JP3975312B2 - Waste hydrochloric acid treatment method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼線製造工場、鋼板製造工場、メッキ工場などにおいて、鋼線、鋼板、鋼製品などの洗浄工程で発生する高濃度鉄分含有廃塩酸の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、蒸発缶を用いて、従来はその殆どが産業廃棄物としてそのまま処理されていた廃塩酸中に残存する塩酸および鉄塩を回収することにより、その再利用をはかるとともに、廃棄残分の減容化を行う廃塩酸の再生処理方法、および蒸発缶内での濃縮液中鉄塩の固化を防止することにより、蒸発缶を安定して運転し、かつ必要時にはその運転を円滑に停止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開昭59-26184号公報における図面に示されている従来の蒸気圧縮式蒸発装置は、下部に原液の溜室を備えた密閉型の蒸発器内の上部に多数本の伝熱管を設け、該各伝熱管の外側面に、原液ポンプによって送られて来る原液を散布器にて散布することにより蒸発させ、この蒸発により発生した蒸気をブロワー圧縮機で圧縮して昇温し、この昇温した蒸気をダクトを介して、前記各伝熱管内に供給することにより、各伝熱管の外側面に散布されている原液を加熱・蒸発させるとともに、前記各伝熱管内から空気等の非凝縮性ガスを真空ポンプなどの真空発生手段にて抽出することにより、前記蒸発器内を大気圧以下の減圧状態に保持している。
【0003】
しかしながら、この形式の蒸気圧縮式蒸発装置には、以下の様な問題点がある。
イ.ブロワー圧縮機本体の圧縮効率が低く、単位原液量を圧縮するための必要電力量が大きくなり、運転経費が高くなり、設備も大きくなる。
ロ.原液は、散布器を介して、各伝熱管の外表面に散布されるので、液分散不良から生じる熱交換器伝熱係数の低下がある。
ハ.特に、多量の鉄分などを含有する廃塩酸の処理に際して、液の濃縮倍率上昇または連続運転に伴い、液分散器ノズル部分でのスラッジによる詰まりおよび分散不良、各伝熱管外表面の汚れ、液比重または粘度の上昇などによる伝熱係数の低下に対し、有効に対処することができない。
【0004】
また、各管の外表面付着スケールの除去は、液が分散されているため、伝熱管外面に対する液流速が遅いことなどから、困難となる場合が多い。
【0005】
さらに、濃縮液中の鉄濃度が上昇すると、鉄塩の固化による蒸発装置の安定した運転が困難となる場合もある。
ニ.上記ロおよびハの結果、濃縮処理は、常に単位断面積当たりの蒸発量が低い状態で行わざるを得ない。従って、単位時間当たりの蒸発量を増大させるためには、伝熱面積を増大させるか、或いはブロワー圧縮機として圧縮比の高いものを使用しなければならないため、装置が大型化するとともに、運転経費が嵩むという問題がある。
ホ.特に、廃塩酸を処理対象とする場合には、蒸気が高濃度の塩酸を含むので、圧縮機本体などの材質の選択に大きな制約を受ける。この様な装置の材質上の制約から、原液中に残存する有用な塩酸を回収することができないし、濃縮残分の十分な減容化もできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、加熱管を備えた加熱装置である蒸発缶を用いて廃塩酸の処理を行うに際し、装置の小型化による設備費と運転経費の節減を達成し、濃縮液中の固化鉄分(スラッジ)による配管類および機器類の目詰まりおよび伝熱係数の低下などを抑制しつつ、廃塩酸からの塩酸および鉄塩の回収を効率よく行うとともに、濃縮残分の高度の減容化を達成し、さらに必要時には、装置を定常運転状態から円滑に停止することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の様な技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、廃塩酸を導入する蒸発缶内温度を110〜120℃に調節保持するか、廃塩酸原液量に対する蒸発液量を調節するか、あるいは蒸発缶内温度の調節と蒸発液量の調節とを併せて行うことにより、蒸発缶内濃縮液中の鉄塩濃度を300g/l以下に抑制する場合には、蒸発缶内での閉塞、伝熱係数の低下などの装置運転上の問題点が大幅に軽減されることを見出した。
【0008】
さらに、蒸発缶の運転停止時には、蒸発缶内濃縮液中の鉄濃度を200g/l以下に低下させることにより、鉄塩の固化を防止して、装置の運転再開を円滑に行いうることを見出した。
【0009】
さらにまた、蒸発缶外に抜き出した濃縮液を希釈して鉄濃度を200g/l以下に制御する場合には、配管類での目詰まり、常温条件下の濃縮液貯槽における鉄塩の析出などを防止しうるとともに、有用な塩酸の回収と濃縮残分の十分な減容化を安定して達成できることも、見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記の廃塩酸の処理方法を提供するものである。
1.蒸発缶を使用する廃塩酸の処理方法において、(1)回分式および/または連続式の鉄鋼製品処理槽から連続的に抜き出された廃塩酸原液を蒸発缶内に導入する工程、(2)蒸気を供給し、蒸発缶内の液を間接的に加熱して、蒸発させる工程、(3)蒸発缶内で発生した蒸気を冷却器で冷却し、これを塩酸水溶液として回収する工程、(4)蒸発缶内での加熱・蒸発に利用した蒸気の凝縮液を回収する工程、(5)蒸発缶内温度および/または廃塩酸原液量に対する蒸留液量の割合を調整することにより、蒸発缶内濃縮液中の鉄濃度を300g/l以下に制御する工程、(6)蒸発缶内の液面高さに対応して濃縮液を抜き出し、濃縮液貯槽に送る工程、(7)蒸発缶外に抜き出した濃縮液を希釈することにより、その鉄濃度を200g/l以下に制御する工程、および(8)(a)蒸発缶内温度および/または廃塩酸原液量に対する蒸留液量の割合を調整するか、および/または(b)廃塩酸原液に代えて希釈液を供給することにより、蒸発缶内濃縮液中鉄濃度を200g/l以下とした後、廃塩酸の処理を停止する工程を備えたことを特徴とする廃塩酸の処理方法。
2.工程(5)における蒸発缶内温度が、110〜120℃である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
3.工程(7)において、蒸発缶からの濃縮液の抜き出しを80〜100℃の加熱条件下に行った後、濃縮液を希釈する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
4.蒸発缶内下部および/または濃縮液抜き出しラインに外部から蒸気および/または空気を間欠的に導入することにより、鉄塩の固化を抑制する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
5.工程(7)において、希釈液として、工程(4)からの凝縮液および/または廃塩酸原液および/または水を使用する上記項3に記載の廃塩酸の処理方法。
6.蒸発缶が、加熱管を備えた蒸気加熱型装置である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
7.蒸発缶が、カランドリア型蒸発缶、縦型多管式熱交換器蒸発缶あるいは横型多管式熱交換器蒸発缶である上記項6に記載の廃塩酸の処理方法。
8.加熱・蒸発用熱源が、ボイラーで発生する蒸気および/またはコジェネレーション設備で発生する蒸気である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
9.加熱・蒸発用熱源が、加熱熱媒および/または高温燃焼排ガスおよび/または電気である上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
10.加熱・蒸発用熱源が、高温・高圧蒸気を減圧弁で減圧した蒸気である上記項1、3、4、6、7または8に記載の廃塩酸の処理方法。
11.加熱・蒸発用熱源が、低温・低圧蒸気を圧縮機で圧縮・昇温した蒸気である上記項1、3、4、6、7または8に記載の廃塩酸の処理方法。
12.圧縮機が、スクリュー型圧縮機である上記項11に記載の廃塩酸の処理方法。
13.スクリュー型圧縮機のモーター回転数をインバーター装置により制御する上記項12に記載の廃塩酸の処理方法。
14.蒸発缶内および/または再濃縮装置内および/または晶析装置内で発生する蒸気量(回収塩酸水溶液量)に対応してスクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御する上記項12または13に記載の廃塩酸の処理方法。
15.蒸発缶内温度に対応してスクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御する上記項12または13に記載の廃塩酸の処理方法。
16.複数個の圧縮機が設けられている上記項11に記載の廃塩酸の処理方法。
17.工程(7)において、蒸発缶内の塔底液をポンプで抜き取り、廃塩酸原液の導入ラインへ循環する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
18.加熱・蒸発用熱源として使用した蒸気の凝縮液をボイラー給水として使用する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
19.蒸発缶内液面の上方空間部にデミスターを設けた上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
