JP4100084B2 - 容器の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の容器の成形方法に関し、特に、所定の外形形状を有する容器を簡素な工程で成形することのできる成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、飲料品等の内容物を充填した樹脂製の容器として、例えば、PETボトルが多用されている。
図7は、容器の成形方法の従来例にかかり、PETボトルの成形工程を概略的に示したフローチャートである。
まず、PETボトルの樹脂材料(ポリエチレンテレフタレート)を溶融して金型に流し込み、冷却して、中空状の容器(パリソン又はプリフォームと称される)を形成する(ステップS1)。
【0003】
次いで、このプリフォームを加熱し(ステップS2)、予めPETボトルの外形形状(この明細書において、「外形形状」には、単なる形状の他、各部の寸法も含まれるものとする)に合わせて形成されたキャビティを有する金型にセットする(ステップS3)。そして、延伸棒でプリフォームを縦方向に延ばし(ステップS4)、プリフォームの内部に高圧の空気やガスを吹き込んで、前記金型の内面にプリフォームの外面を押し付ける(ステップS5)。
冷却後、前記金型からPETボトルを取り出し(ステップS6)、必要な仕上げ工程等を経て、PETボトルの表面に、商品名やメーカー名等を付したラベルをシュリンク成形によって貼付する(ステップS7)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のPETボトルの成形においては、最終的な容器を成形する前段階としてプリフォームを形成する工程が必要となって、容器の成形工程が複雑になり、プリフォームを形成するための設備が必要となって、容器の成形コストを押し上げている。
また、容器を成形するにあたり、樹脂材料を溶融したり、ブローしたりするのに多大なエネルギコストが費やされている。
【0005】
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたもので、所定の外形形状の容器を単一の工程で成形することができ、外部からのエネルギ供給量の削減と成形コストの削減を図ることのできる容器の成形方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成を図るため、請求項1に記載の発明は、容器の外形形状に合わせて形成されたキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティに微粒子状の樹脂材料を充填し、点火手段によって、この樹脂材料の一部に着火して爆発を生じさせ、未着火の前記樹脂材料を前記爆発の熱によって溶融させるとともに、爆風によって前記キャビティの内面に付着させ、前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を冷却した後、前記金型から取り出す成形方法である。
この方法によれば、微粒子状の樹脂材料の一部に点火して爆発を生じさせることで、未着火の樹脂材料が爆発の熱によって溶融し、キャビティの内面に付着してキャビティの形状に応じた容器が成形される。
請求項2に記載の発明は、容器の外形形状に合わせて形成されたキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティに微粒子状の樹脂材料を充填するとともに燃焼体を前記キャビティに供給し、前記燃焼体で前記樹脂材料を前記キャビティに拡散させ、点火手段によって、前記キャビティ内の前記燃焼体に着火して爆発を生じさせ、前記樹脂材料を前記爆発の熱によって溶融させるとともに、爆風によって前記キャビティの内面に付着させ、前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を冷却した後、前記金型から取り出す成形方法である。
【0007】
この方法では、例えば、前記燃焼体としてメタンガスやプロパンガス等の可燃性のガス、ガソリンやアルコール等の液体燃料の他、火薬等の薬剤を利用することができる。そして、この燃焼体をキャビティ内に供給し、前記燃焼体に点火して爆発を生じさせることで、爆発時の熱により樹脂材料が溶融し、爆風によって樹脂材料がキャビティの内面に付着して、キャビティの形状に応じた容器が成形される。
【0008】
