JP4091174B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、原稿の画像を読み取って画像を形成する画像形成装置が有する読み取った画像を処理する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ではほとんどの複写機において初期設定モードで文字画像や階調画像の混在する原稿に対して識別処理を行い、それぞれ所定の画像処理を施して出力することが多くなった。これらの画像のうち文字に対しては階調数は少なくともより鮮明な画像を得るための処理を行い、逆に階調画像に対しては階調数が豊富でより滑らかな画像を得るための処理を行うことが求められる。このため、複写機において入力された画像に対して個々の画素がどの画像に属するものであるかを識別する領域識別の技術が不可欠なものになった。
【0003】
従来、この領域識別は特公平04−5305号公報などに記載されているように、所定の大きさをもつ2次元ブロックを作成し、注目画素と周辺画素の画素値を比較し、その差の大きさが所定の値よりも大きい場合にエッジがあるものと判定し、文字や罫線の成分として検出する方法や、特公平05−56067号公報、05−50187号公報、特公平05−46789号公報などのように、所定の大きさをもつ2次元ブロック内で隣接する画間の差の絶対値を主走査方向および副走査方向に対してそれぞれ求め、それぞれ積分していった値の和を所定の閾値と比較することによって画像の属性を識別する方法が述べられている。
【0004】
これらの方法では、たいてい求めた特徴量に対して所定の条件によって検出するものであり、どのような原稿に対してもこの条件は固定されていることが多い。しかし、実際に入力される原稿は通常の印刷原稿のように比較的文字画像の濃度が高いものもあれば、鉛筆原稿や地図原稿などのように前者と比較すると文字そのものが薄い原稿もある。前述したように従来の原稿に対してほとんど同一の条件で識別を行うと、仮に一般の印刷原稿に合せて像域識別条件を設定されている場合、鉛筆書きの原稿や地図原稿などのように比較的文字の濃度が薄い原稿に対して同識別を適用すると文字の多くの部分が識別されないため、出力として得られる文字が読みづらいものになってしまう傾向があった。
【0005】
このように、すべての画像に対して同一条件の識別処理を行ったのでは、例えば鉛筆書き原稿や地図などのように文字の濃度レベルが薄い原稿のように画像によっては識別が適切にできないものがあり、画質の劣化につながった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、複写機において初期設定モードで文字画像や階調画像の混在する原稿に対して識別処理を行い、それぞれ所定の画像処理を施して出力する際、すべての画像に対して同一条件の識別処理を行ったのでは画像によっては識別が適切にできないものがあり、画質が劣化してしまうという問題があった。
そこで、この発明は、画像に対する識別処理を適切に行って画質の劣化を防ぐことのできる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための一実施形態は、
入力手段から入力される画像データの画像処理を行う画像処理装置において、
前記入力手段から入力される画像データの画像処理のモードを設定する設定手段と、
前記入力手段から入力される予め収集された当該画像データに対して統計演算の処理を行なって演算結果を出力する処理手段と、
前記設定手段で設定されたモードと前記処理手段で処理された演算結果とに基づいて特徴量算出の条件を決定し、この特徴量算出の条件に基づいて前記入力手段から入力される画像データの特徴量を算出する算出手段と、
前記設定手段で設定されたモードと前記処理手段で処理された演算結果とに基づいて属性の判定条件を決定し、この判定条件に基づいて前記算出手段で算出された特徴量に従って前記画像データが文字画素か非文字画素かの属性を識別する識別手段と、
前記入力手段から入力された画像データを、第1の階調数をもち第1の鮮明の程度をもつ画像データに変換する処理を行う第1の画像処理手段と、
前記入力手段から入力された画像データを、前記第1の階調数よりも階調数が多い第2の階調数をもち前記第1の鮮明の程度よりも低い鮮明の程度である第2の鮮明の程度をもつ画像データに変換する処理を行う第2の画像処理手段と、