20.加熱側の蒸気ラインに、蒸発缶内の非凝縮性気体の自動的排出を定期的に行うための電磁弁を設けた上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
21.スタートアップ時または長期運転時に蒸発缶内伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に対応するために、補助熱源を蒸発缶内底部へ導入する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
22.スタートアップ時または長期運転時に蒸発缶内伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に対応するために、補助熱源を圧縮機出口ラインへ導入する上記項11に記載の廃塩酸の処理方法。
23.補助熱源が蒸気である上記項21または22に記載の廃塩酸の処理方法。
24.蒸発缶内伝熱管の汚れによる伝熱係数の低下が生じた場合に、運転中に廃塩酸原液の供給を一時的に中断し、水を供給することにより、汚れを洗浄・除去する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
25.工程(6)において、液面高さを示す信号に対応して濃縮液を塔底から抜き出す上記項1に記載の廃塩酸処理方法。
26.工程(6)において、蒸発缶内の液面に相当する位置で、蒸発缶底部と連通するオーバーフロー管から濃縮液を抜き出す上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
27.工程(3)において、蒸発缶内で発生する蒸気を冷却・凝縮させて塩酸として回収した後、鉄鋼製品の表面処理に使用する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
28.蒸発缶外に取り出した濃縮液を再濃縮装置または晶析装置において間接的に加熱し、蒸発させた後、生成する蒸気を工程(3)で得られた蒸気と併せて塩酸水溶液として回収するとともに、残余を塩化鉄を主成分とする固体状物として回収する上記項1に記載の廃塩酸の処理方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の処理対象となる廃塩酸原液が、濃縮条件下に発泡を生じる可能性がある成分(界面活性剤など)を含んでいる場合には、あらかじめシリコーン系などの公知の消泡剤を添加してもよい。消泡剤の添加量は、発泡性成分の含有量などを考慮して定めれば良く、特に限定されるものではないが、通常30〜500mg/l程度である。
【0012】
本発明方法で使用する蒸発缶としては、カランドリア型蒸発缶、縦型多管式熱交換器蒸発缶、横型多管式熱交換器蒸発缶などの加熱管を備えた加熱方式蒸発缶が挙げられる。
【0013】
本発明方法においては、鉄塩の固化による機器/配管などの閉塞を防止して、装置を安定して運転するために、蒸発缶内の濃縮液中の鉄濃度を300g/l以下に保持する。この鉄濃度調整は、蒸発缶内温度を110〜120℃程度、より好ましくは110〜115℃程度に調整することにより、あるいは廃塩酸原液量に対する蒸発液量の割合を調整することにより、あるいは蒸発缶内温度および蒸発液量の割合を調整することにより、行うことができる。
【0014】
蒸発缶における加熱・蒸発用熱源としては、ガスだきボイラーからの蒸気、コジェネレーション設備で発生する蒸気、種々の場所で発生する低温・低圧蒸気を圧縮機で圧縮・昇圧した蒸気、高温・高圧の蒸気を減圧した蒸気、加熱した熱媒体、高温燃焼排ガス、電気などが利用される。以下においては、蒸気を以て蒸発缶における加熱・蒸発用熱源を代表させる。
【0015】
蒸発缶(以下「カランドリア型蒸発缶」をもって代表させる)においては、従来技術で生じていた伝熱管外側への液分散不良などによる伝熱係数の低下を防ぐために、カランドリア型蒸発缶(以下単に「カランドリア」ということもある)内液面から伝熱管上部までの液深さの上方から15〜50%程度の位置に液を導入することが好ましい。これにより、液は、伝熱管内に常時保持された状態で、伝熱管外の蒸気により加熱・蒸発される。従来の液供給方法では、発泡を促進することがあり、その結果濃縮処理が不能となることがあった。しかるに、本発明方法では、前記の液の分散による流速の低下ならびに発泡促進などの問題は、解消される。
【0016】
さらに、塩酸および水の蒸気が蒸発缶を出る前流側(蒸発缶内液面の上方空間部)に充填物、フィルター、たれ壁など(デミスター)を配置することにより、原液飛沫あるいは缶内液飛沫の蒸気側への同伴混入を防止することができる。
【0017】
また、必要に応じ、カランドリア内塔底液をポンプで抜き出し、原液導入位置へ循環することにより、伝熱管内の液流速を増大させて、伝熱係数を上げることができる。
【0018】
伝熱管外の蒸気は、伝熱管内の液を加熱し、蒸発させた後、凝縮する。本発明においては、蒸発缶内伝熱管外の蒸気の凝縮液面高さを一定に制御するために、スチームトラップあるいは凝縮液槽を設けることにより、圧縮蒸気の系外への排出による損失を防いでいる。凝縮液は、スチームトラップあるいは凝縮液槽を経て系外に排出される。この凝縮液は、ボイラー給水として、あるいは蒸発缶塔底部から抜き出された濃縮液中の鉄濃度を200g/l以下として、濃縮液の固化を防止するための希釈水などとして、再利用することができる。
【0019】
圧縮機の効率、消費電力などに影響を与えるカランドリア内の空気などの非凝縮性ガスは、伝熱管外側の蒸気ラインに設けた電磁弁の開閉により、カランドリア外へ排出される。排出ガスは、ガス中の成分に対応して、必要ならば、活性炭吸着などにより所定成分を除去した後、或いは濃縮液タンク内の液にバブリングさせて所定成分を吸収除去した後、大気中に放出される。電磁弁の開閉は、カランドリア内圧力と連動させる方法、任意のタイマー設定などにより、自動的に行われる。
【0020】
濃縮液は、濃縮器内の液面計からの信号を受けて、塔底部から制御弁を通しておよび/または蒸発缶内の液面に相当する位置で蒸発缶底部と連通するオーバーフロー管から、排出される。本発明においては、好ましくは80〜100℃程度の加熱条件下に蒸発缶から濃縮液を抜き出し、これを希釈して、その鉄濃度を200g/l以下とする。
【0021】
廃塩酸処理操作を停止する場合には、蒸発缶内温度を109〜113℃程度(より好ましくは110〜112℃程度)に調整するか、および/または廃塩酸原液量に対する蒸留液量の割合を調整する(すなわち、蒸留液量を減少させる)か、および/または廃塩酸原液に代えて希釈液(蒸発缶で得られた蒸気の凝縮水、廃塩酸原液および水の少なくとも1種)を供給することにより、蒸発缶内濃縮液中の鉄濃度を200g/l以下とする。
【0022】
蒸発缶から抜き出された濃縮液を再度濃縮させて、その鉄濃度を350g/l以上、より好ましくは400g/l以上とすることにより、濃縮液中の残余の塩酸をほぼ全量塩酸水として回収するとともに、塩化鉄を主成分とする固体状生成物を分離することができる。この固体状生成物からは、有用な塩化鉄を回収することができる。
【0023】
カランドリア内の運転圧力が減圧系である場合には、伝熱管外側の蒸気ラインに設けた電磁弁の後流側にこの電磁弁の開閉と連動する真空ポンプを設ける。
【0024】
必要ならば、スタートアップ時の装置全体の昇温のために、或いは長期運転後の予熱器やカランドリア伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源(ガスだきボイラーからの蒸気、コジェネレーション設備で発生する蒸気、低温・低圧蒸気を圧縮機で圧縮・昇圧した蒸気など)を、カランドリア内底部または圧縮器出口ラインへ導入する。
【0025】
本発明においては、加熱源としての蒸気が蒸発缶内の廃塩酸原液を加熱・蒸発させるに必要な温度・圧力を有する場合には、そのままあるいは減圧して使用する。低温・低圧蒸気を使用する場合には、圧縮機により、圧縮・昇圧した後、使用する。圧縮機としては、特に限定されるものではないが、従来の濃縮技術では用いられたことがなかったスクリュー型圧縮機であることが好ましい。スクリュー型圧縮機は、次の様な特性を備えている。
a.低速回転時から高圧力・高効率運転が可能である。
b.高い応答性を持っている。
c.小型、コンパクトで据え付けが容易である。
d.発生蒸気量に対応して、スクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御することができる。
【0026】
この様なスクリュー型圧縮機は、通常アルミニウム合金製のケーシング部に一対の雄、雌シリンダーを内蔵する構造を有している。以下においては、スクリュー型圧縮機を使用する実施態様について説明を行う。
【0027】
上記の様な構造を有し、且つ効果を発揮するスクリュー型圧縮機を使用する場合には、従来の圧縮機を使用する場合に比して、設備費および運転費が大幅に安価となる。
【0028】
本発明で使用するスクリュー型圧縮機は、一例として、最大吐出圧力として160KPa、最高許容吐出温度として160℃、最大吸気量として760m3/hr(空気換算)、圧縮比として約2.3という高い特性を発揮することができる。
【0029】
従来の圧縮機としてのルーツブロワーでの圧縮比限界が約1.8程度で、全断熱効率が約45〜60%であるのに対し、スクリュー型圧縮機は、圧縮比1.5で全断熱効率約65%、圧縮比2〜2.3で約70%と高い性能を発揮することができる。
【0030】
