JP4094663B2 - イミンの水素添加方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フェロセニル(ジ-tert-ホスフィン)配位子を有する二核イリジウム錯体の存在下でのイミンの水素添加によるアミンの製造方法に関する。
米国特許第5 112 999号は、イミンの水素添加(エナンチオ選択的水素添加であることもある)用触媒として好適なジ-tert-ジホスフィン配位子およびハロゲン化物架橋、ハロゲン化物および水素化物配位子を有する二核Ir(III)錯体並びにジ-tert-ジホスフィン配位子を含むIr(III)ハロゲン化物錯塩を説明している。ジ-tert-フェロセニルジホスフィン配位子には言及されていない。米国特許第5 371 256号および欧州特許公開公報第0 612 758号は、イミンのエナンチオ選択的な均一水素添加用の、キラルなフェロセニルジホスフィン配位子を有するイリジウム錯体を説明している。それらの均一触媒過程は有用であることがわかっているけれども、上記触媒の活性および選択性は、それ自体で既に高いとはいえ、未だ完全に満足のいくものではない。上記触媒のエナンチオ選択性および活性を改良するために、上記反応混合物に可溶なハロゲン化物を添加することも提案されている。
ジ-tert-ジホスフィン配位子およびハロゲン化物架橋、ハロゲン化物および水素化物配位子を有する二核Ir(III)錯体並びにジ-tert-ジホスフィン配位子を含むIr(III)ハロゲン化物錯塩は、さらなる添加剤を加えることなく、それだけで、イミンの水素添加において、思いがけなく高い触媒活性および選択性を示すことが今ここに見いだされた。さらに、キラルなジホスフィン配位子とプロキラルなイミンとを使用する場合は、並はずれて高いエナンチオ選択性が達成され、80%またはそれ以上のエナンチオマー過剰になることがある。100パーセントの転化率のための反応時間は、1時間よりもかなり短くてもよく、低い触媒濃度においてさえ、非常に高い収率を比較的短い反応時間で達成することができる。
本発明は、高圧下、触媒としてのジ-tert-ジホスフィン配位子およびハロゲン化物架橋、ハロゲン化物および水素化物配位子を有する二核Ir(III)錯体、もしくはジ-tert-ジホスフィン配位子を含むIr(III)ハロゲン化物錯塩の存在下での水素によるイミンの水素添加による第一または第二アミンの製造方法に関し、上記触媒は、式IもしくはIaに、あるいは少なくとも2つの式Iの化合物の混合物、少なくとも2つの式IおよびIaの化合物の混合物、または少なくとも2つの式Iaの化合物の混合物に該当する。
[(DIP)IrXqYr]2 (I)、
[(DIP)X4]▲−▼Me▲+▼ (Ia)。
上式中、
DIPは、フェロセニルジホスフィンのジ-tert-ジホスフィン配位子であり、そのホスフィン基はシクロペンタジエニル環のオルト位に直接もしくは橋架け基−CRVW−を介して結合しているか、またはフェロセニルのシクロペンタジエニル環に各々結合して、Ir原子といっしょになって、5員環、6員環または7員環を形成しており、
VおよびRWは、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C4フルオロアルキル、フェニルまたはベンジルであるか、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルであり、
XはCl、BrまたはIであり、
YはHであり、
qは2または3の数であり、rは0または1であり、q+rの和は3に等しく、そして、
Me▲+▼はアルカリ金属カチオンまたは第四アンモニウムである)
上記イリジウム化合物は、反応媒体中で大いに可溶な均一触媒であるのが好ましい。「触媒」という用語は、水素添加反応の初めにおいて活性触媒種に転化される触媒前駆体をも包含する。
Wは好ましくは水素である。RVは好ましくはC1〜C4アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピルまたはn-ブチルであり、特にメチルである。
キラルな配位子を含む触媒を使用すると不斉な水素反応において光学誘導(optical induction)が得られるので、ジ-tert-フェロセニルジホスフィンは好ましくは少なくとも1つのキラルな基を含み、そして上記ジホスフィンは特に光学的に純粋な立体異性体または1対のジアステレオ異性体である。
上記ホスフィン基は、同一のまたは異なる、より好ましくは同一の、置換されていないかもしくは置換されていて、1〜20個、特に1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基を2個含んでいるのが好ましい。好ましいジホスフィンは、第二ホスフィン基が以下の群からの同一のまたは異なる2つの基を含むものである。
直鎖状のまたは枝分かれしているC1〜C12アルキル、
置換されていないかもしくはC1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アルコキシで置換されているC5〜C12シクロアルキル、C5〜C12シクロアルキル−CH2−、フェニルまたはベンジル、および各々がハロゲン(例えばF、ClまたはBr)、C1〜C6ハロアルキル、(C1〜C12アルキル)3Si、(C653Si、C1〜C6ハロアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ)、−NH2、フェニル2N−、ベンジル2N−、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、(C1〜C12アルキル)2N−、−アンモニウム−X1 ▲−▼、−SO31、−CO21、−PO31により、もしくは−COO−C1〜C6アルキル(例えば−COOCH3)により置換されているフェニルまたはベンジル(ここで、M1はアルカリ金属または水素であり、そしてX1 ▲−▼は一塩基酸のアニオンである。M1は、好ましくはH、Li、NaまたはKである。一塩基酸のアニオンとしてのX1 ▲−▼は、好ましくはCl▲−▼、Br▲−▼またはカルボン酸のアニオン、例えばホルメート、アセテート、トリクロロアセテートもしくはトリフルオロアセテートである。
好ましくは1〜6個の炭素原子を含むアルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-、iso-およびtert-ブチル、並びにペンチルおよびヘキシルの異性体がある。置換されていないかまたはアルキルで置換されているシクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−もしくはエチル−シクロヘキシルおよびジメチルシクロヘキシルがある。各々がアルキル、アルコキシによりまたはハロアルコキシにより置換されているフェニルおよびベンジルの例としては、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、メチルベンジル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ビストリフルオロメチルフェニル、トリストリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニルおよびビストリフルオロメトキシフェニルがある。好ましいホスフィン基は、以下の群からの、同一のまたは異なる、好ましくは同一の基を含むものである。
1〜C6アルキル、置換されていないかまたは1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するシクロペンチルおよびシクロヘキシル、並びに置換されていないかまたは1〜3個のC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、F、Cl、C1〜C4フルオロアルキルもしくはC1〜C4フルオロアルコキシ置換基を有するベンジルおよび特にフェニル。
上記シクロペンタジエニル基に結合されている上記第二ホスフィン基は下式の基であってもよい。
Figure 0004094663
上式中、mおよびnは、各々が他方に対して独立に、2〜10の整数であり、m+nの和は4〜12、特に5〜8である。その例としては、下式の[3.3.1]-および[4.2.1]-ホビル(phobyl)がある。
