JP4091794B2 - 電子カルテ管理システムと電子カルテ管理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カルテを管理する電子カルテ管理システムと電子カルテ管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
総合病院や地域の診療所などの医療機関において、患者の診察・治療記録として作成保管されるカルテは、従来は医師が、用紙にペンなどの筆記具により記入する方式が取られていたが、これらの医療機関でのコンビュータの普及に伴って、患者の診察・治療記録データをコンピュータのFDなどの記憶媒体に電子カルテとして記録する方式に移行している。
この種の電子カルテは、医師のコンピュータの操作によって、診察・治療のデータが簡単に記憶媒体に記録され、必要時に直ちに読み出して利用することができ、医師により必要な追記も簡単に行なえるので、カルテの保管や管理上で極めて便利である。
しかし、一方では、コンピュータの操作によって、用紙に記入するカルテのように、筆跡やインク色などの痕跡を残すことなく、簡単に記録データの書き換えができるために、医師や関係者が、医療ミスの発覚を隠すために、過去の電子カルテに対して改竄を行なうおそれがあった。
【0003】
この問題を解決するために、特開平10−320491号公報、特開平11−102317号公報、特開2000−348123号公報、特開2001−101319号公報において、それぞれ電子カルテの改竄防止の方法が提案されている。
これらの提案を取り入れることにより、電子カルテに対する改竄可能性の問題は解決することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、医療機関には総合病院、専門科病院、地域診療所、介護治療病院などそれぞれの医療目的を持つ独自の医療機関が存在し、ごらの医療機関で患者に対する診察・治療が行なわれるようになると、患者に対して複数の医療機関での診察・治療が行なわれることも多くなる。この場合、患者に対する診察・治療のデータを複数の医療機関で共有して利用することが、無駄な診察や治療を避けて、患者に対して効果的な医療処置を施すために必要である。
この場合、電子カルテを使用して、医療機関間でのカルテの共有が円滑且効果的に実行されるためには、電子カルテの内容の認証性が確保され、電子カルテデータが、提供共有の過程で外部に漏れたり、改竄されることがないことが必要である。
【0005】
本発明は、前述したようなこの種の電子カルテの利用の現状に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、常に認証性が確保され、共有過程での外部へのデータの漏洩や改竄がなく、複数の医療機関の間での電子カルテの共有が可能な電子カルテ管理システムを提供することにある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、常に認証性が認識され、共有過程でのデータの外部への漏洩や改竄がない状態で、複数の医療機関の間で電子カルテを共有させる電子カルテの管理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、患者の診療・治療記録を電磁的手段により作成した電子カルテが、オペレータの情報記録指令に基づき、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられて記録格納される電子カルテ格納ユニットと、該電子カルテ格納ユニットから読み出される前記電子カルテが、複製記録される装着自在な外部記憶媒体と、前記オペレータから、前記電子カルテの複製要求指令がされると、前記オペレータの固有識別情報に基づいて認証を行い、当該認証において認証された固有識別情報に対応する電子カルテを前記電子カルテ格納ユニットから読み出し、読み出した電子カルテを、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化し、改竄検知データを付加して前記外部記憶媒体に複製記録する電子カルテ複製記録制御手段とを有することを特徴とするものである。
【0008】
このような手段によると、電子カルテ格納ユニットには、オペレータの情報記録指令に基づいて、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられた電子カルテが記録格納されているが、前記オペレータの複製要求指令に基づいて、電子カルテ複製記録制御手段によって、電子カルテ格納ユニットから、複製要求指令に係る電子カルテが読み出され、読み出された電子カルテは、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化され、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に複製記録される。
