JP4098951B2 - 光ヘッド用光源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の規格の光ディスクに対応可能な光ヘッドの光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクには、保護層(記録面を覆う透明基板)の厚さや記録密度が異なる複数の規格がある。例えば、記録密度が比較的低いCD(コンパクトディスク)、CD−R(CDレコーダブル)の保護層の厚さは1.2mmであるのに対し、記録密度が比較的高いDVD(デジタルバーサタイルディスク)の保護層の厚さは半分の0.60mmである。DVDの記録・再生には、ビームスポット径を小さく絞るために660nm程度の短波長のレーザー光を利用する必要がある。一方、CD−Rの記録・再生にはその反射特性から780nm程度の長波長のレーザー光を利用する必要がある。
【0003】
このため、DVDとCD−Rとを共に利用可能な光ヘッドの光源装置は、それぞれの光ディスクの特性に応じた波長のレーザー光を発する少なくとも2つの半導体レーザーと、これらの半導体レーザーから発したレーザー光を平行光として光ディスクに対置された対物レンズに入射させるコリメートレンズとを備えている。ただし、独立した2つの半導体レーザーを使用すると、光源装置のサイズが大きくなり光ヘッドの小型化が妨げられるため、1チップ上にそれぞれ発光波長が異なる複数の発光点を備える多点発光の半導体レーザーを利用することが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように多点発光の半導体レーザーを用いる場合には、発光点がコリメーターレンズの光軸に垂直な方向に離れるため、各発光点から発してコリメーターレンズから射出する平行光の方向が互いに異なることとなる。したがって、少なくともいずれか一方の発光点からのレーザー光は、対物レンズに対して軸外光となるため、光束の一部が対物レンズによってけられたり、大きな収差を発生させるという問題がある。
【0005】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、多点発光の半導体レーザーを用いた場合にも、コリメーターレンズから射出する平行光の方向を揃えることができ、対物レンズによるけられや収差の発生を抑えることができる光ヘッド用光源装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる光ヘッド用光源装置は、上記の目的を達成させるため、微小間隔離れた複数の発光点からそれぞれ異なる波長のレーザー光を発する半導体レーザーと、各発光点から発したレーザー光を平行光にするコリメーターレンズと、所定の分散特性を有し、コリメーターレンズからそれぞれ異なる方向に向けて射出する各波長のレーザー光間の角度差を縮小する透過型の光路補正素子とを備え、この光路補正素子が、屈折プリズムの入射側、あるいは射出側の端面に回折面を形成することにより構成されていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、光路補正素子の分散特性を利用して各波長のレーザー光の角度を揃えることができ、対物レンズによるけられや収差の発生を抑えることができる。なお、光路補正素子は、コリメーターレンズから射出する各波長のレーザー光の角度差をほぼ0度にすることが望ましく、各波長のレーザー光の光路を重ねることがより望ましい。コリメーターレンズの射出側の焦点を、ほぼ光路補正素子の射出端面上に位置させることにより、光路を重ねることができる。
【0008】
光路補正素子は、所定の分散特性を有して波長によって射出角度を変化させればよいが、本発明ではプリズムと回折面との組み合わせにより構成されている。屈折プリズムの入射側の端面に回折面を形成した場合、射出側の端面を対物レンズの光軸に対して傾斜する光束分離面とすることができる。また、屈折プリズムを互いに貼り合わされた2つのプリズムとし、その入射側の端面に回折面を形成した場合には、貼り合わせ面を対物レンズの光軸に対して傾斜する光束分離面とすることができる。さらに、光路補正素子が屈折プリズムを含む場合、コリメーターレンズの光軸と屈折プリズムの入射側の端面の法線とがなす角と、屈折プリズムの射出側の端面の法線と対物レンズの光軸とがなす角とのいずれか一方を、ほぼ0度とすることが望ましい。
【0009】
回折面は、その光路長の付加量を表す光路差関数φ(h)が、一次の光路差関数係数P1、発光点の並び方向における回折面上の座標をyとして、
φ(h)=P1
で表される面であることが望ましい。
【0010】
回折面は、回折面のブレーズ化波長をλ[mm]、光路補正素子のブレーズ化波長λに対する屈折率をn、回折面の傾斜角をθ[rad.]として、以下の条件(1)、
P1・λ/(n−1)+sinθ≦0 …(1)
を満たすよう設定することが望ましい。
【0011】
傾斜角θは、回折面が光路補正素子のコリメーターレンズ側に設けられている場合には、回折面の巨視的形状である平面の法線とコリメーターレンズの光軸とのなす角度であり、法線が半導体レーザー側に向けて短波長の発光点側に傾いている場合をプラスとする。また、回折面が対物レンズ側に設けられている場合には、回折面の巨視的形状である平面の法線と対物レンズの光軸とのなす角度であり、法線が対物レンズ側に向けて短波長の発光点側に傾いている場合をプラスとする。