このように、本発明では、樹脂材料自体が有している燃焼エネルギを利用して、樹脂材料をキャビティの内面に付着させ、溶融させて所定の外形形状の容器を成形することができる。そのため、エネルギコストを削減することができるほか、容器を成形する工程の一部を削除することが可能になり、容器の成形工程を簡素にすることができる。
【0009】
前記点火手段としては、請求項3に記載するように、キャビティに挿入された点火プラグであってもよいし、請求項4に記載するように、前記キャビティ内の樹脂材料又は燃焼体を加圧する断熱圧縮によるものであってもよい。
さらに、前記点火手段は、請求項5に記載するように、前記キャビティの中央に配置してもよい。この方法によれば、キャビティの中央で爆発が生じるので、樹脂材料をほぼ均一にキャビティ内で拡散させて均一にキャビティの内面に付着させることができる。
また、請求項6に記載するように、前記爆発を生じさせる前に、前記金型を回転させ、遠心力によって前記キャビティの内面に前記樹脂材料を付着させるようにしてもよい。さらに、請求項7に記載するように、前記爆発を生じさせる前に、前記樹脂材料を帯電させることによる静電力によって、前記キャビティの内面に前記樹脂材料を付着させるようにしてもよい。
このようにすることで、樹脂材料のキャビティの内面への移動・付着をさらに促進することができる。
【0010】
請求項8に記載の発明は、容器の外形形状に応じて形成されたキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティの内面に微粒子状の樹脂材料を付着させ、所定のガスを前記キャビティに供給するとともに、加圧手段によって前記キャビティ内の前記ガスを加圧して断熱圧縮し、この断熱圧縮により生じた熱によって前記樹脂材料を溶融し、前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を冷却した後、前記金型から容器を取り出す方法である。
この方法によれば、断熱圧縮によって生じる熱により、キャビティの内面に予め付着された樹脂材料を溶融することができる。
前記ガスとしては空気であってもよいが、断熱圧縮の熱によってガスと樹脂材料との混合体に着火・爆発を生じさない又はさせにくいものであるのがよく、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスであるとよい。
【0011】
前記キャビティへの内面への樹脂材料の付着は、請求項9に記載するように、前記樹脂材料を帯電させることによる静電力又は金型の回転による遠心力を利用して行うことができる。
なお、金型には、請求項10に記載するように、前記金型を前記樹脂材料の融点よりも低い所定の温度に保持する温度保持手段を設けるとよい。
これにより、金型の温度上昇による冷却効率の低下を防止することができるほか、金型によって樹脂材料の冷却を行うことが可能になる。
【0012】
また、請求項11に記載するように、前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を溶融した後、前記キャビティ内のガスを急激に放出させて断熱膨張を生じさせ、この断熱膨張によって前記樹脂材料の冷却を行うようにしてもよい。
このような断熱膨張を利用して樹脂材料の冷却を行うことで、容器成形のサイクルタイムを短縮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる容器の成形方法の好適な実施形態を説明する。
【0014】
[第一の実施形態]
図1は本発明の第一の実施形態にかかり、容器の成形の手順を説明する概略図である。
容器の成形を行うための金型10は、固定金型12と、この固定金型11に対して進退移動して金型10の開閉を行う可動金型11とを有している。
可動金型11には、容器の外形形状に応じた形状のキャビティ13が形成されている。また、特に図示はしないが、金型10の温度を常時一定(例えば、120℃)に保持するためのヒータ等の加熱手段又は冷却水路等の冷却手段が、固定金型12及び可動金型11に形成されている。
【0015】
可動金型11の開口11aには、ノズル15が着脱自在に取り付けられる。このノズル15は、開口11aが形成された可動金型11の端面に密着するフランジ15bと、このフランジ15bのほぼ中央に形成され、開口11aに連通する開口15cと、フランジ15bに取り付けられ、先端がキャビティ13の内部に挿入される点火プラグ17と、ノズル15のガス通路の途中部位に形成された縮径部15aの開閉を行うニードル状の弁16とを有している。このノズル15は、図示しないガス供給源に接続されて、キャビティ13内にガスを供給するものである。