このために、外部記憶媒体に複製記録された電子カルテは、該電子カルテを電子カルテ格納ユニットに記録格納したオペレータのみにより、復号化されて読み取られ、カルテデータ(患者の診療・治療記録)の機密が保持されると共に、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に記録格納された電子カルテは、改竄が不可能で電子カルテの認証性が失われず、セキュリティが完全に確保された状態で電子カルテが記録格納された外部記憶媒体が得られ、この外部記憶媒体を利用して、複数の医療機関の間で外部記憶媒体に記録された電子カルテの診察・治療データを共有化して利用し、患者に対して無駄のない効率的な医療が施される。
【0009】
同様に前記第1の目的を達成するために、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、オペレータの固有識別情報が、オペレータIDとパスワードであることを特徴とするものである。
【0010】
このような手段によると、オペレータIDとパスワードをオペレータの固有識別情報として、請求項1記載の発明での作用が実行される。
【0011】
同様に前記第1の目的を達成するために、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、オペレータの固有識別情報が、オペレータのバイオメトリクス情報であることを特徴とするものである。
【0012】
このような手段によると、オペレータの指紋や虹彩などのバイオメトリック情報を、オペレータの固有識別情報として、請求項1記載の発明での作用が実行される。
【0013】
同様に前記第1の目的を達成するために、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、オペレータの固有識別情報が、ICカードに記録されたオペレータの固有識別情報であることを特徴とするものである。
【0014】
このような手段によると、ICカードに記録されたオペレータの固有識別情報を、オペレータの固有識別情報として、請求項1記載の発明での作用が実行される。
【0015】
前記第2の目的を達成するために、請求項5記載の発明は、患者の診療・治療記録を電磁的手段により作成した電子カルテが、オペレータの情報記録指令に基づき、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられて記録格納される電子カルテ格納ユニットと、該電子カルテ格納ユニットから読み出される前記電子カルテが複製記録される装着自在な外部記憶媒体とを備えた電子カルテ管理システムを利用して、前記外部記憶媒体への電子カルテの複製記録を行なう電子カルテ管理方法であり、
前記電子カルテ管理システムは、
前記オペレータから、前記電子カルテの複製要求指令がされると、前記オペレータの固有識別情報に基づいて認証を行う手順と、
当該認証において認証された固有識別情報に対応する電子カルテを前記電子カルテ格納ユニットから読み出す手順と、
読み出した電子カルテを、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化する手順と、
前記暗号化された電子カルテに、改竄検知データを付加して前記外部記憶媒体に複製記録する手順と
の各処理を順次行なう電子カルテ複製記録制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0016】
このような手段によると、電子カルテ管理システムのオペレータの情報記録指令に基づいて、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられた電子カルテが記録格納されている電子カルテ格納ユニットから、前記オペレータの複製要求指令に基づいて、複製要求指令に係る電子カルテが読み出され、読み出された電子カルテは、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化され、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に複製記録される。このために、外部記憶媒体に複製記録された電子カルテは、該電子カルテを電子カルテ格納ユニットに記録格納したオペレータのみにより、復号化されて読み取られ、カルテデータ(患者の診療・治療記録)の機密が保持されると共に、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に記録格納された電子カルテは、改竄が不可能で電子カルテの認証性が失われず、セキュリティが完全に確保された状態で電子カルテが記録格納された外部記憶媒体が得られ、この外部記憶媒体を利用して、複数の医療機関の間で外部記憶媒体に記録された電子カルテの診察・治療データを共有化して利用し、患者に対して無駄のない効率的な医療が施される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、電子カルテ管理システムに係る一実施の形態に基づいて、図1を参照して説明する。
図1は本実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0018】
本実施の形態は、発明が、オペレータの直接操作によって、電子カルテの作成記録と外部記憶媒体への複製記録とを含む電子カルテの管理を行なう電子カルテ管理装置に一体化構成された場合である。
