JP4101543B2 - 眼用レンズの厚み測定方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、眼用レンズの厚み測定方法に係り、特に、共焦点レーザー変位計を利用して、非接触方式にて、迅速に且つ高精度に眼用レンズの厚みを測定することの出来る方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、眼用レンズにあっては、視力を矯正するために人の眼に装用せしめられるといった重要な機能が要請されるところから、医療用具として取り扱われており、それが出荷されるまでに、厳重な管理下のもとで、品質や規格等の検査が行なわれている。具体的には、装用者に応じて眼用レンズの選択を行なったり、また、眼用レンズ自体の品質検査や管理等を実施するために、中心厚みの測定が行なわれてきており、例えば、接触子を利用した測定方法、超音波を用いた測定方法、光学顕微鏡を用いた測定方法等が、眼用レンズ、特にコンタクトレンズの中心厚みを測定する方法として提案されている。
【0003】
そして、それら従来から提案されている測定方法のうち、接触子を利用した測定方法としては、手持ち又はスタンド付きのダイヤルゲージにて、コンタクトレンズの中心部位の上下面に接触子を接触せしめて、その厚みを測定する手法が提案されているのであるが、そのような接触式による中心厚みの測定にあっては、必然的に接触子を眼用レンズに接触せしめて、測定が行なわれるものであるところから、レンズ表面に傷を付ける問題が常に内在していると共に、接触子から、錆や埃等がレンズ表面に付着するといった問題を有しているのである。また、かかる手法では、目的の測定位置を正確に指定することが難しく、このため、同一のレンズを測定しても、測定位置が一定とならず、誤差を生ずる原因ともなっている。しかも、特に、軟質のコンタクトレンズを測定する場合にあっては、その接触圧によりレンズが変形し、正確な測定値が得られなくなるといった恐れも内在しているのである。さらに、この手法は、最も簡易的である故に、一定の割合で行なわれる抜き取り検査には好適に採用され得るものの、多数のレンズを連続的に検査する場合には、非常に効率の悪い手法である。
【0004】
また、超音波を用いた測定方法に関しては、特開平2−52207号乃至同2−52213号の各公報において、水中に設置されたコンタクトレンズの球面中心を軸として、超音波トランスデューサを旋回させることにより、非接触にて、コンタクトレンズの形状測定や厚み分布測定を同時に行なう方法が明らかにされているが、そこでは、所定の回転中心で超音波トランスデューサを移動し、各測定点での座標を算出し、曲率半径又は厚みを測定しているために、測定時間が長くなったり、超音波トランスデューサを移動させるための機構を設ける必要があるために、測定装置自体が高価となる等の問題を惹起するものであった。また、かかる超音波を用いた測定方法においては、一般に、水等の媒体が必要とされ、その媒体の微妙な温度変化が、超音波の音速に多大な影響を与えるといった問題もあったのである。
【0005】
さらに、光学顕微鏡を用いた測定方法としては、特開平4−331345号公報において、ターゲット像をコンタクトレンズのベースカーブ面上とフロントカーブ面上に結像せしめたときの合焦点位置をそれぞれ検出して、それら合焦点位置間の間隔からコンタクトレンズの中心厚みを、非接触にて、測定する方法が明らかにされており、これによって、コンタクトレンズを水中に設置しなくても測定することが出来るといった利点が得られるものの、含水性のソフトコンタクトレンズを測定する際には、水分がレンズから蒸発してレンズが変形するようになり、正確な測定が出来ない等という問題を内在している。更に、かかる手法では、各焦点位置の決定に未だ時間を要するところから、より一層高速に検出することが出来る方法が望まれているのである。しかも、かかる手法にあっては、検査対象となるコンタクトレンズが、モーターにて上下方向に移動する支持台上に、単に載置されているだけであるところから、目的の厚み測定位置となるように、コンタクトレンズの位置決めを行なうことが難しく、誤差を生ずる原因となっていたのである。
【0006】
また、特開平11−348142号公報には、光学顕微鏡の1つであるレーザーフォーカス測定器を用いて、切削・研磨加工後に成形型(雄型)に付着しているコンタクトレンズの凸面頂点位置及び雄型の凸面頂点位置に対してレーザー光線を照射して、それらコンタクトレンズの凸面頂点位置及び雄型の凸面頂点位置を、それぞれ、測定し、それらの距離の差を求めることによって、コンタクトレンズの中心厚みを求める手法が明らかにされている。