スクリュー型圧縮機のローターは、熱膨張を少なくし、必要クリアランスを小さくするために、好ましくは、膨張係数の少ないアルミニウム合金を用い、ローターの表面にフッ素樹脂(たとえば、デュポン社から商標名「テフロン」として市販されている)系コーティング材を塗布する。圧縮機は、必要蒸気量に応じて、複数個設けることができる。
【0031】
従来、必要蒸気量に対応して、低温・低圧の蒸気を圧縮機により吸引および吐出させて、蒸発缶(以下「濃縮器」ということがある)内での蒸発を効率よく行わせることは、圧縮機の制御上困難であった。本発明で使用するスクリュー型圧縮機においては、圧縮機の駆動源として高速回転型の誘導電動機からなるモーターを使用し、このモーターの回転数制御機構としてインバーター装置を用いる。すなわち、冷却器後流側に設けた流量計および/または蒸発缶内温度を測定する温度計により、蒸気発生量および/または温度を検出し、この入力信号を調節計に送り、この調節計からの出力信号をインバーターに入力して、蒸気発生量が一定となる様にするか、或いは蒸気発生量に対応してモーターの回転数を増減することができる。その結果、装置全体が簡略化され、始動時などにおける制御も容易となる。
【0032】
また、圧縮機前流側の蒸気ラインにおいては、保温および/またはヒーターによる加熱により、圧縮機入口側での蒸気の凝縮を防止することができる。
【0033】
本発明においては、装置の小型化とコスト低減を目的として、原液の予熱のためにプレート型熱交換器を用いることもできる。この予熱器および原液導入ライン内の圧力を蒸発缶内圧力よりも高くすることにより、予熱器内での気泡生成による伝熱係数の低下を防ぐため、予熱器出口(例えばカランドリア型蒸発缶などの蒸発缶入口)側に背圧弁を設けることもできる。
【0034】
以下図面を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下においては、廃塩酸の濃縮について説明するが、本発明は、その作動原理上、その他の廃酸、廃アルカリ液、廃水、さらには液状食品などの濃縮にも適用できることはいうまでもない。
【0035】
図1は、本発明による廃塩酸の濃縮処理の一例を示すフローシートである。濃縮すべき廃塩酸は、タンク1から、ライン2を経て、ポンプ3において所定圧力まで昇圧された後、ライン4から濃縮器(カランドリア型蒸発缶)12へ導入される。図示はしないが、必要ならば、ポンプ3の前流側にストレーナーを設け、後流側に流量計を設けることができる。廃塩酸は、濃縮器12内の液面から伝熱管上部までの液深さの15〜50%の位置(液面から下方に向けての位置)で濃縮器に導入される。
【0036】
伝熱缶内での廃塩酸の加熱は、通常廃塩酸の発生源である鋼線製造/加工工場、鋼板製造/加工工場、メッキ工場などで発生する回収蒸気(ボイラーで発生する蒸気、コジェネレーション設備で発生する蒸気、廃熱回収により発生する蒸気など)により行う。
【0037】
この際、利用すべき蒸気が低温・低圧(110℃以下/0.15MPa以下程度)である場合には、圧縮機で予め圧縮・昇温を行う。すなわち、この蒸気をライン6を経て圧縮機7に供給し、ここで圧縮・昇温した後、ライン9および10を経て、濃縮器12の伝熱管外側に供給し、伝熱管内の液を加熱し、蒸発させる。高温・高圧の蒸気が得られる場合には、この蒸気をそのままライン9および10を経て、濃縮器に供給する。この様な操作により、伝熱管外の蒸気自体は、凝縮・液化する。凝縮液は、濃縮器12内の伝熱管の下部に接続されたライン18からスチームトラップ19を経て、ライン20から排出される。この凝縮液は、必要に応じ、ボイラー5への給水用水として、あるいはライン24から抜き出される濃縮液の固化防止用希釈水などとして、再利用される。さらに、この凝縮水は、再利用に先立って、ポンプ3の出口側のライン4に設けた予熱器(図示せず)において、原液の予熱源として利用することができる。
【0038】
低温・低圧の蒸気圧縮機7としては、先述の通り、アルミニウム合金製ケーシング内に一対の雄および雌ローターを内蔵した形式のスクリュー型圧縮機を使用することが好ましい。
【0039】
濃縮器12内で発生した塩酸および水の蒸気は、ライン13を経て、冷却水ライン15を備えた冷却器14で冷却され、凝縮した後、ライン16を経て、蒸留液タンク17に溜められる。この様に再生された塩酸水溶液は、鉄鋼製品の表面処理に再度使用することができる。
【0040】
濃縮器12の上部空間には、充填物、フィルター、たれ壁などのデミスター(「26」として示す)を配設することにより、原液飛沫あるいは缶内液飛沫の上記への同伴混入を防止することができる。
【0041】
圧縮機7の効率および消費電力などに影響を与える濃縮器12内の空気などの非凝縮性ガスは、伝熱管外側の蒸気ライン21に設けた電磁弁22の開閉により蒸発缶外へ排出される。この電磁弁22の開閉は、濃縮器12内圧力と連動させることにより行ってもよく、或いはタイマー設定により自動的に行ってもよい。必要ならば、排出ガスを活性炭などによる吸着処理に供したり、或いは濃縮液タンク25内の液中にバブリングさせる。
【0042】
濃縮器12内に蓄積する濃縮液は、濃縮器12内の液面計(図示せず)からの信号により、濃縮器12の底部からのライン24および制御弁(図示せず)を通じて、再濃縮槽(晶析槽)132に送られ、ここで間接加熱される。濃縮液から発生する残存塩酸の蒸気は、ライン133からライン13に送られて、先述の塩酸と水の蒸気と混合され、冷却器14で冷却され、塩酸水の一部として回収される。再濃縮槽132で生成する塩化鉄を主成分とする固体成分は、ライン134を経て塩化鉄槽25に溜められる。あるいは、濃縮液は、制御弁を用いることなく、蒸発缶内の液面に相当する位置において、濃縮器12の底部に連通するオーバーフロー管(図示せず)から抜き出すことも可能である。
【0043】
また、必要に応じて、濃縮器12内の液を液抜き出しライン24から循環ポンプ(図示せず)により抜き出し、原液ライン4へ循環することにより、伝熱管内の液流速を増大させ、伝熱係数を上げることができる
濃縮器12内の運転圧力が減圧系である場合には、電磁弁22の後流側に電磁弁22の開閉と連動する真空ポンプ(図示せず)を設ける。減圧系で運転する場合には、ライン20上に凝縮液ポンプ(図示せず)を設け、ライン24上に濃縮液ポンプ(図示せず)を設ける必要がある。
【0044】
また、必要に応じ、スタートアップ時の加熱・昇温のために、あるいは長期運転後に濃縮器12の伝熱管などの汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源として、各種の蒸気源(例えばボイラー5)からの蒸気をライン6、圧縮機7、ライン9および10を経て、あるいはライン6、バイパスライン8、ライン9および10を経て、ライン11から導入する。
【0045】
なお、濃縮器12の伝熱管などの汚れとそれに伴う伝熱係数の低下を生じた場合には、運転中に廃塩酸の供給を一時的に中断し、工業用水を供給することにより、汚れを洗浄・除去することができる。
【0046】
図2は、本発明による廃塩酸の濃縮処理の他の一例を示すフローシートである。図2において、図1と同機能の構成要素は、図1と同じ番号で示してあり、その機能については、説明を省略することがある。
【0047】
濃縮すべき廃塩酸原液は、図1におけると同様に、タンク1から、ライン2を経て、廃液ポンプ3において所定圧力まで昇圧された後、ライン4からライン105を経て蒸発缶12(この場合、横型熱交換器タイプの蒸発缶)の伝熱管の上側(上部)の分散器126に導入される。図示はしないが、必要ならば、ポンプ3の前流側にストレーナーを設け、後流側に流量計を設けることができる。分散器126は、伝熱管に対して廃塩酸を均一に分散ないし滴下させる構造となっている。
【0048】
蒸発缶12内で発生した塩酸および水の蒸気は、ラシッヒリングなどの充填物および/または活性炭などの濾過材を充填した充填部128およびライン13を経て冷却器14において冷却・凝縮された後、ライン16を経て蒸留液タンク17に溜められる。
【0049】
蒸発缶内での廃塩酸の加熱は、例えば、コジェネレーション設備におけるボイラー106で発生する低圧蒸気(1kg/cm2G程度)を利用して行う。すなわち、この蒸気をライン107、108を経て圧縮機109に供給し、ここで圧縮・昇温した後、ライン110を経て、蒸発缶12の伝熱管127の内側に供給し、伝熱管127外の液を加熱し、蒸発させる。これにより、伝熱管内の蒸気自体は、凝縮・液化する。この凝縮液は、蒸発缶12内の伝熱管の下部に接続されたライン118から凝縮液槽119に溜められる。
【0050】
圧縮機109としては、先述の通り、アルミニウム合金製ケーシング内にアルミニウム合金製の一対の雄および雌ローターを内蔵した形式のスクリュー型圧縮機を使用することが好ましい。
【0051】
未凝縮蒸気の系外への排出による損失を防ぐため、凝縮液槽119での液面は、蒸発缶12から凝縮液槽119への凝縮液取り出しライン118の位置よりも高くなるように制御する。凝縮液槽119の気相部は、ライン120を経て、圧縮前流側の蒸発缶12に接続されている。凝縮液は、必要に応じ、ボイラー106への給水用水として、あるいは濃縮液の固化防止用希釈水などとして、ライン121から抜き出され、再利用される。さらに、この凝縮液は、再利用に先立って、ポンプ3の出口側のライン4に設けた予熱器(図示せず)において、原液の予熱源として利用することができる。
【0052】
蒸発缶12の上部空間には、デミスター128を配設することにより、原液飛沫あるいは缶内液飛沫の蒸気への同伴混入を防止することができる。