なお、キャビティ13に供給されるガスとしては、微粒子状の樹脂材料Mと一定の割合で混合することにより、この混合体に着火性(爆発性)を持たせることができるようするもの、例えば、空気を用いることができる。また、それ自体が着火性を有する可燃性のガス、例えば、メタンガスやプロパンガス等のガス、ガソリンやアルコール等の液体燃料の他、火薬等の薬剤を用いてもよい(以下、このような自己爆発性のものを「燃焼体」と記載する)。
【0016】
次に、上記構成の金型10及びノズル15を使った容器の成形の手順を、図1(a)〜(c)及び図2(a)〜(c)を参照しながら説明する。
なお、図1及び図2において、粒子状の樹脂材料Mを点々状のハッチングで、溶融状態の樹脂材料Mを黒の塗りつぶしで示している。
図1(a)〜(c)は、キャビティ13内に樹脂材料Mを供給してから爆発を生じさせるまでの過程を示し、図2(a)〜(c)は、爆発後に樹脂材料Mを冷却して容器Pをキャビティ13から取り出すまでの過程を示している。
【0017】
図1(a)に示すように、キャビティ13の底部に微粒子状の樹脂材料Mを投入し、金型10を型閉めして、可動金型11の開口11aにノズル15を取り付ける。
樹脂材料Mとしては、容器材料に用いられている任意の材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はプロピレンーエチレン共重合体等のポリオレフィン樹脂やナイロン樹脂、アクリロニトリル樹脂等を使用できる。また、樹脂材料Mの粒子径は、キャビティ13内にガスを供給したときに発生するスワール(渦)により、キャビティ13内のほぼ全体にわたって均一に拡散することができるものであるのがよく、例えば、1μm〜500μmとするとよい。
【0018】
次いで、図1(b)に示すように、ノズル15の弁16を開き、ノズル15の開口15c及び可動金型11の開口11aをとおして、キャビティ13内にガスを供給する。ガスとして空気を用いる場合は、空気と樹脂材料Mとの混合比が、点火プラグ17の放電によって着火できる値になるように、空気を供給する。なお、この場合、樹脂材料Mの量は、成形される容器の外形形状及び肉厚によって決定されるので、この樹脂材料Mの量に基づいて、空気の供給量を決定する。
この後、弁16を閉じて点火プラグ17に電圧を印加し、点火プラグ17の端子間に放電を生じさせる。この放電により、キャビティ13内の樹脂材料Mと空気との混合体又は燃焼体に着火し、図1(c)に示すように、樹脂材料Mと空気との混合体又は燃焼体が爆発する。そして、この爆発による爆風によって、微粒子状の樹脂材料Mがキャビティ13の内面に押し付けられる。
【0019】
また、ガスの供給による断熱圧縮作用と前記着火とによって、キャビティ13内の温度が急激に上昇する。この温度上昇によって、キャビティ13内の樹脂材料Mが溶融し、溶融した樹脂材料Mが、図2(a)に示すように、キャビティ13の内面に付着する。
次いで、図2(b)に示すように、ノズル15を開口11aから取り外し、キャビティ13内の圧力を急激に低下させる。この圧力の急激な低下は、断熱膨張となってキャビティ13内の温度を急激に低下させる。そして、これにより、樹脂材料Mが冷却され、キャビティ13の内面形状に沿った容器Pが成形される。断熱膨張を利用することで、樹脂材料Mを短時間で冷却することができるという利点がある。
【0020】
もちろん、このような断熱膨張を生じさせることなく、金型10によって樹脂材料Mの冷却を行うようにしてもよい。
最後に、図2(c)に示すように、可動金型11を固定金型12から離間させて金型10の型開きを行い、容器Pを取り出す。
以上の手順で、容器Pの成形が終了する。
【0021】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施形態を、図3を参照しながら説明する。
上記の第一の実施形態の容器の成形方法では、点火手段として点火プラグ17を用い、キャビティ13内にガスを充填して、ガスと樹脂材料Mとの混合体に着火するようにしている。
この第二の実施形態では、上記のような点火プラグを用いることなく、気体を断熱状態で圧縮したときに生じる熱によって、キャビティ13内のガス(気体)と樹脂材料Mとの混合体や燃焼体に着火・爆発を生じさせるようにしている。
