JP4096130B2 - Waste hydrochloric acid treatment method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼線製造工場、メッキ工場などにおいて、鋼材の洗浄工程で発生する高濃度鉄分含有廃塩酸の処理方法に関する。本発明は、さらに詳しくは、従来は産業廃棄物としてそのまま処理されていた廃塩酸中に残存する有効な塩酸を蒸発回収することによりその再利用をはかるとともに、廃棄残分の減容化を行う廃塩酸の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開昭59-26184号公報における図面に示されている従来の蒸気圧縮式蒸発装置は、下部に原液の溜室を備えた密閉型の蒸発器内の上部に多数本の伝熱管を設け、該各伝熱管の外側面に、原液ポンプによって送られて来る原液を散布器にて散布することにより蒸発させ、この蒸発により発生した蒸気をブロワー圧縮機で圧縮して昇温し、この昇温した蒸気をダクトを介して、前記各伝熱管内に供給することにより、各伝熱管の外側面に散布されている原液を加熱・蒸発させるとともに、前記各伝熱管内から空気等の非凝縮性ガスを真空ポンプなどの真空発生手段にて抽出することにより、前記蒸発器内を大気圧以下の減圧状態に保持している。
【0003】
しかしながら、この形式の蒸気圧縮式蒸発装置には、以下の様な問題点がある。
【0004】
イ.ブロワー圧縮機本体の圧縮効率が低く、単位原液量を圧縮するための必要電力量が大きくなり、運転経費が高くなり、設備も大きくなる。
【0005】
ロ.原液は、散布器を介して、各伝熱管の外表面に散布されるので、液分散不良から生じる熱交換器伝熱係数の低下がある。
【0006】
ハ.特に、多量の鉄分などを含有する廃塩酸の処理に際して、液の濃縮倍率上昇または連続運転に伴い、液分散器ノズル部分でのスラッジによる詰まりおよび分散不良、各伝熱管外表面の汚れ、液比重または粘度の上昇などによる伝熱係数の低下に対し、有効に対処することができない。
【0007】
また、各管の外表面付着スケールの除去は、液が分散されているため、伝熱管外面に対する液流速が遅いことなどから、困難となる場合が多い。
【0008】
ニ.上記ロおよびハの結果、濃縮処理は、常に単位断面積当たりの蒸発量が低い状態で行わざるを得ない。従って、単位時間当たりの蒸発量を増大させるためには、伝熱面積を増大させるか、或いはブロワー圧縮機として圧縮比の高いものを使用しなければならないため、装置が大型化するとともに、運転経費が嵩むという問題がある。
【0009】
ホ.特に、廃塩酸を処理対象とする場合には、蒸気が高濃度の塩酸を含むので、圧縮機本体などの材質の選択に大きな制約を受ける。この様な装置の材質上の制約から、原液中に残存する有用な塩酸を回収することができないし、濃縮残分の十分な減容化もできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記の様な従来技術の問題点を解消乃至軽減して、小型で、設備費および運転経費の安価な蒸気圧縮式濃縮技術を提供することにより、廃塩酸からの有用な塩酸の回収を行うとともに、濃縮残分の高度の減容化を達成することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の様な技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、従来ほとんど利用されていなかった低圧蒸気(通常1kg/cm2・G程度)を圧縮機により圧縮して昇温/昇圧し、得られるより高温/高圧の蒸気を有効利用することにより、新規な廃塩酸処理技術を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記の廃塩酸の処理方法を提供するものである。
【0013】
1.蒸発缶を使用する廃塩酸の処理方法において、
(1)原液を蒸発缶内の液面から伝熱管までの間の液中に導入する工程、
(2)蒸気を圧縮機で圧縮・昇温した後蒸発缶内伝熱管外側に供給して、伝熱管内の液を加熱・蒸発させる工程、
(3)蒸発缶内で発生した蒸気を冷却器で冷却し、これを塩酸水溶液として回収する工程、
(4)蒸発缶内伝熱管外側からの蒸気の凝縮液を回収する工程、
(5)蒸発缶内の温度および/または回収塩酸液量を示す信号に対応して圧縮機出力を制御する工程、および
(6)蒸発缶内の液面高さを示す信号に対応して濃縮液を蒸発缶塔底から抜き出し、濃縮液貯槽に送る工程
を備えたことを特徴とする廃塩酸の処理方法。
【0014】
2.工程(1)において、蒸発缶内の塔底液をポンプで抜き取り、原液の導入ラインへ循環する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0015】
3.工程(2)で使用する蒸気が、コジェネレーション設備で発生する蒸気である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0016】
4.工程(2)の蒸発缶が、カランドリア型蒸発缶である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0017】
5.工程(2)の圧縮機が、スクリュー型圧縮機である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0018】
6.工程(4)で回収した蒸気の凝縮液をボイラー給水としておよび/または工程(6)で得られる濃縮液の希釈水として使用する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0019】
7.スクリュー型圧縮機のモーター回転数をインバーター装置により制御する上記項5に記載の廃塩酸の処理方法。
【0020】
8.蒸発缶内発生蒸気量(回収塩酸水溶液量)に対応してスクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御する上記項7に記載の廃塩酸の処理方法。
【0021】
9.蒸発缶内温度に対応してスクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御する上記項7に記載の廃塩酸の処理方法。
【0022】
10.工程(2)において、複数個の圧縮機が設けられている上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0023】
11.蒸発缶内液面の上方空間部にデミスターを設けた上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0024】
12.伝熱管外側の蒸気ラインに、蒸発缶内の非凝縮性気体の自動的排出を定期的に行うための電磁弁を設けた上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0025】
13.蒸発缶内の運転圧力が常圧または減圧である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0026】
14.伝熱管外側の蒸気ラインの電磁弁の後流側に減圧運転時に電磁弁の開閉と連動する真空ポンプを設けた上記項13に記載の廃塩酸の処理方法。