【0053】
圧縮機109の効率および消費電力などに影響を与える蒸発缶12内の空気などの非凝縮性ガスは、蒸気ライン22に設けた電磁弁23の開閉により蒸発缶外へ排出される。この電磁弁23の開閉は、蒸発缶12内圧力と連動させることにより行ってもよく、或いはタイマー設定により自動的に行ってもよい。必要ならば、排出ガスを活性炭などによる吸着処理に供したり、或いは濃縮液タンク25内の液中にバブリングさせる。
【0054】
蒸発缶12内に蓄積する濃縮液は、蒸発缶12内の液面計(図示せず)からの信号により、蒸発缶12の底部からのライン129および制御弁(図示せず)を通じて、再濃縮槽(晶析槽)132に送られ、ここで間接加熱される。濃縮液から発生する残存塩酸の蒸気は、ライン133からライン13に送られて、先述の塩酸と水の蒸気と混合され、冷却器14で冷却され、塩酸水の一部として回収される。再濃縮槽132で生成する塩化鉄を主成分とする固体成分は、ライン134を経て塩化鉄槽25に貯められる。あるいは、濃縮液は、制御弁を用いることなく、蒸発缶内の液面に相当する位置において、蒸発缶12の底部に連通するオーバーフロー管(図示せず)から抜き出すことも可能である。
【0055】
排出された濃縮液の固化を防止する必要がある場合には、水または前記ライン121からの凝縮水をライン129内または凝縮液槽25内に供給し、濃縮液を希釈すればよい。
【0056】
また、必要に応じて、蒸発缶12内の液を液抜き出しライン129から循環ポンプ130により抜き出し、原液ライン5へ循環することにより、伝熱管127外の液流速を増大させ、伝熱係数を上げることができる
蒸発缶器12内の運転圧力が減圧系である場合には、電磁弁23の後流側に電磁弁23の開閉と連動する真空ポンプ(図示せず)を設ける。
【0057】
また、必要に応じ、スタートアップ時の加熱・昇温のために、あるいは長期運転後に蒸発缶12の伝熱管などの汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源として、例えばガスだきボイラー106からの蒸気をライン107およびライン111から導入する。
【0058】
本発明は、各種の廃酸液、廃アルカリ液の濃縮処理のみならず、各種の産業廃水、洗浄廃水、写真現像液、定着液および洗浄廃水などの濃縮・減容化、原液中の有用成分或いは不純物の蒸留分離、食品工業での溶液(だし汁、ジュース、ミルクなど)の濃縮などの広い分野で利用できる。本発明は、その他の分野でも利用可能であり、ここに例示した分野での利用に限定されるものではない。
【0059】
【発明の効果】
本発明方法によれば、以下の様な顕著な効果が達成される。
(1)従来技術に比して、原液の濃縮プロセスが簡単であり、設備が小型化されるので、設備費、運転経費などが低減される。
(2)連続的に安定した運転が可能である。
(3)例えば、コジェネレーション設備などで比較的多量に発生するにもかかわらず、従来ほとんど利用されていなかった低圧蒸気を有効に利用することができる。
(4)廃塩酸中に残存する有用な塩酸をほぼ全量回収し、例えば、鉄鋼製品の洗浄などに再利用することができる。
(5)廃塩酸中の塩酸および水分が回収される結果、残分は塩化鉄を主成分とする固体となるので、塩化鉄の再利用も可能となり、さらに廃棄処理量を減容化することができ、従来法に比して、廃棄コストを低減することができる。
(6)濃縮装置の運転中および停止中の装置内での鉄塩の固化による閉塞を伴うことなく、装置の安定した維持管理を行うことができる。
(7)鋼線、鋼板などの鉄鋼製品の回分式あるいは連続式表面処理過程で発生する廃塩酸を適宜あるいは連続的に抜き出して濃縮することにより、塩酸を連続的に回収して、繰り返し利用することができる。従って、鉄鋼製品の表面処理工程に本発明による廃塩酸処理工程を併設する場合には、表面処理工程における塩酸濃度および純度がほぼ一定に保持されるので、鉄鋼製品の表面処理を一定時間で安定して行うことができ、防食剤を使用することなく、高品質の処理製品が得られる。
【0060】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
実施例1〜4
蒸留液を回収するための冷却器および蒸留液受器を備えた容量1リットルのガラス製濃縮器(シリコーン油を熱媒体とする)を用いて、鋼線製造工場(A社)で発生した数種の廃塩酸(それぞれ0.5リットル)の処理を大気圧下に行った。
【0061】
廃塩酸の分析値および処理条件を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
注:実施例4では、連続槽とバッチ槽に由来する廃塩酸を等量混合して、処理した。
【0064】
濃縮液中の鉄(Fe+2+Fe+3)濃度が約300g/lとなる様に、廃塩酸を蒸留液と濃縮液とに分離した。蒸留液の分析結果と蒸留液および遊離HClの回収率を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
注:遊離HClとは、Fe+2+Fe+3などと不結合状態の分子状のHClを意味する。
【0067】
蒸留液回収率=蒸留液量/廃塩酸量×100
遊離HCl回収率=蒸留液量×蒸留液中遊離HCl/廃塩酸量×廃塩酸中HCl
以上の結果から、廃塩酸中の鉄濃度が高く、遊離HCl濃度が低い場合には、蒸留液中のHCl濃度が低く、HCl回収率が低いことが明らかである。
実施例5〜8
メッキ処理工場(B社)で発生した廃塩酸を原液とし、且つ試験温度を各濃縮条件に対応した温度とする以外は実施例1〜4の手法に準じて、処理を行った。廃塩酸の分析値および処理条件を表3に示し、蒸留液の分析結果と蒸留液および遊離HClの回収率を表4に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
濃縮液中の鉄濃度が387g/lの場合(実施例8)には、塩酸を全量回収することができる。
実施例9
図1に示すフローに従って大気圧で本発明を実施した。すなわち、鋼線製造工場(C社)で発生した廃塩酸(遊離HCl=200g/l、Fe(Fe+2+Fe+3=88g/l)を使用して、連続的にその処理を行い、蒸発缶内部温度と濃縮倍率との関係を求めた。運転時の各機器における条件は、表5に示す通りである。
【0071】
【表5】
【0072】
結果を表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
表6に示す結果から明らかな様に、濃縮液の温度または比重を測定することにより、原液中の鉄濃度に対応して、濃縮倍率を決めることができる。
【0075】
なお、各濃縮液を系外に取り出したところ、常温/常圧下において、2.1倍濃縮時(鉄濃度185g/l)には、濃縮液は固化しなかった。これに対し、3.5倍濃縮時(鉄濃度307g/l)には濃縮液の約50%が、4倍濃縮時(鉄濃度350g/l)には約90%が、5倍濃縮時(鉄濃度400g/l)には約100%がそれぞれ固化し、結晶体として取り出された。
実施例10〜11
図1に示すフローに従って大気圧で本発明を実施した。すなわち、鋼線製造工場(d社)で発生した廃塩酸(連続槽およびバッチ槽で発生した2種の廃塩酸の等量混合物)を使用して、その処理を連続的に行った。運転時の各機器における条件は、実施例9と同様である。廃塩酸の分析値および濃縮倍率を表7に示す。
【0076】
【表7】
【0077】
濃縮液中の鉄(Fe+2+Fe+3)濃度が約300g/lとなる様に、廃塩酸を蒸留液と濃縮液とに分離した。蒸留液および濃縮液の分析結果などを表8に示す。
【0078】
【表8】
【0079】
蒸発缶内濃縮液中の鉄濃度が約300g/lである実施例10および11のいずれにおいても、安定した長期濃縮処理が可能であった。
【0080】
また、蒸発缶外に取り出した濃縮液を再濃縮槽(晶析装置)に送り、間接加熱してその鉄濃度を400g/l以上とすることにより、実施例10および11のいずれにおいても、濃縮液中の残余の塩酸をほぼ全量回収することができ、また塩化鉄を主成分とする固体状物を回収した。
【0081】
さらに、廃塩酸の濃縮操作を停止した場合にも、廃塩酸原液量に対する蒸留液量の割合を調整することにより、すなわち濃縮倍率を3.4倍から2.3倍に低下させることにより、蒸発缶内での鉄塩の固化を防止し、蒸発缶の閉塞を防ぐことができた。
実施例12
カランドリア型蒸発缶を用い、実施例10の手法に準じて、減圧下にメッキ工場廃液(廃塩酸)の濃縮処理を行った。処理条件を表9に示し、結果を表10に示す。
【0082】
【表9】
【0083】
【表10】
【0084】
表9および表10に示す結果から明らかな様に、減圧下での処理によっても、実施例10とほぼ同様の廃液処理結果が得られている。
実施例13
カランドリア型蒸発缶を使用し、図1に示すフローに従って大気圧下に112.5℃で本発明を実施した。すなわち、鋼線製造工場(e社)で発生した廃塩酸(連続槽およびバッチ槽で発生した2種の廃塩酸の混合物)を使用して、その処理を連続的に(月曜日午前処理開始/金曜日午後処理停止の繰り返し)行った。運転時の各機器における条件は、実施例9と同様である。
【0085】
2種の廃塩酸それぞれと両者の混合物の分析値/処理量を表11に示し、蒸留液の分析値/回収量と濃縮液の分析値/回収量とをそれぞれ表12と13に示す。
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】
【0089】
その結果、鉄濃度80g/l、塩酸濃度126g/lの廃塩酸を185リットル/hrの割合で処理して、濃度126g/lの塩酸水溶液を135.4リットル/hrの割合で回収することができた。蒸留液回収率は73.2%であり、遊離塩酸回収率は86.2%であった。
