JP4096360B2 - 超電導ケーブルの端末構造及び超電導ケーブル線路 - Google Patents

超電導ケーブルの端末構造及び超電導ケーブル線路 Download PDF

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Description

本発明は、常温側と極低温側との間に配置される超電導ケーブルの端末構造、及びこの端末構造を具える超電導ケーブル線路に関するものである。特に、超電導ケーブルによる大容量送電を可能とする小型な超電導ケーブルの端末構造に関するものである。
超電導ケーブルの端末構造として、例えば、図6に示す構造のものが知られている(特許文献1参照)。図6は、従来の超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図である。この端末構造は、超電導ケーブル100の端部と、極低温にあるケーブル100と常温側との間で電気的導通をとる導体部110aと、導体部110aの一端側(ケーブル100との接続側)を収納する低温槽111と、低温槽111の外周を覆う真空容器112と、真空容器112の常温側に突設される碍管113とを具える。
超電導ケーブル100は、超電導導体を有するケーブルコア102を具えており、図6に示す構成では、コア102に導電性のリード部114が接続され、このリード部114及びジョイント部115を介して、超電導導体と導体部110aとが電気的に接続される。導体部110aは、通常、銅やアルミニウムなどの常電導材料にて形成され、低温槽111から真空容器112の断熱層112aを介して碍管113に亘って配置される。導体部110aは、FRPなどの絶縁材からなるブッシング110bに内蔵される。低温槽111には、リード部114の一端側(導体部110aとの接続側(図6では左方側))と、導体部110の一端側(超電導導体との接続側(同下方側))とを冷却する液体窒素などの冷媒が満たされる。碍管113は、導体部110aの他端側(図6では上方側)が収納され、絶縁油などの絶縁流体113aが充填される。なお、リード部114の外周は、リード部冷媒槽116が配置され、その外周には、リード部真空容器117が配置される。
特開2002-238144号公報
しかし、上記従来の端末構造では、ジュール損及び常温側から極低温側への侵入熱の双方の低減を図ろうとすると、小型化することが困難であるという問題がある。
超電導ケーブルは、液体窒素などの冷媒により極低温(例えば、約77K)に冷却することで超電導導体部分を超電導状態として抵抗を小さくし、大電流送電を可能にする。一方、超電導ケーブル線路の外部にある電力機器は常温で利用されているため、超電導ケーブルの端部において極低温から常温に引き出して、電力機器などに電力の供給が行われる。従って、超電導ケーブルと常温側とを接続する導体部は、超電導ケーブルと同等の電力を常温側に供給するべく、大電流が流されることになる。このとき、常電導材料で形成される導体部は、超電導導体と比較して抵抗が大きいため、大電流を流す場合、ジュール損が非常に大きくなる。
導体部において大電流の通電によるジュール損を低減するには、導体部の断面積(外径)を大きくして、抵抗を小さくすることが考えられる。しかし、導体部の断面積の大型化、大径化に伴って、常温側から極低温側への熱侵入が大きくなり、極低温側において超電導状態を十分に維持できない恐れがある。そこで、超電導状態を十分に維持するべく、上記熱侵入を低減する必要がある。しかし、例えば、低温槽に大型の冷凍機などを配置するなどして冷却能力を高めると、端末構造の大型化に加えて、高い冷却能力を維持するためのエネルギーが過大となり、超電導ケーブルを利用する効果が小さくなる。また、大型冷凍機を設置せず、導体部の長さを熱絶縁に十分な長さとする、即ち、長尺化すると、導体部の断面積の大型化に加えて長さをも大きくなるため、上記の場合と同様に端末構造が大型化して、実用的な大きさにすることが困難である。更に、導体部の長尺化により熱侵入を低減してもジュール損が増大するため、送電ロスの低減効果が小さくなる。
加えて、導体部の断面積を大型化、大径化した場合、それに伴ってブッシングの外径も大きくなる。このとき、低温槽に配されるブッシングの一端側は、冷媒による冷却時の収縮応力が大きくなり割れ易くなるなどといった機械的強度面の問題もある。
超電導ケーブルの端末構造は、設置箇所のスペースの制限などからより小型であることが望まれる。そこで、本発明の主目的は、ジュール損及び熱侵入によるロスを低減しながらより小型な超電導ケーブルの端末構造を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記超電導ケーブルの端末構造を具える超電導ケーブル線路を提供することにある。
本発明は、一つのブッシングに内蔵される導体部ひとつ当たりに流れる電流量を小さくすることで上記目的を達成する。
(分流方式)
導体部に流れる電流量を小さくする手法として、一つは、導体部を複数具え、超電導ケーブルに流れる電流を各導体部に分流させることを提案する。即ち、本発明は、冷媒にて冷却される超電導導体を有する超電導ケーブルの端末構造である。この端末構造には、前記超電導導体の端部と電気的に接続される複数の導体部と、これら導体部ごとに導体部を内蔵する複数のブッシングと、これら導体部の超電導導体との接続側が収納される低温槽とを具えることを特徴とする。
