JP4087284B2 - ズームレンズ鏡筒及びカム環 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、カム環を有するズームレンズ鏡筒、及びそのカム環に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
例えばズームレンズ鏡筒は、光軸回りに回転駆動されるカム環の回転によって、レンズ群を所定の軌跡で移動させている。すなわち、円筒状をなすカム環の内側に、円筒状をなす直進案内環を配設し、この直進案内環の内部に、レンズ群を支持するレンズ支持枠を配設して、そのフォロアピンを、直進案内環に貫通溝として形成された直進案内溝に係合することにより、レンズ支持枠を直進案内するとともに、上記フォロアピンの先端部をカム環に形成したカム溝に係合させ、カム環を回転させることにより、レンズ群を光軸方向に移動させる。
【0003】
しかし、このようなズームレンズ鏡筒のカム環のカム溝と直進案内環の直進案内溝が、その前端と後端がカム環と直進案内環の前端と後端に達しない位置で終端している場合には、レンズ支持枠の中心からフォロアピンの先端までの距離が、カム環の内周面の半径よりも長いので、レンズ支持枠にフォロアピンを取り付けたまま、このフォロアピンをカム環のカム溝に係合させることはできない。
従って、カム環のカム溝にレンズ支持枠のフォロアピンを係合させるには、まずフォロアピンを取り外したレンズ支持枠をカム環及び直進案内環の内部に入れ、次いでフォロアピンをカム環の外周側からカム溝に挿入してレンズ支持枠の外周面側に取り付ける必要がある。レンズ支持枠に対するフォロアピンの装着方法としては、レンズ支持枠に形成した孔へ単にフォロアピンを嵌入させるだけのものや、フォロアピンの端面から突出する雄ネジをレンズ支持枠の外周面に設けられた雌ネジに螺合させるもの等が知られている。しかし、このような要領によりレンズ支持枠のフォロアピンをカム溝に係合させるのは面倒である。
【0004】
また、レンズ支持枠にフォロアピンを取り付けたままでは、レンズ支持枠を取り外すこともできない。従ってこの場合は、フォロアピンをカム溝から外径方向に抜き取るとともに、レンズ支持枠をカム環及び直進案内環の内部から取り出す必要があるが、この作業も面倒である。例えば、フォロアピンとレンズ支持枠がネジ螺合されている場合には、予めカム環の外周側からフォロアピンを回転させてフォロアピンの雄ネジとレンズ支持枠の雌ネジの螺合を解除し、フォロアピンをカム溝から抜き取っておく必要がある。
【0005】
さらに、上述したように、レンズ支持枠の中心からフォロアピンの先端までの距離がカム環の内周面の半径よりも長いので、このようなカム溝には、レンズ支持枠にフォロアピンが一体成形されたタイプのものは係脱させることができない。
【0006】
また、上述したように、フォロアピンをカム溝へ係脱させるには、カム環の外周側からフォロアピンを係脱(回転操作や径方向への抜き取り)させる必要があるので、カム環の外周側に他の環状体(例えばズームレンズ鏡筒本体)を配置した状態では、フォロアピンのカム溝への係脱作業を行うことができない。
【0007】
一方、カム溝と直進案内溝の前端と後端のそれぞれを、カム環と直進案内環の前端と後端に達する位置まで延ばした場合、カム溝が貫通溝だと、カム環の強度が低下してしまう。また、カム溝が有底溝の場合は、カム環の径が大型化してしまい、ひいてはズームレンズ鏡筒の径が大型化してしまう。
【0008】
以上のような問題点は、ズームレンズ鏡筒以外に用いられるカム環においても同様に存在する。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、ズームレンズ鏡筒の構成部材である環状体に形成されたレンズ群移動用のカム溝に、レンズ支持枠のフォロアピンを簡単に係脱でき、さらに、レンズ支持枠に一体成形されたフォロアピンも係脱させることができ、また、カム溝が形成された環状体の外側に他の環状体が配置されている状態においても、カム溝にフォロアピンを係脱でき、さらに、その径を大型化しないようにすることができ、かつ、カム溝形成に伴う強度低下を最小限に止めることができるカム環を有するズームレンズ鏡筒提供することを目的とする。本発明はまた、カム溝に対するフォロアの係脱作業性とカム環の強度に優れ、かつ大型化も避けることが可能なカム環を提供することを目的とする。