Figure 0004094663
上記第二ホスフィン基は、下式の基であってもよい。
Figure 0004094663
上式中、R16は、C1〜C4アルキレン、好ましくはC2−またはC3−アルキレンであり、そしてR14およびR15は、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C5−またはC6−シクロアルキル、置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているフェニル、あるいは置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているベンジルである。R14およびR15は、例えば、メチル、エチル、n-もしくはiso-プロピル、n-、iso-もしくはtert-ブチル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。ハロゲンはFまたはClであるのが好ましい。それらのホスフィン基はさらなるキラルな炭素原子を有しており、ラセミ化合物またはジアステレオ異性体の形で使用することができる。それらのホスフィン配位子の中では、下式
Figure 0004094663
(上式中、R17およびR18はC1〜C4アルキルまたはフェニルである)のものが特に好ましい。
上記フェロセニルジホスフィンは、式IIに該当するのが好ましい。
R1R2P-R5-PR3R4 (II)。
上式中、
1、R2、R3およびR4は、各々が他に対して独立に、置換されていないかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、(C1〜C12アルキル)3Si、(C653Si、C1〜C6ハロアルコキシ、−NH2、フェニル2N−、ベンジル2N−、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、(C1〜C12アルキル)2N−、−アンモニウム−X1 ▲−▼、−SO31、−CO21、−PO31により、もしくは−COO−C1〜C6アルキルにより置換されていて、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり(ここで、M1はアルカリ金属または水素であり、そしてX1 ▲−▼は一塩基酸のアニオンである)、
1とR2とが、およびR3とR4とがいっしょになって、置換されていないかあるいはC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C5−またはC6−シクロアルキルによるか、置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているフェニルによるか、あるいは置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているベンジルによって置換されているC1〜C4アルキレン基を形成しており、そして
5は下式の基である。
Figure 0004094663
上式中、
6は、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C4フルオロアルキル、フェニルまたは1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルである。
1、R2、R3およびR4は、以下の群からの同一のまたは異なる基であるのが好ましい。
置換されていないかまたは1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するシクロペンチルおよびシクロヘキシル、並びに
置換されていないかまたは1〜3個のC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、F、Cl、C1〜C4フルオロアルキルもしくはC1〜C4フルオロアルコキシ置換基を有するベンジルおよび特にフェニル。
特に好適なジホスフィン配位子DIPは、式IIIのものである。
Figure 0004094663
上式中、
6は、水素および特にメチルであり、そして、
Aは、同一のまたは異なる基−P(R)2を表し、ここで、Rは、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキル、二置換アミノ、C1〜C4アルコキシ、−CF3もしくは部分的にもしくは完全にフッ素化されているC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルである。
Rは、アルキルである場合、枝分かれしているC3〜C6アルキルであるのが好ましい。二置換アミノは、2〜20個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する第二アミノであるのが好ましい。それは式−NR707を有していてもよく、ここで、R7およびR07は、各々が他方に対して独立に、C1〜C6アルキル、置換されていないかまたはC1〜C4アルキル−もしくはC1〜C4アルコキシ−で置換されているフェニルまたはベンジルであるか、あるいはR7とR07とがいっしょになって、テトラメチレン、ペンタメチレンまたは−(CH22−O−(CH22−となっている。
好ましいサブグループは、式IIIのジホスフィンがキラルであり、R6が、C1〜C4アルキル、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルであり、Aが、同一のまたは異なる基−P(R)2を表し、ここで、Rが、枝分かれしているC3〜C6アルキル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキル、C1〜C4ジアルキルアミノ、C1〜C4アルコキシ、−CF3もしくは部分的にもしくは完全にフッ素化されているC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルであるものである。それらのホスフィンの場合は、R6がメチルであるキラルな置換化合物が特に好ましい。
上述の好ましい範囲内において、上記の基−P(R)2中のRは特にフェニルまたは置換フェニルである。
それらのジホスフィン配位子の中でもっとも好ましいものは下記のものであり、好ましくは式(I)の触媒中で使用することができる。
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-フェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジプロピル-アミノフェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジ-イソ-プロピル-4-N,N-ジメチル−アミノフェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジ-イソ-プロピル-4-N,N-ジベンジリルアミノフェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジベンジリルアミノフェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-(1’-ピロロ)-フェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジペンチルアミノフェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、
{(R)-1-[(S)-2-(ジ(4-メトキシフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、および特に
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-フェニル)ホスフィン。
フェロセニルジホスフィン配位子の合成は、例えば、欧州特許公開公報第0 564 406号において、およびT. Hayashi他によりBull. Chem. Soc. Jpn., 53, pages 1136-1151において、およびA. Togni他によりJ. Am. Chem. Soc., 116, pages 4062-4066 (1994)において、およびInorg. Chem. Acta, 222, pages 213〜224において説明されている。