前記第1の画像処理手段からの画像処理結果及び前記第2の画像処理手段からの画像処理結果を受け、前記識別部が前記画像データの属性を文字画素と識別した場合、前記第1の画像処理手段からの画像処理結果を出力し、前記識別部が前記画像データの属性を非文字画素と識別した場合、前記第2の画像処理手段からの画像処理結果を出力する切替手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は、この発明に係る画像処理装置を有する画像形成装置としてのデジタルカラー複写機の構成を示すものである。デジタルカラー複写機は、入力手段としてのスキャナ部1と画像形成手段としてのプリンタ部2とから構成されている。
【0010】
図3は、上記デジタルカラー複写機の電気的接続および制御のための信号の流れを概略的に表わすものである。図3によれば、デジタルカラー複写機は、主制御部30、スキャナ部1、プリンタ部2、及び操作パネル40とから構成されている。
【0011】
主制御部30は、メインCPU31、ROM32、RAM33、NVM34、共有RAM35、画像処理装置36、ページメモリ制御部37、ページメモリ38、プリンタコントローラ39、およびプリンタフォントROM121によって構成されている。
【0012】
メインCPU31は、主制御部30の全体を制御するものである。ROM32は、制御プログラムが記憶されている。RAM33は、一時的にデータを記憶するものである。
【0013】
操作パネル40はメインCPU31に接続され、全体を制御するパネルCPU41、液晶表示器42、及びプリントキー43とから構成されている。
次に、第1実施例について説明する。
【0014】
図1は、この発明に係る画像処理装置36の概略構成を示すものである。なお、図1においては、スキャナ部1等を入力系101とし、プリンタ部2等を出力系110とし、操作パネル40等を制御手段102として記述する。
【0015】
図1に示す画像処理装置36において、まずプリスキャンモード時は入力系101より与えられたデータがメインCPU3lからスイッチ103がプリスキャン側に切り替わり、プリスキャンデータdpとしてプリスキャンデータ処理部104ヘ供給される。このプリスキャンデータdpは読み取り工程およびデータ集計の高速化のため、本スキャン時と同じ解像度もしくは当該解像度よりも粗い解像度で与えられ、与えられる信号のレベル数も少ないレベル数に設定される。上記プリスキャンデータdpはプリスキャンデータ処理部104へ入力され、ヒストグラムが作成される。
【0016】
プリスキャンデータdpは、本スキャン時のデータd0とともにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、C,M,Y,K)などの一般的なプロセスインクの面積率もしくは厚みなどのインク量を表わしているものであり、値が「0」の場合は非印字、「1」の場合は100%印字をそれぞれ示し、入力系101からは単独もしくは複数のインクの量を表わす信号値が画像信号として供給される。すなわち、入力原稿がモノクロならばKのみ、カラーならばC、M、Y、Kの4色またはC、M、Yの3色のインクがプリスキャンデータdpもしくは本スキャン時のデータd0に相当する。
【0017】
プリスキャンデータdpは、プリスキャンデータ処理部104において、まず、ヒストグラムへと加工される。当該処理部104において、このヒストグラムよりさらに累積ヒストグラムが求められる。この累積ヒストグラムは特徴量算出部105および属性識別部106へ出力される。
【0018】
属性識別部106における動作は以下の通りである。すなわち、上記累積ヒストグラムに基づいて像域識別の特徴量算出方法や識別に関わるパラメータの切替えを行う。例えば、文字が印字されている紙が色付きのものや更紙であったりすると、ロゴ文字などの内部を一般的な原稿のロゴ文字と同じ条件で検出しようとすると文字以外の地肌の一部分までが文字として識別されて出力が見苦しくなることが多いので、累積ヒストグラムを参照して地肌部分と見做してよいレベルを求める。
【0019】