一つの導体部で大電流を流して、ジュール損を低減するべく抵抗を小さくするために導体部の断面積(外径)を大きくすると、熱絶縁を考慮して導体部を長くせざるを得ない。すると、ジュール損が増大してしまう。これに対し、本発明では、複数の導体部を並列に配置して、超電導ケーブルに流れる大電流を各導体部に分流させることで、ブッシングに内蔵される導体部一つ当たりに流れる電流を小さくして、ジュール損の低減を図る。ジュール損は、電流値の2乗に比例するため、電流値を小さくすることで、ジュール損の低減を図ることができる。従って、ブッシングに内蔵される導体部の断面積を過度に大きくする必要がないため、結果として熱絶縁に必要な長さを小さくする、具体的には、実用的な大きさとすることができる。また、上記導体部を短尺化することで、ジュール損をより低減することができる。
(電圧変化方式)
導体部に流れる電流量を小さくする別の手法として、超電導ケーブルに印加される電圧又は導体部に印加される電圧を変化させることを提案する。即ち、本発明は、冷媒にて冷却される超電導導体を有する超電導ケーブルの端末構造であって、前記超電導導体の端部と電気的に接続される導体部と、前記導体部を内蔵するブッシングとを具える。そして、前記超電導導体の端部と導体部との間に配置されて、超電導ケーブルに印加される電圧又は導体部に印加される電圧を大きさが異なる電圧に変化する電力変化機器と、前記導体部の電力変化機器との接続側及び電力変化機器が収納される低温槽とを具える構成を提案する。
電力は、電圧と電流との積で表わされる。従って、電力の大きさをそのままにして電流を変化させるには、電圧を変化させることが有効である。そこで、本発明では、超電導ケーブルに印加される電圧、又は導体部に印加される電圧を大きさが異なる電圧に変化可能な電力変化機器を具える。この電力変化機器は、送電方向に応じて適宜選択するとよく、例えば、大電流が流れる超電導ケーブルから常温側に送電を行う場合、電力変化機器は電圧を大きくできるものとし、同ケーブルに印加される電圧を電力変化機器で上げることで、同ケーブルに送電される電力量をそのままにして、ブッシングに内蔵される導体部に流れる電流を小さくして常温側に送電することができる。一方、常温側から超電導ケーブルに送電を行う場合、ブッシングに内蔵される導体部は、高電圧で電流値が小さい状態で送電を行う。そのため、電力変化機器は、電圧を小さくできるものとすることで、導体部に送電される電力量をそのままにして、超電導ケーブルに流れる電流を大きくすることができる。即ち、電圧変化方式では、ブッシングに内蔵される導体部において高電圧、小電流状態で送電し、超電導ケーブルにおいて小電圧、大電流状態で送電する構成である。ブッシングに内蔵される導体部には高電圧が印加されるため、導体部の断面積を小さくしても十分な電流を流すことができる。従って、この方式は、ブッシングに内蔵される導体部の断面積を小さくすることができ、熱絶縁に必要な距離をも小さくすることができるため、この導体部をより短尺化することができ、上記分流方式と比較して更に送電ロスを低減することが可能である。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明において超電導ケーブルは、超電導導体を有するケーブルコアを1本具える単相超電導ケーブルでもよいし、同ケーブルコアを複数具える多相超電導ケーブルでもよい。後者の場合、例えば、3本のケーブルコアを撚り合わせて断熱管に収納された三心一括型の三相超電導ケーブルが挙げられる。公知の単相超電導ケーブル、多相超電導ケーブルでもよい。
超電導導体は、例えば、Bi2223系超電導材料からなる線材を螺旋状に巻回することで形成するとよく、単層でも多層でもよい。多層とする場合、層間絶縁層を設けてもよい。層間絶縁層は、クラフト紙などの絶縁紙やPPLP(登録商標)などの半合成絶縁紙を巻回して設けることが挙げられる。超電導導体の外周には、PPLP(登録商標)などの半合成絶縁紙やクラフト紙などの絶縁紙を巻回して形成した電気絶縁層を具える。電気絶縁層の外周には、上記超電導導体と同様に構成したシールド層を具えてもよい。
超電導ケーブルでは、超電導導体が超電導状態を維持できるように、液体窒素などの冷媒により冷却する。従って、本発明端末構造において超電導ケーブルの端部は、例えば、冷媒が充填される低温槽に収納し、その外周は、断熱層を具える真空容器に配置するとよい。低温槽や真空容器は、強度に優れるステンレスなどの金属で構成することが好ましい。従来の真空容器や低温槽と同様の構成としてもよい。冷媒は、加圧状態で循環させてもよい。
超電導ケーブルの端部と後述する導体部との接続は、直接的に行ってもよいし、同端部にリード部を接続し、このリード部に導体部を接続させて間接的に行ってもよい。前者の場合、超電導ケーブルの端部を冷却する低温槽に導体部の一端側(同端部との接続側)を収納してもよい。後者の場合、導体部の一端側(超電導ケーブルとの接続側)を収納する低温槽と同端部を収納する低温槽とを別に配置してもよい。導体部用に別途低温槽を設けた場合、この低温槽も断熱層を具える真空容器内に配置するとよい。リード部は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの常電導材料により形成したものが利用できる。リード部の外周には、エポキシユニットや補強絶縁紙などの絶縁材を配置し、冷媒を満たしたリード部冷媒槽に収納してもよい。リード部冷媒槽は、断熱層を具えるリード部真空容器内に配置してもよい。