【0012】
半導体レーザーの発光点が、発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでいる場合には、コリメーターレンズの光軸と屈折プリズムの入射側の端面の法線とがなす角を、屈折プリズムの射出側の端面の法線と対物レンズの光軸とがなす角よりも小さくすることが望ましい。他方、半導体レーザーの発光点が、発光点から発するレーザー光の開き角が小さい方向に沿って並んでいる場合には、コリメーターレンズの光軸と屈折プリズムの入射側の端面の法線とがなす角を、屈折プリズムの射出側の端面の法線と対物レンズの光軸とがなす角よりも大きくすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる光ヘッド用光源装置の実施形態を6例説明する。
【0014】
【第1の実施形態】
図1は、第1の実施形態にかかる光源装置を含む光ヘッドの光学系を示す説明図である。この光ヘッドは、DVD、CD、CD−R互換装置の光情報記録再生装置に適用される。
図1に示す光ヘッドの光学系は、光ディスクの特性に合わせて波長の異なる2種類のレーザー光を発する光源装置10Aと、光源装置10Aから発したレーザー光を光ディスクD1,D2の記録面に収束させる対物レンズ20と、光ディスクからの戻り光を分離するビームスプリッター21と、分離された戻り光を集光する集光レンズ22と、集光された戻り光を受光する受光素子23とを備えている。
【0015】
以下、保護層の厚いCD,CD−R等の光ディスクを第1の光ディスクD1、保護層の薄いDVD等の光ディスクを第2の光ディスクD2とする。各光ディスクは、図示せぬターンテーブル上に搭載されて回転駆動される。このため、保護層の表面は保護層の厚さにかかわらずターンテーブルに接する位置で一定となり、保護層の裏面にある記録面の位置は、保護層の厚さに応じて異なる位置となる。
【0016】
光源装置10Aは、微小間隔離れた第1、第2の発光点11a,11bからそれぞれ異なる波長のレーザー光を発する多点発光の半導体レーザー11と、各発光点から発したレーザー光を平行光にするコリメーターレンズ12と、コリメーターレンズ12からそれぞれ異なる方向に向けて射出する各波長のレーザー光間の角度差を縮小する透過型の光路補正素子13とを備える。この例では、コリメーターレンズ12と対物レンズ20とは、互いの光軸が一致するよう配置されている。
【0017】
第1の発光点11aは、長波長(785nm)のレーザー光を発し、第2の発光点11bは短波長(405nmまたは660nm)のレーザー光を発する。これらの発光点は、例えば100μmの間隔で1チップ上に形成されている。
光路補正素子13は、屈折プリズム13aの射出側の端面に回折面13bを形成することにより構成されている。光路補正素子13は、コリメーターレンズ12から射出する各波長のレーザー光の角度差をほぼ0度にするように所定の分散特性を有している。また、光路補正素子13は、その射出端面上にコリメーターレンズ12の射出側の焦点が位置するよう配置されている。第1,第2の発光点11a,11bは、コリメーターレンズ12の入射側の焦点面上に位置し、各発光点から発した光束はコリメーターレンズ12により平行光とされて異なる角度で射出する。コリメーターレンズ12を射出した2つの平行光は、コリメーターレンズ12の射出側の焦点位置で交差する。したがって、上記のように光路補正素子13の射出側端面をコリメーターレンズ12の射出側の焦点に一致させることにより、2つの光束の角度を合わせるのみでなく、これらを完全に重ね合わせることが可能となる。
【0018】
図中実線で示される第1の光ディスクD1の使用時には、第1の発光点11aを発光させる。長波長のレーザー光は、実線で示されるようにコリメーターレンズ12により平行光とされる。第1の発光点11aは、コリメーターレンズ12の光軸に対して図中上側に位置するため、コリメーターレンズ12を射出した長波長のレーザー光は、図中下向きとなる。光路補正素子13は、下向きに入射する長波長のレーザー光をコリメーターレンズ12の光軸に対して平行な状態として射出させる。
【0019】
光源装置10Aから発した長波長のレーザー光は、ビームスプリッター21を透過して対物レンズ20に入射する。対物レンズ20は、第1の光ディスクD1の使用時には、図中実線で示されるように光ディスクの保護層表面に近い位置に配置され、入射する平行光を収束させて第1の光ディスクD1の記録面にスポットを形成する。記録面からの反射光は、再び対物レンズ20を通って平行光となり、ビームスプリッター21で反射された成分が集光レンズ22により受光素子23上に集光される。受光素子23は、公知の多分割素子であり、分割された各領域の受光量を信号として出力する。これらの信号を演算することにより、トラッキングエラー信号、フォーカシングエラー信号、再生信号を生成することができる。なお、図面では省略しているが、各信号を生成するために、シリンドリカルレンズ、1/2波長板、偏光ビームスプリッター等の光学素子が必要に応じて設けられる。
【0020】