全面が自然画像などの階調画像ではなく、一般的な文字原稿(一部イラストや写真画像がはめ込まれているものを含む)ならば画面上のほとんどの部分が地肌部分で占められており、文字はごく一部であることに着目し、ブラック(以下K)インク量もしくはシアン、マゼンタ、イエロー(以下C,M,Y)インク量の平均値の高い値を示す上位数%を切り出すレベルを上記累積ヒストグラムより推定し、文字内部として抽出することで下地部分を文字内部として識別することなく好ましい結果が得られる。
【0020】
ここで、識別のためのパラメータ切替えの一例として、上記ロゴ文字内部の検出の詳細について説明する。
図4は、色々な文字原稿のヒストグラムの一例を示したものである。図4の(a)は白下地上に印字された通常の文字画像、図4の(b)は色下地上に印字された文字画像、図4の(c)は白下地上に印字された薄い文字画像を示している。これらのヒストグラムを比較しても明白であるが、すべての画像に対して全く同じ閾値(たとえば白下地上の通常文字原稿に台わせた閾値)でロゴ文字内部の識別を行うと、下地に色のある文字原稿は下地の一部までロゴ文字内部として検出して下地に識別むらが発生し、逆に薄い文字原稿は文字部の一部のみが検出されてこちらも文字部に識別むらが発生して好ましくない。
【0021】
また、特徴量を求めて閾値処理する場合も信号そのものを用いる場合と比ベて直接的ではないが、やはり薄い文字に対して通常文字に合わせた閾値で閾値処理すれば文字のエッジ部で識別されない画素が発生する可能性が高くなる。しかし、図5に示すように累積ヒストグラムを作成すれば前述の文字と見做してよいレベルのインク量信号値上位数%までを含むレベルを求めることが容易にできる。
【0022】
たとえば、図5に示すような累積ヒストグラムがあれば文字画像の下地や文字の濃淡に応じて図5の(a)〜(c)のようにそれぞれの状態に合ったロゴ文字内部検出のための閾値thlの選択が可能になる。さらに、図5より下地の中間レベルlv0や、文字の中間レベルに相当するインク量レベルlvlも求めることが可能であるので、この値をもとに特徴量算出のための信号調整や、それぞれの画像に合った特徴量、もしくは閾値の修正が可能であるのでより高い識別精度で像域識別が可能となる。
【0023】
たとえば、文字と非文字とを切り分ける閾値がth0であるとき、2つのインク量レベルlv0とlvlの差から次式により修正閾値theを求める。
the=th0*(lvl−lv0)/k…(1)
ここで、kは、白下地上の通常文字原稿の文字レベルと下地レベルとの差の初期設定値を表わす所定の係数であり、差が大きいlvl−lv0≧kである場合はthe=th0とする。また、下地レベルlv0と文字レベルlvlの差が極めて小さく識別が困難であったり、ノイズ部分まで文字として検出する現象が発生して都合の悪い場合もある。
【0024】
このような問題に対処すべく、下地レベルと文字レベルとの差lv1−lv0を所定の閾値thlと比較して、その値が小さいようであれば対象画像に対する像域識別は行わないものとするように設定しておく。本スキャン時はメインCPU31によって切替えスイッチ103は処理1部107、処理2部108、および特徴量算出部105へと流れる側へと切り替えられる。ここで入力系101から供給された画像信号d0は、特徴量算出部105、処理1部107、処理2部108へ入力される。さらにユーザによるパラメータセットなどが与えられる制御手段102より入力画像に対して所望の画像を得るべく画像モードの選択がなされる。
【0025】
特徴量算出部105は、入力された画素の文字らしさを求めるための特徴量をインク別に算出する。この像域識別に用いる特徴量の算出は、たとえば注目画素と周辺画素の差の絶対値を求め、その中の最大値を特徴量として識別に用いる方法などが用いられる。さらに、処理1部107、処理2部108においては、画素の属性に応じてそれぞれに適した画像処理を施す。また、制御手段102からのモード設定を表わす制御信号は特徴量算出部105および属性識別部106に供給され、与えられたモードに従って特徴量の算出の条件、および属性の判定の条件を切り替える。
【0026】
属性識別部106からの画素の属性を表わす信号は切替部109に供給され、画素の属性に従って処理1部107と処理2部108との出力を切り替え、切替部109から出力系110へ最終的な画像信号が供給される。
【0027】
以下、上記処理1部107および処理2部108にて施される処理の一例について説明する。上記像域識別によつて文字画素と非文字画素に分離されるが、当該処理部ではそれぞれ好ましい出力を得るための処理が行われる。