本発明では、超電導ケーブルの端部に導体部を接続して、極低温側と常温側との間の電力送電を行う。導体部は、超電導ケーブルの超電導導体と電気的導通をとることが可能なものであればよく、同ケーブルに使用される冷媒温度、例えば、冷媒として液体窒素を用いる場合、液体窒素の温度近傍においても電気的抵抗が小さい金属、例えば、銅やアルミニウム(共に、77Kの比抵抗ρ=2×10-7Ω・cm)などといった常電導材料にて形成することが挙げられる。この導体部は、絶縁機能を有するブッシングに内蔵させる。ブッシングは、絶縁材から形成してもよいし、ステンレスなどの金属筒の外周に絶縁材を具えた構成としてもよい。例えば、前者の場合、ブッシングは、導体部と一体に形成してもよい。後者の場合、金属筒の内側に導体部を挿通配置してもよい。絶縁材は、絶縁性樹脂、例えば、エチレンプロピレンゴムなどの絶縁ゴム材料、強化繊維プラスチック(FRP)などが挙げられる。FRPは、絶縁性能がより高くて好ましい。
上記導体部は、超電導ケーブルの端部に接続される一端側が低温側に配置され、他端側が常温側に配置される。導体部の低温側に配置される一端側は、低温槽内に配置し、常温側に配置される他端側は、碍管内などに配置する。碍管内には、絶縁油やSF6ガスなどの絶縁流体を充填させる。即ち、導体部は、低温槽から真空容器内の断熱層を経て碍管に亘って配置する。
分流方式において、超電導ケーブルの超電導導体(又はリード部)と導体部との接続は、例えば、導電性材料にて形成した分岐接続部を介して行うことが挙げられる。分岐接続部は、超電導導体(又はリード部)の端部と、導体部とを取り付け可能なものであれば特に構成は問わない。導電性材料は、超電導材料、常電導材料のいずれでもよく、常電導材料の場合、銅やアルミニウムなどが好ましい。
電圧変化方式では、超電導ケーブルの端末と導体部との間に、同ケーブルに印加される電圧、又は導体部に印加される電圧の大きさを変化可能な電力変化機器を具える。常温側から超電導ケーブルに向かって送電する場合、電力変化機器は、導体に印加される電圧の大きさを変化させる、具体的には、電圧の大きさを小さくできるものを用いるとよい。超電導ケーブルから常温側に向かって送電する場合、電力変化機器は、超電導ケーブルに印加される電圧の大きさを変化させる、具体的には、電圧の大きさを大きくできるものを用いるとよい。
また、電力変化機器は、常温側、超電導ケーブルの送電の種類(交流送電、直流送電)に応じて適宜選択するとよく、電圧の大きさを変化可能な機能、具体的には、変圧機能及び周波数変換機能の少なくとも一方を具えるものを利用するとよい。例えば、導体部又は超電導ケーブルに印加される交流電圧を大きさが異なる交流電圧又は直流電圧に変化可能なもの、即ち、AC/AC機器(変圧器)、AC/DC変換器、導体部又は超電導ケーブルに印加される直流電圧を大きさが異なる交流電圧又は直流電圧に変化可能なもの、即ち、DC/AC変換器、DC/DC変換器が挙げられる。表1に線路パターンと電力変化機器の例を示す。
Figure 0004096360
表1に示す各線路パターンは、左方の常温側Aから超電導ケーブルを介して右方の常温側Bに向けて送電を行う線路を示す。表1に示すような左方の常温側Aから超電導ケーブルを介して右方の常温側Bに向けて送電を行う線路において、常温側Aと超電導ケーブルとの間のみ、或いは超電導ケーブルと常温側Bとの間のみに電力変化機器を具えていてもよいし、表1に示すように常温側Aと超電導ケーブルとの間、及び超電導ケーブルと常温側Bとの間の双方に電力変化機器を具えてもよい。前者の場合、例えば、線路パターン4では、常温側Aと超電導ケーブルとの間のみに電力変化機器を具えてもよいし、線路パターン5では、超電導ケーブルと常温側Bとの間のみに電力変化機器を具えてもよい。後者において、例えば、表1に示す線路パターン1のように常温側A、B及び超電導ケーブルの双方が交流送電を行う線路の場合、電力変化機器は、変圧器(AC/AC機器)とし、常温側Aから超電導ケーブル側に送電を行う際に導体部に印加される電圧を小さくし、超電導ケーブル側から常温側Bに送電を行う際に超電導ケーブルに印加される電圧を大きくするとよい。また、常温側Bの送電の種類と超電導ケーブルの送電の種類とが異なる場合、例えば、線路パターン2のように常温側A及び超電導ケーブル:交流送電、常温側B:直流送電の場合、常温側Aと常温側Bに配置する電力変化機器はそれぞれ別の種類のもの(常温側A:AC/AC機器、常温側B:AC/DC変換器)を利用するとよい。
特に、表1に示す線路パターン3〜6のように超電導ケーブルが直流送電を行う場合、交流の場合よりも送電ロスを低減することができるため、更に低損失化を実現できて好ましい。このとき、常温側Aに配置される電力変換機器は、導体部に印加される交流電圧或いは直流電圧を大きさが異なる直流電圧に変化できるもの、具体的にはAC/DC変換器、DC/DC変換器、常温側Bに配置される電力変換機器は、超電導ケーブルに印加される直流電圧を大きさが異なる直流電圧に変化できるもの、具体的には、DC/AC変換器、DC/DC変換器を用いる。
AC/AC機器は、ACを直接ACに変換する交流直接変換としてもよいし、ACを一旦DCに変換し再度ACに変換する交流間接変換としてもよい。DC/DC変換器も同様に、DCを直接DCに変換する直流直接変換としてもよいし、DCを一旦ACに変換し再度DCに変換する直流間接変換としてもよい。また、これら電力変化機器は、超電導材料で形成された超電導機器でもよいし、常電導材料で形成された常電導機器でもよく、公知のものを利用してもよい。常電導機器の場合、超電導機器に比較して構成が容易であり、設備コストの削減にもなる。