【0027】
15.スタートアップ時または長期運転時に蒸発缶内伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に対応するために、補助熱源を蒸発缶内底部または圧縮機出口ラインへ導入する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0028】
16.補助熱源が蒸気である上記項15に記載の廃塩酸の処理方法。
【0029】
17.伝熱管の材質がTi-Pdである上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0030】
18.蒸発缶内の液面に相当する位置において、蒸発缶底部と連通するオーバーフロー管から濃縮液を抜き出す上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する圧縮機としては、特に限定されるものではないが、従来の濃縮技術では用いられたことがなかったスクリュー型圧縮機であることが好ましい。スクリュー型圧縮機は、次の様な特性を備えている。
【0032】
a.低速回転時から高圧力・高効率運転が可能である。
【0033】
b.高い応答性を持っている。
【0034】
c.小型、コンパクトで据え付けが容易である。
【0035】
d.発生蒸気量に対応して、スクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御することができる。
【0036】
この様なスクリュー型圧縮機は、通常アルミニウム合金製のケーシング部に一対の雄、雌シリンダーを内蔵する構造を有している。以下においては、スクリュー型圧縮機を使用する実施態様について説明を行う。
【0037】
上記の様な構造を有し、且つ効果を発揮するスクリュー型圧縮機を使用する場合には、従来の圧縮機を使用する場合に比して、設備費および運転費が大幅に安価となる。
【0038】
本発明で使用するスクリュー型圧縮機は、一例として、最大吐出圧力として160KPa、最高許容吐出温度として160℃、最大吸気量として760m3/hr(空気換算)、圧縮比として約2.3という高い特性を発揮することができる。
【0039】
従来の圧縮機としてのルーツブロワーでの圧縮比限界が約1.8程度で、全断熱効率が約45〜60%であるのに対し、スクリュー型圧縮機は、圧縮比1.5で全断熱効率約65%、圧縮比2〜2.3で約70%と高い性能を発揮することができる。
【0040】
スクリュー型圧縮機のローターは、熱膨張を少なくし、必要クリアランスを小さくするために、好ましくは、膨張係数の少ないアルミニウム合金を用い、ローターの表面にフッ素樹脂(たとえば、デュポン社から商標名「テフロン」として市販されている)系コーティング材を塗布する。圧縮機は、必要蒸気量に応じて、複数個設けることができる。
【0041】
従来、必要蒸気量に対応して圧縮機により吸引および吐出を行い、蒸発缶(以下「濃縮器」ということがある)内での蒸発を効率よく行わせることは、圧縮機の制御上困難であった。本発明においては、圧縮機の駆動源として高速回転型の誘導電動機からなるモーターを使用し、このモーターの回転数制御機構としてインバーター装置を用いる。すなわち、冷却器後流側に設けた流量計、蒸発缶内温度を測定する温度計などにより蒸気発生量を検出し、この入力信号を調節計に送り、この調節計からの出力信号をインバーターに入力して、蒸気発生量が一定となる様にするか、或いは蒸気発生量に対応してモーターの回転数を増減することができる。その結果、装置全体が簡略化され、始動時などのおける制御も容易となる。
【0042】
また、圧縮機前流側の蒸気ラインにおいては、保温および/またはヒーターによる加熱により、圧縮機入口側での蒸気の凝縮を防止することができる。
【0043】
本発明においては、装置の小型化とコスト低減を目的として、原液の予熱のためにプレート型熱交換器を用いることもできる。この予熱器および原液導入ライン内の圧力を蒸発缶内圧力よりも高くすることにより、予熱器内での気泡生成による伝熱係数の低下を防ぐため、予熱器出口(例えばカランドリア型蒸発缶などの蒸発缶入口)側に背圧弁を設けることもできる。
【0044】
原液中に濃縮条件下に発泡を生じる可能性がある成分(界面活性剤など)が含まれている場合には、あらかじめシリコーン系消泡剤を添加してもよい。消泡剤の添加量は、発泡性成分の含有量などを考慮して定めれば良く、特に限定されるものではないが、通常30〜500mg/l程度である。
【0045】
本発明で使用する蒸発缶(以下「カランドリア型蒸発缶」をもって代表させる)においては、従来技術で生じていた伝熱管内側への液分散不良などによる伝熱係数の低下を防ぐために、カランドリア型蒸発缶(以下単に「カランドリア」ということもある)内液面から伝熱管上部までの液深さの上方から15〜50%程度の位置に液を導入することが好ましい。これにより、液は、伝熱管内に常時保持された状態で、伝熱管外の圧縮蒸気により加熱・蒸発される。従来の液供給方法では、発泡を促進することがあり、その結果濃縮処理が不能となることがあった。しかるに、本発明方法では、前記の液の分散による流速の低下ならびに発泡促進などの問題は、解消される。
【0046】
さらに、塩酸および水の蒸気が蒸発缶を出る前流側に充填物、フィルター、たれ壁などを配置することにより、原液飛沫あるいは缶内液飛沫の蒸気側への同伴混入を防止することができる。
【0047】
また、必要に応じ、カランドリア内塔底液をポンプで抜き出し、原液導入位置へ循環することにより、伝熱管内の液流速を増大させて、伝熱係数を上げることができる。
【0048】
伝熱管外の蒸気は、伝熱管内の液を加熱し、蒸発させた後、凝縮する。本発明においては、蒸発缶内伝熱管外の蒸気の凝縮液面高さを一定に制御するために、スチームトラップあるいは凝縮液槽を設けることにより、圧縮蒸気の系外への排出による損失を防いでいる。凝縮液は、スチームトラップあるいは凝縮液槽を経て系外に排出され、ボイラー給水、蒸発缶塔底部から抜き出された濃縮液の固化防止用希釈水などとして再利用することができる。
【0049】
圧縮機の効率、消費電力などに影響を与えるカランドリア内の空気などの非凝縮性ガスは、伝熱管外側の蒸気ラインに設けた電磁弁の開閉により、カランドリア外へ排出される。排出ガスは、ガス中の成分に対応して、必要ならば、活性炭吸着などにより所定成分を除去した後、或いは濃縮液タンク内の液にバブリングさせて所定成分を吸収除去した後、大気中に放出される。電磁弁の開閉は、カランドリア内圧力と連動させる方法、任意のタイマー設定などにより、自動的に行われる。
【0050】
濃縮液は、濃縮器内の液面計からの信号を受け、塔底部から制御弁を通して排出される。
【0051】
カランドリア内の運転圧力が減圧系である場合には、伝熱管外側の蒸気ラインに設けた電磁弁の後流側にこの電磁弁の開閉と連動する真空ポンプを設ける。
【0052】
必要ならば、スタートアップ時の装置全体の昇温のために、或いは長期運転後の予熱器やカランドリア伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源(ガスだきボイラーからの蒸気など)を、カランドリア内底部または圧縮器出口ラインへ導入する。