この電子カルテ管理装置10においては、全体の制御を行なうプロセッサ1が設けられ、このプロセッサ1には、制御プログラムが格納されたプログラム格納媒体2、管理動作時に各種のデータが書込まれ、また読み出されるRAM13、及びオペレータ(医師)により入力される電子カルテデータが格納される内部記憶媒体3が接続されている。同様に、プロセッサ1には、各種のデータが表示されるディスプレイ12が接続され、さらに、プロセッサ1には、オペレータの複製要求指令に基づいて、内部記憶媒体3に格納されている複製要求指令に係る電子カルテの複製記録が行なわれ、電子カルテ管理装置10に着脱自在な外部記憶媒体11が接続されている。
【0019】
一方、電子カルテ管理装置10には、オペレータが各種の操作信号を入力する操作ユニット6、オペレータの固有識別情報として、ICカードに記録された固有識別情報が入力されるICカードセットユニット7、及びオペレータの固有識別情報として、指紋や虹彩などのバイオメトリクス情報が入力されるバイオ情報セットユニット8が設けられ、操作ユニット6、ICカードセットユニット7、及びバイオ情報セットユニット8の出力端子は、固有情報識別回路5に接続され、固有情報識別回路5の出力端子はプロセッサ1に接続されている。
【0020】
このような構成の本実施の形態の動作を説明する。
先ず、電子カルテ管理装置10の内部記憶媒体3への電子カルテ情報の記録格納動作を説明する。
この電子カルテ情報の記録格納動作に際して、オペレータは、最初に電子カルテ管理装置10に固有識別情報を入力することにより、電子カルテ装置10に対するアクセスを行なう。この固有識別情報の入力時に、オペレータは、操作ユニット6、ICカードセットユニット7、バイオ情報セットユニット8の何れかを選択操作することにより、電子カルテ管理装置10に固有識別情報の入力を行い、次いで、操作ユニット6を操作して情報記録指令の入力を行なう。
【0021】
ここで、オペレータが操作ユニット6から固有識別情報の入力を行なう場合には、オペレータが、操作ユニット6を操作することにより、オペレータIDとパスワードとが固有識別情報として、固有情報識別回路5に入力され、プロセッサ1の指令によって、固有情報識別回路5に入力されたオペレータIDとパスワードが、RAM13にすでに登録されているか否かの判定が行なわれ、登録が確認されると電子カルテ作成の認可が行なわれ、ディスプレイ12に電子カルテ作成認可のメッセージが表示される。
【0022】
また、オペレータが、ICカードセットユニット7から固有識別情報の入力を行なう場合には、オペレータが、自己のICカードをICカードセットユニット7の挿入口に挿入セットすることにより、ICカードに記録されているオペレータの固有識別情報が読み取られて、固有情報識別回路5に入力される。次いで、プロセッサ1の指令によって、固有情報識別回路5に入力された固有識別情報が、RAM13にすでに登録されているか否かの判定が行なわれ、登録が確認されると電子カルテ作成の認可が行なわれ、ディスプレイ12に電子カルテ作成認可のメッセージが表示される。
【0023】
さらに、オペレータが、バイオ情報セットユニット8から固有識別情報の入力を行なう場合には、オペレータが、自己の指紋をバイオ情報セットユニット8にセットし、或いは自己の瞳をバイオ情報セットユニット8にセットすることによって、オペレータの固有識別信号の入力が行なわれる。
ここで、オペレータが、指紋をバイオ情報セットユニット8にセットした場合には、オペレータの指紋が、固有情報識別回路5によって指紋画像データとして検出され、次いで、プロセッサ1の指令によって、固有情報識別回路5で検出された指紋画像データが、RAM13にすでに登録されているか否かの判定が行なわれ、登録が確認されると電子カルテ作成の認可が行なわれ、ディスプレイ12に電子カルテ作成認可のメッセージが表示される。
【0024】
そして、オペレータが自己の眼をバイオ情報セットユニット8にセットした場合には、オペレータの眼の虹彩が、固有情報識別回路5によって虹彩画像データとして検出され、次いで、プロセッサ1の指令によって、固有情報識別回路5で検出された虹彩画像データが、RAM13にすでに登録されているか否かの判定が行なわれ、登録が確認されると電子カルテ作成の認可が行なわれ、ディスプレイ12に電子カルテ作成認可のメッセージが表示される。
【0025】
一方、操作ユニット6、ICカードセットユニット7、バイオ情報セットユニット8の何れから固有識別情報が入力された場合でも、プロセッサ1によって、入力された固有識別情報が、RAM13に登録格納されていないと判定されると、電子カルテ作成は禁止され、ディスプレイ12に電子カルテ作成禁止のメッセージが表示される。
【0026】
このようにして、操作ユニット6、ICカードセットユニット7、バイオ情報セットユニット8の何れかを選択して固有識別情報の入力を行なったオペレータに対して、電子カルテ作成の認可が行なわれると、医師であるオペレータは、操作ユニット6を操作することにより、診察した患者の診察・治療記録を、電子カルテデータとして 電子カルテ管理装置10に入力する。