上記電力変化機器及び導体部の電力変化機器との接続側は、低温槽に配置する。低温槽は、超電導ケーブルの端部(又はリード部の端部)を共に収納する場合、同ケーブルを冷却する液体窒素などの冷媒を充填するとよい。このとき、電力変化機器として超電導機器を利用する場合、超電導ケーブルの端部の冷却に用いられる冷媒を電力変化機器の冷却にも用いることができ、電力変化機器用の冷却機構を別途設ける必要がなく、冷却システムの効率化を図ることができる。
電力変化機器として、常電導機器を利用する場合、電力変化機器及び導体部の電力変化機器との接続側を収納する低温槽(以下、中温度槽と呼ぶ)と超電導ケーブルの端部を収納する低温槽(以下、冷媒槽と呼ぶ)とを別に設けると共に、超電導ケーブルの端部を冷却する冷媒の温度超常温未満の温度範囲に中温度槽を制御して、常電導機器をこの中温度槽に配置するとよい。従って、例えば、冷媒槽は、液体窒素などの液体冷媒を充填する液体冷媒層とし、中温度槽は、窒素ガスなどの気体冷媒を充填する気体冷媒層としてもよい。また、超電導状態を維持できる温度の液体冷媒を冷媒槽に、冷媒槽に充填した液体冷媒よりも温度の高い液体冷媒を中温度槽にそれぞれ充填してもよい。超電導ケーブルの端部を冷却する冷媒温度超常温未満の温度範囲に中温度槽内を制御するべく、冷媒槽と中温度槽との間は、断熱層を介在させて両槽を完全に分離させた状態、即ち、二段階の断熱構造とすることが好ましい。また、冷媒槽に配置される超電導ケーブルと、中温度槽に配置される電力変化機器とを個別に点検、整備、交換といったメンテナンスを行うことが可能なため、メンテナンス性がよく好ましい。中温度槽も、ステンレスなどの強度に優れる金属にて形成することが好ましい。
(分流及び電圧変化方式)
上記分流方式と電圧変化方式とを組み合わせて利用してもよい。例えば、超電導ケーブル線路において、超電導ケーブルの一端側に分流方式を構築し、他端側に電圧変化方式を構築してもよい。具体的には、例えば、表1に示すような常温側Aから超電導ケーブルを介して常温側Bに向けて送電を行う線路において、常温側Aと超電導ケーブルとの間において、分流方式を構築し、超電導ケーブルと常温側Bとの間において、電圧変化方式を構築してもよいし、常温側Aと超電導ケーブルとの間において、電圧変化方式を構築し、超電導ケーブルと常温側Bとの間において、分流方式を構築してもよい。また、超電導ケーブルの一端側のみで分流方式と電圧変化方式との双方を構築してもよい。即ち、上記電力変化機器を分流方式においても配置してもよい。具体的には、例えば、複数の導体部と超電導ケーブルの端部とを分岐接続部にて接続する場合、同ケーブルの端部と分岐接続部との間に上記電力変化機器を配置する構成が挙げられる。この構成により、例えば、超電導ケーブルから常温側に送電を行う場合、電力変化機器にて電圧を大きくすることで、導体部に送電する電流を小さくできると共に、この電流を更に複数の導体部に分流するため、各導体部に流れる電流がより小さくなる。従って、各導体部の断面積(外径)の更なる小面積化、かつ導体部の長さの更なる短尺化を図ることができる。従って、端末構造の更なる小型化を実現する。
上記本発明端末構造は、常温にて利用される電気機器や常電導ケーブルなどに接続される超電導ケーブル線路の終端部に構築することが適する。
本発明端末構造は、超電導ケーブルの端部において分流構造、及び電圧変化構造の少なくとも一方をとることで、同ケーブルによる大電流送電を可能にすると共に、同ケーブルの端部に接続される導体部一つあたりに流れる電流を小さくすることができる。そのため、ジュール損及び侵入熱の低減を実現すると共に、導体部を短尺化して実用的な大きさの端末構造を提供することができる。特に、電圧変化構造とする場合、更に断面積(外径)をも小さくできるため、導体部の更なる小型化を実現することができる。従って、超電導ケーブルの供給電力を低減することなく、端末構造自体を小型化することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(分流方式)
図1(A)は、本発明超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図であり、同ケーブルに流れる電流を分流させて複数の導体部に供給する例を示し、同(B)は分岐接続部の構造の概略を示す部分拡大図である。以下、図面において同一符号は、同一物を示す。この端末構造の基本的構造は、図6に示す従来の超電導ケーブルの端末構造と同様である。即ち、超電導ケーブルに具える超電導導体(図1では省略)の端部と電気的に接続される導体部10と、導体部10を内蔵するブッシング11と、導体部10の超電導導体との接続側(図1では下方側)が収納される低温槽12と、低温槽12の外周を覆う真空容器13と、真空容器13の常温側に配置される碍管14とを具える。本発明の特徴とするところは、上記導体部10を複数並列に具える点にある。以下、詳しく説明する。