【0010】
【発明の概要】
本発明のズームレンズ鏡筒は、レンズを支持するとともに、その周面にフォロアピンを有するレンズ支持枠と、上記レンズの光軸を中心とした回転対称形状をなし、上記光軸と平行な直進案内溝を有する直進案内環と、該直進案内環と同心をなすとともに、カム溝が形成されたカム環とを具備し、上記レンズ支持枠のフォロアピンを、上記直進案内環の直進案内溝とカム環のカム溝とに嵌合し、上記直進案内環とカム環の上記光軸回りの相対回転によって、上記レンズ支持枠を上記光軸方向に移動させるようにしたズームレンズ鏡筒において、上記カム環が、段階的に径が小さくなるように光軸方向に位置を異ならせて設けた少なくとも2つの異径の筒状部と、該異径筒状部の間に位置する段部とを備え、小径の筒状部に形成したカム溝の一端が大径の筒状部との間の段部に開口され、該開口を通してフォロアピンを該カム溝に挿脱可能としたことを特徴としている。
【0011】
2つのレンズ群を光軸方向に相対移動させるタイプのズームレンズ鏡筒では、カム環に3つの異径筒状部と2つの段部を設け、2つの段部と該2つの段部に連なる小径側の2つの筒状部とにカム溝を形成し、各カム溝にレンズ支持枠のフォロアピンを係合させるとよい。
【0012】
本発明は、カム溝が貫通溝である場合にも強度を確保しやすい。また、フォロアピンはレンズ支持枠と一体に形成されている場合に特に有効である。
【0013】
本発明はまた、ズームレンズ鏡筒に限定されないカム環に関する。本発明のカム環は、直進案内された移動部材に設けられたフォロアと係合するカム溝を有し、回転駆動されることで上記移動部材をカム環の回転軸方向に直進移動させるカム環において、段階的に径が小さくなるように上記回転軸方向に位置を異ならせて設けた少なくとも2つの異径の筒状部と、該異径筒状部の間に位置する段部とを備え、小径の筒状部に形成したカム溝の一端が、大径の筒状部との間の段部に開口され、該開口を通して上記フォロアをカム溝に挿脱可能としたことを特徴としている。
【0014】
例えば、カム環には3つの異径筒状部と2つの段部を設け、その2つの段部と該2つの段部に連なる小径側の2つの筒状部とに跨ってカム溝を形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すズームレンズ鏡筒10は、一眼レフカメラなどに用いられる交換レンズであり、撮影光学系として被写体側から順に、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3を有する。ズームレンズ鏡筒10は、光軸Oを中心として内径側から順に、直進案内環(直進案内部材)1、カム環(環状体)11、固定環3が同心状に設けられ、固定環3の外側には光軸方向の前方位置にフォーカス環7、後方位置にズーム操作環17がそれぞれ独立して回転操作可能に支持されている。ズーム操作環17を回転させると、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3が光軸方向へ所定の軌跡で相対移動して変倍動作が行われる。一方、フォーカス環7を回転させると第1レンズ群L1が光軸方向に移動してフォーカシングが行われる。
【0016】
略円筒状の直進案内環1は、光軸O回りの回転と光軸O方向への直進移動が規制されており、その前端には径方向外向きの環状フランジ1aが形成されている。直進案内環1には、周方向に等角度間隔で3本の光軸Oと平行な直進案内溝1bが形成されている。環状フランジ1aには、直進案内溝1bの前端と連続する径方向溝1cが設けられている。直進案内環1の後端部には、図示を省略したカメラ本体と結合するマウント部1dが形成されている。
【0017】
直進案内環1の外周側に設けた固定環3は、その前端が開口しており、後端部には内径方向へ突出する環状フランジ3cが設けられ、この環状フランジ3cの内径側端部から後方へ向けて固定環部3fが延設されている。固定環部3fは、直進案内環1の後端部付近にネジ5で固定され、これにより固定環3は、光軸O回りの回転と光軸O方向への移動が規制される。
【0018】
