JP4096152B2 - Dielectric composition - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、誘電率が高い積層コンデンサに用いられる平均粒子径が0.05〜0.5μmであり、結晶構造が正方晶であって結晶性が高い球状の誘電体粒子粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器の小型化、高性能化及び軽量化に伴い、電子機器部品、例えば積層コンデンサについても更なる特性改善が望まれている。
【0003】
即ち、積層コンデンサにおいては、小型化、高性能化の要求に伴い、高い誘電率を有し、温度依存性が低いことが要求されている。
【0004】
周知の通り、積層コンデンサにはペロブスカイト化合物であって高い誘電率を有するチタン酸バリウム粒子粉末が多用されており、積層コンデンサに用いられるチタン酸バリウム粒子粉末は、凝集がなく分散性に優れ、緻密で純度が高く、誘電特性が優れていることが強く要求されている。
【0005】
前記諸特性を満たすチタン酸バリウム粒子粉末としては、粒子形状が球状を呈し、粒度分布に優れていることが必要であり、また、誘電特性を考慮した場合には、Ba/Tiが可及的に1.0に近く、結晶系が正方晶であることが必要である。
【0006】
チタン酸バリウム粒子粉末の製造法としては、チタン化合物とバリウム化合物を混合して1000℃以上の高温で焼成する固相反応及び溶液中でバリウムとチタンを反応させる湿式反応が知られている。
【0007】
前記固相反応で得られるチタン酸バリウム粒子粉末は、平均粒子径が大きいので、焼成した粉末を粉砕して用いることから粒度分布が悪く、形状も分散に適しているとは言い難いものであった。そこで、前記湿式反応によってチタン酸バリウム粒子粉末を製造することが行われている。
【0008】
湿式反応において、Ba/Tiが可及的に1.0に近いチタン酸バリウム粒子粉末を得るためには、「Ba/Ti=1のBaTiOを合成するには比較的多量のBa2+を必要とする。本研究では合成物中のBa/Ti比を1にするには、混合に際してBa/Ti=8にする必要があることが判明した。それ以下のBa/Tiの場合ではバリウム不足のチタン酸バリウムが得られる」(日本化学会誌、No.7、1155(1974))なる記載の通り、Tiに対して過剰のBaを添加する必要がある。
【0009】
正方晶のチタン酸バリウム粒子粉末を得るためには、800℃以上の高温で加熱処理して立方晶から正方晶へ結晶系を変態させる必要があるが、高温で加熱処理すると粒子間の焼結が生じやすく、得られるチタン酸バリウム粒子粉末は粒子形状が多角形となり、粒度分布も十分とは言い難いものであった。
【0010】
従来、チタン酸バリウム粒子粉末を湿式反応によって製造する方法として、特開昭61−31345号公報、特開昭62−72525号公報、特許第2999821号公報及び特開平5−330824号公報、特開平8−119745号公報記載の各方法が知られている。また、チタン酸バリウム粒子粉末の粒子表面をシリカ等で被覆することが特開昭61−111957号公報、特開平7−330427号公報、特表2000−509703号公報等に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記諸特性を満たすチタン酸バリウムは現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
【0012】
即ち、前出特開昭61−31345号公報記載の方法においては、チタン酸バリウム粒子粉末を合成した後、未反応のバリウムを不溶化処理して、Ba/Tiが1.00であるチタン酸バリウム粒子粉末を得ているが、立方晶のチタン酸バリウムとBa化合物の混合物であり,正方晶のチタン酸バリウム単体とするには前記固相反応と同様な高温が必要であり生成した正方晶のチタン酸バリウム粒子の粒度分布は十分とは言い難い。
【0013】
また、前出特開昭62−72525号公報には、四塩化チタンの水溶液にバリウム化合物を溶解し、アルカリ水溶液を添加し、水熱合成する方法が記載されているが、得られるチタン酸バリウム粒子粉末を仮焼した場合には、後出比較例に示す通り、単一な結晶ではないため、高い誘電特性を有するとは言い難いものである。
【0014】
また、前出特許第2999821号公報には、過剰のバリウムとチタンを反応させてチタン酸バリウム粒子粉末を得て、仮焼した後、過剰のバリウムを酸洗する方法が記載されているが、粒子形状は直方体であり、また、酸洗ではチタン酸バリウム結晶中のBaも溶出しやすくBa/Ti比の制御が困難である。同時に、酸洗することからチタン酸バリウム粒子粉末の粒子表面の結晶性も低下するため好ましくない。
【0015】
また、前出特開平5−330824号公報には、チタン化合物とバリウム化合物とを過酸化水素水を添加して湿式反応させる方法が記載されているが、得られるチタン酸バリウム粒子粉末は立方晶であり、正方晶のチタン酸バリウムにするには仮焼が必要となる。また、該公報に「[0071]また、900〜1300℃で仮焼すると正方晶チタン酸バリウムが得られる。この場合、温度が低く、粒子径が大きいと球状になる。そして、粒子径が小さかったり、高温で仮焼すると直方体状単結晶粉末となる。」なる記載の通り、平均粒子径の小さな粒子、殊に、平均粒子径が0.5μm以下の微細なチタン酸バリウム粒子粉末では正方晶の球状チタン酸バリウム粒子を得ることは困難である。
【0016】
また、後出比較例に示す通り、特開平5−330824号公報記載の実施例5に従い湿式反応を行い、生成物を水洗、濾過、乾燥しBa/Ti比が1.002の立方晶チタン酸バリウムを得、この物を、1020℃で仮焼しX線回折で測定したところ、BaTiO以外のピークが現れ(BaTiと推察)、仮焼後の粒子粉末は単一な結晶ではないため、誘電特性に優れるとは言い難いものである。
【0017】
また、前出特開平8―119745号公報には、バリウム水酸化物とチタン水酸化物との混合物を水熱反応させて、チタン酸バリウム粒子粉末を得る方法が記載されているが、得られる粒子粉末は立方晶であり、また、後出比較例に示す通り、この粒子粉末を仮焼した場合には、単一な結晶ではなく、誘電特性に優れるとは言い難いものである
【0018】
また、前出特開昭61−111957号公報には、Bi、B、Pb及びWから選ばれる元素の酸化物からなる低融点物質と立方晶のチタン酸バリウムとを混合・焼成する技術が記載されているが、立方晶のチタン酸バリウムを用いて焼成するため、低沸点物質とチタン酸バリウムとが反応し一部固溶体を形成するため誘電率が高い誘電体とは言い難いものである。
【0019】
また、前出特開平7−330427号公報には、チタン酸バリウム粒子の粒子表面をアルミナで被覆すると共に、ガラス成分を加えて焼成する技術が記載されているが、ガラス成分が少ない場合には、反応によるボイドの発生や誘電率の低下することが記載されており、少ないシリカの添加量でチタン酸バリウム粒子の誘電性を向上させるものではない。
【0020】
また、前出特表2000−509703号公報には、粒子表面が金属酸化物、金属水和酸化物、金属水酸化物又は有機酸塩によって被覆されたチタン酸バリウム粒子が記載されているが、該公報記載の発明は表面被覆と粒度分布を制御することによって分散性を向上させることを目的としており、焼結防止効果を目的とするものではなく、また、結晶系及び結晶性については考慮されていない。
【0021】
また、前出特許3146961号公報には、チタン酸バリウム粒子にSi成分を含有させることが記載されているが、結晶系については考慮されておらず、Si成分とチタン酸バリウムが固溶することによって誘電性に寄与する割合が減少するため、誘電率が低下する傾向にある。
【0022】
そこで、本発明は、凝集がなく分散性に優れ、緻密で純度が高く、誘電特性に優れている球状の誘電体粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
【0023】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0024】