この手法においては、雄型の凸面頂点位置とコンタクトレンズの凹面の最底部位置とが同じであることを前提に、中心厚みの測定が行なわれているところから、切削・研磨加工後において雄型とコンタクトレンズとの間に、僅かでも空気層が介在するような場合には、コンタクトレンズの凹面の最底部位置を検出することが難しくなるといった問題を有しているのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、眼用レンズの厚みを、レンズに損傷等の問題を何等惹起せしめることなく、非接触方式にて、迅速に且つ高精度に測定することの出来る方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明は、上述の如き課題を解決するために為されたものであって、その要旨とするところは、共焦点レーザー変位計の光軸上に眼用レンズの厚み測定部位を位置せしめると共に、かかる厚み測定部位をその両側の面においてそれぞれ大気に露呈させ、該厚み測定部位の両側の面が他の物体に接触乃至は近接しないようにして、該眼用レンズを、その厚み測定部位以外の部位において支持せしめた状態において、共焦点レーザー変位計からのレーザー光を、対物レンズを通じて、該厚み測定部位の何れか一方の面側より入射せしめ、該厚み測定部位の両側の面における合焦点に基づくところの反射光と、該反射光に対応した前記対物レンズの位置から、該厚み測定部位における厚さを求めるに際し、内周縁部と外周縁部とにそれぞれ立上り壁部が設けられ、それら内周縁部の立上り壁部と外周縁部の立上り壁部に挟まれた空間が液収容可能部とされてなる円環形状の支持部材と、該支持部材の中心孔に対して、軸方向に摺動可能に挿嵌せしめられた、前記厚み測定部位よりも大きな内径を有する筒状の調整部材とを用い、かかる支持部材の内周縁部に設けた立上り壁部を覆うように前記眼用レンズを載置せしめ、更に該調整部材の内孔上に前記厚み測定部位を位置せしめて、該厚み測定部位に対して前記共焦点レーザー変位計のレーザー光が入射せしめられるようにしたことを特徴とする眼用レンズの厚み測定方法にある。
【0009】
すなわち、かくの如き本発明に従う眼用レンズの厚み測定方法にあっては、厚み測定部位の両側の面が大気に露呈せしめられた眼用レンズを、該厚み測定部位以外の部位において支持せしめた状態において、共焦点レーザー変位計のレーザー光源からのレーザー光を、対物レンズを通じて眼用レンズの厚み測定部位に照射し、その厚み測定部位の両側の面のそれぞれに、レーザー光の焦点が合ったときの反射光だけが検出されるようになっているところから、厚み測定部位の両側の面における合焦点位置の検出が、眼用レンズを支持する部材によって妨害されるようなことが、極めて有利に防止され得、これによって、眼用レンズの厚みが、従来に比して、より一層高い測定精度で確実に求められ得るようになるのであり、また、測定時間の短縮をも、効果的に図ることが出来る。
【0010】
また、共焦点レーザー変位計の対物レンズを、音叉や、ピエゾ素子等の従来から公知の加振部材によって光軸方向に振動せしめ、そのような光軸方向に振動せしめられる対物レンズを通じて、レーザー光を眼用レンズに入射せしめるようにすれば、音叉やピエゾ素子等の高周波振動により、厚み測定部位の両側の面における合焦点位置が、短時間に繰り返し測定され得ることとなり、更に優れた測定精度が享受されることとなる。
【0014】
加えて、本発明によれば、内周縁部と外周縁部にそれぞれ立上り壁部が設けられ、それら内周縁部及び外周縁部の立上り壁部に挟まれた空間が液収容可能部とされてなる円環形状の支持部材と、該支持部材の中心孔に対して、軸方向に摺動可能に挿嵌せしめられた、前記厚み測定部位よりも大きな内径を有する筒状の調整部材とを用い、かかる支持部材の内周縁部に設けた立上り壁部を覆うように前記眼用レンズを載置せしめ、更に該調整部材の内孔上に前記厚み測定部位を位置せしめて、該厚み測定部位に対して前記共焦点レーザー変位計のレーザー光が入射せしめられるようにした構成が採用されているところから、眼用レンズの中でも、特に、大気中において形状維持が困難で、変形が起こり易い、含水性ソフトコンタクトレンズにあっても、その厚み測定がより一層高い測定精度で出来るようになるのである。つまり、自重によって凹んでしまったり、水分の蒸発によって変形する含水性ソフトコンタクトレンズの中央部周辺を、筒状の調整部材にて支持すると共に、含水性ソフトコンタクトレンズの周縁部を、支持部材の液収容可能部に収容された水系媒体に浸すことが出来るようになるところから、かかる含水性ソフトコンタクトレンズの変形を可及的に抑制することが可能となるのである。
【0015】
しかも、支持部材の外周縁部に設けられた立上り壁部によって、眼用レンズの位置決めが有利に図られ得ると共に、厚み測定部位の両側の面における合焦点位置の検出が、該支持部材によって妨害されるようなことが防止されて、眼用レンズの厚みが正確に測定され得るのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0017】
先ず、図1には、本発明に従う眼用レンズの厚み測定において採用される共焦点レーザー変位計(ここでは、共焦点レーザー顕微鏡)の一実施例の構成を機能的に示す説明図が、概略的に示されている。そこにおいて、共焦点レーザー変位計10は、よく知られているように、レーザー光源12から出射されるレーザー光14の合焦点と光学的に共役の位置(共焦点)に、ピンホール18が設置されており、そのピンホール18を通過する光のみが受光器20に入射されるようになっている。
【0018】
より具体的には、レーザー光源12から放射されたレーザー光14は、先ず、ハーフミラー(ビームスプリッター)22を通過し、次いで、リレーレンズ(コリメートレンズ)24を通過することによって、光軸に平行な光線に変換され、その後、対物レンズ26を介して、光軸上に設置された眼用レンズ28(ここでは、コンタクトレンズ)の厚みを測定すべき部位(厚み測定部位)に集光、投射されるようになっている。
【0019】