固定環3の外周面の前端部にはリードネジ部3aが形成されており、このリードネジ部3aには、略円筒状をなすフォーカス環7の内周面に形成されたリードネジ部7aが螺合している。フォーカス環7を光軸O回りに回転させると、リードネジ部3a、7aの関係によって回転しながら光軸O方向の前後に移動する。固定環3の外周面の前端部近傍にはピン9が立設されており、このピン9は、フォーカス環7の後端部に形成された周方向に長い切り欠き7b内に位置している。このピン9と切り欠き7bの関係により、フォーカス環7の周方向の回動範囲が規制されている。フォーカス環7の内周面の前端部にはフォーカスレンズ群である第1レンズ群L1が支持されている。
【0019】
直進案内環1と固定環3の間には、カム環11が配設されている。このカム環11は、単体としては前端と後端が開口されており、前方から後方に向かうにつれて径が段階的に小さくなる同心状の3つの筒状体(異径筒状部)11a、11b及び11cと、隣り合う筒状体11aと11b、11bと11cの端部同士を結合する環状フランジ(段部)11d、11eとを具備するものである。具体的には、カム環11は光軸方向前方から順に、最も大径である前方筒状体11a、該前方筒状体11aから内径方向へ延出される前方環状フランジ11d、該前方環状フランジ11dの内径側端部に接続する中間筒状体11b、該中間筒状体11bから内径方向へ延出される後方環状フランジ11e、該後方環状フランジ11eの内径側端部に接続する後方筒状体11cを備えている。
【0020】
カム環11の後方筒状体11cの後端部付近には径方向に貫通する雌ネジ孔11fが設けられており、この雌ネジ孔11fには径方向外方を向く回動範囲規制ピン12の下面に突設された雄ネジ12aが螺合されている。この回動範囲規制ピン12は、固定環3の後端部付近に形成された周方向溝3bに嵌合しており、回動範囲規制ピン12の上端は周方向溝3bを貫通し固定環3の上方に突出している。この回動範囲規制ピン12と周方向溝3bの嵌合関係により、カム環11の光軸O回りの回動範囲はワイド端(図2の位置)とテレ端(図3の位置)の間に規制されている。なお、図2乃至図4では、カム環11や直進案内環1に対する周方向溝3bや回動範囲規制ピン12の位置関係を分かりやすくするために、カム環11上に周方向溝3bが描かれているが、図1から分かるように、周方向溝3bが実際にカム溝11上に形成されているわけではない。
また、カム環11の後端面は、固定環3の後端部の環状フランジ3cの前面に当接しており、カム環11の前端面は直進案内環1の環状フランジ1aの後面に当接しているので、カム環11は光軸O方向に移動不能となっている。
【0021】
カム環11の中間筒状体11bには、周方向に等角度間隔で同一形状の3本の2群用カム溝C1が径方向への貫通溝として形成されている。図1乃至図4に示すように、この2群用カム溝C1の後端は中間筒状体11bの後端(すなわち後方環状フランジ11e)よりも前方で終端している。一方、2群用カム溝C1の前端は前方環状フランジ11dにまで達し、該前方環状フランジ11dにおいて前方へ開放されたフォロア挿脱開口11gとなっている。前方筒状体11aの後端部付近の一部領域には、前方環状フランジ11dのフォロア挿脱開口11g(2群用カム溝C1の前端)に連なる3本の前方溝C1aが形成されている。この前方溝C1aは、カム環11の外側からドリル(図示略)等で2群用カム溝C1を加工するときに必然的に形成されてしまう不使用領域である。なお、図1では、光軸方向における形成領域を分かりやすくするために2群用カム溝C1は光軸方向への直線溝のように描かれているが、実際には、図1の断面位置では2群用カム溝C1はその溝幅分の領域(二点鎖線で示す)にのみ表れる。
【0022】
カム環11の後方筒状体11cには、周方向に等角度間隔で同一形状の3本の3群用カム溝C2が径方向への貫通溝として形成されている。図1乃至図4に示すように、この3群用カム溝C2の後端は後方筒状体11cの後端よりも前方で終端している。一方、3群用カム溝C2の前端は後方環状フランジ11eにまで達し、該後方環状フランジ11eにおいて前方へ開放されたフォロア挿脱開口11hとなっている。中間筒状体11bの後端部付近の一部領域には、後方環状フランジ11eのフォロア挿脱開口11h(3群用カム溝C2の前端)に連なる3本の前方溝C2aが形成されている。この前方溝C2aは、上述の前方溝C1aと同様の不使用領域である。なお、2群用カム溝C1と同様に、図1では、3群用カム溝C2は形成領域を分かりやすくするために直線溝のように描かれているが、実際には図1の断面位置では3群用カム溝C2はその溝幅分の領域(二点鎖線で示す)にのみ表れる。