即ち、本発明は、Ba/Ti比が0.99〜1.01であって結晶系が正方晶である球状チタン酸バリウム粒子粉末の粒子表面にSi、Y、Ndから選ばれる一種又は二種以上の元素の酸化物からなる焼結防止剤が前記球状チタン酸バリウム粒子粉末に対して0.01〜3.0重量%被覆されており、平均粒子径が0.05〜0.5μmであって粒度分布σgが0.70以上であることを特徴とする誘電体粒子粉末であり、該誘電体粒子粉末は、水酸化チタンコロイドにバリウム塩水溶液を添加してチタン酸バリウム核粒子を生成させる際に、前記バリウム塩水溶液のバリウムのモル数に対して1〜60mol%のカルボン酸を存在させておき、且つ、チタンとバリウムとの比(Ba/Ti)を1.00〜1.10とし、次いで、前記チタン酸バリウム核粒子を含む反応溶液を100〜350℃の温度範囲で水熱処理して立方晶の球状チタン酸バリウム粒子を得、水洗後、該球状チタン酸バリウム粒子の粒子表面をSi、Y、Ndから選ばれる一種又は二種以上の元素の化合物からなる焼結防止剤で被覆した後、800〜1200℃の温度範囲で仮焼してチタン酸バリウム粒子の結晶系を正方晶にすることで得ることができる。
【0025】
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。以下、本発明に係る「誘電体粒子粉末」を「誘電体組成物」と表すものとする。
【0026】
本発明に係る誘電体組成物の平均粒子径は0.05〜0.5μmであって粒度分布σgは0.70以上である。
【0027】
平均粒子径が0.05μm未満の場合には、成型加工した場合に、充填密度が低く焼結時の収縮が大きくなる。0.5μmを超える場合には、積層コンデンサの誘電体層の薄層化が困難となる。好ましくは0.05〜0.4μmである。
【0028】
粒子径の粒度分布σgが0.7未満の場合には、存在する粗大粒子によって積層コンデンサの誘電体層の厚みが不均一になる。好ましくは0.75以上である。上限値は0.9が好ましい。
【0029】
本発明に係る誘電体組成物の球形度(最長径/最短径)は1.0以上2.0未満が好ましく、より好ましくは1.0〜1.4、最も好ましくは1.0〜1.3である。
【0030】
本発明に係る誘電体組成物のBET比表面積値は2〜20m/gが好ましい。2m/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、分散性が損なわれやすい。BET比表面積値が20m/gを超える場合には、粒子の微細化による表面吸着力の増大により凝集を起こしやすいため、分散性が低下する。
【0031】
本発明における球状チタン酸バリウム粒子粉末のバリウムとチタンの組成比(Ba/Ti)は0.99〜1.01、好ましくは0.99〜1.008である。Ba/Ti比が前記範囲外の場合には、積層コンデンサとした場合に高い誘電性を有する積層コンデンサを得ることが困難となる。
【0032】
本発明における球状チタン酸バリウム粒子粉末の結晶系は正方晶である。結晶系が立方晶の場合には、結晶性が不十分なために、積層コンデンサとした場合に、コンデンサとしての物理的特性や電気的特性が低下する。
【0033】
本発明における球状チタン酸バリウム粒子粉末の結晶性は格子定数のa軸長及びc軸長を用いて、((c/a)−1)×10で示した場合に、5以上であることが好ましく、より好ましくは7以上である。結晶性が0に近いほど、結晶系が立方晶に近いことを示すため好ましくない。上限値は16である。
【0034】
本発明に係る誘電体組成物は球状チタン酸バリウム粒子の粒子表面がSi、Y、Ndから選ばれる一種又は二種以上の元素の酸化物からなる焼結防止剤によって被覆されている。
【0035】
チタン酸バリウム粒子の粒子表面が焼結防止剤で被覆されていない場合には、仮焼時に粒子間の焼結や粒子の肥大化を抑制することができないため、仮焼温度を高くすることができず、高い誘電率を有する誘電体を得ることが困難となる。焼結防止剤としてはSi酸化物、Y酸化物が好ましい。
【0036】
球状チタン酸バリウム粒子粉末に対する焼結防止剤の被覆量はチタン酸バリウム粒子粉末に対して0.01〜3.0重量%であり、好ましくは0.01〜1.5重量%、より好ましくは0.02〜0.5重量%である。
【0037】
焼結防止剤による被覆量が0.01重量%未満の場合には、目的とする焼結防止効果が十分とは言い難い。3.0重量%を超える場合には効果が飽和するばかりではなく、最終的なコンデンサとしたときに容量が低下するため、必要以上に添加する意味がない。
【0038】
本発明においては、焼結防止剤の被覆量が少量であるため、用いる球状チタン酸バリウム粒子の粒子サイズは目的物である誘電体組成物の粒子サイズとほぼ同程度であり、チタン酸バリウム粒子の平均粒子径は0.05〜0.5μmが好ましく、粒度分布σgは0.70以上が好ましい。
【0039】
次に、本発明に係る誘電体組成物の製造法について述べる。
【0040】
本発明に係る誘電体組成物は、水酸化チタンコロイドに、バリウム塩水溶液を、該バリウム塩水溶液のバリウムのモル数に対して1〜60mol%のカルボン酸の存在下において、添加してチタン酸バリウム核粒子を生成させ、次いで、該チタン酸バリウム核粒子を含む反応溶液を100〜350℃の温度範囲で水熱処理して立方晶の球状チタン酸バリウム粒子を得、水洗後、該球状チタン酸バリウム粒子の粒子表面をSi、Y、Ndから選ばれる一種又は二種以上の元素の化合物からなる所定量の焼結防止剤で被覆した後、800〜1200℃の温度範囲で仮焼して結晶系を正方晶にすることによって得られる。
【0041】
本発明における水酸化チタンコロイドはチタン塩水溶液をアルカリ性水溶液で中和して得ることができる。チタン塩水溶液としては四塩化チタン及び硫酸チタン等を使用することができる。
【0042】
アルカリ性水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液及びアンモニア水等を使用することができる。
【0043】
アルカリ性水溶液の添加量は前記チタンのモル数に対して1.0〜1.5が好ましい。
【0044】
バリウム塩水溶液としては水酸化バリウム、塩化バリウム及び硝酸バリウム等を使用することができる。水酸化バリウム以外はアルカリ性水溶液により中和し塩基性として使用することが好ましい。
【0045】
カルボン酸としてはプロピオン酸、酢酸及びそれらの塩を使用することができる。
【0046】
カルボン酸の添加量は前記バリウム塩水溶液のバリウムのモル数に対して、1〜60mol%である。1mol%未満の場合には効果が不十分であり、60mol%を超える場合には効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。好ましくは3〜50mol%である。
【0047】
カルボン酸はアルカリ性水溶液に添加してもよく、チタン塩水溶液とアルカリ性水溶液とを反応させた水酸化チタンコロイドを含む反応溶液に添加してもよい。
【0048】
チタンとバリウムの仕込み組成(Ba/Ti)は1.00〜1.10が好ましく、より好ましくは1.00〜1.08である。1.00未満の場合には、チタン酸バリウム核粒子の生成収率が低下する。1.10を越える場合は、チタン酸バリウム以外の異相が発生しやすくなる。
【0049】
本発明においては、バリウム塩水溶液を添加した後、熟成することが好ましい。熟成することによって、カルボン酸の添加効果が向上する。熟成温度は40〜100℃、好ましくは60〜100℃である。熟成時間は0.5〜5時間が好ましい。0.5時間未満では十分な効果が得られない。5時間を超える場合は工業的とは言い難い。
【0050】
反応中は窒素をフローさせて、バリウム化合物と空気中の炭酸ガス等とが反応しないようにする必要がある。
【0051】
チタン酸バリウム核粒子は平均粒子径が0.01〜0.50μmの球状粒子であることが好ましい。
【0052】
次いで、前記チタン酸バリウム核粒子を含む反応溶液を水熱処理する。水熱処理の反応温度は100〜350℃が好ましい。100℃未満の場合には、緻密な球状チタン酸バリウム粒子を得ることが困難となる。350℃を超える処理は工業的とは言い難い。好ましくは120〜300℃である。
【0053】
水熱処理後の粒子を水洗する。水洗することによって過剰のバリウムを洗い流すことができる。また、不純物であるナトリウムやClなども同時に除去することができる。
【0054】
水熱合成後、水洗した粒子は平均径が0.01〜0.50μm、Ba/Tiが0.99〜1.01の立方晶の球状チタン酸バリウム粒子粉末である。
【0055】
前記立方晶の球状チタン酸バリウム粒子の粒子表面を焼結防止剤によって表面被覆処理を行う。焼結防止剤として使用するSi、Y及びNdの各元素は酸化物、水酸化物及び含水酸化物のいずれの状態で被覆されていてもよく、水酸化物及び含水酸化物の場合には後述する仮焼によって酸化物となる。
【0056】
被覆処理としては乾式処理、湿式処理のいずれでも良いが湿式処理が好ましい。
【0057】
湿式処理は常法によって行えばよく、例えば、球状チタン酸バリウム粒子を含有する懸濁液に陰イオンを含む化合物を添加し、Si、Y、Ndの難溶解性沈殿を生成させて球状チタン酸バリウム粒子表面に沈殿析出させる方法や3−アミノプロピルトリエトキシシラン等の有機珪酸類の加水分解による方法等である。