オペレータによって、操作ユニット6から電子カルテデータの入力が行なわれると、プロセッサ1の指令によって、入力される電子カルテデータは、すでに述べたようにして直前に入力されるオペレータの固有識別情報に対応付けられて、内部記憶媒体3に電子カルテとして格納される。
【0027】
以上に説明したようにして、内部記憶媒体3に格納された電子カルテを、オペレータが読み出すためには、オペレータは、前述したようにして、電子カルテ管理装置10に、固有識別情報を入力し、入力した固有識別情報が、内部記憶媒体3に電子カルテに対応付けて格納されている固有識別情報と一致することが、プロセッサ1で判定されることが必要である。
このために、電子カルテを作成したオペレータでないと、その電子カルテからカルテデータの読み出しをすることはできず、オペレータの作成した電子カルテが、不正に読み取られて電子カルテの内容が外部に漏れることは防止される。
【0028】
この場合、電子カルテを作成したオペレータ自身による電子カルテの改竄をも防止するためには、すでに示した各公報に開示されているように、電子カルテに対する追記・修正情報を上書きせずに追加登録する方法、一定期間経過後に電子カルテに対する追記や修正を禁止する方法、電子カルテに対する追記・修正が発生した場合は、信頼機関がタイムスタンプと共に保存する方法などを利用することにより、オペレータ自身による改竄を防止することができる。
【0029】
次に、電子カルテ管理装置10の内部記憶媒体3に格納されている電子カルテを外部記憶媒体11に複製記録する複製記録動作を説明する。
この複製記録動作に際して、オペレータは、すでに説明した電子カルテ情報の記録格納動作時の場合と同様に、先ず、電子カルテ管理装置10に固有識別情報を入力し、次いで操作ユニット6を操作することによって、電子カルテ管理装置10に複製要求指令を入力する。
この場合も、プロセッサの指令によって、入力された固有識別情報が、RAM13に予め登録されているか否かの判定が行なわれ、登録が確認されると電子カルテ複製の認可が行なわれ、ディスプレイ12に電子カルテ複製認可のメッセージが表示される。
【0030】
そして、プロセッサ1の指令によって、内部記憶媒体3から複製要求指令に係る電子カルテのカルテデータが読み出され、読み出されたカルテデータが、オペレータの固有識別情報に基づく秘密鍵を利用して暗号化され、さらに、該電子カルテを作成したオペレータを認証するディジタル署名による改竄検知コードが付加される。次いで、プロセッサ1の指令によって、暗号化され改竄検知コードが付加されたカルテデータが、電子カルテ管理装置10に着脱自在に装着されている外部記憶媒体11に記録格納される。
この複製記録動作時に、オペレータが、ICカードをICカードセットユニット7に挿入することにより、固有識別情報の入力を行なった場合に限り、プロセッサ1の指令によって、内部記憶媒体3から読み出された電子カルテのカルテデータの暗号化と改竄検知コード付加の演算は、ICカードの内部で行なわれる。
【0031】
このようにして、複製要求指令に基づいて、内部記憶媒体3から電子カルテのカルテデータが読み出され、読み出されたカルテデータが、オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化され、電子カルテ作成のオペレータを認証する改竄検知コードが付加されて、外部記憶媒体11に記録格納されると、プロセッサ1の指令によって、ディスプレイ12に電子カルテの外部記憶媒体11への複製記録の完了を示すメッセージが表示される。
【0032】
このようにして、オペレータが必要とする電子カルテのカルテデータの複製記録が行なわれた外部記録媒体11は、オペレータによって電子カルテ管理装置10から取り外されて、複数の医療機関の間で電子カルテの診察・治療データを共有化し、患者に対して無駄のない効率的な医療を施し医療効果を高めるために使用される。
例えば、オペレータが大学病院Aの医師Bで、以前大学病院Aで担当して診察し手術を行なった患者Cが、その後故郷の離島の病院Dに転院して治療を続けており、医師Bが半年ごとに病院Dを訪れて、病院Dの医師に治療の指導をしている場合、医師Bは大学病院Aの電子カルテ管理装置10により、外部記憶媒体11に患者Cのカルテデータを複製記録し、この外部記憶媒体11を電子カルテ管理装置10から取り外し、病院Dを訪れる際に参考資料として持参する。
【0033】
この場合、医師Bは、病院Dの電子カルテ管理装置に外部記憶媒体11を装着し、操作ユニットから固有識別情報を入力することによって、すでに説明した大学病院Aの電子カルテ管理装置10の場合と同様にアクセスを行い、外部記憶媒体11から患者Cのカルテデータを読み出し、ディスプレイに表示しながら、患者Cを診察と病院Dの担当医師から治療履歴の説明を聴取する。
また、医師Bは、病院Dの担当医師に今後必要な治療方針の指導を行い必要な治療上のデータを外部記憶媒体11に追加記入し、新に追加記入した治療データは、病院Dの担当医師の患者Cの電子カルテにも追記される。
【0034】