本例で用いた超電導ケーブル100は、図5に示すようなケーブルコア102を3本撚り合わせて断熱管101に収納された三心一括型の三相超電導ケーブルである。断熱管101は、外管101aと内管101bとからなる二重管の間に断熱材(図示せず)が配置され、かつ二重管内が真空引きされた構成である。各ケーブルコア102は、中心から順にフォーマ200、超電導導体201、電気絶縁層202、シールド層203、保護層204を具える。超電導導体201は、フォーマ200上に超電導線材を多層に螺旋状に巻回して構成される。電気絶縁層202は、半合成絶縁紙を巻回して構成される。シールド層203は、電気絶縁層202上に超電導導体201と同様の超電導線材を螺旋状に巻回して構成される。このシールド層203には、定常時、超電導導体201に流れる電流と逆向きでほぼ同じ大きさの電流が誘起される。この誘導電流により生じる磁場にて、超電導導体201から生じる磁場を打ち消し合い、ケーブルコア102外部への漏れ磁場をほぼゼロにすることができる。内管101bと各ケーブルコア102とで囲まれる空間103が通常、冷媒の流路となる。断熱管101の外周には、ポリ塩化ビニルからなる防食層104が設けられている。なお、以下の実施例についても図5に示す三相超電導ケーブルを利用している。
上記超電導ケーブル100を外部の電気機器や常電導ケーブルなどと接続する場合、ケーブル端部においてケーブルコア毎(相毎)に分岐して、端末構造を形成する。図1は、1本のケーブルコアにおける端末構造を示しており、三相超電導ケーブルの場合、このような端末構造が他に2つ形成される。本例では、分岐させた各ケーブルコアの端部にアルミニウム製のリード部114をそれぞれ接続している。リード部114の外周には、絶縁機能と機械的強度とを有するエポキシユニット114aを配置すると共に、クラフト紙などの絶縁材114bを配置させている。そして、リード部114の超電導ケーブルとの接続側を液体窒素などの冷媒116aを充填させたリード部冷媒槽116に収納させ、リード部冷媒槽116は、リード部真空容器117に収納させている。リード部真空容器117は、真空容器13と接続させており、真空容器117の端面と低温槽12の端面との間には、FRP製の固定治具118を配置している。
リード部114の導体部10との接続側は、低温槽12に収納させている。低温槽12は、ステンレスにて形成し、同様にステンレスにて形成した真空容器13内に収納させている。低温槽12と真空容器13との間には、断熱層13aを具える。低温槽12内は、液体窒素などの冷媒12aを循環させる構成である。各導体部10に対し、それぞれ別個の低温槽に配置してもよいが、容器構成を簡素化するべく、本例では、複数の導体部10を一つの低温槽12に収納する構成とした。
そして、リード部の端部と複数の導体部10とは、分岐接続部15を介して接続させている。本例において分岐接続部15は、図1(B)に示すようにリード部114に接続されるブロック部15aと、ブロック部15aと各導体部10とを接続する連結部15bとを具える構成である。ブロック部15aは、銅製のブロック状部材を用いており、リード部114との接続箇所に取付部15cを具える。連結部15bは、銅製の編組材からなり、リード部114との接続箇所及び導体部10との接続箇所にそれぞれ取付部15dを具える。可撓性のある編組材を用いることで、ブロック部15aへの取付作業、導体部10への取付作業が行い易く、また、導体部10やリード部114などの熱伸縮を吸収することができる。本例では、ボルトなどの締め付け金具によりリード部114とブロック部15a、ブロック部15aと各導体部10を接続している。
各導体部10はそれぞれ、液体窒素の温度近傍において電気的抵抗が小さい銅にて形成した。また、各導体部10はそれぞれ、異なるブッシング11の内側に配置している。ブッシング11は、ステンレス製の筒状体の外周に絶縁性に優れるFRPからなる絶縁材を具える構成である。ブッシング11の上端(常温側に配置される端部)には、銅製の上部シールド11aを設けている。これら導体部10及びブッシング11は、低温槽12から断熱層13aを介して碍管14に亘って配置され、導体部10の一端側が上記分岐接続部15に接続される。なお、碍管14には、絶縁油などの絶縁流体14aを充填させている。
本例に示す端末構造では、上記導体部10を複数(図1に示す例では4本)具えており、これらを並列に配置させている。この構成により、超電導ケーブルに大電流が流れており、この電流量と同等の電流量を常温側に供給する場合、同ケーブルからの電流は、分岐接続部15を介して各導体部10にそれぞれ分流され、一つの導体部10に流れる電流量を小さくできるため、ジュール損の低減を実現する。従って、各導体部10の断面積(外径)を過度に大きくする必要がなく、常温側から極低温側への熱侵入を低減し、導体部10において熱絶縁に必要とされる長さを小さくすることができ、導体部10を従来よりも短くしても十分に熱絶縁性を維持することが可能である。このように本発明は、超電導ケーブルに流れる電流量と同等の電流量を供給することができながら、端末構造を小型化しても、熱絶縁性能を低下させることがなく、ジュール損などの送電ロスも小さくすることを実現する。なお、複数の導体部10に流れる電流を合わせると、超電導ケーブルに流れる電流量と同等の電流量となり、常温側に同ケーブルに流れる電流量と同等量を供給することができる。
また、常温側から超電導ケーブル側に送電を行う場合、各導体部10に流れる電流が分岐接続部15にて集められることで、同ケーブルへの電流を大きくすることができる。このように本発明端末構造は、超電導ケーブルにおいて大電流を流し、異なるブッシング11にそれぞれ内蔵される各導体部10においてそれぞれ小電流を流す構成である。