【0058】
乾式処理も常法によって行えばよく、例えば、球状チタン酸バリウム粒子表面にシランカップリング剤を乾式の混合粉砕機でメカノケミカル反応を利用して吸着させる方法等である。
【0059】
被覆処理に用いるSi化合物としては3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等、また珪酸エチル、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等の有機珪酸類が好ましい。Y化合物としては、硝酸イットリウム、塩化イットリウム等が好ましい。Nd化合物としては、硝酸ネオジム、塩化ネオジムが好ましい。
【0060】
焼結防止剤の処理量は球状チタン酸バリウム粒子に対して0.01〜3.0重量%が好ましい。
【0061】
焼結防止剤によって表面処理を行った球状チタン酸バリウム粒子粉末を800〜1200℃の温度範囲で仮焼して結晶系を正方晶に変態させる。500〜800℃の温度範囲でも正方晶に変態させることはできるが、十分に結晶性を上げることが困難である。800〜1200℃の仮焼によって結晶性の高い正方晶に変態させることができるので、必要以上に高温にしなくてもよい。好ましくは900〜1150℃である。
【0062】
なお、積層コンデンサは常法によって作製でき、例えば、前記誘電体組成物と各種添加物とを混合し、溶媒・バインダーを加えてスラリー化し、成膜してグリーンシートを得、次いで、印刷機を用いて内部電極を印刷し、切り抜いた後プレスを用いて積層・圧着を行う。そのグリーンチップを焼成し、外部電極を形成して作製することができる。
【0063】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0064】
誘電体組成物の平均粒子径は、電子顕微鏡写真(×20,000)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個について、粒子径を測定し、その平均値で示した。
【0065】
誘電体組成物の粒子形状は前記電子顕微鏡写真から判断した。
【0066】
誘電体組成物の粒度分布は下記の方法により求めた幾何標準偏差値σgで示した。
【0067】
即ち、上記拡大写真に写っている粒子350個の長軸径を測定し、その測定値から計算して求めた粒子の実際の長軸径と個数から、統計学的手法に従って、対数正規確率紙上の横軸に長軸径を、縦軸に所定の長軸径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する長軸径の値を読みとり、個数50%における長軸径(μm)を個数84.13%における長軸径(μm)で除した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子の長軸径の粒度分布が優れていることを意味する。
【0068】
Ba/Ti比および焼結防止剤の被覆量は、「蛍光X線分析装置Simultix12」(理学電機(株)製)を使用して測定した。
【0069】
比表面積値はBET法により測定した値で示した。
【0070】
チタン酸バリウム粒子粉末の結晶構造は、「X線回折装置 RINT−II00K」(理学電機(株)製)(管球:Cu)を使用し、2θが10〜90°の範囲で測定して得られた回折ピークから判断した。
【0071】
<チタン酸バリウム粒子粉末の製造>
四塩化チタン水溶液((株)住友シチックス尼崎製、Ti=3.43mol/kg)175.2g(Ti=0.600mol)を窒素雰囲気中で、純水250mlに加え、さらにプロピオン酸ナトリウム11.6g(0.121mol)を含む水酸化ナトリウム水溶液(6.1N)557mlを添加して、水酸化チタンコロイドを得た。
【0072】
次に、Ba(OH)・8HO(関東化学(株)製,試薬特級)197.1g(Ba=0.606mol)を純水1000mlに加熱溶解して得たバリウム塩水溶液を、前記水酸化チタンコロイドを含む溶液に添加し、さらに純水を加えて全量を2000mlにした(Ba/Ti原子比=1.01,プロピオン酸/Ba=20ml%)。該溶液を70℃で2時間熟成してチタン酸バリウム核粒子を得た。次いで、150℃で16時間水熱処理を行った。室温まで冷却した後、ヌッチェで濾液にBaイオンが認められなくなるまで水洗し、濾過、乾燥を行ってチタン酸バリウム粒子粉末を得た。
【0073】
得られたチタン酸バリウム粒子粉末は平均粒子径が0.2μmであって、球形度が1.01の球状粒子であり、結晶系は立方晶であり、Ba/Ti原子比は1.001であった。
【0074】
ここに得た球状チタン酸バリウム粒子粉末65gを、ボールミル中で直径260gの1mmのジルコニアビーズを用いて100gの水と共に24時間粉砕することで邂膠して、スラリー化した。該スラリーに珪酸ナトリウム(3号水ガラス)を0.325g添加した(チタン酸バリウム粒子粉末に対してSiOとして0.143重量%)。その後、ヌッチェで水洗し、濾過、乾燥を行ってSiO被覆チタン酸バリウム粒子粉末を得た。得られた球状チタン酸バリウム粒子粉末を電気炉中、1100℃で3時間仮焼して誘電体組成物を得た。
【0075】
得られた誘電体組成物は、図1に示す通り、平均粒子径が0.22μm、粒度分布σgが0.81、球形度が1.04の球状粒子であった。Ba/Ti原子比は1.001、SiO/BaTiOは0.10重量%であり、BET比表面積値は3.8m/gであった。誘電体組成物のX線回折の結果を図2に示す。図2から明らかな通り、BaTiO以外の回折ピークが見られないことからBaTiO単一結晶であってペロブスカイト構造を有し正方晶であることが確認された。結晶性は10であった。なお、SiOは微量であるためX線回折では確認できなかった。
【0076】
<誘電特性測定用単板の作製>
ここに得た誘電体組成物に酸化ニオブと酸化コバルトを98mol%BaTiO−1.5mol%Nb−0.5mol%Coとなるように混合し、メノウ乳鉢をセットしたライカイ機を用いて5分間粉砕した。粉砕物(誘電体組成物)にPVA溶液(クラレ製RS2117を4wt%の濃度に溶解したもの)を混合し、メノウ乳鉢をセットしたライカイ機を用いて10分間粉砕した後、500μmステン製ふるいを用いて整粒し、100℃の乾燥機で60分間乾燥した。
乾燥後、ここに得た整粒物を21.2mmφの金型に充填し、2gを加圧機で3秒間、1t/cmの成形圧で加圧成型した。
成形体をアルミナ板にのせ、電気炉で100℃/hrの昇温速度で1150〜1300℃まで昇温し、その温度で4時間焼成した。
焼成物にAgペーストを塗りつけ、電気炉で700℃にて2時間保持し、Ag電極を焼き付けて誘電体単板とした。
【0077】
ここに得た誘電体単板の誘電率ε及び誘電損失tanδは、LCRメータ(Hewlett Packard、1kHz/1MHzCapacitance Meter)を用い、入力信号レベル1Vrms、周波数1kHzとして、−55〜150℃での温度特性を測定した。
【0078】
ここに測定した誘電率εの温度依存性を図3に示す。誘電率が高く、また、−20〜120℃の間で突出したピークが存在しないことから誘電率が温度に依存しておらず、温度依存性が低いことが分かる。同図に参考例での結果を示した。本発明に比べれば誘電率が低いことがわかる。
【0079】
【作用】
本発明において最も重要な点は、本発明に係る誘電体組成物は、球状であって粒度分布に優れており、結晶系が正方晶であって結晶性が高いので、分散性に優れ、高い誘電率を有するという事実である。
【0080】
本発明に係る誘電体組成物が球状であって粒度分布に優れる理由としては、水酸化チタンコロイドにあらかじめカルボン酸を添加することによって水酸化チタンコロイドにバリウムを効果的に吸着させ均整なチタン酸バリウムの核粒子を生成させ、次いで、水熱処理によって結晶性を高め、更に、焼結防止剤によって粒子表面の表面被覆を行ったことによって、粒子間の焼結が少なく、仮焼前の粒子形状である球状を維持したまま結晶系を変態できたことによるものと推定している。
【0081】
本発明に係る誘電体組成物の結晶性が高いのは、立方晶のチタン酸バリウム粒子の粒子表面を焼結防止剤によって被覆したことによって、より高温で仮焼した場合においても焼結を抑制することが可能となったためと推定している。
【0082】
通常、積層コンデンサを作成する場合、チタン酸バリウム粒子粉末とガラス成分等を混合し本焼成して、チタン酸バリウム粒子からなるコアと該チタン酸バリウム粒子の粒子表面を被覆するようにガラス成分等を存在させてシェルを形成したコア・シェル構造を形成している。本発明に係る誘電体組成物を用いた場合には、チタン酸バリウム粒子の粒子表面が焼結防止剤で被覆されているので、不要な成分がチタン酸バリウム中に固溶することが無くコアであるチタン酸バリウムの特性を保持したまま積層コンデンサとすることができるので、高い誘電率を有する共に、容量の温度依存性が低い積層コンデンサを得ることができる。