そして、大学病院Aに戻った医師Bは、電子カルテ管理装置10を使用して、外部記憶媒体11に格納されているカルテデータで、内部記憶媒体3に格納されている患者Cの電子カルテを書き換え、内部記憶媒体3には患者Cの最新のカルテデータが格納される。
このようにして、大学病院Aと病院Dに共有化使用された外部記憶媒体11には、医師Bの固有識別情報に基づいて暗号化され、医師Bを認証するディジタル署名による改竄検知コードが付加された最新のカルテデータが格納されており、医師Bでなければ、外部記憶媒体11からカルテデータを読み出すことはできず、外部記憶媒体11に格納されたカルテデータは改竄することはできない。
このために、外部記憶媒体11から不正にカルテデータが読み出されて外部に漏れることはなく、外部記憶媒体11に記録された電子カルテの改竄は不可能で、常に医師Bの認証が確保された状態で、外部記憶媒体11は大学病院Aと病院Dとの間で共有化使用される。
【0035】
以上に説明したように、本実施の形態によると、カルテ管理装置10の内部記憶媒体3に記録格納されている電子カルテのカルテデータは、該電子カルテを書き込んだオペレータのみが読み出し可能で、オペレータが作成した電子カルテを、電子カルテ管理装置10に外部流出のおそれなく安全に保管することが可能になる。同時に、内部記憶媒体3に記録格納されている電子カルテのカルテデータを、該電子カルテを作成したオペレータのみが、外部記憶媒体11に複製記録することが可能で、この複製記録では、内部記憶媒体3のカルテデータが、該オペレータの固有識別情報に基づき暗号化され、オペレータを認証する改竄検知コードが付加される。
【0036】
このために、複製記録された電子カルテを、該電子カルテを作成したオペレータのみが、復号化して読み取ることができ、該電子カルテの認証性と機密が保持され、データの改竄が不可能でセキュリティが完全に確保された状態で電子カルテが記録格納された外部記憶媒体11を取得することが可能になり、この電子カルテが記録格納された外部記憶媒体11を利用して、複数の医療機関の間で外部記憶媒体11に記録された電子カルテの診察・治療データを共有化することにより、患者に対して無駄のない効率的な医療を施し医療効果を高めることが可能になる。
【0037】
なお、以上の実施の形態では、発明が、オペレータの直接操作によって、電子カルテの作成記録と外部記憶媒体への複製記録とを含む電子カルテの管理を行なう電子カルテ管理装置に一体化構成された場合について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、オペレータ端末を電子カルテ管理装置から分離して設け、電子カルテ管理装置とオペレータ端末間を回線で接続した構成とすることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の電子カルテ管理システムに係る発明によると、電子カルテ格納ユニットには、オペレータの固有識別情報に対応付けられた電子カルテが記録格納されているが、前記オペレータの複製要求指令に基づいて、電子カルテ複製記録制御手段によって、電子カルテ格納ユニットから、複製要求指令に係る電子カルテが読み出され、読み出された電子カルテは、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化され、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に複製記録される。
このために、外部記憶媒体に複製記録された電子カルテは、該電子カルテを電子カルテ格納ユニットに記録格納したオペレータのみが、復号化して読み取ることができ、カルテデータ(患者の診療・治療記録)の機密保持が可能になると共に、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に記録格納された電子カルテは、改竄が不可能で電子カルテの認証性が失われず、セキュリティが完全に確保された状態で電子カルテが記録格納された外部記憶媒体を取得することが可能になり、この外部記憶媒体を利用して、複数の医療機関の間で外部記憶媒体に記録された電子カルテの診察・治療データを共有化して利用することにより、患者に対して無駄のない効率的な医療を施し医療効果を高めることが可能になる。
【0039】
請求項2記載の発明によると、オペレータIDとパスワードをオペレータの固有識別情報として、請求項1記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0040】
請求項3記載の発明によると、オペレータの指紋や虹彩などのバイオメトリック情報をオペレータの固有識別情報として、請求項1記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0041】
請求項4記載の発明によると、ICカードに記録されたオペレータの固有識別情報をオペレータの固有識別情報として、請求項1記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0042】