【0023】
可動変倍レンズ群である第2レンズ群L2を支持するレンズ支持枠(移動部材)13の外周面には、周方向に等角度間隔で3本のフォロアピン(フォロア)13aが、一体成形により突設されている。各フォロアピン13aは、直進案内溝1bと2群用カム溝C1に嵌っている。
【0024】
また、可動変倍レンズ群である第3レンズ群L3を支持するレンズ支持枠(移動部材)15の外周面には、周方向に等角度間隔で3本のフォロアピン(フォロア)15aが、一体成形により突設されている。各フォロアピン15aは、直進案内溝1bと3群用カム溝C2に嵌っている。
【0025】
固定環3の外周面の後部には、固定環3と同心をなすズーム操作環17が、光軸O回りに回転自在に嵌合しており、ズーム操作環17に穿設された、回動範囲規制ピン12とほぼ同じ断面形状をなす小径の円形孔17aには回動範囲規制ピン12の上端部が嵌合している。ズーム操作環17をワイド端とテレ端の間で回転させると、カム環11はワイド端とテレ端の間をズーム操作環17と常に一体となって光軸O回りに回転する。
【0026】
ズーム操作環17の後端には径方向内向きの環状フランジ17bが形成されており、この環状フランジ17bは、固定環3に形成された環状段部3dに回転自在に嵌合している。また、固定環3には、環状段部3dの直後に、環状フランジ3cの外周部に位置する環状段部3eが形成されており、この環状段部3eには抜け止め環19が嵌合している。抜け止め環19はネジ21により環状段部3eに固定されている。抜け止め環19は、環状段部3dの前壁3gとの間に環状フランジ17bを挟持して、ズーム操作環17の固定環3に対する光軸O方向の移動を規制している。
【0027】
ズーム操作環17を光軸O回りに回転させると、カム環11が光軸O回りに回転して、第2レンズ群L2は2群用カム溝C1と直進案内溝1bに従って中間筒状体11bの光軸方向の範囲内でワイド端とテレ端の間を光軸方向に直進移動し、第3レンズ群L3は3群用カム溝C2と直進案内溝1bに従って後方筒状体11cの光軸方向の範囲内でワイド端とテレ端の間を光軸方向に直進移動する。ズーム操作環17をワイド端まで回動させると、フォロアピン13a(第2レンズ群L2)とフォロアピン15a(第3レンズ群L3)は図2に示すワイド端に移動し、ズーム操作環17をテレ端まで回動させると、フォロアピン13a(第2レンズ群L2)とフォロアピン15a(第3レンズ群L3)は図3に示すテレ端に移動する。
【0028】
次に、上記構成からなるズームレンズ鏡筒10に、前後のレンズ支持枠13、15を組み付ける要領について説明する。
前後のレンズ支持枠13、15のズームレンズ鏡筒10への組み付け作業は、フォーカス環7と回動範囲規制ピン12を、それぞれ固定環3とカム環11に取り付ける前に行う。
【0029】
図4に示すように、テレ端を超えた位置までカム環11を回転させて、前方環状フランジ11dに形成したフォロア挿脱開口11g(2群用カム溝C1と前方溝C1aの境界部分)と、後方環状フランジ11eに形成したフォロア挿脱開口11h(3群用カム溝C1と前方溝C2aの境界部分)をそれぞれ、直進案内溝1bの一部と径方向にオーバーラップさせる。
この状態で、まずレンズ支持枠15のフォロアピン15aを直進案内環1の前方から径方向溝1cに通し、フォロアピン15aを直進案内溝1bに沿ってそのまま後方に移動させて、環状フランジ11eのフォロア挿脱開口11gに係合させる。次いで、レンズ支持枠13のフォロアピン13aを直進案内環1の前方から径方向溝1cに通し、フォロアピン13aを直進案内溝1bに沿ってそのまま後方に移動させて、のフォロア挿脱開口11hに係合させる。
この後にカム環11をテレ端側に回転させると、フォロアピン13a、15aは図3に示すように光軸方向後方に移動し、直進案内溝1bと各カム溝C1、C2から抜け出せなくなり、前後のレンズ支持枠13、15の組み付け作業が終了する。
この後、フォーカス環7と回動範囲規制ピン12を、それぞれ固定環3とカム環11に取り付ければ、ズームレンズ鏡筒10が完成する。
【0030】
次に、完成状態にあるズームレンズ鏡筒10から、前後のレンズ支持枠13、15を取り外す要領について説明する。