【0083】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0084】
実施例1〜4、参考例、比較例1、5及び6:
チタン塩の種類及び反応濃度、アルカリ性水溶液の種類及び添加割合、バリウム塩の種類及び添加割合、カルボン酸の種類及び添加量、水熱処理の温度及び時間、焼結防止剤の種類及び被覆量、仮焼温度及び時間を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態と同様にして誘電体組成物を得た。
【0085】
各実施例で得られた誘電体組成物におけるチタン酸バリウムの結晶系は正方晶であり、X線回折の結果、BaTiO以外のピークは認められずチタン酸バリウム単一結晶であることが確認された。得られた誘電体組成物を用いて作製した誘電体単板の誘電率を測定したところ、前記発明の実施の形態と同様に高い誘電率を示した。
【0086】
参考例及び比較例1で得られた誘電体組成物を前記発明の実施の形態と同様にして誘電体単板を作製し、誘電体単板の誘電率を測定した。誘電率の測定結果を図3に示す。参考例及び比較例の誘電体組成物を用いて作製した誘電体単板では誘電率が低いことは明らかである。
【0087】
比較例2〜4
比較例2は特開昭62−72525号公報の実施例1に、比較例3は特開平5−330824号公報の実施例5に、比較例4は特開平8−119745号公報の実施例の資料番号4に、それぞれ基づいて製造したチタン酸バリウム粒子粉末を1020℃で3時間仮焼して得られた粒子粉末である。
【0088】
このときの製造条件を表1及び表2に、得られた誘電体組成物の諸特性を表3に示す。
【0089】
【表1】

Figure 0004096152
【0090】
【表2】
Figure 0004096152
【0091】
【表3】
Figure 0004096152
【0092】
比較例2〜4で得られたチタン酸バリウム粒子粉末のX線回折パターンを図5〜7に示す。X線回折パターンからBaTiO以外のピークも見られることから、単一結晶ではないことが確認された。
【0093】
また、比較例5及び6で得られた誘電体組成物を前記発明の実施の形態と同様にして誘電体単板を作製し、誘電体単板の誘電率を測定した。比較例5の誘電体組成物を用いて作製した誘電体単板では誘電率が高いものの粒子径が大きいため粒子界面が減少し耐電圧が低下して信頼性が低下するものである。比較例6の誘電体組成物を用いて作製した誘電体単板では誘電率が低いものであった。
【0094】
【発明の効果】
本発明に係る誘電体組成物は、平均粒子径が0.05〜0.5μmであり、結晶構造が正方晶であって結晶性が高い球状チタン酸バリウム粒子粉末からなるので、誘電率が高く、温度依存性が低い積層コンデンサ用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態で得られた誘電体組成物の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(20,000倍)
【図2】発明の実施の形態で得られた誘電体組成物のX線回折パターン
【図3】発明の実施の形態で得られた誘電体組成物、参考例及び比較例1の各誘電体単板の誘電率の温度依存性を示すグラフである。
【図4】比較例1で得られた誘電体組成物の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(20,000倍)
【図5】比較例2で得られたチタン酸バリウム粒子粉末のX線回折パターン
【図6】比較例3で得られたチタン酸バリウム粒子粉末のX線回折パターン
【図7】比較例4で得られたチタン酸バリウム粒子粉末のX線回折パターン[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a spherical dielectric having an average particle diameter of 0.05 to 0.5 μm used for a multilayer capacitor having a high dielectric constant, a tetragonal crystal structure and high crystallinity.Particle powderIt is about.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the reduction in size, performance, and weight of various electronic devices, further improvement in characteristics is desired for electronic device parts, such as multilayer capacitors.
[0003]
That is, multilayer capacitors are required to have a high dielectric constant and low temperature dependency in accordance with demands for miniaturization and high performance.
[0004]
As is well known, a multilayer capacitor uses a barium titanate particle powder, which is a perovskite compound and has a high dielectric constant, and the barium titanate particle powder used for the multilayer capacitor has no agglomeration, excellent dispersibility, and is dense. Therefore, there is a strong demand for high purity and excellent dielectric properties.
[0005]
As the barium titanate particle powder satisfying the above-mentioned properties, the particle shape must be spherical and have an excellent particle size distribution, and Ba / Ti is as much as possible in consideration of dielectric properties. Therefore, it is necessary that the crystal system is tetragonal.
[0006]
Known methods for producing barium titanate particles include a solid phase reaction in which a titanium compound and a barium compound are mixed and baked at a high temperature of 1000 ° C. or higher, and a wet reaction in which barium and titanium are reacted in a solution.
[0007]
Since the barium titanate particle powder obtained by the solid phase reaction has a large average particle size, it is difficult to say that the particle size distribution is bad and the shape is also suitable for dispersion because the fired powder is pulverized and used. It was. Therefore, production of barium titanate particles by the wet reaction has been performed.