【0053】
以下図面を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下においては、廃塩酸の濃縮について説明するが、本発明は、その作動原理上、その他の廃酸、廃アルカリ液などの濃縮にも適用できることはいうまでもない。
【0054】
図1は、本発明による廃塩酸の濃縮処理の一例を示すフローシートである。濃縮すべき廃塩酸は、タンク1から、ライン2を経て、ポンプ3において所定圧力まで昇圧された後、ライン4から濃縮器(カランドリア型蒸発缶)12へ導入される。図示はしないが、必要ならば、ポンプ3の前流側にストレーナーを設け、後流側に流量計を設けることができる。廃塩酸は、濃縮器12内の液面から伝熱管上部までの液深さの15〜50%の位置(液面から下方に向けての位置)で濃縮器に導入される。
【0055】
伝熱缶内での廃塩酸の加熱は、ボイラー5からの蒸気により行う。すなわち、この蒸気をライン6を経て圧縮機7に供給し、ここで圧縮・昇温した後、ライン9および10を経て、濃縮器12の伝熱管外側に供給され、伝熱管内の液を加熱し、蒸発させる。これにより、伝熱管外の蒸気自体は、凝縮・液化する。凝縮液は、濃縮器12内の伝熱管の下部に接続されたライン18からスチームトラップ19を経て、ライン20から排出される。この凝縮液は、必要に応じ、ボイラー5への給水用水として、あるいはライン24から抜き出される濃縮液の固化防止用希釈水などとして、再利用される。さらに、この凝縮水は、再利用に先立って、ポンプ3の出口側のライン4に設けた予熱器(図示せず)において、原液の予熱源として利用することができる。
【0056】
圧縮機7としては、先述の通り、アルミニウム合金製ケーシング内に一対の雄および雌ローターを内蔵した形式のスクリュー型圧縮機を使用することが好ましい。
【0057】
濃縮器12内で発生した塩酸および水の蒸気は、ライン13を経て冷却器14で冷却され、凝縮した後、ライン16を経て、蒸留液タンク17に溜められる。
【0058】
濃縮器12の上部空間には、充填物、フィルター、たれ壁など(「26」として示す)を配設することにより、原液飛沫あるいは缶内液飛沫の蒸気への同伴混入を防止することができる。
【0059】
圧縮機7の効率および消費電力などに影響を与える濃縮器12内の空気などの非凝縮性ガスは、伝熱管外側の蒸気ライン21に設けた電磁弁22の開閉により蒸発缶外へ排出される。この電磁弁22の開閉は、濃縮器12内圧力と連動させることにより行ってもよく、或いはタイマー設定により自動的に行ってもよい。必要ならば、排出ガスを活性炭などによる吸着処理に供したり、或いは濃縮液タンク25内の液中にバブリングさせる。
【0060】
濃縮器12内に蓄積する濃縮液は、濃縮器12内の液面計(図示せず)からの信号により、濃縮器12の底部からのライン24および制御弁(図示せず)を通じて、濃縮液タンク25に排出される。あるいは、濃縮液は、制御弁を用いることなく、蒸発缶内の液面に相当する位置において、濃縮器12の底部に連通するオーバーフロー管(図示せず)から抜き出すことも可能である。
【0061】
排出された濃縮液の固化を防止する必要がある場合には、水または前記ライン20からの凝縮水をライン24または濃縮液タンク25内に供給し、濃縮液を希釈すればよい。
【0062】
また、必要に応じて、濃縮器12内の液を液抜き出しライン24から循環ポンプ(図示せず)により抜き出し、原液ライン4へ循環することにより、伝熱管内の液流速を増大させ、伝熱係数を上げることができる
濃縮器12内の運転圧力が減圧系である場合には、電磁弁22の後流側に電磁弁22の開閉と連動する真空ポンプ(図示せず)を設ける。減圧系で運転する場合には、ライン20上に凝縮液ポンプ(図示せず)を設け、ライン25上に濃縮液ポンプ(図示せず)を設ける必要がある。
【0063】
また、必要に応じ、スタートアップ時の加熱・昇温のために、あるいは長期運転後に濃縮器12の伝熱管などの汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源として、例えばボイラー5からの蒸気をライン6、圧縮機7および/またはバイパスライン8を経て、さらにライン9、10を経てライン11から導入する。
【0064】
なお、濃縮器12の伝熱管などの汚れとそれに伴う伝熱係数の低下を生じた場合には、運転中に廃塩酸の供給を一時的に中断し、工業用水を供給することにより、汚れを洗浄・除去することができる。
【0065】
本発明は、各種の廃酸液、廃アルカリ液の濃縮処理のみならず、各種の産業廃水、洗浄廃水、写真現像液、定着液および洗浄廃水などの濃縮・減容化、原液中の有用成分或いは不純物の蒸留分離、食品工業での溶液(だし汁、ジュース、ミルクなど)の濃縮などの広い分野で利用できる。本発明は、その他の分野でも利用可能であり、ここに例示した分野での利用に限定されるものではない。
【0066】
【発明の効果】
本発明方法によれば、以下の様な顕著な効果が達成される。
【0067】
(1)従来技術に比して、原液の濃縮プロセスが簡単であり、設備が小型化されるので、設備費、運転経費などが低減される。
【0068】
(2)連続的に安定した運転が可能である。
【0069】
(3)例えば、コジェネレーション設備などで比較的多量に発生するにもかかわらず、従来ほとんど利用されていなかった低圧蒸気を有効に利用することができる。
【0070】
(4)廃塩酸中に残存する有用な塩酸を回収し、再利用することができる。
【0071】
(5)廃塩酸中の塩酸および水分が回収される結果、従来に比して、廃棄処理量を減容化することができ、廃棄コストを低減することができる。
【0072】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
【0073】
実施例1〜4
蒸留液を回収するための冷却器および蒸留液受器を備えた容量1リットルのガラス製濃縮器(シリコーン油を熱媒体とする)を用いて、鋼線製造工場(A社)で発生した数種の廃塩酸(それぞれ0.5リットル)の処理を大気圧下に行った。
【0074】
廃塩酸の分析値および処理条件を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
注:実施例4では、連続槽とバッチ槽に由来する廃塩酸を等量混合して、処理した。
【0077】
濃縮液中の鉄(Fe+2+Fe+3)濃度が約360g/lとなる様に、廃塩酸を蒸留液と濃縮液とに分離した。蒸留液の分析結果と蒸留液および遊離HClの回収率を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
注:遊離HClとは、Fe+2+Fe+3などと不結合状態の分子状のHClを意味する。
【0080】
蒸留液回収率=蒸留液量/廃塩酸量×100
遊離HCl回収率=蒸留液量×蒸留液中遊離HCl/廃塩酸量×廃塩酸中HCl
以上の結果から、廃塩酸中の鉄濃度が高く、遊離HCl濃度が低い場合には、蒸留液中のHClが低く、HCl回収率が低いことが明らかである。
【0081】
実施例5〜8