図中破線で示される第2の光ディスクD2の使用時には、第2の発光点11bを発光させる。短波長のレーザー光は、破線で示されるようにコリメーターレンズ12により平行光とされる。第2の発光点11bは、コリメーターレンズ12の光軸に対して図中下側に位置するため、コリメーターレンズ12を射出した短波長のレーザー光は、図中上向きとなる。光路補正素子13は、上向きに入射する短波長のレーザー光をコリメーターレンズ12の光軸に対して平行な状態とし、長波長のレーザー光の光路に重ねて射出させる。
【0021】
光源装置10Aから発した短波長のレーザー光は、ビームスプリッター21を透過して対物レンズ20に入射する。対物レンズ20は、第2の光ディスクD2の使用時には、図中破線で示されるように光ディスクの保護層表面から離れた位置に配置され、入射する平行光を収束させて第2の光ディスクD2の記録面にスポットを形成する。記録面からの反射光は、対物レンズ20、ビームスプリッター21、集光レンズ22を介して受光素子23上に集光される。
【0022】
なお、図1においては、便宜上、第1,第2の発光点11a,11bからの光線を両方示しており、光ディスクも第1の光ディスクD1と第2の光ディスクD2とを重ねて示しているが、実際には第1の光ディスクD1を利用する際には第1の発光点11aのみを発光させ、第2の光ディスクD2を利用する際には第2の発光点11bのみを発光させる。
【0023】
上記のように光路補正素子13を配置することにより、各波長のレーザー光の光路を重ねることができ、対物レンズ20によるけられや収差の発生を抑えることができる。
【0024】
続いて、光路補正素子13の詳細について説明する。光路補正素子13を構成する回折面13bは、その光路長の付加量を表す光路差関数φ(h)が、一次の光路差関数係数P1、発光点の並び方向における回折面上の座標をyとして、
φ(h)=P1
で表される面である。この場合には、回折面13bがプリズム屈折力を有することになり、2つの発光点11a,11bから発するレーザー光に対して発散、収束等の作用を及ぼさず、角度差のみを調整することができる。
【0025】
屈折プリズム13bは、波長が短いほど屈折率が高くなり、偏角が大きくなるため、両レーザー光の方向を揃えるためには、両レーザー光を長波長の第2の発光点11bの側に曲げること、すなわち、第1の発光点11aの側に頂角を持つことが必要である。一方、回折面13bは、プリズムとは逆方向の分散特性を有し、波長が長くなるほど回折角が大きくなるため、両レーザー光の方向を揃えるためには、両レーザー光を短波長の第1の発光点11aの側に曲げることが必要である。ここで、発光点の並び方向をy方向として、これらの発光点の中間にy方向の原点を設定し、波長の長い第1の発光点11a側をプラス、波長の短い第2の発光点11b側をマイナスとすると、回折面13bがレーザー光を短波長の発光点の側に曲げるためには、光路差関数係数P1が正の値をとることが必要となる。
【0026】
上記のように光路補正素子13がプリズム13aと回折素子13bとを組み合わせて構成される場合には、両レーザー光の角度差を縮小する際にレーザー光を曲げる方向がプリズム13aと回折面13bとでは逆方向となるため、分散能をプリズムと回折面とに適宜配分することにより、コリメーターレンズ12と対物レンズ20との光軸を互いに平行にすることができるばかりでなく、図1に示すように両光軸を一致させることもでき、各レンズのレイアウトを容易にすることができる。しかも、第1の実施形態では、コリメーターレンズ12の光軸と光路補正素子13の入射側の端面の法線とのなす角が0度であるため、コリメーターレンズ12の光軸を基準にして光路補正素子13を容易に位置決めすることができる。さらに、プリズム13aと回折面13bとを組み合わせることにより、プリズムのみで構成される場合と比較してプリズムの頂角を小さくすることができ、光路補正素子13を小型化することが可能となる。
【0027】
また、第1の実施形態では、半導体レーザー11の発光点11a,11bが、発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでおり、コリメーターレンズ12の光軸と屈折プリズム13aの入射側の端面の法線とがなす角を、屈折プリズム13aの射出側の端面の法線と対物レンズの光軸とがなす角よりも小さくなるよう設定している。
【0028】
半導体レーザー11からの射出光は発散光であり、その広がり角が方向によって異なるため、補正しないとビームの断面形状が楕円形となる。一般的にはビーム形状を補正するためにプリズムを用いているが、上記のように開き角の方向に合わせてコリメーターレンズ側、対物レンズ側の角度を設定することにより、光路補正素子13の屈折プリズム13aにビーム形状を補正する効果を持たせている。
【0029】
次に、図1に示す第1の実施形態の配置を実現するための光路補正素子13の具体的な設計例を5例説明する。なお、回折面の傾斜角θは、回折面13bが光路補正素子13の対物レンズ20側に設けられている第1の実施形態では、回折面13bの巨視的形状である平面の法線と対物レンズ20の光軸とのなす角度であり、その符号は、法線が対物レンズ20側に向けて短波長の第2の発光点11b側に傾いている場合をプラスとする。
【0030】