そして、眼用レンズに投射されたレーザー光12は、かかる眼用レンズ28の表面で反射され、その反射光が、対物レンズ26と、リレーレンズ24とを順次通過した後、ハーフミラー22にて反射され、ピンホール18を通って、受光器20にて検知されるように構成されているのである。このとき、ピンホール18は、上述せるように、レーザー光14の合焦位置と光学的に共役の位置に設置されているところから、かかるピンホール18によってフレア光等の余計な光の殆どが遮断され、眼用レンズ28に生じた合焦点の光のみが、受光器20に入射するようになっており、そして、かかる受光器20にて光電変換されて、その受光信号が、図示しない、コンピュータから構成される処理装置(制御・演算装置)へ入力されるようになっているのである。
【0020】
また、共焦点レーザー変位計10においては、図1又は図2の一点鎖線に示されるように、その対物レンズ26を光軸方向(図1中、イ方向)に移動せしめることによって、対物レンズ26と被測定物たる眼用レンズ28との距離が変化して、レーザー光14の焦点位置(スポット位置)が、光軸方向に変化するようになっている。このため、対物レンズ26を光軸方向に移動させて、レーザー光14の焦点位置を眼用レンズ28の厚さ方向に変化せしめれば、眼用レンズ28に投射されたレーザー光14が、対物レンズ26に対向する両側の面(図2中、ベースカーブ面30とフロントカーブ面32)のそれぞれにおいて、強く反射され、かかるベースカーブ面30に生じた合焦点16に基づくところの反射光とフロントカーブ面32における合焦点17に基づくところの反射光が、それぞれ、受光器20に入射されるのである。そして、それらの反射光に対応する対物レンズ26の位置を、それぞれ検出し、それらの位置の差を求めるようにすることによって、目的とする眼用レンズ28の厚みを測定することが出来るのである。
【0021】
なお、本実施形態に係る共焦点レーザー変位計10の対物レンズ26にあっては、図1にも示されるように、従来と同様にして、その縁部に音叉34が一体的に取り付けられているところから、かかる音叉34の振動に伴って、対物レンズ26も一体的に振動せしめられるようになっているのである。また、音叉34には、図示しない処理装置によって制御された、磁気や、光、静電容量を利用したセンサーの如き従来から公知の位置検出センサー36が取り付けられており、かかる位置検出センサー36によって、音叉34の位置が検出されて、その位置検出信号が、図示しない処理装置へ入力されるように構成されている。それ故、上記した音叉34を、図示しない処理装置によって制御された、ソレノイドやピエゾ素子(圧電素子)等の従来から公知の加振器38によって所定の振幅で光軸方向(図1中、上下方向)に振動させることによって、対物レンズ26も、音叉34と同様な振幅で光軸方向に一体的に振動せしめられることとなり、対物レンズ26の正確な位置が、位置検出センサー36にて検出されるようになっているのである。
【0022】
そして、受光器20にて検知される反射光に対応する対物レンズ26の位置、すなわち、眼用レンズ28の表面(30,32)にレーザー光14の焦点が合ったときの対物レンズの位置が、それぞれ、処理装置に入力された受光信号と位置検出信号に基づいて演算され、それら2つの対物レンズ26の位置の差から、眼用レンズ28の厚みが求められるようになっているのである。なお、眼用レンズ28の厚みを求めるに際しては、眼用レンズ28の屈折率、また、必要に応じて、眼用レンズ28の曲率半径等が適宜に用いられることは、言うまでもないところである。
【0023】
従って、このような構成を採用すれば、音叉34の高速且つ連続的な振動によって、眼用レンズ28の厚み測定部位の両側の面における合焦点位置が、短時間に繰り返し測定され得ることとなり、以て、眼用レンズ28の厚みを、非接触にて、従来に比してより一層高い測定精度で確実に求めることが出来るようになると共に、測定時間の短縮をも、効果的に図り得ることとなるのである。
【0024】
なお、上述せる如き構成を有する共焦点レーザー変位計10は、共焦点レーザー顕微鏡と称されるものをも含んで、商業的に入手可能であって、例えば、株式会社キーエンス製のレーザーフォーカス変位計「LT−8000」等を例示することが出来、本発明にあっては、そのような市販品が、適宜に選択されて用いられ得るのである。因みに、上記したレーザーフォーカス変位計「LT−8000」を用いた場合には、コンタクトレンズ1枚当たり、0.2秒の測定時間、及び、±0.1μm精度で、眼用レンズの厚み測定を短時間に且つ高精度に実施することが可能である。
【0025】
ところで、測定されるべき眼用レンズ28は、通常、所定の支持部材によって支持せしめられた状態で、その厚み測定が実施されることとなるのであるが、その際、かかる眼用レンズ28の厚み測定部位の両側の面に、他の物体が接触乃至は近接していると、眼用レンズ28の両側の面における合焦点位置の検出が、他の物体によって妨害され、測定誤差を生ずる原因となる恐れがあるところから、眼用レンズ28の厚み測定部位を、その両側の面においてそれぞれ大気に露呈させて、その厚み測定部位以外の部位において支持することが、正確な厚みを測定する上において、特に必要とされるのである。なお、ここにおいて、眼用レンズ28の厚み測定部位は、共焦点レーザー変位計のレーザー光が入射せしめられる部位であるが、その幅としては、レーザー光のスポット径によって、つまりレーザー光の波長や対物レンズの焦点距離等によって、異なるものの、一般に、直径2μm程度を、厚み測定部位として考えておけば、充分である。
【0026】
そして、上述せるようにして眼用レンズ28を支持することが出来る支持部材として、例えば、図3〜図6に示される如き構造のものを挙げることが出来る。