まず、フォーカス環7を固定環3から取り外し、さらに、円形孔17aにドライバー(図示略)を挿入し、ドライバーの先端を回動範囲規制ピン12の上面のマイナス溝12bに係合しながらドライバーを回転させて、回動範囲規制ピン12をカム環11から取り外す。
次いで、図4に示すようにカム環11を、環状フランジ11d、11eに形成したフォロア挿脱開口11g、11hが直進案内溝1bと径方向にオーバーラップする位置まで回転させる。すると、レンズ支持枠13のフォロアピン13aはフォロア挿脱開口11gの位置まで移動し、レンズ支持枠15のフォロアピン15aはフォロア挿脱開口11hの位置まで移動する。
【0031】
この状態で、まずレンズ支持枠13を前方に移動させると、フォロアピン13aが直進案内溝1bに沿って前方に直進移動して2群用カム溝C1(フォロア挿脱開口11g)から脱し、カム環11との係合関係が解除される。レンズ支持枠13をさらに前方に移動させると、フォロアピン13aが径方向溝1cを通して直進案内環1の前方に抜け、レンズ支持枠13が直進案内環1からも取り出される。次いで、レンズ支持枠15を前方に移動させると、フォロアピン15aが直進案内溝1bに沿って前方に直進移動して3群用カム溝C2(フォロア挿脱開口11h)から脱し、さらに前方に移動させると、フォロアピン15aが径方向溝1cを通して直進案内環1の前方に抜け、レンズ支持枠15がカム環11と直進案内環1から取り出される。
【0032】
以上説明した本実施形態によれば、フォロアピン13a、15aをレンズ支持枠13、15から分離せずにフォロアピン13a、15aをカム溝C1、C2に係脱できるので、フォロアピン13a、15aのカム溝C1、C2への係脱作業を簡単に行うことができる。
【0033】
さらに、フォロアピン13a、15aのカム溝C1、C2への係脱作業時に、フォロアピン13a、15aをレンズ支持枠13、15から分離する必要がないので、本実施形態のようにフォロアピン13a、15aがレンズ支持枠13、15と一体成形されたタイプであっても、フォロアピン13a、15aをカム溝C1、C2に係脱することができる。
【0034】
また、カム環11の外周側に他の環状体である固定環3が配置されている状態のまま、カム溝C1、C2にフォロアピン13a、15aを係脱できる。
【0035】
さらに、カム溝C1、C2がカム環11の前端および後端にまで達していない(カム環の端部に開口されていない)ので、カム溝C1、C2を形成したことによるカム環11の強度低下を最小限に止めることができる。
また、カム溝C1、C2が貫通溝なので、有底溝とした場合に比べて、カム環11の径を小さくすることができ、ひいてはズームレンズ鏡筒10全体の径を小さくすることができる。但し、本発明はカム溝が有底の場合にも適用が可能である。
【0036】
なお、実施形態では、カム環11の各筒状体11a、11b、11cは前方から後方へ向かうにつれて段階的に径が小さくなり、レンズ支持枠13、15(フォロアピン13a、15a)の挿脱はカム環11の前方から行うものとしたが、レンズ支持枠の挿脱はカム環の後方から行うようにしてもよい。この場合、各筒状体11a、11b、11cは後方に向かうにつれて径が段階的に大きくなるようにし、かつ、直進案内環1の環状フランジ1aと径方向溝1cを、直進案内環1の後端に形成すればよい。
【0037】
また、実施形態ではカム環11が3つの筒状体11a、11b、11cを有し、2つのレンズ支持枠13、15をガイドしているが、本発明はレンズ支持枠が1つでも、3つ以上でも適用することができる。レンズ支持枠の数を異ならせる場合には、それに応じてカム環の異径筒状部の数を増減させればよい。
【0038】
また、実施形態ではカム溝とフォロアピンをそれぞれ周方向に等間隔で3つ有するものとしたが、その数や周方向での位置間隔は3つに限定されるものではない。
【0039】
さらに、実施形態はズームレンズ鏡筒に適用したものであるが、本発明のカム環はレンズ鏡筒以外にも適用が可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ズームレンズ鏡筒の構成部材である環状体に形成されたレンズ群移動用のカム溝に、レンズ支持枠のフォロアピンを簡単に係脱でき、さらに、レンズ支持枠に一体成形されたフォロアピンも係脱させることができ、また、カム溝が形成された環状体の外側に他の環状体が配置されている状態においても、カム溝にフォロアピンを係脱でき、さらに、その径を大型化しないようにすることができ、かつ、カム溝形成に伴う強度低下を最小限に止めることができる。また、ズームレンズ鏡筒用に限定されないカム環においても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のレンズ鏡筒の上半部分を示す縦断側面図である。