この例では、多相超電導ケーブルを示したが、単相超電導ケーブルでも利用できる。この点は、以下の実施例についても同様である。また、この例では、導体部を4本としたが、超電導ケーブルに流れる電流量に応じて適宜変更するとよい。更に、この例では、ケーブルコアの端部にリード部114を接続させた構成としているが、同端部を分岐接続部15に連結する構成としてもよい。このとき、ケーブルコアの端部を低温槽12に収納するとよい。この点も、以下の実施例についても同様である。
(電圧変化方式1)
上記実施例1では、超電導ケーブルに流れる電流を分流させることで、導体部を短尺化する構成を説明した。この例では、超電導ケーブルに印加される電圧、又は導体部に印加される電圧の大きさを変化させることで導体部に流れる電流を小さくし、導体部の断面積の小型化、短尺化を実現する構成を説明する。図2は、本発明超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図であり、同ケーブルの端部と導体部との間に電圧の大きさを変化させる電力変化機器を具える例を示す。
図2に示す端末構造は、基本的構成は図1に示す超電導ケーブルの端末構造と同様であり、超電導ケーブル100(ケーブルコア102)の端部と電気的に接続される導体部20と、導体部20を内蔵するブッシング21と、導体部20の同ケーブルとの接続側が収納される低温槽22と、低温槽22の外周を覆うと共に断熱層23aを有する真空容器23と、真空容器23の常温側に配置される碍管24とを具える。即ち、本例に示す超電導ケーブルの端末構造は、図6に示す従来の超電導ケーブルの端末構造と同様に導体部20を一つ具える構成である。導体部20及びブッシング21の各構成は、実施例1と同様であり、ブッシング21の上端には銅製の上部シールド21aを設けている。ケーブルコア102の端部には、実施例1と同様にリード部114を設けている。そして、本発明の特徴とするところは、リード部114の端部と導体部20との間に超電導ケーブル100に印加される電圧の大きさを変化する電力変化機器25を具える点にある。以下、この点を詳しく説明する。
本例において電力変化機器25は、超電導ケーブルに印加される交流電圧を交流電圧に昇圧可能なAC/AC機器を用いた。また、電力変化機器25は、超電導材料にて形成された超電導機器とし、低温槽22に配置させることで、リード部114の電力変化機器25との接続側や導体部20の電力変化機器25との接続側の冷却に用いる液体窒素などの冷媒22aを電力変化機器25の冷却にも利用することができる。電力変化機器を構成する一対のコイルにおいて導体部20と接続されるコイルは、一端を導体部20に接続し、他端を接地しており、リード部114と接続されるコイルは、一端をリード部114に接続し、他端を超電導ケーブル100のアース(図示せず)に接続している。
超電導ケーブルに供給される電力は、電圧と電流との積で表わされる。そのため、超電導ケーブル100から常温側に送電するにあたり、上記電力変化機器25によりケーブル100に印加される電圧を昇圧させることで、導体部20への電流を小さくすることができる。従って、導体部20でのジュール損を低減できるため、実施例1と同様に導体部20の長さを短くできる。加えて、導体部20には、高電圧が加えられるため、導体部20の断面積(外径)を小さくしても十分電流を流すことができる。そのため、導体部20の断面積の小面積化をも実現することが可能である。従って、導体部20を従来よりも細く短くしても、十分に熱絶縁性を維持できる。また、導体部20の小面積化によりブッシング21をも小さくすることができるため、冷却時の割れなどを低減することができる。なお、導体部20は、電流量が小さくても電圧が高いため、超電導ケーブル100に供給される電力量と同等とすることができる。このように本発明は、超電導ケーブルの電力量と同等の電力量を供給することができながら、端末構造をより小型化しても、熱絶縁性能を低下させることがなく、ジュール損などの送電ロスをも小さくすることができる。
この例では、電力変化機器として、昇圧可能な交流直接変換機器を用いたが、超電導ケーブル及び常温側の送電の種類(直流又は交流)、送電方向(超電導ケーブルから常温側への送電、又は常温側から超電導ケーブルへの送電の場合)に応じて適宜変更するとよい。具体的には、送電の種類によって、交流間接変換機器、DC/DC変換器(直流直接変換機器、又は直流間接変換機器)、AC/DC変換器、DC/AC変換器のいずれかを利用するとよい。また、超電導ケーブルから常温側への送電の場合、超電導ケーブルに印加される電圧を大きくできるもの、常温側から超電導ケーブルへの送電の場合、導体部に印加される電圧を小さくできるなものを利用するとよい。この点は、後述する実施例についても同様である。更に、本例では、電力変化機器として超電導機器を利用したが、常電導材料にて形成した常電導機器を利用してもよい。常電導機器を低温槽に配置する場合、常電導材料は、銅やアルミニウムなどの液体冷媒温度においても抵抗の低い材料を用いることが好ましい。
(電圧変化方式2)
上記電圧変化方式1では、真空容器23内に低温槽22のみを具える場合を示したが、リード部114を収納する低温槽と、導体部20の電力変化機器25との接続側及び電力変化機器25を収納する低温槽とを別個に具え、各低温槽の温度を変化させてもよい。図3は、本発明超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図であり、電力変化機器を中温度槽に具える例を示す。