【0090】
濃縮液の塩酸濃度は54.7g/l、鉄濃度は300g/lであった。この濃縮液を鉄濃度が約400g/lとなるまで加熱濃縮することにより、濃縮液中の塩酸をほぼ全量回収するとともに、残余を塩化鉄を主成分とする固体状物として回収した。
【0091】
回収塩酸は、少量の新しい塩酸とともに連続槽およびバッチ槽に循環して、鋼線処理に使用することができた。この場合、鋼線処理用塩酸の濃度および純度はほぼ一定に保持されるので、常に安定した操作が行われ、所定の時間で高品質の製品が得られた。鋼線処理時に防食剤を使用する必要はなく、また廃棄処理量が大幅に減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による廃水の濃縮処理の一例を示すフローシートである。
【図2】本発明による廃水の濃縮処理の他の一例を示すフローシートである。
【符号の説明】
1…廃水タンク
3…廃水ポンプ
5、106…ボイラー
7、109…圧縮機
12…濃縮器
14…冷却器
15…冷却水ライン
17…蒸留液槽
19…スチームトラップ
22…電磁弁
25…濃縮液槽
26…充填物
111…補助熱源(蒸気)ライン
119…凝縮槽
126…分散器
127…伝熱管
128…デミスター
132…再濃縮槽(晶析装置)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for treating high concentration iron-containing waste hydrochloric acid generated in a cleaning process of steel wire, steel sheet, steel product, etc. in a steel wire manufacturing factory, a steel sheet manufacturing factory, a plating factory, and the like. More specifically, the present invention uses an evaporator to recover the hydrochloric acid and iron salt remaining in waste hydrochloric acid, which has been mostly treated as industrial waste in the past, thereby reusing it. Recycling method of waste hydrochloric acid to reduce the volume of waste residue, and preventing the solidification of iron salt in the concentrate in the evaporator, so that the evaporator can be operated stably and when necessary It is related with the method of stopping smoothly.
[0002]
[Prior art]
For example, in the conventional vapor compression evaporator shown in the drawing of Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-26184, a large number of heat transfer tubes are provided in the upper part of a sealed evaporator having a stock solution reservoir in the lower part. The raw solution sent by the raw solution pump is evaporated on the outer surface of each heat transfer tube by spraying it with a sprayer, and the vapor generated by this evaporation is compressed with a blower compressor and heated. By supplying the heated steam into each heat transfer tube through a duct, the stock solution sprayed on the outer surface of each heat transfer tube is heated and evaporated, and air or the like is discharged from each heat transfer tube. By extracting the condensable gas with a vacuum generating means such as a vacuum pump, the inside of the evaporator is kept in a reduced pressure state equal to or lower than atmospheric pressure.
[0003]
However, this type of vapor compression evaporator has the following problems.
I. The compression efficiency of the blower compressor main body is low, the amount of electric power required to compress the unit stock solution amount is increased, the operating cost is increased, and the equipment is also increased.
B. Since the undiluted solution is spread on the outer surface of each heat transfer tube via the spreader, there is a reduction in the heat exchanger heat transfer coefficient resulting from poor liquid dispersion.
C. In particular, when treating waste hydrochloric acid containing a large amount of iron, etc., due to increase in the concentration rate of the liquid or continuous operation, clogging and poor dispersion due to sludge at the liquid distributor nozzle, dirt on the outer surface of each heat transfer tube, liquid specific gravity Or, it cannot effectively cope with a decrease in heat transfer coefficient due to an increase in viscosity or the like.
[0004]
Also, removal of the outer surface adhesion scale of each tube is often difficult because the liquid is dispersed and the liquid flow rate with respect to the outer surface of the heat transfer tube is slow.
[0005]
Furthermore, when the iron concentration in the concentrate increases, stable operation of the evaporator due to solidification of the iron salt may become difficult.
D. As a result of the above (b) and (c), the concentration process must be performed in a state where the evaporation amount per unit cross-sectional area is always low. Therefore, in order to increase the amount of evaporation per unit time, it is necessary to increase the heat transfer area or use a blower compressor with a high compression ratio. There is a problem that increases.