【0027】
先ず、図3の(a)及び(b)には、支持部材の平面説明図と、縦断面説明図が概略的に示されている。そこにおいて、支持部材40は、非含水性ハードコンタクトレンズや含水性ソフトコンタクトレンズ等の様々な眼用レンズに適用出来るものである。中でも、特に、酸素透過性ハードコンタクトレンズ(RGPCL)等の形状安定性に優れたコンタクトレンズの厚み測定において好適に採用されるものであって、眼用レンズ28の凸面(フロントカーブ面32)に損傷を与えることがないように、適度な弾性や柔軟性を有する、従来から公知の樹脂系材料を用いて形成されている。また、かかる支持部材40は、全体として、フランジ付き円筒形状を呈し、上方に向かって大径化するテーパ筒状のレンズ保持部42と、該レンズ保持部42の小径側から下方に向かって一体的に形成された円筒状支持軸44、及び、かかる円筒状支持軸44の軸方向下端部から、径方向外方に向かって円環板状に突出する基部46とから構成されている。
【0028】
詳細には、かかる支持部材40のレンズ保持部42は、その上端面が保持すべき眼用レンズ28の凸面(32)に対応した球状凹面からなる保持面48とされており、これによって、眼用レンズ28の凸面(32)における傷の発生がより一層効果的に防止されていると共に、眼用レンズ28の位置決めが図られ得るようになっている。また、該保持面48の中央部には、図3の(a)及び(b)からも明らかなように、円筒状支持軸44から上下方向に連続的に延びてなる貫通孔50が形成されている。かかる貫通孔50は、眼用レンズ28の厚み測定部位よりも大きな内径:D1 を有しており、図3の(c)に示されるように、貫通孔50上に、眼用レンズ28の厚み測定部位(ここでは、幾何中心)が位置するようにして、眼用レンズ28を保持面48に配置せしめて保持すれば、支持部材40が、眼用レンズ28の厚み測定部位に、何等接触することも、近接することもなく、その厚み測定部位以外の部位において、眼用レンズ28を支持することが出来るようになっているのである。
【0029】
ここにおいて、かかる貫通孔50の大きさ、つまり、内径:D1 としては、上記したように、眼用レンズ28の厚み測定部位より大きければ、特に限定されるものではないものの、一般に、1mm〜5mmであることが望ましい。けだし、貫通孔54の内径:D1 が、1mm未満の場合には、支持部材40によるレーザー光の干渉の恐れがあり、眼用レンズ28の厚み測定部位の両側の面における合焦点位置の検出が、困難となる問題があるからであり、逆に、大き過ぎる場合には、レンズの支持や位置決め等に問題を生じるようになる。
【0030】
そして、上述せる如くして保持せしめられた眼用レンズ28を、その厚み測定部位が共焦点レーザー変位計の光軸上に位置するように設置して、かかる共焦点レーザー変位計からのレーザー光を、厚み測定部位に対して、上方乃至は下方から入射せしめるようにして、眼用レンズ28の厚み測定を実施すれば、損傷を与えることなく、非接触にて、眼用レンズ28の厚みを高精度に求めることが出来るのである。
【0031】
また、図4には、上記した支持部材40と同様の形状を有する支持部材52が示されているのであるが、かかる支持部材52にあっては、貫通孔54が、基部側において、図示しない、従来から公知の吸引装置に接続、取り付けられており、そのような吸引装置の吸引作用によって、貫通孔54内が負圧にされて、保持面56において、眼用レンズ28の凸面(32)を、吸着して、位置固定に保持するようになっているのである。
【0032】
なお、かかる支持部材52にあっても、眼用レンズ28の凸面(32)に損傷を与えることがないように、適度な弾性や柔軟性を有する材料を用いて形成されるのであるが、本実施形態に係る支持部材52にあっては、特に、眼用レンズ28を吸引して保持するようにしているところから、優れた密着性が得られるように、そのような材料の中でも、天然ゴムや、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリアクリルゴム、ポリウレタンゴム等の合成ゴムが、好適に用いられることとなる。
【0033】
また、かかる支持部材52の貫通孔54の内径(図4中、D2 )にあっても、眼用レンズ28の厚み測定部位より大きければ、特に限定されるものではないものの、通常、1mm〜5mmであることが望ましい。なお、貫通孔54の内径:D2 が、1mm未満の場合には、支持部材52による吸着力が充分に得られず、レンズを保持することが出来なくなるからであり、仮に、1mm未満にて必要な吸着力を得ようとすると、レンズの変形が惹起される恐れがある。また、5mmを超えて、大き過ぎる場合には、レンズの支持や位置決め等に問題を生じるようになるからである。
【0034】
而して、支持部材52の貫通孔形成部位に、眼用レンズ28の厚み測定部位が位置するようにして、支持部材52の保持面56に眼用レンズ28を吸着、保持すれば、支持部材52の保持面56上において、眼用レンズ28がズレてしまうようなことが効果的に防止されると共に、眼用レンズ28の取扱性が、有利に高められるのである。そして、そのようにして支持部材52に保持された眼用レンズ28を、その厚み測定部位が共焦点レーザー変位計の光軸上に位置するように設置して、厚み測定を実施すれば、損傷を与えることなく、眼用レンズ28の厚みを精度良く、確実に測定することが出来るのである。なお、本実施形態においては、レーザー光14が、支持部材52にて保持されていない側から、眼用レンズ28に入射せしめられることとなる。