式IおよびIaにおいて、Xは、Brおよび特にIであるのが好ましい。また、式IおよびIaにおいて、qは2または3であり、rは1である。
式IaにおけるM▲+▼は、(C1〜C6アルキル)4▲+▼、Li▲+▼、Na▲+▼またはK▲+▼であってもよい。
本発明の方法の特に好ましい形においては、上記触媒は式Ibのものである。
[(DIP)IrI2H]2 (Ib)。
上式中、DIPは、好ましい定義を含めて、上記に定義されているものと同様である。
本発明に従って使用されるべき上記イリジウム触媒は、米国特許第5 112 999号において説明されている方法に準じて合成することができる。
好適なイミンは、特に、少なくとも1つの
Figure 0004094663
基を含むものである。もしも上記の基が非対称に置換されていて、従ってプロキラルなケチミン基を有する化合物である場合は、エナンチオ選択的なまたはジアステレオ選択的なイリジウム触媒を使用すれば、本発明にかかる方法において、光学異性体の混合物または純粋な光学異性体を形成させることができる。上記イミンは、さらなるキラルな炭素原子を含んでいてもよい。上式における結合手は、水素、または1〜22個の炭素原子を有する有機基、または1〜20個の炭素原子およびO、S、NおよびPの群からの少なくとも1つのヘテロ原子を有する有機ヘテロ基により満たされていてもよい。
Figure 0004094663
基の窒素原子は、NH2または1〜22個の炭素原子を有する第一アミノ基、または2〜40個の炭素原子を有する第二アミノ基により満たされていてもよい。上記有機基は、例えばF、Cl、Br、C1〜C4ハロアルキル(ここで、ハロゲンはFまたはClであるのが好ましい)、−CN、−NO2、−CO2H、−CONH2、−SO3H、−PO32により、または−CO2H、−SO3Hおよび−PO32基のC1〜C12アルキルエステル、C1〜C12アルキルアミド、フェニルエステルもしくはベンジルエステルにより置換されていてもよい。アルジミンおよびケチミン基は特に反応性が高く、その結果、本発明にかかる方法を使用して、
Figure 0004094663
基の選択的水素添加が可能である。アルジミンおよびケチミン基は、ヒドラゾン基
Figure 0004094663
を包含するとも理解される。
本発明の方法は、特に対応するアミンおよびヒドラジンの形成を伴う、アルジミン、ケチミンおよびヒドラゾンの水素添加に適している。上記ケチミンは、N−置換されているのが好ましい。キラルなイリジウム触媒を使用し、エナンチオマー的に純粋でキラルなまたはプロキラルなケチミンを水素添加して光学異性体を合成するのが好ましく、その光学収率(エナンチオマー過剰(enantiomeric excess)、ee)は、例えば30%よりも高く、好ましくは50%よりも高く、90%を超える収率を得ることも可能である。上記光学収率は、形成された2種の立体異性体の比を示しており、例えば、この比は2:1より大きくてもよく、4:1より大きいのが好ましい。
上記イミンは、式IVのイミンであるのが好ましく、
Figure 0004094663
これは水素添加されて式Vのアミンを形成する。
Figure 0004094663
上式中、R10は置換基であるのが好ましく、上式中、
10は、直鎖状のもしくは枝分かれしているC1〜C12アルキル、3〜8個の環炭素原子を有するシクロアルキル、炭素原子を介して結合され、3〜8個の環原子並びにO、SおよびNR11の群からの1もしくは2個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アルキル炭素原子を介して結合されているC7〜C16アラルキル、または上述のシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルもしくはヘテロアリールにより置換されているC1〜C12アルキルであるか、あるいは上式中、
10は、C6〜C12アリール、または環炭素原子を介して結合され、環中に1もしくは2個のヘテロ原子を有するC4〜C11ヘテロアリールであって、R10が、置換されていないかまたは−CN、−NO2、F、Cl、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキル、−OH、C6〜C12−アリールもしくは−アリールオキシもしくは−アリールチオ、C7〜C16−アラルキルもしくは−アラルコキシもしくは−アラルキルチオ、2〜24個の炭素原子を有する第二アミノ、−CONR1213によるかもしくは−COOR12により置換されており、そして上記アリール基並びに上記アラルキル、アラルコキシおよびアラルキルチオ中のアリール基もまた、置換されていないかまたは−CN、−NO2、F、Cl、C1〜C4−アルキル、−アルコキシもしくは−アルキルチオ、−OH、−CONR1213によるかもしくは−COOR12により置換されており、
12およびR13は、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C12アルキル、フェニルまたはベンジルであるか、あるいは
12とR13とがいっしょになって、テトラ−もしくはペンタ−メチレンまたは3−オキサペンチレンとなっており、
11は、R12に対して与えられているものと同じ意味を独立に有し、
8およびR9は、各々が他方に対して独立に、水素原子、その各々が、置換されていないかまたは−OH、C1〜C12アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、2〜24個の炭素原子を有する第二アミノ、−CONR1213によるかもしくは−COOR12により置換されているC1〜C12アルキルまたは3〜8個の環炭素原子を有するシクロアルキル、置換されていないかもしくはR10と同様に置換されているC6〜C12アリールもしくはC7〜C16アラルキル、またはR12およびR13が上記に定義されているものと同様である−CONR1213もしくは−COOR12であるか、あるいは
10は上記に定義されているものと同様であり、そしてR8とR9とがいっしょになって、1もしくは2個の−O−、−S−もしくは−NR6−基が任意に介在しているか、および/または置換されていないかもしくは=Oにより置換されているかもしくはアルキルの意味でのR8およびR9に対して上記に示されたものと同様であるか、および/またはベンゼン、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェンもしくはピロールと縮合している、2〜5個の炭素原子を有するアルキレンとなっているか、あるいは
9は、上記に定義されているものと同様であり、そしてR8とR10とがいっしょになって、1もしくは2個の−O−、−S−もしくは−NR11−基が任意に介在しているか、および/または置換されていないかもしくは=Oにより置換されているかもしくはアルキルの意味でのR8およびR9に対して上記に示されたものと同様であるか、および/またはベンゼン、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェンもしくはピロールと縮合している、2〜5個の炭素原子を有するアルキレンとなっている。
上記の基R8、R9およびR10は、1個またはそれ以上のキラル中心を有していてもよい。
8、R9およびR10は、あらゆる希望する位置で、同一のまたは異なる基、例えば1〜5個、好ましくは1〜3個の置換基により置換されていてもよい。
8、R9およびR10にとって好適な置換基は、
1〜C12−、好ましくはC1〜C6−、特にC1〜C4−アルキル、−アルコキシまたは−アルキルチオ、例えばメチル、エチル、プロピル、n-、iso-およびtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシルの異性体、並びに対応するアルコキシおよびアルキルチオ基、