(設計例1)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面13bのブレーズ化波長λB 785nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム13aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
プリズム頂角 7.3457゜
光路差関数係数 P1=9.530×10
回折面傾斜角θ −7.3457゜
【0031】
(設計例2)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 405nm
回折面13bのブレーズ化波長λ 785nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム13aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.560
プリズム頂角 1.9441゜
光路差関数係数 P1=3.115×10
回折面傾斜角θ −1.9441゜
【0032】
(設計例3)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面13bのブレーズ化波長λB 723nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム13aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
n(λB)=1.538
プリズム頂角 7.3480゜
光路差関数係数 P1=9.533×10
回折面傾斜角θ −7.3480゜
【0033】
(設計例4)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面13bのブレーズ化波長λB 785nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム13aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.824
n(λ2)=1.836
プリズム頂角 4.6059゜
光路差関数係数 P1=9.227×10
回折面傾斜角θ −4.6059゜
【0034】
(設計例5)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面13bのブレーズ化波長λB 722nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム13aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
n(λB)=1.538
プリズム頂角 7.3460゜
光路差関数係数 P1=9.530×10
回折面傾斜角θ −7.3460゜
【0035】
回折面13bは、金型を用いた射出成形により光路補正素子13の面上に転写される。金型を製造する際には、ダイアモンドバイトを用いて金型表面を切削することにより、回折面13bの転写元のパターンを形成する。このような金型の製造を容易にするために、回折面のブレーズ化波長をλ[mm]、光路補正素子13のブレーズ化波長λに対する屈折率をnとし、回折面の傾斜角をθ[rad.]として、以下の条件(1)、
P1・λ/(n−1)+sinθ≦0 …(1)
を満たすよう設定することが望ましい。
【0036】
上記の条件(1)を満たす場合には、階段状に形成される回折面の微細断面形状に鋭角の部分がなくなり、加工誤差が小さくなる。バイトの先端がいかに鋭利であっても、回折面13bの微細形状のスケールで見れば半球面状である。このため、図2(A)に示すように、バイト30で加工される金型31の微細断面形状に鋭角の部分が存在すると、大きな加工誤差32が残る。これに対して、図2(B)に示すように、金型33の微細断面形状に鋭角の部分が存在しないと、加工誤差34が比較的小さくなる。したがって、条件(1)を満たすことにより、加工誤差を小さくして回折面の効率を高め、光量ロスを小さくすることができる。
【0037】
上記の5つの設計例のうち、設計例3では、
Figure 0004098951
となって条件(1)を満たし、設計例5では、
Figure 0004098951
となって条件(1)を満たす。したがって、これら2つの設計例では、金型に鋭角の部分がなく加工が容易となるため、金型の形状誤差が小さく、回折面13bにおける光量損失を小さく抑えることができる。
【0038】
【第2の実施形態】
図3は、第2の実施形態にかかる光源装置10Bを含む光ヘッドの光学系を示す説明図である。
図3に示す光ヘッドの光学系は、光源装置10B、対物レンズ20、集光レンズ22、受光素子23を備えている。光源装置10Bは、多点発光の半導体レーザー11と、コリメーターレンズ12、そして屈折プリズム14aと回折面14bとを組み合わせた光路補正素子14とを備えている。図3の光学系と図1に示される第1の実施形態の光学系との差異は、光路補正素子14の入射側の端面に回折面14bが形成されている点と、この光路補正素子14の射出側の面が対物レンズ20の光軸に対して傾斜する光束分離面とされている点である。
【0039】