メッキ処理工場(B社)で発生した廃塩酸を原液とし、且つ試験温度を各濃縮条件に対応した温度とする以外は実施例1〜4の手法に準じて、処理を行った。廃塩酸の分析値および処理条件を表3に示し、蒸留液の分析結果と蒸留液および遊離HClの回収率を表4に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
実施例9
図1に示すフローに従って大気圧で本発明を実施した。すなわち、鋼線製造工場(C社)で発生した廃塩酸(遊離HCl=200g/l、Fe(Fe+2+Fe+3=88g/l)を使用して、その処理を行い、蒸発缶内部温度と濃縮倍率との関係を求めた。運転時の各機器における条件は、表5に示す通りである。
【0085】
【表5】
【0086】
結果を表6に示す。
【0087】
【表6】
【0088】
表6に示す結果から明らかな様に、濃縮液の温度または比重を測定することにより、原液中の鉄濃度に対応して、濃縮倍率を決めることができる。
【0089】
なお、濃縮液を系外に取り出した場合に、常圧下において、3倍濃縮時に濃縮液の約40%が、4倍濃縮時に約90%が、5倍濃縮時に約100%がそれぞれ固化した。
【0090】
実施例10〜11
図1に示すフローに従って大気圧で本発明を実施した。すなわち、鋼線製造工場(d社)で発生した廃塩酸(連続槽およびバッチ槽で発生した2種の廃塩酸の等量混合物)を使用して、その処理を行った。運転時の各機器における条件は、実施例9と同様である。廃塩酸の分析値および濃縮倍率を表7に示す。
【0091】
【表7】
【0092】
濃縮液中の鉄(Fe+2+Fe+3)濃度が約360g/lとなる様に、廃塩酸を蒸留液と濃縮液とに分離した。蒸留液および濃縮液の分析結果などを表8に示す。
【0093】
【表8】
【0094】
実施例10および11のいずれにおいても、安定した濃縮処理が可能であった。また、濃縮液に適量の水を添加することにより、常温下での固化は認められなかった。
【0095】
なお、実施例10および11によるコスト削減率(回収塩酸の使用による塩酸購入費の低減および減容による産業廃棄物処理費の低減)を算出すると、従来法に比して(現時点基準)、実施例10の場合で約44%であり、実施例11の場合で約35%である。
【0096】
実施例12
カランドリア型蒸発缶を用い、実施例10の手法に準じて、減圧下にメッキ工場廃液(廃塩酸)の濃縮処理を行った。処理条件を表9に示し、結果を表10に示す。
【0097】
【表9】
【0098】
【表10】
【0099】
表9および表10に示す結果から明らかな様に、減圧下での処理によっても、実施例10とほぼ同様の廃液処理結果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による廃水の濃縮処理の一例を示すフローシートである。
【符号の説明】
1…廃水タンク
3…廃水ポンプ
5…ボイラー
7…圧縮機
12…濃縮器
14…冷却器
15…冷却水ライン
17…蒸留液槽
19…スチームトラップ
22…電磁弁
25…濃縮液タンク
26…充填物[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for treating waste hydrochloric acid containing high-concentration iron contained in a steel material washing process in a steel wire manufacturing factory, a plating factory, or the like. In more detail, the present invention aims to reuse the waste hydrochloric acid by evaporating and recovering the effective hydrochloric acid remaining in the waste hydrochloric acid conventionally treated as industrial waste as it is and reducing the volume of the waste residue. The present invention relates to a method for recycling waste hydrochloric acid.
[0002]
[Prior art]
For example, in the conventional vapor compression evaporator shown in the drawing of Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-26184, a large number of heat transfer tubes are provided in the upper part of a sealed evaporator having a stock solution reservoir in the lower part. The raw solution sent by the raw solution pump is evaporated on the outer surface of each heat transfer tube by spraying it with a sprayer, and the vapor generated by this evaporation is compressed with a blower compressor and heated. By supplying the heated steam into each heat transfer tube through a duct, the stock solution sprayed on the outer surface of each heat transfer tube is heated and evaporated, and air or the like is discharged from each heat transfer tube. By extracting the condensable gas with a vacuum generating means such as a vacuum pump, the inside of the evaporator is kept in a reduced pressure state equal to or lower than atmospheric pressure.
[0003]
However, this type of vapor compression evaporator has the following problems.
[0004]
I. The compression efficiency of the blower compressor main body is low, the amount of electric power required to compress the unit stock solution amount is increased, the operating cost is increased, and the equipment is also increased.
