JP4095853B2 - 電線共同溝用中継ボックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電線共同溝用中継ボックス、特に、中継ボックス本体内への電線の引き込み位置を所定範囲内で自在に調整可能な電線共同溝用中継ボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から電柱によって地上に張り巡らされている電線、光ファイバー等の電線類(以下、単に電線という。)は、都市景観を崩すばかりか、通行や消防活動の妨げになり、さらに高圧電線の場合には、台風や地震等の災害時の切断による二次災害の発生の恐れがあった。このために、図7に示すように、電線類をまとめて歩道の地下に構築された電線共同溝に埋設することが行われている。そして、電線類は、所定間隔をあけて埋設された中継ボックスを介して分岐される。
【0003】
従来、中継ボックスは、図7に示すように、地下に埋設されるコンクリート製中継ボックス本体21と、中継ボックス本体21の側壁22にこれを貫通して固定された複数個の電線用フレキシブルダクトスリーブ23とを備えており、保護管24内に通された電線25は、ダクトスリーブ23を介して中継ボックス本体21内に引き込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電線共同溝用中継ボックスは、次のような問題があった。ダクトスリーブ23は、中継ボックス本体21の側壁22の定位置に固定されているので、ダクトスリーブ23が例えフレキシブルになっていても電線の中継ボックス本体21内への引き込みに支障を来たすことがあった。
【0005】
従って、この発明の目的は、ダクトスリーブを中継ボックス本体の側壁に対して移動可能に取り付けることによって、中継ボックス本体への電線の引き込み位置を所定範囲内で自在に調整することが可能な電線共同溝用中継ボックスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、地下に埋設される中継ボックス本体と、前記中継ボックス本体の側壁に固定される少なくとも1枚の基板と、前記基板の外面に固定される電線用ダクトスリーブと、前記基板の前記外面に回転自在に嵌め込まれる、ボルト用長孔が径方向に形成された少なくとも1つの円板状座金とを備え、前記基板は、前記座金の前記長孔に挿通されるボルトを介して前記側壁に固定され、前記基板において前記ダクトスリーブの固定部分には、基板側開口が形成され、前記側壁において前記基板の前記基板側開口部分には、側壁側開口が形成され、前記側壁側開口は、前記基板側開口に比べて大きいことに特徴を有するものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記座金は、前記基板の対角線上に一対設けられていることに特徴を有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の電線共同溝用中継ボックスの一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、この発明の電線共同溝用中継ボックスを示す側面図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図1のB−B線断面図、図4は、座金の正面図、図5は、座金の側面図、図6は、ダクトスリーブの移動状態を示す正面図である。
【0010】
図1から図6において、1は、コンクリート等からなる地中に埋設される中継ボックス本体、2は、中継ボックス本体1の鋼板等からなる側壁である。側壁2は、中継ボックス本体1にボルト3により固定されている。4は、側壁2に固定された基板であり、中継ボックス本体1内に引き込む電線の数だけ設けられている(この例では4枚)。5は、基板4の外面に固定された電線用円筒状ダクトスリーブである。基板4においてダクトスリーブ5の固定部分には、ダクトスリーブ5とほぼ同径の基板側開口4Aが形成されている。側壁2において基板4の基板側開口4A部分には、側壁側開口2Aが形成されている。側壁側開口2Aは、基板側開口4Aに比べて大きく形成されている。
【0011】
6は、ボルト用長孔7が径方向に形成された円板状座金であり、基板4の外面の対角線位置に形成された一対の円形状凹陥部4Bの各々に回転自在に嵌め込まれている。円板状座金6は、図4および図5に示すように、小径部6Aと大径部6Bとからなり、小径部6Aが、基板4の凹陥部4Bに回転自在に嵌め込まれ、大径部6Bは、基板4の上面から突出している。基板4は、座金6の長孔7に挿通されるボルト8を介して側壁2に固定されている。基板4の座金6の取り付け部分には、ボルト8が長孔7のどの箇所においても貫通できるように、長孔7の長さを直径とする挿通孔4Cが形成されている。9は、端部がダクトスリーブ5に接続された保護管であり、10は、保護管9内に通された電線である。