【0022】
加圧手段としては、図3に示すような加圧手段25を用いることができる。この加圧手段25は、シリンダ状の本体25aと、この本体25a内に進退移動自在に設けられ、キャビティ13内のガスを圧縮するためのピストン26と、本体25aの一端に形成され、可動金型11に当接するフランジ25bと、このフランジ25bのほぼ中央に形成され、可動金型11の開口11aに連通する開口25cとを有している。
【0023】
図3は、この第二の実施形態の成形方法を説明する概念図である。図3においては、第一の実施形態と同一部位,同一部材には同一の符号を付し、これらについての詳しい説明は省略する。
この実施形態においても、最初に、キャビティ13の底部に微粒子状の樹脂材料Mを投入しておく。そして、図3(a)に示すように、キャビティ13内の空気と樹脂材料Mとの混合体を加圧するための加圧手段25を、可動金型11の開口11aに取り付ける。
この後、キャビティ13内に空気を供給するとともに、加圧手段25のピストン26を押して、キャビティ13内のガスと樹脂材料Mとの混合体を加圧する。樹脂材料Mと空気との混合比は、この加圧による断熱圧縮によって、前記混合体が自然に着火するものでなければならない。
なお、この実施形態においても、メタンガスやプロパンガス等の可燃性のガス、火薬等の薬剤を燃焼体として用いることができる。この場合は、これらのガスや薬剤が着火する程度に加圧すればよい。
【0024】
前記の断熱圧縮によって、キャビティ13内の空気と樹脂材料Mとの混合体の温度が急激に上昇する。そして、前記混合体の圧力が一定以上になったとき、図3(b)に示すように、前記混合体に着火・爆発が生じて、樹脂材料Mがキャビティ13の内面に押し付けられる。第一の実施形態と同様に、着火・爆発による熱と断熱圧縮とによって、キャビティ13内の温度が急激に上昇し、キャビティ13内の樹脂材料Mが溶融する。そして、溶融した樹脂材料Mが、キャビティ13の内面に付着して、キャビティ13の内面形状にしたがった外形形状の容器Pが成形される。
この実施形態は、第一の実施形態のような点火プラグ17,この点火プラグ17に所定のタイミングで電圧を印加するための制御装置が不要となり、設備及び装置の簡素化を図ることができるという点で有利である。
【0025】
[第三の実施形態]
次に、図4を参照しながら本発明の第三の実施形態について説明する。
この第三の実施形態では、第一の実施形態と同様に、点火手段によって樹脂材料Mと空気との混合体又は燃焼体に着火・爆発を生じさせるものである。ただし、この第四の実施形態では、キャビティ13のほぼ中央に、点火手段としてのヒータ45を配置している。
そして、予めヒータ45に通電した状態で、空気をノズル15から供給する。ガスと樹脂材料Mとの混合比が一定値に達すると、ヒータ45の部分から着火・爆発が生じる。この着火・爆発は、キャビティ13のほぼ中央部分で発生するので、樹脂材料Mをキャビティ13の中央からその内面にほぼ均等に付着させ、肉厚の均等な容器Pを得ることができるようになる。
なお、この実施形態においても、燃焼体として、メタンガスやプロパンガス等の可燃性のガス、火薬等の薬剤を用いることができる。
【0026】
上記した第一〜第三の実施形態の成形方法によれば、予め多数個の金型10のキャビティ13内に樹脂材料Mを投入しておき、これら金型10を順次送りながら、ガスの供給(断熱圧縮)、点火,爆発、ガスの排気(断熱膨張)のサイクルを連続して行うことで、高速で容器Pを成形することができるという利点がある。
【0027】
[第四の実施形態]
次に、図5及び図6を参照しながら、本発明の第四の実施形態について説明する。
なお、図5及び図6において、粒子状の樹脂材料Mを点々状のハッチングで、溶融状態の樹脂材料Mを黒の塗りつぶしで示している。
図5(a)〜(c)は、キャビティ13内に樹脂材料Mを供給してから断熱圧縮を行うまでの過程を示し、図6(a)(b)は、樹脂材料Mを冷却して容器Pをキャビティ13から取り出すまでの過程を示している。
【0028】
この第四の実施形態においては、第二の実施形態と同様の加圧手段25を用いる。ガスとしては、空気であってもよいが、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスを用いるのがよい。
また、微粒子状の樹脂材料Mを正又は負に帯電させるための帯電手段24を準備する。この帯電手段24としては、例えば、公知の高電圧静電装置等を利用することができる。