[0005]
B. Since the undiluted solution is spread on the outer surface of each heat transfer tube via the spreader, there is a reduction in the heat exchanger heat transfer coefficient resulting from poor liquid dispersion.
[0006]
C. In particular, when treating waste hydrochloric acid containing a large amount of iron, etc., due to increase in the concentration rate of the liquid or continuous operation, clogging and poor dispersion due to sludge in the liquid distributor nozzle part, dirt on the outer surface of each heat transfer tube, liquid specific gravity Or, it cannot effectively cope with a decrease in heat transfer coefficient due to an increase in viscosity or the like.
[0007]
Also, removal of the outer surface adhesion scale of each tube is often difficult because the liquid is dispersed and the liquid flow rate with respect to the outer surface of the heat transfer tube is slow.
[0008]
D. As a result of the above (b) and (c), the concentration process must be performed in a state where the evaporation amount per unit cross-sectional area is always low. Therefore, in order to increase the amount of evaporation per unit time, it is necessary to increase the heat transfer area or use a blower compressor with a high compression ratio. There is a problem that increases.
[0009]
E. In particular, when waste hydrochloric acid is to be treated, the steam contains high-concentration hydrochloric acid, which greatly restricts the selection of the material such as the compressor body. Due to such restrictions on the material of the apparatus, useful hydrochloric acid remaining in the stock solution cannot be recovered, and the concentrated residue cannot be sufficiently reduced in volume.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention eliminates or reduces the problems of the prior art as described above, and provides a vapor compression concentration technique that is small in size and inexpensive in equipment cost and operation cost. The main purpose is to recover hydrochloric acid and achieve high volume reduction of the concentrated residue.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research in view of the current state of the art as described above, the present inventor has compressed low pressure steam (usually about 1 kg / cm 2 · G), which has been rarely used in the past, with a compressor to raise the temperature. The new waste hydrochloric acid treatment technology has been completed by effectively using the higher temperature / high pressure steam obtained by increasing the pressure.
[0012]
That is, this invention provides the processing method of the following waste hydrochloric acid.
[0013]
1. In the treatment method of waste hydrochloric acid using an evaporator,
(1) introducing the stock solution into the liquid between the liquid surface in the evaporator and the heat transfer tube;
(2) A process of heating and evaporating the liquid in the heat transfer tube after the steam is compressed and heated by the compressor and then supplied to the outside of the heat transfer tube in the evaporator.