【0012】
この発明の電線共同溝用中継ボックスは、以上のように構成されているので、ボルト8を緩めて基板4を移動すると、基板4は、座金6の長孔7の長さの範囲内でダクトスリーブ5と共に移動し、これによって、電線の中継ボックス本体1内への引き込み位置を調整することができる。
【0013】
なお、この場合、図6のA方向、すなわち、座金6の長孔7の方向と同じ方向に基板4を移動させる場合には、座金6は、回転せずにそのまま基板4と共に長孔7の長さ分だけ移動するが、図6のB方向、すなわち、座金6の長孔7の方向と異なる方向に基板4を移動させる場合には、座金6は、ボルト8を中心として凹陥部4B内を回転しながら移動する。このように、座金6は、凹陥部4B内に嵌め込まれた状態で移動するので、基板4は、側壁2から離脱することなく且つがたつくことなく円滑に移動する。
【0014】
座金6の数は、基本的には1つで良いが、安定して基板4を移動させるには、基板4の対角線位置に一対設けるのが良い。側壁側開口2Aは、基板側開口4Aに比べて大きく形成されているので、ダクトスリーブ5が移動しても、中継ボックス本体1内への電線10の引き込みに支障は来たさない。
【0015】
このように、従来の電線共同溝用中継ボックスのようにダクトスリーブ5は、中継ボックス本体1の側壁の2の定位置に固定されず、所定範囲内で移動可能であるので、中継ボックス本体1内への電線10の引き込み位置を所定範囲内において自在に調整することができる。従って、電線10の引き込み作業が容易となる。
【0016】
なお、側壁2を上述した基板4の取り付け構造と同様に、中継ボックス本体1に取り付ければ、電線10の中継ボックス本体1への引き込み位置の調整範囲が広がる。すなわち、側壁2のコーナー部に円形状凹陥部4Bを形成し、この凹陥部4Bにボルト用長孔7が径方向に形成された円板状座金6を回転自在に嵌め込み、側壁2を座金6の長孔7に挿通されるボルト8を介して中継ボックス本体1に固定すれば、全てのダクトスリーブ5の位置を所定範囲内で調整することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ダクトスリーブが固定された基板に、ボルト用長孔が形成された円板状座金を嵌め込み、長孔にボルトを挿通して、座金を介して基板を中継ボックス本体の側壁に固定することによって、基板の取り付け位置を長孔の長さの範囲内において自在に調整することができる。従って、中継ボックス本体内への電線の引き込み位置を所定範囲内において自在に調整することができるので、電線の引き込み作業が容易となるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電線共同溝用中継ボックスを示す側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】座金の正面図である。
【図5】座金の側面図である。
【図6】ダクトスリーブの移動状態を示す正面図である。
【図7】地下に埋設された中継ボックスを示す斜視図である。
【符号の説明】
1:中継ボックス本体
2:側壁
2A:側壁側開口
3:ボルト
4:基板
4A:基板側開口
4B:凹陥部
4C:挿通孔
5:ダクトスリーブ
6:座金
6A:小径部
6B:大径部
7:長孔
8:ボルト
9:保護管
10:電線
21:中継ボックス本体
22:側壁
23:ダクトスリーブ
24:保護管
25:電線
Claims (2)
- 地下に埋設される中継ボックス本体と、前記中継ボックス本体の側壁に固定される少なくとも1枚の基板と、前記基板の外面に固定される電線用ダクトスリーブと、前記基板の前記外面に回転自在に嵌め込まれる、ボルト用長孔が径方向に形成された少なくとも1つの円板状座金とを備え、前記基板は、前記座金の前記長孔に挿通されるボルトを介して前記側壁に固定され、前記基板において前記ダクトスリーブの固定部分には、基板側開口が形成され、前記側壁において前記基板の前記基板側開口部分には、側壁側開口が形成され、前記側壁側開口は、前記基板側開口に比べて大きいことを特徴とする電線共同溝用中継ボックス。
- 前記座金は、前記基板の対角線上に一対設けられていることを特徴とする、請求項1記載の電線共同溝用中継ボックス。
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