請求項5記載の電子カルテ管理方法に係る発明によると、電子カルテ管理システムのオペレータの情報記録指令に基づいて、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられた電子カルテが記録格納されている電子カルテ格納ユニットから、前記オペレータの複製要求指令に基づいて、複製要求指令に係る電子カルテが読み出され、読み出された電子カルテは、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化され、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に複製記録される。
このために、外部記憶媒体に複製記録された電子カルテは、該電子カルテを電子カルテ格納ユニットに記録格納したオペレータのみが、復号化して読み取ることができ、カルテデータ(患者の診療・治療記録)の機密保持が可能になると共に、改竄検知データが付加されて外部記憶媒体に記録格納された電子カルテは、改竄が不可能でカルテデータの認証性が失われず、セキュリティが完全に確保された状態で電子カルテが記録格納された外部記憶媒体を取得することが可能になり、この外部記憶媒体を利用して、複数の医療機関の間で外部記憶媒体に記録された電子カルテの診察・治療データを共有化して利用することにより、患者に対して無駄のない効率的な医療を施し医療効果を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子カルテ管理システムに係る一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 プロセッサ
2 プログラム格納媒体
3 内部記憶媒体
5 固有情報識別回路
6 操作ユニット
7 ICカードセットユニット
8 バイオ情報セットユニット
10 電子カルテ管理装置
11 外部記憶媒体
Claims (5)
- 患者の診療・治療記録を電磁的手段により作成した電子カルテが、オペレータの情報記録指令に基づき、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられて記録格納される電子カルテ格納ユニットと、
該電子カルテ格納ユニットから読み出される前記電子カルテが、複製記録される装着自在な外部記憶媒体と、
前記オペレータから、前記電子カルテの複製要求指令がされると、前記オペレータの固有識別情報に基づいて認証を行い、当該認証において認証された固有識別情報に対応する電子カルテを前記電子カルテ格納ユニットから読み出し、読み出した電子カルテを、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化し、改竄検知データを付加して前記外部記憶媒体に複製記録する電子カルテ複製記録制御手段と
を有することを特徴とする電子カルテ管理システム。 - 請求項1記載の電子カルテ管理システムにおいて、
前記オペレータの固有識別情報が、オペレータIDとパスワードであることを特徴とする電子カルテ管理システム。 - 請求項1記載の電子カルテ管理システムにおいて、
前記オペレータの固有識別情報が、オペレータのバイオメトリクス情報であることを特徴とする電子カルテ管理システム。 - 請求項1記載の電子カルテ管理システムにおいて、
前記オペレータの固有識別情報が、ICカードに記録された前記オペレータの固有識別情報であることを特徴とする電子カルテ管理システム。 - 患者の診療・治療記録を電磁的手段により作成した電子カルテが、オペレータの情報記録指令に基づき、前記オペレータの固有識別情報に対応付けられて記録格納される電子カルテ格納ユニットと、該電子カルテ格納ユニットから読み出される前記電子カルテが複製記録される装着自在な外部記憶媒体とを備えた電子カルテ管理システムを利用して、前記外部記憶媒体への電子カルテの複製記録を行なう電子カルテ管理方法であり、
前記電子カルテ管理システムは、
前記オペレータから、前記電子カルテの複製要求指令がされると、前記オペレータの固有識別情報に基づいて認証を行う手順と、
当該認証において認証された固有識別情報に対応する電子カルテを前記電子カルテ格納ユニットから読み出す手順と、
読み出した電子カルテを、前記オペレータの固有識別情報に基づいて暗号化する手順と、
前記暗号化された電子カルテに、改竄検知データを付加して前記外部記憶媒体に複製記録する手順と
の各処理を順次行なう電子カルテ複製記録制御手段を備えることを特徴とする電子カルテ管理方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002147220A JP4091794B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 電子カルテ管理システムと電子カルテ管理方法 |
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Publications (2)
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---|---|
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