[0008]
In the wet reaction, in order to obtain a barium titanate particle powder having Ba / Ti as close to 1.0 as possible, “BaTiO of Ba / Ti = 1” is used.3A relatively large amount of Ba to synthesize2+Need. In this study, it was found that Ba / Ti = 8 was required for mixing in order to obtain a Ba / Ti ratio of 1 in the composite. In the case of Ba / Ti below that, barium-deficient barium titanate is obtained ”(Journal of the Chemical Society of Japan, No. 7, 1155 (1974)), and it is necessary to add excess Ba to Ti. is there.
[0009]
In order to obtain tetragonal barium titanate particles, it is necessary to transform the crystal system from cubic to tetragonal at a high temperature of 800 ° C. or higher. The resulting barium titanate particle powder has a polygonal shape, and it is difficult to say that the particle size distribution is sufficient.
[0010]
Conventionally, as a method for producing barium titanate particles by wet reaction, JP-A-61-31345, JP-A-62-72525, JP-A-2998211, JP-A-5-330824, JP-A-5-330824 Each method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-119745 is known. Further, coating the surface of barium titanate particles with silica or the like is described in JP-A Nos. 61-111957, 7-330427, 2000-509703, and the like.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
Barium titanate that satisfies the above-mentioned properties is currently most demanded, but has not yet been obtained.
[0012]
That is, in the method described in JP-A-61-31345, barium titanate having a Ba / Ti ratio of 1.00 is obtained by synthesizing barium titanate particles and then insolubilizing unreacted barium. Although it is a particle powder, it is a mixture of cubic barium titanate and Ba compound, and in order to make tetragonal barium titanate alone, the same high temperature as in the solid phase reaction is required, and the generated tetragonal crystal It is difficult to say that the particle size distribution of the barium titanate particles is sufficient.
[0013]
In addition, the above-mentioned JP-A-62-72525 describes a method of hydrothermal synthesis by dissolving a barium compound in an aqueous solution of titanium tetrachloride and adding an alkaline aqueous solution. When the particle powder is calcined, it is difficult to say that it has high dielectric properties because it is not a single crystal as shown in a comparative example.
[0014]
In addition, the above-mentioned Japanese Patent No. 2999821 describes a method of reacting excess barium and titanium to obtain barium titanate particles and calcining, and then pickling excess barium. The particle shape is a rectangular parallelepiped, and in pickling, Ba in the barium titanate crystal is likely to be eluted, and it is difficult to control the Ba / Ti ratio. At the same time, pickling is not preferable because the crystallinity of the particle surface of the barium titanate particle powder also decreases.
[0015]
In addition, the above-mentioned JP-A-5-330824 describes a method in which a titanium compound and a barium compound are wet-reacted by adding hydrogen peroxide water. The resulting barium titanate particle powder is cubic. In order to obtain tetragonal barium titanate, calcination is required. In addition, the publication discloses that [[0071] tetragonal barium titanate is obtained when calcined at 900 to 1300 ° C. In this case, when the temperature is low and the particle size is large, it becomes spherical. Or, when calcined at a high temperature, a cuboidal single crystal powder is obtained. ”As described, the particles having a small average particle diameter, particularly, a tetragonal crystal in a fine barium titanate particle powder having an average particle diameter of 0.5 μm or less. It is difficult to obtain spherical barium titanate particles.
[0016]
Further, as shown in the comparative example, a wet reaction is carried out according to Example 5 described in JP-A-5-330824, the product is washed with water, filtered and dried, and cubic titanic acid having a Ba / Ti ratio of 1.002. Barium was obtained, and this product was calcined at 1020 ° C. and measured by X-ray diffraction.3Other peaks appear (BaTi3O7It is difficult to say that the particle powder after calcining is not a single crystal and therefore has excellent dielectric properties.
[0017]
In addition, the above-mentioned JP-A-8-119745 describes a method for obtaining barium titanate particle powder by hydrothermal reaction of a mixture of barium hydroxide and titanium hydroxide. The particle powder is a cubic crystal, and as shown in the following comparative examples, when this particle powder is calcined, it is difficult to say that it is not a single crystal and has excellent dielectric properties.
[0018]
Further, the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-11957 discloses a technique for mixing and firing a low melting point material composed of an oxide of an element selected from Bi, B, Pb and W and cubic barium titanate. However, since firing is performed using cubic barium titanate, a low-boiling substance and barium titanate react to form a part of a solid solution, so that it is difficult to say that the dielectric has a high dielectric constant.
[0019]
In addition, the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-330427 describes a technique in which the surface of the barium titanate particles is coated with alumina and is baked by adding a glass component. However, it is described that voids are generated due to the reaction and that the dielectric constant is reduced, and the addition of a small amount of silica does not improve the dielectric properties of the barium titanate particles.
[0020]
In addition, in the above-mentioned special table 2000-509703, barium titanate particles whose particle surfaces are coated with a metal oxide, a metal hydrated oxide, a metal hydroxide or an organic acid salt are described. The invention described in the publication is intended to improve dispersibility by controlling the surface coating and the particle size distribution, and is not intended to prevent sintering, and the crystal system and crystallinity are considered. Not.
[0021]
In addition, the above-mentioned Japanese Patent No. 3146961 describes that the Si component is contained in the barium titanate particles, but the crystal system is not considered, and the Si component and barium titanate are dissolved. As a result, the ratio of contribution to dielectricity decreases, so the dielectric constant tends to decrease.
[0022]
Accordingly, the present invention provides a spherical dielectric that has no aggregation, excellent dispersibility, is dense, has high purity, and has excellent dielectric properties.Particle powderIt is a technical challenge to provide
[0023]
[Means for solving the problems]
The technical problem can be achieved by the present invention as follows.
[0024]
That is, the present invention provides one or two kinds selected from Si, Y, and Nd on the surface of spherical barium titanate particles having a Ba / Ti ratio of 0.99 to 1.01 and a crystal system of tetragonal crystal. The sintering inhibitor comprising the oxides of the above elements was coated on the spherical barium titanate particle powder in an amount of 0.01 to 3.0% by weight, and the average particle size was 0.05 to 0.5 μm. And a dielectric having a particle size distribution σg of 0.70 or moreParticle powderAnd the dielectricParticle powderWhen adding barium salt aqueous solution to titanium hydroxide colloid to produce barium titanate core particles, 1 to 60 mol% of carboxylic acid is present with respect to the number of moles of barium in the barium salt aqueous solution, In addition, the ratio of titanium to barium (Ba / Ti) is set to 1.00 to 1.10, and then the reaction solution containing the barium titanate core particles is hydrothermally treated in a temperature range of 100 to 350 ° C. to form cubic crystals. After the spherical barium titanate particles were obtained and washed with water, the particle surface of the spherical barium titanate particles was coated with a sintering inhibitor comprising a compound of one or more elements selected from Si, Y, and Nd. It can be obtained by calcining in the temperature range of 800 to 1200 ° C. to make the crystal system of barium titanate particles tetragonal.
[0025]
The configuration of the present invention will be described in more detail as follows.Hereinafter, the “dielectric particle powder” according to the present invention is expressed as “dielectric composition”.
[0026]
The dielectric composition according to the present invention has an average particle size of 0.05 to 0.5 μm and a particle size distribution σg of 0.70 or more.
[0027]
When the average particle diameter is less than 0.05 μm, the packing density is low and the shrinkage during sintering is large when molding is performed. When the thickness exceeds 0.5 μm, it is difficult to reduce the thickness of the dielectric layer of the multilayer capacitor. Preferably it is 0.05-0.4 micrometer.
[0028]
When the particle size distribution σg of the particle diameter is less than 0.7, the thickness of the dielectric layer of the multilayer capacitor becomes nonuniform due to the coarse particles present. Preferably it is 0.75 or more. The upper limit is preferably 0.9.