E. In particular, when waste hydrochloric acid is to be treated, the steam contains high-concentration hydrochloric acid, which greatly restricts the selection of the material such as the compressor body. Due to such restrictions on the material of the apparatus, useful hydrochloric acid remaining in the stock solution cannot be recovered, and the concentrated residue cannot be sufficiently reduced in volume.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention achieves a reduction in equipment costs and operating costs due to downsizing of the apparatus when treating the waste hydrochloric acid using an evaporator, which is a heating apparatus equipped with a heating tube, and reduces the solidified iron content in the concentrate. (Sludge) efficiently suppresses clogging of pipes and equipment and decreases in heat transfer coefficient, efficiently recovers hydrochloric acid and iron salts from waste hydrochloric acid, and reduces the volume of concentrated residue to a high level The main object is to achieve this and, when necessary, to smoothly stop the device from the steady operating state.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the current state of the technology as described above, the present inventors have adjusted and maintained the temperature in the evaporator into which the waste hydrochloric acid is introduced at 110 to 120 ° C., or the amount of the evaporated liquid relative to the amount of the waste hydrochloric acid stock solution If the concentration of iron salt in the concentrated liquid in the evaporator is suppressed to 300 g / l or less by adjusting the temperature in the evaporator and adjusting the amount of the evaporated liquid at the same time, It has been found that problems in the operation of the equipment such as blockage in the interior and a decrease in the heat transfer coefficient are greatly reduced.
[0008]
In addition, when the evaporator operation was stopped, the iron concentration in the concentrated liquid in the evaporator was reduced to 200 g / l or less, thereby preventing the iron salt from solidifying and smoothly restarting the equipment. It was.
[0009]
Furthermore, when diluting the concentrated liquid extracted outside the evaporator and controlling the iron concentration to 200 g / l or less, clogging in piping, precipitation of iron salt in the concentrated liquid storage tank under normal temperature conditions, etc. It was also found that recovery of useful hydrochloric acid and sufficient volume reduction of the concentrated residue can be stably achieved.
[0010]
That is, this invention provides the processing method of the following waste hydrochloric acid.
1. In the treatment method of waste hydrochloric acid using an evaporator, (1) Continuously extracted from batch and / or continuous steel product processing tanks A step of introducing a waste hydrochloric acid stock solution into the evaporator, (2) a step of supplying steam and indirectly heating and evaporating the solution in the evaporator, and (3) a cooler for the steam generated in the evaporator (4) a step of recovering the vapor condensate used for heating / evaporation in the evaporator, and (5) the temperature in the evaporator and / or the amount of the waste hydrochloric acid stock solution. By adjusting the ratio of the amount of distillate with respect to the concentration of iron in the evaporator, and (6) extracting the concentrate corresponding to the liquid level in the evaporator , Sending to the concentrate storage tank, (7) Steam The step of controlling the iron concentration to 200 g / l or less by diluting the concentrated liquid extracted outside the kettle, and (8) (a) the amount of the distilled liquid relative to the temperature in the evaporator and / or the amount of the waste hydrochloric acid stock solution After adjusting the ratio and / or (b) supplying the diluted solution instead of the waste hydrochloric acid stock solution to reduce the iron concentration in the concentrated solution in the evaporator to 200 g / l or less, stop the treatment of the waste hydrochloric acid A process for treating waste hydrochloric acid, comprising a step.
2.
3.
4).
5).
6).
7).
8).
9.
10.
11.
12
13.
14
15.
16.
17.
18.
19.
20.
21.
22.
23.
24.
25.
26.
27.
28 . After the concentrated liquid taken out of the evaporator is indirectly heated in a reconcentrator or a crystallizer and evaporated, the resulting vapor is recovered together with the vapor obtained in step (3) as an aqueous hydrochloric acid solution.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
When the waste hydrochloric acid stock solution to be treated according to the present invention contains a component (such as a surfactant) that may cause foaming under the concentration condition, a known antifoaming agent such as silicone is added in advance. May be. The addition amount of the antifoaming agent may be determined in consideration of the content of the foaming component and the like, and is not particularly limited, but is usually about 30 to 500 mg / l.
[0012]
Examples of the evaporator used in the method of the present invention include heating type evaporators equipped with heating tubes such as calandria type evaporators, vertical multi-tube heat exchanger evaporators, horizontal multi-tube heat exchanger evaporators. .
[0013]
In the method of the present invention, the iron concentration in the concentrated liquid in the evaporator is kept at 300 g / l or less in order to prevent clogging of equipment / piping due to solidification of iron salt and to operate the apparatus stably. . The iron concentration is adjusted by adjusting the temperature in the evaporator to about 110 to 120 ° C., more preferably about 110 to 115 ° C., or by adjusting the ratio of the amount of the evaporated solution to the amount of the waste hydrochloric acid stock solution or evaporating. This can be done by adjusting the temperature inside the can and the ratio of the amount of the evaporated liquid.
[0014]
Heating and evaporation heat sources in evaporators include steam from gas-fired boilers, steam generated in cogeneration facilities, steam obtained by compressing and boosting low-temperature and low-pressure steam generated in various locations with a compressor, and high-temperature and high-pressure steam. Steam with reduced pressure, heated heat medium, high-temperature combustion exhaust gas, electricity, etc. are used. In the following, the heat source for heating and evaporation in the evaporator is represented by steam.
[0015]
In an evaporator (hereinafter referred to as “Calandria-type evaporator”), a Calandria-type evaporator (hereinafter simply referred to as “Calandria-type evaporator”) is used to prevent a decrease in the heat transfer coefficient due to poor liquid dispersion outside the heat transfer tube, which has occurred in the prior art. It is preferable to introduce the liquid at a position of about 15 to 50% from above the liquid depth from the inner liquid surface to the upper part of the heat transfer tube. Thus, the liquid is heated and evaporated by the steam outside the heat transfer tube while being always held in the heat transfer tube. In the conventional liquid supply method, foaming may be promoted, and as a result, the concentration process may become impossible. However, in the method of the present invention, the problems such as the decrease in flow rate and the promotion of foaming due to the dispersion of the liquid are solved.
[0016]
Furthermore, by placing a packing, filter, dripping wall, etc. (demister) on the upstream side of the hydrochloric acid and water vapor from the evaporator (the upper space above the liquid level in the evaporator) It is possible to prevent entrainment of the droplets on the vapor side.
[0017]
Further, if necessary, the liquid at the bottom of the Calandria tower is extracted by a pump and circulated to the stock solution introduction position, whereby the liquid flow rate in the heat transfer tube can be increased and the heat transfer coefficient can be increased.
[0018]
The steam outside the heat transfer tube heats and evaporates the liquid in the heat transfer tube, and then condenses. In the present invention, a steam trap or a condensate tank is provided in order to keep the condensate level of the steam outside the heat transfer tube inside the evaporator constant, thereby preventing loss due to discharge of the compressed steam out of the system. It is out. The condensate is discharged out of the system through a steam trap or a condensate tank. This condensate can be reused as boiler feed water or as dilution water to prevent solidification of the concentrate by reducing the iron concentration in the concentrate extracted from the bottom of the evaporator tower to 200 g / l or less. Can do.
[0019]
Non-condensable gas such as air in the calandria that affects the efficiency and power consumption of the compressor is discharged out of the calandria by opening and closing an electromagnetic valve provided in the steam line outside the heat transfer tube. Exhaust gas corresponds to the components in the gas, if necessary, after removing the prescribed components by activated charcoal adsorption, etc., or by absorbing and removing the prescribed components by bubbling the liquid in the concentrate tank. Released. The solenoid valve is automatically opened and closed by a method linked with the pressure in the calandria, an arbitrary timer setting, or the like.
[0020]
Concentrated liquid is discharged from the overflow pipe connected to the bottom of the evaporator at the position corresponding to the liquid level in the evaporator through the control valve and / or the liquid level in the evaporator in response to the signal from the level gauge in the concentrator. The In the present invention, the concentrated solution is preferably extracted from the evaporator under heating conditions of about 80 to 100 ° C., and diluted to make the iron concentration 200 g / l or less.
[0021]
When stopping the waste hydrochloric acid treatment operation, adjust the temperature in the evaporator to about 109 to 113 ° C (more preferably about 110 to 112 ° C) and / or the ratio of the amount of the distillate to the amount of the stock solution of waste hydrochloric acid. Adjust (i.e. reduce the amount of distillate) and / or supply a dilute solution (steam condensate obtained in an evaporator, at least one of the undiluted hydrochloric acid solution and water) instead of the undiluted hydrochloric acid stock solution As a result, the iron concentration in the concentrated liquid in the evaporator is reduced to 200 g / l or less.