【0029】
まず、図5(a)に示すように、帯電手段24を金型10のキャビティ11aの近傍に配置する。そして、この帯電手段24を通過させることによって、微粒子状の樹脂材料Mを正又は負に帯電させる。正又は負に帯電し、キャビティ13内に投入された樹脂材料Mは、その静電力によってキャビティ13の内面に付着する。なお、このとき、キャビティ13の内面に均一に樹脂材料Mが付着するように、金型10を、図中矢印で示す方向にゆっくりと回転させ、キャビティ13の内部に微弱なスワール(渦)を発生させるようにしてもよい。
【0030】
次いで、図5(b)に示すように、加圧手段25を金型10に取り付ける。そして、図5(c)に示すように、キャビティ13にガスを供給しながら、加圧手段25のピストン26を押して、キャビティ13内のガスと樹脂材料Mとの混合体を加圧する。
この加圧による断熱圧縮によって、キャビティ13内の温度が急激に上昇する。そして、この温度が樹脂材料Mの融点を超えたときに、キャビティ13の内面に付着した樹脂材料Mが溶融する。
【0031】
この後、図6(a)に示すように、加圧手段25を金型10から取り外し、これにともなうキャビティ13内の急激な減圧による断熱膨張によって、キャビティ13の内面に付着した樹脂材料Mの冷却が行われる。
このような断熱膨張を利用することで、樹脂材料Mを短時間で冷却することができるという利点がある。
【0032】
もちろん、断熱膨張を生じさせることなく、金型10によって樹脂材料Mの冷却を行うようにしてもよい。
最後に、図6(b)に示すように、可動金型11を固定金型12から離間させて金型10の型開きを行い、容器Pを取り出す。
以上の手順で、容器Pの成形が終了する。
【0033】
この第四の実施形態の成形方法によれば、予め多数個の金型10のキャビティ13内に樹脂材料Mを投入しておき、これら金型10を順次送りながら、ガスの供給(断熱圧縮)、樹脂材料の溶融、ガスの排気(断熱膨張)のサイクルを連続して行うことで、高速で容器Pを成形することができるという利点がある。
【0034】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により限定されるものではない。
例えば、本発明の成形方法は、所定の外形形状を有する「容器」であれば適用することが可能で、PETボトル等の最終的な容器に限らず、最終的な容器を成形する過程で形成されるプリフォーム等にも適用が可能である。
また、上記の説明では、単一の樹脂材料から容器を成形するものとして説明したが、上記手順を複数回繰り返すことで、複数層の樹脂材料からなる容器を成形することも可能である。
さらに、可動金型11にキャビティ13が形成されているものとして説明したが、キャビティ13は可動金型11及び固定金型12の少なくとも一方に形成されていればよい。
【0035】
また、第一〜第三の実施形態では、一定の混合比で樹脂材料と混合することで着火・爆発を生じさせることができるガスとして空気を例に挙げたが、同様の性質を有するものであれば空気に限らず、他のガスであってもよい。
さらに、第四の実施形態では、予めキャビティ13の内面に樹脂材料Mを付着させる手段として静電力を利用しているが、他の手段、例えば、金型10を回転させることにより発生する遠心力を利用してもよい。
また、第一〜第三の実施形態においても、金型の回転のほかに静電力を利用してキャビティの内面に樹脂材料を付着させるようにしてもよい。このようにすることで、樹脂材料のキャビティの内面への移動・付着をさらに促進することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、樹脂材料自体が有しているエネルギを利用して、所定形状の容器を単一の工程で成形することができるので、エネルギコストを削減することができるほか、工程の削減によって容器の成形工程を簡素にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかり、容器の成形の手順を説明する概略図である。
【図2】図1に連続する容器の成形の手順を説明する概略図である。
【図3】本発明の第二の実施形態にかかる容器の成形の手順を説明する概略図である。
【図4】本発明の第三の実施形態にかかる容器の成形の手順を説明する概略図である。
【図5】本発明の第四の実施形態にかかり、容器の成形の手順を説明する概略図である。
【図6】図5に連続する容器の成形の手順を説明する概略図である。