ハロゲンとして好ましくはFおよびClを有するC1〜C6−、好ましくはC1〜C4−ハロアルキル、例えばトリフルオロ−またはトリクロロ−メチル、ジフルオロクロロメチル、フルオロジクロロメチル、1,1-ジフルオロエタ-1-イル、1,1-ジクロロエタ-1-イル、1,1,1-トリクロロ−または1,1,1-トリフルオロ−エタ-2-イル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1,1-トリフルオロ-2,2-ジクロロエチル、n-ペルフルオロプロピル、iso-ペルフルオロプロピル、n-ペルフルオロブチル、フルオロ−またはクロロ−メチル、ジフルオロ−またはジクロロ−メチル、1-フルオロ−または1-クロロ−エタ-2-イルまたは−エタ-1-イル、1-、2-もしくは3-フルオロ−または1-、2-もしくは3-クロロ−プロパ-1-イルまたは−プロパ-2-イルまたは−プロパ-3-イル、1-フルオロ−または1-クロロ−ブタ-1-イル、−ブタ-2-イル、−ブタ-3-イルまたは−ブタ-4-イル、2,3-ジクロロ−プロパ-1-イル、1-クロロ-2-フルオロ−プロパ-3-イル、2,3-ジクロロブタ-1-イル、
アリールが、好ましくはナフチルおよび特にフェニルであるC6〜C12−アリール、−アリールオキシまたはアリールチオ、アリール基が好ましくはナフチルおよび特にフェニルであり、アルキレン基が直鎖状であるかもしくは枝分かれしていて、1〜10個、好ましくは1〜6個、特に1〜3個の炭素原子を含むC7〜C16−アラルキル、−アラルコキシおよび−アラルキルチオ、例えばベンジル、ナフチルメチル、1-または2-フェニル−エタ-1-イルまたは−エタ-2-イル、1-、2-もしくは3-フェニル−プロパ-1-イル、−プロパ-2-イルまたは−プロパ-3-イル(ベンジルが特に好ましい)、上述のアリール基を含み、例えばC1〜C4−アルキル、−アルコキシもしくは−アルキルチオ、ハロゲン、−OH、−CONR1213によるかまたは−COOR12により(ここでR4およびR5は定義されているものと同様である)一置換あるいは多置換されていてもよい基であるもの(例としては、メチル、エチル、n-およびiso-プロピル、ブチル、対応するアルコキシ並びにアルキルチオ基、F、Cl、Br、ジメチル−、メチルエチル−およびジエチル−カルバモイル並びにメトキシ−、エトキシ−、フェノキシ−およびベンジルオキシ−カルボニルがある)、
ハロゲン、好ましくはFおよびCl、
2〜24個、好ましくは2〜12個、特に2〜6個の炭素原子を有する第二アミノ、好ましくは2個のアルキル基、例えばジメチル−、メチルエチル−、ジエチル−、メチルプロピル−、メチル−n-ブチル−、ジ−n-プロピル−、ジ−n-ブチル−またはジ−n-ヘキシル−アミノを含む第二アミノ、
12およびR13が、各々が他方に対して独立に、C1〜C12アルキル、好ましくはC1〜C6アルキル、特にC1〜C4アルキルであるか、あるいはR12とR13とがいっしょになって、テトラ−もしくはペンタ−メチレンまたは3−オキサペンチレンとなっており、上記アルキルが直鎖状のまたは枝分かれしている−CONR1213、例えばジメチル−、メチルエチル−、ジエチル−、メチル−n-プロピル−、エチル−n-プロピル−、ジ−n-プロピル−、メチル−n-ブチル−、エチル−n-ブチル−、n-プロピル−n-ブチル−およびジ−n-ブチル−カルバモイル、
12が直鎖状のまたは枝分かれしているC1〜C12アルキル、好ましくはC1〜C6アルキル、例えばメチル、エチル、n-およびiso-プロピル、n-、iso-およびtert-ブチル、並びにペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシルの異性体である−COOR12である。
8、R9およびR10は、特にケト基、−CN、−NO2、炭素二重結合、N−O−、芳香族ハロゲン基およびアミド基のような官能基を含んでいてもよい。
ヘテロアリールとしてのR8およびR9は、1個のヘテロ原子または同一のもしくは異なる2個のヘテロ原子、特にO、SもしくはN、を有し、好ましくは4または5個の炭素原子を含み、ベンゼンと縮合していてもよい5員環あるいは6員環であるのが好ましい。R8およびR9を誘導することができるヘテロ芳香族の例としては、フラン、ピロール、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、インドールおよびキノリンがある。
ヘテロアリールで置換されているアルキルとしてのR8およびR9は、1個のヘテロ原子または同一のもしくは異なる2個のヘテロ原子、特にO、SもしくはN、を有し、好ましくは4または5個の炭素原子を含み、ベンゼンと縮合していてもよい5員環あるいは6員環から誘導されたものであるのが好ましい。ヘテロ芳香族の例としては、フラン、ピロール、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、インドールおよびキノリンがある。
ヘテロシクロアルキルとしてのまたはヘテロシクロアルキルで置換されているアルキルとしてのR8およびR9は、好ましくは4〜6個の環原子並びにO、SおよびNR11の群からの1個のヘテロ原子または同一のもしくは異なる2個のヘテロ原子を含む。それはベンゼンと縮合していてもよく、例えばピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、インダン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、ピペリジン、ピペラジンまたはモルホリンから誘導されたものであってもよい。
アルキルとしてのR8、R9およびR10は、置換されていないかまたは置換されているC1〜C6アルキル、特にC1〜C4アルキルであるのが好ましく、これらは直鎖状であるかもしくは枝分かれしていてもよい。例としては、メチル、エチル、iso-およびn-プロピル、iso-、n-およびtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシルの異性体がある。
置換されていないかまたは置換されているシクロアルキルとしてのR8、R9およびR10は、好ましくは3〜6個、特に5もしくは6個の環炭素原子を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがある。
アリールとしてのR8、R9およびR10は、置換されていないかまたは置換されているナフチルおよび特にフェニルである。アラルキルとしてのR8、R9およびR10は、置換されていないかまたは置換されていて、アルキレン部に1〜10個、好ましくは1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであるのが好ましく、上記アルキレンは直鎖状であるかまたは枝分かれしている。例としては、特にベンジルがあり、1-フェニルエタ-1-イル、2-フェニルエタ-1-イル、1-フェニルプロパ-1-イル、1-フェニルプロパ-2-イル、1-フェニルプロパ-3-イル、2-フェニルプロパ-1-イル、2-フェニルプロパ-2-イルおよび1-フェニルブタ-4-イルがある。
−CONR1213および−COOR12としてのR9およびR10において、R12およびR13は好ましくはC1〜C6アルキル、特にC1〜C4アルキルであるか、あるいはR12とR13とがいっしょになって、テトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサペンチレンとなっている。アルキルの例は上記に述べられている。
アルキレンとしていっしょになっているR8とR9またはR8とR10は、1個の−O−、−S−もしくは−NR11−基、好ましくは−O−が介在しているのが好ましい。R8とR9とが、またはR8とR10とが、炭素原子もしくはそれらが各々結合している−N=C基といっしょになって、5員環もしくは6員環を形成しているのが好ましい。それらの置換基として好ましいのは上述のものである。縮合アルキレンとしては、R8とR9とが、またはR8とR10とがいっしょになって、ベンゼンもしくはピリジンと縮合しているアルキレンとなっているのが好ましい。アルキレンの例としては、エチレン、1,2-または1,3-プロピレン、1,2-、1,3-または1,4-ブチレン、1,5-ペンチレンおよび1,6-ヘキシレンがある。介在されているかまたは=Oで置換されているアルキレンの例としては、2-オキサ-1,3-プロピレン、2-オキサ-1,4-ブチレン、2-オキサ-または3-オキサ-1,5-ペンチレン、3-チア-1,5-ペンチレン、2-チア-1,4-ブチレン、2-チア-1,3-プロピレン、2-メチルイミノ-1,3-プロピレン、2-エチルイミノ-1,4-ブチレン、2-または3-メチルイミノ-1,5-ペンチレン、1-オキソ-2-オキサ-1,3-プロピレン、1-オキソ-2-オキサ-1,4-ブチレン、2-オキソ-3-オキサ-1,4-ブチレンおよび1-オキサ-2-オキソ-1,5-ペンチレンがある。縮合アルキレンの例としては、