各発光点11a,11bから発したレーザー光は、コリメーターレンズ12により平行光とされ、光路補正素子14によって対物レンズ20の光軸に対して平行な状態とされ、両光路が重ねられる。対物レンズ20は、入射する平行光を収束させて各光ディスクD1,D2の記録面上にスポットを形成する。光ディスクからの反射光は、再び対物レンズ20を通って平行光となり、その一部が光路補正素子14の射出側の端面で反射され、集光レンズ22を介して受光素子23に到達する。
【0040】
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、各波長のレーザー光の光路を重ねることができ、対物レンズ20によるけられや収差の発生を抑えることができる。また、コリメーターレンズ12と対物レンズ20との光軸を一致させることができ、各レンズのレイアウトを容易にすることができる。しかも、第2の実施形態では、光路補正素子14の射出側の端面を光束分離面とすることにより、第1の実施形態で用いられていたビームスプリッター21を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0041】
さらに、第1の実施形態と同様、半導体レーザー11の発光点11a,11bが、発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでおり、コリメーターレンズ12の光軸と屈折プリズム14aの入射側の端面の法線とがなす角を、屈折プリズム14aの射出側の端面の法線と対物レンズの光軸とがなす角よりも小さくなるよう設定することにより、屈折プリズム14aにビーム整形の機能を持たせている。
【0042】
次に、図3に示す第2の実施形態の配置を実現するための光路補正素子14の具体的な設計例を説明する。なお、回折面傾斜角θは、第2の実施形態のように回折面14bが光路補正素子14のコリメーターレンズ12側に設けられている場合には、回折面14bの巨視的形状である平面の法線とコリメーターレンズ12の光軸とのなす角度であり、法線がコリメーターレンズ12側に向けて短波長の発光点11b側に傾いている場合をプラスとする。
【0043】
(設計例6)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面14bのブレーズ化波長λB 785nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム14aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
プリズム頂角 7.3694゜
光路差関数係数 P1=9.612×10
回折面傾斜角θ 0.0000゜
【0044】
【第3の実施形態】
図4は、第3の実施形態にかかる光源装置10Cを含む光ヘッドの光学系を示す説明図である。
図4に示す光ヘッドの光学系は、光源装置10C、対物レンズ20、集光レンズ22、受光素子23を備えている。光源装置10Cは、多点発光の半導体レーザー11と、コリメーターレンズ12、そして屈折プリズム15aと回折面15bとを組み合わせた光路補正素子15とを備えている。図4の光学系と図3に示される第2の実施形態の光学系との差異は、光路補正素子15の入射側の端面の法線がコリメーターレンズ12の光軸に対して傾いている点と、光路補正素子15の射出側の面が対物レンズ20の光軸に対して45度で傾斜する点である。入射側の端面が傾くことにより、レーザー光の中心軸がシフトし、この中心軸に合わせるためにコリメーターレンズ12の光軸に対して対物レンズ20の光軸は平行にシフトしている。
【0045】
第3の実施形態でも、第2の実施形態と同様に、各波長のレーザー光の光路を重ねることができ、対物レンズ20によるけられや収差の発生を抑えることができる。また、光路補正素子15の射出側の端面を光束分離面とすることにより、第1の実施形態よりも部品点数を削減することができる。さらに、第3の実施形態では、光束分離面と対物レンズ20の光軸とのなす角度を45度とすることにより、対物レンズ20の光軸と集光レンズ22の光軸とを垂直に設定することができ、対物レンズ20の光軸を基準に集光レンズ22,受光素子23を容易に位置決めすることができる。
【0046】
さらに、第1の実施形態と同様、半導体レーザー11の発光点11a,11bが、発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでおり、コリメーターレンズ12の光軸と屈折プリズム15aの入射側の端面の法線とがなす角を、屈折プリズム15aの射出側の端面の法線と対物レンズ20の光軸とがなす角よりも小さくなるよう設定することにより、屈折プリズム15aにビーム整形の機能を持たせている。
【0047】
次に、図4に示す第3の実施形態の配置を実現するための光路補正素子15の具体的な設計例を説明する。
(設計例7)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面15bのブレーズ化波長λB 785nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
プリズム15aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
プリズム頂角 4.6170゜
光路差関数係数 P1=7.344×10
回折面傾斜角θ 40.3830゜
【0048】
【第4の実施形態】