【0035】
さらに、図5(a)には、上記の実施形態とは異なる構造を有する支持部材の他の具体例が、縦断面形態において、示されている。ここにおいて、支持部材58は、全体として、略浅底皿形状を呈し、レンズに損傷を与えることのない樹脂やガラス、金属等の材質からなる円板形状の底壁部60と、かかる底壁部60の周縁部から上方に向かって一体的に立設された円筒状立上り壁部62とから構成されており、かかる立上り壁部62にて囲まれた内側の凹部状の空間が、眼用レンズ28を収容するレンズ収容部64とされている。
【0036】
より詳細には、上記した立上り壁部62は、その内周面68が、下方に向かって小径化するテーパ面とされており、また、かかる小径側の内径が、収容される眼用レンズ28の外形と同程度か、若しくは、それより僅かに大きな大きさとなっている。また、底壁部60には、その中央部において、眼用レンズ28の厚み測定部位よりも大きな大きさを有する、内径(図5(a)中、D3 )の貫通孔66が設けられており、眼用レンズ28を、その凸面(32)が上方を向くようにして、レンズ収容部64の開口端側から収容せしめれば、眼用レンズ28が支持部材58のテーパ状内周面68に案内されて、該眼用レンズ28の周縁部のみが底壁部60上に接触した状態において載置され、それによって、眼用レンズ28の厚み測定部位(ここでは、幾何中心:C)が、支持部材58の貫通孔形成部位上に位置するようになっており、換言すれば、立上り壁部62によって、眼用レンズ28の位置決めが有利に図られ得るようになっているのである。
【0037】
そして、上例の実施形態と同様に、支持部材58に保持した状態において、眼用レンズ28を、その厚み測定部位が共焦点レーザー変位計の光軸上に位置するように設置して、厚み測定を実施すれば、損傷を与えることなく、非接触にて、高精度に眼用レンズ28の厚みを測定することが出来るのである。
【0038】
なお、本実施形態に係る支持部材58にあっても、上例の実施形態と同様に、眼用レンズの中でも、特に、形状安定性に優れたコンタクトレンズの測定において、好ましく用いられ得るのである。また、かかる支持部材58の貫通孔66の内径:D3 にあっても、上例と同様に、1mm〜5mmが好適に採用され得るのであり、このような1mm以上の大きさを採用することによって、共焦点レーザー変位計のレーザー光を、眼用レンズ28の厚み測定部位に対して、その両側から、つまり、眼用レンズ28の中心軸方向上方から、或いは下方からのどちら側からでも、入射せしめることが出来るのである。尤も、貫通孔66の内径:D3 が、例え1mmに満たなくても、更には、例え貫通孔66が設けられていなくても(図5(b)参照)、本実施形態に係る支持部材58にあっては、図5(a)からも明らかなように、眼用レンズ28を保持せしめた状態において、眼用レンズ28の厚み測定部位と底壁部60とが接触乃至は近接するものではなく、厚み測定部位の両側の面が大気に露呈せしめられているところから、かかる厚み測定部位に上方側からレーザー光を入射せしめて、厚み測定を行なうことも可能である。
【0039】
なお、図5(b)に示されるように、図5(a)における貫通孔66が何等設けられていない支持部材58′を用いれば、そのレンズ収容部64′内に、水や生理食塩水、コンタクトレンズ保存液等の水系媒体69を、収容することが可能となり、これによって、眼用レンズ28の一部を、そのような水系媒体69に浸した状態で、厚み測定を行なうことが出来るようになる。従って、乾燥によって変形が惹起される恐れのある含水性ソフトコンタクトレンズの中でも、比較的に形状安定性が良く腰のあるレンズを、その変形を有利に防止しつつ、測定することが可能となるのである。
【0040】
しかしながら、上記した図5(b)に示される支持部材58′のように貫通孔が無い場合や、貫通孔66の内径:D3 が1mm未満の場合には、底壁部60からの反射光が、ノイズとして、共焦点レーザー変位計の受光器に検知せしめられる恐れがあることに留意する必要がある。
【0041】
加えて、本実施形態に係る支持部材58にあっては、その立上り壁部62の内周面68がテーパ面とされ、これによって、眼用レンズ28の出し入れが良好に行なわれ得るようになっているのであるが、そこにおいて、内周面68と垂直軸の為す角(図5中、θ1 )は、一般に、5°〜45°、好ましくは、15°〜30°であることが望ましい。また、内周面68の底壁部側端部と、眼用レンズ28の外周縁部との間の距離(図5中、m1 )としては、特に制限されるものではないものの、好適には、0.2mm〜0.5mmであることが望ましい。けだし、かかる距離:m1 が、小さ過ぎる場合には、作業性が悪くなる一方、大き過ぎる場合には、眼用レンズ28の位置決めを確実に実施することが出来なくなって、所望とする厚み測定部位の厚みを、正確に測定することが出来なくなる恐れがあるからである。
【0042】
また更に、図6には、上記の実施形態とは更に異なる構造を有する支持部材の具体例が、縦断面形態において、示されているのであるが、そこにおいて、支持部材70は、全体として、略浅底の円環筒状を呈し、レンズに損傷を与えることのない樹脂やガラス、金属等の材質からなる円環板状底壁部76の内周縁部と外周縁部には、それぞれ、上方に向かって突出する円筒状の内周立上り壁部78と外周立上り壁部80が、同軸的に且つ一体的に設けられている。そして、それら内・外周立上り壁部78,80にて囲まれた内側の円環凹部状の空間が、液収容可能部82とされ、ここでは、その液収容可能部82に、水や生理食塩水、コンタクトレンズ保存液等の水系媒体84が、所定量において、収容されている。