Figure 0004094663
がある。縮合しており、かつ介在されていて、そして置換きれていないかまたは=Oで置換されているアルキレンの例としては、
Figure 0004094663
がある。
12およびR13は、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C4アルキル、フェニルまたはベンジルであるのが好ましい。R11は水素またはC1〜C4アルキルであるのが好ましい。
さらに好ましい群は、式IVにおいて、R8およびR9が互いに異なるプロキラルなイミンにより形成される。
特に好ましい群では、式IVにおいて、R10が2,6-ジ-C1〜C4アルキルフェン-1-イル、特に2,6-ジ-メチルフェン-1-イルまたは2-メチル-6-エチルフェン-1-イルであり、R8がC1〜C4アルキル、特にエチルまたはメチルであり、そしてR9がC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシメチルまたはC1〜C4アルコキシエチル、特にメトキシメチルである。
それらの化合物の中で、式
Figure 0004094663
のイミンが特に重要であり、式
Figure 0004094663
のイミンも同様である。
式IVのイミンは既知のものであるか、または既知の方法に準じてアルデヒドまたはケトンと第一アミンから合成することができるものである。
イリジウム触媒に対するイミンのモル比は、例えば1,000,000〜10、特に500,000〜20、より好ましく200,000〜100、そしてもっとも好ましくは100,000〜100であってもよい。
好ましくは-20〜100℃、特に0〜80℃、そしてより特別には10〜70℃の温度において、および好ましくは2×105〜1.5×107Pa(5〜150バール)、特に106〜107Pa(10〜100バール)の水素圧において、上記方法を行う。
上記反応は、溶媒の無い場合または溶媒の存在下で行うことができる。単独で、または溶媒の混合物として使用することができる好適な溶媒は、例えば、
ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような脂肪族および芳香族炭化水素、
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンのようなエーテル、
塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2,2-テトラクロロエタンおよびクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素、
酢酸エチル、ブチロラクトンおよびバレロラクトンのようなエステルおよびラクトン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN-メチルピロリドンのような酸アミドおよびラクタム、
アセトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびメトキシアセトンのようなケトン
がある。
詳しくは、本発明にかかる方法は、まず溶媒または水素添加されるべき物質の一部の中に上記触媒を溶解し、次に、上記イミン(好適ならば溶液として)を添加することにより行うことができる。その混合物をオートクレーブ中で水素添加し、この反応混合物を単離し、既知な方法、例えば沈殿法、抽出法または蒸留法により精製する。上記触媒は、水素添加の開始段階で、その場で形成させてもよい。
水素添加反応前は、保護ガス雰囲気を使用するのが好都合である。上記触媒溶液を短時間しか置かないようにし、そして上記触媒溶液の調製後できるだけ早く上記イミンの水素添加を行うのが好都合である。
アルジミンおよびケチミンの水素添加の場合は、水素添加前または水素添加中に、上記アルジミンおよびケチミンが形成されてもよい。好ましい態様において、アミンとアルデヒドまたはケトンとをいっしょに混合して上記触媒溶液に添加し、その場で形成されるアルジミンまたはケチミンを水素添加する。しかしながら、初期バッチとしてアミン、ケトンまたはアルデヒドを上記触媒といっしょに使用し、そして上記ケトンまたは上記アルデヒドまたは上記アミンを、全部を同時にまたは計量しながら少量ずつそれに添加することもできる。
上記水素添加は、さまざまなタイプの反応器中、連続的にまたはバッチ式に行うことができる。例えばループ状の反応器のような、比較的良好な混合および良好な放熱を可能にする反応器が好ましいとされる。そのタイプの反応器は、少量の触媒を使用する場合に特に満足なものであることがわかっている。
本発明にかかる方法は、高い化学的転化率を有しつつ、短い反応時間で対応するアミンを生じ、50℃を超える比較的高い温度においてさえ、そして触媒に対するイミンの比が高い場合でさえも、70%またはそれ以上の驚くほどに良好な光学収率を伴う。
本発明に従って合成することができる上記の水素添加された有機化合物は、生物学的に活性な物質であるか、またはそのような物質、特に医薬品および農業用化学物質の合成分野における物質の合成用の中間体である。例えば、o,o-ジアルキルアリールケタミン誘導体、特にアルキルおよび/またはアルコキシアルキル基を有するものは、殺菌剤として、特に除草剤として有効である。上記誘導体は、アミン塩、例えばクロロ酢酸の酸アミド、第四アミンおよびアンモニウム塩であってもよい(例えば、欧州特許公開公報第0 077 755号および欧州特許公開公報第0 115 470号を参照されたい)。
ちなみに、特に重要なものは、本発明にかかる方法を使用して不斉イリジウム触媒の存在下で式(VI)のイミンから合成することができる式VII
Figure 0004094663
(上式中、R01、R02およびR03は、各々が他に対して独立に、C1〜C4アルキルであり、R04はC1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシメチルまたはC1〜C4アルコキシエチルである)の光学活性アミン、および特に式(VIa)および式(VIb)のイミンから合成することができ、一般的な方法に準じて、クロロ酢酸を用いて、クロロアセトアニリド・タイプの希望する除草剤に転化させることができる下式
Figure 0004094663
のアミンである。それらの化合物の中で、不斉C*原子においてS配置を有している化合物がもっとも特別に好ましいとされる。
下記の実施例は、より詳細に本発明を説明する。化学的転化率は、ガスクロマトグラフィー[カラム:2m OV 101/100 10℃/分で200℃まで]により測定する。光学収率(エナンチオマー過剰、ee)は、ガスクロマトグラフィー[キラシル−バル(Chirasil-Val)・カラム、50m、製造業者:米国オールテック(Alltech)、T=150℃、恒温]によるか、HPLC(キラセル(Chiracel)ODカラム)によるかまたは1H−NMR分光分析法(シフト試薬を使用)により測定する。
上記ジホスフィンに対して、下記の略語を使用する。
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ビス[(3,5-ジメチル)-フェニル][ホスフィン [PPF−P(xyl)2
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ビス[(3,5-ジメチル-4-ジメチルアミノ)-フェニル]ホスフィン [PPF−P(NMe2xyl)2
{(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(tert-ブチル)ホスフィン [PPF−P(t-Bu)2
A)出発化合物および触媒の合成
実施例A1:[(PPF−P(xyl)2)Ir(シクロオクタジエン)]BF4(A1)の合成
320mg(1.64mmol)のAgBF4を、10mlの塩化メチレン中の525mg(0.78mmol)の[Ir(シクロオクタジエン)Cl]2の溶液に添加し、攪拌する。15分後、10mlの塩化メチレン中の1g(1.57mmol)のPPF−P(xyl)2をゆっくりと滴下添加する。生じた濃赤色の溶液を、光をあてないようにして、室温において12時間攪拌する。次に、セライト上でそれを濾過し、真空中で溶媒を留去すると、1.54g(96%)の濃赤色の固体(A1)が得られる。