図5は、第4の実施形態にかかる光源装置10Dを含む光ヘッドの光学系を示す説明図である。
図5に示す光ヘッドの光学系は、光源装置10D、対物レンズ20、集光レンズ22、受光素子23を備えている。光源装置10Dは、多点発光の半導体レーザー11と、コリメーターレンズ12、そして屈折プリズム16a,16bと回折面16cとを組み合わせた光路補正素子16とを備えている。光路補正素子16は、2つの屈折プリズム16a,16bを貼り合わせ、入射側の屈折プリズム16aの入射側の端面に回折面16cを形成することにより構成されており、屈折プリズム16a,16bの貼り合わせ面が対物レンズ20の光軸に対して45度で傾斜する光束分離面とされている。
【0049】
各発光点11a,11bから発したレーザー光は、コリメーターレンズ12により平行光とされ、光路補正素子16によって対物レンズ20の光軸に対して平行な状態とされ、両光路が重ねられる。対物レンズ20は、入射する平行光を収束させて各光ディスクD1,D2の記録面上にスポットを形成する。光ディスクからの反射光は、再び対物レンズ20を通って平行光となり、その一部が光路補正素子16の貼り合わせ面で反射され、集光レンズ22を介して受光素子23に到達する。
【0050】
第4の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、各波長のレーザー光の光路を重ねることができ、対物レンズ20によるけられや収差の発生を抑えることができる。また、第4の実施形態では、光路補正素子16に2つのプリズムを用いてその貼り合わせ面を光束分離面とすることにより、第2の実施形態と同様にコリメーターレンズ12と対物レンズ20との光軸を一致させて各レンズのレイアウトを容易にすることがき、しかも、第3の実施形態と同様に対物レンズ20の光軸と集光レンズ22の光軸とを垂直に設定することにより対物レンズ20の光軸を基準に集光レンズ22,受光素子23を容易に位置決めすることができる。さらに、第4の実施形態では、対物レンズ20の光軸と光路補正素子16の射出側の端面の法線とのなす角が0度であるため、対物レンズ20の光軸を基準にして光路補正素子16を容易に位置決めすることができる。
【0051】
第4の実施形態の配置は、半導体レーザー11の発光点11a,11bが、発光点から発するレーザー光の開き角が小さい方向に沿って並んでいる場合に有効である。すなわち、コリメーターレンズ12の光軸と屈折プリズム16aの入射側の端面の法線とがなす角が、屈折プリズム16bの射出側の端面の法線と対物レンズ20の光軸とがなす角よりも大きく設定されているため、発光点が開き角の小さい方向に沿って並んでいる場合には、屈折プリズム16a,16bにビーム整形の機能を持たせることができる。
【0052】
【第5の実施形態】
図6は、第5の実施形態にかかる光源装置10Eを含む光ヘッドの光学系を示す説明図である。
図6に示す光ヘッドの光学系は、光源装置10E、対物レンズ20、ビームスプリッター21、集光レンズ22、受光素子23を備えている。光源装置10Bは、多点発光の半導体レーザー11と、コリメーターレンズ12、そして屈折プリズム単体から成る光路補正素子17とを備えている。図6の光学系と図1に示される第1の実施形態の光学系との差異は、光路補正素子17が屈折プリズムのみで構成されている点と、この結果、光路が屈曲し、コリメーターレンズ12の光軸と対物レンズ20光軸とが角度を持つ点である。
【0053】
各発光点11a,11bから発したレーザー光は、コリメーターレンズ12により平行光とされ、光路補正素子17によって対物レンズ20の光軸に対して平行な状態とされ、両光路が重ねられる。対物レンズ20は、入射する平行光を収束させて各光ディスクD1,D2の記録面上にスポットを形成する。光ディスクからの反射光は、再び対物レンズ20を通って平行光となり、その一部がビームスプリッター21で反射され、集光レンズ22を介して受光素子23に到達する。
【0054】
第5の実施形態でも、上記の各実施形態と同様に、各波長のレーザー光の光路を重ねることができ、対物レンズ20によるけられや収差の発生を抑えることができる。上記の各実施形態のように屈折プリズムと回折面とを組み合わせて光路補正素子を構成した場合には、光路を屈曲させずに構成することが可能であるが、光路補正素子の構成が複雑となるためコストがかかる。これに対して、第5の実施形態のように光路補正素子を屈折プリズムのみで構成した場合には、光路が屈曲するための光学素子のレイアウトが複雑とはなるが、光路補正素子の構成は単純であるためコストを抑えることができる。
【0055】
さらに、第1の実施形態と同様、半導体レーザー11の発光点11a,11bが、発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでおり、コリメーターレンズ12の光軸と光路補正素子17の入射側の端面の法線とがなす角を、光路補正素子17の射出側の端面の法線と対物レンズ20の光軸とがなす角よりも小さくなるよう設定することにより、屈折プリズム17にビーム整形の機能を持たせている。
【0056】
次に、図6に示す第5の実施形態の配置を実現するための光路補正素子17の具体的な設計例を3例説明する。
(設計例8)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 665nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.14mm