【0028】
例えば、処理1部107では、文字と識別された画素に対する処理が行われる。この処理で最も一般的なのは高域強調処理であり、図6の(a)に示すようなオペレータで表される高域強調フィルタをかけることでその効果を得る。このような処理を行うことで文字画像がより読みやすいように加工された文字出力を得ることができる。
【0029】
一方、非文字と識別された画素に対しては例えば、図6の(b)に示すようなローパスフィルタ(例えばfl=1/9)を適用することで滑らかな階調の画像が得られる。ただし、入力系101の入出力特性によるぼけが大きい場合、対象画像の非文字部分が網点でないかぎりはむしろ文字に使用する高域強調フィルタよりも係数を小さくした高域強調フィルタ(例えば、文字部fh=.66、非文字部fh=.10)にした方がよい。
【0030】
さらに、図7に示す曲線で表わされるような特性のγ変換のうち、文字画素に対しては図7の(a)のように硬い階調特性のγ変換を行い、非文字画素に対しては図7の(b)のような傾きの階調特性のγ変換を行うと文字はより読みやすく、他の部分は滑らかな画像を得ることが可能になる。上記操作により求めた特徴量は属性識別部106に入力され、ここでは特徴量が所定の閾値よりも大きい値を示す画素のみを文字または罫線に属する画素として判定され、切替部109に供給される識別信号は1(ON)となり、それ以外の画素は0(OFF)となる。
【0031】
上記所定の閾値は各インク毎に、さらに制御手段102より与えられたモードなどで異なる値に切り替わる。以上のようにして、プリスキャン時に取り込んだデータを集計処理した結果を用いて識別に用いる特徴量に対する閾値もしくは信号値そのものに対する閾値を数値的に求めることで、従来の像域識別のように固定条件で処理を行った場合、下地が誤識別されてしまうことの多い新聞やチラシなどのような下地に色のある文字原稿、文字そのものに識別むらが発生する地図や鉛筆の手書き文字のような文字の薄い原稿などに対してもそれぞれに適した識別結果を得て、好ましい出力を得ることを可能にする。
【0032】
次に、第2実施例について説明する。
第1実施例では、プリスキャンデータから求めた累積ヒストグラムによって特徴量や信号値から識別を行う際の識別パラメータを異ならせていたが、ここでは特徴量そのものの計算方法を異ならせる方法について説明する。
【0033】
第2実施例における処理は、図1の構成をそのまま用いる。入力画像毎に使用される紙、インクの色度の違いがあるので同質の識別条件で処理を行うと都合が悪い。ここでは、それを修正して特徴量を求める。まず、プリスキャン時に読み取ったデータの各チャンネル毎の画面内の最大値と最小値を求める。この最大値と最小値を用いて本スキャンで読み取ったデータに対して特徴量算出部105において次のような修正を加える。すなわち、信号そのものの値をdi0(i=C,M,Y,K)、画面内の信号の最大値をdix、最小値をdinとすると、識別用の特徴量算出に用いる補正後の信号値diは次式にて表わすことができる。
【0034】
di=(di0−din)/(dix−din)…(2)
以下に続く特徴量算出、識別、処理切替えなどは第1実施例と同様に処理を行う。
【0035】
このようにプリスキャンデータをもとに特徴量算出前にデータに補正を加えることで使用する紙やインクの色度が異なる場合も対象画像に適した像域識別処理を行うことが可能となる。
【0036】
次に、第3実施例について説明する。
第1および第2実施例では、プリスキャンデータより累積ヒストグラムや最大最小値など信号の値そのものについての統計結果を求めて識別を異ならせる方法を示したが、ここでは上記実施例とほぼ同一の構成でプリスキャンデータより入力画像の周波数分布を求めて、その結果に従って像域識別を切り替えるという方法を示す。但し、この場合プリスキャンデータdpの読み取り時の分解能は第1実施例ほどは粗く設定するのでなく、少なくとも一般的な擬似中間調の粗さ(200dpi /inch程度)よりも細かい分解能(少なくとも300dpi /inch程度)で読み取ることが必要である。
【0037】
当該プリスキャンデータは、プリスキャンデータ処理部104においてデジタルフーリエ変換などを施してその周波数分布を求める。図8の(a)は網点上の文字原稿、図8の(b)は一様下地上の文字の周波数分布を示したものである。図8の(a)と(b)とで比較しても分かるように網点もしくは万線パターン上の文字は周波数分布を取ると網点の周期に相当する特定の周波数にピークが発生する。