31P{1H}−NMR(121MHz、CDCl3
40.34および8.68(AX型、2pp=21.9および23.6Hz、92%)、6.49および25.11(AX型、2pp=23.96および23.63Hz、6%)、
18.87(s、2%)
実施例A2:[(PPF−P(NMe2xyl)2)Ir(シクロオクタジエン)]BF4(A2)の合成
実施例A1と同様に合成を行う。NMRスペクトルによれば、単離した生成物は、およそ10%の副生物を含む。
31P{1H}−NMR(121MHz、CDCl3
39.76および10.24(AX型、2pp=21.5および21.0Hz)
実施例A3:[(PPF−P(t-Bu)2)Ir(シクロオクタジエン)]BF4(A3)の合成
実施例A1と同様に合成を行う。NMRスペクトルによれば、単離した生成物は、およそ10%の副生物を含む。
31P{1H}−NMR(121MHz、CDCl3
61.38および9.52(AX型、2pp=10.5および17.7Hz)
実施例A4:[(PPF−P(xyl)2)IrHI22(Ir1)の合成
a)6.5g(48.6mmol)のLiIを、20mlのアセトン中の1.5mmolの化合物A1の溶液に添加し、次に、その混合物を攪拌しながら5時間還流させる。冷却後、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去する。橙赤色の残渣を100mlの塩化メチレンに溶解し、室温に12時間放置し、生じる白色沈殿を濾過により取り出す。濾液を100mlの水で2回洗い、次に、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去する。橙褐色の残渣を20mlの塩化メチレンに溶かし、それに50mlのペンタンを添加し、橙褐色の沈殿を濾過により取り出す。その濾液を乾燥するまで再び濃縮し、5mlの塩化メチレンに溶かし、それに20mlのペンタンを添加し、赤褐色の沈殿を濾過により取り出す。最後の操作を繰り返し、3回分の沈殿を合わせ、10mlの水、10mlのエタノールで2回、5mlのジエチルエーテルで2回、そして10mlのペンタンで3回洗う。1.35g(83%)の橙褐色の固体が異性体の混合物として得られる。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
水素化物領域:
主たる異性体 -17.25(dd、ΣJ=25.5Hz、73%)
他の共鳴吸収:-16.15(m、ブロード、5%)、-16.22(dd、ΣJ=24.6Hz、6%)、-19.16(t、2p=16.1Hz、6%)、-19.72(t、2p=16.1Hz、5%)、20.86(dd、ΣJ=28.9Hz、5%)ppm
b)450ml(0.44mmol)の化合物A1と1.5gのLiI(26当量)とを、10mlのアセトンと混合し、その混合物を2時間還流させ、次に、溶媒を除去すると、2種の位置異性体を主生成物として含む濃赤色の固体が得られる。それらを以下のごとく分離する。
まず上記残渣を高真空下で12時間乾燥し、次に、20mlの塩化メチレンを添加し、不溶成分を濾過によって除去し、真空中で溶媒を除去する。その操作を3回繰り返す。次に、5mlのトルエンを添加し、分離した濃赤色の油から黄橙色の溶液をデカントする。上記操作を2回繰り返す。3回分の濾液を合わせ、蒸発により乾燥するまで濃縮する。5mlのトルエンを添加し、赤色の油から黄色の溶液をデカントし、上記操作を繰り返す。上記濾液と油分を合わせる。30mlのペンタンを上記の黄色のトルエン溶液(10ml)に添加し、沈殿する黄色固体を濾過により除去する。その濾液を蒸発により濃縮し、4mlのトルエンに溶解し、30mlのペンタンを添加し、次に、沈殿する黄色固体を濾過により除去する。蒸発により濾液を濃縮し、褐色固体を、2mlのエタノールで2回、2mlのジエチルエーテルで2回洗う。乾燥後、65mg(14%)の化合物Ir2が淡黄褐色の固体の形で得られる。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
水素化物領域:
主たる異性体 -17.22(dd、ΣJ=25.6Hz、92%)
31P{1H}−NMR(121MHz、CDCl3
主たる異性体:10.4および-22.2(AX型、2pp=18.5および15.8Hz、92%)
上記の赤色の油を真空中で乾燥し、塩化メチレンに溶解し、不溶部を濾過により除去する。次に、上記溶液を蒸発乾固させ、上記操作を2回繰り返す。270mg(57%)の化合物Ir3が赤褐色の固体の形で得られる。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
水素化物領域:
主たる異性体 -19.74(t、2Hp=16.3Hz、84%)
31P{1H}−NMR(121MHz、CDCl3
主たる異性体:15.5および-8.6(AX型、2pp=12.5および12.8Hz、84%)
実施例A5:[(PPF−P(NMe2xyl)2)IrHI22(Ir4)の合成
1.4g(39当量)のLiIを、8mlのアセトン中の0.134mmolの化合物A2の溶液に添加し、その混合物を攪拌しながら5時間還流させる。次に、ロータリーエバポレーターを使用して、4mlの容積になるまでそれを濃縮し、黄橙色の固体残渣を遠心処理により除去する。上記固体を、2mlのアセトンで2回、2mlの塩化メチレン、2mlのクロロホルム、そして5mlのペンタンで2回洗う。真空中での乾燥後、125mg(40%)の橙褐色の固体が得られる。
1H−NMR(300MHz、CD3CN)
水素化物領域:-20.51(t、2Hp=-16.1Hz、87%)、-20.28(t、2Hp=-17.0Hz、13%)
31P{1H}−NMR(121MHz、CD3CN)
11.8および-14.4(s、85%)、8.1および-16.4(m、15%)
実施例A6:[(PPF−P(t−Bu)2)IrHI22(Ir5)の合成
2.6gのLiI(19.43mmol)を、15mlのアセトン中の0.245mmolの化合物A3の溶液に添加し、次に、その混合物を攪拌しながら8時間還流させる。次に、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去し、濃赤色の固体残渣を高真空下で乾燥する。上記固体を20mlの塩化メチレンに溶解し、不溶成分を濾過により除去する。その操作を2回繰り返す。その残渣を塩化メチレンに再び溶かし、10mlの水で2回洗う。次に、ロータリーエバポレーターを使用して塩化メチレンを除去し、赤褐色の残渣を、10mlのエタノールで3回、10mlのジエチルエーテルで3回洗う。真空中での乾燥後、450mg(93%)の赤褐色の固体が得られる。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
水素化物領域:-18.88(dd、Σ2Hp=32Hz、40%)、-21.48(t、2Hp=15.5Hz、60%)
31P{1H}−NMR(121MHz、CDCl3
60.4および8.0(s、ブロード、40%)、54.8および-9.9(s、ブロード、60%)
B)イミンの水素添加
使用するイミンに対して、以下の略語を使用する。
Figure 0004094663
実施例B1〜B13:
50mlの鋼製のオートクレーブ中で、上記触媒(0.0157mmol)を2.5mlの塩化メチレンおよび7.5mlのテトラヒドロフランに溶解する。上記イミン(7.83mmol、500当量)を上記溶液に添加する。上記オートクレーブを25バールにおいて水素で3回ガス抜きする。次に、反応混合物を30℃に加熱し、加圧下で水素を通す。反応の進行を調べるために、内蔵カニューレを通して、試料を定期的に採取する。tConは指示された転化率に到達するのにかかる時間であり、tEndは全反応時間である。S/Irはイリジウム触媒に対するDMAのモル比である。Irは、実施例A4〜A6にかかるイリジウム触媒Ir1〜Ir5を表す。実施例B3およびB10においてはテトラヒドロフラン、実施例B4においては塩化メチレン、実施例B5においてはトルエン、そして実施例B6においてはメチルtert-ブチルエーテルを使用する。結果は表1に示されている。
Figure 0004094663