[0029]
The sphericity (longest diameter / shortest diameter) of the dielectric composition according to the present invention is preferably 1.0 or more and less than 2.0, more preferably 1.0 to 1.4, and most preferably 1.0 to 1. 3.
[0030]
The BET specific surface area value of the dielectric composition according to the present invention is 2 to 20 m.2/ G is preferred. 2m2If it is less than / g, the particles are coarse or particles are sintered between the particles, and the dispersibility tends to be impaired. BET specific surface area value is 20m2When the amount exceeds / g, aggregation is likely to occur due to an increase in surface adsorption force due to particle miniaturization, and thus dispersibility decreases.
[0031]
The composition ratio (Ba / Ti) of barium and titanium of the spherical barium titanate particles in the present invention is 0.99 to 1.01, preferably 0.99 to 1.008. When the Ba / Ti ratio is out of the above range, it is difficult to obtain a multilayer capacitor having high dielectric properties when the multilayer capacitor is used.
[0032]
The crystal system of the spherical barium titanate particles in the present invention is tetragonal. When the crystal system is a cubic crystal, the crystallinity is insufficient, so that when a multilayer capacitor is used, the physical characteristics and electrical characteristics of the capacitor are deteriorated.
[0033]
The crystallinity of the spherical barium titanate particles in the present invention is ((c / a) -1) × 10 using the a-axis length and c-axis length of the lattice constant.3Is preferably 5 or more, more preferably 7 or more. It is not preferable that the crystallinity is close to 0 because the crystal system is close to cubic. The upper limit is 16.
[0034]
In the dielectric composition according to the present invention, the surface of the spherical barium titanate particles is coated with a sintering inhibitor comprising an oxide of one or more elements selected from Si, Y, and Nd.
[0035]
When the particle surface of the barium titanate particles is not coated with a sintering inhibitor, sintering between particles and particle enlargement cannot be suppressed during calcination, so the calcination temperature may be increased. Therefore, it is difficult to obtain a dielectric having a high dielectric constant. As the sintering inhibitor, Si oxide and Y oxide are preferable.
[0036]
The coating amount of the sintering inhibitor on the spherical barium titanate particle powder is 0.01 to 3.0% by weight, preferably 0.01 to 1.5% by weight, more preferably, to the barium titanate particle powder. 0.02 to 0.5% by weight.
[0037]
When the coating amount by the sintering inhibitor is less than 0.01% by weight, it is difficult to say that the intended sintering preventing effect is sufficient. When it exceeds 3.0% by weight, not only the effect is saturated, but also the capacity is lowered when the final capacitor is obtained, so there is no point in adding more than necessary.
[0038]
In the present invention, since the coating amount of the sintering inhibitor is small, the particle size of the spherical barium titanate particles used is approximately the same as the particle size of the target dielectric composition, and the barium titanate particles The average particle diameter is preferably 0.05 to 0.5 μm, and the particle size distribution σg is preferably 0.70 or more.
[0039]
Next, a method for producing the dielectric composition according to the present invention will be described.
[0040]
The dielectric composition according to the present invention is obtained by adding an aqueous barium salt solution to a titanium hydroxide colloid in the presence of 1 to 60 mol% of carboxylic acid based on the number of moles of barium in the aqueous barium salt solution. Barium core particles are generated, and then the reaction solution containing the barium titanate core particles is hydrothermally treated in a temperature range of 100 to 350 ° C. to obtain cubic spherical barium titanate particles. After washing with water, the spherical titanate The surface of the barium particles is coated with a predetermined amount of a sintering inhibitor comprising a compound of one or more elements selected from Si, Y and Nd, and then calcined at a temperature range of 800 to 1200 ° C. It is obtained by making the system tetragonal.
[0041]
The titanium hydroxide colloid in the present invention can be obtained by neutralizing a titanium salt aqueous solution with an alkaline aqueous solution. As the titanium salt aqueous solution, titanium tetrachloride, titanium sulfate and the like can be used.
[0042]
As the alkaline aqueous solution, an aqueous sodium hydroxide solution, an aqueous potassium hydroxide solution, aqueous ammonia, or the like can be used.
[0043]
The addition amount of the alkaline aqueous solution is preferably 1.0 to 1.5 with respect to the number of moles of titanium.
[0044]
As the barium salt aqueous solution, barium hydroxide, barium chloride, barium nitrate and the like can be used. Other than barium hydroxide, it is preferable to neutralize with an alkaline aqueous solution and use as basic.
[0045]
As the carboxylic acid, propionic acid, acetic acid and salts thereof can be used.
[0046]
The amount of carboxylic acid added is 1 to 60 mol% with respect to the number of moles of barium in the barium salt aqueous solution. When the amount is less than 1 mol%, the effect is insufficient, and when it exceeds 60 mol%, the effect is saturated, so there is no meaning to add more than necessary. Preferably it is 3-50 mol%.
[0047]
Carboxylic acid may be added to an alkaline aqueous solution, or may be added to a reaction solution containing a titanium hydroxide colloid obtained by reacting a titanium salt aqueous solution and an alkaline aqueous solution.
[0048]
The charge composition (Ba / Ti) of titanium and barium is preferably 1.00 to 1.10, and more preferably 1.00 to 1.08. When it is less than 1.00, the production yield of barium titanate core particles is lowered. When it exceeds 1.10, different phases other than barium titanate are liable to occur.
[0049]
In this invention, it is preferable to age | cure | ripen after adding barium salt aqueous solution. By aging, the effect of adding carboxylic acid is improved. The aging temperature is 40 to 100 ° C, preferably 60 to 100 ° C. The aging time is preferably 0.5 to 5 hours. If it is less than 0.5 hours, sufficient effects cannot be obtained. When it exceeds 5 hours, it is hard to say that it is industrial.
[0050]
It is necessary to flow nitrogen during the reaction so that the barium compound does not react with carbon dioxide in the air.
[0051]
The barium titanate core particles are preferably spherical particles having an average particle diameter of 0.01 to 0.50 μm.
[0052]
Next, the reaction solution containing the barium titanate core particles is hydrothermally treated. The reaction temperature of the hydrothermal treatment is preferably 100 to 350 ° C. When the temperature is lower than 100 ° C., it is difficult to obtain dense spherical barium titanate particles. It is difficult to say that the treatment exceeding 350 ° C. is industrial. Preferably it is 120-300 degreeC.
[0053]
The particles after hydrothermal treatment are washed with water. Excess barium can be washed away by washing with water. Further, impurities such as sodium and Cl can be removed at the same time.
[0054]
After hydrothermal synthesis, the washed particles are cubic spherical barium titanate particles having an average diameter of 0.01 to 0.50 μm and Ba / Ti of 0.99 to 1.01.
[0055]
The cubic spherical barium titanate particles are surface-coated with a sintering inhibitor. Each element of Si, Y and Nd used as a sintering inhibitor may be coated in any state of oxide, hydroxide and hydrated oxide. In the case of hydroxide and hydrated oxide, it will be described later. It becomes an oxide by calcination.
[0056]
The coating process may be either a dry process or a wet process, but a wet process is preferred.
[0057]
The wet treatment may be performed by a conventional method. For example, a compound containing an anion is added to a suspension containing spherical barium titanate particles to form a hardly soluble precipitate of Si, Y, and Nd to form spherical titanate. These include a method of precipitation on the surface of barium particles and a method of hydrolysis of organic silicic acids such as 3-aminopropyltriethoxysilane.
[0058]
The dry treatment may be performed by a conventional method, for example, a method of adsorbing the silane coupling agent on the surface of the spherical barium titanate particles using a mechanochemical reaction with a dry mixing and grinding machine.