【0043】
また、上記した外周立上り壁部80は、前記記実施形態の内周面68と同様に、眼用レンズ28の収容と取り出しとが簡便に実施され得るように、その内周面86が、下方に向かって小径化するテーパ面とされていると共に、眼用レンズ28の位置決めが確実に行なわれ得るように、その小径側の内径が、収容される眼用レンズ28の外形と同程度か、若しくは、それより僅かに大きな大きさとされている。
【0044】
さらに、上述せる如き支持部材70の中心孔72には、図6にも示されるように、調整部材74が挿嵌せしめられているのであるが、かかる調整部材74は、全体として、フランジ付き円筒形状を呈し、レンズに損傷を与えることのない樹脂やガラス、金属等の材質からなる円筒状の支持軸88には、その軸方向下端部において、径方向外方に向かって突出する円環板状の基台部90が一体的に設けられてなる構造を有している。
【0045】
ここにおいて、かかる支持軸88は、眼用レンズ28の厚み測定部位よりも大きな内径(図6中、D4 )を有していると共に、上記した支持部材70の中心孔72内に挿嵌可能な外径を有しており、該支持軸88が、支持部材70の中心孔72に内挿せしめられることによって、図6(a)及び(b)に示されるように、支持部材70と調整部材74とが、軸方向に摺動可能に、同軸的に組み付けられるようになっているのである。
【0046】
そして、図6(a)に示されるように、支持部材70が、上方に水平に持ち上げられた状態において、眼用レンズ28を、その凸面(32)が上面となるように、支持部材70の内周立上り壁部88を覆うようにして収容せしめれば、眼用レンズ28が支持部材70のテーパ状内周面86に案内されて、該眼用レンズ28の周縁部のみが接触した状態で底壁部76上に載置されるようになっている。これによって、眼用レンズ28の厚み測定部位(ここでは、幾何中心:C)が、調整部材74の内孔92の軸心に一致するように、位置せしめられるのである。
【0047】
かくして、眼用レンズ28の位置決めを行なった後、支持部材70を下降せしめることにより、図6(b)に示される如く、眼用レンズ28は、調整部材74の支持軸88の上端部にて、その厚み測定部位(幾何中心:C)と、調整部材74の内孔92(支持軸88)の軸心とが、効果的に且つ容易に一致せしめられ、その一致せしめられた状態において、支持されるようになっているのである。
【0048】
そして、上例の実施形態と同様に、眼用レンズ28を支持部材70から調整部材74の支持軸88上に移載せしめた状態において、眼用レンズ28を、その厚み測定部位が共焦点レーザー変位計の光軸上に位置するように設置して、レーザー光を、眼用レンズ28の中心軸方向上方側から、或いは下方側から入射せしめて、厚み測定を実施すれば、損傷を与えることなく、非接触にて、眼用レンズ28の厚みを高精度に測定することが出来るのである。
【0049】
また、本実施形態に係る支持部材70にあっては、図6(b)にも示されるように、筒状の調整部材74の支持軸88にて、眼用レンズ28の中央部周辺を支持することが出来ると共に、支持した状態において、眼用レンズ28の周縁部を、支持部材70の液収容可能部82に収容された水系媒体84中に浸すことが出来るようになっているのである。それ故、本実施形態に係る支持部材70を用いれば、形状安定性に優れた眼用レンズだけでなく、大気中において形状維持が困難で、変形が起こり易い眼用レンズ、具体的には、乾燥することによって変形したり、それ自体の自重によって凹むような、含水性ソフトコンタクトレンズ等にあっても、その変形が可及的に抑制され得ることとなって、その厚み測定が、より一層高い測定精度をもって、効果的に実施され得るのである。
【0050】
なお、上述せるように、支持部材70の液収容可能部82に水系媒体84を収容せしめた状態で、眼用レンズ28の測定を行なうに際しては、眼用レンズ28の厚み測定部位における両側の面に、水滴が付着しないように注意する必要があることは、言うまでもないところである。また、そのような状態で、含水性ソフトコンタクトレンズを、その中央部周辺において支持する場合には、レンズ周縁部において、該レンズの表面積の1/4〜3/4程度が、水系媒体84中に浸漬されるようにすることが望ましく、これによって、含水性ソフトコンタクトレンズの乾燥を、極めて有利に抑制することが可能となるのである。尤も、含水性ではない眼用レンズの支持を実施する場合には、上述せる如き水系媒体84を、液収容可能部82に収容する必要は全くない。
【0051】
また、調整部材74の内径:D4 にあっては、眼用レンズ28の厚み測定部位より大きければ、特に限定されるものではないものの、通常、3mm〜6mmであることが望ましい。なお、かかる内径:D4 が、小さ過ぎる場合には、調整部材74の支持軸88によるレーザー光の干渉の恐れがあり、眼用レンズ28の厚み測定部位の両側の面における合焦点位置の検出が、困難となる問題があるからであり、逆に、大き過ぎる場合には、レンズの支持や位置決め等に問題を生じるようになるからである。
【0052】