【図2】カム環と直進案内環とフォロアピンのワイド端における関係を示す展開図である。
【図3】テレ端における図2と同様の展開図である。
【図4】カム環をテレ端を超えた位置まで回転させた状態の図2と同様の展開図である。
【図5】図4の状態のカム環の正面図である。
【符号の説明】
1 直進案内環
1a 環状フランジ
1b 直進案内溝
1c 径方向溝
1d マウント部
3 固定環
3a リードネジ部
3b 周方向溝
3c 環状フランジ
3d 環状段部
3e 環状段部
3f 固定環部
3g 前壁
5 ネジ
7 フォーカス環
7a リードネジ部
7b 切り欠き
9 ピン
10 ズームレンズ鏡筒
11 カム環(環状体)
11a 前方筒状体(異径筒状部)
11b 中間筒状体(異径筒状部)
11c 後方筒状体(異径筒状部)
11d 前方環状フランジ(段部)
11e 後方環状フランジ(段部)
11f 雌ネジ孔
11g 11h フォロア挿脱開口
12 回動範囲規制ピン
12a 雄ネジ
12b マイナス溝
13 レンズ支持枠(移動部材)
13a フォロアピン(フォロア)
15 レンズ支持枠
15a フォロアピン(フォロア)
17 ズーム操作環
17a 円形孔
17b 環状フランジ
C1 2群用カム溝
C1a 前方溝
C2 3群用カム溝
C2a 前方溝
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
O 光軸

Claims (6)

  1. レンズを支持するとともに、その周面にフォロアピンを有するレンズ支持枠と、
    上記レンズの光軸を中心とした回転対称形状をなし、上記光軸と平行な直進案内溝を有する直進案内環と、
    該直進案内環と同心をなすとともに、カム溝が形成されたカム環とを具備し、上記レンズ支持枠のフォロアピンを、上記直進案内環の直進案内溝とカム環のカム溝とに嵌合し、上記直進案内環とカム環の上記光軸回りの相対回転によって、上記レンズ支持枠を上記光軸方向に移動させるようにしたズームレンズ鏡筒において、
    上記カム環は、段階的に径が小さくなるように上記光軸方向に位置を異ならせて設けた少なくとも2つの異径の筒状部と、該異径筒状部の間に位置する段部とを備え、小径の筒状部に形成した上記カム溝の一端が大径の筒状部との間の段部に開口され、該開口を通して上記フォロアピンをカム溝に挿脱可能としたことを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  2. 請求項1記載のズームレンズ鏡筒において、上記カム環は3つの上記異径筒状部と2つの上記段部を具備し、上記カム溝が2つの段部と該2つの段部に連なる小径側の2つの筒状部とに形成されており、各カム溝に上記レンズ支持枠のフォロアピンを係合させたズームレンズ鏡筒。
  3. 請求項1または2記載のズームレンズ鏡筒において、上記カム溝が貫通溝であるズームレンズ鏡筒。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のズームレンズ鏡筒において、上記フォロアピンはレンズ支持枠と一体に形成されているズームレンズ鏡筒。
  5. 直進案内された移動部材に設けられたフォロアと係合するカム溝を有し、回転駆動されることで上記移動部材を回転軸方向に直進移動させるカム環において、
    段階的に径が小さくなるように上記回転軸方向に位置を異ならせて設けた少なくとも2つの異径の筒状部と、該異径筒状部の間に位置する段部とを備え、小径の筒状部に形成した上記カム溝の一端が、大径の筒状部との間の段部に開口され、該開口を通して上記フォロアをカム溝に挿脱可能としたことを特徴とするカム環。
  6. 請求項5記載のカム環において、3つの上記筒状部と2つの上記段部を具備し、その2つの段部と該2つの段部に連なる小径側の2つの筒状部とに跨ってカム溝が形成されているカム環。
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