プリズム17の各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
プリズム頂角 74.7790゜
プリズム射出角 69.1000゜
【0057】
(設計例9)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 665nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.35mm
プリズム17の各波長における屈折率 n(λ1)=1.824
n(λ2)=1.835
プリズム頂角 45.4616゜
プリズム射出角 45.0000゜
【0058】
(設計例10)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 465nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 5.73mm
プリズム17の各波長における屈折率 n(λ1)=1.635
n(λ2)=1.666
プリズム頂角 30.0000゜
プリズム射出角 55.6094゜
【0059】
【第6の実施形態】
図7は、第6の実施形態にかかる光源装置10Fを含む光ヘッドの光学系を示す説明図である。
図7に示す光ヘッドの光学系は、光源装置10F、対物レンズ20、ビームスプリッター21、集光レンズ22、受光素子23を備えている。光源装置10Fは、多点発光の半導体レーザー11と、コリメーターレンズ12、そして平行平面板18aの一面に回折面18bを形成して構成される光路補正素子18とを備えている。図7の光学系と図1に示される第1の実施形態の光学系との差異は、光路補正素子18が平行平面板18aと回折面18bとで構成されている点と、この結果、光路が屈曲し、コリメーターレンズ12の光軸と対物レンズ20光軸とが角度を持つ点である。
【0060】
各発光点11a,11bから発したレーザー光は、コリメーターレンズ12により平行光とされ、光路補正素子18によって対物レンズ20の光軸に対して平行な状態とされ、両光路が重ねられる。対物レンズ20は、入射する平行光を収束させて各光ディスクD1,D2の記録面上にスポットを形成する。光ディスクからの反射光は、再び対物レンズ20を通って平行光となり、その一部がビームスプリッター21で反射され、集光レンズ22を介して受光素子23に到達する。
【0061】
第6の実施形態でも、上記の各実施形態と同様に、各波長のレーザー光の光路を重ねることができ、対物レンズ20によるけられや収差の発生を抑えることができる。また、光路補正素子18をプリズムではなく平行平面板を利用して構成することにより、光路が屈曲するものの、光路補正素子18の構成を単純化し、かつ、配置スペースを小さくすることができる。
【0062】
さらに、第1の実施形態と同様、半導体レーザー11の発光点11a,11bが、発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでおり、コリメーターレンズ12の光軸と光路補正素子17の入射側の端面の法線とがなす角を、光路補正素子17の射出側の端面の法線と対物レンズ20の光軸とがなす角よりも小さくなるよう設定することにより、光路補正素子18にビーム整形の機能を持たせている。
【0063】
次に、図7に示す第6の実施形態の配置を実現するための光路補正素子18の具体的な設計例を説明する。
(設計例8)
第1の発光点11aの発光波長λ1 785nm
第2の発光点11bの発光波長λ2 660nm
回折面18bのブレーズ化波長λB 722nm
発光点間隔 0.100mm
コリメーターレンズ12の焦点距離 8.00mm
平行平面板18aの各波長における屈折率 n(λ1)=1.537
n(λ2)=1.540
n(λB)=1.538
光路差関数係数 P1=1.000×102
回折面傾斜角θ 0.0000゜
【0064】
なお、回折面を利用した第1,第2,第3,第4,第6のいずれの実施形態においても、光ディスクからの戻り光は回折面を透過せずに受光素子に導かれる。回折面には光量ロスの発生が不可避であるため、レーザー光が回折面を2回透過すると受光素子に達する光量が大幅に低下する。これに対して、各実施形態のようにレーザー光が回折面を1回のみ透過するよう構成することにより、受光素子に達する光量を十分に確保することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、所定の分散特性を持つ光路補正素子を設けることにより、多点発光の半導体レーザーを用いた場合にも、コリメーターレンズから射出する平行光の方向を揃えることができ、対物レンズによるけられや収差の発生を抑えることができる。
【0066】
また、屈折プリズムと回折面とを組み合わせて光路補正素子を構成することにより、光路を屈曲せさずに各光学素子を配置することができ、各素子のレイアウトを容易にすることができる。しかも、プリズム単体で光路補正素子を構成する場合と比較して、プリズムの頂角を小さくすることができ、素子の小型化を図ることが可能である。
【0067】