【0038】
文字原稿も読み取り系のナイキスト周波数などにおいて多少のピークがあるものも存在するが、そのピーク値の示す頻度は網点などに見られるピーク値と比較すると無視し得るほど小さい。そこで、周波数分布を求めて所定の閾値と比較して頻度の高い周波数の存在を確認した場合、対象としている原稿は網点上の文字が存在しているものとして一様下地上の文字原稿とは像域識別処埋を異ならせる。たとえば、対象原稿が網点もしくは万線パターン上の文字原稿があると判定された場合、像域識別を行う際はあらかじめ、少なくともそのピークの存在する周波数成分の中で最も高周波である成分を弱めるためのフィルタをかけてから像域識別のための特徴量算出を行うようにし、ピークはないと判定されたならばフィルタ処理を行わずに特徴量算出を行う。
【0039】
このフィルタリング処理は、たとえば周波数成分を主走査方向と副走査方向の両者に対して求めるかまたは2次元の周波数成分を求めて、一方の方向のみにピークが確認される場合は対象原稿が万線パターン上の文字である可能性が高いのでその方向の周波数成分のみを弱めるようなフィルタ処理を行えば、識別の精度の低下を最小限に抑えることも可能である。
【0040】
図9は、このフィルタリング処理を行うためのオペレータの一例を表し、図9の(a)は網点に対するフィルタリング処理のためのオペレータ、図9の(b)は主走査方向に周期成分をもつ万線パターンに対するオペレータの例を表わす。なお、万線パターンに対しては図9の(a)の係数を切り替えるだけでも同様な効果を持つフィルタリング処理を行うことが可能である。また、特徴量の算出方法も異なるので、識別の際に用いる閾値もそれぞれ異なる値を適用する。この場合、網点に対する閾値の方が小さい値に設定するとよい。
【0041】
さらに、一様下地上の文字はロゴ文字の内部まで検出しようとしても誤識別による画質低下の危険性が低いので、上記特徴量だけでなく第1実施例と同様に信号値そのものが所定の値よりも大きい場合は文字内部として検出するように設定すればよい。なお、網点上のロゴ文字の内部も検出する要望がある場合は文字内部検出用の閾値をほとんど画質に影響を与えないような極めて高い値に設定してもよい。
【0042】
以上のようにして、プリスキャンデータから入力画像の周波数特性を求め、像域識別の特徴量算出方法や識別のパラメータを異ならせることで網点上や万線パターン上の文字原稿に対しても、一様下地上の文字原稿に対しても精度が高く画質低下の少ない像域識別を行うことが可能になる。
【0043】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、従来の方法と比較して新聞や雑誌、チラシなど比較的濃度が高い下地に印字された文字画像についても、特にロゴ文字の識別が必要な場合でも下地部分を誤って文字として識別することのない文字検出が可能になる。
【0044】
また、逆に鉛筆で記述された文字原稿や地図などの文字そのものが薄い原稿でも識別の際、従来の方法では識別されにくい薄い文宇についても文字画素のほとんどが検出可能な識別が可能となり、例えば文字の一部が検出されないことから発生するぼけを防ぐことが可能となる。
【0045】
また、上記のような原稿の場合の多くはユーザによる操作パネルなどを用いたモード選択もしくは出力条件の変更、あるいはその操作をするための予備知識を必要としていたが、本方式によれば、使用するのが予備知識のないユーザであっても原稿の特性に合う識別処理が施された出力を得ることが可能であり、しかもユーザの手を煩わせることもなく、設定ミスも少ない文字の識別が可能になる。
【0046】
さらに、本方式によれば従来の方法ではどちらかの識別精度を犠牲にせざるを得なかった網点もしくは万線パターン上の文字原稿と一様下地上の文字原稿の両者についてもともに良好な像域識別を行うが可能になり、改めてユーザによる設定の変更の必要性もなくなる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、画像に対する識別処理を適切に行って画質の劣化を防ぐことのできる画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】画像処理装置を有するデジタルカラー複写機の構成を示す図。