[0022]
By concentrating the concentrated liquid extracted from the evaporator again and setting the iron concentration to 350 g / l or more, more preferably 400 g / l or more, the remaining hydrochloric acid in the concentrated liquid is recovered as almost all hydrochloric acid water. In addition, a solid product mainly composed of iron chloride can be separated. Useful iron chloride can be recovered from this solid product.
[0023]
When the operating pressure in the calandria is a decompression system, a vacuum pump is provided on the downstream side of the solenoid valve provided in the steam line outside the heat transfer tube in conjunction with the opening and closing of the solenoid valve.
[0024]
If necessary, an auxiliary heat source (steam from a gas-fired boiler, cogeneration, etc.) may be used to increase the temperature of the entire system at start-up, or in response to a decrease in evaporation due to contamination of the preheater or Calandria heat transfer tube after long-term operation. Steam generated in the facility, steam obtained by compressing and boosting low-temperature / low-pressure steam with a compressor, etc.) is introduced into the inner bottom of Calandria or the compressor outlet line.
[0025]
In the present invention, when the steam as the heating source has the temperature and pressure necessary for heating and evaporating the waste hydrochloric acid stock solution in the evaporator, it is used as it is or after being reduced in pressure. When using low-temperature / low-pressure steam, use it after compressing / pressurizing with a compressor. Although it does not specifically limit as a compressor, It is preferable that it is a screw type compressor which was not used with the conventional concentration technique. The screw type compressor has the following characteristics.
a. High pressure and high efficiency operation is possible from low speed rotation.
b. High responsiveness.
c. Small, compact and easy to install.
d. The motor speed of the screw compressor can be controlled in accordance with the amount of generated steam.
[0026]
Such a screw type compressor usually has a structure in which a pair of male and female cylinders are built in a casing portion made of an aluminum alloy. In the following, an embodiment using a screw compressor will be described.
[0027]
When a screw type compressor having the above-described structure and exhibiting the effect is used, the equipment cost and the operation cost are significantly reduced as compared with the case of using a conventional compressor.
[0028]
As an example, the screw type compressor used in the present invention has a maximum discharge pressure of 160 KPa, a maximum allowable discharge temperature of 160 ° C., and a maximum intake amount of 760 m. Three / hr (air conversion), about 2.3 as a compression ratio can be exhibited.
[0029]
The compression ratio limit of the roots blower as a conventional compressor is about 1.8, and the total heat insulation efficiency is about 45-60%, while the screw type compressor has a compression ratio of 1.5 and the total heat insulation efficiency is about 65%. The compression ratio of 2 to 2.3 can exhibit high performance of about 70%.
[0030]
The rotor of the screw-type compressor is preferably made of an aluminum alloy having a low expansion coefficient in order to reduce thermal expansion and reduce the required clearance, and a fluororesin (for example, trade name “Teflon from DuPont” on the rotor surface is used. Apply a coating material (commercially available). A plurality of compressors can be provided according to the required amount of steam.
[0031]
Conventionally, in order to efficiently perform evaporation in an evaporator (hereinafter sometimes referred to as “concentrator”) by sucking and discharging low-temperature and low-pressure steam with a compressor in accordance with the required amount of steam, It was difficult to control the compressor. In the screw type compressor used in the present invention, a motor composed of a high-speed rotation type induction motor is used as a drive source of the compressor, and an inverter device is used as a rotational speed control mechanism of the motor. That is, the steam generation amount and / or temperature is detected by a flow meter provided on the downstream side of the cooler and / or a thermometer for measuring the temperature in the evaporator, and this input signal is sent to the controller. The output signal can be input to the inverter so that the steam generation amount becomes constant, or the rotation speed of the motor can be increased or decreased in accordance with the steam generation amount. As a result, the entire apparatus is simplified and control at the time of start-up becomes easy.
[0032]
Further, in the steam line on the upstream side of the compressor, steam condensation on the compressor inlet side can be prevented by heat retention and / or heating by a heater.
[0033]
In the present invention, a plate heat exchanger can also be used for preheating the stock solution for the purpose of reducing the size of the apparatus and reducing the cost. In order to prevent a decrease in the heat transfer coefficient due to bubble generation in the preheater by making the pressure in the preheater and the stock solution introduction line higher than the pressure in the evaporator, A back pressure valve can be provided on the evaporator inlet side.
[0034]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the drawings. In the following, concentration of waste hydrochloric acid will be described, but it goes without saying that the present invention can be applied to the concentration of other waste acids, waste alkaline liquids, waste waters, and liquid foods because of its operating principle. Absent.
[0035]
FIG. 1 is a flow sheet showing an example of concentration treatment of waste hydrochloric acid according to the present invention. Waste hydrochloric acid to be concentrated is boosted from
[0036]
Heating of waste hydrochloric acid in the heat transfer can is usually done with recovered steam (steam generated by boilers, cogeneration, etc.) generated at steel wire manufacturing / processing factories, steel plate manufacturing / processing factories, plating factories, etc. Steam generated by equipment, steam generated by waste heat recovery, etc.).
[0037]
At this time, if the steam to be used is low temperature and low pressure (110 ° C. or less / about 0.15 MPa or less), compression and temperature increase are performed in advance using a compressor. That is, this steam is supplied to the
[0038]
As the low-temperature / low-
[0039]
Hydrochloric acid and water vapor generated in the
[0040]
In the upper space of the
[0041]
Non-condensable gas such as air in the
[0042]
The concentrated liquid accumulated in the
[0043]
Further, if necessary, the liquid in the
When the operating pressure in the
[0044]
In addition, various steam sources (for example, boilers) can be used as auxiliary heat sources for heating / heating at start-up, or for a decrease in the amount of evaporation due to contamination of the heat transfer tubes of the
[0045]
If the heat transfer tube of the
[0046]
FIG. 2 is a flow sheet showing another example of the concentration process of waste hydrochloric acid according to the present invention. 2, components having the same functions as those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals as those in FIG. 1, and description thereof may be omitted.
[0047]
As in FIG. 1, the waste hydrochloric acid stock solution to be concentrated is pressurized from the
[0048]
The hydrochloric acid and water vapor generated in the
[0049]
The heating of the waste hydrochloric acid in the evaporator is, for example, low-pressure steam (1 kg / cm) generated in the
[0050]
As described above, as the
[0051]
In order to prevent loss due to discharge of uncondensed steam outside the system, the liquid level in the
[0052]
By disposing the
[0053]
Non-condensable gas such as air in the
[0054]
The concentrated liquid accumulated in the
[0055]
When it is necessary to prevent solidification of the discharged concentrated liquid, water or condensed water from the
[0056]
If necessary, the liquid in the
When the operating pressure in the
[0057]
If necessary, for example, from a gas-fired
[0058]
The present invention not only concentrates various waste acid solutions and waste alkaline solutions, but also concentrates and reduces volumes of various industrial wastewaters, washing wastewaters, photographic developers, fixing solutions and washing wastewaters, and useful components in the stock solution Alternatively, it can be used in a wide range of fields such as distillation separation of impurities and concentration of solutions (dashi soup, juice, milk, etc.) in the food industry. The present invention can be used in other fields, and is not limited to use in the fields illustrated here.
[0059]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, the following remarkable effects are achieved.
(1) Compared with the prior art, the process for concentrating the stock solution is simple and the equipment is downsized, so that the equipment costs, operating costs, etc. are reduced.
(2) Continuously stable operation is possible.
(3) For example, it is possible to effectively use low-pressure steam that has been hardly used in the past even though it is generated in a relatively large amount in a cogeneration facility or the like.
(4) Almost all of the useful hydrochloric acid remaining in the waste hydrochloric acid can be recovered and reused, for example, for cleaning steel products.
(5) As a result of the recovery of hydrochloric acid and water in the waste hydrochloric acid, the residue becomes a solid mainly composed of iron chloride, so that iron chloride can be reused and the volume of waste disposal can be reduced. The disposal cost can be reduced as compared with the conventional method.
(6) Stable maintenance and management of the apparatus can be performed without being blocked by solidification of iron salt in the apparatus during operation and stopping of the concentrator.