[0059]
As the Si compound used for the coating treatment, No. 3 water glass, sodium orthosilicate, sodium metasilicate and the like, and organic silicates such as ethyl silicate and 3-aminopropyltriethoxysilane are preferable. As the Y compound, yttrium nitrate, yttrium chloride and the like are preferable. As the Nd compound, neodymium nitrate and neodymium chloride are preferable.
[0060]
The processing amount of the sintering inhibitor is preferably 0.01 to 3.0% by weight with respect to the spherical barium titanate particles.
[0061]
Spherical barium titanate particles that have been surface-treated with a sintering inhibitor are calcined in a temperature range of 800 to 1200 ° C. to transform the crystal system into tetragonal crystals. Although it can be transformed into a tetragonal crystal even in a temperature range of 500 to 800 ° C., it is difficult to sufficiently increase the crystallinity. Since it can be transformed into tetragonal crystals with high crystallinity by calcining at 800 to 1200 ° C., the temperature does not have to be higher than necessary. Preferably it is 900-1150 degreeC.
[0062]
The multilayer capacitor can be produced by a conventional method. For example, the dielectric composition and various additives are mixed, and a solvent / binder is added to form a slurry, which is then formed into a green sheet. The internal electrode is printed by using it, cut out, and then laminated and pressed using a press. The green chip can be fired to form an external electrode.
[0063]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A typical embodiment of the present invention is as follows.
[0064]
The average particle size of the dielectric composition was determined by measuring the particle size of about 350 particles shown in a photograph obtained by enlarging the electron micrograph (× 20,000) four times in the vertical direction and the horizontal direction. Indicated by value.
[0065]
The particle shape of the dielectric composition was judged from the electron micrograph.
[0066]
The particle size distribution of the dielectric composition was indicated by the geometric standard deviation value σg obtained by the following method.
[0067]
That is, the major axis diameter of 350 particles shown in the above enlarged photograph is measured, and the actual major axis diameter and the number of particles obtained by calculation from the measured values are used on a log-normal probability paper according to a statistical method. The horizontal axis of the graph plots the major axis diameter, and the vertical axis plots the cumulative number of particles belonging to each of the predetermined major axis diameter sections (under integrated sieve) as a percentage. Then, the value of the major axis diameter corresponding to the number of particles of 50% and 84.13% is read from this graph, the major axis diameter (μm) at the number of 50% is the major axis diameter at the number of 84.13% ( It was shown by the value divided by μm). The closer the geometric standard deviation value is to 1, the better the particle size distribution of the major axis diameter of the particles.
[0068]
The Ba / Ti ratio and the coating amount of the sintering inhibitor were measured using a “fluorescence X-ray analyzer Simultix 12” (manufactured by Rigaku Corporation).
[0069]
The specific surface area value was indicated by a value measured by the BET method.
[0070]
The crystal structure of the barium titanate particle powder is obtained by using “X-ray diffractometer RINT-II00K” (manufactured by Rigaku Corporation) (tube: Cu) and measuring 2θ in the range of 10 to 90 °. It was judged from the obtained diffraction peak.
[0071]
<Production of barium titanate particle powder>
175.2 g (Ti = 0.600 mol) of a titanium tetrachloride aqueous solution (manufactured by Sumitomo Sitix Kashiwazaki Co., Ltd., Ti = 3.43 mol / kg) was added to 250 ml of pure water in a nitrogen atmosphere, and 11.6 g of sodium propionate was further added. 557 ml of a sodium hydroxide aqueous solution (6.1 N) containing (0.121 mol) was added to obtain a titanium hydroxide colloid.
[0072]
Next, Ba (OH)2・ 8H2A barium salt aqueous solution obtained by heating and dissolving 197.1 g (Ba = 0.006 mol) of O (manufactured by Kanto Chemical Co., Ltd.) in 1000 ml of pure water was added to the solution containing the titanium hydroxide colloid, Further, pure water was added to make the total amount 2000 ml (Ba / Ti atomic ratio = 1.01, propionic acid / Ba = 20 ml%). The solution was aged at 70 ° C. for 2 hours to obtain barium titanate core particles. Next, hydrothermal treatment was performed at 150 ° C. for 16 hours. After cooling to room temperature, it was washed with Nutsche until no Ba ions were observed in the filtrate, filtered and dried to obtain barium titanate particle powder.
[0073]
The obtained barium titanate particle powder is a spherical particle having an average particle diameter of 0.2 μm and a sphericity of 1.01, the crystal system is cubic, and the Ba / Ti atomic ratio is 1.001. there were.
[0074]
65 g of the spherical barium titanate particle powder obtained here was slurried by grinding with 100 g of water for 24 hours using 1 mm zirconia beads having a diameter of 260 g in a ball mill. 0.325 g of sodium silicate (No. 3 water glass) was added to the slurry (on the basis of barium titanate particle powder, SiO 22As 0.143% by weight). After that, it is washed with Nutsche, filtered and dried to obtain SiO.2Coated barium titanate particle powder was obtained. The obtained spherical barium titanate particle powder was calcined at 1100 ° C. for 3 hours in an electric furnace to obtain a dielectric composition.
[0075]
As shown in FIG. 1, the obtained dielectric composition was spherical particles having an average particle size of 0.22 μm, a particle size distribution σg of 0.81, and a sphericity of 1.04. Ba / Ti atomic ratio is 1.001, SiO2/ BaTiO3Is 0.10% by weight, and the BET specific surface area is 3.8 m.2/ G. The result of X-ray diffraction of the dielectric composition is shown in FIG. As is apparent from FIG. 2, BaTiO3Since no diffraction peak other than that is seen, BaTiO3It was confirmed to be a single crystal, a perovskite structure, and a tetragonal crystal. The crystallinity was 10. In addition, SiO2Was not confirmed by X-ray diffraction.
[0076]
<Preparation of single plate for dielectric property measurement>
The dielectric composition obtained here was mixed with 98 mol% BaTiO of niobium oxide and cobalt oxide.3-1.5 mol% Nb2O5-0.5 mol% Co3O4Then, the mixture was pulverized for 5 minutes using a Reika machine equipped with an agate mortar. A PVA solution (Kuraray RS2117 dissolved in a concentration of 4 wt%) is mixed with the pulverized product (dielectric composition), pulverized for 10 minutes using a raikai machine in which an agate mortar is set, and then a 500 μm stainless steel sieve is used. The resulting mixture was sized and dried with a dryer at 100 ° C. for 60 minutes.
After drying, the sized product obtained here is filled in a 21.2 mmφ mold, and 2 g is 1 t / cm for 3 seconds with a pressurizer.2Press molding with the molding pressure of
The molded body was placed on an alumina plate, heated to 1150-1300 ° C. at a heating rate of 100 ° C./hr in an electric furnace, and fired at that temperature for 4 hours.
Ag paste was applied to the fired product and held in an electric furnace at 700 ° C. for 2 hours, and the Ag electrode was baked to obtain a dielectric single plate.
[0077]
The dielectric constant ε and dielectric loss tan δ of the obtained dielectric single plate are temperature characteristics at −55 to 150 ° C. with an input signal level of 1 Vrms and a frequency of 1 kHz using an LCR meter (Hewlett Packard, 1 kHz / 1 MHz Capacitance Meter). Was measured.
[0078]
FIG. 3 shows the temperature dependence of the measured dielectric constant ε. Since the dielectric constant is high and there is no projecting peak between −20 and 120 ° C., it can be seen that the dielectric constant does not depend on temperature and the temperature dependence is low. The result in the reference example is shown in FIG. It can be seen that the dielectric constant is lower than that of the present invention.
[0079]
[Action]
The most important point in the present invention is that the dielectric composition according to the present invention is spherical and has an excellent particle size distribution, and since the crystal system is tetragonal and has high crystallinity, it has excellent dispersibility and high The fact is that it has a dielectric constant.