図3に示す端末構造は、基本的構成は図2に示す超電導ケーブルの端末構造と同様であり、超電導ケーブルの端部に接続されるリード部114、リード部114と電気的に接続される導体部20、導体部20とリード部114とに接続される電力変化機器26、導体部20の電力変化機器26との接続側及び電力変化機器26を収納する低温槽(中温度槽)30、中温度槽30を収納する真空容器23、真空容器23の常温側に突設される碍管24を具える。本発明の特徴とするところは、超電導ケーブルを冷却する冷媒の温度超常温未満の温度範囲に中温度槽30の温度を制御すると共に、真空容器23内にリード部114を収納する低温槽(冷媒槽)31を具える点にある。以下、この点を中心に説明する。
本例において冷媒槽31は、液体冷媒を充填させた液体冷媒層31aとし、中温度槽30は、気体冷媒を充填させた気体冷媒層30aとしている。冷媒槽31と中温度槽30との間は、断熱層23aとしており、冷媒槽31から中温度槽30への熱侵入を抑制する構成である。
本例において中温度槽30及び冷媒槽31は、強度に優れるステンレスにて形成した。気体冷媒層30aには、窒素ガスを充填しており、冷媒槽31に充填させている液体冷媒(液体窒素、例えば、約77K)よりも温度が高く常温よりも温度が低い状態を維持できるように、中温度槽30に温度調節装置(図示せず)を接続させている。この温度調節装置によって気体冷媒層30aの温度制御を行うことにより、例えば、中温度槽30の気体冷媒を約170K(約-100℃)に制御することができる。また、真空容器23内に温度の異なる中温度槽30と冷媒槽31とを具えることで、温度勾配を設けることができる。なお、本例では、中温度槽30の冷媒として気体冷媒を用いたが、気体でなくてもよい。
そして、本例では、超電導ケーブルに印加される電圧を昇圧する電力変化機器26(この例ではAC/AC機器)を中温度槽30に配置させている。中温度槽30は、超電導状態を維持する温度である必要がない。そのため、電力変化機器26は、常電導材料からなる常電導機器を利用することができる。常電導機器は、電力変化機器25のような超電導機器と比較して、超電導状態を維持するための冷媒が不要であり、冷媒コストを低減することができる。
リード部114と電力変化機器26との接続は、銅製の部材32にて行い、この部材32の断熱層23aに配置される箇所には、電気的絶縁をとるべく外周に電気絶縁層33を設けている。
(分流及び電圧変化方式1)
上記実施例1と上記実施例2とを組み合わせた構成としてもよい。図4は、本発明超電導ケーブルの端末構造において、超電導ケーブルの端部(リード部の端部)と導体部との接続部分を示す概略構成図である。なお、図4では、低温槽、真空容器を省略している。
一つの導体部40に流れる電流量を更に小さくする方法として、複数の導体部40を具えることに加えて、超電導ケーブルに印加される電圧又は導体部に印加される電圧の大きさを変化する電力変化機器27を具える構成が挙げられる。例えば、図4に示すようにリード部114の端部と分岐接続部15との間に電力変化機器27を配置し、超電導ケーブルに印加される電圧を昇圧させて電流を小さくし、この電流を分岐接続部15を介して各導体部40にそれぞれ分流させる構成としてもよい。電力変化機器27により超電導ケーブルに印加される電圧を昇圧して導体部40への電流を小さくすることに加えて、更に小さくなった電流を複数の導体部40にて分流することで、各導体部40に流れる電流をより小さくすることができる。従って、導体部40の断面積(外径)及び長さをより小さくすることができ、導体部40の更なる小型化を実現する。
(分流及び電圧変化方式2)
超電導ケーブルの一端側に実施例1の端末構造を具え、他端側に実施例2の端末構造を具える線路を構築してもよい。例えば、常温側Xから超電導ケーブルを介して常温側Yに向けて送電を行う線路において、常温側Xと超電導ケーブルとの間に実施例1の端末構造を構築し、超電導ケーブルと常温側Yとの間に実施例2の端末構造を構築する。このとき、常温側Xから送電を行うと、常温側では、各導体部にそれぞれ電流が分流されて流れるため、導体部一つ当たりに流れる電流を小電流とすることができる。そして、超電導ケーブル部分では、各導体部に流れる電流が分岐接続部にて集められるため、大電流を流すことができる。超電導ケーブルから常温側Yに向かっては、電力変化機器によって、ケーブルに印加される電圧が大きくなることで、電流値が小さくされ、常温側Yの導体部に小電流を流すことができる。
本発明端末構造は、超電導ケーブルの終端部の形成に好適であり、単相超電導ケーブル、多相超電導ケーブルのいずれにも利用することができる。また、交流線路、直流線路のいずれにも利用することができる。
(A)は、本発明超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図であり、同ケーブルに流れる電流を分流させて複数の導体部に供給する例を示し、(B)は、分岐接続部の概略構造を示す部分拡大図である。 本発明超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図であり、同ケーブルの端部と導体部との間に電圧を変化させる電力変化機器を具える例を示す。 本発明超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図であり、電力変化機器を中温度槽に具える例を示す。 本発明超電導ケーブルの端末構造において、超電導ケーブルの端部と導体部との接続部分を示す概略構成図である。 三心一括型の三相超電導ケーブルの概略を示す断面構成図である。 従来の超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図である。