(3) a step of cooling the steam generated in the evaporator with a cooler and recovering it as an aqueous hydrochloric acid solution;
(4) a step of recovering vapor condensate from the outside of the heat transfer tube in the evaporator,
(5) a step of controlling the compressor output in response to a signal indicating the temperature in the evaporator and / or the amount of recovered hydrochloric acid, and (6) concentration corresponding to a signal indicating the liquid level in the evaporator. A method for treating waste hydrochloric acid, comprising a step of extracting the liquid from the bottom of the evaporator tower and sending it to a concentrate storage tank.
[0014]
2. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein in the step (1), the bottom liquid in the evaporator is extracted with a pump and circulated to the stock solution introduction line.
[0015]
3. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the steam used in the step (2) is steam generated in a cogeneration facility.
[0016]
4). Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the evaporator in step (2) is a Calandria type evaporator.
[0017]
5. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the compressor in step (2) is a screw type compressor.
[0018]
6). Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the steam condensate recovered in step (4) is used as boiler feed water and / or as dilution water for the concentrate obtained in step (6).
[0019]
7). Item 6. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 5, wherein the motor rotation speed of the screw compressor is controlled by an inverter device.
[0020]
8). Item 8. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 7, wherein the number of revolutions of the motor of the screw compressor is controlled in accordance with the amount of vapor generated in the evaporator (the amount of recovered hydrochloric acid solution).
[0021]
9. Item 8. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 7, wherein the rotational speed of the motor of the screw compressor is controlled in accordance with the temperature in the evaporator.
[0022]
10. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein a plurality of compressors are provided in the step (2).
[0023]
11. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein a demister is provided in a space above the liquid level in the evaporator.
[0024]
12 Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1 above, wherein an electromagnetic valve for periodically discharging the noncondensable gas in the evaporator is provided in the steam line outside the heat transfer tube.
[0025]
13. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the operating pressure in the evaporator is normal pressure or reduced pressure.
[0026]
14
[0027]
15. The method for treating waste hydrochloric acid according to item 1, wherein an auxiliary heat source is introduced into the bottom of the evaporator or the outlet line of the compressor in order to cope with a decrease in the evaporation amount due to contamination of the heat transfer pipe in the evaporator during start-up or long-term operation. .
[0028]
16.
[0029]
17. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the material of the heat transfer tube is Ti-Pd.
[0030]
18. Item 2. The method for treating waste hydrochloric acid according to Item 1, wherein the concentrate is extracted from an overflow pipe communicating with the bottom of the evaporator at a position corresponding to the liquid level in the evaporator.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Although it does not specifically limit as a compressor used by this invention, It is preferable that it is a screw type compressor which was not used by the conventional concentration technique. The screw type compressor has the following characteristics.
[0032]
a. High pressure and high efficiency operation is possible from low speed rotation.
[0033]
b. High responsiveness.
[0034]
c. Small, compact and easy to install.
[0035]
d. The motor speed of the screw compressor can be controlled in accordance with the amount of generated steam.
[0036]
Such a screw type compressor usually has a structure in which a pair of male and female cylinders are built in a casing portion made of an aluminum alloy. In the following, an embodiment using a screw compressor will be described.
[0037]
When a screw type compressor having the above-described structure and exhibiting the effect is used, the equipment cost and the operation cost are significantly reduced as compared with the case of using a conventional compressor.
[0038]
As an example, the screw compressor used in the present invention has a high discharge pressure of 160 KPa, a maximum allowable discharge temperature of 160 ° C., a maximum intake amount of 760 m 3 / hr (air conversion), and a compression ratio of about 2.3. It can be demonstrated.
[0039]
The compression ratio limit of the roots blower as a conventional compressor is about 1.8, and the total heat insulation efficiency is about 45-60%, while the screw type compressor has a compression ratio of 1.5 and the total heat insulation efficiency is about 65%. The compression ratio of 2 to 2.3 can exhibit high performance of about 70%.
[0040]
The rotor of the screw-type compressor is preferably made of an aluminum alloy having a low expansion coefficient in order to reduce thermal expansion and reduce the required clearance, and a fluororesin (for example, trade name “Teflon from DuPont” on the rotor surface is used. Apply a coating material (commercially available). A plurality of compressors can be provided according to the required amount of steam.
[0041]
Conventionally, it has been difficult in terms of compressor control to perform suction and discharge by a compressor in accordance with the required amount of steam and to efficiently perform evaporation in an evaporator (hereinafter sometimes referred to as a “concentrator”). there were. In the present invention, a motor composed of a high-speed rotation type induction motor is used as a drive source of the compressor, and an inverter device is used as a rotation speed control mechanism of the motor. That is, the amount of steam generated is detected by a flow meter provided on the downstream side of the cooler, a thermometer that measures the evaporator internal temperature, etc., this input signal is sent to the controller, and the output signal from this controller is sent to the inverter. It is possible to input the steam generation amount to be constant, or to increase / decrease the rotational speed of the motor in accordance with the steam generation amount. As a result, the entire apparatus is simplified, and control at the time of start-up becomes easy.
[0042]
Further, in the steam line on the upstream side of the compressor, steam condensation on the compressor inlet side can be prevented by heat retention and / or heating by a heater.