さらに、支持部材70の外周立上り部80における内周面86の底壁部側端部と、眼用レンズ28の外周縁部との間の距離(図6中、m2 )にあっても、図5に示される上記実施形態と同様に、特に制限されるものではないものの、ハードコンタクトレンズの場合には、0.2mm〜0.5mm、ソフトコンタクトレンズの場合には、0.3mm〜1.0mmであることが望ましい。けだし、かかる距離:m2 が、小さ過ぎる場合には、作業性が悪くなる一方、大き過ぎる場合には、眼用レンズ28の位置決めを確実に実施することが出来なくなって、所望とする厚み測定部位の厚みを、正確に測定することが出来なくなる恐れがあるからである。
【0053】
加えて、支持部材70の内周面86と垂直軸の為す角(図6(a)中、θ2 )にあっても、図5に示される上記実施形態と同様に、一般に、5°〜45°、好ましくは、15°〜30°であることが望ましく、これによって、眼用レンズ28の出し入れが、優れた作業性をもって行なわれ得るようになるのである。
【0054】
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0055】
例えば、上記の実施形態では、眼用レンズ28として、コンタクトレンズが具体的に例示されていたが、かかるコンタクトレンズの種類は、何等限定されるものではなく、例えば、非含水性や低含水性、高含水性等の全てに分類されるソフトコンタクトレンズ、及びハードコンタクトレンズが、その対象となり得るものであって、コンタクトレンズの材質等が、本発明の適用に際して何等問われることはない。また、コンタクトレンズの他にも、眼内レンズ等の従来から公知の眼科用のレンズも、その対象とすることが出来る。
【0056】
また、図3〜図5に示される各支持部材40,52,58においては、眼用レンズの中でも、特に、形状安定性に優れた眼用レンズが好適に採用され得ることを詳述したが、その他、形状安定性が良好でなく腰のない、非含水性や低含水性や高含水性のソフトコンタクトレンズ、更には、眼内レンズに関しても、勿論、使用することは可能である。具体的に、図3〜図5に示される実施形態の支持部材40,52,58を用いて、そのようなソフトコンタクトレンズの厚みを測定するに際しては、含水状態で測定することも、ドライ状態において測定することも可能であるが、後者のドライ状態において、レンズの厚み測定を行なう方が、より望ましく、その場合には、得られた厚みから、レンズの素材や重合方法に応じて一義的に定まる膨潤率を用いて、含水状態における厚みを算出するようにすればよい。
【0057】
さらに、眼用レンズ28の厚み測定部位にあっても、幾何中心に何等限定されるものではなく、本発明に従えば、所望とする任意の部位の厚みを測定することが出来る。
【0058】
また、上記実施形態においては、支持部材40,52,58の貫通孔50,54,66が、平面形態において、円形状を呈していたのであるが、かかる貫通孔50,54,66の形状は、そのような形状に何等限定されるものでは決してなく、眼用レンズの厚み測定部位よりも大きな大きさを有しておれば、例えば、楕円状、矩形状、多角形状であっても、何等差支えない。
【0059】
さらに、上例では、対物レンズ26に一体的に取り付けられた音叉34によって、かかる対物レンズ26が光軸方向に振動するようになっていたが、このような構成に何等限定されるものではない。
【0060】
また、図1に示される如き共焦点レーザー変位計10を用いるに際しては、対物レンズ26と、被測定物たる眼用レンズ28との間には、何等の物体も介在させないようにすることが望ましい。
【0061】
さらに、レーザー光源12としては、例えば、半導体レーザーや、赤外線レーザー、紫外線レーザー等、従来から公知の各種のレーザーを例示することが出来るが、それらの中でも、半導体レーザーが最も好ましい。けだし、赤外線レーザーは、波長が長いところから、コンタクトレンズの如き薄肉のものを測定するには、不向きであり、また、紫外線レーザーは、精度面では問題はないものの、他のレーザーに比して高価であるからである。
【0062】
加えて、共焦点レーザー変位計10への眼用レンズ28の搬入や搬出等を、従来より公知の手法にて、自動化すれば、全く人手を介することなく、眼用レンズ28の厚み測定が出来るようになり、これによって、眼用レンズ28の厚み検査工程を、眼用レンズの自動生産ラインに、容易に組み込むことが出来るようになるのである。
【0063】
また、本発明においては、共焦点レーザー変位計を利用することによって、眼用レンズ28の厚みが測定されるようになっていたが、例えば、特開平2001−21337号公報に開示される如き測定方法を採用すれば、かかる共焦点レーザー変位計にて、眼用レンズの厚みの他にも、その曲率半径を求めることも可能となる。
【0064】
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0065】
【実施例】
以下に、参考例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような参考例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
【0066】
先ず、中心厚みが目標値:0.10mmとなるように、常法に従って、メチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びN−ビニルピロリドンを重合して、100枚の含水性コンタクトレンズを準備する一方、かかるレンズの膨潤率を、予め求めた。
【0067】