(7) The waste hydrochloric acid generated in the batch or continuous surface treatment process of steel products such as steel wires and steel sheets is appropriately or continuously extracted and concentrated to recover hydrochloric acid continuously and reuse it. be able to. Therefore, when the waste hydrochloric acid treatment process according to the present invention is added to the surface treatment process of steel products, the hydrochloric acid concentration and purity in the surface treatment process are kept almost constant, so that the surface treatment of steel products can be stabilized for a certain time. A high quality processed product can be obtained without using anticorrosives.
[0060]
【Example】
Examples will be shown below to further clarify the features of the present invention.
Examples 1-4
Number generated at a steel wire manufacturing plant (Company A) using a 1 liter glass concentrator (with silicone oil as a heat medium) equipped with a condenser and a distillate receiver for collecting the distillate Treatment of the seed waste hydrochloric acid (0.5 liters each) was carried out under atmospheric pressure.
[0061]
Table 1 shows analytical values and treatment conditions of waste hydrochloric acid.
[0062]
[Table 1]
[0063]
Note: In Example 4, the waste hydrochloric acid derived from the continuous tank and the batch tank was mixed in an equal amount and processed.
[0064]
Iron in the concentrate (Fe +2 + Fe +3 ) Waste hydrochloric acid was separated into a distillate and a concentrate so that the concentration was about 300 g / l. Table 2 shows the analysis results of the distillate and the recoveries of the distillate and free HCl.
[0065]
[Table 2]
[0066]
Note: Free HCl means Fe +2 + Fe +3 It means molecular HCl in a non-bonded state.
[0067]
Distillate recovery rate = amount of distillate / waste hydrochloric acid x 100
Free HCl recovery rate = amount of distillate x free HCl in distillate / waste hydrochloric acid x HCl in waste hydrochloric acid
From the above results, it is clear that when the iron concentration in the waste hydrochloric acid is high and the free HCl concentration is low, the HCl concentration in the distillate is low and the HCl recovery rate is low.
Examples 5-8
The treatment was carried out according to the methods of Examples 1 to 4 except that waste hydrochloric acid generated at the plating treatment plant (Company B) was used as a stock solution and the test temperature was changed to a temperature corresponding to each concentration condition. The analysis values and treatment conditions of the waste hydrochloric acid are shown in Table 3, and the analysis results of the distillate and the recoveries of the distillate and free HCl are shown in Table 4.
[0068]
[Table 3]
[0069]
[Table 4]
[0070]
When the iron concentration in the concentrate is 387 g / l (Example 8), the entire amount of hydrochloric acid can be recovered.
Example 9
The present invention was carried out at atmospheric pressure according to the flow shown in FIG. That is, waste hydrochloric acid (free HCl = 200 g / l, Fe (Fe +2 + Fe +3 = 88 g / l), the treatment was carried out continuously, and the relationship between the evaporator internal temperature and the concentration factor was determined. Table 5 shows the conditions for each device during operation.
[0071]
[Table 5]
[0072]
The results are shown in Table 6.
[0073]
[Table 6]
[0074]
As is apparent from the results shown in Table 6, by measuring the temperature or specific gravity of the concentrate, the concentration factor can be determined according to the iron concentration in the stock solution.
[0075]
When each concentrated solution was taken out of the system, the concentrated solution did not solidify when concentrated 2.1 times (iron concentration 185 g / l) at room temperature / normal pressure. On the other hand, when concentrated 3.5 times (iron concentration 307 g / l), about 50% of the concentrate is about 90% when concentrated 4 times (iron concentration 350 g / l) and when concentrated 5 times (iron concentration) In 100 g / l), about 100% of each solidified and was taken out as crystals.
Examples 10-11
The present invention was carried out at atmospheric pressure according to the flow shown in FIG. That is, the treatment was continuously performed using waste hydrochloric acid (an equal mixture of two types of waste hydrochloric acid generated in a continuous tank and a batch tank) generated at a steel wire manufacturing plant (Company d). Conditions in each device during operation are the same as those in the ninth embodiment. Table 7 shows analytical values and concentration ratios of waste hydrochloric acid.
[0076]
[Table 7]
[0077]
Iron in the concentrate (Fe +2 + Fe +3 ) Waste hydrochloric acid was separated into a distillate and a concentrate so that the concentration was about 300 g / l. Table 8 shows the analysis results of the distilled liquid and the concentrated liquid.
[0078]
[Table 8]
[0079]
In both Examples 10 and 11 in which the iron concentration in the concentrated liquid in the evaporator was about 300 g / l, stable long-term concentration treatment was possible.
[0080]
Further, the concentrated liquid taken out of the evaporator can be sent to a re-concentration tank (crystallizer) and indirectly heated so that its iron concentration is 400 g / l or more, so that in any of Examples 10 and 11, it is concentrated. Almost all of the remaining hydrochloric acid in the liquid could be recovered, and a solid material mainly composed of iron chloride was recovered.
[0081]
Furthermore, even when the concentration operation of waste hydrochloric acid is stopped, by adjusting the ratio of the amount of distillate with respect to the amount of waste hydrochloric acid stock solution, that is, by reducing the concentration factor from 3.4 times to 2.3 times, Solidification of the iron salt was prevented, and the evaporator was blocked.
Example 12
Using a calandria type evaporator, the plating factory waste liquid (waste hydrochloric acid) was concentrated under reduced pressure according to the method of Example 10. The processing conditions are shown in Table 9 and the results are shown in Table 10.
[0082]
[Table 9]
[0083]
[Table 10]
[0084]
As is apparent from the results shown in Tables 9 and 10, the waste liquid treatment result almost the same as that of Example 10 was obtained by the treatment under reduced pressure.
Example 13
The present invention was carried out at 112.5 ° C. under atmospheric pressure according to the flow shown in FIG. That is, using waste hydrochloric acid (mixture of two types of waste hydrochloric acid generated in a continuous tank and a batch tank) generated at a steel wire manufacturing plant (Company e), the treatment was continuously carried out (Monday morning start of treatment / Friday Repeated the afternoon processing stop). Conditions in each device during operation are the same as those in the ninth embodiment.
[0085]
Table 11 shows the analytical value / treatment amount of each of the two types of waste hydrochloric acid and a mixture thereof, and Tables 12 and 13 show the analytical value / recovery amount of the distillate and the analytical value / recovery amount of the concentrated liquid, respectively.
[0086]
[Table 11]
[0087]
[Table 12]
[0088]
[Table 13]
[0089]
As a result, waste hydrochloric acid with an iron concentration of 80 g / l and hydrochloric acid concentration of 126 g / l was treated at a rate of 185 liters / hr, and an aqueous hydrochloric acid solution with a concentration of 126 g / l could be recovered at a rate of 135.4 liters / hr. . The distillate recovery rate was 73.2%, and the free hydrochloric acid recovery rate was 86.2%.
[0090]
The concentrated hydrochloric acid concentration was 54.7 g / l, and the iron concentration was 300 g / l. This concentrated solution was concentrated by heating until the iron concentration reached about 400 g / l, whereby almost the entire amount of hydrochloric acid in the concentrated solution was recovered, and the remainder was recovered as a solid substance containing iron chloride as a main component.
[0091]
The recovered hydrochloric acid was circulated to the continuous and batch tanks along with a small amount of fresh hydrochloric acid, and could be used for steel wire treatment. In this case, since the concentration and purity of hydrochloric acid for steel wire treatment are kept almost constant, stable operation was always performed, and a high-quality product was obtained in a predetermined time. There was no need to use an anticorrosive agent when processing the steel wire, and the amount of waste was greatly reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flow sheet showing an example of waste water concentration treatment according to the present invention.
FIG. 2 is a flow sheet showing another example of the wastewater concentration treatment according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... Waste water tank
3 ... Waste water pump
5, 106 ... Boiler
7, 109 ... Compressor
12 ... Concentrator
14 ... Cooler
15 ... Cooling water line
17 ... Distillate tank
19 ... Steam trap
22 ... Solenoid valve
25 ... Concentrated liquid tank
26: Filling
111 ... Auxiliary heat source (steam) line
119 ... Condensation tank
126 ... Disperser
127 ... Heat transfer tube
128 ... Demister
132 ... Re-concentration tank (crystallizer)
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