【図7】容器の成形方法の従来例にかかり、PETボトルの成形工程を概略的に示したフローチャートである。
【符号の説明】
10 金型
11 可動金型
11a 開口
12 固定金型
13 キャビティ
15 ノズル
15a 縮径部
15b フランジ
16 弁
17 点火プラグ(点火手段)
24 帯電手段
25 加圧手段
26 ピストン
47 ヒータ(点火手段)
M 樹脂材料
Claims (11)
- 容器の外形形状に合わせて形成されたキャビティを有する金型を準備し、
前記キャビティに微粒子状の樹脂材料を充填し、
点火手段によって、この樹脂材料の一部に着火して爆発を生じさせ、
未着火の前記樹脂材料を前記爆発の熱によって溶融させるとともに、爆風によって前記キャビティの内面に付着させ、
前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を冷却した後、前記金型から取り出すこと、
を特徴とする容器の成形方法。 - 容器の外形形状に合わせて形成されたキャビティを有する金型を準備し、
前記キャビティに微粒子状の樹脂材料を充填するとともに燃焼体を前記キャビティに供給し、
前記燃焼体で前記樹脂材料を前記キャビティに拡散させ、
点火手段によって、前記キャビティ内の前記燃焼体に着火して爆発を生じさせ、
前記樹脂材料を前記爆発の熱によって溶融させるとともに、爆風によって前記キャビティの内面に付着させ、
前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を冷却した後、前記金型から取り出すこと、
を特徴とする容器の成形方法。 - 前記点火手段が、前記キャビティに挿入された点火プラグであることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器の成形方法。
- 前記点火手段が、前記キャビティ内の樹脂材料又は燃焼体を加圧する断熱圧縮によるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器の成形方法。
- 前記点火手段を前記キャビティの中央に配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器の成形方法。
- 前記爆発を生じさせる前に、前記金型を回転させ、遠心力によって前記キャビティの内面に前記樹脂材料を付着させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形方法。
- 前記爆発を生じさせる前に、前記樹脂材料を帯電させることによる静電力によって、前記キャビティの内面に前記樹脂材料を付着させることを特徴とする請求項1〜5に記載に容器の成形方法。
- 容器の外形形状に応じて形成されたキャビティを有する金型を準備し、
前記キャビティの内面に微粒子状の樹脂材料を付着させ、
所定のガスを前記キャビティに供給するとともに、加圧手段によって前記キャビティ内の前記ガスを加圧して断熱圧縮し、
この断熱圧縮により生じた熱によって前記樹脂材料を溶融し、
前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を冷却した後、前記金型から容器を取り出すこと、
を特徴とする容器の成形方法。 - 前記樹脂材料を帯電させることによる静電力又は金型を回転させることによる遠心力によって、前記キャビティの内面に前記樹脂材料を付着させることを特徴とする請求項8に記載の容器の成形方法。
- 前記金型を前記樹脂材料の融点よりも低い所定の温度に保持する温度保持手段を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の容器の成形方法。
- 前記キャビティの内面に付着した前記樹脂材料を溶融した後、前記キャビティ内のガスを急激に放出させて断熱膨張を生じさせ、この断熱膨張によって前記樹脂材料の冷却を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の容器の成形方法。
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2002
- 2002-08-02 JP JP2002226396A patent/JP4100084B2/ja not_active Expired - Lifetime
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