[0043]
In the present invention, a plate heat exchanger can also be used for preheating the stock solution for the purpose of reducing the size of the apparatus and reducing the cost. In order to prevent a decrease in the heat transfer coefficient due to bubble generation in the preheater by making the pressure in the preheater and the stock solution introduction line higher than the pressure in the evaporator, A back pressure valve can be provided on the evaporator inlet side.
[0044]
If the stock solution contains a component (such as a surfactant) that may cause foaming under concentration conditions, a silicone-based antifoaming agent may be added in advance. The addition amount of the antifoaming agent may be determined in consideration of the content of the foaming component and the like, and is not particularly limited, but is usually about 30 to 500 mg / l.
[0045]
In the evaporator used in the present invention (hereinafter referred to as “Calandria type evaporator”), the Calandria type evaporator is used in order to prevent a decrease in the heat transfer coefficient due to poor liquid dispersion inside the heat transfer tube, which has occurred in the prior art. It is preferable to introduce the liquid at a position of about 15 to 50% from above the liquid depth from the inner liquid surface of the can (hereinafter sometimes simply referred to as “calandria”) to the top of the heat transfer tube. Thereby, the liquid is heated and evaporated by the compressed steam outside the heat transfer tube while being always held in the heat transfer tube. In the conventional liquid supply method, foaming may be promoted, and as a result, the concentration process may become impossible. However, in the method of the present invention, the problems such as the decrease in flow rate and the promotion of foaming due to the dispersion of the liquid are solved.
[0046]
Furthermore, by placing a packing, filter, dripping wall, etc. on the upstream side of hydrochloric acid and water vapor exiting the evaporator, it is possible to prevent entrainment of raw liquid droplets or liquid droplets in the can on the vapor side. .
[0047]
Further, if necessary, the liquid at the bottom of the Calandria tower is extracted by a pump and circulated to the stock solution introduction position, whereby the liquid flow rate in the heat transfer tube can be increased and the heat transfer coefficient can be increased.
[0048]
The steam outside the heat transfer tube heats and evaporates the liquid in the heat transfer tube, and then condenses. In the present invention, a steam trap or a condensate tank is provided in order to keep the condensate level of the steam outside the heat transfer tube inside the evaporator constant, thereby preventing loss due to discharge of the compressed steam out of the system. It is out. The condensate is discharged out of the system via a steam trap or a condensate tank, and can be reused as boiler feed water, dilution water for preventing the solidification of the concentrate extracted from the bottom of the evaporator tower, and the like.
[0049]
Non-condensable gas such as air in the calandria that affects the efficiency and power consumption of the compressor is discharged out of the calandria by opening and closing an electromagnetic valve provided in the steam line outside the heat transfer tube. Exhaust gas corresponds to the components in the gas, if necessary, after removing the prescribed components by activated charcoal adsorption, etc., or by absorbing and removing the prescribed components by bubbling the liquid in the concentrate tank. Released. The solenoid valve is automatically opened and closed by a method linked with the pressure in the calandria, an arbitrary timer setting, or the like.
[0050]
The concentrate receives a signal from the level gauge in the concentrator and is discharged from the bottom of the tower through a control valve.
[0051]
When the operating pressure in the calandria is a decompression system, a vacuum pump is provided on the downstream side of the solenoid valve provided in the steam line outside the heat transfer tube in conjunction with the opening and closing of the solenoid valve.
[0052]
If necessary, an auxiliary heat source (steam from a gas-fired boiler, etc.) may be used to increase the temperature of the entire system at start-up, or to reduce the amount of evaporation due to contamination of the preheater or Calandria heat transfer tube after long-term operation. Introduce to Calandria inner bottom or compressor outlet line.
[0053]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the drawings. In the following, although concentration of waste hydrochloric acid will be described, it is needless to say that the present invention can be applied to the concentration of other waste acids, waste alkaline solutions, etc. in terms of its operating principle.
[0054]
FIG. 1 is a flow sheet showing an example of the concentration treatment of waste hydrochloric acid according to the present invention. Waste hydrochloric acid to be concentrated is boosted from tank 1 through line 2 to a predetermined pressure in
[0055]
The waste hydrochloric acid is heated in the heat transfer can by steam from the boiler 5. That is, this steam is supplied to the compressor 7 through the line 6, compressed and heated here, and then supplied to the outside of the heat transfer tube of the
[0056]
As described above, as the compressor 7, it is preferable to use a screw type compressor having a pair of male and female rotors in an aluminum alloy casing.
[0057]
The hydrochloric acid and water vapor generated in the
[0058]
In the upper space of the
[0059]
Non-condensable gas such as air in the
[0060]
The concentrated liquid accumulated in the
[0061]
If it is necessary to prevent solidification of the discharged concentrated liquid, water or condensed water from the
[0062]
Further, if necessary, the liquid in the
[0063]
If necessary, for example, steam from the boiler 5 is used as an auxiliary heat source for heating / heating at start-up, or in accordance with a decrease in the evaporation amount due to contamination of the heat transfer tube of the
[0064]
If the heat transfer tube of the
[0065]
The present invention not only concentrates various waste acid solutions and waste alkaline solutions, but also concentrates and reduces volumes of various industrial wastewaters, washing wastewaters, photographic developers, fixing solutions and washing wastewaters, and useful components in the stock solution Alternatively, it can be used in a wide range of fields such as distillation separation of impurities and concentration of solutions (dashi soup, juice, milk, etc.) in the food industry. The present invention can be used in other fields, and is not limited to use in the fields illustrated here.