さらに、光路補正素子に屈折プリズムが含まれる場合には、レーザー光の開き角の方向に合わせてコリメーターレンズ側、対物レンズ側の角度を設定することにより、屈折プリズムにビーム形状を補正する効果を持たせることができる。したがって、別途ビーム整形用のプリズムを配置する必要がなく、部品点数を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態にかかる光源装置を使用した光ヘッドの光学系の説明図。
【図2】 回折面の微視的な形状と加工誤差との関係を示す説明図。
【図3】 第2の実施形態にかかる光源装置を使用した光ヘッドの光学系の説明図。
【図4】 第3の実施形態にかかる光源装置を使用した光ヘッドの光学系の説明図。
【図5】 第4の実施形態にかかる光源装置を使用した光ヘッドの光学系の説明図。
【図6】 第5の実施形態にかかる光源装置を使用した光ヘッドの光学系の説明図。
【図7】 第6の実施形態にかかる光源装置を使用した光ヘッドの光学系の説明図。
【符号の説明】
10A〜10F 光源装置
11 半導体レーザー
11a 第1の発光点
11b 第2の発光点
12 コリメーターレンズ
13〜18 光路補正素子
20 対物レンズ
21 ビームスプリッター
22 集光レンズ
23 受光素子
D1 第1の光ディスク
D2 第2の光ディスク

Claims (11)

  1. 光ディスクに対置された対物レンズに対してレーザー光を入射させる光ヘッド用光源装置において、
    微小間隔離れた複数の発光点からそれぞれ異なる波長のレーザー光を発する半導体レーザーと、
    前記各発光点から発したレーザー光を平行光にするコリメーターレンズと、
    所定の分散特性を有し、前記コリメーターレンズからそれぞれ異なる方向に向けて射出する前記各波長のレーザー光間の角度差を縮小する透過型の光路補正素子とを備え、前記光路補正素子は、屈折プリズムの入射側、あるいは射出側の端面に回折面を形成することにより構成されていることを特徴とする光ヘッド用光源装置。
  2. 前記光路補正素子は、該光路補正素子から射出する前記各波長のレーザー光の角度差をほぼ0度にすることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド用光源装置。
  3. 前記光路補正素子は、前記コリメーターレンズから射出する前記各波長のレーザー光の光路を重ねることを特徴とする請求項1または2に記載の光ヘッド用光源装置。
  4. 前記コリメーターレンズの射出側の焦点が、ほぼ前記光路補正素子の射出端面上に位置することを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド用光源装置。
  5. 前記回折面による光路長の付加量を表す光路差関数φ(h)は、一次の光路差関数係数P1、前記発光点の並び方向における回折面上の座標をyとして、
    φ(h)=P1
    で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ヘッド用光源装置。
  6. 前記回折面のブレーズ化波長をλ[mm]、前記光路補正素子のブレーズ化波長λに対する屈折率をn、回折面の傾斜角をθ[rad.]として、P1・λ/(n−1)+sinθ≦0を満たすことを特徴とする請求項に記載の光ヘッド用光源装置。
  7. 前記屈折プリズムの入射側の端面に前記回折面が形成され、射出側の端面は、前記対物レンズの光軸に対して傾斜する光束分離面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ヘッド用光源装置。
  8. 前記光路補正素子は、互いに貼り合わされた2つのプリズムと、入射側の端面に形成された前記回折面とを備え、貼り合わせ面が、前記対物レンズの光軸に対して傾斜する光束分離面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ヘッ
    ド用光源装置。
  9. 前記コリメーターレンズの光軸と前記屈折プリズムの入射側の端面の法線とがなす角と、前記屈折プリズムの射出側の端面の法線と前記対物レンズの光軸とがなす角とのいずれか一方が、ほぼ0度であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の光ヘッド用光源装置。
  10. 前記半導体レーザーの発光点が、該発光点から発するレーザー光の開き角が大きい方向に沿って並んでおり、前記コリメーターレンズの光軸と前記屈折プリズムの入射側の端面の法線とがなす角が、前記屈折プリズムの射出側の端面の法線と前記対物レンズの光軸とがなす角よりも小さいことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ヘッド用光源装置。
  11. 前記半導体レーザーの発光点が、該発光点から発するレーザー光の開き角が小さい方向に沿って並んでおり、前記コリメーターレンズの光軸と前記屈折プリズムの入射側の端面の法線とがなす角が、前記屈折プリズムの射出側の端面の法線と前記対物レンズの光軸とがなす角よりも大きいことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ヘッド用光源装置。
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