Claims (27)

  1. 高圧下、触媒としてのジ-tert-ジホスフィン配位子およびハロゲン化物架橋、ハロゲン化物および水素化物配位子を有する二核Ir(III)錯体、もしくはジ-tert-ジホスフィン配位子を含むIr(III)ハロゲン化物錯塩の存在下での水素によるイミンの水素添加による第一または第二アミンの製造方法であって、上記触媒が、式IもしくはIaに、あるいは少なくとも2つの式Iの化合物の混合物、少なくとも2つの式IおよびIaの化合物の混合物、または少なくとも2つの式Iaの化合物の混合物に該当する方法。
    [(DIP)IrXqYr]2 (I)、
    [(DIP)X4]▲−▼Me▲+▼ (Ia)。
    (上式中、
    DIPは、フェロセニルジホスフィンのジ-tert-ジホスフィン配位子であり、そのホスフィン基はシクロペンタジエニル環のオルト位に直接もしくは橋架け基−CRVW−を介して結合しているか、またはフェロセニルのシクロペンタジエニル環に各々結合して、Ir原子といっしょになって、5員環、6員環または7員環を形成しており、
    VおよびRWは、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C4フルオロアルキル、フェニルまたはベンジルであるか、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルであり、
    XはCl、BrまたはIであり、
    YはHであり、
    qは2または3の数であり、rは0または1であり、q+rの和は3に等しく、そして、
    Me▲+▼はアルカリ金属カチオンまたは第四アンモニウムである)
  2. Wが水素である、請求項1に記載の方法。
  3. VがC1〜C4アルキルである、請求項1または2に記載の方法。
  4. Vがメチルである、請求項3に記載の方法。
  5. 上記ジ-tert-ジホスフィンが、少なくとも1つのキラルな基を含む立体異性体または1対のジアステレオ異性体である、請求項1に記載の方法。
  6. 上記ホスフィン基が、同一のまたは異なる2個の、置換されていないかもしくは置換されていて、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 上記ジホスフィンが、以下の群
    直鎖状のまたは枝分かれしているC1〜C12アルキル、
    置換されていないかまたはC1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アルコキシで置換されているC5〜C12シクロアルキル、C5〜C12シクロアルキル−CH2−、フェニルおよびベンジル、並びに
    ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、(C1〜C12アルキル)3Si、(C653Si、C1〜C6ハロアルコキシ、−NH2、フェニル2N−、ベンジル2N−、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、(C1〜C12アルキル)2N−、−アンモニウム−X1 ▲−▼、−SO31、−CO21、−PO31により、または−COO−C1〜C6アルキルにより各々が置換されているフェニルおよびベンジル(ここで、M1はアルカリ金属または水素であり、そしてX1 ▲−▼は一塩基酸のアニオンである。)。
    からの同一のまたは異なる2個の基を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 上記ホスフィン基が下式
    Figure 0004094663
    (上式中、mおよびnは、各々が他方に対して独立に、2〜10の整数であり、m+nの和は4〜12に等しい)
    の基である、請求項1に記載の方法。
  9. 上記ホスフィン基が下式
    Figure 0004094663
    (上式中、R16は、C1〜C4アルキレン、好ましくはC2−またはC3−アルキレンであり、そしてR14およびR15は、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C5−またはC6−シクロアルキル、あるいは置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているフェニル、あるいは置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているベンジルである)
    の基である、請求項1に記載の方法。
  10. 上記フェロセニルジホスフィンが、式II
    R1R2P-R5-PR3R4 (II)
    (上式中、
    1、R2、R3およびR4は、各々が他に対して独立に、置換されていないかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、(C1〜C12アルキル)3Si、(C653Si、C1〜C6ハロアルコキシ、−NH2、フェニル2N−、ベンジル2N−、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、(C1〜C12アルキル)2N−、−アンモニウム−X1 ▲−▼、−SO31、−CO21、−PO31により、または−COO−C1〜C6アルキルにより置換されていて、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり(ここで、M1はアルカリ金属または水素であり、そしてX1 ▲−▼は一塩基酸のアニオンである)、
    1とR2とが、およびR3とR4とがいっしょになって、置換されていないかあるいはC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C5−またはC6−シクロアルキルによるか、置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているフェニルによるか、あるいは置換されていないかまたはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキルによりもしくはハロゲンにより置換されているベンジルによって置換されているC1〜C4アルキレン基を形成しており、そして
    5は下式の基である。
    Figure 0004094663
    (上式中、R6は、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C4フルオロアルキル、フェニルまたは1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルである)
    に該当する、請求項1に記載の方法。
  11. 1、R2、R3およびR4が、以下の群
    置換されていないかまたは1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するシクロペンチルおよびシクロヘキシル、並びに
    置換されていないかまたは1〜3個のC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、F、Cl、C1〜C4フルオロアルキルもしくはC1〜C4フルオロアルコキシ置換基を有するベンジルおよび特にフェニル。
    からの同一のまたは異なる基である、請求項10に記載の方法。
  12. 上記ジホスフィン配位子DIPが、式III
    Figure 0004094663
    (上式中、
    6は、水素又はメチルであり、そして、
    Aは、同一のまたは異なる基−P(R)2を表し、ここで、Rは、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキル、二置換アミノ、C1〜C4アルコキシ、−CF3もしくは部分的にもしくは完全にフッ素化されているC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルである)
    のものである、請求項10に記載の方法。
  13. 上記ジホスフィン配位子DIPが、式III
    Figure 0004094663
    のものであり、
    式IIIのジホスフィンがキラルであり、