[0066]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, the following remarkable effects are achieved.
[0067]
(1) Compared with the prior art, the process for concentrating the stock solution is simple and the equipment is downsized, so that the equipment costs, operating costs, etc. are reduced.
[0068]
(2) Continuously stable operation is possible.
[0069]
(3) For example, it is possible to effectively use low-pressure steam that has been hardly used in the past even though it is generated in a relatively large amount in a cogeneration facility or the like.
[0070]
(4) The useful hydrochloric acid remaining in the waste hydrochloric acid can be recovered and reused.
[0071]
(5) As a result of the recovery of hydrochloric acid and water in the waste hydrochloric acid, the amount of waste disposal can be reduced and the disposal cost can be reduced as compared with the conventional case.
[0072]
【Example】
Examples will be shown below to further clarify the features of the present invention.
[0073]
Examples 1-4
Number generated at a steel wire manufacturing plant (Company A) using a 1 liter glass concentrator (with silicone oil as a heat medium) equipped with a condenser and a distillate receiver for collecting the distillate Treatment of the seed waste hydrochloric acid (0.5 liters each) was carried out under atmospheric pressure.
[0074]
Table 1 shows analytical values and treatment conditions of waste hydrochloric acid.
[0075]
[Table 1]
[0076]
Note: In Example 4, the waste hydrochloric acid derived from the continuous tank and the batch tank was mixed in an equal amount and processed.
[0077]
Waste hydrochloric acid was separated into a distillate and a concentrate so that the concentration of iron (Fe +2 + Fe +3 ) in the concentrate was about 360 g / l. Table 2 shows the analysis results of the distillate and the recoveries of the distillate and free HCl.
[0078]
[Table 2]
[0079]
Note: Free HCl means molecular HCl that is not bound to Fe +2 + Fe +3 or the like.
[0080]
Distillate recovery rate = amount of distillate / waste hydrochloric acid x 100
Free HCl recovery rate = amount of distillate x free HCl in distillate / waste hydrochloric acid x HCl in waste hydrochloric acid
From the above results, it is clear that when the iron concentration in the waste hydrochloric acid is high and the free HCl concentration is low, the HCl in the distillate is low and the HCl recovery rate is low.
[0081]
Examples 5-8
The treatment was carried out according to the methods of Examples 1 to 4 except that waste hydrochloric acid generated at the plating treatment plant (Company B) was used as a stock solution and the test temperature was changed to a temperature corresponding to each concentration condition. The analysis values and treatment conditions of the waste hydrochloric acid are shown in Table 3, and the analysis results of the distillate and the recoveries of the distillate and free HCl are shown in Table 4.
[0082]
[Table 3]
[0083]
[Table 4]
[0084]
Example 9
The present invention was carried out at atmospheric pressure according to the flow shown in FIG. In other words, waste hydrochloric acid (free HCl = 200 g / l, Fe (Fe +2 + Fe +3 = 88 g / l)) generated at the steel wire manufacturing plant (Company C) is used for the treatment, and the evaporator internal temperature Table 5 shows the conditions for each device during operation.
[0085]
[Table 5]
[0086]
The results are shown in Table 6.
[0087]
[Table 6]
[0088]
As is apparent from the results shown in Table 6, by measuring the temperature or specific gravity of the concentrate, the concentration factor can be determined according to the iron concentration in the stock solution.
[0089]
When the concentrated solution was taken out of the system, about 40% of the concentrated solution was solidified under normal pressure, about 90% when concentrated 4 times, about 90% when concentrated 4 times, and about 100% when concentrated 5 times.
[0090]
Examples 10-11
The present invention was carried out at atmospheric pressure according to the flow shown in FIG. That is, the treatment was performed using waste hydrochloric acid (an equal mixture of two types of waste hydrochloric acid generated in a continuous tank and a batch tank) generated in a steel wire manufacturing factory (Company d). Conditions in each device during operation are the same as those in the ninth embodiment. Table 7 shows analytical values and concentration ratios of waste hydrochloric acid.
[0091]
[Table 7]
[0092]
Waste hydrochloric acid was separated into a distillate and a concentrate so that the concentration of iron (Fe +2 + Fe +3 ) in the concentrate was about 360 g / l. Table 8 shows the analysis results of the distilled liquid and the concentrated liquid.
[0093]
[Table 8]
[0094]
In any of Examples 10 and 11, stable concentration treatment was possible. Moreover, solidification at room temperature was not recognized by adding an appropriate amount of water to the concentrate.
[0095]
In addition, when the cost reduction rate (reduction of hydrochloric acid purchase cost by use of recovered hydrochloric acid and reduction of industrial waste treatment cost by volume reduction) by Examples 10 and 11 was calculated, it was implemented compared with the conventional method (current standard) In the case of Example 10, it is about 44%, and in the case of Example 11, it is about 35%.
[0096]
Example 12
Using a calandria type evaporator, the plating factory waste liquid (waste hydrochloric acid) was concentrated under reduced pressure according to the method of Example 10. The processing conditions are shown in Table 9 and the results are shown in Table 10.
[0097]
[Table 9]
[0098]
[Table 10]
[0099]
As is apparent from the results shown in Tables 9 and 10, the waste liquid treatment result almost the same as that of Example 10 was obtained by the treatment under reduced pressure.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flow sheet showing an example of waste water concentration treatment according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ...
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