[0080]
The reason why the dielectric composition according to the present invention is spherical and has an excellent particle size distribution is that a carboxylic acid is added to the titanium hydroxide colloid in advance to effectively adsorb barium on the titanium hydroxide colloid, thereby producing a balanced titanic acid. Barium core particles are generated, and then the crystallinity is enhanced by hydrothermal treatment. Furthermore, the surface of the particle surface is coated with a sintering inhibitor, so that there is less sintering between particles, and the particle shape before calcination It is presumed that the crystal system could be transformed while maintaining the spherical shape.
[0081]
The high crystallinity of the dielectric composition according to the present invention is that the surface of cubic barium titanate particles is coated with an anti-sintering agent, thereby suppressing sintering even when calcined at a higher temperature. It is estimated that it was possible to do.
[0082]
Usually, when making a multilayer capacitor, a barium titanate particle powder and a glass component are mixed and subjected to main firing, and a glass component or the like is formed so as to cover the core of the barium titanate particle and the particle surface of the barium titanate particle. A core-shell structure is formed in which a shell is formed. When the dielectric composition according to the present invention is used, since the particle surface of the barium titanate particles is coated with the sintering inhibitor, unnecessary components are not dissolved in the barium titanate core. Therefore, it is possible to obtain a multilayer capacitor having a high dielectric constant and a low temperature dependence of the capacitance while maintaining the characteristics of barium titanate.
[0083]
【Example】
Next, examples and comparative examples are given.
[0084]
Examples 1-4, reference examples, comparative examples 1, 5 and 6:
Titanium salt type and reaction concentration, alkaline aqueous solution type and addition ratio, barium salt type and addition ratio, carboxylic acid type and addition amount, hydrothermal treatment temperature and time, sintering inhibitor type and coating amount, temporary A dielectric composition was obtained in the same manner as in the above embodiment except that the baking temperature and time were variously changed.
[0085]
In the dielectric composition obtained in each example, the crystal system of barium titanate is tetragonal. As a result of X-ray diffraction, BaTiO3No other peaks were observed, and it was confirmed to be a barium titanate single crystal. When the dielectric constant of the dielectric single plate produced using the obtained dielectric composition was measured, it showed a high dielectric constant as in the embodiment of the invention.
[0086]
A dielectric single plate was produced from the dielectric composition obtained in Reference Example and Comparative Example 1 in the same manner as in the above-described embodiment, and the dielectric constant of the dielectric single plate was measured. The measurement results of the dielectric constant are shown in FIG. It is clear that the dielectric single plate produced using the dielectric composition of the reference example and the comparative example has a low dielectric constant.
[0087]
Comparative Examples 2-4
Comparative Example 2 is Example 1 of JP-A-62-72525, Comparative Example 3 is Example 5 of JP-A-5-330824, and Comparative Example 4 is Example of JP-A-8-119745. It is the particle powder obtained by calcining the barium titanate particle powder produced based on the material number 4 at 1020 ° C. for 3 hours.
[0088]
The production conditions at this time are shown in Tables 1 and 2, and the characteristics of the obtained dielectric composition are shown in Table 3.
[0089]
[Table 1]
Figure 0004096152
[0090]
[Table 2]
Figure 0004096152
[0091]
[Table 3]
Figure 0004096152
[0092]
The X-ray diffraction patterns of the barium titanate particle powders obtained in Comparative Examples 2 to 4 are shown in FIGS. BaTiO from X-ray diffraction pattern3Since other peaks were also observed, it was confirmed that the crystals were not single crystals.
[0093]
A dielectric single plate was produced from the dielectric compositions obtained in Comparative Examples 5 and 6 in the same manner as in the above-described embodiment, and the dielectric constant of the dielectric single plate was measured. In the dielectric single plate produced using the dielectric composition of Comparative Example 5, although the dielectric constant is high, the particle diameter is large, so the particle interface is reduced, the withstand voltage is lowered, and the reliability is lowered. A dielectric single plate produced using the dielectric composition of Comparative Example 6 had a low dielectric constant.
[0094]
【The invention's effect】
Since the dielectric composition according to the present invention is composed of spherical barium titanate particles having an average particle diameter of 0.05 to 0.5 μm, a tetragonal crystal structure and high crystallinity, the dielectric constant is high. It is suitable for a multilayer capacitor having low temperature dependency.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a transmission electron micrograph (magnification of 20,000) showing the particle shape of a dielectric composition obtained in an embodiment of the invention.
FIG. 2 shows an X-ray diffraction pattern of the dielectric composition obtained in the embodiment of the invention.
FIG. 3 is a graph showing the temperature dependence of the dielectric constant of each dielectric single plate of the dielectric composition, reference example and comparative example 1 obtained in the embodiment of the invention.
4 is a transmission electron micrograph (magnification of 20,000) showing the particle shape of the dielectric composition obtained in Comparative Example 1. FIG.
5 is an X-ray diffraction pattern of the barium titanate particle powder obtained in Comparative Example 2. FIG.
6 is an X-ray diffraction pattern of the barium titanate particle powder obtained in Comparative Example 3. FIG.
7 is an X-ray diffraction pattern of the barium titanate particle powder obtained in Comparative Example 4. FIG.

Claims (2)

Ba/Ti比が0.99〜1.01であって結晶系が正方晶である球状チタン酸バリウム粒子粉末の粒子表面にSi、Y、Ndから選ばれる一種又は二種以上の元素の酸化物からなる焼結防止剤が前記球状チタン酸バリウム粒子粉末に対して0.01〜3.0重量%被覆されており、平均粒子径が0.05〜0.5μmであって粒度分布σgが0.70以上であることを特徴とする誘電体粒子粉末An oxide of one or more elements selected from Si, Y and Nd on the surface of spherical barium titanate particles having a Ba / Ti ratio of 0.99 to 1.01 and a crystal system of tetragonal crystal Is coated with 0.01 to 3.0% by weight of the spherical barium titanate particle powder, the average particle size is 0.05 to 0.5 μm, and the particle size distribution σg is 0. A dielectric particle powder characterized by being 70 or more. 水酸化チタンコロイドにバリウム塩水溶液を添加してチタン酸バリウム核粒子を生成させる際に、前記バリウム塩水溶液のバリウムのモル数に対して1〜60mol%のカルボン酸を存在させておき、且つ、チタンとバリウムとの比(Ba/Ti)を1.00〜1.10とし、次いで、前記チタン酸バリウム核粒子を含む反応溶液を100〜350℃の温度範囲で水熱処理して立方晶の球状チタン酸バリウム粒子を得、水洗後、該球状チタン酸バリウム粒子の粒子表面をSi、Y、Ndから選ばれる一種又は二種以上の元素の化合物からなる焼結防止剤で被覆した後、800〜1200℃の温度範囲で仮焼してチタン酸バリウム粒子の結晶系を正方晶にすることを特徴とする請求項1記載の誘電体粒子粉末の製造方法。When adding barium salt aqueous solution to titanium hydroxide colloid to produce barium titanate core particles, 1 to 60 mol% of carboxylic acid is present with respect to the number of moles of barium in the barium salt aqueous solution, and The ratio of titanium to barium (Ba / Ti) was set to 1.00 to 1.10, and then the reaction solution containing the barium titanate core particles was hydrothermally treated in a temperature range of 100 to 350 ° C. to form a cubic sphere. After obtaining barium titanate particles and washing with water, the particle surface of the spherical barium titanate particles was coated with a sintering inhibitor comprising a compound of one or more elements selected from Si, Y, Nd, and then 800 to The method for producing a dielectric particle powder according to claim 1, wherein the crystal system of the barium titanate particles is converted to tetragonal crystals at a temperature range of 1200 ° C.
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