    6が、C1〜C4アルキル、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルであり、Aが、同一のまたは異なる基−P(R)2を表し、ここで、Rが、枝分かれしているC3〜C6アルキル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、あるいは各々が1〜3個のC1〜C4アルキル、C1〜C4ジアルキルアミノ、C1〜C4アルコキシ、−CF3もしくは部分的にもしくは完全にフッ素化されているC1〜C4アルコキシ置換基を有するフェニルまたはベンジルである、請求項10に記載の方法。
  14. 基−P(R)2中のRが、フェニルまたは置換フェニルである、請求項13に記載の方法。
  15. 上記ジ-tert-ジホスフィン配位子が、下記の群
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-フェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジプロピル-アミノフェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジ-イソ-プロピル-4-N,N-ジメチル-アミノフェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジ-イソ-プロピル-4-N,N-ジベンジリルアミノフェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジベンジリルアミノフェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-(1′-ピロロ)-フェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジペンチルアミノフェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、
    {(R)-1-[(S)-2-(ジ(4-メトキシフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、および特に
    {(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]}エチル-ジ(3,5-ジメチル-フェニル)ホスフィン、
    から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  16. 上記触媒が式Ib
    [(DIP)IrI2H]2 (Ib)
    (上式中、DIPは請求項1において定義されているものと同様である)
    のものである、請求項1に記載の方法。
  17. 上記イミンが、式IV
    Figure 0004094663
    (上式中、R10は、直鎖状のもしくは枝分かれしているC1〜C12アルキル、3〜8個の環炭素原子を有するシクロアルキル、炭素原子を介して結合され、3〜8個の環原子並びにO、SおよびNR11の群からの1もしくは2個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アルキル炭素原子を介して結合されているC7〜C16アラルキル、または上述のシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルもしくはヘテロアリールにより置換されているC1〜C12アルキルであるか、
    あるいは上式中、
    10は、C6〜C12アリール、または環炭素原子を介して結合され、環中に1もしくは2個のヘテロ原子を有するC4〜C11ヘテロアリールであって、R10が、置換されていないかまたは−CN、−NO2、F、Cl、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキル、−OH、C6〜C12−アリールもしくは−アリールオキシもしくは−アリールチオ、C7〜C16−アラルキルもしくは−アラルコキシもしくは−アラルキルチオ、2〜24個の炭素原子を有する第二アミノ、−CONR1213によるかもしくは−COOR12により置換されており、そして上記アリール基並びに上記アラルキル、アラルコキシおよびアラルキルチオ中のアリール基もまた、置換されていないかまたは−CN、−NO2、F、Cl、C1〜C4−アルキル、−アルコキシもしくは−アルキルチオ、−OH、−CONR1213によるかもしくは−COOR12により置換されており、
    12およびR13は、各々が他方に対して独立に、水素、C1〜C12アルキル、フェニルまたはベンジルであるか、あるいは
    12とR13とがいっしょになって、テトラ−もしくはペンタ−メチレンまたは3−オキサペンチレンとなっており、
    11は、R12に対して与えられているものと同じ意味を独立に有し、
    8およびR9は、各々が他方に対して独立に、水素原子、その各々が、置換されていないかまたは−OH、−C1〜C12アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、2〜24個の炭素原子を有する第二アミノ、−CONR1213によるかもしくは−COOR12により置換されているC1〜C12アルキルまたは3〜8個の環炭素原子を有するシクロアルキル、置換されていないかもしくはR10と同様に置換されているC6〜C12アリールもしくはC7〜C16アラルキル、またはR12およびR13が上記に定義されているものと同様である−CONR1213もしくは−COOR12であるか、あるいは
    10は上記に定義されているものと同様であり、そしてR8とR9とがいっしょになって、1もしくは2個の−O−、−S−もしくは−NR6−基が任意に介在しているか、および/または置換されていないかもしくは=Oにより置換されているかもしくはアルキルの意味でのR8およびR9に対して上記に示されたものと同様であるか、および/またはベンゼン、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェンもしくはピロールと縮合している、2〜5個の炭素原子を有するアルキレンとなっているか、あるいは
    9は、上記に定義されているものと同様であり、そしてR8とR9とがいっしょになって、1もしくは2個の−O−、−S−もしくは−NR11−基が任意に介在しているか、および/または置換されていないかもしくは=Oにより置換されているかもしくはアルキルの意味でのR8およびR9に対して上記に示されたものと同様であるか、および/またはベンゼン、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェンもしくはピロールと縮合している、2〜5個の炭素原子を有するアルキレンとなっている)
    のイミンである、請求項1に記載の方法。
  18. 8とR9とが互いに異なる、請求項17に記載の方法。
  19. 式IVにおいて、R10が2,6-ジ-C1〜C4アルキル-フェン-1-イルであり、R8がC1〜C4アルキルであり、そしてR9がC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシメチルまたはC1〜C4アルコキシエチルである、請求項17に記載の方法。
  20. 上記イミンが下式
    Figure 0004094663
    のイミンである、請求項17に記載の方法。
  21. イリジウム触媒に対するイミンのモル比が1,000,000〜10である、請求項1に記載の方法。
  22. イリジウム触媒に対するイミンのモル比が500,000〜20である、請求項21に記載の方法。
  23. イリジウム触媒に対するイミンのモル比が200,000〜100である、請求項21に記載の方法。
  24. イリジウム触媒に対するイミンのモル比が100,000〜100である、請求項21に記載の方法。
  25. 反応温度が-20〜100℃である、請求項1に記載の方法。
  26. 水素圧が2×105〜1.5×107Paである、請求項1に記載の方法。
  27. 上記反応が溶媒の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
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