【図3】デジタルカラー複写機の電気的接続および制御のための信号の流れを概略的に表わす図。
【図4】色々な文字原稿のヒストグラムの一例を示す図。
【図5】累積ヒストグラムを作成した場合の例を示す図。
【図6】フィルタ処理のバリエーションを示す図。
【図7】入出力特性のバリエーションを示す図。
【図8】網点下地と一様下地との周波数分布の比較を示す図。
【図9】フィルタリング処理を行うためのオペレータの一例を表わす図。
【符号の説明】
1…スキャナ部
2…プリンタ部
31…メインCPU
36…画像処理装置
40…操作パネル
103…スイッチ
104…プリスキャンデータ処理部
105…特徴量算出部
106…属性識別部
107…処理1部
108…処理2部
109…切換部
Claims (4)
- 入力手段から入力される画像データの画像処理を行う画像処理装置において、
前記入力手段から入力される画像データの画像処理のモードを設定する設定手段と、
前記入力手段から入力される予め収集された当該画像データに対して統計演算の処理を行なって演算結果を出力する処理手段と、
前記設定手段で設定されたモードと前記処理手段で処理された演算結果とに基づいて特徴量算出の条件を決定し、この特徴量算出の条件に基づいて前記入力手段から入力される画像データの特徴量を算出する算出手段と、
前記設定手段で設定されたモードと前記処理手段で処理された演算結果とに基づいて属性の判定条件を決定し、この判定条件に基づいて前記算出手段で算出された特徴量に従って前記画像データが文字画素か非文字画素かの属性を識別する識別手段と、
前記入力手段から入力された画像データを、第1の階調数をもち第1の鮮明の程度をもつ画像データに変換する処理を行う第1の画像処理手段と、
前記入力手段から入力された画像データを、前記第1の階調数よりも階調数が多い第2の階調数をもち前記第1の鮮明の程度よりも低い鮮明の程度である第2の鮮明の程度をもつ画像データに変換する処理を行う第2の画像処理手段と、
前記第1の画像処理手段からの画像処理結果及び前記第2の画像処理手段からの画像処理結果を受け、前記識別部が前記画像データの属性を文字画素と識別した場合、前記第1の画像処理手段からの画像処理結果を出力し、前記識別部が前記画像データの属性を非文字画素と識別した場合、前記第2の画像処理手段からの画像処理結果を出力する切替手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記算出手段及び識別手段においては、前記設定手段で設定されたモードと前記処理手段で処理された演算結果とが競合する場合、前記設定手段で設定されたモードを優先させることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 入力される画像データを扱う画像処理のモードを設定し、
前記入力された画像データに対して統計演算の処理を行なって演算結果を出力し、
前記設定されたモードと前記演算処理の演算結果に基づいて特徴量算出の条件を決定し、
この特徴量算出の条件に基づいて前記入力された画像データの特徴量を算出し、
前記設定されたモードと前記演算処理の演算結果に基づいて属性の判定条件を決定し、
この判定条件に基づいて前記算出された特徴量に従って前記画像データが文字画素か非文字画素かの属性を識別し、
前記入力された画像データを、第1の階調数をもち第1の鮮明の程度をもつ画像データに変換し、
前記入力された画像データを、前記第1の階調数よりも階調数が多い第2の階調数をもち前記第1の鮮明の程度よりも低い鮮明の程度である第2の鮮明の程度をもつ画像データに変換し、
前記識別処理において画像データの属性を文字画素と識別した場合、前記第1の階調数及び第1の鮮明の程度をもつ画像データを出力し、
前記識別処理において画像データの属性を非文字画素と識別した場合、前記第2の階調数及び第2の鮮明の程度をもつ画像データを出力することを特徴とする画像処理方法。 - 前記算出工程及び識別工程において、前記設定されたモードと前記演算結果とが競合する場合、前記設定されたモードを優先させることを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
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