また、共焦点レーザー変位計として、株式会社キーエンス製のレーザーフォーカス変位計(LT−8000)を用意する一方、支持部材として、シリコーンゴム製の、図4に示される如き構造のレンズ保持具(52)を準備した。
【0068】
そして、ドライ状態の含水性コンタクトレンズを、その幾何中心が、貫通孔(54)の形成部位に位置するようにして、レンズ保持具に固定した後、共焦点レーザー変位計の光軸上に、幾何中心が位置するように配置せしめて、ドライ状態における含水性コンタクトレンズの厚み(ドライ時における厚み)を測定した。そして、そのようにして得られたドライ時の厚みから、膨潤率を用いて、含水(膨潤)状態におけるコンタクトレンズの厚みを算出し、その値が、目標値(0.10)±0.02mmの範囲にあるものを、適合品、それ以外のものを、不適合品として、コンタクトレンズの判別を行ない、その結果を、下記表1に示した。
【0069】
−比較例−
上記した参考例で用いた全ての含水性ソフトコンタクトレンズを含水させて、2分割し、その断面を投影機にて、拡大投影することにより、幾何中心の厚みを、人眼により測定した。そして、上記参考例と同様にして、中心厚みが、目標値(0.10)±0.02mmの範囲にあるコンタクトレンズを、適合品、それ以外のものを、不適合品として、コンタクトレンズの判別を行ない、その結果を、下記表1に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
かかる表1の結果から明らかなように、参考例と比較例との間に、問題となる程の大きな差異は認められず、このため、本発明手法は、人眼による厚み測定手法に代えて、充分に実行可能な方法であることが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う眼用レンズの厚み測定方法あっては、厚み測定部位の両側の面が大気に露呈せしめられた眼用レンズを、その厚み測定部位以外の部位において支持せしめると共に、かかる厚み測定部位に、共焦点レーザー変位計からのレーザー光を、対物レンズを通じて入射するようにしているところから、厚み測定部位の両側の面における合焦点位置の検出が、眼用レンズを支持する部材によって妨害されるようなことが極めて有利に防止され得、これによって、眼用レンズの厚みが、従来に比して、より一層精度良く、確実に求められ得ると共に、測定時間の短縮をも、効果的に図ることが出来るようになるのである。
【0073】
しかも、本発明手法によれば、非接触にて、眼用レンズの厚みを測定することが出来るところから、眼用レンズの表面に損傷が発生するようなことも決してないのである。
【0074】
また、共焦点レーザー変位計からのレーザー光を、音叉やピエゾ素子等によって光軸方向に振動せしめられる対物レンズを通じて入射せしめるようにすれば、音叉やピエゾ素子等の高周波振動により、厚み測定部位の両側の面における合焦点位置が、短時間に繰り返し測定され得ることとなり、更に優れた測定精度が享受されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において採用される共焦点レーザー変位計の一具体例の構成を機能的に示す概略説明図である。
【図2】 本発明に従って、眼用レンズの厚み測定部位における両側の面に焦点位置を合わせたときの眼用レンズと対物レンズの位置関係を示す説明図である。
【図3】 支持部材の一具体例を示す説明図であって、(a)は、上方側から見た平面説明図であり、(b)は、(a)におけるb−b断面説明図であり、(c)は、眼用レンズを支持せしめた状態における縦断面説明図である。
【図4】 支持部材の別の具体例を示す縦断面説明図である。
【図5】 (a)は、支持部材の更に異なる具体例を示す縦断面説明図であり、(b)は、(a)における貫通孔の無い場合の支持部材の具体例を示す縦断面説明図である。
【図6】 本発明において採用される支持部材の具体例を示す縦断面説明図であって、(a)は、レンズの位置決めを行なう際の説明図であり、(b)は、レンズの位置決め後に、眼用レンズを調整部材上に移載した状態を示す説明図である。
Claims (1)
- 共焦点レーザー変位計の光軸上に眼用レンズの厚み測定部位を位置せしめると共に、かかる厚み測定部位をその両側の面においてそれぞれ大気に露呈させ、該厚み測定部位の両側の面が他の物体に接触乃至は近接しないようにして、該眼用レンズを、その厚み測定部位以外の部位において支持せしめた状態において、共焦点レーザー変位計からのレーザー光を、対物レンズを通じて、該厚み測定部位の何れか一方の面側より入射せしめ、該厚み測定部位の両側の面における合焦点に基づくところの反射光と、該反射光に対応した前記対物レンズの位置から、該厚み測定部位における厚さを求めるに際し、内周縁部と外周縁部とにそれぞれ立上り壁部が設けられ、それら内周縁部の立上り壁部と外周縁部の立上り壁部に挟まれた空間が液収容可能部とされてなる円環形状の支持部材と、該支持部材の中心孔に対して、軸方向に摺動可能に挿嵌せしめられた、前記厚み測定部位よりも大きな内径を有する筒状の調整部材とを用い、かかる支持部材の内周縁部に設けた立上り壁部を覆うように前記眼用レンズを載置せしめ、更に該調整部材の内孔上に前記厚み測定部位を位置せしめて、該厚み測定部位に対して前記共焦点レーザー変位計のレーザー光が入射せしめられるようにしたことを特徴とする眼用レンズの厚み測定方法。
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