2 (en) HEMT transistor with adjusted gate-source distance, and manufacturing method thereof
JP2006190991A (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP2006128646A (ja) 電子デバイスおよびヘテロ接合fet
US8723228B1 (en) Power semiconductor device
JP2005203544A (ja) 窒化物半導体装置とその製造方法
JP4102724B2 (ja) Mesfetおよびその製造方法
JP2006173241A (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
US20230282727A1 (en) Hemt device and manufacturing process thereof
US20240266406A1 (en) Transistor with defect mitigation structures
JP2894801B2 (ja) 半導体トランジスタおよびその製造方法
KR20220013870A (ko) 고전자 이동도 트랜지스터 소자 및 그 제조 방법
JP2001308110A (ja) 半導体装置
JP2003068769A (ja) 電界効果トランジスタの製造方法および電界効果トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080324

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4102724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328

Year of fee payment: 6