符号の説明
10,20,40 導体部 11,21,41 ブッシング 11a,21a 上部シールド
12,22 低温槽 12a,22a 冷媒 13a,23a 断熱層 13,23 真空容器
14,24 碍管 14a 絶縁流体 15 分岐接続部 15a ブロック部
15b 連結部 15c,15d 取付部 25〜27 電力変化機器 30 中温度槽
30a 気体冷媒層 31 冷媒槽 31a 液体冷媒層 32 銅製の部材
33 電気絶縁層
100 超電導ケーブル 101 断熱管 101a 外管 101b 内管
102 ケーブルコア 103 空間 104 防食層
110a 導体部 110b ブッシング 111 低温槽 112 真空容器
112a 断熱層 113 碍管 113a 絶縁流体 114 リード部
114a エポキシユニット 114b 絶縁材 115 ジョイント部
116 リード部冷媒槽 116a 液体冷媒 117 リード部真空容器
118 固定治具
200 フォーマ 201 超電導導体 202 電気絶縁層 203 シールド層
204 保護層

Claims (12)

  1. 冷媒にて冷却される超電導導体を有する超電導ケーブルの端末構造であって、
    前記超電導導体の端部と電気的に接続される複数の常電導の導体部と、
    これら導体部ごとに導体部を内蔵する複数のブッシングと、
    これら導体部の超電導導体との接続側が収納される低温槽とを具えることを特徴とする超電導ケーブルの端末構造。
  2. 前記超電導導体の端部と電気的に接続されるブロック部と、
    前記ブロック部から分岐して各導体部に電気的に接続される複数の連結部とを有する分岐接続部を具えることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  3. 前記連結部は、導電性の編組材と、編組材の両端部に設けられる取付部とを有し、
    一方の取付部が前記ブロック部に、他方の取付部が前記導体部に接続されることを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  4. 前記各連結部は、前記ブロック部の長手方向と交差する方向で同じ方向に延びるように取り付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  5. 冷媒にて冷却される超電導導体を有する超電導ケーブルの端末構造であって、
    前記超電導導体の端部と電気的に接続される常電導の導体部と、
    前記導体部を内蔵するブッシングと、
    前記超電導導体の端部と導体部との間に配置されて、導体部に印加される電圧、又は超電導ケーブルに印加される電圧を大きさが異なる電圧に変化する電力変化機器と、
    前記導体部の電力変化機器との接続側及び電力変化機器が収納される低温槽とを具えることを特徴とする超電導ケーブルの端末構造。
  6. 超電導ケーブルは、直流送電ケーブルであり、
    電力変化機器は、導体部に印加される交流電圧或いは直流電圧、又は超電導ケーブルに印加される直流電圧を大きさが異なる直流電圧に変化することを特徴とする請求項5に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  7. 複数の導体部と超電導導体の端部とを接続する分岐接続部を具え、
    電力変化機器は、超電導導体の端部と前記分岐接続部との間に配置されることを特徴とする請求項5又は6に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  8. 電力変化機器は、超電導材料で形成された超電導機器であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の超電導ケーブルの端末構造。
  9. 電力変化機器は、常電導材料で形成された常電導機器であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の超電導ケーブルの端末構造。
  10. 低温槽は、超電導ケーブルの端部を冷却する冷媒温度超常温未満の温度範囲に制御されていることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の超電導ケーブルの端末構造。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の超電導ケーブルの端末構造を具えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  12. 超電導ケーブルの一端側に請求項1に記載の端末構造を具え、同他端側に請求項5に記載の端末構造を具えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
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